JP5529664B2 - 一斉開放弁 - Google Patents

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Description

本発明は、感知ヘッドの作動により開放動作して消火泡を泡ヘッドから放出させる消火設備の一斉開放弁に関する。
従来の消火設備としての例えば泡消火設備は、配管の途中に混合器を挿入し、消火水に泡原液である消火薬剤を混合して一斉開放弁を介して接続した開放型の泡ヘッドで泡消火液の放出を行う。一斉開放弁は感知配管に設けた感知ヘッドの作動で開放作動する。泡ヘッドに対する配管の途中には流水検知装置が設けられ、泡消火液の放出時の流水を検知して放出警報信号を受信機に送出する。
一斉開放弁はシリンダ室にピストンを収納した弁開閉機構を備え、通常時は感知器配管に充填した加圧泡消火液によるピストンの押圧で弁を閉鎖保持している。火災による熱気流を受けて感知ヘッドが作動すると、シリンダ室の加圧泡消火液が放出されることでピストンが移動して弁を開放し、泡ヘッドに泡消火液を供給して泡消火液を継続的に放出させる。

このような泡消火設備にあっては、火災時に一斉開放弁が正常に動作することを確認する点検が必要であり、一斉開放弁の感知配管の末端に設けた手動起動弁を開き、火災により感知ヘッドが開放動作したと同じように一斉開放弁を開放して配管内に泡消火液を実際に流し、正常に動作することを確認する点検を行っている。
しかしながら、このような従来の消火設備における一斉開放弁の点検にあっては、実際に泡消火液を泡ヘッドから監視区域に放出することで点検を行っているため、点検のために多量の泡消火液を消費することとなり、環境に悪影響を及ぼす恐れがある。
この問題を解決するため、一斉開放弁に泡ヘッドへの流路を閉じて点検用のポートに内部流路を切替える切替弁機構を内蔵したものが知られており、泡消火液を泡ヘッドから放出することなく、実際に泡消火液を流して一斉開放弁の動作を確認できるようにしている。
実用新案登録第3009190号公報
しかしながら、このように点検用の切替弁機構を一体に備えた従来の一斉開放弁にあっては、一斉開放弁に内蔵した点検用切替弁機構について外部から手動操作により開閉する操作機構を設ける必要があり、また、内蔵した点検用切替弁機構から外部に点検時に流れる泡消火液を取り出すための点検配管を予め施工しておく必要があり、一斉開放弁の構造が複雑化すると共に大型化する問題がある。
本発明は、着脱自在なアタッチメントとなる点検治具との組合せにより簡単な構造で大型化することなく容易に点検可能とする一斉開放弁を提供することを目的とする。
本発明は、
火液が供給される1次ポート、消火液を放出するヘッドを設けた配管が接続される2次ポート及び火災時に開放作動する感知ヘッドと点検時に開放させる手動起動弁を設けた感知配管が接続される感知ポートを設けた弁ボディと、
弁ボディの1次ポートと2次ポートを仕切る隔壁に形成された弁座穴を開閉する弁体と、
感知ポートを設けたシリンダ室に弁体と連結又は一体化したピストンを摺動自在に配置し、1次ポートから供給される消火液のオリフィスを介したシリンダ室への充填によるピストンの移動で弁体を閉位置に保持し、感知ヘッドの開放作動時又は手動起動弁の開放時に、シリンダ室に充填された消火液の感知ポートを介した放出によるピストンの移動で弁体を開位置に作動させる開閉駆動機構と、
を備えた一斉開放弁に於いて、
弁ボディの弁座穴から2次ポートの間に設けられた点検ポートと、
点検ポートの内側に形成された第1切替弁座穴と、
弁ボディの弁座穴から2次ポートに至る内部流路を仕切る隔壁に形成され、第1切替弁座穴に相対して同軸に配置された第2切替弁座穴と、
第1切替弁座穴と第2切替弁座穴の間に配置され、リターンバネによる付勢で第1切替弁座穴を閉じて点検用ポートを閉鎖する切替弁体と、
点検時に、点検ポートに外部から挿入保持され、切替弁体の押し込み移動により第1切替弁座穴を開放すると共に第2切替弁座穴を閉鎖し、弁ボディの内部流路を外部に連通する着脱自在な点検治具と、
を設け、点検治具は、
点検時に手動起動弁の2次側から排出された消火液を導入する分岐ポートと、
点検ポート及び分岐ポートから導入された消火液を排出する排出ポートと、
を備えたことを特徴とする。

ここで、点検治具は、点検ポート及び分岐ポートから導入された消火液を排出ポートに接続したホースにより廃液タンクに流して回収させる。

点検治具は、手動起動弁の2次側分岐ポートをホースで接続可能とする

本発明によれば、一斉開放弁の設けた点検ポートにアタッチメントとして準備した点検治具の挿入保持による切替弁体の移動で、点検ポートを開くと共に2次ポート側を閉じ、感知ヘッドが作動した場合と同様に、感知配管の末端に設けている手動起動弁を開操作して感知ヘッドが作動した同じ状態を作り出して一斉開放弁を開くことで、実際に1次ポートから点検ポートに泡消火液を流した点検ができ、実際に泡消火液を泡ヘッドから放出する必要がなく、点検治具に装着したホースを介して泡消火液を回収することで環境汚染を低減でき、点検も簡単且つ容易にできる。
また点検に必要な配管を施工することなく、点検治具を点検ポートに装着するというワンタッチ操作で点検状態に簡単に切替えることができる。
また一斉開放弁の切替弁機構としては、切替弁体を挟んで一対の第1及び第2切替弁座穴を相対配置するという簡単な構造であり、開閉操作に必要な機構や泡消火液を外部に取り出す配管の施工を不要にできる。
本発明の一斉開放弁が設置された泡消火設備を示した説明図 図1の一斉開放弁に点検治具をセットして行う作動試験を示した説明図 本発明による一斉開放弁及び点検治具の具体的な構造の実施形態を示した断面図 図3の一斉開放弁に点検治具をセットして行う作動試験を示した説明図
図1は本発明の一斉開放弁が設けられる泡消火設備を示した説明図である。図1において、建物の地下階などのポンプ室に消火ポンプ10が設置され、モータ12により駆動される。モータ12はポンプ制御盤14により始動、停止の運転制御を受ける。消火ポンプ10はモータ12により駆動され、水源水槽15からの消火用水を吸入し、建物の高さ方向に配置した給水本管16に加圧消火用水を供給する。
消火ポンプ10を起動するため圧力タンク25が設けられる。圧力タンク25は給水本管16に接続され、配管内の加圧消火用水を導入して内部の空気を圧縮している。圧力タンク25には圧力スイッチ28が設けられ、圧力スイッチ28は給水本管16の管内圧力が規定圧力以下に低下したことを検出してポンプ制御盤14に圧力低下検出信号を出力し、これによりモータ12を駆動して消火ポンプ10を起動するようにしている。
給水本管16には混合器20が設けられ、混合器20に対しては原液タンク18から泡消火剤として例えば水成膜消火剤などの原液が供給されて混合される。原液タンク18は、タンク内に配置した隔膜の一方に原液を入れ、隔膜の他方に給水配管16から加圧消火用水を導入することにより原液を加圧して混合器20に供給する。
混合器20の2次側の給水本管16からは分岐管22が消火対象区画、例えば建物の駐車場などに引き出されている。分岐管22の分岐部分には制水弁24に続いて流水検知装置26が設けられている。流水検知装置26は分岐管22にヘッドからの散水に伴う流動が生じると、この流動により流水検知信号を監視盤30に出力する。
流水検知装置26の2次側の分岐管22には制水弁32に続いて本発明による一斉開放弁34が設けられる。一斉開放弁34は弁ボディ45に、泡消火液が供給される1次ポート46、泡ヘッド38を設けた配管36が接続される2次ポート48及び火災時に開放作動する感知ヘッド42を設けた感知配管40を接続する感知ポート50を設け、1次ポート46と2次ポート48を仕切る隔壁に弁座穴52を形成し、弁座穴52に対し開閉自在にピストン弁体54を設けている。
ピストン弁体54の開閉駆動機構は、感知ポート50を設けたシリンダ室55にピストン弁体54を摺動自在に配置し、1次ポート46からの加圧消火用水をオリフィス57から充填し、ピストン弁体54を弁座穴52を閉じる閉位置に押圧保持している。また、火災時には、感知配管40に設けた感知ヘッド42の作動による加圧消火用水の放出によるピストン弁体54の移動で開位置に作動して泡ヘッド38から最初は加圧消火水を放出させ、その後、泡消火液による泡放出とする。
本実施形態の一斉開放弁34は、更に、弁ボディ45の弁座穴52から2次ポート48との間に点検ポート58を設け、点検ポート58の内側に第1切替弁座穴60を形成すると共に、弁座穴52から2次ポート48に至る内部流路を仕切る隔壁に第2切替弁座穴63を形成している。第1切替弁座穴60と第2切替弁座穴63は相対して同軸に配置される。
第1切替弁座穴60と第2切替弁座穴63の間には切替弁体62が配置され、通常時、切替弁体62はリターンバネ64による付勢で第1切替弁座穴60を閉じて点検用ポート58を閉鎖している。
一斉開放弁34の点検ポート58には点検時に図2に示すように点検治具70が装着される。即ち、点検治具70は一斉開放弁34の点検ポート58に外部から挿入保持され、挿入に伴う切替弁体62の押し込み移動により第1切替弁座穴60を開放すると共に第2切替弁座穴63を閉鎖し、弁ボディ45の内部流路を外部に連通する。
一斉開放弁34の点検ポート58に装着した点検治具70の後部にはホース72が接続されており、ホース72の先端を点検時に準備した回収車74に搭載した廃液タンク76に入れている。回収車74には計量器78が設けられており、廃液タンク76に回収した泡消火液の重量を計測可能としている。
次に図1の泡消火設備の動作を説明する。図1の泡消火設備にあっては、設備の使用開始時に原液タンク18に対する加圧消火用水の給水弁の閉鎖による原液の供給停止状態で消火ポンプ10を運転し、給水本管16及び分岐管22に加圧消火用水を充填しており、加圧消火用水は一斉開放弁34の1次側まで充填される。なお、最初から混合器20で原液を混合した泡消火液を充填しておいても良い。
一斉開放弁34は1次ポート46からの加圧消火用水をオリフィス57からシリンダ室55に充填してピントン弁体54を閉位置に保持し、更に、感知ポート50から感知配管40に供給して感知ヘッド42まで加圧消火用水を充填している。

火災により感知ヘッド42が作動すると感知配管40を介して一斉開放弁34のシリンダ室55の加圧消火用水が放水されて圧力が低下し、リターンバネ56の力でピストン弁体54がストロークして弁座穴52を開き、2次ポート48から泡ヘッド38に加圧消火用水を供給する。
一斉開放弁34が開放して泡ヘッド38から消火用水が放出されると、流水検知装置26が作動して流水検知信号を監視盤30に出力して火災警報が出力される。一斉開放弁34の開放による圧力低下は分岐管22を介して給水本管16の管内圧力を下げ、規定圧力以下に低下すると圧力タンク25の圧力スイッチ28が作動してポンプ制御盤14に圧力低下検出信号を出力してモータ12を駆動し、消火ポンプ10を始動する。
消火ポンプ10の始動により給水本管16に継続的に加圧消火用水が供給されと、原液タンク18の加圧により原液を押し出して混合器18で消火用水と所定比率で混合して泡消火液を生成し、分岐管22の流水検知装置26から開放状態にある一斉開放弁34を通って泡ヘッド38に供給され、消火泡を放出する。

次に図1の実施形態における点検を説明する。泡消火設備を点検する場合には、図2に示すように、一斉開放弁34の点検ポート58に点検治具70を装着する。点検治具70は点検ポート58に対する挿入操作により、切替弁体62の切替操作機構として動作する。
即ち、点検ポート58に点検治具70を挿入すると、第1切替弁座穴60を閉じている切替弁体62をリターンバネ64に抗して押し込むと、第切替弁座穴60を開いて内部流路を点検ポート58を介して外部に連通する。更に、点検治具70を押し込むと、切替弁体62は第2切替弁座穴63に押し当てられて2次ポート48への内部流路を閉鎖する。続いて点検治具70の後部にホース72を接続し、その先端を回収車74の廃液タンク76に入れることで点検準備が完了する。

点検動作は感知配管40の末端に設けている手動起動弁44を開放操作して行う。手動起動弁44を開放操作すると、感知配管40に充填している加圧消火用水が排水されて火災により感知ヘッド42が少なくとも1台作動したと同じ状態が作り出され、一斉開放弁34はシリンダ室55からの排水によりリターンバネ56の力に抗してピストン弁体54が引き上げられ弁座穴52を開き、1次側に充填している加圧消火用水を2次側に流し、点検ポート58に装着している点検治具70から外部に取り出され、ホース72から廃液タンク76に排出される。
一斉開放弁34が開放して廃液タンク76から消火用水が放出されると、分岐管22を介して給水本管16の管内圧力が規定圧力以下に低下し、圧力タンク25の圧力スイッチ28が作動してポンプ制御盤14に圧力低下検出信号を出力してモータ12を駆動し、消火ポンプ10を始動する。
消火ポンプ10の始動により給水本管16に継続的に加圧消火用水が供給され、原液タンク18の加圧により原液を押し出して混合器18で消火用水と所定比率で混合して泡消火液を生成し、泡消火液は分岐管22の流水検知装置26から開放状態にある一斉開放弁34、点検治具70及びホース72を通って泡消火液は廃液タンク76に回収される。
点検停止は、ポンプ制御盤14で消火ポンプ10の運転を停止し、停止後に一斉開放弁34から点検治具70を外して図1の点検前の状態に戻す。続いて設備立上げ時と同様、原液タンク18に対する加圧消火用水の給水弁の閉鎖による原液の供給停止状態で消火ポンプ10を運転し、給水本管16、分岐管22、一斉開放弁34の1次側、更に感知配間40まで充填させる。
ここで、点検動作時には、手動起動弁44の開放操作に伴う一斉開放弁34の開放で点検治具70を介して廃液タンク76に対し泡消火液を流している点検時間Tをストップウォッチ等を使用して計測し、また、点検終了時に廃液タンク76に回収した泡消火液の重量Wを計量器78で計測する。そして、点検時間Tと回収重量Wに基づき
Q=W/T [リットル/分]
として単位時間当りの泡消火液の放出量を算出し、規定の放出量と比較して設備性能の良否を判断する。
図3は図1に示した一斉開放弁の具体的構造の実施形態を点検治具と共に示した断面図である。図3において、一斉開放弁34は、弁ボディ45に1次ポート46、2次ポート48及び感知ポート50を設け、1次ポート46と2次ポート48を仕切る隔壁に弁座穴52を構成する弁座部材52aを配置し、弁座部材52aに対し開閉自在に弾性シール54aを装着したピストン弁体54を設けている。

ピストン弁体54の開閉駆動機構は、感知ポート50を設けたシリンダ室55にピストン弁体54を摺動自在に配置し、1次ポート46からの加圧泡消火液をオリフィス57を通して充填することによるピストン弁体54の移動で弁座穴52を閉じる閉位置に保持している。また、火災時には、感知配管40に設けた感知ヘッド42の作動による加圧泡消火液の放出でピストン弁体54を開位置に作動して泡ヘッド38から消火泡を放出させる。
更に、弁ボディ45の弁座部材52aから2次ポート48との間に点検ポート58を設け、点検ポート58の内側にOリングを装着した第1切替弁座穴60を形成すると共に、弁座部材52aから2次ポート48に至る内部流路を仕切る隔壁にOリングを装着した第2切替弁座穴63を第1切替弁座穴60と相対して同軸に配置している。
第1切替弁座穴60と第2切替弁座穴63の間には切替弁体62が配置され、通常時、切替弁体62はリターンバネ64による付勢で第1切替弁座穴60を閉じて点検用ポート58を閉鎖している。
点検ポート58には点検治具70を保持するための治具ロック機構が設けられている。治具ロック機構は、点検ポート58の取出口側面にテーパ穴80を形成してその中にボール82を入れ、ボール82の外側にバネ86により下側に押されたスライダ84を摺動自在に配置している。
一斉開放弁34の点検ポート58には、分離して示すように、点検治具70が装着される。点検治具70は差込部88の後部に連結部90をネジ込み固定している。差込部88の先端には押部95が形成され、その背後の横方向に回収穴94を形成し、回収穴94は内部流路92に連通している。また差込部88の外周には回収穴94に続いてボール溝96とストッパ97が形成されている。

連結部90は先端のネジ部100で差込部88と連結し、軸方向に内部流路98を貫通し、後端にテーパ状のホース接続口102を設けている。また連結部90の途中には横方向に分岐ポート104が設けられ、分岐ポート104にソケット106及びプラグ108を使用して手動起動弁44の2次側を接続可能としている。
ソケット106は分岐ポート104のネジ穴に固定され、プラグ108側に例えば手動起動弁44の2次側に接続したホースの端部を固定し、ソケット106に着脱自在とする。ソケット106は軸方向に内部流路110を貫通し、外側にボール溝112とストッパ114を生成している。プラグ108は軸方向に内部流路116を貫通し、テーパ穴にボール118を入れ、その外側にスライダ120をバネ122により摺動自在に配置している。

プラグ108のスライダ120をバネ122に抗して上方にスライドしてボール118のロックを解除した状態でソケット106に差込み、スライダ120をバネ122に戻すことでボール118をボール溝112に嵌合してロックする。
図4は図3の一斉開放弁に点検治具を装着した状態を示している。点検治具70の装着は、一斉開放弁34の点検ポート58に設けているスライダ84をバネ86に抗して押込むことでボール82のロック状態を解除し、この状態で点検ポート58に点検治具70の込部88をストッパ97が当たるまで押込み、押込みが完了したらスライダ84を離すことでバネ86による戻してボール82をテーパ穴80に押込み、込部88のボール溝96に嵌合してロックする。

点検治具70を外す場合は、スライダ84をバネ86に抗して押込むことでボール82のロックを解除した状態で、点検治具70を引き抜けばよい。このように一斉開放弁34の点検ポート58に対する点検治具70の着脱はワンタッチ操作で簡単且つ容易にできる。

一方、点検治具70を点検ポート58に装着すると、先端の押圧部95が切替弁体62に嵌合して押込み、第1切替弁座穴60から離脱して点検ポート58に対する流路を開放し、押込み完了位置で切替弁体62を第2切替弁座穴63に嵌合して2次ポート48への内部流路を閉鎖する。
また点検治具70の連結部90に設けた分岐ポート104のソケット106に、手動起動弁44の2次側に接続したホースの先端に設けたプラグ108をワンタッチ操作で連結する。勿論、点検治具70の後部にはホース72を接続して図2に示したように廃液タンク76に入れる。

このように一斉開放弁34に対する点検治具70の装着が完了したならば、手動起動弁44を開放操作することで、図2について説明したように、泡消火設備の点検動作が行われる。このとき手動起動弁44の開放操作により流れる消火用水及び泡消火液についても排水側に流すことなく、点検治具70の分岐ポート104から取り込んで回収することができ、環境汚染を確実に防止できる。
なお、上記の実施形態は泡消火設備の一斉開放弁を例にとるものであったが、これに限らず、泡を混合しない開放型ヘッドを用いたスプリンクラー消火設備等の一斉開放弁にも適用することができ、配管の末端に備えた手動起動弁(末端試験弁)を開放して消火用水を排水することなく試験を行うことができる。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、また上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
34:一斉開放弁
38:泡ヘッド
40:感知配管
42:感知ヘッド
44:手動起動弁
46:1次ポート
48:2次ポート
50:感知ポート
52:弁座穴
54:ピストン弁体
55:シリンダ室
56,64:リターンバネ
58:点検ポート
60:第1切替弁座穴
62:切替弁体
63:第2切替弁座穴
70:点検治具
72:ホース
88:差込部
90:連結部
94:回収穴
95:押圧部
104:分岐ポート
106:ソケット
108:プラグ

Claims (3)

  1. 火液が供給される1次ポート、消火液を放出するヘッドを設けた配管が接続される2次ポート及び火災時に開放作動する感知ヘッドと点検時に開放させる手動起動弁を設けた感知配管が接続される感知ポートを設けた弁ボディと、
    前記弁ボディの、前記1次ポートと前記2次ポートを仕切る隔壁に形成された弁座穴を開閉する弁体と、
    前記感知ポートを設けたシリンダ室に前記弁体と連結又は一体化したピストンを摺動自在に配置し、前記1次ポートから供給される消火液のオリフィスを介した前記シリンダ室への充填による前記ピストンの移動で前記弁体を閉位置に保持し、前記感知ヘッドの開放作動時又は前記手動起動弁の開放時に、前記シリンダ室に充填された消火液の前記感知ポートを介した放出による前記ピストンの移動で前記弁体を開位置に作動させる開閉駆動機構と、
    を備えた一斉開放弁に於いて、
    前記弁ボディの、前記弁座穴から前記2次ポートの間に設けられた点検ポートと、
    前記点検ポートの内側に形成された第1切替弁座穴と、
    前記弁ボディの、前記弁座穴から前記2次ポートに至る内部流路を仕切る隔壁に形成され、前記第1切替弁座穴に相対して同軸に配置された第2切替弁座穴と、
    前記第1切替弁座穴と第2切替弁座穴の間に配置され、リターンバネによる付勢で前記第1切替弁座穴を閉じて前記点検用ポートを閉鎖する切替弁体と、
    点検時に、前記点検ポートに外部から挿入保持され、前記切替弁体の押し込み移動により前記第1切替弁座穴を開放すると共に前記第2切替弁座穴を閉鎖し、前記内部流路を外部に連通する着脱自在な点検治具と、
    を設け、前記点検治具は、
    点検時に前記手動起動弁の2次側から排出された消火液を導入する分岐ポートと、
    前記点検ポート及び分岐ポートから導入された消火液を排出する排出ポートと、
    を備えたことを特徴とする一斉開放弁。
  2. 請求項1記載の一斉開放弁に於いて、前記点検治具は、前記点検ポート及び分岐ポートから導入された消火液を前記排出ポートに接続したホースにより廃液タンクに流して回収させることを特徴とする一斉開放弁。
  3. 請求項1記載の一斉開放弁に於いて、前記点検治具は、前記手動起動弁の2次側と前記分岐ポートをホースで接続可能であることを特徴とする一斉開放弁。
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