JP5529628B2 - 基礎構造 - Google Patents

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本発明は、住宅等の建物の上部構造を支持する基礎構造に関する。
この種の基礎として、鉄筋コンクリート製の基礎梁を備える布基礎が知られているが、かかる布基礎は、地業、配筋、型枠、アンカーセット等の施工に関して作業に手間がかかり、これらに要する手間を改善することが現場から要望されている。かかる要望に応えるべく、基礎梁として鉄骨材を採用する構成が知られており、例えば特許文献1には、H型鋼の下部を基礎スラブに埋設させることで当該H型鋼を基礎梁とした基礎構造が開示されている。あるいは、特許文献2には、アンカー部材を介して基礎スラブにH型鋼を固定した基礎構造が開示されている。また、これらの基礎構造においては、風雨に晒されることによるH型鋼の腐食等に考慮する必要があり、この対応として、H型鋼の外側面に化粧カバーが設けられている。
ところで、基礎構造により包囲される1階床下空間を室内に準じる温熱性能を付与すべく、鉄筋コンクリート製の布基礎に断熱性能を付与した構成が知られており(特許文献3)、かかる断熱性能を上述の如き鋼材基礎にも適用することが検討されている。
特開2001−262586号公報 特開2003−268782号公報 特開2004−107974号公報
特許文献1や特許文献2の化粧カバーに換えて特許文献3の如く断熱材を取り付けることが考えるが、当該特許文献1や特許文献2の基礎構造において、化粧カバーは、それ自身がある程度の強度を有しているため、所定間隔毎に鉄骨梁にボルト等でブラケットやステーを介して取り付けられる構成であっても外からの衝撃に対し十分な耐力を有するものとなるが、断熱材は化粧カバーに比べて強度が低い。このため、上記特許文献に開示の支持工法を用いて断熱材を設置すると、当該ブラケットやステーに支持されていない中途部にボールや蹴り込み等の衝撃が作用する場合には、当該衝撃によって断熱材に割れ等の破損が生じ、これによって基礎全体の断熱性能が低下してしまうことが考えられる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、外から衝撃が加わる場合でも断熱性を維持することができる基礎構造を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決すべく、本発明に係る基礎構造の具体的構成は、
上部構造を支持する鋼材基礎と、
該鋼材基礎と地盤の間に設けられ、当該鋼材基礎からの荷重を受ける鉄筋コンクリート製の支持体と、
前記鋼材基礎及び支持体と外気との間に介在する基礎断熱体とを備え、
前記基礎断熱体は、
全面に亘って前記鋼材基礎及び前記支持体に当接した状態でこれらよりも外気側に立設されており、
前記鋼材基礎は、前記支持体の外縁よりも内側となる位置で組み上げられており、
前記基礎断熱体は、
前記鋼材基礎に当接した状態で立ち上がる下地断熱材と、該下地断熱材に当接した状態で立ち上がって前記支持体の側面から鋼材基礎の側面までを覆う仕上げ断熱材と、
を備えていることを特徴としている
これによれば、基礎断熱体は、それ自体が全面に亘って鋼材基礎及び支持体に支持されるため、部位によって耐衝撃性に大きな差がなく、一様に衝撃に対して強度を発揮し、割れ等の損傷を可及的抑制することができるものとなる。また、基礎断熱体が支持体の側面まで覆われる構成であるため、当該支持体に対する断熱性能も発揮することとなり、これにより、一階床下空間の温熱環境をより室内に準じた良好なものとすることができるものとなっている。
)また、前記仕上げ断熱材は、前記支持体の側面を覆う下側断熱材と、該下側断熱材の上端部に載置されて前記鋼材基礎の外側面を覆う上側断熱材とをそれぞれ別体で備え、
前記下地断熱材は、少なくとも前記化粧断熱材の裏面から前記鋼材基礎の外側面までの間隔に等しい厚さを有してこれらの間に介在していることが好ましい。
これによれば、支持体の施工に伴って仕上げ断熱材の下側断熱材を設置し、鋼材基礎の施工に伴って仕上げ断熱材の上側断熱材と下地断熱材を設置することでき、それぞれの施工にあわせて断熱材を設置することができ、施工性の向上を図ることができる。
)また、前記下側断熱材は、前記支持体の上面よりも僅かに高い位置まで延在して設けられており、前記下地断熱材の下端部は、前記下側断熱材の上端部よりも下方に延在して前記支持体の上面に当接していることが好ましい。
これによれば、仕上げ断熱材の下側断熱材と上側断熱材との継ぎ目の裏側に下地断熱材が位置することとなり、当該継ぎ目による断熱や気密の欠損を減じることができるものとなっている。
)また、前記下地断熱材は、前記仕上げ断熱材の外側から差し込まれるピンによって当該仕上げ断熱材に固定されていることが好ましい。
これによれば、外気側から下地断熱材に仕上げ断熱材を留め付けることができる。このため、下地断熱材を鋼材基礎の取り付けた状態であればいつでも仕上げ断熱材を取り付けることができるものとなり、施工の自由度が増すものとなる。また、また、仮に大きな衝撃が局所的に仕上げ断熱材に作用し、これによって仕上げ断熱材が損傷することとなっても、当該仕上げ断熱材のみを交換すれば元の状態に回復することができるもとなる。また、ピンは仕上げ断熱材の外側面側から差し込まれているので、当該仕上げ断熱材の交換等の作業を屋外側から行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
本発明の基礎構造によれば、外から衝撃が加わる場合でも断熱性を維持することができる。
本発明に係る実施形態の基礎構造を示す断面図である。 火打を介して水平ブレースが設置された部分を示す平面図である。 鉄骨梁を設置する工程を示す斜視図である。 水平ブレースを設置する工程を示す斜視図である。 (a)〜(d)は、基礎断熱体を組み上げていく手順を示す図である。 梁に上部構造を設置する工程を示す斜視図である。 本発明に係る基礎断熱体及び基礎構造の他の構成を示す図である。 本発明に係る基礎構造のさらに他の構成を示す図である。
以下、本発明に係る基礎構造の実施形態について、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
図1に示す如く、本実施形態の基礎構造は、鉄筋コンクリート造の基礎スラブ(支持体)10と、該基礎スラブ10の上部にて組み上げられた鋼材基礎2と、該基礎スラブ10及び鋼材基礎2を屋外側より覆う基礎断熱体40とを備えている。
本実施形態において上部構造として例示する建物Aは、305mmの平面モジュールを有する梁勝ち工法による2階建ての鉄骨造の工業化住宅である。ただし、これはあくまで好適な適用例であって、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではない。
建物Aにおいては、基礎スラブ10及び鋼材基礎2からなる基礎躯体構造上に設けられており、該鋼材基礎2上に立設固定された柱(以下、1階柱ともいう)50(図6参照)と、該1階柱50の上端を連結するように配置された2階梁と、該2階梁上に配置された2階柱と、R階大梁と、隣接する2本の柱50間に設置された耐力要素等51の部材とが、直交する基準線(X方向基準線、Y方向基準線)の中からそれぞれ複数選択された(モジュールの整数倍の間隔となるように設定された)通りに対応して配置されて基本架構が構成されている。さらに、建物Aにおいては、小梁が適宜架け渡され、各階梁で支持されるALC(Autoclaved Light-weight Concrete;軽量気泡コンクリート)からなる床パネルにより各階床が構成され、外周部梁を利用してALC等からなる外壁パネルや開口パネルが取り付けられて外壁が構成されている。
図1に示す如く、支持体としての基礎スラブ10は、全面的にベタ基礎形式となっている。該基礎スラブ10においては、上記各通りに対応する所定の幅の範囲について地反力に対し耐力を発揮しうる基礎梁とみなして配筋量が算定されている(図3、図4参照)。基礎スラブ10のうち、これ以外の領域については、地反力を受ける4辺固定のスラブとみなして配筋量が決定されている。
なお、本実施形態ではベタ基礎形式の基礎スラブ10を例示しているが、このようなベタ基礎形式に限定されることはなく、例えば、通りに沿って地耐力に応じた所望の幅を有するフーチング形式とする構成も採用可能である。
また、基礎スラブ10は、上端面を地盤面より高くして形成されており、これによって基礎断熱体40よりも屋内側となる建物Aの1階床下空間への水の進入が抑制されるものとなる。
鋼材基礎2は、基礎スラブ10の上端面に設置される鋼製の束20と、該束20に支持される鋼製の梁30と、これら梁30間に架設される鋼製の水平ブレース31とを備えている。
束20は、基礎スラブ10の上面に載置されており、梁30を支持する。基礎スラブ10には、予めアンカーボルト(アンカーフレーム)11が埋設されており、該アンカーボルト11の上端部に束20がナット等によって接合固定されている。該束20は、建物Aの柱(1階柱)50から伝達される荷重を基礎スラブ10に効率よく伝達する役割を有し、少なくとも大梁30上(通り上)に立設される1階柱50の直下に設置され、ジョイントボックス21または1階大梁30の中間部の下フランジのボルト穴を用いて接合され、梁30を支持する。
また、束20は、アンカーボルト11の上端部に接合される下フランジ20bと、例えばジョイントボックス21が接合される上フランジ20aと、これら両フランジ20a,20bを結合する横断面が例えば十字ないしクロス形状のウェブ20cとで構成されている。
該束20は、図3に示す如く、建物Aの外周部(すなわち外壁寄りの部分)と内周部(すなわち建物Aの内部寄りの部分)とに適宜配置される。これらのうち、外周部(外通り)に配置される束20は、建物外側においては上フランジ20aと下フランジ20bの端縁位置が一致し、建物内側においては下フランジ20bが上フランジ20aよりも建物内側に向け延伸しており、延伸側のウェブ20cが上フランジ20aの端縁から下フランジ20bの端縁にかけて末広がり状に形成された形状(オフセット形状)となっている。また、建物Aの入隅部および出隅部においては、外壁に沿った2方向について、下フランジ20bが上フランジ20aよりも延伸し、延伸側のウェブ20cが上フランジ20aの端縁から下フランジ20bの端縁にかけて末広がり状に形成されている束20が採用されている。
このようなオフセット形状の束20を用いることにより、基礎スラブ10のより広い範囲に荷重が分散して伝達され、該基礎構造にて構造計算上の基礎梁とみなせる幅が大きくとれるものとなっている。
梁30は、例えばH形鋼(I形鋼と呼ばれるような形鋼を含む)からなり、長手方向の両端には、先端部をL字としてボルト穴を開設したガセットプレート34が溶接により接合されている(図2、図3等参照)。
なお、梁30には、通り上に配置されるいわゆる大梁(1階大梁)のみならず、建物Aの1階床を形成する床パネルを支持するために設置される大梁間に架け渡される小梁30’も含まれる(図3参照)。なお、小梁30’は大梁と他の小梁30’との間に架け渡される場合もある。
また、図3に示す如く、梁30の上フランジ30aおよび下フランジ30bにはモジュール柱を接合するためのボルトを挿通するボルト穴30dがモジュールに基づくピッチで等間隔に穿設されている。ボルト穴30dは、平面視基準線の交点上に位置するよう穿設されている。また、ウェブ30cにも他の梁30を接合するためのボルトを挿通するボルト穴30dがモジュールに基づくピッチで等間隔に穿設されている。さらに、梁30のウェブ30cには所定の間隔で大径の穴(一例として、直径125mm)30eが穿設されている。
図2や図3に示す如く、梁30の端部どうしを接合する場合、本実施形態ではジョイントボックス21を用いている。
ジョイントボックス21は、平面視十字状のウェブ21cの上下端に正方形の上フランジ21aおよび下フランジ21bが溶接され構成されている。このジョイントボックス21に梁30を接合する場合は、梁30のガセットプレート34の2面を直交するウェブ21cの2面に当接させ、該ガセットプレート34の屈曲部のボルト穴及びこれに対応するジョイントボックス21のボルト穴にボルトを挿通してボルト接合する。
図1や図4に示す如く、水平ブレース(補剛材)31は、1階の床構面に設置されて、コンクリート打設作業時等における梁30等の変形を抑制する。床構面に設置された水平ブレース31は、そのまま建物完成後の1階床の面内剛性を確保する部材となる。
また、図2に示す如く、該水平ブレース31は梁30の上端付近にて火打35を介して取り付けられており、これによって、梁30等の変形抑止効果と、基礎形成時の作業性・床下利用性とをさらに向上させることが可能となっている。
なお、ここで例示する水平ブレース31の他、火打梁(火打土台、火打金物)等を補剛材として用いることも可能である。
図6に示す如く、柱50は、通りと通りに直行する基準線との交点に配置され、下端部がジョイントボックス21または大梁30の中間部の上フランジ30aのボルト穴30dを用いて接合される。
また、耐力要素51は、所定の間隔(例示すれば、610mm、915mmなど)で配置された2本の柱50の内側面にボルト接合される。耐力要素51は例えば筋交い(クロスフレーム)等で構成される。
図1に示す如く、基礎断熱体40は、建物Aの外周部に沿って設けられて基礎スラブ10の端縁および鋼材基礎2の外周部に位置することとなる梁30を外気側から包囲している。
本実施形態の場合、基礎断熱体40は、押出法発泡ポリスチレンフォームやフェノールフォーム等のプラスチック系断熱材からなる断熱部41と、該断熱部41の外側面を保護する保護層42とを備えている。
断熱部41は、鋼材基礎2及び支持体たる基礎スラブ10に当接した状態でこれらよりも外気側に立設されており、鋼材基礎2に当接した状態で立ち上がる下地断熱材43と、該下地断熱材43に当接した状態で立ち上がって基礎スラブ10の側面から鋼材基礎2の側面までを覆う仕上げ断熱材44とを備えている。
下地断熱材43は、基礎スラブ10の上面から鋼材基礎2の梁30の上端面に至る高さを有している。また、仕上げ断熱材44の裏面と同一平面状に位置することとなる基礎スラブ10の端面から鋼材基礎2の外側面までの間隔に等しい厚さを有して形成されている。したがって、基礎スラブ10及び鋼材基礎2の組み上げ後、基礎スラブ10の上面に下地断熱材43の下面を当接させると共に、当該鋼材基礎2の梁30に下地断熱材43を立て掛けるだけで、当該下地断熱材43が鋼材基礎2の外側面を覆うと共に、当該下地断熱材43の外側面と基礎スラブ10の側面とが同一平面状に位置するものとなる。また、下地断熱材43は、鋼材基礎2に沿って立設されることにより、当該鋼材基礎2の梁30の上下フランジ30a、30bによって上端部及び中途部が梁30の長手方向に亘って支持されることとなる。
仕上げ断熱材44は、基礎スラブ10の側面を覆う下側断熱材45と、該下側断熱材45の上端部に連結されて鋼材基礎2の外側面を覆う上側断熱材46とをそれぞれ別体で備えている。
下側断熱材45は、基礎スラブ10の側面下端部から上端部を覆うと共に当該上端部よりも突出する高さを有する平板状に形成されている。
また、上側断熱材46は、下側断熱材45と同じ厚さを有すると共に、当該下側断熱材45の上端面に載置された状態で上端面を鋼材基礎2の梁30の上フランジ30aと同じ位置となる高さを備える平板状に形成されている。また、当該上側断熱材46の裏面は、下地断熱材43の側面に密着した状態で取り付けられており、これによって、上側断熱材46は、全面に亘って下地断熱材43に支持されるものとなり、ひいては、当該下地断熱材43を介して鋼材基礎2の梁30に支持されるものとなっている。
下地断熱材43と仕上げ断熱材44の上下側断熱材45、46は、それぞれが梁30の長手方向に沿って敷き並べられ、これによって基礎断熱体40の断熱部41が形成されるが、当該下地断熱材43間の継目と仕上げ断熱材44間の継目は互いにずれた位置に設けられており、仕上げ断熱材44の継目の奥方には下地断熱材43の外側面が位置することとなる。これにより、気密性の向上が図られている。
同様に、下側断熱材45は、基礎スラブ10の上面よりも上方となる位置まで突出した状態で設けられているので、上側断熱材46と下側断熱材45の継目の奥方には下地断熱材43の外側面が位置することとなり、当該継目であっても気密の向上が図られている。
また、下地断熱材43は、仕上げ断熱材44の外側から差し込まれるピン47によって当該仕上げ断熱材44に固定されている。
該ピン47は、樹脂等の非金属素材によって形成されている。また、ピン47は、軸部の一端に頭部を備えたものが一般的であるが、当該軸部のみによるものや頭部を軸部に比して著しく小さいものを採用しても構わない。これにより、ピン47を上側断熱材46に押し込んでいくと、当該上側断熱材46の表面にピン47がほとんど露出しないものとなり、これによって、当該ピン47が保護層42の形成の妨げになることを回避することができるものとなる。また、本実施形態のピン47には、軸部に多少の凹凸形状が形成されており、これによって上側断熱材46との摩擦抵抗力を持たせ抜け難いものとなっている。
これによって、下地断熱材43は、仕上げ断熱材44の上側断熱材46に連結されることとなり、梁30には接合されることはなく、単に当接のみすることとなる。
また、仕上げ断熱材44の下側断熱材45は、基礎スラブ10のコンクリート打設前に梁30の前に立設させることにより、基礎スラブ10の外周における型枠(堰板)機能を兼ねるものとなる。したがって、この下側断熱材45の下端のレベルは基礎スラブ10の下端のレベルと同一となっている。下側断熱材45を予め設置することによってコンクリートとの密着度が高められるものとなる。
保護層42は、屋外に露出することとなる断熱部41の表面を保護するものであって、本実施形態では、該断熱部41の表面たる仕上げ断熱材44の表面に全面に亘って樹脂モルタルを左官することで形成されている。また、断熱部41の表面たる仕上げ断熱材44の外側面に樹脂モルタルを左官していくにつき、仕上げ断熱材44間の継目の部分に補強ネット等を設け、防水性や強度の向上を図る構成を採用することも可能である。また、該樹脂モルタルに換えて、タイルやサイディング等を仕上げ断熱材44表面に表面材として貼着して保護層42を形成する構成を採用することも可能である。
また、梁30の上端部には、建物Aの外壁の下端部を受ける受け金物53が屋外方向に張り出した状態で取り付けられている。当該受け金物53は、先端部が基礎断熱体40よりも僅かに屋外側となる位置に達しており、当該受け金物53によってこれら基礎断熱体40及び補助材43の上部は覆われることとなる。また、当該受け金物53の先端部は下方に向けて屈曲しており、当該先端部と基礎断熱体40との間にシール材54が挟装されている。また、当該受け金物53の先端部と外壁の下端部の間にもシール材が介装されている。
続いて、上記基礎構造の施工手順について以下に説明する。
図3に示す如く、まず、地盤を根伐り(根切り)し、砕石17を敷きつめ転圧する。そして、根伐り底における束位置(束20が設置される位置)にPC板を設置する。PC板にアンカーボルト11の定着板を固定した後、該定着板にアンカーボルト11を固定する。
続いて、鉄筋12を配筋する。本実施形態において鋼材基礎2の梁30を受ける基礎梁とみなしている部分(通りに沿った所定の幅の範囲)には、算定された配筋量に応じて鉄筋12が密に配筋される。
その後、束20をアンカーボルト11に設置する。まず、アンカーボルト11に、束20を仮支持するための下部ナットをねじ入れ、束20のレベル(高さ)等を調整する。続いて、束20の下フランジ20bのボルト穴にアンカーボルト11を挿通し、更に上部ナットをねじ入れ、束20を固定する。
続いて、束20の上に梁30を載置し、ボルトおよびナットを用いて固定する。
その後、図4に示す如く、1階床構面に水平ブレース31等の補剛材を取り付け、梁30の対角寸法を確認するなどして梁30位置の調整(ゆがみの補正)を行う。上述したように、構面の高い位置に水平ブレース31を設置することが好ましい。
その後、図5(a)に示す如く、既に配筋を完了した鉄筋12の周囲に下側断熱材45を起立させる。このとき、該下側断熱材45の裏面と鉄筋12との間の間隔は、最外鉄筋12aのかぶり厚を充分に確保できる程度にあけておく。
その後、下側断熱材45の外側に型枠を設置し、コンクリートを打設する。本実施形態では、束20の下端レベルに合わせてコンクリートを打設する。コンクリートを数日程度養生する。このとき、下側断熱材45の上端部は基礎スラブの上面よりも突出するものとなる(図5(b)参照)。
型枠の脱型後、図5(c)に示す如く、鋼材基礎2の梁30の外側面に下地断熱材43を立てかけていく。ここで、上記下側断熱材45の上端部は基礎スラブ10の上面よりも突出しているので、下地断熱材43の設置位置には、図5(b)に示す如く下側断熱材45と、基礎スラブ10と、鋼材基礎2によるガイド部Sが溝状に形成されることとなり、当該溝状のガイド部Sに下地断熱材43の下端部を嵌合させることにより、容易に当該下地断熱材43を立設させた状態で設置することができるものとなる。また、当該溝状のガイド部Sに下地断熱材43の下端部が嵌った状態で当該下地断熱材43を梁30に立て掛けることにより、下地断熱材43の外側面が基礎スラブ10の側面と同一或いは略同一平面状に位置することとなる。
次に、図5(d)に示す如く、下側断熱材45の上端面に上側断熱材46を設置し、断熱部41を組み上げていく。このとき、当該下地断熱材43の外側面は、端面、ひいては下側断熱材45の裏面と同一平面状に位置しているので、上側断熱材46を下側断熱材45の上端面に載置することにより、当該上側断熱材46は同時に下地断熱材43に支持されることとなり、これによって、安定的に上側断熱材46を設置していくことが可能となる。その後、当該上側断熱材46の外側面側からピン47を挿入し、下地断熱材43を上側断熱材46に留め付ける。一方、上側断熱材46は下側断熱材45上に載せるだけで、これら上側断熱材46と下側断熱材45とを互いに連結することはしない。これによって、上側断熱材46の取り外しが容易となり、当該上側断熱材46の交換等の補修が簡便となる。
その後、断熱部41の表面たる仕上げ断熱材44の表面に樹脂モルタルを左官して保護層42を形成して、仕上げ断熱材44の外側面に強度を付与すると共に、仕上げ断熱材44間の継目を埋める。これによって基礎断熱材40が形成されることとなる。
以上の工程により基礎構造が完成し、その後、図6に示す如く、梁30上部に柱50や耐力要素51といった建物Aの各部を順次組み上げていくこととなる。
本実施形態に基礎構造によれば、基礎断熱体40は、それ自体が全面に亘って鋼材基礎2及び基礎スラブ10に支持されるため、部位によって耐衝撃性に著しく大きな差が生じることはなく、一様に衝撃に対して強度を発揮し、割れ等の損傷を可及的抑制して断熱性能が維持されるものとなる。また、外気側から鋼材基礎2の外面に至るまで、断熱部41を形成するプラスチック系断熱材により充填されるので、当該基礎断熱体40が割れ抜け、外気と当該基礎断熱体40に包囲される床下空間とが連通されてしまう虞はない。もちろん、このように基礎断熱体40が厚く形成されるため、床下空間の断熱気密性の向上も図られることとなる。
また、基礎断熱体40が基礎スラブ10の側面まで覆われる構成であるため、当該基礎スラブ10に対する断熱性能も発揮することとなり、これにより、一階床下空間の温熱環境をより室内に準じた良好なものとなる。
また、基礎断熱体40は、下地断熱材43と仕上げ断熱材44からなる厚さ方向に二重の構成であるため、仮に仕上げ断熱材44の外側から衝撃を受ける等して仕上げ断熱材44が損傷することとなっても、当該仕上げ断熱材44を取り外した後、新しい仕上げ断熱材44を露出している下地断熱材43に密着させるだけで復帰作業を完了させることができるものとなっているのである。特に仕上げ断熱材44の上側断熱材46は、保護層42によって保護されるものの、屋外に露出して鋼材基礎2を覆うため、外からの衝撃や風雨によって他の断熱材よりも劣化損傷することが考えられるが、当該上側断熱材46は、下側断熱材45上に載置された状態で下地断熱材43にピン止めされているのみであるので、その交換をきわめて容易に行うことができるのものとなっている。
また、基礎断熱体40は、下地断熱材43、下側断熱材45及び上側断熱材46に分かれて構成されており、これらを組み上げることによって基礎断熱体40が形成されるため、上述の如く基礎スラブ10の施工に伴って仕上げ断熱材44の下側断熱材45を設置し、その後、頃合を見計らって上側断熱材46と下地断熱材43を設置するといったそれぞれの施工の状況に合わせて断熱材を組み上げていくことができ、施工性の向上が図られる。ここで、上側断熱材46と下側断熱材45とが仕上げ断熱材44として一体に形成されている場合、基礎スラブ10施工の型枠として仕上げ断熱材44を立設すると、基礎スラブ10の打設高さに比して仕上げ断熱材44が必要以上に突出するものとなり、作業者の通行の妨げとなるのみならず、工具等や建材等が衝突して仕上げ断熱材44が施工段階で損傷してしまうことが考えられる。本実施形態では、仕上げ断熱材44を上側断熱材46と下側断熱材45とに分割し、施工の進捗合わせて適宜組み上げていく構成を採用しているので、このような不具合をきたすことなく順調に施工を進めていくことができるものとなっているのである。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、基礎断熱体40としては、図7(a)に示す如く、下地断熱材43に対応する部位として下地断熱部43aとして設定し、仕上げ断熱材44に対応する部位として仕上げ断熱部44aとしてこれらを一体として基礎断熱体40の断熱部41aを形成する構成であっても、本実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、図7(b)に示す如く、下地断熱材43に対応する部位として下地断熱部43aとして設定し、仕上げ断熱材44の上側断熱材46に対応する部位として上側断熱部46aを設定してこれらを一体とした鋼材基礎側断熱部材41bを構成し、当該鋼材基礎側断熱部材41bと下側断熱材45とで基礎断熱体40の断熱部41bを形成する構成を採用することも可能である。
同様に、図7(c)に示す如く、上側断熱材46と下側断熱材45を一体とした仕上げ断熱材44cを形成し、当該仕上げ断熱材44cと下地断熱材43とによって基礎断熱体40を形成する構成も採用可能である。
また、図8に示す如く、仕上げ断熱材44の下側断熱材45の上端面を屋内側から屋外側に向けて下り傾斜状に形成し、それに対応させて上側断熱材46の下端面を屋内側から屋外側に向けて下り傾斜状に形成する構成を採用することも可能である。かかる構成によれば、上側断熱材46と下地断熱材43との間に雨水等が侵入しても、当該傾斜を利用して屋外に排出することができるものとなる。また、同様に防水上の観点から、上記傾斜を屋内側から屋外側に向けて下り傾斜状に形成する構成を採用することも可能である。これによれば、上側断熱材46と下地断熱材43の間に侵入した雨水等を地盤に向けて排出することが可能となる。
また、上記構成にかかわらず、適宜複数の断熱板を組み合わせることで本実施形態の基礎断熱体40を形成する構成を採用することが可能である。
また、保護層42を形成する断熱部41の表面に段差を生じさせない範囲で、上側断熱材46を下側断熱材45よりも幅厚に形成する一方、当該増厚した分だけ下地断熱材43の厚さを薄くする等、各断熱板の厚さを適宜変更した構成を採用することも可能である。
また、基礎スラブ10は、外側部のみを地盤面よりも高くし、中央部を地盤面よりも低くする構成や外側部から地盤面に向けて緩やかに水勾配を設ける構成を採用することも可能である。
また、上述した実施形態では、束20を基礎スラブ10に固定する方法としてアンカーボルト11を利用したが、これに替え、埋め込み式のナットとボルトによって該束20を固定するように構成することもできる。このように構成した場合、ボルトを取りはずすことで束20の横方向の拘束をするものがなくなり、例えば増改築に伴って柱を移動、追加する際に、束20についても容易に撤去することができる。
2 鋼材基礎
10 基礎スラブ(支持体)
11 アンカーボルト
12 鉄筋
13 コンクリート
20 束
30 梁
31 水平ブレース
40 基礎断熱体
41 断熱部
42 保護層
43 下地断熱材
44 仕上げ断熱材
45 下側断熱材
46 上側断熱材
47 ピン
50 柱
51 耐力要素
A 建物

Claims (4)

  1. 上部構造を支持する鋼材基礎と、
    該鋼材基礎と地盤の間に設けられ、当該鋼材基礎からの荷重を受ける鉄筋コンクリート製の支持体と、
    前記鋼材基礎及び支持体と外気との間に介在する基礎断熱体とを備え、
    前記基礎断熱体は、
    前記鋼材基礎及び前記支持体に当接した状態でこれらよりも外気側に立設されており、
    前記鋼材基礎は、前記支持体の外縁よりも内側となる位置で組み上げられており、
    前記基礎断熱体は、
    前記鋼材基礎に当接した状態で立ち上がる下地断熱材と、該下地断熱材に当接した状態で立ち上がって前記支持体の側面から鋼材基礎の側面までを覆う仕上げ断熱材と、
    を備えていることを特徴とする基礎構造。
  2. 前記仕上げ断熱材は、前記支持体の側面を覆う下側断熱材と、該下側断熱材の上端部に載置されて前記鋼材基礎の外側面を覆う上側断熱材とをそれぞれ別体で備え、
    前記下地断熱材は、少なくとも前記仕上げ断熱材の裏面から前記鋼材基礎の外側面までの間隔に等しい厚さを有してこれらの間に介在していることを特徴とする請求項に記載の基礎構造。
  3. 前記下側断熱材は、前記支持体の上面よりも僅かに高い位置まで延在して設けられており、前記下地断熱材の下端部は、前記下側断熱材の上端部よりも下方に延在して前記支持体の上面に当接している
    ことを特徴とする請求項に記載の基礎構造。
  4. 前記下地断熱材は、前記仕上げ断熱材の外側から差し込まれるピンによって当該仕上げ断熱材に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の基礎構造。
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