以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
<シート状製品>
本発明において扱うシート状製品の例として、偏光板原反をあげて説明する。偏光板原反は、長い帯状に形成され、フィルム状の偏光板原反から個々の大きさの偏光板を打ち抜き(又は切断)により得ることがきる。偏光板原反は、予め製造しておいたポリビニルアルコール系フィルム(偏光子)の表裏両面に例えばトリアセチルセルロースフィルム(透明の偏光子保護層)を貼り合わせることで得ることができる。この多層構造とされた偏光板原反の表面あるいは内部に存在する欠点(キズ、異物、クニック、汚れなど)を検出する必要がある。これは、後述する検出手段によって検出される。
偏光板原反は、従来技術でも説明したが、(A)偏光子を得る工程、(B)偏光板を製造する工程、(C)セパレータ及び保護フィルムを貼り合わせる工程、を含む製造方法により製造される。
ポリビニルアルコール系フィルムの染色、架橋、延伸の各処理は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各処理の順番も任意でよい。なお、ポリビニルアルコール系フィルムとして、膨潤処理を施したポリビニルアルコール系フィルムを用いてもよい。一般には、ポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素や二色性色素を含む溶液に浸漬し、ヨウ素や二色性色素を吸着させて染色した後洗浄し、ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中で延伸倍率3倍〜7倍で一軸延伸した後、乾燥する。ヨウ素や二色性色素を含む溶液中で延伸した後、ホウ酸やホウ砂等を含む溶液中でさらに延伸(二段延伸)した後、乾燥することにより、ヨウ素の配向が高くなり、偏光度特性が良くなるため、特に好ましい。
上記のポリビニルアルコール系ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニルを重合した後にケン化したものや、酢酸ビニルに少量の不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、カチオン性モノマー等の共重合可能なモノマーを共重合したもの、等が挙げられる。ポリビニルアルコール系ポリマーの平均重合度は、特に制限されず任意のものを使用することができるが、1000以上が好ましく、より好ましくは2000〜5000である。また、ポリビニルアルコール系ポリマーのケン化度は85モル%以上が好ましく、より好ましくは98〜100モル%である。
製造される偏光子の厚さは、5〜80μmが一般的であるが、これに限定するものではなく、また、偏光子の厚さを調整する方法に関しても、特に限定するものではなく、テンター、ロール延伸や圧延等の通常の方法を用いることができる。
偏光子と保護層である透明の偏光子保護層との接着処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うことができる。かかる接着層は、水溶液の塗布乾燥層等として形成されるが、その水溶液の調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合することができる。
偏光子の片側又は両側に設ける偏光子保護層には、適宜な透明フィルムを用いることができる。中でも、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるポリマーからなるフィルムが好ましく用いられる。そのポリマーとしては、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。フィルムは、キャスティング法、カレンダー法、押出し法のいずれで製造したものでもよい。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。これらのフィルムは位相差が小さく、光弾性係数が小さいため偏光板の歪みによるムラなどの不具合を解消することができ、また透湿度が小さいため、加湿耐久性に優れる。
また、偏光子保護層は、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
偏光特性や耐久性などの点から、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂が好ましく、特に表面をアルカリなどでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムが好ましい。
偏光子保護層の厚さは、任意であるが、一般には偏光板の薄型化等を目的に、500μm以下、好ましくは1〜300μm、特に好ましくは5〜200μmとされる。なお、偏光フィルムの両側に透明フィルムの偏光子保護層を設ける場合、その表裏で異なるポリマー等からなる透明フィルムとすることもできる。
偏光子保護層は、本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等を施したものであってもよい。ハードコート処理は、偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばシリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。
一方、反射防止処理は、偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止は隣接層との密着防止を目的に、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。
前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等が挙げられ、導電性を有する無機系微粒子を用いてもよく、また、架橋又は未架橋のポリマー粒状物等からなる有機系微粒子などを用いることができる。透明微粒子の使用量は、透明樹脂100質量部あたり2〜70質量部、特に5〜50質量部が一般的である。
さらに、透明微粒子配合のアンチグレア層は、透明保護層そのものとして、あるいは透明保護層表面への塗工層などとして設けることができる。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視角補償機能など)を兼ねるものであってもよい。なお、上記した反射防止層やスティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、それらの層を設けたシートなどからなる光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
本発明によるシート状製品は、実用に際して各種光学層を積層して光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定されるものではないが、例えば、前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面(前記接着剤塗布層を設けない面)に対して、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした表面処理を施したり、視角補償等を目的とした配向液晶層を積層する方法があげられる。また、反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板(λ板)を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられる光学フィルムを1層または2層以上貼りあわせたものもあげられる。特にシート状製品が偏光板であれば、反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、視角補償層または視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板として好ましく適用される。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて、液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行なうことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記透明保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の透明保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。透明保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行なうことができる。
反射板は前記の偏光板の透明フィルム(偏光子保護層)に直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が透明フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板はスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。
他の例としては位相差板が挙げられる。位相差板としては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる福屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。延伸処理は、例えばロール延伸法、長間隙沿延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法などにより行うことができる。延伸倍率は、一軸延伸の場合には1.1〜3倍程度が一般的である。位相差板の厚さも特に制限されないが、一般的には10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
前記高分子材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フィルム)となる。
前記液晶ポリマーとしては、例えば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のものなどがあげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマーなどがあげられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどがあげられる。これら液晶性ポリマーは、例えば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化ケイ素を斜方蒸着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより行われる。
位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。このような視角補償位相差板としては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持したものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いうる。
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組合せにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また、本発明のシート状製品(例えば偏光板)は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着剤層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
本発明による偏光板や、前記の積層光学部材には、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層が設けられる。その粘着層は、特に限定されるものではないが、アクリル系等の従来に準じた適宜な粘着剤にて形成することができる。吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨脹差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる画像表示装置の形成性等の点により、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などとすることができる。粘着層は必要に応じて必要な面に設ければよく、例えば、偏光子と偏光子保護層からなる偏光板について言及するならば、必要に応じて、偏光子保護層の片面または両面に粘着層を設ければよい。
前記粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータ(離型フィルムと称することがある。)が仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
このセパレータが設けられた面と反対面の偏光板には、保護フィルムが弱粘着剤を介して形成される。その目的は、傷防止、汚染防止等が主目的である。保護フィルムとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や偏光子保護層や光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明によるシート状製品は、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置(光学表示装置に相当する。)の形成に好ましく用いることができる。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル(光学表示ユニットに相当する。)と偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
本発明によるシート状製品(例えば偏光板)は、液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置は、本発明によるシート状製品(例えば偏光板)を液晶セルの片側または両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成することができる。従って、液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであってもよい。
また液晶セルの両側に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じ物であってもよいし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
<製造システムの構成>
(実施形態1)
以下で図面を用いて、本発明の欠陥検査装置、切断装置、検査データ処理装置、製造システムの構成について説明する。図1は、製造システムの機能ブロック図である。図1の機能説明では、本発明の作用効果を奏する手段等について主に説明し、従来公知の手段についてはその説明を省略又は簡単に説明する。図1の製造システムは、欠点検査装置10、第1検査データ処理装置20、スリット用切断装置30、第2検査データ処理装置40、枚葉用切断装置50を有して構成されている。以下、各装置ごとに説明する。
図2は、全体の検査工程を説明する図である。製造工程は前工程と後工程に分かれている。前工程は、(A)PVAの処理工程、(B)TACの処理工程、(C)PVAとTACの貼り合わせ工程(偏光板形成工程)、(D)セパレータの処理工程(粘着剤塗工)、(E)保護フィルムの処理工程(粘着剤塗工)、(F)偏光板とセパレータ及び保護フィルムとの貼り合わせ工程、(G)スリット切断工程、とからなる。実施形態1では、(A)、(C)、(D)、(E)の工程に欠点検査装置を配置している。
後工程は、(H)枚葉のシート状製品を得るための枚葉切断工程、(I)簡易検査の工程からなる。簡易検査は、打痕等の比較的簡単に検査できる欠点を対象としている。
(欠点検査装置)
欠点検査手段は、各製造工程ごとに、例えば、シート状製品を構成する単層体の加工処理ごと、積層体形成(成膜)工程ごとに、検査部を設けることができる。ここでは説明上、欠点検出手段は、偏光子検査部11、偏光板検査部12、セパレータ検査部13、保護フィルム検査部14を有している。また、欠点検査手段は、偏光板検査部12のみ、偏光板検査部12、セパレータ検査部13及び保護フィルム検査部14のみで構成することもできる。また、偏光板を構成するTACフィルムの処理工程においてTACフィルムの欠点を検出するように構成できる。このように、シート状製品を構成する部材を単層体(接着剤又は粘着剤を含んでもよい)ごとに欠点検査することで、セパレータ又は保護フィルムの影響がなく、精度良く欠点を検出することができる。また、シート状製品を構成する積層体(例えば、偏光板)の欠点検査をすることで、セパレータ又は保護フィルムの影響がなく、精度良く欠点を検出することができる。そして、セパレータと保護フィルムについては、それ自体(粘着剤が塗工されている状態を含む)で欠点を検出し、他の欠点情報と統合することで、セパレータと保護フィルムが貼られた状態のシート状製品としての欠点情報が得られる。
偏光子検査部11は、染色・架橋及び延伸処理を施したポリビニルアルコール(PVA)フィルムを乾燥して偏光子を得る製造工程のなかで、最終段階の乾燥工程後に配置され、PVAフィルム原反の欠点を検査する。また、TACとの貼り合わせ工程前にPVAを検査できる位置に偏光子検査部11を配置することもできる。
具体的検査方法は、従来公知の方法が適用でき、例えば、フィルム両面に光源(反射方式、透過方式)を照射してCCDカメラで撮像し、その画像を画像処理する検査方法が例示され、その具体的装置も公知のものを適用できる。これによりフィルム表面付着異物、傷、汚れ等が検出できる。また、フィルムに練りこまれた状態の異物も検出できる。
偏光子検査部11で得られた欠点の情報は、その位置座標とともに、格納部16に格納される。欠点の位置座標は、原反の絶対座標でもよく、原反フィルムの幅方向端部に形成された位置情報(または印)を原点とする相対座標でもよい。欠点の情報は、その種類、サイズ及び/又は形状も含めた情報である。また、欠点の情報及びその位置情報(位置座標)は、原反フィルムの識別情報(例えば、製造Lot等)とともに紐付けされて格納部16に格納される。位置座標は、公知の方法で取得・演算でき、原点からの搬送量をシートの搬送速度から演算してもよく、ロータリーエンコーダ等の位置検出装置を用いて搬送量を検出し、座標を算出してもよい。
なお、格納部16は、不揮発性の記録媒体でもよく揮発性の記録媒体でもよく、例えば、ハードディスクが例示される。
偏光板検査部12は、偏光子の両面に接着剤を介してトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを貼り合わせして、偏光板を得る製造工程のなかで、最終段階の貼り合わせ工程後に配置され、偏光板原反の欠点を検査する。具体的検査方法は、従来公知の方法が適用でき、例えば、フィルム両面に光源(反射方式、透過方式)を照射してCCDカメラで撮像し、その画像を画像処理する検査方法が例示され、その具体的装置も公知のものを適用できる。また、CCDカメラと検査対象物との間に検査用偏光フィルムを介して検査する方法も適用できる。
偏光板がTAC/PVA/TACの積層体である場合、検査方法として、そのフィルム両面に対し、透過光、反射光による画像撮影・画像処理する方法(系統1、2)、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の偏光軸とクロスニコルとなるように配置(0度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法(系統3)、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の偏光軸と所定角度(例えば、0度より大きく10度以上の範囲)になるように配置(x度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法(系統4)が挙げられる。
透過光及による画像撮影・画像処理方法では、原反フィルム内部の異物が検出できる。反射光による画像撮影・画像処理方法では、原反フィルム表面の付着異物が検出できる。0度クロスによる画像撮影・画像処理方法では、主に、表面異物、汚れ、内部の異物等が輝点として検出できる。x度クロスによる画像撮影・画像処理方法では、主に、クニックを検出することができる。
偏光板検査部12で得られた欠点の情報は、その位置情報(位置座標)、原反フィルムの識別情報(例えば、製造Lot等)とともに紐付けされて格納部16に格納される。
セパレータ検査部13は、セパレータに粘着剤を塗工する工程の後に配置できる。または、偏光板原反との貼り合わせる前に、セパレータを検査できる位置に配置することができる。具体的検査方法は、従来公知の方法が適用でき、例えば、フィルム両面に光源(反射方式、透過方式)を照射してCCDカメラで撮像し、その画像を画像処理する検査方法が例示され、その具体的装置も公知のものを適用できる。これによりセパレータフィルム又は粘着剤表面付着異物、汚れ、傷、粘着剤塗工不良(すじ、われ)等が検出できる。また、セパレータフィルム又は粘着剤に練りこまれた状態の異物も検出できる。
セパレータ検査部13で得られた欠点の情報は、その位置情報(位置座標)、原反フィルムの識別情報(例えば、製造Lot等)とともに紐付けされて格納部16に格納される。
保護フィルム検査部14は、保護フィルムに粘着剤を塗工する工程の後に配置できる。または、偏光板原反との貼り合わせる前に、保護フィルムを検査できる位置に配置することができる。具体的検査方法は、従来公知の方法が適用でき、例えば、フィルム両面に光源(反射方式、透過方式)を照射してCCDカメラで撮像し、その画像を画像処理する検査方法が例示され、その具体的装置も公知のものを適用できる。これにより保護フィルム又は粘着剤表面付着異物、汚れ、傷、粘着剤塗工不良(すじ、われ)等が検出できる。また、保護フィルム又は粘着剤に練りこまれた状態の異物も検出できる。
保護フィルム検査部14で得られた欠点の情報は、その位置情報(位置座標)、原反フィルムの識別情報(例えば、製造Lot等)とともに紐付けされて格納部16に格納される。
欠点情報作成部15は、格納部16に格納されている、各検査部から得られた欠点の情報、欠点の位置情報(位置座標)、製造識別情報を統合し、シート状製品としての欠点情報を作成する。例えば、偏光子検査部11で得られた欠点の情報と、偏光板検査部12で得られた欠点の情報は、同一の偏光子原反を検査しているため、一部の欠点の情報が重複していることになる。この場合、同じ位置情報(位置座標)に同種類、同サイズ又は同形状の欠点情報があれば、欠点としては1つだけ存在するものと判定する。または、データ処理の簡素化のため、同じ位置情報(位置座標)の欠点は、欠点として1つだけ存在するものと判定してもよい。また、同位置で検出された欠点は、全て含まれるように統合することもできる。
また、複数の欠点情報を統合する場合、原点を定め、この原点を基準に欠点の位置座標を補正する処理を行う。
欠点情報形成部17は、各検査部で得られた欠点の情報をその位置情報、製造識別情報と共に検査対象物に形成する。例えば、偏光子検査部11で得られた上記の情報をコードデータ(2次元コード、QRコード)として、PVAフィルム原反の片端面に所定ピッチ(例えば1000mm)で形成する。また、偏光板検査部12で得られた上記の情報をコードデータ(2次元コード、QRコード)として、偏光板原反の片端面に所定ピッチ(例えば1000mm)で形成する。
また、欠点情報形成部17は、欠点情報作成部15で作成された欠点情報(各検査部で得られた欠点の情報の統合データ)を保護フィルム又はセパレータに形成できる。
欠点情報形成部17は、従来公知の装置で構成でき、例えば、二次元コードを形成する場合、公知の二次元コード形成装置で構成できる。
表示制御部18は、各検査部の検査結果をモニターに表示させるように機能する。具体的には、表示制御部18は、各検査部による検査とリアルタイムに、例えば、欠点のサイズ、種類、形状、欠点座標、製造Lot等をモニターに表示する。これにより、どこにどんなサイズの欠点がいくつあるかを製造しながら即座に確認でき、例えば、装置オペレータがこのモニターを見ることで、周期性欠点、突発性欠点の存在を判断して、その製造ラインの不具合を調整することができ、欠点発生の改善、歩留まり向上に役立つものとなる。また、リアルタイムに有効幅の確認が可能であり、原反の品位を確定するのに役立つ。
図3は、モニターに表示される欠点情報の一例を示す図である。原反の幅、長尺方向の座標とともに、欠点の種類(クニック、輝点)、サイズ(例えば、小(<10μm)、中(10μm〜20μm)、大(<20μm))が表示されている。
異常判定部19は、各検査部の検査結果から周期性欠点、突発性欠点を判定する。具体的には、異常判定部19は、予め格納部16に格納されている異常判定条件に従い、周期性欠点、突発性欠点を判定し、例えば、原反の幅方向座標(以下、x座標という)が同じ位置で連続して所定個以上の欠点が検出されている場合、周期性欠点であると判定する。また、例えば、原反の長尺方向座標(以下、y座標という)が同じ位置で所定個以上の欠点が検出されている場合、突発性欠点であると判定する。
異常判定部19の結果、異常と判定された場合、異常判定部19は、警報音及び/又は警告表示を行なうように機能することが好ましい。
(第1検査データ処理装置)
第1検査データ処理装置20は、所望の設定条件に従って欠点情報を解析し、例えば最適歩留まりのシート状製品原反を選ぶことができる。これにより、スリット用切断工程より下流の製造工程において所望される設定条件(ユーザー側固有の条件)に最適なシート状製品原反を製造することができる。
第1検査データ処理装置20は、欠点検査装置10とネットワークを介して接続されている。取得手段21は、公知の通信手段で構成でき、この場合、欠点検査装置10の通信手段(不図示)と通信により、欠点情報を受信することができる。また、取得手段21が記録媒体読取装置(例えばCDドライブ)で構成されている場合、欠点情報はCDに記録されていてもよい。この場合、欠点検査装置10は記録媒体書込み装置(不図示)を備え、欠点情報を書き込むように構成される。また、取得手段21がコードデータ読取装置で構成される場合、シート状製品に形成された欠点情報を読み取るように構成してもよい。また、第1検査データ処理装置20は、後述のスリット用切断装置30が読み取った欠点情報を受信するように構成することもできる。
取得手段21で取得された欠点情報は、格納部22に格納される。格納部22は、例えば、ハードディスクで構成される。
歩留まり算出部23は、格納部22から欠点情報を取得する。そして、良品か否かを判定する条件である判定条件に従って、シート状製品原反を切断することで得られる枚葉のシート状製品の歩留まりを算出する。設定条件は1個でもよいが複数個設定できるように構成されるのが好ましい。これにより出荷先の判定条件を適宜選択できるからである。また、判定条件のデータは、予め格納部22に格納され、入力受付手段25から判定条件を選択できるように構成されていてもよく、入力受付手段25を介して直接入力されるように構成されていても良い。また、歩留まりを算出する場合に、スキップカット方式を採用して算出することが好ましい。この歩留まり算出にともなって、スリット幅及び/又はスリット位置が算出される。
例えば、枚葉のサイズと原反幅から、スリットして有効幅の原反ロールを形成する場合に、1本の原反ロールから両サイドのスリット位置で切断し1本の有効幅の原反ロールを製造することができる。ここで、スリット位置は、例えば、欠点の配置(位置座標)を考慮し、一方の端部に欠点が集中している場合、この欠点が多い端部側を避けるようにスリット位置を設定することができる。また、1本の原反ロールから複数の原反ロールをスリットして得る場合、中央に欠点が集中している場合に中央部分を避けるようにスリット位置を設定することができる。また、複数本の原反ロールを得る場合に、個々のスリット幅が異なっていてもよい。
原反設定部24(設定手段に相当する)は、算出された歩留まりが所定値以上であるシート状製品原反を設定する。例えば、複数のシート状製品原反から最適のシート状製品原反を設定したい場合に、例えば、歩留まりが所定値以上であれば、そのシート状製品原反が設定されることになる。所定値として、複数のシート状製品原反の中で最大の歩留まり値を設定することができる。判定条件に、納品先(又は搬送先)のデータがあれば、ここで設定されたシート状製品原反ロールは、納品先(又は搬送先)に搬送されることになる。
入力受付手段25は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置が例示でき、モニターに表示される操作画面の操作案内に従って、設定条件等が入力されることになる。
表示制御部26は、第1検査データ処理装置20の操作画面等の表示を統括的に制御するものである。また、表示制御部26は、算出された歩留まりをモニターに表示させることができる。また、表示制御部26は、シート状製品原反を展開させて、それに重複するように、良品として得られる枚葉のシート状製品をモニターに表示することができる。
図4から8に歩留まり算出、最適シート状製品原反の設定についての表示の一例を示す。図4は、ユーザからの注文情報の一覧例と、すでに製造されている原反ロット(シート状製品原反ロット)の一覧例とを示す。ここで、いずれかの注文情報を選択する。ついで、図5は、選択された注文情報の判定条件を入力する入力画面例である。予め設定条件が注文情報に含まれている場合又は格納部22に格納されている場合に、判定条件は自動的に入力され表示される。注文情報には、枚葉のサイズと納品数が含まれている。欠点項目として、クニック、輝点、異物がある。画面左側のマスタにおいて、欠点サイズ規格として、下限、上限が設定できる。下限値の欠点が欠点規格個数以上は不良品として判定される。上限値の欠点が1つあると不良品として判定される。欠点数として、規格内、規格外の算出結果が表示される。例えば、規格内の「378」は、欠点が存在するが不良品として扱わない数量を示す。規格外の「12」は、欠点サイズ規格で不良品として判断された数量を示す。
画面右側のシュミレーションにおいて、欠点サイズ規格の各項目を自由に入力することができる。例えば、上限を「0.2」に変更して入力した場合、欠点数の規格外が「20」に増加した。つまり、シュミレーション側で、自由に欠点サイズ規格を入力することで、マスタとは異なる結果の欠点数を算出することができ、マスタでの欠点数との比較が容易に行える。
図6は、図5でのマスタとシュミレーション結果を示す別の表示例である。画面の中央には、原反ロールが展開され、規格外の欠点が四角印で示されている。また、シート範囲を避けるように欠点のみが示されており、スキップカット方式を採用していることが示されている。また、任意のロットNo.の原反ロールに対して、異なる2種類の注文情報の判定条件が適用され算出されており、上下に分かれて表示されている。ここでは、一本の原反から2種類の注文情報に合致した2本の原反ロールがスリットされることを示している。また、ロットNo、原反長、原反幅、原反有効幅(スリット幅)、欠点数、歩留まりが表示される。また、上の展開ロールと下の展開ロールの各々の注文情報の品番と規格(識別情報)、取り数(良品数)、スリット幅、スキップ回数(スキップカットした回数)、総スキップ長が表示される。これにより、任意のシート状製品原反に対して、異なる注文情報の設定条件を同時に適用できる。また、1本の原反ロールから、複数の注文或いは同一注文にかかわる設定条件で歩留まりを算出して、それぞれ比較することで最適歩留まりとなる1本の原反ロールを設定することができる。
図7は、注文情報に対して最適歩留まりの原反ロット(設定ロットxxxxx−03、歩留まり80.3)が設定された場合の表示例を示している。ロットNoと原反長が表示され、注文情報に含まれている、向け先(納品先)、品番、規格、サイズ、出荷予定日、枚数、取り数、歩留まり等が表示される。
図8は、原反ロールを展開して欠点とシートの取り位置を重複して表示する一例を示している。1本の原反ロールから、2本の原反ロールにスリットする一例である。原反幅に対し有効幅が設定され、その有効幅内にシートの取り位置が示されている。ここでは、2種類のサイズのシートが混在した取り位置が表示されている。さらに、欠点を避けるように取り位置が設定されている。これにより、全長で原反の有効幅が明確になる。また、どこにどんなサイズの欠点がいくつあるかがわかる。全面積の外観状態がわかり、取り位置状態のシュミレーションが可能となる。また、正確な原反販売単価をユーザと取り決められる。
異常判定部27は、シート状製品原反の欠点情報から周期性欠点、突発性欠点を判定する。具体的には、異常判定部27は、予め格納部22に格納されている異常判定条件に従い、周期性欠点、突発性欠点を判定することができる。
なお、第1検査データ処理装置20は、シート状製品原反の欠点情報のみを取得する構成として、説明したが、各検査部での検査結果である欠点の情報等も取得できるように構成してもよい。そして、各検査工程での欠点の情報を表示させ、周期性、突発性欠点を判定できるように構成することができる。また、異常判定部27が、各検査工程の欠点の情報から周期性欠点、突発性欠点を判定するように構成することもできる。
(スリット用切断装置)
スリット用切断装置30は、第1検査データ処理装置20で設定されたシート状製品原反を、第1検査データ処理装置20から取得したスリット幅及び/又はスリット位置に従ってスリット切断することができる。また、スリット用切断装置30は、シート状製品原反ロールが、セットされ、欠点情報が読み取られた場合に、欠点情報に含まれる製造ロットを第1検査データ処理装置20に問い合わせ、その問い合わせに対するスリット幅及び/又はスリット位置に従ってスリット切断するように構成できる。
取得手段31は、公知の通信手段で構成でき、この場合、第1検査データ処理装置20の通信手段(不図示)との通信により、欠点情報(シート状製品の欠点情報(欠点の情報、位置座標、製造識別情報を含む)、スリット幅及び/又はスリット位置を受信することができる。
欠点情報読取部32(欠点情報読取手段に相当する)は、シート状製品原反に形成された欠点情報を読み取る。欠点情報がコードデータ(例えば、QRコード)で形成されている場合、公知のコードデータ読取装置で構成できる。
切断手段33は、シート状製品原反を、上述したように取得されたスリット幅及び/又はスリット位置でスリット切断する。この切断方法は従来公知のスリット切断方法が適用できる。
欠点情報形成部34(欠点情報形成手段に相当する)は、スリット切断されたシート状製品原反の所定位置に欠点情報を形成する。例えば、図9に示すように、欠点情報をコードデータ(2次元コード、QRコード)として、スリット後のシート状製品原反の片端面に所定ピッチ(例えば1000mm)で形成する。欠点情報には、例えば、欠点の種類、サイズ、形状、座標、製造識別番号、搬送先のデータが含まれている。欠点情報形成部34は、従来公知の装置で構成でき、例えば、二次元コードを形成する場合、公知の二次元コード形成装置で構成できる。また、欠点情報形成部34は、欠点情報に枚葉シートの切断位置情報を含ませて形成することができる。切断位置情報は、第1検査データ処理装置20で歩留まりが算出された際に、同時に算出される。
(第2検査データ処理装置)
第2検査データ処理装置40及び枚葉用切断装置50に用いられる製造ラインは、これより上流の製造ラインと連続していてもよいが、別ライン(例えば、異なる製造場所)に設置されていてもよい。例えば、上流製造工程で製造されたシート状製品原反を異なる製造所に搬送し、ここで下流の製造工程を実施することができる。下流の製造工程では、第2検査データ処理装置40を用いて、所望の設定条件を設定して歩留まり等を確認しながら最適のシート状製品原反を選び、枚葉のシート状製品を製造することができる。また、第1検査データ処理装置20から製造識別情報に対応する切断位置情報を得るように構成されていてもよい。
第2検査データ処理装置40は、第1検査データ処理装置20とネットワークを介して接続されている。取得手段41は、公知の通信手段で構成でき、この場合、第1検査データ処理装置20の通信手段(不図示)と通信により、欠点情報(シート状製品の欠点情報(欠点の情報、位置情報、製造識別情報、搬送先の情報を含む)を受信することができる。また、取得手段41が記録媒体読取装置(例えばCDドライブ)で構成されている場合、欠点情報は例えばCDに記録されていてもよい。この場合、第1検査データ処理装置20は記録媒体書込み装置(不図示)を備え、欠点情報を書き込むように構成される。また、取得手段41がコードデータ読取装置で構成される場合、シート状製品原反に形成された欠点情報を読み取るように構成してもよい。
取得手段41で取得された欠点情報は、格納部42に格納される。格納部42は、例えば、ハードディスクで構成される。
歩留まり算出部43は、格納部42から欠点情報を取得する。そして、良品か否かを判定する条件である判定条件に従って、シート状製品原反を切断することで得られる枚葉のシート状製品の歩留まりを算出する。設定条件は1個でもよいが複数個設定できるように構成されるのが好ましい。これにより、所望の判定の判定条件を適宜選択できるからである。判定条件のデータは、予め格納部42に格納され、入力受付手段45から判定条件を選択できるように構成されていてもよく、入力受付手段45を介して直接入力されるように構成されていても良い。また、歩留まりを算出する場合に、スキップカット方式を採用して算出することが好ましい。スキップカット方式は、例えば、長さ70cmの枚葉製品を切断する場合で欠点が直前の切断位置から20cm長の位置に存在している場合、この欠点を避けて(スキップして)直前の切断位置から例えば、21cm長の位置で切断開始されるように搬送され切断する。
切断位置情報作成部47は、歩留まり算出にともなって、枚葉の切断位置の情報を作成する。この切断位置の情報は、原反の長尺座標(y座標)を少なくとも含んでいる。そして、切断位置の情報は、枚葉の切断装置50に提供することができる。
原反設定部44(設定手段に相当する)は、算出された歩留まりが所定値以上であるシート状製品原反を設定する。例えば、複数のシート状製品原反から最適のシート状製品原反を設定したい場合に、例えば、歩留まりが所定値以上であれば、そのシート状製品原反が設定されることになる。所定値として、複数のシート状製品原反の中で最大の歩留まり値を設定することができる。ここで設定されたシート状製品原反ロールは、例えば、次の製造工程の枚葉用切断装置50に搬送されることになる。
入力受付手段45は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置が例示でき、モニターに表示される操作画面の操作案内に従って、設定条件等が入力されることになる。
表示制御部46は、第1検査データ処理装置40の操作画面等の表示を統括的に制御するものである。また、表示制御部46は、算出された歩留まりをモニターに表示させることができる。また、表示制御部46は、シート状製品原反を展開させて、それに重複するように、良品として得られる枚葉のシート状製品をモニターに表示することができる。上記の第1検査データ処理装置20で説明したように、図4〜図8に示す歩留まり算出、最適シート状製品原反の設定について表示を行うことができる。
なお、第2検査データ処理装置40は、シート状製品原反の欠点情報のみを取得する構成として、説明したが、各検査部での検査結果である欠点の情報等も取得できるように構成してもよい。そして、各検査工程での欠点の情報を表示させ、周期性、突発性欠点を判定できるように構成することができる。
また、第1検査データ処理装置20をサーバとして機能させ、第2検査データ処理装置40をクライアントとして機能させた場合において、第1検査データ処理装置20の機能をソフトウエアプログラムで構成し、これを第2検査データ処理装置40にダウンロード可能に構成することができる。また、第2検査データ処理装置40をクライアントとして、実質的処理をサーバの第1検査データ処理装置20が実行するように構成することもできる。
(枚葉用切断装置)
枚葉用切断装置50は、シート状製品原反を枚葉のシート状製品に切断する機能を有している。
取得手段51は、公知の通信手段で構成でき、この場合、第2検査データ処理装置40の通信手段(不図示)との通信により、欠点情報(シート状製品の欠点情報(欠点の情報、位置情報、製造識別情報を含む))及び/又は切断位置情報を受信することができる。
欠点情報読取部52(欠点情報読取手段に相当する)は、所定のスリット幅に切断されたシート状製品原反若しくはスリット切断されていないシート状製品原反に形成された当該シート状製品原反に形成された欠点情報を読み取る。欠点情報には、位置座標(x、y)が含まれているため、この情報と第2検査データ処理装置40から取得した切断位置情報(y座標)を照合することで、切断位置を決定することができる。欠点情報がコードデータ(例えば、QRコード)で形成されている場合、公知のコードデータ読取装置で構成できる。
切断手段53は、上記の切断位置情報に従って、シート状製品を切断することができる。また、切断手段53は、読み取られた欠点情報を解析し、良品か否かを判定する条件である判定条件に従って、シート状製品原反を切断して枚葉のシート状製品を製造することができる。切断手段53は、例えば、ギロチン方式、打ち抜き方式、レーザカット方式の切断が可能である。
製品情報形成部54(製品情報形成手段に相当する)は、枚葉に切断されたシート状製品に当該シート状製品に対応する製品情報を形成する。例えば、枚葉のシート状製品の一部に製品情報をコードデータ(2次元コード、QRコード)として形成する。製品情報には、例えば、欠点情報、製造識別番号、搬送先、製造元等のデータが含まれていてよいが、少なくとも製造識別番号(製造ロット)が含まれていることが好ましい。製品情報形成部54は、従来公知の装置で構成でき、例えば、二次元コードを形成する場合、公知の二次元コード形成装置で構成できる。
例えば、図10に示すように、切断された後の枚葉のシート状製品の一枚一枚に製品情報が形成される。
以上の実施形態1によれば、枚葉にシート状製品を切断した後、打痕等の簡易検査のみで製品としての最終の良否判定が可能となる。したがって、枚葉単位の欠点検査や多人数による目視検査を行う必要がない。
(実施形態2)
以下では、各工程の検査機能を独立の検査装置で構成し、各検査装置で得られた欠点情報は、第1検査データ処理装置120に送信され、第1検査データ処理装置120がシート状製品原反の統合した欠点情報を作成する構成である。
偏光子検査装置210は、偏光子原反の欠点を検査する偏光子検査部211と、当該検査で得られた欠点の情報をその位置情報、製造識別情報を外部装置に送信する通信部212とを備える構成である。
偏光板検査装置220は、偏光板原反の欠点を検査する偏光板検査部221と、当該検査で得られた欠点の情報をその位置情報、製造識別情報を外部装置に送信する通信部222とを備える構成である。
セパレータ検査装置230は、セパレータの欠点を検査するセパレータ検査部231と、当該検査で得られた欠点の情報をその位置情報、製造識別情報を外部装置に送信する通信部232とを備える構成である。
保護フィルム検査装置240は、保護フィルムの欠点を検査する保護フィルム検査部241と、当該検査で得られた欠点の情報をその位置情報、製造識別情報を外部装置に送信する通信部242とを備える構成である。
第1検査データ処理装置120は、各検査装置から欠点の情報、その位置情報、製造識別情報を受信する通信部121と、受信した欠点の情報、その位置情報、製造識別情報を関連づけて格納する格納部122と、各検査装置から受信した欠点の情報、その位置情報、製造識別情報を統合してシート状製品原反の欠点情報を作成する欠点情報作成部128と、欠点情報を解析し、良品か否かを判定する条件である判定条件に従って、シート状製品原反を切断することで得られる枚葉のシート状製品の歩留まりを算出する歩留まり算出部123と、歩留まりが所定値以上であるシート状製品原反を設定する原反設定部124と、を備える構成である。
ここでの各構成要素のなかで、実施形態1で説明した機能と同一であるものの説明は省略する。
実施形態2において、第1検査データ処理装置120に欠点情報作成部128が具備されている。欠点情報作成部128の実質的機能は、実施形態1で説明したものと同じであり、各検査装置で検出された欠点の情報を統合し、シート状製品原反としての欠点情報を作成することができる。
また、第1検査データ処理装置120は、各検査装置に付近に設置されたコード形成装置(欠点情報形成手段に相当する)に、検出された欠点情報を形成するための命令信号(欠点情報を含んでいてもよい、含んでいない場合、欠点情報は検査装置から受信する)を送信する。この命令信号により、コード形成装置は、所定位置に欠点情報を形成する。また、第1検査データ処理装置は、検査装置の検査と連動するように、モニターに欠点情報を表示するようにモニターを制御できる(表示制御部126の機能による)。また、第1検査データ処理装置120は、異常判定部で異常と判定された場合、該当する検査装置のモニターに異常であることを示す警告表示を行うことができる(異常判定部127の機能による)。
(実施形態3)
実施形態3においては、検査データ処理装置が1つの形態について説明する。実施形態1,2では、検査データ処理装置が2つ存在するように構成されている。しかし、製造場所が同一である場合には、検査データ処理装置を一つで構成することができる。
かかる場合、第1検査データ処理装置は、切断位置情報作成部の機能を具備するように構成してもよく、スリット用切断装置が、読み取った欠点情報を解析し、良品か否かを判定する条件である判定条件に従って、切断位置を算出し、シート状製品原反を切断して枚葉のシート状製品を製造するように構成してもよい。
(実施形態4)
本発明の第1検査データ処理装置、第2検査データ処理装置は、ソフトウエアとハードウエア(CPU、メモリ等)を協働作用によって実現でき、専用回路、ファームウエア等で、またはそれらの組み合わせで実現することもできる。
ソフトウエアで実現する場合、そのプログラムは以下のようになる。このプログラムは、記録媒体に記録され、記録媒体として提供可能であり、また、通信回線を介して提供(ダウンロード提供)されてもよい。通信回線を介して提供される場合、その一部の機能のみが提供されてもよく、他の一部がサーバ装置に残っていてもよく、全体の機能として本発明の機能が発揮されていれば本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のソフトウエアプログラムは、コンピュータに、
良品か否かを判定する条件である判定条件の入力を受け付けるステップと、
光学表示装置の部材である光学フィルムを少なくとも有するシート状製品を構成する単層体及び/又は積層体であって、シート状製品表面の保護層が設けられていない状態で当該単層体及び/又は積層体を検査することで得られる欠点に関する欠点情報を取得するステップと、
前記欠点情報を解析して、前記判定条件に従って、歩留まりを算出するステップと、
前記算出された歩留まりを表示手段に表示させるステップとを実行させるためのプログラムである。
また、他の本発明のソフトウエアプログラムは、コンピュータに、
光学表示装置の部材である光学フィルムを少なくとも有するシート状製品を構成する単層体及び/又は積層体であって、シート状製品表面の保護層が設けられていない状態で当該単層体及び/又は積層体の欠点を検出する欠点検出手段で検出された欠点情報を取得するステップと、
前記取得された欠点情報を解析し、良品か否かを判定する条件である判定条件に従って、シート状製品原反を切断することで得られる枚葉のシート状製品の歩留まりを算出するステップと、
前記歩留まりが所定値以上であるシート状製品原反を設定するステップとを実行させるためのプログラムである。
<別実施形態>
本発明は、偏光板を含むシート状製品について説明したが、本発明は、これに制限されず、光学フィルムとして、偏光板と位相差板の積層体、位相差板のみについても適用できる。