JP5528427B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、熱的及び化学的に安定であり、陰極層又は中間導電層から発光層への電子注入効率が高く、低電圧にて高い発光効率が得られる有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、エレクトロルミネッセンスをELと略記することがある。)は、電界を印加することより、陽極層より注入された正孔と陰極層より注入された電子の再結合エネルギーにより蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。
有機EL素子は陽極層と陰極層との間に発光層を有し、該発光層と陰極層の間に電子注入層や電子輸送層などの電子注入領域を設けることにより、電子を効率良く注入輸送させることができる。電子の注入輸送効率や有機EL素子の耐熱性を向上すべく、これまで数多くの電子注入領域の研究がなされてきた。電子の注入輸送効率を向上させる方法としては、例えば、極薄のアルカリ金属酸化物又はアルカリ金属ハロゲン化物を電子注入層とする方法(特許文献1及び2参照)、遷移金属酸化物とアルカリ金属ハロゲン化物の共蒸着層を電子注入層とする方法(特許文献3参照)、酸化モリブデンなどの導電性金属酸化物及びアルカリ金属を含有する電子注入層とする方法(特許文献4参照)、遷移金属酸化物層とアルカリ金属又はアルカリ土類金属層を積層させて電子注入層とする方法(特許文献5参照)などが挙げられる。
特開平9−17574号公報 特開2004−335468号公報 特開2003−347059号公報 特開2002−367784号公報 特開2005−251587号公報
しかし、特許文献1及び2に開示された方法では、アルカリ金属酸化物又はアルカリ金属ハロゲン化物からなる電子注入層を均一に大面積にわたって薄くすることが困難であり、膜厚のばらつきが素子特性のばらつきの原因になるという問題がある。また、電子注入層を厚くすると、極端に駆動電圧が高電圧化するという問題がある。
特許文献3に開示された方法は、電子注入層中のハロゲンが電子注入を阻害する恐れや素子の寿命を低下させる恐れがある。特許文献4に開示された方法では、アルカリ金属の飽和蒸気圧が非常に高く、チャンバー内で遊離し、汚染物質となる懸念がある。また、本発明で使用するアルカリ金属化合物を使用した場合の効果については何ら記載が無い。
また、特許文献5に開示された方法では、本発明者らの検討によると、電子輸送層と遷移金属酸化物層との間の電子注入障壁が大きく、陰極層から発光層への電子注入効率が不十分であることが判明した。
さらに、いずれの方法においても、いまだ満足のいく発光効率が得られるとは言い難い。
本発明は、従来の問題点を解決し、従来の有機EL素子よりも熱的及び化学的に安定であり、陰極層又は中間導電層から発光層への電子注入効率が高く、低電圧にて高い発光効率を得られ、且つ長寿命を維持し得る有機EL素子を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表される化合物を特定の材料と組み合わせて共蒸着させることで電子注入領域を形成することにより、熱的及び化学的に安定であり、陰極層又は中間導電層から発光層への電子注入効率が高く、低電圧にて高い発光効率を得られ、且つ長寿命を維持し得る有機EL素子が得られることを見出し、本発明を解決するに至った。
すなわち、本発明は、2つの電極層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子又はさらに1つ以上の中間導電層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であり、且つ電極層間、又は電極層と中間導電層との間及び/又は中間導電層間に発光層を有し、さらに前記発光層と前記陰極層との間及び/又は前記発光層と中間導電層との間に、1又は2以上の層からなる電子注入領域を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該電子注入領域の内の少なくとも1層が、周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体およびカルコゲナイドからなる群から選択される少なくとも1種と下記一般式(1)
MxAOy ・・・(1)
(式中、Mは、Li、Na、K、Rb又はCsを示し、Aは、Zr、V、Nb、Ta、Si又はGeを示す。また、xは1又は2を示し、yは1〜4の整数を示す。)
で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子を提供するものである。
本発明によれば、熱的及び化学的に安定であり、陰極層又は中間導電層から発光層への電子注入効率が高く、低電圧にて高い発光効率を得られる有機EL素子を提供することができる。また、本発明の有機EL素子は発光層へ効率的に電子を注入することができるため、素子寿命の低減を抑止することができる。
[有機EL素子]
本発明の有機EL素子は、通常、2つの電極層間(陽極層と陰極層間である。なお、タンデム型素子においては、電極層と中間導電層との間及び/又は中間導電層が複数ある場合には中間導電層間)に発光層を有し、該発光層と陰極層(タンデム型素子においては、発光層と中間導電層)との間に電子注入領域を有する。
なお、本明細書でいう「電子注入領域」とは、陰極層(タンデム型素子においては中間導電層)から発光層へ向かって電子を注入させる領域のことであり、電子注入層及び電子輸送層を指す。
有機EL素子の構造としては、例えば、「陽極層/発光層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極層」、「陽極層/正孔輸送層/発光層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極層」、「陽極層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極層」、「陽極層/正孔輸送層/発光層/正孔障壁層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極層」、「陽極層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔障壁層/(電子輸送層)/電子注入層/陰極層」等の積層体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の有機EL素子は、ボトムエミッション型、トップエミッション型、シースルー型のいずれでもよく、さらにタンデム構造をとったタンデム型素子であってもよい。
なお、タンデム型素子とは、陽極層と陰極層との間に、複数の発光ユニットを有し、複数の発光ユニットが中間導電層を介して直列に積層された構造の素子である。
タンデム構造としては、例えば以下の様な構成が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
「陽極層/正孔注入層/正孔輸送層/第1発光層/電子輸送層/電子注入層/中間導電層/正孔注入層/正孔輸送層/第2発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極層」
<電子注入領域>
本発明は、前記電子注入領域の内の少なくとも1層が、少なくとも1種の周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体およびカルコゲナイドからなる群から選択される少なくとも1種と下記一般式(1)
MxAOy ・・・(1)
で表される化合物(以下、化合物(1)と称する)とを含有する層(以下、本発明に係る層と称する)からなることにより、陰極層(タンデム型素子においては中間導電層)から発光層への電子注入効率(以下、単に電子注入効率と称する)を高め、低電圧にて高い発光効率を得られる有機EL素子を得ることに成功したものである。なお、前記「本発明に係る層」は、共蒸着により形成することが好ましい。
上記「含有する層」における「含有する」とは、周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体、カルコゲナイド及び化合物(1)からなる場合と、周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体、カルコゲナイド及び化合物(1)に加え、他の成分、例えば、アルミニウムやマグネシウムと銀等の一般に陰極として使用される仕事関数の小さい金属又は合金や、電気伝導性化合物並びにこれらの混合物等を含む場合の双方を意味する。なお、該他の成分の含有量は、熱還元の作用を発現しつつ透明性を確保する観点から、「本発明に係る層」を構成する全成分に対して5質量%以下であることが好ましい。
「電子注入領域のうち少なくとも1つ」とは、タンデム型素子等の複数のユニットにそれぞれ電子注入領域を持ち得る場合には、各ユニット中に存在する電子注入領域のうち少なくとも1つが上記成分構成となっていればよいことを意味する。
「本発明に係る層」の、電子注入領域における存在位置は特に限定されないが、発光層への電子注入効率の観点から、電極層(好ましくは陰極層)又は中間導電層と接するように設けることが好ましい。
上記一般式(1)中、Mは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)又はセシウム(Cs)を示す。これらの中でも、Mとしては、発光効率の観点から、Li、Naが好ましく、Liがより好ましい。
また、上記一般式(1)中、Aはアルカリ金属でもアルカリ土類金属でもない金属であり、導電性に乏しいジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ケイ素(Si)又はゲルマニウム(Ge)を示す。これらの中でも、比抵抗が10-2Ω・cm以上であり、電子注入効率がより良好になるという観点から、AとしてはSi、Geが好ましい。なお、Aは、比抵抗が100Ω・cm以上であることがより好ましい。
xは、1又は2を示し、yは、1〜4の整数を示す。
化合物(1)としては、M2ZrO3、MVO3、MNbO3、MTaO3、M2SiO3、M2GeO3(Mは前記定義の通りである。)が挙げられる。これらの中でも、電子注入効率及び発光効率を向上させるという観点から、M2SiO3、M2GeO3が好ましい。
化合物(1)の具体例としては、メタケイ酸リチウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸ルビジウム、メタケイ酸セシウム、ジルコン酸リチウム、バナジン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ゲルマン酸リチウム、ゲルマン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、電子注入効率及び発光効率の観点から、メタケイ酸リチウム、メタケイ酸ナトリウムが好ましく、メタケイ酸リチウムがより好ましい。
「本発明に係る層」中の化合物(1)の含有量は、共蒸着させる全成分に対して、好ましくは5〜90質量%であり、より好ましくは25〜90質量%、さらに好ましくは30〜90質量%、特に好ましくは40〜85質量%である。特に、「本発明に係る層」が少なくとも1種の周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物と化合物(1)とを含有する場合、化合物(1)の含有量は、両者の合計量に対して好ましくは5〜90質量%であり、電子注入効率及び発光効率を向上させるという観点から、より好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは50〜90質量%、よりさらに好ましくは65〜90質量%、特に好ましくは70〜85質量%である。また、「本発明に係る層」が含窒素複素環誘導体と化合物(1)とを含有する場合、化合物(1)の含有量は、両者の合計量に対して好ましくは5〜90質量%であり、電子注入効率及び発光効率を向上させるという観点から、より好ましくは25〜75質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。また、「本発明に係る層」がカルコゲナイドと化合物(1)とを含有する場合、化合物(1)の含有量は、両者の合計量に対して好ましくは5〜90質量%であり、電子注入効率及び発光効率を向上させるという観点から、より好ましくは25〜75質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。
(電子輸送性半導体)
前述の通り、「本発明に係る層」は、化合物(1)と共に、周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体、カルコゲナイド等からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。該周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体及びカルコゲナイドは、電子移動度が10-6cm2/V・s以上であるため好ましい。以下、周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体、カルコゲナイドについて順に説明する。
(i)周期律表第5〜8族遷移金属酸化物
周期律表第5〜8族遷移金属酸化物を「本発明に係る層」に含有させることにより、スパッタ耐性を向上させることができ、電子注入効率の向上及び低電圧での高発光効率を達成することができる。
周期律表第5〜8族遷移金属の中でも、非抵抗100〜108Ω・cmの半導体特性を有するバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)が好ましく、周期律表第6族遷移金属がより好ましく、Mo、Wがさらに好ましい。
周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物の具体例としては、五酸化二バナジウム(V25)、四酸化二バナジウム(V24)、三酸化二バナジウム(V23)、二酸化バナジウム(VO2)、酸化バナジウム(VO)、五酸化二ニオブ(Nb25)、一酸化ニオブ(NbO)、五酸化タンタル(Ta25)、二酸化モリブデン(MoO2)、三酸化モリブデン(MoO3)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化タングステン(WO2)、七酸化二レニウム(Re27)、酸化レニウム(ReO2)、三酸化二ルテニウム(Ru23)、二酸化ルテニウム(RuO2)などが挙げられる。この中でも蒸着性の観点から、五酸化二バナジウム、五酸化二ニオブ、三酸化モリブデン、三酸化タングステン、七酸化二レニウム、酸化レニウム、二酸化ルテニウムが好ましく、三酸化モリブデン、三酸化タングステンがより好ましい。
遷移金属の価数は変化しやすいため、遷移金属酸化物を電子注入材料として用いて層を形成する場合、発光層との界面等において、蒸着中の酸素の脱離等のために遷移金属酸化物の遷移金属元素と酸素原子の組成比が一部変化することがあるが、本発明においては、そのような状態となった遷移金属酸化物を含有する有機EL素子をも含む。
(ii)含窒素複素環誘導体
含窒素複素環誘導体を「本発明に係る層」に含有させることにより、成膜性を向上させることができ、電子注入効率の向上及び低電圧での高発光効率を達成することができる。
前記含窒素複素環誘導体としては、窒素原子を有する複素環を含有する化合物であれば特に制限は無く、例えばイミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、オキサトリアゾール環、チアトリアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ピリジノイミダゾール環、ピリミジノイミダゾール環、ピリダジノイミダゾール環を有する化合物が挙げられる。特に、本発明においては、電子注入効率及び発光効率の観点から、下記一般式(A)又は(B)で表されるベンゾイミダゾール誘導体が好ましい。
Figure 0005528427
上記一般式中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子である。
1及びR2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子が置換した炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である。
nは、0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接する複数のR1同士が互いに結合して、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を形成していてもよい。
Ar1は、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基である。
Ar2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子が置換した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基である。
但し、Ar1、Ar2のいずれか一方は、置換もしくは無置換の炭素数10〜60の縮合環基又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜60のヘテロ縮合環基である。
Ar3は、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリーレン基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリーレン基である。
1、L2及びL3は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数9〜60のヘテロ縮合環基又は置換もしくは無置換のフルオレニレン基である。
1、R2が表す置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ピレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、トリル基、t−ブチルフェニル基、(2−フェニルプロピル)フェニル基、フルオランテニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレンからなる1価の基、パーフルオロフェニル基、パーフルオロナフチル基、パーフルオロアントリル基、パーフルオロビフェニル基、9−フェニルアントラセンからなる1価の基、9−(1'−ナフチル)アントラセンからなる1価の基、9−(2'−ナフチル)アントラセンからなる1価の基、6−フェニルクリセンからなる1価の基、9−[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]アントラセンからなる1価の基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、9−(10−フェニル)アントリル基、9−[10−(1'−ナフチル)]アントリル基、9−[10−(2'−ナフチル)]アントリル基等が挙げられる。該アリール基としては、炭素数6〜40のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がさらに好ましい。
1、R2が表す置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基としては、例えばピローリル基、フリル基、チエニル基、シローリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフリル基、イミダゾリル基、ピリミジル基、カルバゾリル基、セレノフェニル基、オキサジアゾリル基、トリアゾーリル基等が挙げられる。該へテロアリール基としては、炭素数3〜40のヘテロアリール基が好ましく、炭素数3〜20のヘテロアリール基がより好ましい。
1、R2が表す炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
1、R2が表すハロゲン原子が置換した炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基等が挙げられる。
1、R2が表す炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。該アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましい。
nとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
nが2以上の整数であるときに隣接する複数のR1同士が互いに結合して表す置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。
Ar1が表す置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基としては、R1、R2の場合と同じものが挙げられ、同じものが好ましい。
Ar2が表す炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子が置換した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基としては、R1、R2の場合と同じものが挙げられ、同じものが好ましい。
前述の通り、Ar1、Ar2のいずれか一方は、置換もしくは無置換の炭素数10〜60の縮合環基又は置換もしくは無置換の炭素数9〜60のヘテロ縮合環基である。置換もしくは無置換の炭素数10〜60の縮合環基としては、前記したR1、R2が表す置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基の例示の内、フェニル基を除いたものが挙げられる。また、置換もしくは無置換の環形成原子数9〜60のヘテロ縮合環基としては、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフリル基、イミダゾリル基等が挙げられ、環形成炭素数9〜14のヘテロ縮合環基が好ましい。
Ar3が表す置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリーレン基としては、R1、R2の場合と同じものが挙げられ、同じものが好ましい。
1、L2及びL3が表す置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリーレン基としては、下記式(101)〜(110)で表されるものが好ましい。
Figure 0005528427
式(101)〜(110)で表されるアリーレン基は、いずれも置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えばハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40のヘテロアリール基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリールオキシ基としては、たとえばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリールオキシ基が好ましく、炭素数6〜10のアリールオキシ基がより好ましい。その他の各置換基(前記アルキル基、アリールオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基)の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
前記式(110)において、L'は、単結合又は下記からなる群から選択される基である。
Figure 0005528427
なお、前記式(103)は、下記式(111)〜(125)で表される縮合環基であるとより好ましい。
Figure 0005528427
式(111)〜(125)で表されるアリーレン基は、いずれも、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40のヘテロアリール基等の置換基で置換されていてもよい。これら各置換基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
また、L1、L2及びL3が表す環形成原子数9〜60のヘテロ縮合環基としては、例えばピリジニレン基、キノリニレン基などの環形成原子数9〜14のヘテロ縮合環基が好ましい。該ヘテロ縮合環基は、いずれも、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40のヘテロアリール基等の置換基で置換されていてもよい。これら各置換基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
なお、L1、L2、L3としては、それぞれ独立に、下記式からなる群から選択される基が好ましい。
Figure 0005528427
前記一般式(A)及び(B)中の各基に定義されている置換基としては、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40のヘテロアリール基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数3〜40のヘテロアリール基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
以下に一般式(A)又は(B)で表されるベンゾイミダゾール誘導体の具体例を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
Figure 0005528427
Figure 0005528427
Figure 0005528427
Figure 0005528427
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Figure 0005528427
Figure 0005528427
(iii)カルコゲナイド
カルコゲナイドを「本発明に係る層」に含有させることにより、低電圧での高発光効率を達成することができる。
カルコゲナイドとしては特に制限は無く、公知のものを使用できる。該カルコゲナイドとしては、通常通り、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子を含有する化合物を挙げることができる。該カルコゲナイドとしては、金属を含有するカルコゲナイドが好ましく、例えば酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、周期律表第12族金属を含有するカルコゲナイドが好ましく、酸化亜鉛、硫化亜鉛及び硫化カドミウムからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
なお、本発明では、電子注入領域を厚膜化しても駆動電圧を低く抑えることが可能であるため、「本発明に係る層」中に、厚さ0.5〜3nmのアルミニウム層や厚さ0.5〜3nmのマグネシウムと銀の合金からなる層を有していてもよい。また、前記と同様の理由から、「本発明に係る層」を、周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体、カルコゲナイド及び化合物(1)に、アルミニウムやマグネシウムと銀等の一般に陰極として使用される仕事関数の小さい金属又は合金や、電気伝導性化合物並びにこれらの混合物等を混合した層としてもよい。
一般的に、タンデム型素子で電極層を形成する際にスパッタ法を用いるが、通常、発生したプラズマにより有機物の劣化が引き起こされるため、これを防ぐには無機化合物で構成された電子注入層を厚膜で挿入することが有効であり、素子の高電圧化を防止することができる上記方法で電子注入領域を形成することが有効である。
「本発明に係る層」の膜厚に特に制限は無いが、通常、1nm〜1μmが好ましく、良好な電子輸送性を実現する観点から、1nm〜100nmがより好ましく、2nm〜30nmがさらに好ましく、5nm〜20nmが特に好ましい。
また、電子注入領域の膜厚に特に制限は無いが、通常、1nm〜1μmが好ましい。
(他の電子注入、輸送層)
電子注入領域は、本発明に係る層以外に、他の電子注入層や電子輸送層を積層することにより構成されていてもよい。電子注入、輸送層は発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。
電子輸送層に用いる材料としては、通常の有機EL素子の電子輸送層に使用する材料を用いることができる。該材料としては、例えば、8−ヒドロキシキノリン又はこの誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。該8−ヒドロキシキノリン又はこの誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に、8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを挙げることができる。
窒素複素環誘導体としては、上記一般式(A)又は(B)で表されるベンゾイミダゾール誘導体が挙げられる。
これらの層の厚みや形成方法も、有機EL素子に通常用いられる厚みや方法を採用すればよい。
電子注入層、電子輸送層は、上記化合物のほか、ホスフィンオキサイド化合物(特開2004−203828号公報参照)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報、特開平7−82551号公報、特開平10−79297号公報、特開2001−267080号公報および特開20001−131174号公報参照)を含んでもよい。
<陽極層>
本発明の有機EL素子に用いられる陽極材料としては、有機EL素子の陽極材料として用いられている公知のものを使用でき、特に制限は無い。
陽極材料としては、例えば酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅等が挙げられる。陽極層は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、該陽極材料としては、特に制限されるものではないが、4.5eV以上の仕事関数を有するものが好ましい。
<正孔注入層、正孔輸送層>
正孔注入層又は正孔輸送層(正孔注入輸送層も含む。)を設ける場合、これらの材料としては、有機EL素子の正孔注入層又は正孔輸送層の材料として用いられている公知のものを使用でき、特に制限はない。なお、正孔注入層又は正孔輸送層用の材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極層からの正孔注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入層又は電子注入材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。
正孔注入層又は正孔輸送層の材料としては、例えばフタロシアニン誘導体;ナフタロシアニン誘導体;ポルフィリン誘導体;オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、及びこれらの誘導体;ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等のアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
<発光層>
発光層には、有機EL素子の発光層の材料として用いられている公知の発光材料やドーピング材料を使用でき、特に制限はない。ドーピング材料を併せて使用すると、発光輝度や発光効率が向上し、赤色や青色の発光を得ることもできる。
ホスト材料又はドーピング材料としては、例えばナフタレン、フェナントレン、ルブレン、アントラセン、テトラセン、ピレン、ペリレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼン等の縮合多環芳香族化合物及びそれらの誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、ビス−(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノリナート)アルミニウム等の有機金属錯体、トリアリールアミン誘導体、スチリルアミン誘導体、スチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、オキサゾン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、ケイ皮酸エステル誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
<陰極層>
本発明の有機EL素子に用いられる陰極材料としては、有機EL素子の陰極材料として用いられている公知のものを使用でき、特に制限は無い。
また陰極層としては、電子注入層又は発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましく、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等を好ましく使用できる。また、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物などの酸化物半導体も好ましく使用できる。
<保護層>
さらに、有機EL素子を大気中の水分等から保護する保護層を設けてもよい。保護層を設けると、有機EL素子中に発生するダークスポットに起因する劣化を抑制することができる。
該保護層の材料としては、ダークスポット抑制の観点から、SiN、SiON、SiO2、Al23等が好ましい。
保護層を設ける場合、その厚みに特に制限は無いが、通常、100〜5000nmであるのが好ましい。
有機EL素子の各層の形成方法に特に制限は無く、抵抗加熱式、電子ビーム式、高周波誘導式、レーザー式等の真空蒸着法、スパッタ法等の蒸着法;溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法を用いることができる。
なお、陰極層については、陰極材料としてマグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀合金等を用いるときは、一般的に抵抗加熱法により形成する。また、陰極材料としてインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物などの酸化物半導体を用いるときは、一般的にスパッタ法により形成する。
特に、前記電子注入領域が、本願の実施形態における化合物(1)及び周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物からなる場合には、高いスパッタ耐性を有する。したがって、陰極材料としてインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の酸化物半導体を用いるときに、前記電子注入領域(複数層からなる場合は、陰極層に接する層)が、化合物(1)及び周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物からなることが好ましい。
<中間導電層>
本願の有機EL素子は、2つの電極層の間に、さらに1つ以上の中間導電層を有していてもよい。この場合、電極層と中間導電層との間、及び/又は中間導電層が複数ある場合には中間導電層間に発光層を有し、さらに前記発光層と前記陰極層との間及び/又は前記発光層と中間導電層との間に、1又は2以上の層からなる電子注入領域を有していてもよい。
中間導電層を設ける場合、有機EL素子の中間導電材層に用いられる材料は、ホールと電子を発生させ、発生したホールあるいは電子を対抗する電極(陽極層又は陰極層)の側に隣接する層へ注入する材料であれば、特に制限は無く、公知の材料を用いることができる。2つの電極層の間に用いられる中間導電層に係る材料としては、例えば、特開2003−045676号公報、特開平11−329748号公報等に記載されているものを利用できる。
中間導電層についても、陰極層と同様に、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀合金等を材料として用いるときは、一般的に抵抗加熱法により形成する。また、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の酸化物半導体を用いるときは、一般的にスパッタ法により形成する。
したがって、陰極層の場合と同様に、中間導電層の材料としてインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物などの酸化物半導体を用いるときを用いるときは、スパッタ耐性の観点から、電子注入領域(複数層からなる場合は、中間導電層に接する層)が、化合物(1)及び周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物からなることが好ましい。
電子注入領域にAl層等が含まれる実施形態において、中間導電層にインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物などの酸化物半導体を用いるときは、Alが陰極層と接する領域に積層された場合であっても、スパッタによる影響が電子注入領域に及ぶため、前記電子注入領域のうち中間導電層に接する層が、化合物(1)及び周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物からなることが特に好ましい。
本発明の有機EL素子において、電子注入領域以外の各層の膜厚は、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常、1nm〜1μmの範囲が好ましいが、特にこの範囲に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
<実施例1>
「25mm×75mm×厚さ1.1mm」サイズのITO透明電極付きガラス基板(旭硝子株式会社製)を、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に、透明電極を覆うようにして下記化合物(HI)を抵抗加熱蒸着により厚さ60nmで成膜した。この化合物(HI)膜は、正孔注入層として機能する。
次に、HI膜上に、下記化合物(HT)を抵抗加熱蒸着により厚さ20nmになるように成膜し、正孔輸送層を形成した。
さらに、このHT膜上に下記ホスト化合物(H1)と下記ドーパント化合物(D1)を抵抗加熱蒸着(共蒸着)により厚さ40nmになるように成膜し、発光層とした。この際、ドーパント化合物(D1)の濃度は10質量%とした。
次に、該発光層上に、下記化合物(ET)を、抵抗加熱蒸着により厚さ17.5nmになるように成膜した。このET膜は、電子輸送層として機能する。
このET膜上に、酸化タングステンとメタケイ酸リチウムを質量比1:4で抵抗加熱蒸着(共蒸着)により厚さ2.5nmになるように成膜し、電子注入層を形成した。
この電子注入層上に金属アルミニウム(Al)を抵抗加熱蒸着により厚さ100nmになるように成膜して陰極層を形成することにより、有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、電流密度10.0mA/cm2のときの電圧、発光効率を測定し、さらに、初期輝度1000cd/m2で室温にて、直流の連続通電試験を行い、半減寿命を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005528427
<実施例2>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、酸化モリブデンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、酸化タングステンとメタケイ酸セシウム(質量比1:4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、酸化タングステンとメタケイ酸カリウム(質量比1:4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、酸化モリブデンとメタケイ酸セシウム(質量比1:4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウムの使用比率を、質量比1:4の代わりに質量比1:9としたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウムの比を、質量比1:4の代わりに質量比1:1としたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例8>
発光層までを実施例1と同様にして成膜した後、該発光層上に、上記化合物(ET)を抵抗加熱蒸着により厚さ15nmになるように成膜した。このET膜は、電子輸送層として機能する。
このET膜上に、酸化タングステンとメタケイ酸リチウムを重量比1:4で抵抗加熱蒸着(共蒸着)により厚さ2.5nmになるように成膜した。この膜上にアルミニウム(Al)を抵抗加熱蒸着により厚さ2nmになるように成膜し、さらに該Al膜上に、酸化タングステンとメタケイ酸リチウムを重量比1:4で抵抗加熱蒸着(共蒸着)により厚さ2.5nmになるように成膜した。これらは電子注入層として機能する。
この電子注入層上にアルミニウム(Al)を抵抗加熱蒸着により厚さ100nmになるように成膜して陰極層を形成することにより、有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例9>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、前記ETとメタケイ酸リチウム(質量比1:1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<実施例10>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、カルコゲナイドとして硫化亜鉛(ZnS)とメタケイ酸リチウム(質量比1:1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、酸化タングステンと酸化リチウム(質量比1:4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、酸化タングステンとフッ化リチウム(質量比1:4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)の代わりに、メタケイ酸リチウムのみを2.5nm成膜した以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例1において、電子注入層の形成にあたり、酸化タングステンとメタケイ酸リチウム(質量比1:4)を共蒸着する代わりに、酸化タングステン2.5nmとメタケイ酸カリウム0.5nmの積層膜(但し、酸化タングステンが発光層側である。)としたこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
得られた有機EL素子について、実施例1と同様にして各測定を行った結果を表1に示す。
Figure 0005528427
表1より、本発明の有機EL素子では(実施例1〜10参照)、同じ電流密度において、比較的低電圧となっている。つまり、電子注入領域に熱的及び化学的に安定な材料を用いながら、陰極層から発光層への電子注入効率を高めることに成功しており、低電圧にて高い発光効率を得ることができた。さらに、長寿命を維持し得る有機EL素子を製造できたことがわかる。
一方、電子注入領域に化合物(1)を含有していない有機EL素子の場合(比較例1〜2参照)、本発明の有機EL素子と比べて電子注入効率が低下しており、同じ電流密度における電圧が高まり、発光効率が低下し、且つ半減寿命も低下した。
また、電子注入領域に、厚膜の化合物(1)のみを積層した場合(比較例3参照)、この材料の高い絶縁性から非常に高電圧駆動であり、発光効率が低下し、半減寿命も非常に短くなった。さらに、電子注入領域において、化合物(1)と遷移金属酸化物を共蒸着せずにそれぞれの層を積層させた場合、高電圧駆動となり、発光効率が低下し、半減寿命も短かった(比較例4参照)。
本発明の有機EL素子は、熱的及び化学的に安定であり、電子注入効率が高く、低電圧にて高い発光効率が得られ、且つ長寿命を維持することができる。また、本発明の有機EL素子の電子注入領域は、スパッタダメージ低減層として機能し得る。
このため、本発明の有機EL素子は、フルカラーディスプレイ、情報表示機器、車載表示機器、照明器具等として極めて有用である。

Claims (19)

  1. 2つの電極層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子又はさらに1つ以上の中間導電層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であり、且つ電極層間、又は電極層と中間導電層との間及び/又は中間導電層間に発光層を有し、さらに前記発光層と前記陰極層との間及び/又は前記発光層と中間導電層との間に、1又は2以上の層からなる電子注入領域を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    該電子注入領域の内の少なくとも1層が、周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体およびカルコゲナイドからなる群から選択される少なくとも1種と下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    MxAOy ・・・(1)
    (式中、Mは、Li、Na、K、Rb又はCsを示し、Aは、Zr、V、Nb、Ta、Si又はGeを示す。また、xは1又は2を示し、yは1〜4の整数を示す。)
  2. 周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体およびカルコゲナイドからなる群から選択される少なくとも1種と前記一般式(1)で表される化合物を含有する層が、共蒸着法により形成されたものである、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体およびカルコゲナイドからなる群から選択される少なくとも1種と前記一般式(1)で表される化合物からなる層が、電極層又は中間導電層と接するように設けられている、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記一般式(1)中、AがSi又はGeである、請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記一般式(1)中、AがSiである、請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体およびカルコゲナイドからなる群から選択される少なくとも1種と前記一般式(1)で表される化合物を含有する層における前記一般式(1)で表される化合物の含有割合が5〜90質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物、含窒素複素環誘導体およびカルコゲナイドからなる群から選択される少なくとも1種と前記一般式(1)で表される化合物を含有する層における前記一般式(1)で表される化合物の含有割合が50〜90質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記一般式(1)中、MがLi又はNaである、請求項1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記電子注入領域が、前記周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物と前記一般式(1)で表される化合物からなるものである、請求項1〜8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記電子注入領域が、含窒素複素環誘導体と前記一般式(1)で表される化合物からなるものである、請求項1〜8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記電子注入領域が、カルコゲナイドと前記一般式(1)で表される化合物からなるものである、請求項1〜8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物が、V、Nb、Ta、Mo、W、Re及びRuからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物である、請求項1〜9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記周期律表第5〜8族遷移金属の酸化物が、Mo及びWから選択される少なくとも1種の金属の酸化物である、請求項1〜9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記含窒素複素環誘導体が、下記一般式(A)又は(B)で表されるベンゾイミダゾール誘導体である、請求項1〜8及び10のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0005528427
    (式中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子である。
    1及びR2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子が置換した炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基である。nは、0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接する複数のR1同士が互いに結合して、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を形成していてもよい。
    Ar1は、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基である。
    Ar2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子が置換した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリール基である。
    但し、Ar1、Ar2のいずれか一方は、置換もしくは無置換の炭素数10〜60の縮合環基又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜60のヘテロ縮合環基である。
    Ar3は、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリーレン基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜60のヘテロアリーレン基である。
    1、L2及びL3は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数9〜60のヘテロ縮合環基又は置換もしくは無置換のフルオレニレン基である。)
  15. 前記カルコゲナイドが、酸化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化亜鉛及び硫化カドミウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜8及び11のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 電子注入領域がアルミニウム又はその層を含有する、請求項1〜15のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 電子注入領域がマグネシウムと銀の合金又はその層を含有する、請求項1〜16のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 電子注入領域の膜厚が5〜20nmである、請求項1〜17のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記電極層又は中間導電層が酸化物半導体からなり、スパッタ法によって形成されたものである、請求1〜18のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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