JP5527462B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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    • H05B6/062Control, e.g. of temperature, of power for cooking plates or the like
    • H05B6/065Control, e.g. of temperature, of power for cooking plates or the like using coordinated control of multiple induction coils

Description

本発明は、複数の加熱コイルによって被加熱物を誘導加熱する誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は、同心円上に配置され、径の異なる内側コイルと外側コイルを備え、内側コイルと外側コイルに交互に誘導加熱電力を投入する誘導加熱調理器が開示されている。特許文献1の誘導加熱調理器では、内側コイルが被加熱物を加熱しているときは、外側コイルは停止しており、外側コイルが被加熱物を加熱しているときは、内側コイルは停止している。これにより、被加熱物内の被調理物に対流が生じて、熱が被調理物全体にいきわたる(例えば、特許文献1参照)。
特許第2978069号公報
しかしながら、前記従来の構成では、図11に示すように被加熱物内の被調理物に発生する対流は、軸対象平面の半分の中で閉じた流路しか形成できない。このような流路の対流では、被調理物がその場で鉛直方向に上下するような小さな流路しか形成できないため、調理者が箸などのかき混ぜ手段を用いて、被加熱物内の被調理物をかき混ぜるような大きな流路を作ることができない。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被加熱物内の被調理物を大きく動かしてかき混ぜるような効果を持つ対流路を、加熱制御により発生させることが可能な誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、被調理物と、前記被調理物を入れる鍋などの被加熱物と、前記被加熱物を載置するためのトッププレートと、前記トッププレートの下方に略同一平面に配置され、異なる円心を有する複数の円環状の加熱コイルと、前記複数の加熱コイルに誘導加熱電力を供給するインバータと、前記インバータの出力を制御する制御部と、前記制御部に加熱の開始/停止や火力設定などを指示する操作部と、を有し、前記制御部は、前記操作部の指示により、複数の前記加熱コイルのうち、半数以上、全部未満の前記加熱コイルに誘導加熱電力を供給し、残りの加熱コイルに誘導加熱電力を供給しないように制御するとしたものである。
これによって、被加熱物である鍋の誘導加熱部分を対流の上昇部、誘導加熱部分から遠い部分を下降部として前記被加熱物内の前記被調理物に大きな流路ループを持つ対流を発生させることが可能な誘導加熱調理器を提供することができる。また、被調理物が高粘性で対流が発生しない場合でも、被加熱物である鍋の半面だけを加熱して調理を行い、鍋の熱伝導利用により残り半分を予熱領域として使うことが可能となる。
本発明の誘導加熱調理器は、被加熱物である鍋の誘導加熱部分を対流の上昇部、誘導加熱部分から遠い部分を下降部として前記被加熱物内の前記被調理物に大きな流路ループを
持つ対流を発生させることが可能な誘導加熱調理器を提供することができる。また、被調理物が高粘性で対流が発生しない場合でも、被加熱物である鍋の半面だけを加熱して調理を行い、鍋の熱伝導利用により残り半分を予熱領域として使うことが可能である。
本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1における対流の様子を示す図 本発明の実施の形態2における加熱調理器の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2における対流方向移動の様子を示す図 本発明の実施の形態2における対流方向移動(加熱部3つ)の様子を示す図 本発明の実施の形態2における対流方向移動(コイル6つ)の様子を示す図 本発明の実施の形態3における加熱調理器の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3における発熱分布の様子を示す図 本発明の実施の形態4における加熱調理器の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4における発熱分布の様子を示す図 従来の誘導加熱調理器における対流の様子を示す図
第1の発明は、被調理物と、前記被調理物を入れる鍋などの被加熱物と、前記被加熱物を載置するためのトッププレートと、前記トッププレートの下方に略同一平面に配置され、異なる円心を有する複数の円環状の加熱コイルと、前記複数の加熱コイルに誘導加熱電力を供給するインバータと、前記インバータの出力を制御する制御部と、前記制御部に加熱の開始/停止や火力設定などを指示する操作部と、を有し、前記制御部は、前記操作部の指示により、複数の前記加熱コイルのうち、半数以上、全部未満の前記加熱コイルに誘導加熱電力を供給し、残りの加熱コイルに誘導加熱電力を供給しないように制御することにより、被加熱物である鍋の誘導加熱部分を対流の上昇部、誘導加熱部分から遠い部分を下降部として前記被加熱物内の前記被調理物に大きな流路ループを持つ対流を発生させることが可能な誘導加熱調理器を提供することができる。また、被調理物が高粘性で対流が発生しない場合でも、被加熱物である鍋の半面だけを加熱して調理を行い、鍋の熱伝導利用により残り半分を予熱領域として使うことが可能である。
第2の発明は、特に第1の発明の制御部を、誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において変更するように制御することにより、電力が供給されている部分を移動させて大きな対流ループの方向を鉛直方向に対し垂直な方向に移動して攪拌効果を発生させ、調理物の乳化を促進したり、溶解可能な固形物の溶解を早めたり、液体内にある固体の調理物を物理的に動かしてかき混ぜたりする効果を得ることが可能な誘導加熱調理を提供することができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の制御部を、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が同一方向となるように前記加熱コイルに誘導加熱電力を与える際の電流方向を制御することで、対流の基となる強い上昇の流れを発生させ対流をより強くすることが可能な誘導加熱調理器を提供することができる。
第4の発明は、特に第1または第2の発明の制御部を、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が打ち消しあうように前記加熱コイルに誘導加熱電力を与える際の電流方向を制御することにより、定常的に加熱すると焦げが発生してしまうような(対流が生じにくい)高粘性の調理物に対し、加熱ゆらぎを与え、熱伝導を促進しながらあたためを行うことが可能な誘導加熱調理器を提供することができる。
第5の発明は、特に第2〜4のいずれか1つの発明の制御部を、前記誘導加熱電力を供
給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において変更しても、総電力量は一定であるように制御することにより、加熱部移動を行わない場合と調理感覚を概同一とすることが可能な誘導加熱調理器を提供することができる。
第6の発明は、特に第5の発明の前記制御部を、前記誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において徐々に変更するように制御することにより、加熱部移動時における対流方向変化の際に無駄な乱流の発生を抑え、滑らかに対流方向移動を行うことが可能な誘導加熱調理器を提供することができる。
第7の発明は、特に第1〜6のいずれか1つの発明の誘導加熱調理器を、複数の加熱コイルは4つの加熱コイルであり、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを2つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを2つとすることにより、底が円形の前記被加熱物を円形の加熱コイルでカバーする場合に最小限の加熱コイル数とした安価な構成で鉛直方向に対し垂直な方向への対流の移動を行うことが可能とできる。
第8の発明は、特に第1〜6のいずれか1つの発明の誘導加熱調理器を、複数の加熱コイルは4つの加熱コイルであり、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを3つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを1つとすることにより、同一エネルギーを投入する際の加熱コイル1個あたりの電力負担を減らすことで損失を抑え効率よく加熱を行うことができる。
第9の発明は、特に第1〜6のいずれか1つの発明の誘導加熱調理器を、複数の加熱コイルは6つの加熱コイルであり、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを3つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを3つとすることにより、鉛直方向に対し垂直な方向への対流の移動をより細かく行うことができる。
第10の発明は、特に第1〜6のいずれか1つの発明の誘導加熱調理器を、複数の加熱コイルは6つの加熱コイルであり、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを4つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを2つとすることにより、同一エネルギーを投入する際の加熱コイル1個あたりの電力負担を減らした上で、鉛直方向に対し垂直な方向への対流の移動をより細かく行うことができる。
第11の発明は、特に第7〜10のいずれか1つの発明の誘導加熱調理器は、調理物の味を選択する味選択キーを有し、前記味選択キーを選択することにより、使用者が調理物の味を選択できるようにしたことにより、使用者が調理するメニューに合わせて味選択キーにより自由に味を選択することができ、各味に対応した動作が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器のブロック図を示すものである。
図1において、101は被調理物、102は被加熱物、103は加熱コイル、104はインバータ、105は制御部、106は操作部、107はトッププレートである。
なお、被加熱物102には鍋、加熱コイル103には同一平面上に概同一サイズの4つの円環状のコイルを近接して並べ4つのコイルで1つの被加熱物102を加熱する構成、制御部105、操作部106にはマイクロコンピュータ、トッププレート107にはガラ
ス板を用いることでこの構成を容易に実現できる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、使用者が被調理物101を被加熱物102に入れ、被調理物101の温め開始を指示すると、制御部105はインバータ104を動作させ、加熱コイル103に高周波磁界を発生させ被加熱物102の誘導加熱を行う。この際、図2に示すように、加熱コイル103を構成する半分の面積を占めるコイル(例えば、1と4のコイル)に誘導加熱を行うと、被加熱物内102の誘導加熱されている部分の比重が軽くなる。1と4のコイルで最も被加熱物102を加熱するのは、白抜きの矢印で示したコイル部の中央部であり、この部分に被調理物101に対流の基となる上昇の流れが生じる。そして、誘導加熱による熱は熱伝導でも被加熱物102を伝わっていくため、上昇した被調理物101が物理的に下降し易いのは誘導加熱されている部分から最も遠い場所ということになる。したがって、被加熱物102内の被調理物101に生じる対流の流路は図2に示すような被調理物101内の半面以上を通る大きな対流ループとなる。
以上のように、本実施の形態においては、複数の加熱コイル103のうち、半数以上、全部未満の加熱コイル103に誘導加熱電力を供給し、残りの加熱コイルに誘導加熱電力を供給しないことにより、被加熱物102である鍋の誘導加熱部分を対流の上昇部、誘導加熱部分から遠い部分を下降部として被加熱物102内の被調理物101に大きな流路ループを持つ対流を発生させることができる。
なお、被調理物101が高粘性で対流が発生しない場合でも、被加熱物102である鍋の半面だけを加熱して調理を行い、鍋の熱伝導利用により残り半分を予熱領域として使うことが可能である。
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器のブロック図を示すものである。図3において301は誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において変更する制御部である。なお、制御部301にはマイクロコンピュータを用いることでこの構成を容易に実現できる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。なお、図面において、実施の形態1と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。
実施の形態2における誘導加熱調理器の基本的な動作は、実施の形態1と同様であるが、実施の形態2においては誘導加熱を行う部分を所定時間毎(例えば10秒毎)に順番に変更する動作を行う。このように誘導加熱を行う部分を変動させることで、被調理物101内に発生する対流ループの方向を周期的に変動させることが可能となり、被調理物101内に箸などで行うような物理的な攪拌効果を発生することができる。ここで、被調理物101がジャガイモなどの固形物と出し汁のような液体から構成される場合は、固形物を鍋内で転がし、出し汁を浸透させるような効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態においては、制御部301が誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において変更することにより、電力が供給されている部分を移動させて大きな対流ループの方向を鉛直方向に対し垂直な方向に移動して攪拌効果を発生させ、調理物の乳化を促進したり、溶解可能な固形物の溶解を早めたり、液体内にある固体の調理物を物理的に動かしてかき混ぜたりする効果を得ることができる。
なお本実施の形態では複数の加熱コイルを4つとして説明したが、加熱コイルは4つに限定されない。
ここで、図4で示すように、複数の加熱コイル103を4つの加熱コイルとして、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを2つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを2つとした場合には、底が円形の被加熱物102を円形の加熱コイルでカバーする場合に最小限の加熱コイル数とした安価な構成で鉛直方向に対し垂直な方向への対流の移動を行うことができる。
また、図5で示すように、複数の加熱コイル103を4つの加熱コイルとして、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを3つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを1つとした場合には、同一エネルギーを投入する際の加熱コイル1個あたりの電力負担を減らすことで損失を抑え効率よく加熱を行うことができる。
また、図6(a)で示すように、複数の加熱コイル103は6つの加熱コイルとして、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを3つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを3つとした場合には、鉛直方向に対し垂直な方向への対流の移動をより細かく行うことができる。
また、図6(b)で示すように、複数の加熱コイル103は6つの加熱コイルとして、誘導加熱電力を供給する加熱コイルを4つとし、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを2つとした場合には、同一エネルギーを投入する際の加熱コイル1個あたりの電力負担を減らした上で、鉛直方向に対し垂直な方向への対流の移動をより細かく行うことができる。
また、制御部301が、誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において変更する際に、総電力量は一定となるように電力変動を制御することにより、被調理物に与えるエネルギーの総和に変動がなくなるため、加熱部移動を行わない場合と調理感覚を概同一とすることができる。
また、制御部301が、誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において徐々に変更する(例えば非変更時間15秒、変更時間3秒)ことにより、加熱部移動時における対流方向変化の際に無駄な乱流の発生を抑え、滑らかに対流方向移動を行うことができる。
なお、図4、5、6の図面の加熱コイルは円環状の加熱コイルであるが、簡素化して示している。
(実施の形態3)
図7は、本発明の第3の実施の形態における誘導加熱調理器のブロック図を示すものである。図7において701は誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において変更する制御部であり、誘導加熱電力を供給する際は、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が同一方向となるように加熱コイルに誘導加熱電力を与える際の電流方向を決定する。なお、制御部701にはマイクロコンピュータを用いることでこの構成を容易に実現できる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。なお、図面において、実施の形態1、実施の形態2と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。
実施の形態3における誘導加熱調理器の基本的な動作は、実施の形態1、実施の形態2と同様であるが、図8で示すように、誘導加熱を行う際に、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が同一方向となるように加熱コイルに誘導加熱電力を与える際の電流方向が決定される。図8(a)に示すように、同一方向に巻かれた隣り合うコイルの場合は同位相の電流を流すと近接している部分では逆方向に流れることになる。したがって、図8(b)のようにコイル1、コイル2に高周波電流において逆位相となるような電流を流すことで、近接した部分で相互に影響し合って発生する磁束を強め合う方向に揃えることができ、結果として図8(c)のように磁束の強調効果による高温部を作り出すことができる。誘導加熱の強さは磁束量に比例するため、この部分は他の部位に比べ高温となり、対流の基となる上昇部分をより強くすることができる。
以上のように、本実施の形態においては、制御部701が、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が同一方向となるように加熱コイル103に誘導加熱電力を与える際の電流方向を決定することで、対流の基となる強い上昇の流れを発生させ対流をより強くすることができる。
なお、本実施の形態の動作は、操作部106から選択される被調理物101の調理メニューに合わせて自動的に本動作を行うようにしてもよいことは言うまでもない。
(実施の形態4)
図9は、本発明の第4の実施の形態における誘導加熱調理器のブロック図を示すものである。図9において901は誘導加熱電力を供給する加熱コイルと、誘導加熱電力を供給しない加熱コイルを、調理中において変更する制御部であり、誘導加熱電力を供給する際は、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が打ち消しあうように加熱コイルに誘導加熱電力を与える際の電流方向を決定する。なお、制御部901にはマイクロコンピュータを用いることでこの構成を容易に実現できる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。なお、図面において、実施の形態1、実施の形態2と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。
実施の形態4における誘導加熱調理器の基本的な動作は、実施の形態1、実施の形態2と同様であるが、図10に示すように、誘導加熱を行う際に、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が打ち消しあうように加熱コイルに誘導加熱電力を与える際の電流方向が決定される。図10(a)に示すように同一方向に巻かれた隣り合うコイルの場合は逆位相の電流を流すと近接している部分では同方向に流れることになる。したがって、図10(b)のようにコイル1、コイル2に高周波電流において同位相となるような電流を流すことで、近接した部分で相互に影響し合って発生する磁束を打ち消し合う方向に揃えることができる。結果として図10(c)のように、コイルの近接部においては、磁束の打ち消し効果により誘導加熱量は抑えられるが、隣り合う両側の加熱コイルの発熱部からの伝熱効果は存在するため、コイル2つ分の発熱量が適度に伝えられることにより、誘導加熱電力を与えられている加熱コイル全体に均一な発熱分布状態を作り出すことができる。
これにより高温部のない均一な発熱部となり、対流を発生させる場合は、焦げ付きなどが発生しにくい状態で対流を発生させることができるようになる。また、被調理物101の特性が対流を発生しにくいものである場合は、焦げ付きを抑えることができる。
以上のように、本実施の形態においては、制御部901が隣り合う加熱コイルで発生する磁束が打ち消しあうように加熱コイル103に誘導加熱電力を与える際の電流方向を決定することにより、定常的に加熱すると焦げが発生してしまうような(対流が生じにくい
)高粘性の調理物に対し、加熱ゆらぎを与え、熱伝導を促進しながらあたためを行うことができる。
なお、本実施の形態の動作は、操作部106から選択される被調理物101の調理メニューに合わせて自動的に本動作を行うようにしてもよいことは言うまでもない。
(実施の形態5)
本実施の形態における誘導加熱調理器の基本的な動作は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4と同様であるが、使用者が調理するメニューに合わせて味選択キーにより自由に味を選択することが可能となる。図には示していないが、操作部に味選択キーとして、たとえば熟成度を選択できるボタンがあり、熟成度小のときは、調理メニューとしてミネストローネのように小さくカットとした食材を用いた、粘性の低い煮込み調理に対応し、熟成度中のときは、ポトフなどのように熟成度小のメニューと比較すると大きくカットした食材を用いた、粘性の低い煮込み調理に対応し、熟成度大のときは、調理メニューとしてカレーやクリームシチューのように粘性度の高い煮込み調理や煮崩れさせたくないような調理メニューに対応できるような動作を実施する。
ここで、ポトフを調理した場合を例にとって、本実施の形態における誘導加熱調理器の動作を説明する。
まず、被調理物を被加熱物内に収納し、熟成度中ボタンを押すことにより調理が開始される。このときの動作は、実施の形態2と同様の動作が実施されることとなり、調理中誘導加熱を行う部分が、このときは10秒毎の一定時間毎に順番に変動する動作を行う。調理が終了し、得られたポトフの煮汁の官能評価旨味の結果と煮汁中に含まれる遊離アミノ酸量の結果を表1に示す。
Figure 0005527462
表1により、実施の形態5の誘導加熱調理器で得られた煮汁は、従来の誘導加熱調理器で得られたものより旨味が強く感じられおいしくなっていた。また、表1より実施の形態5の誘導加熱調理器で得られた煮汁中に含まれる総遊離アミノ酸量は従来の誘導加熱調理
器で得られたものと比較すると増量していた。このことから、旨味が増量した要因は旨味を呈する遊離アミノ酸の増量によるところが大きいと考えられる。
本実施の形態における誘導加熱調理器で調理したとき、旨味が増量したのは以下の理由によると考えられる。
従来の誘導加熱調理器では、調理中、図11に示したように外側コイルと内側コイルを同時に作動させないことで、被加熱物内部の被調理物に対流を発生させ、熱を被調理物全体にいきわたらせるようになっている。
しかし、従来の動作ではその場での小さな流路しか形成されず、ポトフのように煮汁と大きくカットした野菜や肉類からなる被調理物に場合、その対流により被加熱物内部で被調理物が攪拌されるような物理的な作用は生じにくい。
一方、本実施の形態における誘導加熱調理器では、誘導加熱を行う部分を10秒毎のように一定時間毎に変動させることで、被調理物内に発生する対流ループの方向を周期的に変動させることが可能となり、被調理物としてポトフのような煮汁と大きくカットした野菜や肉からなる調理物を調理したときでも、被加熱部内部の被調理物の攪拌効果が生じ、均一な加熱が実現できる、そしてさらにその攪拌効果により、被調理物は、その細胞に損傷を受けやすくなり、肉の場合は、細胞内部にある遊離アミノ酸が煮汁に溶出しやすくなったと考えられる。
さらに、本実施の形態における誘導加熱調理器のカレーを調理するときの動作を説明する。
まず、被調理物を被加熱物内に収納し、熟成度高ボタンを押すことにより調理が開始される。このときの動作は、実施の形態4と同様の動作が実施されることとなり、高温部のない均一な発熱を行うことが可能となる。カレーのように粘性が高い煮汁とカットした野菜、肉からなる調理物の場合、長時間煮込んでも、焦げが生じるような高温部がないことから、焦げつかないことはもちろんのこと、肉のタンパク質の高温による乾燥も抑制され、硬く、ぱさぱさすることなく、食感もよい状態で長時間煮込むことができる。
以上のように、本実施の形態における誘導加熱調理器においては、使用者が調理するメニューに合わせて味選択キーにより自由に味を選択することができ、各味に対応した動作が実現できる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、複数の加熱コイルのうち、半数以上、全部未満の加熱コイルに誘導加熱電力を供給し、残りの加熱コイルに誘導加熱電力を供給しないことにより、被加熱物である鍋の誘導加熱部分を対流の上昇部、誘導加熱部分から遠い部分を下降部として被加熱物内の被調理物に大きな流路ループを持つ対流を発生させることができる。また、被調理物が高粘性で対流が発生しない場合でも、被加熱物である鍋の半面だけを加熱して調理を行い、鍋の熱伝導利用により残り半分を予熱領域として使うことができる。
この動作は、誘導加熱コイルによる加熱部移動を、ガスなどにより発生する炎を直接被加熱物に当てる位置を移動することで実現すれば、誘導加熱機器以外にも適用することができる。
101 被調理物
102 被加熱物
103 加熱コイル
104 インバータ
105 制御部
106 操作部
107 トッププレート
301 制御部
701 制御部
901 制御部

Claims (5)

  1. 被加熱物を載置するためのトッププレートと、前記トッププレートの下方の略同一平面上に互いに近接して配置され、略同一の形状およびサイズを有する6つの加熱コイルと、前記6つの加熱コイルに電力を供給するインバータと、前記インバータを制御する制御部と、前記制御部に指示するための操作部と、を有し、前記制御部は、前記操作部の指示に応じて、前記6つの加熱コイルのうちの3つまたは4つの加熱コイルには電力が供給され、残りの加熱コイルには電力が供給されないように制御する誘導加熱調理器。
  2. 前記制御部は、前記電力を供給する加熱コイルと前記電力を供給しない加熱コイルとを調理中に変更するように制御する請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記制御部は、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が同一方向となるように前記加熱コイルに流れる電流方向を制御する請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記制御部は、隣り合う加熱コイルで発生する磁束が打ち消しあうように前記加熱コイルに流れる電流方向を制御する請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記制御部は、前記電力を供給する加熱コイルと前記電力を供給しない加熱コイルとを調理中に変更しても、総電力量は一定であるように制御する請求項2〜4に記載の誘導加熱調理器。
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