以下に添付図面を参照して、本発明に係るショーケースの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明にかかるショーケースの実施の形態を示す図である。ショーケース1は、ケース本体2を備えている。ケース本体2は、前面に開口2aが形成された略直方体状の断熱筐体である。ケース本体2は、商品陳列室3と、空気循環手段4とを有する。
商品陳列室3は、ケース本体2内に画成され、開口2aを通じて外部と連通されている。商品陳列室3は、開口2aから商品が出し入れ可能となっている。商品陳列室3の天面は天板31によって構成され、底面は底板32によって構成され、側面は、図示しない側板によって構成されている。商品陳列室3の背面は、背面板33によって構成され、前面は開口2aとなっている。商品陳列室3内には、商品載置棚5が形成されている。
商品載置棚5は、商品陳列室3内に複数の棚板51を上下方向に並べて形成されている。また、商品載置棚5の最下段の棚板は底板32によって構成している。この棚板51及び底板32上に商品が載置されるようになっている。棚板51は、平面視略矩形状に形成されている。棚板51の内部には、空間が形成され、棚板ダクト52となっている。
棚板ダクト52は、商品載置棚5の背面側から同前面側にかけて配設されている。棚板ダクト52は、商品載置棚5の背面側において、後述する背面側ダクト41cと連通している。尚、商品載置棚5においては、ユーザが商品を取る側が前面側である。即ち、本実施の形態では、ケース本体2の開口2a側が、商品載置棚5の前面側である。
また、棚板ダクト52の前面側先端は、下方に向けて開口され、棚板側吹出口53となっている。棚板側吹出口53は、下方に突出するように形成されている。棚板側吹出口53は、棚板51の前面(前側端面)に沿って形成されている。即ち、棚板側吹出口53は、後述するガイド板6と略平行に形成されている。
棚板51の前面側には、ガイド板6が設置されている。ガイド板6は、棚板51の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。即ち、ガイド板6は、商品載置棚5の左右方向に延設されている。ガイド板6の板状面は、棚板51の前面側端面と対向している。棚板51とガイド板6は、一定の距離を開けるように配置され、棚板51とガイド板6との間にスリット状の空間であるガイドスリット61が形成されている。また、ガイド板6は、棚板51の上面より上方側に突出するように配置されている。ガイド板6は、ハット型金具7を使用して設置している。
このガイド板6によって、棚板51の上面を沿って商品載置棚5の前面側に向かい、棚板51の前面側端部から商品陳列室3外に漏れ出ようとする流れを下方に誘導する。即ち、棚板51の前側端部から漏れ出ようとする流れが、ガイド板6に衝突し、その棚板51より下方に流れるようにガイド板6が配置されている。また、このガイド板6は、後述する吹出口11から吹き出す空気の流れを下方に誘導する。即ち、吹出口11から吹き出す空気の流れが直接ガイド板6にあたり、その流れも下方に誘導するようになっている。
また、棚板51の上面の前側には、商品転倒防止ガード54が設置されている。この商品転倒防止ガード54は、一対の柱部54aの間にワイヤー54bを掛けまわした態様に形成されている。尚、本実施の形態においては、ガイド板6は、商品の値段などを表示するためのカードであるプライスカードを設置するためのプライスカード取付用レールを兼ねている。
空気循環手段4は、空気通路41と、循環ファン42と、冷却器43とを有する。空気循環手段4は、エアカーテンAを形成し、商品陳列室3内を冷却するものである。空気通路41は、上部ダクト41aと、下部ダクト41bと、背面側ダクト41cとを有する。
上部ダクト41aは、商品陳列室3より上側に、商品陳列室3の背面側から前面側にかけて延在するように形成されている。上部ダクト41aの前面側において、下面に開口するように開口部が形成され、吹出口11となっている。吹出口11は、ケース本体2開口2aの左右方向に延在するように形成されている。
下部ダクト41bは、商品陳列室3より下側に、商品陳列室3の背面側から前面側にかけて延在するように形成されている。下部ダクト41bの前面側には、上面に開口するように開口部が形成され、吸込口12となっている。吸込口12は、ケース本体2の開口2aの左右方向に延在するように形成されている。
背面側ダクト41cは、商品陳列室3より背面側に、上下に延在するように形成されている。背面側ダクト41cの上部は、上部ダクト41aと連通され、背面側ダクト41cの下部は、下部ダクト41bと連通されている。背面側ダクト41c内に、循環ファン42と、冷却器43が設置されている。
循環ファン42は、空気を循環させるものである。この循環ファン42によって、空気の流れを生じさせ、空気を吹出口11から吹き出し、吸込口12から吸入する。冷却器43は、空気通路41に設置され、空気通路41を通る空気を冷却するものである。
このように構成された空気循環手段4においては、循環ファン42を作動させると、吸込口12から吸い込まれた空気が、順に下部ダクト41b、背面側ダクト41c、上部ダクト41aを通り、吹出口11から吹出される。また、吸込口12から吸い込まれた空気は、冷却器43によって、冷却されてから、吹出口11から冷気として吹き出される。
吹出口11から吹き出された冷気は、商品載置棚5の一段目のエアカーテンAを形成する。一段目のエアカーテンAは、商品載置棚5の一段目のガイド板6にガイドされて、ガイドスリット61を通り、下段に流れる。そして、このガイドスリット61を通り下段に流れた空気が、下段のエアカーテンAを形成する。
また、背面側ダクト41cにおいて冷却された空気は、棚板ダクト52を通り、棚板側吹出口53から吹出され、エアカーテンBを形成する。エアカーテンBを構成した冷気の一部は、商品載置棚5内側に流れ、商品載置棚5内部を冷却し、一部は、ガイド板6と棚板51の間を通り、下段に流れる。
商品載置棚5の上から2段目以降の前面には、棚板側吹出口53から吹き出されて形成されるエアカーテンBと、ガイドスリット61を通ってきたエアカーテンAによって、二重のエアカーテンが形成される。この二重のエアカーテンにより、商品載置棚5の各段が好適に保冷される。
エアカーテンAの一部が、棚板51の上面に衝突し、棚板51の前面側に向かう空気の流れが発生しても、ガイド板6によって、その流れが下方に誘導される。従って、エアカーテンAを構成していた冷気の一部が、商品陳列室3の前面側の開口2aから外に漏れ出ることを防止することができる。また、同様に、エアカーテンBの一部が、棚板51の上面に衝突し、棚板51の前面側に向かう流れとなった際にも、ガイド板6によって、この流れが下方に誘導される。従って、冷気漏れを低減でき、商品載置棚5内を確実に保冷することができる。
このように、ガイド板6によってエアカーテンAの形成を補助しているので、エアカーテンAが棚板51の先端部に衝突して発生する冷気漏れによる冷却効率の低下を防止することができ、棚板51の先端部付近をかすめるようにエアカーテンAを形成した際に生じる消費電力の増加を抑止することができる。即ち、エアカーテンAと商品載置棚5の間を狭めても、好適に商品載置棚5内を保冷することができる。即ち、省スペースで商品の収容能力の大きいショーケース1とすることができる。
吹出口11から吹き出された冷気及び、棚板側吹出口53から吹き出した冷気は、各棚板51に対応したガイドスリット61をそれぞれ通って、エアカーテンAを形成しつつ、吸込口12に到達して吸い込まれる。そして、吸い込まれた空気が、冷却され、また吹出口11から吹き出すという循環が形成される。また、エアカーテンAの一部は、商品載置棚5内に流れ、商品載置棚5内を冷却する。
尚、棚板ダクト52は、棚板51内に配設されているが、棚板51の下面に配設してもよい。ガイド板6は、ハット型金具7を介して、棚板51の前面に支持させているが、他の金具を使用してもよいし、また、側板に支持させてもよい。また、本実施の形態においては、ケース本体2は、上部が開放されていないが、ケース本体2の上部を開放してもよい。
上述した実施の形態では、商品載置棚5全体を冷却するコールドショーケースであるが、複数の異なる温度体で商品を収納可能な、例えば、ホットコールドショーケースのようなショーケースであってもよい。
以下、本図6−1に示すような従来の構造のショーケース71と、図6−2に示す、本発明の構造を有するショーケース72との商品載置棚を比較した。
ショーケース71は、商品陳列室3内に複数の棚板73と棚板51を上下方向に並べて形成した商品載置棚を有している。棚板51は、商品載置棚の一番上に設置され、この棚板51の前面にプライスカード取付用レール74が設置されている。プライスカード取付用レール74は、棚板51の前面に、プライスカード取付用レール74と棚板51との間に隙間無く設置されている。
ショーケース72は、複数の棚板73と棚板51を上下方向に並べて形成した商品載置棚を有している。棚板51は、商品載置棚の一番上に設置され、この棚板51に本発明の要部であるガイド板6が配置されている。そして、棚板51と、ガイド板6との間には、スリット状の空間が形成されており、吹出口11から、吹き出された空気が通るようになっている。
この結果、商品載置棚5の段全般において、本発明における構造の方が、従来の構造よりもよく冷却される。特に、2段目、3段目、4段目における冷却効果は、顕著である。
(変形例)
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されず種々の変更を行うことができる。以下に図7を参照しながら変形例について説明する。尚、上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付している。
本変形例のショーケース100は、棚板51の代わりに、棚板ダクトを有しない棚板511を上下方向に並べて商品載置棚101を形成している。棚板511の前面側にガイド板6をガイドスリット61を介して配置している。また、本変形例においては、商品陳列室3の背面は、背面板311によって構成されている。
また、上述した実施の形態では、棚板ダクト52を形成し、棚板51の前面下部から、下方に向けて冷気を吹き出すようにしているが、図7に示すように、商品陳列室3の背面を構成する背面板311に貫通開口するように背面側冷気吹出口312を形成し、背面側ダクト41cと商品陳列室3とを連通させることにより、棚板511の背面側から前面側に向かう冷気の流れを形成するようにしてもよい。この流れは、棚板511の前面側においては、当然、ガイド板6によって下方に誘導される。従って、商品載置棚101の前面にエアカーテンCがより確実に形成される。
(変形例2)
次に、図5に示した変形例について説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。本変形例のショーケースは、上述の実施の形態1におけるガイド板6とハット型金具7の代わりに取付金具6aとガード取付金具55を設けたものである。
本変形例においては、棚板51の前側に、商品転倒防止ガード54を保持するために、棚板51の長手方向に全幅に渡るガード取付金具55を棚板51に複数のネジ55aによってねじ止めしている。
また、棚板51の前面側には、プライスカード取付用レール56を保持するための断面コ字形の取付金具6aが設置されている。取付金具6aとガード取付金具55とは、一定の距離を開けるように配置され、取付金具6aとガード取付金具55と間にスリット状の空間であるガイドスリット61が形成されている。従って、取付金具6aは、ガイド板としての機能を有する。即ち、取付金具6aによって、エアカーテンAをガイドすることができる。
この取付金具6aは、棚板51の前面側端面の長手方向に沿って全幅に渡り配置され、その端面を内側に折り曲げ、棚板51にねじ6aaによってねじ止めされている。このプライスカード取付用レール56には、商品の値段などを表示するためのカードであるプライスカード56aがレール56と取付金具6aとの間に差し込まれて保持され、この表示機能に加え、プライスカード56aは、棚板51の上面より上方側に突出するように配置されているので、ガイド板としての機能を兼ねるものである。
尚、棚板ダクト52を無くしてエアカーテンBを無くし、吹出口11からの空気の流れを各棚のガイドスリット61をそれぞれ通って、エアカーテンAのみを形成しつつ、吸込口12に到達して吸い込まれるようにしてもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる実施の形態2について図8〜図11に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。図8は、本実施の形態2のショーケース601を示している。ショーケース601は、ケース本体2を備えている。ケース本体2は、商品陳列室3と、空気循環手段4とを有する。商品陳列室3の背面は、背面板602によって構成され、商品陳列室3の前面は開口2aとなっている。商品陳列室3内には、商品載置棚101が形成されている。
商品載置棚101は、商品陳列室3内に複数の棚板511を上下方向に並べて形成されている。また、商品載置棚101の最下段の棚板は底板32によって構成している。棚板511は、平面視略矩形状に形成されている。
棚板511の前面側には、可動式ガイド部材603が設置されている。可動式ガイド部材603は、一対の錘用アーム604と、ガイド板605とを有している。一対の錘用アーム604は、略棒状に形成され、その一端がガイド板605に取り付けられている。また、錘用アーム604は、ガイド板605の長さ方向の両端部にそれぞれ固定されている。
ガイド板605は、略細長矩形板状に形成され、棚板511の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。即ち、ガイド板605は、商品載置棚101の左右方向に延設されている。棚板511とガイド板605は、一定の距離を開けるように配置され、棚板511とガイド板605との間にスリット状の空間であるガイドスリットが形成されている。また、ガイド板605は、棚板511の上面より上方側に突出するように配置されている。
ガイド板605は、プライスカード取付部605aと、固定部605bとを有している。プライスカード取付部605aは、略細長板状に形成されている。また、プライスカード取付部605aの前面側が折り曲げられ、商品の値段などを表示するためのカードであるプライスカードを挟持するようになっている。
ガイド板605の固定部605bは、略細長板状に形成されている。固定部605bの両端部は、L字状部分605cが固定部605bの板状面から突出するように形成されている。L字状部分605cは、略矩形板状に形成され、固定部605bの板状面から突出する突出部分と、その一端から突出し、固定部605bの板状部分と略平行に配設された略矩形板状の平行部分とから略L字状に形成されている。そして、L字状部分605cの平行部分に錘用アーム604が固定されている。固定部605bの上部には、プライスカード取付部605aが配設されている。そして、固定部605bとプライスカード取付部605aの板状面が、ガイド板605の板状面を構成している。
棚板511の先端部には、一対のL字金具607が取り付けられている。L字金具607は、矩形状の板部材の端部同士を接合した形状に形成されている。L字金具607は、棚板511の前面側において、左右方向に所定の間隔をおいて配設されている。そして、このL字金具607に掛け渡されるように、ガイド板605が配設されている。
このL字金具607は、棚板511の先端から突出するように取り付けられている。L字金具607の上面には、板状のガイド板取付片608が上方に突出するように配設されている。そして、このガイド板取付片608にガイド板605が段付ビス606によって回転可能に取り付けられている。詳細には、ガイド板605のL字上部分605cの突出部分とガイド取付片608を貫通するように段付ビス606が配設されることにより、ガイド板605がガイド板取付片608に対して、回転可能に取り付けられている。従って、ガイド板605は、棚板511に対して、回転可能となっている。
このガイド板605によって、棚板511の上面を沿って商品載置棚101の前面側に向かい、棚板511の前面側端部から商品陳列室3外に漏れ出ようとする流れを下方に誘導する。即ち、棚板511の前側端部から漏れ出ようとする流れが、ガイド板605に衝突し、その棚板511より下方に流れるようにガイド板605が配置されている。また、このガイド板605は、吹出口11から吹き出す空気の流れを下方に誘導する。即ち、吹出口11から吹き出す空気の流れが直接ガイド板605にあたり、その流れも下方に誘導するようになっている。
吹出口11から吹き出された冷気は、図8に示すように、商品載置棚101の一段目のエアカーテンCを形成する。一段目のエアカーテンCは、商品載置棚101の一段目のガイド板605にガイドされて、ガイド板605と棚板511の間を通り、下段に流れる。そして、この下段に流れた空気が、下段のエアカーテンCを形成する。
エアカーテンCの一部が、棚板511の上面に衝突し、棚板511の前面側に向かう空気の流れが発生しても、ガイド板605によって、その流れが下方に誘導される。従って、エアカーテンCを構成していた冷気の一部が、商品陳列室3の前面側の開口2aから外に漏れ出ることを防止することができる。従って、冷気漏れを低減でき、商品載置棚101内を確実に保冷することができる。
このように、ガイド板605によってエアカーテンCの形成を補助しているので、エアカーテンCが棚板511の先端部に衝突して発生する冷気漏れによる冷却効率の低下を防止することができ、棚板511の先端部付近をかすめるようにエアカーテンCを形成した際に生じる消費電力の増加を抑止することができる。即ち、エアカーテンCと商品載置棚101の間を狭めても、好適に商品載置棚101内を保冷することができる。即ち、省スペースで商品の収容能力の大きいショーケース601とすることができる。
吹出口11から吹き出された冷気は、各段でエアカーテンCを形成しつつ、吸込口12に到達して吸い込まれる。そして、吸い込まれた空気が、冷却され、また吹出口11から吹き出すという循環が形成される。また、エアカーテンCの一部は、商品載置棚101内に流れ、商品載置棚101内を冷却する。
通常位置において、錘用アーム604は、棚板511の上面に載置された状態となっている。商品載置棚101に並べられた商品Sを取り出す際に、商品Sがガイド板605に当り、ガイド板605の回転方向に力が作用すると、ガイド板605が段付ビス606の中心軸を回転軸として、開き方向に、即ち商品の取り出し領域を広げる方向に移動した商品取り出し位置へと回転する。従って、ショーケース601の庫内から外側へ冷気が漏れることを防止すべくガイド板605の上下方向の幅を大きくした際にも、商品Sが取り出し易い。また、商品Sを取り出した後、ガイド板605に作用していた力がなくなると、錘用アーム604の重みによって、ガイド板605が回転して元の位置に戻るので、通常状態における冷却効果を保つことができる。
このように、ガイド板605は、実施の形態1におけるガイド板6と同様の効果を奏するとともに、商品取り出し方向に回転するようになっているので、商品Sを容易に取り出すことができる。尚、本実施の形態2においては、錘用アーム604はガイド板605の両端部に取り付けられているが、棚板511に載置される商品Sの邪魔にならない位置であれば、ガイド板605の両端部でなくてもよい。
また、実施の形態1のショーケース1において、ガイド板6の代わりに、本実施の形態2の可動式ガイド部材603を適用してもよい。また、変形例のショーケース100において、ガイド板6の変わりに本実施の形態2の可動式ガイド部材603を適用してもよい。また、本実施の形態2においては、棚板511は、水平に設けているが、前面側に向けて下るように傾斜させて設けてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明にかかる実施の形態3について図12〜図15に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。本実施の形態3におけるショーケースは、実施の形態2のショーケース601において、可動式ガイド部材603の代わりに、ガイド板621を設けたものである。ガイド板621は、略細長矩形板状に形成され、両端部を一対の腕部材622に支持させて、棚板511の前面に配設されている。
本実施の形態3において、棚板511の前面側先端部には、商品転倒防止用ガード623が配設されている。商品転倒防止用ガード623は、略細長矩形板状に形成され、棚板511の上面に、棚板511の前面に沿って配設されている。
ガイド板621は、略矩形状に形成され、棚板511の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。ガイド板621の板状面は、棚板511の商品転倒防止用ガード623の前面側板状面と対向している。棚板511とガイド板621は、一定の距離を開けるように配置され、棚板511とガイド板621との間にスリット状の空間であるガイドスリットが形成されている。また、ガイド板621は、棚板511の上面より上方側に突出するように配置されている。ガイド板621は、商品の値段などを表示するためのカードであるプライスカードを設置するためのプライスカード取付用レールを兼ねている。
このガイド板621には、両端部に両端部から長さ方向に突出するように一対の回転軸621aが配設されている。ガイド板621は、この回転軸621aを中心に回転するようになっている。また、この一対の回転軸621aは、ガイド板621の幅方向一方側の端部に配設されている。
腕部材622は、略棒状に形成され、一端側が棚板511の前面側に固定され、他端が棚板511の前側斜め上方に突出するように配設されている。腕部材622の他端側には、軸受け孔622aが形成されている。一対の腕部材622は、棚板511の前面側において、左右方向に所定の間隔をおいて配設されている。そして、腕部材622の軸受け孔622aに回転軸621を挿入支持させるようにして、一対の腕部材622間に、ガイド板621が配設されている。
ガイド部材621は、実施の形態1におけるガイド板6と同様の効果を奏するとともに、ガイド板621が上述のように配設されているので、ガイド板621は、自然に、重力方向に向く。従って、図13に示すように、棚板511を傾斜するように配設した際にも、ガイド板621が略垂直方向を向くので、的確に、エアカーテン形成を補助することができる。
(変形例)
次に、上述の実施の形態3の変形例について図16〜図18に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。本変形例のショーケースは、上述の実施の形態3におけるガイド板621と腕部材622と略同形状のガイド板624と腕部材625を使用し、その取り付け機構である回転軸621aと軸受け孔622aの代わりに、多段階の角度で静止することを可能とするギア機構626を適用したものである。
ガイド板624は、略細長矩形板状に形成され、棚板511の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。ガイド板624の板状面は、棚板511の商品転倒防止用ガード623の前面側板状面と対向している。棚板511とガイド板624は、一定の距離を開けるように配置され、棚板511とガイド板624との間にスリット状の空間であるガイドスリットが形成されている。また、ガイド板624は、棚板511の上面より上方側に突出するように配置されている。
ガイド板624は、長さ方向両端部をギア機構626を介して一対の腕部材625に支持させるようにして、棚板511の前面側に配設されている。腕部材625は、略棒状に形成され、一端側が棚板511の前面側に固定され、他端が棚板511の前側斜め上方に突出するように配設されている。そして、腕部材625の突出方向先端部に、ガイド板624がギア機構626を介して、回転可能に取り付けられている。
従って、図16や図17に示すように、ガイド板624を真下方向のみならず、斜め向きとすることができる。即ち、実施の形態3においては、ガイド板621は、重力によって、真下方向のみでしか安定しないが、本変形例においては、ギア機構626を使用しているので、複数の固定角度から、ガイド板624の角度を選択することができる。このようにガイド板624の角度をある程度任意に変えることが可能であると、特に、商品載置棚において、複数配設された棚板511の配設角度が異なる等、棚板511の商品載置棚前面側への突出長さが異なる場合に、エアカーテンを適切に導くことができるので有効である。
(実施の形態4)
次に、本発明にかかる実施の形態4について図19〜図21に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。図19は、本実施の形態4のショーケース631を示している。ショーケース631は、ケース本体2を備えている。ケース本体2は、商品陳列室3と、空気循環手段4とを有する。商品陳列室3の背面は、背面板632によって構成され、商品陳列室3の前面は開口2aとなっている。商品陳列室3内には、商品載置棚101が形成されている。
背面板632には、商品載置棚101の前面側に向けて、棚板511の下面を沿うように冷気を吹き出す背面側上部冷気吹出し口633が形成されている。背面側上部冷気吹出し口633は、商品載置棚101の各段に設けられている。従って、最上段における背面側上部冷気吹出し口633は、天板31の下面に沿って、商品載置棚101の前面側に向かうように冷気を吹き出す。
本実施の形態4においては、棚板511及び天板31の下側面に斜風板634を設置している。斜風板634は、略細長板状に形成され、棚板511及び天板31の下面から斜め前方に向かって突出するように配設されている。斜風板634は、棚板511の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。また、斜風板634は、背面側上部冷気吹出し口633から吹き出された棚板511の下面を沿い商品載置棚101の前面側に向いた冷気の流れを、棚板511の一つ下のガイドスリット61に向けて誘導するように配設されている。
吹出口11から吹き出された冷気は、商品載置棚5の一段目のエアカーテンDを形成する。一段目のエアカーテンDは、商品載置棚5の一段目のガイド板6にガイドされて、ガイドスリット61を通り、下段に流れる。そして、ガイドスリット61を通り下段に流れた空気が、下段のエアカーテンDを形成する。
また、背面側ダクト41cにおいて冷却された空気は、背面側上部冷気吹出し口633から吹出され、流れEを形成する。流れEは、段内を循環する。また、流れEの一部は、ガイド板6と棚板511の間を通り、下段に流れる。
エアカーテンDの一部或いは流れEの一部が、棚板511の上面に衝突し、棚板51の前面側に向かう空気の流れが発生しても、ガイド板6によって、その流れが下方に誘導される。従って、エアカーテンD或いは流れEの一部が、商品陳列室3の前面側の開口2aから外に漏れ出ることを防止することができる。従って、冷気漏れを低減でき、商品載置棚101内を確実に保冷することができる。
このように、ガイド板6によってエアカーテンDの形成を補助しているので、エアカーテンDが棚板511の先端部に衝突して発生する冷気漏れによる冷却効率の低下を防止することができ、棚板511の先端部付近をかすめるようにエアカーテンDを形成した際に生じる消費電力の増加を抑止することができる。即ち、エアカーテンDと商品載置棚5の間を狭めても、好適に商品載置棚5内を保冷することができる。即ち、省スペースで商品の収容能力の大きいショーケース631とすることができる。
吹出口11から吹き出された冷気及び、背面側上部冷気吹出し口633から吹き出した冷気は、各棚板511に対応したガイドスリット61をそれぞれ通って、エアカーテンDを形成しつつ、吸込口12に到達して吸い込まれる。そして、吸い込まれた空気が、冷却され、また吹出口11から吹き出すという循環が形成される。また、エアカーテンDの一部は、商品載置棚101内に流れ、商品載置棚101内を冷却する。
斜風板634を設置しない場合、図21−1に示すように、背面側上部冷気吹出し口633より吹き出された冷気は、ガイド板6の上側を通り、外側に流れ出る流れとなる。従って、この流れは、エアカーテンの形成に影響を与える。しかし、図21−2に示すように、斜風板634を設置すると、背面側上部冷気吹出し口633より吹き出された冷気は、ガイドスリット61へと向かう流れとなり、上の段のガイドスリット61を通ってきた冷気とともに、エアカーテンを形成する。従って、斜風板634を設置することにより、効果的にエアカーテンを形成することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明にかかる実施の形態5について図22−1、図22−2に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。本実施の形態5におけるショーケースは、実施の形態1における変形例のショーケース100において、ガイド板6の代わりに、ガイド板641を設けたものである。また、本実施の形態5においては、実施の形態3と同様に、棚板511の前面側先端部に商品転倒防止用ガード623が配設されている。
ガイド板641は、略細長矩形板状に形成され、両端部を一対の腕部材642に支持させて、棚板511の前面に配設されている。ガイド板641は、棚板511の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。ガイド板641の板状面は、棚板511の商品転倒防止用ガード623の前面側板状面と対向している。棚板511とガイド板641は、一定の距離を開けるように配置され、棚板511とガイド板641との間にスリット状の空間であるガイドスリットが形成されている。また、ガイド板641は、棚板511の上面より上方側に突出するように配置されている。
腕部材642は略L字状に形成されている。腕部材642は、一対の略矩形の板状部材を端辺部分を回転軸として互いに回転可能に連結した形状に形成されている。また、この腕部材642は、L字状態を保つように図示せぬコイルバネによって付勢されている。腕部材642は、一方側の板状部分が、棚板511の下面と平行に、棚板511に固定されている。そして、腕部642の他方側の板状部分が、商品転倒防止用ガード623の板状面と平行となっている。この腕部642の他方側の板状部分にガイド板641が、固定されている。
ガイド板641は、棚板511上に並べられた商品Sを取り出す際に、図22−2に示すように、商品Sがガイド板641に当り、ガイド板641の回転方向に力が作用すると開き方向、即ち商品の取り出し領域を広げる方向に回転した商品取り出し位置へと回転する。従って、ショーケースの庫内から外側へ冷気が漏れることを防止すべくガイド板641の上下方向の幅を大きくした際にも、商品Sが取り出し易い。また、商品Sを取り出した後、ガイド板641に作用していた力がなくなると、腕部材642が元の位置に戻るように付勢されているので、ガイド板641が回転して元の位置(通常位置)に戻る。従って、冷却効果を保つことができる。
このように、ガイド板641は、実施の形態1におけるガイド板6と同様の効果を奏するとともに、商品取り出し方向に回転するようになっているので、商品Sを容易に取り出すことができる。尚、腕部材642は、1つでもよいし、複数個でもよい。
(変形例1)
次に、本発明にかかる実施の形態5の変形例1について図23−1、図23−2に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。本変形例1は、実施の形態5とは、ガイド板の取り付け方が異なるが基本的には、同様の作用効果を有する。
本変形例1においては、ガイド板641の代わりにガイド板643を設けている。ガイド板643は、略細長矩形板状に形成され、両端部を一対の腕部材645に支持させて、棚板511の前面に配設されている。ガイド板643は、棚板511の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。ガイド板643の板状面は、棚板511の商品転倒防止用ガード623の前面側板状面と対向している。棚板511とガイド板643は、一定の距離を開けるように配置され、棚板511とガイド板643との間にスリット状の空間であるガイドスリットが形成されている。また、ガイド板643は、棚板511の上面より上方側に突出するように配置されている。
腕部材645は、断面略L字状に形成されている。腕部材645は、L字状の一方側の板状部分が、棚板511の下面と平行に、棚板511に固定されている。そして、腕部材645の他方側の板状部分が、商品転倒防止用ガード623の板状面と平行となっている。この腕部材645の他方側の板状部分にガイド板643が、バネ644を介して取り付けられている。ガイド板643は、このバネ644によって、棚板511と平行かつ商品転倒防止用ガード623と平行な回転軸を中心として回転可能に取り付けられている。
ガイド板643は、通常状態では、図23−1に示されるように、その板状面が商品転倒防止用ガード623と平行となっている。そして、棚板511上に並べられた商品Sを取り出す際に、商品Sがガイド板643に当り、ガイド板643の回転方向に力が作用すると、図23−2に示すように、開き方向、即ち商品の取り出し領域を広げる方向に移動した商品取り出し位置へと回転する。従って、ショーケースの庫内から外側へ冷気が漏れることを防止すべくガイド板643の上下方向の幅を大きくした際にも、商品Sが取り出し易い。また、商品Sを取り出した後、ガイド板643に作用していた力がなくなると、ガイド板643は、バネ644によって、元の位置(通常位置)に戻るように付勢されているので、ガイド板643が回転して元の位置に戻る。従って、冷却効果を保つことができる。
このように、ガイド板643は、実施の形態1におけるガイド板6と同様の効果を奏するとともに、商品取り出し方向に回転するようになっているので、商品Sを容易に取り出すことができる。尚、腕部材645は、1つでもよいし、複数個でもよい。
(変形例2)
次に、本発明にかかる実施の形態5の変形例2について図24−1、図24−2に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。本変形例2は、実施の形態5とは、ガイド板の取り付け方が異なるが基本的には、同様の作用効果を有する。
本変形例2においては、ガイド板641の代わりにゴム製のガイド板646を設けている。ガイド板646は、略細長矩形板状に形成され、両端部をビス647を介して一対の腕部材645に支持させて、棚板511の前面に配設されている。ガイド板646は、棚板511の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。ガイド板646の板状面は、棚板511の商品転倒防止用ガード623の前面側板状面と対向している。棚板511とガイド板646は、一定の距離を開けるように配置され、棚板511とガイド板646との間にスリット状の空間であるガイドスリットが形成されている。また、ガイド板646は、棚板511の上面より上方側に突出するように配置されている。
ガイド板646は、通常状態では、図24−1に示されるように、その板状面が商品転倒防止用ガード623と平行となっている。そして、棚板511上に並べられた商品Sを取り出す際に、商品Sがガイド板646に当り、ガイド板646の回転方向に力が作用すると、図24−2に示すように、開き方向即ち商品の取り出し領域を広げる方向に弾性変形する。従って、ショーケースの庫内から外側へ冷気が漏れることを防止すべくガイド板646の上下方向の幅を大きくした際にも、商品Sが取り出し易い。また、商品Sを取り出した後、ガイド板646に作用していた力がなくなると、ガイド板646は元の形状に戻る。従って、冷却効果を保つことができる。
このように、ガイド板646は、実施の形態1におけるガイド板6と同様の効果を奏するとともに、商品取り出し方向に弾性変形するようになっているので、商品Sを容易に取り出すことができる。尚、腕部材645は、1つでもよいし、複数個でもよい。
尚、上述の各実施の形態及び変形例において、ガイド板の向きは、そのガイド板の設置されている段の下の段のガイド板と棚板の構成するガイドスリットに空気を誘導する向きに設置するとよい。
以下、図25−1に示すような一段目のみにガイド板641(フェンス)を設置したショーケース651(基本形状)と、図25−2に示すような五段目とデッキにもガイド板641を設置したショーケース653(フェンス追加)との商品載置棚を比較した。
ショーケース651は、商品陳列室3内に複数の棚板73と棚板51を上下方向に並べて形成した商品載置棚を有している。棚板51は、商品載置棚の一番上に設置され、この棚板51の前面に本発明の要部であるガイド板641が設置されている。そして、棚板51と、ガイド板641との間には、スリット状の空間が形成されており、吹出口11から、吹き出された空気が通るようになっている。
ショーケース653は、複数の棚板73と棚板51を上下方向に並べて形成した商品載置棚を有している。棚板51は、商品載置棚の一番上に設置され、この棚板51にガイド板641がショーケース651と同様に配置されている。また、ガイド板641は、五段目の棚板73と、商品載置棚の底面を構成する底板652とにも同様に配設されている。
この結果、商品載置棚の段全般において、ショーケース653(フェンス追加)のほうがショーケース651(基本形状)よりもよく冷却される。また、ガイド板641を設置した5段目とデッキにおいて、顕著に温度が低下する。
(実施の形態6)
次に、本発明にかかる実施の形態6について図26〜図27に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。図26は、本実施の形態6のショーケース661を示している。このショーケース661は、実施の形態1におけるショーケース1にカーテン662を設置したものである。
カーテン662は、シート状に形成され、ガイド板6の下端部から垂れ下がるように配設されている。カーテン662は、ガイド板6にその左右方向に沿って配設されている。即ち、カーテン662は、商品載置棚5の左右方向において、ガイド板6の全長に亘って設けられている。カーテン662は、柔軟性を有する薄い樹脂性の透明部材から構成されている。カーテン662は、ガイド板6に固定される基部662aと、ガイド板6に配設された際に基部662aから垂れ下がる複数の垂下片662bとから構成されている。
基部662aは、略長方形のシート状に形成されている。基部662aの一方の長辺側には、垂下片662bが形成されている。垂下片662bは、略矩形状に形成され、基部662aの長さ方向に略等間隔に並んで複数配設されている。このように、カーテン662は、略長方形状のシート状部材の短手方向に切れ込みを入れた形状に形成されている。カーテン662は、基部662aの短手方向一端部が、ガイド板6の前面側下部に固定され、基部662aの短手方向他端部の垂下片662bが垂れ下がるように配設されている。垂下片662bは、上下に隣り合う棚板51,51間において、上から半分を覆う程度の長さに形成されている。
このように構成されているショーケース661は、空気循環手段4を作動させると、ショーケース661の上部に形成された吹出口11から冷気が吹き出される。この吹き出された冷気は、各棚板51の前面側に形成されたガイドスリット61を通り、エアカーテンAを形成する。本実施の形態6においては、ガイドスリット61を構成するガイド板6の下部に、ガイド板6を下方に延長するようにカーテン662を設置している。従って、ガイド板6にガイドされて形成されたエアカーテンAは、更にカーテン662によって下方へガイドされる。このように、カーテン662を設置することによって、より確実にエアカーテンAを形成することができる。
また、カーテン662は、エアカーテンAの前面側に形成され、エアカーテンAが外気と接触する部分の面積を減少させている。従って、外気と接触することによるエアカーテンAの温度上昇を低減させることができ、ショーケース661のより省エネルギーな運転が可能となる。更に、カーテン662は、透明な部材によって構成しているので、商品載置棚5の前面側に設置しても、カーテン662を通してショーケース661内の商品を視認することができる。また、カーテン662は、切れ込みをいれた形状に形成されているので、商品載置棚5内に設置された商品をこの切れ込みに手を挿入して取り出すことができる。
尚、本実施の形態6においては、カーテン662の上下方向の長さを上下に隣り合う棚板51,51間の半分程度としているが、全面を覆うようにしてもよい。また、本実施の形態6においては、1つのカーテン662をガイド板6の左右方向全長に亘って配設しているが、複数のカーテン662によって、同様の構成を達成してもよい。また、本実施の形態6においては、垂下片662bを間隔を開けて配設しているが、この間隔は、切れ目が入っている程度のものでもよい。
また、本実施の形態6においては、実施の形態1のショーケース1にカーテン662を設置しているが、実施の形態2〜4及び各変形例の各ショーケースにカーテン662を設置してもよい。詳細には、実施の形態1の変形例においては、ショーケース100のガイド板6に、本実施の形態6と同様にカーテン662を設置すればよい。また、実施の形態2のショーケース601においては、本実施の形態6におけるガイド板6の代わりに、ガイド板605にその下端部から垂下されるようにカーテン662を設置すればよい。実施の形態3のショーケースにおいては、本実施の形態6におけるガイド板6の代わりに、ガイド板621にその下端部から垂下されるようにカーテン662を設置すればよい。実施の形態3の変形例のショーケースにおいては、本実施の形態6におけるガイド板6の代わりに、ガイド板624にその下端部から垂下されるようにカーテン662を設置すればよい。
実施の形態4のショーケース631においては、ガイド板6にカーテン662を設置すればよい。実施の形態5のショーケースにおいては、本実施の形態6におけるガイド板6の代わりに、ガイド板641にその下端部から垂下されるようにカーテン662を設置すればよい。実施の形態5の変形例1のショーケースにおいては、本実施の形態6におけるガイド板6の代わりに、ガイド板643にその下端部から垂下されるようにカーテン662を設置すればよい。実施の形態5の変形例2のショーケースにおいては、本実施の形態6におけるガイド板6の代わりに、ガイド板646にその下端部から垂下されるようにカーテン662を設置すればよい。
(実施の形態7)
次に、本発明にかかる実施の形態7について図28〜図32に基づいて説明する。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付す。図28は、本実施の形態7のショーケース701を示している。ショーケース701は、ケース本体702を備えている。ケース本体702は、前面に開口702aが形成された断熱筐体である。ケース本体702は、商品陳列室703と、空気循環手段704とを有する。
商品陳列室703は、ケース本体702内に画成され、開口702aを通じて外部と連通されている。商品陳列室703は、開口702aから商品が出し入れ可能となっている。商品陳列室703の天面は天板731によって構成され、底面は底板732によって構成され、側面は、図示しない側板によって構成されている。商品陳列室703の背面は、背面板733によって構成され、前面は開口702aとなっている。天板731は、底板732よりも前後の幅が小さく形成され、開口702aが前後方向に斜めに開口するようになっている。商品陳列室703内には、商品載置棚705が形成されている。
商品載置棚705は、商品陳列室703内に複数の棚板751を上下方向に並べて形成されている。また、商品載置棚705の最下段の棚板は底板732によって構成している。この棚板751及び底板732上に商品が載置されるようになっている。棚板751は、平面視略矩形状に形成されている。棚板751の内部には、空間が形成され、棚板ダクト752となっている。
棚板ダクト752は、商品載置棚705の背面側から同前面側にかけて配設されている。棚板ダクト752は、商品載置棚705の背面側において、後述する背面側ダクト741cと連通している。棚板ダクト752の先端は、棚板751の先端部よりも手前側に配設されている。尚、商品載置棚705においては、ユーザが商品を取る側が前面側である。即ち、本実施の形態では、ケース本体702の開口702a側が、商品載置棚705の前面側である。
また、棚板ダクト752の前面側先端部は、下方に向けて開口され、棚板側吹出口753となっている。棚板側吹出口753は、棚板751の前面(前側端面)に沿って形成されている。
棚板751の前面側には、ガイド板706が設置されている。ガイド板706は、棚板751の前面側端面の長手方向に沿って配置されている。即ち、ガイド板706は、商品載置棚705の左右方向に延設されている。ガイド板706の板状面は、棚板751の前面側端面と対向している。棚板751とガイド板706は、一定の距離を開けるように配置され、棚板751とガイド板706との間にスリット状の空間であるガイドスリット761が形成されている。また、ガイド板706は、棚板751の上面より上方側に突出するように配置されている。
ガイド板706は、細長矩形板状に形成され、両端部に回転支持部706aが形成されている。回転支持部706aは、図29に示すように、略扇形板状に形成され、ガイド板706の板状部分から後方に突出するように形成されている。回転支持部706aには、固定用孔706bが複数形成されている。回転支持部706aは、棚板751の前面に配設された腕部材707に軸支されている。即ち、ガイド板706は、一対の腕部材707間に回転可能に支持されて配設されている。
腕部材707は、棚板751の前面から突出するように形成されている。腕部材707は、突出部707aと固定部707bと補強部707cとから構成されている。突出部707aと固定部707bは、図31に示すように、板状に形成され、互いの端部が一体となって合わせてL字状となっている。補強部707cは、突出部707aと固定部707bとにまたがって配設され、突出部707aの強度を補っている。
固定部707bは、棚板751の前側端面に重ね合わせて、釘状の固定金具707eによって固定されている。突出部707aは、棚板751の前側端面から前方に突出するように配設されている。突出部707aの板状面には、前述したガイド板706の固定用孔706bに嵌合する凸部707dが形成されている。
この突出部707aにガイド板706の回転支持部706aが軸支されている。詳細には、図30に示すように、回転支持部706aに形成された貫通孔と、突出部707aに形成された貫通孔に、段付ネジ708を貫通させて先端にナット709を螺合させて、ガイド板706を回転可能に配設している。
ガイド板706は、この段付ネジ708を回転軸として回転するようになっている。即ち、ガイド板706は、棚板706と平行な方向に伸びる回転軸を中心として回転する。換言すると、ガイド板706は、棚板751とガイド板706との交差角度が変わる方向に回転する。ガイド板706を回転させた際には、図31に示すように、ガイド板706の回転方向に複数形成されている固定用孔706bに、凸部を嵌合させることにより、所定の角度でガイド板706を固定することができる。即ち、ガイド板706の配設角度を図28に示す状態から図32に示す状態に変更することができる。
ガイド板706は、棚板751の上面を沿って商品載置棚705の前面側に向かい、棚板751の前面側端部から商品陳列室703外に漏れ出ようとする流れを下方に誘導する。即ち、棚板751の前側端部から漏れ出ようとする流れが、ガイド板706に衝突し、その棚板751より下方に流れるようにガイド板706が配置されている。
尚、本実施の形態においては、ガイド板706は、商品の値段などを表示するためのカードであるプライスカードを設置するためのプライスカード取付用レールを兼ねている。
空気循環手段704は、空気通路741と、循環ファン742と、冷却器743とを有する。空気循環手段704は、エアカーテンFを形成し、商品陳列室703内を冷却するものである。空気通路741は、上部ダクト741aと、下部ダクト741bと、背面側ダクト741cとを有する。
上部ダクト741aは、商品陳列室703より上側に、商品陳列室703の背面側から前面側にかけて延在するように形成されている。上部ダクト741aの前面側において、下面に開口するように開口部が形成され、吹出口711となっている。吹出口711は、ケース本体702における開口702aの左右方向に延在するように形成されている。
下部ダクト741bは、商品陳列室703より下側に、商品陳列室703の背面側から前面側にかけて延在するように形成されている。下部ダクト741bの前面側先端部は、上方に突出しており、上面から背面にかけて開口するように開口部が形成され、吸込口712となっている。吸込口712は、ケース本体702の開口702aの左右方向に延在するように形成されている。下部ダクト741b内に、循環ファン742と、冷却器743が設置されている。
背面側ダクト741cは、商品陳列室703より背面側に、上下に延在するように形成されている。背面側ダクト741cの上部は、上部ダクト741aと連通され、背面側ダクト741cの下部は、下部ダクト741bと連通されている。
循環ファン742は、空気を循環させるものである。この循環ファン742によって、空気の流れを生じさせ、空気を吹出口711から吹き出し、吸込口712から吸入する。冷却器743は、空気通路741に設置され、空気通路741を通る空気を冷却するものである。
このように構成された空気循環手段704においては、循環ファン742を作動させると、吸込口712から吸い込まれた空気が、順に下部ダクト741b、背面側ダクト741c、上部ダクト741aを通り、吹出口711から吹出される。また、吸込口712から吸い込まれた空気は、冷却器743によって、冷却されてから、吹出口711から冷気として吹き出される。
吹出口711から吹き出された冷気は、商品載置棚705の前面を覆うエアカーテンFを形成する。また、ガイド板706の前面側を通る流れGも形成される。更に、ガイドスリット761を通るエアカーテンHが形成される。
また、背面側ダクト741cにおいて冷却された空気は、棚板ダクト752を通り、棚板側吹出口753から吹出され、流れIとなる。流れIを構成した冷気の一部は、商品載置棚705内側に流れ、商品載置棚705内部を冷却し、一部は、ガイド板706と棚板751の間を通り、下段に流れる。
流れIが棚板751の上面に衝突し、棚板751の前面側に向かう空気の流れが発生しても、ガイド板706によって、その流れが下方に誘導される。従って、エアカーテンFが乱されることを防止することができる。また、冷気の一部が、商品陳列室703の前面側の開口702aから外に漏れ出ることを防止することができる。また、同様に、エアカーテンHの一部が、棚板751の上面に衝突し、棚板751の前面側に向かう流れとなった際にも、ガイド板706によって、この流れが下方に誘導される。従って、冷気漏れを低減でき、商品載置棚705内を確実に保冷することができる。このように、ガイド板706によって、棚板751の前面側に向かう空気の流れが、エアカーテンFを乱すことを防止することができる。
吹出口711から吹き出された冷気及び、棚板側吹出口753から吹き出した冷気は、各棚板751に対応したガイドスリット761をそれぞれ通って、エアカーテンHを形成しつつ、吸込口712に到達して吸い込まれる。そして、吸い込まれた空気が、冷却され、また吹出口711から吹き出すという循環が形成される。また、エアカーテンHの一部は、商品載置棚705内に流れ、商品載置棚705内を冷却する。
本実施の形態7におけるショーケース701においては、複数の固定角度から、ガイド板706の角度を選択することができる。このようにガイド板706の角度をある程度任意に変えることが可能であると、特に、商品載置棚において、複数配設された棚板751の配設角度が異なる等、棚板751の商品載置棚前面側への突出長さが異なる場合に、ガイドスリット761を通って下方に流れる流れを適切に導くことができる。即ち、下段のガイドスリット761に向かう方向に誘導することができ、流れを滑らかにすることができる。