JP5526437B2 - マグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法 - Google Patents

マグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5526437B2
JP5526437B2 JP2012187196A JP2012187196A JP5526437B2 JP 5526437 B2 JP5526437 B2 JP 5526437B2 JP 2012187196 A JP2012187196 A JP 2012187196A JP 2012187196 A JP2012187196 A JP 2012187196A JP 5526437 B2 JP5526437 B2 JP 5526437B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
magnesium
molten steel
inclusions
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012187196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013129906A (ja
Inventor
文星 ▲黄▼
建▲シュン▼ 付
木榮 陸
▲彦▼豪 蘇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Cheng Kung University NCKU
Original Assignee
National Cheng Kung University NCKU
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Cheng Kung University NCKU filed Critical National Cheng Kung University NCKU
Publication of JP2013129906A publication Critical patent/JP2013129906A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5526437B2 publication Critical patent/JP5526437B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/04Removing impurities by adding a treating agent
    • C21C7/06Deoxidising, e.g. killing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/04Removing impurities by adding a treating agent
    • C21C7/064Dephosphorising; Desulfurising

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

本発明は、鋼鉄の冶金方法に関するもので、特にマグネシウムアルミニウムで二次精錬を経た溶鋼中の介在物(inclusion)を改質(modify)し、さらに鋼結晶粒を微細化する冶金方法に係るものである。
現在、転炉製鋼法(Converter Steelmaking)、アーク炉製鋼法(EAF)によって冶金される溶鋼は、常にLF、VD、RH、VOD、VADなどの製造工程を経て二次精錬を行うことにより、その溶鋼中の燐、硫黄、酸素、窒素、水素の含有量をより一層低く抑えることを期待しており、かつ炭素と合金の含有量を合理的に調整することにより、産出される溶鋼中の成分の含有量を理想的な範囲まで調整し、現代において異なる特性を有する鋼材の需要性に適合しようとしたものがある。
従来の製鋼の製造工程では、概して、アーク炉製鋼S81または転炉製鋼S91’と二次精錬(Secondary Refining)S93などの段階(図1参照)に分けられ、その中、転炉製鋼または電炉製鋼の段階S91、S91’(例えば、中華民国公告第I328044号に示されるように)においては、酸素を吹き込んで溶鋼に対して脱炭処理を行なうことにより、一酸化炭素または二酸化炭素などの気体を生成して排出するようにしたものがある。この時、産出される溶鋼の酸素の総含有量(溶存酸素と酸化物中の酸素)は比較的高く、介在物も比較的多く、仮に過量な酸素を含有する溶鋼を直接鋼塊に鋳造すると、鋼材の品質を下げてしまう。従って、各種の異なる二次精錬の段階S92を通じて溶鋼に対して二次精錬(例えば、脱酸、脱硫、脱気、脱炭素など)を行ない、二次精錬の段階S92を経た溶鋼の品質が大いに高まり、連続鋳造においてスラブに鋳造してから、再び圧延の作業を経て鋼の製品を産出するようにしたものがある。
しかし、現在では、科学技術の進歩に従って、先端的な科学技術では鋼製品の品質に対して厳しく要求され、昨今では、清浄度の高い清浄鋼が主な発展の目標として求められるとともに、さらに進んでその清浄鋼の性能の更なるアップが期待されるため、高い強度と高い強靭性を有する鋼材に発展される。さらに研究開発の重点は二次精錬の段階S92後における溶鋼の特性の改良に注目され、かつ市場の需要に応じて降伏強度が1000MPaを超える超級鋼(特に鋼板である)が開発されてきた。
そのため、材料の強化原理によって現在では結晶粒微細化強化(grain refining strengthening)、固溶強化(solid solution strengthening)、析出強化(precipitation strengthening)、二次強化(secondary strengthening)などの方式を利用し、直接鋼材の結晶粒の組織と配列を改善することにより、鋼材の材料強度を高めることができる。その中、一個の合金化の段階S93を通じて合金を含有する元素(例えば、クロム、マンガン、ニッケル、希土など)を二次精錬を経た後の溶鋼の中に添加することにより、固溶強化、析出強化の方式を通じて鋼材の強度、強靭性およびその他の特性を増強する。または、一個の熱機械的処理の段階S94(熱加工制御とも称す。Thermo Mechanical Control Process、TMCP)を利用して結晶粒を微細化し、二次精錬−連続鋳造のブルームに対して圧延の過程において鋼材の加熱温度、冷却条件と圧延速度などを制御することにより、鋼材は熱間圧延の過程において設定される製造工程の路線に従って相転移し、比較的細かい結晶粒の組織(通常として5〜10μm)が形成されるため、鋼材の強度を高め、強靭性を改善する目的に達することができる。
中華民国公告第I328044号
上述のような従来の製鋼方法では、一般的に次のような問題点を有している。上記従来の製鋼方法ではその作業に掛かるコストが高くなるだけではなく、性能の高まりに対してその幅が限られる。合金化の技術を例に挙げると、その他のコストの高い合金元素に頼って補助しなければ、鋼材の強度などの性能を増やすことができないため、鋼材の強度の高まりは明らかに合金元素そのものの特性によって制限され、かつ作業のコストが高くなり、しかも鋼材の性能アップの幅は通常として20%を超えることができない(降伏強度は600MPaを超過しない)という問題点があった。その他に、熱機械的処理を例に挙げると、降伏強度が700〜900MPaの強度の高い鋼材を産出することができるが、熱加工制御(TMCA)の作業過程において、鋼材の相転移の各種条件を厳しく制御しなければならず、例えば加熱温度、圧延速度または冷却条件などを制御することにより、正確に鋼材の結晶粒の微細化を完成することができる反面、そのための巨額な資金を投入して設備の拡大を行なわなければならず、かつ作業時においてエネルギー消耗コストが巨大化となるため、上記熱機械的処理を広めるのに制限されてしまうという問題点があった。
上記のような従来の製鋼方法の問題点に鑑み、二次精錬を経て産出される溶鋼の結晶粒微細化に適用する方法を確実に発展しなければならず、かつマグネシウムアルミニウムと上記溶鋼の間の相互の作用を通じて上述した問題点を解決する必要がある。
本発明の第一の目的は、直接二次精錬後の溶鋼中の介在物を改質することにより、溶鋼の清浄度を高めると同時に、上記溶鋼の熱力学的条件を利用して介在物の成分、サイズ、形態、分布を変えることにより、溶鋼中の微細な結晶核の数を増やし、鋼結晶粒の微細化を促進し、さらに鋼の強度と強靭性を高めることができるマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法を提供することにある。
本発明の第二の目的は、マグネシウムアルミニウムで介在物を改質し、さらに鋼結晶粒を微細化することにより、作業過程においてコストを低く抑えるとともに、鋼の性能を改善することができるマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、二次精錬を経て産出される溶鋼を処理するのに用いられるマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法において、前処理の段階および改質の段階を有し、前処理の段階は溶鋼の中にアルミニウムを添加することにより、アルミニウムを上記溶鋼の中の酸素、硫黄とを、溶鋼の酸素の総含有量が15〜120ppmになるまで、硫黄の含有量が15〜150ppmになるまで反応させ、かつ酸化アルミニウム(Al23)を生成してより清浄な溶鋼液を獲得する。改質の段階はより清浄な溶鋼液の中に他に溶鋼液1トン当り0.01〜0.6キログラムのマグネシウムを添加することにより、マグネシウムをより清浄な溶鋼液の中に残りの酸素、硫黄および酸化アルミニウム(Al23)を、溶鋼液の酸素の総含有量が10〜60ppmになるまで、硫黄の含有量が5〜100ppmになるまで反応させ、かつ介在物の酸化マグネシウム、硫化マグネシウムおよびマグネシウムアルミニウムスピネルを生成し、析出される介在物を上記溶鋼液の凝固過程の結晶核として細粒鋼を生成する。
また、本発明によるマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法は、改質の段階において、より清浄な溶鋼液の中にマグネシウム鉄合金線を投入し、かつマグネシウム−鉄合金線のマグネシウムの含有量が5〜80%であることもできる。また、前処理の段階および改質の段階の製造工程の温度は1843K〜1903Kであることもできる。また、二次精錬を経て産出される溶鋼は中炭素鋼または低炭素鋼であることもできる。
本発明のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法によれば、直接二次精錬後の溶鋼の中の介在物を改質することにより、溶鋼の清浄度を高めると同時に、上記溶鋼の熱力学的条件を利用して上記介在物の成分、サイズ、形態、分布を変えることにより、溶鋼中の微細な結晶核の数を増やし、鋼結晶粒の微細化を促進し、さらに鋼の強度と強靭性を高めることができるという利点がある。
本発明のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法によれば、マグネシウムアルミニウムで介在物を改質し、さらに鋼結晶粒を微細化することにより、作業の過程におけるコストを低く抑えるとともに、鋼の性能を改善することができるという利点がある。
図1は、本発明のフロー図である。 図2は、本発明の酸素−アルミニウムの熱力学的平衡図である。 図3は、本発明の [Mg]−[Al]−マグネシウムアルミニウムスピネルおよび [MgO]−[Al23]−マグネシウムアルミニウムスピネルの熱力学的平衡図である。 図4は、本発明のアルミニウム−マグネシウムの熱力学的平衡図である。 図5は、本発明のマグネシウム−酸素およびマグネシウム−[Al23] の熱力学的平衡図である。 図6は、本発明のマグネシウムアルミニウムスピネルの生成の相図である。 図7は、従来の製鋼のフロー図である。
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
図1は本発明のフロー図である。図1を参照すると、本発明のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法は、一個の前処理の段階S1および一個の改質の段階S2を含む。その中、本発明のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法は、二次精錬を経て産出される溶鋼を処理するのに用いられるため、以下においてそれぞれの段階を詳述する時、「溶鋼」は二次精錬を経て湯出された後の溶鋼を表し、いわゆるより清浄な溶鋼を指す。
注意して欲しいことは、下記で叙述されるそれぞれの化学式で示されるΔGθは標準状態で化学反応を経た自由エネルギー変化を指し、aは標準状態でそれぞれの元素の活性を指す。
前処理の段階S1は上記溶鋼の中にアルミニウムを添加することにより、アルミニウムを上記溶鋼中の酸素、硫黄と、上記溶鋼の酸素の総含有量が15〜120ppmになるまで、硫黄の含有量が15〜150ppmになるまで反応させ、かつ酸化アルミニウム(Al23)を生成してより清浄な溶鋼液を獲得する。より詳しく言えば、アルミニウムは製鋼の製造工程においてよく用いられる脱酸剤で、アルミニウムは比較的良好な脱酸能力を有するため、溶鋼中の酸素を極めて低い標準まで低く下げることができ、かつ熱力学的平衡原理に基づいて知ることができるように、溶鋼の中のアルミニウムの添加量が段々と増えると、それに従って溶鋼中の酸素の含有量を低く下げることができるため、アルミニウムは酸素と作用して酸化アルミニウム[Al23](化学式一に示す如く)を生成すると同時に、溶鋼中の酸素の総含有量は好ましくは15〜120ppmになるまで低く下げ、かつアルミニウム、硫黄が相互に影響する下で合わせて溶鋼の中の硫黄の含有量をざっと15〜150ppmになるまで低く下げることにより、[Al23]を大量に含んだ溶鋼液を獲得することができる。

2[Al]+3[O]=Al23(s) ΔG1 θ=−1202070+386.28T

(化学式一)

化学式一と活性理論から液中の[Al]と[O]の平衡関係を計算することができ、

[%O]3・[%Al]2=1.22×10-12

これによって図2の溶鋼の中の[Al]と[O]の熱力学的平衡関係を獲得する。
例を挙げると、本実施例において選択的に温度が1843〜1903Kで前処理の段階S1におけるアルミニウムの反応を行ない、特に1873Kの作用温度で、アルミニウムの添加量が0.02〜2kg/トン(獲得する溶鋼の中の酸素の総含有量によって確定する)で、アルミニウムを溶鋼中の酸素と反応させることにより、大量の[Al23]を生成することにより、溶鋼の中の酸素の総含有量を15〜120ppmになるまで低く下げると同時に、溶鋼中の硫黄の含有量を15〜150ppmになるまで低く下げることができるため、酸素、硫黄の含有量が極めて低く、かつ大量の[Al23]を含んだより清浄な溶鋼液を獲得し、後続における改質の段階S2を行なうことができる。
ただし、前処理の段階S2を経て獲得されるより清浄な溶鋼液は大量の[Al23]を有し、この時の[Al23]の粒子は比較的集まり易く大きくなり易いため、[Al23]が大量に産出する時、後続における溶鋼の鋳造過程において湯出し口が塞がり易くなり、鋳造が中断してしまうため、上記溶鋼を後続における改質の段階S2によって処理を行なわなければならない。
この改質の段階S2においては、上記のより清浄な溶鋼液の中に他にマグネシウムを添加することにより、マグネシウムをより清浄な溶鋼液の中の残りの酸素、硫黄および酸化アルミニウム[Al23]とを、上記溶鋼液の中の酸素の総含有量が10〜60ppmになるまで、硫黄の含有量が5〜100ppmになるまで反応させ、かつ介在物のマグネシウムアルミニウムスピネル、硫化マグネシウムと酸化マグネシウムを生成し、析出される介在物を上記溶鋼液の凝固過程の結晶核として細粒鋼を生成する。その中、上記高融点、超微細化の介在物(non-metallic inclusions)は固体で溶鋼の中に均一に分布され、かつ集まり難く、大きくなり難く、後続の連続鋳造と圧延の過程において溶鋼の結晶核とすることができ、さらに鋼の凝固、結晶を促進し、細粒鋼に生成して転換することができる。
前述した目的の実現を確保するべく、特別に熱力学的分析計算を行なって、その実行可能性を証明する。マグネシウムをより清浄な溶鋼液の中に残った酸素、硫黄と反応させると同時に、酸化マグネシウムと硫化マグネシウム(化学式二、三に示す如く)を生成させ、熱力学的反応が段々と平衡になっていく時、酸化マグネシウムと硫化マグネシウムの間は互いに転化(化学式四に示す如く)するようになり、そして熱力学的条件を利用して介在物の生成、およびその数、大きさ、形態などを制御することにより、 [Mg]−[O] を獲得する。 [Mg]−[S] は互いに条件づけして [Mg]、[Al]、[O]、[S]、酸化マグネシウム、硫化マグネシウムなどの平衡を維持する。その熱力学的平衡関係は下記のとおりである。

Mg(g)+[O]=MgO(s) ΔG2 θ=−614000+208.28T

(化学式二)

活性理論に基づいて溶鋼の中の[Mg]と[O]の熱力学的平衡関係を獲得することができ、

[Mg]・a[O]=1.31×10-8

Mg(g)+[S]=MgS(s) ΔG3 θ=−419858.5+174.3T

(化学式三)

活性理論に基づいて溶鋼の中の[Mg]と[S]の熱力学的平衡関係を獲得することができる。

[Mg]・a[S]=5.79×10-5
さらに重要なのは、マグネシウムは同時にアルミニウム、酸素、硫黄と反応することができるだけではなく、生成された酸化マグネシウムによってより清浄な溶鋼液の中に含まれる[Al23]と反応することができるため、同様に微結晶化されるマグネシウムアルミニウムスピネル[MgO・Al23](化学式五、六に示す如く)を生成することができ、微結晶化されるマグネシウムアルミニウムスピネルにより、さらに上述した微結晶化される酸化マグネシウム、硫化マグネシウムによって溶鋼の中の介在物を析出し、上記のより清浄な溶鋼液の中の鋼結晶の核心とすることができるため、後続の凝固、結晶の過程において結晶内のアシキュラーフェライト(Acicular Ferrite、AF)の核形成の核心を促進し、さらに鋼の結晶の生成を変え、これによって鋼結晶粒の組織を微細化することができる。

MgO(s)+Al23(s) → MgO・Al23(s)

ΔG4 θ=−35600−2.09T

(化学式四)

化学式二、四の連立によって下記の方程式を推算することができる。

[%Al]2/[%Mg]3=2.64×109

[Mg]+4[O]+2[Al] → MgO・Al23(s)

ΔG5 θ=−1969070+623.87T

(化学式五)
溶鋼の中の [Mg]、[Al] の平衡関係は、熱力学的原理に基づいて式一に示すように一個の自由エネルギーの平衡公式を獲得する。
上述した分析から本発明の図3のマグネシウム−アルミニウム−マグネシウムアルミニウムスピネルおよび [MgO]−[Al23]−マグネシウムアルミニウムスピネルの熱力学的平衡図を獲得することができる。その中、1873Kにおける作用で化学反応に達した熱力学的平衡時において、各種の介在物の互いの転化の関係は図3の中の曲線1と2に示す如くである。
図3の曲線1は酸化マグネシウムとマグネシウムアルミニウムスピネルの転化の臨界条件を示し、すなわちマグネシウムアルミニウムで溶鋼を処理した後、それぞれの元素の活性aを上記自由エネルギー平衡後の公式の中に入れると、[%Al]2/[%Mg]3>2.64×109を得た場合、反応は曲線1の下方のBゾーンの間に位置するため、生成される物質はマグネシウムアルミニウムスピネルである。それに反して、[%Al]2/[%Mg]3<2.64×109を得た場合、反応は曲線1の上方のAゾーンの間に位置するため、生成される物質は酸化マグネシウムである。
その他に、曲線2は [Al]、[Mg] とマグネシウムアルミニウムスピネルの転化の臨界条件を示し、すなわちマグネシウムアルミニウムで溶鋼を処理した後、同様にそれぞれの元素の活性aを上記自由エネルギー平衡後の公式の中に入れると、[%Mg]3/[%Al]2<1.5×10-14を得た場合、反応は曲線2の上方のBゾーンの間に位置するため、生成される物質はマグネシウムアルミニウムスピネルである。それに反して、[%Mg]3/[%Al]2>1.5×10-14を得た場合、反応は曲線2の下方のCゾーンの間に位置するため、生成される物質は[Al23]である。以上は、上記技術を熟知したものには熱力学的平衡原理に基づいて図4を参酌して容易に理解できるものであり、かつこれによって比較的適当な反応条件を取得してマグネシウムアルミニウムを添加した後、微結晶化のマグネシウムアルミニウムスピネルなどを算出して核形成の核心とするのが好ましい。
そのため、熱力学的原理に基づいて、1873Kにおける作用で溶鋼液の中に同時にマグネシウムとアルミニウムが存在する時、[Al23]と酸化マグネシウムの互いの転化の平衡条件は、次の通りです。

3[Mg]+Al23(s)=3MgO(s)+2[Al] ΔG6 θ=−992130+332.76T

(化学式六)

[Mg]3/[Al]2=5.1×10-11
図4は本発明のアルミニウム−マグネシウムの熱力学的平衡図である。図4を参照すると、マグネシウムアルミニウムで処理した後の溶鋼の中に [Mg]3/[Al]2>5.1×10-11を得た場合、そうすると元々存在している[Al23]を[Mg]と反応させ、酸化マグネシウムを生成させると同時に、[Al23]をアルミニウム(化学式六に示如く)に還元させることにより、処理後の溶鋼の中の酸素の総含有量を低く下げることができる。
図5は本発明のマグネシウム−酸素およびマグネシウム−[Al23] の熱力学的平衡図で、図6は、本発明のマグネシウムアルミニウムスピネルの生成の相図である。図4、5、6を参照すると、本発明の前処理の段階S1と改質の段階S2を操作する時、必ず溶鋼の中のアルミニウム、マグネシウムの含有量を図4の曲線1の上方に維持させなければならず、(すなわち、[Mg]3/[Al]2>5.1×10-11)、さらに熱力学に基づいて計算することにより、マグネシウムアルミニウム添加後の連続反応を図5のBゾーンに位置させることにより(図5に示される曲線1はアルミニウム−酸素の平衡を示し、曲線2はマグネシウム−酸素の平衡を示す)、図6に示されるマグネシウムアルミニウムスピネルの生成条件(すなわちAl23/MgOの比率が20〜29%を指す)に満足することができるため、マグネシウム、酸素およびマグネシウム、[Al23]は同時に反応が生じ、微結晶化の酸化マグネシウムとマグネシウムアルミニウムスピネルが生成され、かつこの析出される溶鋼の中の介在物(化学式二で生成される硫化マグネシウムを含む)を、上記より清浄な溶鋼液の中の鋼結晶の核心とすることができるため、上記高融点、超微細化の介在物は固体で溶鋼の中に均一に分布され、かつ集まり難く、大きくなり難く、後続の連続鋳造と圧延の過程においては溶鋼の結晶核とすることができるため、結晶内のアシキュラーフェライトの核形成の核心を促進し、さらに鋼の凝固、結晶を促進し、鋼結晶粒の組織を微細化して鋼の強度と強靭性を高めるとの目的に達することができる。
例を挙げると、本実施例においては特別に1873Kにおける作用の温度で、0.01〜0.6キログラムのマグネシウムを1トンのより清浄な溶鋼液の中に添加し、特に選択的により清浄な溶鋼液の中にマグネシウム鉄合金線を投入し、かつ上記マグネシウム−鉄合金線のマグネシウムの含有量は好ましくは5〜80%であり、マグネシウムは溶解していない酸素、硫黄と反応し、さらに酸化マグネシウムと硫化マグネシウムを生成し、かつ熱力学的平衡原則によって互いに条件づけるように制限される。と同時に、上記生成される酸化マグネシウムはさらに進んで[Al23]と反応してマグネシウムアルミニウムスピネルを生成し、さらに熱力学的平衡原理(図4に示す如く)に基づいて、微結晶化のマグネシウムアルミニウムスピネルの生成を制限することにより、溶鋼の中の酸素の総含有量を10〜60ppmになるまで低く下げると同時に、溶鋼の中の硫黄の含有量を5〜100ppmになるまで低く下げる。
このように、熱力学的平衡原理に基づいて上記生成される酸化マグネシウム、硫化マグネシウムとマグネシウムアルミニウムスピネルなどの非金属酸化物質を、均一かつ集まることなく分散するように分布させ、さらに上記非金属酸化物質の結晶粒の大多数は3ミリメートル以下になるように形成されることにより、介在物を析出して上記溶鋼の凝固の結晶核とすることができ、さらに結晶内のアシキュラーフェライトの核形成の核心を促進し、鋼結晶粒を微細化することができる。また、結晶内のフェライトの間の大きな角度の結晶粒界によって溶鋼の中の微小亀裂の紋様が結晶内のフェライトを跨り易くなった時、この偏向によって鋼結晶粒の微細化を促進することにより、鋼の強度と強靭性を高めることができるため、降伏強度が1000MPaを超える鋼の開発に用いることができる。
本発明のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法によれば、アルミニウムの添加を基礎の脱酸剤とし、かつ初歩的に前処理の段階S1において酸素を溶解した後、再び改質の段階S2においてマグネシウムを添加することにより、より清浄な溶鋼液の中に残留する酸素、硫黄との作用を増やし、かつ熱力学的原理に基づいて適当な条件で酸化マグネシウムと硫化マグネシウムなどの非金属酸化物を生成し、溶鋼の中の酸素、硫黄の含有量を低く下げるだけではなく、脱酸と脱硫の効果に達することができる。さらに、溶解された酸化マグネシウムは(Al23)と互いに条件づけることにより、共晶型態のマグネシウムアルミニウムスピネルを生成し、均一に溶鋼に分布されるとともに、かつ集まることなく大きくなることなく、マグネシウムアルミニウムスピネル、硫化マグネシウムと酸化マグネシウムは、後続における連続鋳造と圧延の過程において上記溶鋼の中から析出される介在物を鋼の不均一の核形成の核心として、結晶内のフェライトの生成を促進して鋼の結晶の形態を変えることにより、鋼結晶粒の組織を有効的に分割して微細化することができるため、鋼の性能を改善して鋼の強度と強靭性を高めるとの目的に達することができる。
本発明のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法によれば、直接二次精錬後の溶鋼の中の介在物を改質することにより、溶鋼の清浄度を高めると同時に、上記溶鋼の熱力学的条件を利用して上記介在物の成分、サイズ、形態、分布を変えることにより、溶鋼中の微細な結晶核の数を増やし、鋼結晶粒の微細化を促進し、さらに鋼の強度と強靭性を高めることができる。
本発明のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法によれば、マグネシウムアルミニウムで介在物を改質し、さらに鋼結晶粒を微細化することにより、作業の過程においてコストを低く抑えるとともに、鋼の性能を改善することができる。
本発明は、その精神及び必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施例は例示的なものであり、限定的なものではない。
S1 前処理の段階
S2 改質の段階
S91 アーク炉の段階
S91’ 酸素転炉の段階
S92 二次精錬の段階
S93 合金化の段階
S94 熱機械的処理の段階

Claims (4)

  1. 二次精錬を経て産出される溶鋼を処理するのに用いられるマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法において、前処理の段階(S1)および改質の段階(S2)を有し、前処理の段階(S1)は上記溶鋼の中にアルミニウムを添加することにより、上記アルミニウムを上記溶鋼の中の酸素、硫黄と、上記溶鋼の酸素の総含有量が15〜120ppmになるまで、硫黄の含有量が15〜150ppmになるまで反応させ、かつ酸化アルミニウム(Al23)を生成してより清浄な溶鋼液を獲得し、改質の段階(S2)は上記より清浄な溶鋼液の中に他に溶鋼液1トン当り0.01〜0.6キログラムのマグネシウムを添加することにより、上記マグネシウムを上記より清浄な溶鋼液の中に残りの酸素、硫黄および酸化アルミニウム(Al23)と、上記溶鋼液の酸素の総含有量が10〜60ppmになるまで、硫黄の含有量が5〜100ppmになるまで反応させ、かつ介在物の酸化マグネシウム、硫化マグネシウムおよびマグネシウムアルミニウムスピネルを生成し、析出される介在物を上記溶鋼液の凝固過程の結晶核として細粒鋼を生成することを特徴とするマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法。
  2. 改質の段階(S2)において、上記より清浄な溶鋼液の中にマグネシウム−鉄合金線を投入し、かつ上記マグネシウム−鉄合金線のマグネシウムの含有量は5〜80%であることを特徴とする請求項に記載のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法。
  3. 前処理の段階(S1)および改質の段階(S2)の製造工程の温度は1843K〜1903Kであることを特徴とする請求項に記載のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法。
  4. 上記二次精錬を経て産出される溶鋼は中炭素鋼または低炭素鋼であることを特徴とする請求項に記載のマグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法。
JP2012187196A 2011-12-20 2012-08-28 マグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法 Expired - Fee Related JP5526437B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW100147429A TWI464271B (zh) 2011-12-20 2011-12-20 以鎂鋁改質介在物細化鋼晶粒之冶煉方法
TW100147429 2011-12-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013129906A JP2013129906A (ja) 2013-07-04
JP5526437B2 true JP5526437B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=48608777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012187196A Expired - Fee Related JP5526437B2 (ja) 2011-12-20 2012-08-28 マグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20130152740A1 (ja)
JP (1) JP5526437B2 (ja)
CN (1) CN103215409B (ja)
TW (1) TWI464271B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108531760B (zh) * 2018-04-17 2020-06-16 青岛科技大学 一种镁铝尖晶石的新用途

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2978038B2 (ja) * 1993-08-16 1999-11-15 新日本製鐵株式会社 酸化物系介在物超微細分散鋼
JP4287974B2 (ja) * 2000-03-27 2009-07-01 新日本製鐵株式会社 微細凝固組織特性を有する溶鋼の処理方法
EP2308617B1 (en) * 1999-04-08 2018-02-21 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Method for processing molten steel
JP4283434B2 (ja) * 2000-01-31 2009-06-24 新日本製鐵株式会社 凝固組織特性に優れた溶鋼の処理方法
JP4265066B2 (ja) * 2000-02-02 2009-05-20 三菱電機株式会社 複数電力系統の融通制御手段
JP2001303191A (ja) * 2000-04-19 2001-10-31 Nippon Steel Corp 溶接部haz靱性に優れた超高強度ラインパイプ鋼管とその製造方法
JP2003027180A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Nippon Steel Corp 凝固組織及びパーライト変態組織の微細な高炭素鋼鋳片
JP3746045B2 (ja) * 2002-03-27 2006-02-15 新日鐵住金ステンレス株式会社 フェライト系ステンレス鋼の鋳片及び鋼板ならびにそれらの製造方法
JP4430284B2 (ja) * 2002-07-23 2010-03-10 新日本製鐵株式会社 アルミナクラスターの少ない鋼材
JP4022190B2 (ja) * 2003-09-12 2007-12-12 新日本製鐵株式会社 溶鋼への希土類元素の添加方法
JP2008266706A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Nisshin Steel Co Ltd フェライト系ステンレス鋼連続鋳造スラブの製造法
CN101392308B (zh) * 2007-09-22 2011-03-09 鞍钢股份有限公司 一种细化凝固组织的钢水脱氧方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20130152740A1 (en) 2013-06-20
TWI464271B (zh) 2014-12-11
TW201326409A (zh) 2013-07-01
JP2013129906A (ja) 2013-07-04
CN103215409A (zh) 2013-07-24
CN103215409B (zh) 2015-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5529341B2 (ja) 超低炭素,極低Tiのアルミニウムシリコンキルド鋼の制御方法
US8486175B2 (en) Grain refiners for steel-manufacturing methods and use
Wang et al. Non-metallic inclusions in different ferroalloys and their effect on the steel quality: A review
CN105624438B (zh) 一种使用贫锰渣精炼低碳锰铁合金的方法
CN110565012B (zh) 一种超高铬铁素体不锈钢连铸制造方法
CN102248142A (zh) 一种中低碳铝镇静钢的生产方法
CN103320718B (zh) 316ln核电用奥氏体不锈钢的生产方法
JP5461146B2 (ja) シリコクロムの脱炭素方法
CN102965469B (zh) 利用钢中二次氧化物夹杂的冶炼控制方法
CN102776443B (zh) 一种420MPa级别低合金高强度特厚钢板及其制造方法
JP2007332432A (ja) 溶鋼の精錬方法
JP5526437B2 (ja) マグネシウムアルミニウムで改質される介在物による鋼結晶粒微細化の冶金方法
CN102477472A (zh) 一种低碳钢的脱硫精炼方法
JP2009113086A (ja) 極低炭素鋼の連続鋳造方法
CN102839292A (zh) 用于铝硅镇静钢脱氧的超低钛超低碳高硅铝铁合金及其制备方法
CN104046923B (zh) 在半钢条件下冶炼的x80管线钢及其生产工艺
WO2011045755A1 (en) Ferrochrome alloy production
US20120325375A1 (en) Steel Sheet Manufactured by Decarburizing Solid Sponge Iron and Method for Manufacturing the Same
JP2009068068A (ja) 屑鉄を主原料とする製鋼方法
CN105170920B (zh) 一种带锯用钢板坯连铸的生产方法
Steenkamp et al. Introduction to the production of clean steel
JP2013141678A (ja) 下注ぎ造塊方法
JP5972135B2 (ja) 下注ぎ造塊方法
US8641800B2 (en) Method of alloying various grades of steel with manganese oxides
JP7020601B1 (ja) 低リン溶鉄の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5526437

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees