JP2001303191A - 溶接部haz靱性に優れた超高強度ラインパイプ鋼管とその製造方法 - Google Patents

溶接部haz靱性に優れた超高強度ラインパイプ鋼管とその製造方法

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JP2001303191A
JP2001303191A JP2000118463A JP2000118463A JP2001303191A JP 2001303191 A JP2001303191 A JP 2001303191A JP 2000118463 A JP2000118463 A JP 2000118463A JP 2000118463 A JP2000118463 A JP 2000118463A JP 2001303191 A JP2001303191 A JP 2001303191A
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Takuya Hara
卓也 原
Ryuji Uemori
龍治 植森
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温靱性のバランスが優れ、かつ現地溶接が
容易な引張強さ900MPa以上(API規格X100
超)の超高強度ラインパイプおよびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 C:0.01〜0.2%、Ti:0.0
03〜0.05%、Mg:0.0001〜0.01%を
含み、粒子径が0.2〜5μm のMg含有酸化物を核に
して、硫化物および窒化物の一方が単独で、もしくは、
両方が複合して析出した複合粒子が、平均粒子間隔30
〜100μm で鋼中に含有し、かつ粒子径が0.005
〜0.2μm 未満のMg含有酸化物を核にして、硫化物
および窒化物の一方が単独で析出した0.01〜2μm
の複合粒子を平均間隔で10μm 以下で鋼中に含有し、
かつ、溶接熱影響部でのベイナイト・マルテンサイト分
率が80%以上である超高強度ラインパイプ鋼管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガス・原油輸
送用ラインパイプとして広く使用できる900MPa以
上の引張強さ(TS)を有する低温靱性の優れた超高強
度ラインパイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、原油・天然ガスの長距離輸送方法
としてパイプラインの重要性がますます高まっている。
現在、長距離輸送用の幹線ラインパイプとしては米国石
油協会(API)規格X65が設計の基本になってお
り、実際の使用量も圧倒的に多い。しかし、高圧化に
よる輸送効率の向上やラインパイプの外径・重量の低
減による現地施工能率の向上のため、より高強度ライン
パイプが要望されている。これまでにX80(引張強さ
620MPa以上)までのラインパイプの実用化がされ
ているが、さらに900MPa以上の引張強さ(TS)
を有し、且つ低温靱性の優れた超高強度のラインパイプ
に対するニーズが強くなってきた。この強度水準の超高
強度ラインパイプでは、従来主流であるX65と較べて
約2倍の圧力に耐えるため、同じサイズで約2倍のガス
を輸送することが可能になる。X65の場合は圧力を高
めるためには肉厚を厚くする必要があり、材料費、輸送
費、現地溶接施工費が高くなってパイプライン敷設費が
大幅に上昇する。これが900MPa以上の引張強さ
(TS)を有する低温靱性の優れた超高強度ラインパイ
プが必要とされる理由である。
【0003】現在、超高強度ラインパイプ製造法の研究
は、従来のX80ラインパイプの製造技術(たとえばN
KK技報N O.138(1992), PP24-31 およびThe 7th O
ffShore Mechanics and Arctic Engineering (1988),
VolumeV,pp179-185)を基本に検討されているが、これ
では高々、X100(引張強さ760MPa以上)ライ
ンパイプの製造が限界と考えられる。X100を越える
超高強度ラインパイプについては、既に鋼板製造の研究
は行われている(PCT/JP96/00155、00
157)。しかし、このような超高強度ラインパイプで
は溶接熱影響部の靱性を確保することは難しく、この課
題が解決できないと鋼板は製造できても鋼管の製造は不
可能である。
【0004】900MPa以上の引張強さ(TS)を有
する高強度になると急激に鋼管の製造が困難になる。こ
の場合、シーム溶接部も含めた目標特性を得るには特に
溶接部の低温靱性を改善し、バースト試験で管体破断さ
せなければならない。特に、溶接熱影響部の1/2t部
の会合部あるいは会合部+1mmでのVノッチシャルピ
ー吸収エネルギー( 例えば−30℃で64J以上) を満
足させることはかなり困難なことである( 現状では50
J未満) 。これは溶接熱影響部の会合部から1mmまで
に旧オーステナイト粒界に沿って粗大なMA(島状マル
テンサイト)が存在し、これが破壊の起点となり、吸収
エネルギー値を著しく低下させている。
【0005】一般に、鋼の溶接熱影響部の低温靱性を向
上させるためにMgを添加することが知られている。M
g添加は、従来から強脱酸剤、脱硫剤として鋼の清浄度
を高めるので溶接熱影響部の低温靱性を向上させると考
えられている。さらに、酸化物の分散を制御してHAZ
靱性を向上させる技術として、特開昭59−19031
3号公報に記載されているように、Ti添加後、Mgを
添加する複合添加技術が明らかになっている。しかしな
がら、その技術の目的は、Mg添加により粒内変態核で
あるTi酸化物の増加を促進することであり、酸化物を
より微細に分散させてピニングにより、結晶粒の細粒化
を達成させるものではない。また、特開平11−264
048号公報には、酸化物あるいはTiN あるいはMn
Sの粒子径および分散状態を規定して溶接部靱性を向上
させた900MPa以上の引張強さ(TS)の高強度鋼
板が開示されているが、高強度鋼管の場合には酸化物、
TiN 、MnSの粒子径および分散状態以外に溶接熱影
響部での組織を規定しないと溶接熱影響部の靱性に優れ
た高強度鋼管を製造することが難しい。
【0006】このように、パイプラインの超高強度化は
強度・低温靱性バランスを始めとして溶接熱影響部(H
AZ)靱性、現地溶接性、継手軟化、バースト試験によ
る管体破断など多くの問題を抱えており、これらを克服
した画期的な超高強度ラインパイプ(X100超)の早
期開発が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温靱性の
バランスが優れ、かつ現地溶接が容易な900MPa以
上(API規格X100超)の引張強度を有する超高強
度ラインパイプおよびその製造方法を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、引張強さ
が900MPa 以上で、かつ低温靱性・現地溶接性の優れた
超高強度鋼管を得るための鋼材とシーム溶接部が満足す
べき条件について鋭意研究を行い、新しい超高強度ライ
ンパイプおよびその製造方法を発明するに至った。本発
明の要旨は以下のとおりである。 (1)粒子径:0.2〜5μmのMg含有酸化物を核に
した平均粒子間隔:30〜100μmの硫化物および窒
化物の単独または複合析出粒子と、粒子径:0.005
〜0.2μm未満のMgOまたはMg含有酸化物を核に
した平均間隔:10μm以下の硫化物および窒化物の単
独または複合析出粒子が混在した状態で鋼中にそれぞれ
微細分散した状態で含有し、かつ溶接熱影響部でのベイ
ナイト・マルテンサイト組織の鋼組織全体に対する比率
が80%以上であることを特徴とする溶接HAZ靱性に
優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強度ラ
インパイプ鋼管。 (2)質量%で、C:0.01〜0.2%、硫化物およ
び窒化物形成元素として、Ti:0.0030〜0.0
5%、Mg:0.0001〜0.01%を基本的に含
み、粒子径:0.2〜5μmのMg含有酸化物を核にし
て、硫化物および窒化物の単独または複合して析出した
複合粒子が、平均粒子間隔:30〜100μmで鋼中に
含有し、かつ粒子径:0.005〜0.2μm未満のM
gOまたはMg含有酸化物を核にして、硫化物および窒
化物の単独または複合して析出した0.01〜2μmの
複合粒子を平均間隔で10μm以下で鋼中にそれぞれ微
細分散した状態で含有し、かつ溶接熱影響部でのベイナ
イト・マルテンサイト組織の鋼組織全体に対する比率が
80%以上であることを特徴とする溶接HAZ靱性に優
れた900MPa以上の引張強度を有する超高強度ライ
ンパイプ鋼管。 (3)質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.
02〜0.5%、Mn:0.3〜3%、P:≦0.03
%、S:0.0001〜0.03%、Al:0.000
5〜0.1%、Ti:0.003〜0.05%、Mg:
0.0001〜0.01%、O:0.0001〜0.0
08%を含み、残部が鉄および不可避的不純物からな
り、粒子径が0.2〜5μm のMg含有酸化物を核にし
て、硫化物および窒化物のいずれか一方の単独粒子、も
しくは、両者が複合して析出した複合粒子が、平均粒子
間隔30〜100μm で鋼中に含有し、かつ粒子径が
0.005〜0.2μm 未満のMgOまたはMg含有酸
化物を核にして、硫化物および窒化物のいずれか一方の
単独粒子、もしくは両者が複合して析出した複合粒子が
0.01〜2μm の平均間隔で10μm 以下で鋼中に含
有し、かつ、溶接熱影響部でのベイナイト・マルテンサ
イト分率が80%以上であることを特徴とする溶接部H
AZ靱性に優れた900MPa以上の引張強度を有する
超高強度ラインパイプ鋼管。 (4)さらに、0.005〜0.1μm のMg硫化物を
核にして、窒化物が析出した0.01〜2μm の複合粒
子を平均間隔で10μm 以下で鋼中に含有することを特
徴とする上記(3)に記載の溶接部HAZ靱性に優れた
900MPa以上の引張強度を有する超高強度ラインパ
イプ鋼管。 (5)さらに、質量%で、Cu :0.05〜1.5%、
Ni:0.05〜5%、Cr :0.02〜1.5%、M
o:0.02〜1.5%、V :0.01〜0.1%、N
b:0.0001〜0.2%、Zr:0.0001〜
0.05%、Ta:0.0001〜0.05%、W :
0.0001〜0.005%、B :0.0003〜0.
05%のうちの1種または2種以上を含有することを特
徴とする上記(3)または(4)に記載の溶接部HAZ
靱性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高
強度ラインパイプ鋼管。 (6)さらに、質量%で、Ca :0.0001〜0.0
05%、REM:0.0001〜0.005%、Y :
0.0001〜0.005%、Hf:0.0001〜
0.005、Re:0.0001〜0.005%のうち
の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記
(3)から(5)の何れかの項に記載の溶接部HAZ靱
性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強
度ラインパイプ鋼管。 (7)溶接熱影響部の旧オーステナイト粒径が、溶接入
熱によらず10〜200μm であることを特徴とする上
記(1)〜(6)の何れかの項に記載の溶接部HAZ靱
性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強
度ラインパイプ鋼管。 (8)製鋼段階において、Si、Mnを添加して弱脱酸
処理を行った後、最終含有量で0.003〜0.05質
量%のTiと、0.005質量%以下のAl、Mg、C
a のうちの何れかを順次あるいは同時に添加して溶存酸
素を50ppm以下とし、さらに最終含有量で0.01
質量%以下のMgを添加し、これを1520〜1650
℃の温度で鋳造後、熱間圧延して鋼板を製造後、U O工
程で管状に成形し、その突き合わせ部を内外面サブマー
ジドアーク溶接し、拡管することを特徴とする上記
(1)から(7)の何れかの項に記載の溶接部HAZ靱
性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強
度ラインパイプ鋼管の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容について詳細
に説明する。本発明者らは、Tiを添加し弱脱酸した溶
鋼中にMgを添加した場合の酸化物の状態を系統的に調
べた。その結果、Si, Mnによる脱酸後に、Ti添
加、Mg添加の順に添加した場合に、あるいはTi添加
とMg添加を同時に行い、さらに、平衡状態になった状
態で再度Mgを添加することで、酸化物の粒子径に2 種
類のものが生成されることを見いだした。すなわち、1
つは粒子径が0.2〜5μm のMg含有酸化物であり、
他は0.005〜0.2μm の超微細なMgOないしは
Mg含有酸化物である。このような酸化物の生成原因は
以下のような理由に基づくものと推定される。
【0010】まず、Ti添加あるいはTiと少量のMg
同時添加により、一旦Tiを主体とするミクロンサイズ
の酸化物が生成され、この状態では脱酸力の強いMgが
さらに添加されると既に生成されている酸化物はMgに
より還元されるため、最終的にミクロンサイズのMgを
主体とするMg含有酸化物が生成されるものと思われ
る。また、この際に溶存酸素が少なくなっているにもか
かわらずMgがTiよりも脱酸力が強いために新たなM
g単独のサブミクロンサイズの微細な酸化物も同時に生
成される。その結果、従来の添加法では達成できなかっ
た粒子数の増加とサイズの微細化が生じることとなる。
一般にミクロンサイズの酸化物に対しては5 μm 以上の
ものが多くなるほど破壊の起点になりやすく、Mg添加
を図った場合には、特開平9−157787号公報に開
示されているように、Mg量が30〜50ppm程度が限界
とされている。しかしながら、本発明においてはこのよ
うな問題は回避され100 ppmまではMgの添加が可能
になる。
【0011】一方、Ti脱酸やTi+少量Mg脱酸では
弱脱酸元素あるいは少量の強脱酸元素故に溶存酸素がま
だ残っているため、その時点で再度Mgが添加された場
合には前述のミクロン〜サブミクロンの酸化物だけでな
く、そのような溶存酸素とMgの酸化反応が穏やかに生
じるために超微細な酸化物の生成がさらに起こるものと
思われる。超微細な酸化物が生成される理由は溶存酸素
量が少なくなっていることに加えて、溶存酸素の溶鋼中
での分布が均一化されることから、酸化物のクラスター
化が抑制されたものと推定される。
【0012】以上のように鋼中に生成された酸化物は鋳
造時あるいはその後の冷却過程や再加熱−熱間工程中に
硫化物および窒化物の核生成サイトになる。電子顕微鏡
を用いて1万倍〜10万倍でその様子を調査した結果、
鋼中酸化物の存在状態は以下のように整理できる。な
お、酸化物の存在状態については特定倍率(例えば超微
細な酸化物の場合には10万倍程度)で10視野以上を
観察し、平均粒子間隔等を測定する事が望ましい。
【0013】1)粒子径が0.2〜5.0μmのMg含
有酸化物が存在し、この酸化物を核にしてその周辺に硫
化物あるいは窒化物が析出している。酸化物−硫化物お
よび/または窒化物の複合粒子は平均粒子間隔で50〜
100μmで鋼中に含有されている。 2)粒子径が0.005〜0.2 μmの超微細なMgO
ないしはMg含有酸化物も存在する。この酸化物を核に
して、酸化物を包含するようにもしくは周辺に析出した
硫化物および/または窒化物より構成される複合粒子は
平均粒子間隔で30μm以下で鋼中に含有されている。
【0014】3)粒子径が0.005〜0.2 μmの超
微細なMgSないしはMg含有硫化物も存在する。この
硫化物を核にして、もしくは周辺に析出した窒化物より
構成される複合粒子は平均粒子間隔で30μm以下で鋼
中に含有されている。本発明は、上記の酸化物の存在状
態によって達成されるHAZ部靱性の優れた鋼材に関す
るものであり、従来は入熱量に大きく依存していたHA
Z部の靱性変化を極力抑えた画期的な発明である。以下
にHAZ靭性向上についてさらに言及する。
【0015】これまで知られているように、粒内変態は
酸化物の個数が多いほど酸化物のサイズが0.3 〜5 μm
の範囲のもので、かつ硫化物と窒化物の酸化物上への析
出がある場合の方が促進される。上記1)で説明したよ
うに個数については従来に比較して10倍以上増加して
いること、また複合析出についても確認した限りにおい
て100%硫化物あるいは窒化物が複合的に析出してい
ることから、本発明のMg含有酸化物は極めて粒内変態
能が大きくなる。
【0016】次いで、本発明で最も重要な加熱γ粒径の
微細化について説明する。Al脱酸、Ti含有Al脱
酸、Mg脱酸をそれぞれ行った0.05%C−2.0%
Mn鋼をベース成分とし、入熱条件を2.0kJ/m
m、3.5kJ/mmに変えたときの旧γ粒径を測定し
たものである。旧γ粒径の測定は実継手の場合には、H
AZ部を切断加工等により抽出した後、研磨処理を行
い、さらにナイタール腐食して得られるミクロ組織を5
0倍〜200倍で光学顕微鏡により写真撮影(5枚以
上)し、切断法によって旧γ粒径を測定した。その結
果、Mg脱酸鋼以外では旧γ粒径が顕著に大きくなるこ
とが判明した。
【0017】旧γ粒が微細化した鋼板を電子顕微鏡で観
察した結果、0.1μm 以下の面心立方構造のMgOや
Mgを主構成元素とするスピネル型構造のMIIMIII 2
O4(II:Mg,Ca,Fe,Mn等、III :Al,T
i,Cr,Mn,V等)粒子が多数認められ、Mg含有
酸化物−硫化物および/または窒化物[TiN等]の複
合粒子が多数存在することがわかった。電子顕微鏡観察
において、Mg含有酸化物−硫化物あるいは窒化物粒子
間の結晶学的な方位関係を調べると、いずれも完全平行
の方位関係を持っていることも明らかになった。このこ
とは、Mgの超微細酸化物が硫化物や窒化物の優先析出
サイトとして作用していることを示しており、この析出
サイトが多数存在するために、結晶粒のピニングに有効
な窒化物を増加させているものと考えられる。つまり、
入熱が小さい場合にはこれらの複合粒子がピニング粒子
として作用しているものと考えられ、さらに、超大入熱
溶接時のような高温での滞留時間が長い場合、窒化物粒
子の溶解が生じるが、本発明では、多数のMgOないし
はMg含有酸化物が存在しており、例え窒化物粒子が溶
解したとしても、依然として微細な酸化物粒子が存在す
るために、これらが高温でのピニング粒子として作用
し、従来鋼では決して得ることが出来なかったHAZ部
における旧γの粒成長抑制が達成されたものと思われ
る。
【0018】すなわち、本発明の特徴は、顕著な粒内変
態の向上に加え、TiNなど窒化物を利用して結晶粒の
ピニングを図った従来鋼に比べ、MgO等の酸化物を鋼
中に微細に導入することで、窒化物の析出核を創出し、
これにより窒化物の個数の増加を実現するために、窒化
物が有効な小入熱溶接ではこれらの複合粒子の存在によ
りHAZ部において10μm〜200μm以下の旧γ粒
が得られる点にある。さらに、窒化物が溶解してしまい
従来全く靱性の改善効果が見られなかった大入熱〜超大
入熱溶接でも、酸化物単独の粒成長抑制効果により、ほ
とんどHAZ部の旧γ粒径には変化が生じない。
【0019】本発明におけるMgの添加方法であるが、
上述したように、最初に、Si、Mnを添加後、まず、
Tiを添加し溶鋼中の酸素量を調整した後、少量のMg
を徐々に添加するか、あるいは、Tiと少量のMgを同
時に添加した後に、最終段階で再度Mgを添加する。最
適なMgの添加量は、Ti添加後、溶鋼中に存在する酸
素量などに依存するが、実験では、その時の酸素濃度は
Ti添加量とMg添加までの時間に依存し、TiとMg
添加量を適正な範囲で制御すれば良い。なお、最終的な
Mg添加時の溶存酸素量は0.1〜50ppm程度が適
量である。最小の0.1ppmは微細なMg酸化物がで
きる最小の量であり、50ppmを超えると粗大なMg
酸化物ができるようになり、ピニング力が弱くなること
からこれを限度とした。
【0020】また、Mgを添加する際に用いるMgの素
材は、Fe箔に金属Mgを包む方法、Mg合金による方
法などを試みた結果、前者は、溶鋼投入の際の酸化反応
が激しく、歩留まりが低下する。従って、通常の大気圧
下で溶製する場合には比重の比較的重いMg合金の添加
が好ましい。以下、本発明の成分の限定理由について述
べる。
【0021】C:Cは鋼における母材強度を向上させる
基本的な元素として欠かせない元素であり、その有効な
下限として0.01%以上の添加が必要であるが、0.
20%を越える過剰の添加では、鋼材の溶接性や靱性の
低下を招くので、その上限を0.20%とした。 Si:Siは製鋼上脱酸元素として必要な元素であり、
鋼中に0.02%以上の添加が必要であるが、0.5%
を越えるとHAZ靱性を低下させるのでそれを上限とす
る。
【0022】Mn:Mnは、母材の強度および靱性の確
保に必要な元素であるが、3.0%を越えるとHAZ靱
性を著しく阻害するが、逆に0.3%未満では、母材の
強度確保が困難になるために、その範囲を0.3〜3.
0%とする。 P:Pは鋼の靱性に影響を与える元素であり、0.03
%を越えて含有すると鋼材の母材だけでなくHAZの靱
性を著しく阻害するのでその含有される上限を0.03
%とした。
【0023】S:Sは0.030%を越えて過剰に添加
されると粗大な硫化物の生成の原因となり、靱性を阻害
するが、その含有量が0.0001%未満になると、粒
内フェライトの生成に有効なMnS等の硫化物生成量が
著しく低下するために、0.0001〜0.030%を
その範囲とする。 Al:Alは通常脱酸材として添加されるが、本発明に
おいては、0.05%越えて添加されるとMgの添加の
効果を阻害するために、これを上限とする。また、安定
にMIIMIII 2O4を生成するためには0.0005%
は必要であり、これを下限とした。
【0024】Ti:Tiは、脱酸材として、さらには窒
化物形成元素としてし結晶粒の細粒化に効果を発揮する
元素であるが、多量の添加は炭化物の形成による靱性の
著しい低下をもたらすために、その上限を0.050%
にする必要があるが、所定の効果を得るためには0.0
03%以上の添加が必要であり、その範囲を0.003
〜0.050%とする。
【0025】Mg:Mgは本発明の主たる合金元素であ
り、主に脱酸材として添加されるが、0.010%を越
えて添加されると、粗大な酸化物が生成し易くなり、母
材およびHAZ靱性の低下をもたらす。しかしながら、
0.0001%未満の添加では、粒内変態およびピニン
グ粒子として必要な酸化物の生成が十分に期待できなく
なるため、その添加範囲を0.0001〜0.010%
と限定する。
【0026】O:OはMg含有酸化物を生成させるため
の必須元素である。鋼中に最終的に残存する酸素量とし
ては、0.0001%未満では酸化物の個数が十分とは
ならないために、0.0001%を下限値とする。一
方、0.0080%を超えて残存した場合は、粗大な酸
化物が多くなり、母材およびHAZ靭性の低下をもたら
す。従って、上限値を0.0080%とした。
【0027】なお、本発明においては、強度および靱性
を改善する元素として、Cu、Ni、Cr、MO、V、
Nb、Zr、Ta、Bの中で、1種または2種以上の元
素を添加することができる。 Cu:Cuは、靱性を低下させずに強度の上昇に有効な
元素であるが、0.05%未満では効果がなく、1.5
%を越えると鋼片加熱時や溶接時に割れを生じやすくす
る。従って、その含有量を0.05〜1.5%以下とす
る。
【0028】Ni:Niは、靱性および強度の改善に有
効な元素であり、その効果を得るためには0.05%以
上の添加が必要であるが、5.0%以上の添加では溶接
性が低下するために、その上限を5.0%とする。 Cr:Crは析出強化による鋼の強度を向上させるため
に、0.02%以上の添加が有効であるが、多量に添加
すると、焼入れ性を上昇させ、ベイナイト組織を生じさ
せ、靱性を低下させる。従って、その上限を1.5%と
する。
【0029】Mo:Moは、焼入れ性を向上させると同
時に、炭窒化物を形成し強度を改善する元素であり、そ
の効果を得るためには、0.02%以上の添加が必要に
なるが、1.50%を越えた多量の添加は必要以上の強
化とともに、靱性の著しい低下をもたらすために、その
範囲を0.02〜1.50%以下とする。 V:Vは、炭化物、窒化物を形成し強度の向上に効果が
ある元素であるが、0.01%以下の添加ではその効果
がなく、0.10%を越える添加では、逆に靱性の低下
を招くために、その範囲を0.01〜0.10%以下と
する。
【0030】Nb:Nbは、炭化物、窒化物を形成し強
度の向上に効果がある元素であるが、0.0001%以
下の添加ではその効果がなく、0.20%を越える添加
では、靱性の低下を招くために、その範囲を0.000
1〜0.20%以下とする。Zr、Ta:ZrとTaも
Nbと同様に炭化物、窒化物を形成し強度の向上に効果
がある元素であるが、0.0001%以下の添加ではそ
の効果がなく、0.050%を越える添加では、逆に靱
性の低下を招くために、その範囲を0.0001〜0.
050%以下とする。
【0031】B:Bは一般に、固溶すると焼入れ性を増
加させるが、またBNとして固溶Nを低下させ、溶接熱
影響部の靱性を向上させる元素である。従って、0.0
003%以上の添加でその効果を利用できるが、過剰の
添加は、靱性の低下を招くために、その上限を0.05
0%とする。Ca,REM、Y 、Hf、W 、Re:Ca
およびREM、Y 、Hf、W,Reは硫化物を生成する
ことにより伸長MnSの生成を抑制し、鋼材の板厚方向
の特性、特に耐ラメラティアー性を改善する。Ca、R
EM、Y 、Hf、W,Reはともに0.0005%未満
では、この効果が得られないので下限値を0.0005
%にした。逆に、0.0050%を越えると、Ca及び
REM、Y 、Hf、W,Reの酸化物個数が増加し、超
微細なMg含有酸化物の個数が低下するため、その上限
を0.0050%とする。
【0032】上記の成分を含有する鋼は、製鋼工程で溶
製後、連続鋳造などをへてスラブ加熱、圧延を施され厚
板とされる。この場合、圧延方法と加熱冷却方法および
熱処理方法においては、当該分野のおいて従来から適用
されている方法を用いてもHAZ靱性に関しては、何ら
差し支えがない。特に、母材の粒径が小さければ小さい
程、HAZ部との粒径差が大きくなることから、本発明
によるHAZ旧γ粒径の微細化はHAZ靭性だけでなく
硬度マッチングなどを考慮する必要がある場合にはます
ます効力を発揮する。しかしながら、発明者らの実験に
よれば、HAZの粒径が10〜200μm の範囲に存在
したとしても、組織が上部ベイナイトであってはHAZ
靱性が劣化することが判明している。HAZ靱性を良好
にするには、HAZ組織を擬似上部ベイナイト、粒内ベ
イナイトおよび下部ベイナイト、マルテンサイトの分率
を80%以上にしなければならない。ここで、上部ベイ
ナイトはラスの界面に炭化物が析出するのに対して、擬
似上部ベイナイトはラスの界面に炭化物が生成しないも
のをいう。粒内ベイナイトは介在物を核にして生成した
ベイナイトのことをいう。下部ベイナイトはラスの中に
炭化物が析出する。マルテンサイトはラス界面、ラス内
に炭化物が生成していないものである。従って、ここで
言うベイナイトとは擬似上部ベイナイト、粒内ベイナイ
トおよび下部ベイナイトのことを言う。
【0033】また、鋼管の製造方法としては引張り強度
が900MPa以上を有する鋼板をU 形次いでO形に成
形するU O工程で製管し、突き合わせ部を仮付け溶接し
た後に、内外面からサブマージドアーク溶接を行い、そ
の後拡管を行って鋼管とするものである。溶接条件につ
いては両面を1 パス溶接で十分な溶け込みを確保するた
めには入熱の増加と共に溶接速度をある速度以上にする
必要があり、1〜3 m/分程度が適切な範囲である。1
m/分未満の溶接はラインパイプのシーム溶接としては
非効率であり、3m/分を越える拘束溶接ではビード形
状が安定しない。入熱は0.5〜10kJ/mmが望ま
しい範囲である。入熱が小さすぎると溶け込みが不十分
であり、大きすぎると溶接熱影響部の組織が上部ベイナ
イト組織になるために靱性も低下する。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。表1
の化学成分を有する240mm の厚みを有するスラブまたは
鋼塊を1100℃に加熱した後に80mmまで950 ℃以上の温度
で熱間圧延を行う。さらに16mm厚まで880℃から800 ℃
の温度範囲で熱間圧延を行い、750 ℃で水冷を開始し、
400 ℃の温度で水冷を停止させた。その後、溶接入熱が
2.0 kJ/mmの小入熱および3.5kJ/mmの中入熱
溶接を付与し、旧γ粒径を測定するとともに、HAZ靭
性(試験片採取位置はFL+1mm)を評価した。鋼1〜22
は本発明の例を示す。表2から明らかなように、これら
の鋼板はいずれの入熱ともすべて70μm以下の旧γ粒径
を示しており、すべて-30 ℃シャルピー吸収エネルギー
は84J を超える高い靭性値を示している。それに対し、
鋼23〜35は本発明方法から逸脱した比較例を示す。
すなわち、鋼23、24、25、26、27、29、3
0、33、34、35は基本成分あるいは選択元素の内
いずれかの元素が、発明の用件を越えて添加されている
例であり、本発明の重要な部分である酸化物個数の要件
は満たしているものの靱性劣化要因となる元素が過剰に
添加された事により小入熱および超大入熱HAZ靱性の
劣化が助長されたものである。鋼28、31ではAlと
Tiが下限値より小さい場合に相当し、旧γ粒径は粗大
化しており、両入熱とも靱性値は低い。また、鋼32は
Mgが無添加であり、吸収エネルギ―は低い。以上の比
較例ではいずれもHAZ靱性は低いレベルにあることが
分かる。なお、比較鋼の33と34に示すように、微細
な酸化物が多く存在していることから粒径が小さいにも
関わらず靱性劣化が大きくなっているのは過剰のMgあ
るいはOが添加された事に起因しており、5μm以上の
粗大な粒子が増大したためである。鋼36は溶接熱影響部
のベイナイト・マルテンサイト分率が80%に満たない
ために、HAZ靱性が劣化している。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明の化学成分および製造方法に限定
し、Ti添加後にMgを適切に添加、あるいはTiとM
gの同時添加後にMgを適切に添加することで、溶接入
熱に関わらずHAZの旧γ粒の粒成長を抑制することが
でき、この効果によりHAZ靱性を広い入熱範囲で向上
させることが可能である。その結果、ラインパイプに対
する安全性が大幅に向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/58 C22C 38/58

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径:0.2〜5μmのMg含有酸化
    物を核にした平均粒子間隔:30〜100μmの硫化物
    および窒化物の単独または複合析出粒子と、粒子径:
    0.005〜0.2μm未満のMgOまたはMg含有酸
    化物を核にした平均間隔:10μm以下の硫化物および
    窒化物の単独または複合析出粒子が混在した状態で鋼中
    にそれぞれ微細分散した状態で含有し、かつ溶接熱影響
    部でのベイナイト・マルテンサイト組織の鋼組織全体に
    対する比率が80%以上であることを特徴とする溶接H
    AZ靱性に優れた900MPa以上の引張強度を有する
    超高強度ラインパイプ鋼管。
  2. 【請求項2】 質量%で、C:0.01〜0.2%、硫
    化物および窒化物形成元素として、Ti:0.0030
    〜0.05%、Mg:0.0001〜0.01%を基本
    的に含み、粒子径:0.2〜5μmのMg含有酸化物を
    核にして、硫化物および窒化物の単独または複合して析
    出した複合粒子が、平均粒子間隔:30〜100μmで
    鋼中に含有し、かつ粒子径:0.005〜0.2μm未
    満のMgOまたはMg含有酸化物を核にして、硫化物お
    よび窒化物の単独または複合して析出した0.01〜2
    μmの複合粒子を平均間隔で10μm以下で鋼中にそれ
    ぞれ微細分散した状態で含有し、かつ溶接熱影響部での
    ベイナイト・マルテンサイト組織の鋼組織全体に対する
    比率が80%以上であることを特徴とする溶接HAZ靱
    性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強
    度ラインパイプ鋼管。
  3. 【請求項3】 質量%で、C:0.01〜0.2%、S
    i:0.02〜0.5%、Mn:0.3〜3%、P:≦
    0.03%、S:0.0001〜0.03%、Al:
    0.0005〜0.1%、Ti:0.003〜0.05
    %、Mg:0.0001〜0.01%、O:0.000
    1〜0.008%を含み、残部鉄および不可避的不純物
    からなり、粒子径が0.2〜5μm のMg含有酸化物を
    核にして、硫化物および窒化物のいずれか一方の単独粒
    子、もしくは、両者が複合して析出した複合粒子が、平
    均粒子間隔30〜100μm で鋼中に含有し、かつ粒子
    径が0.005〜0.2μm 未満のMgOまたはMg含
    有酸化物を核にして、硫化物および窒化物のいずれか一
    方の単独粒子、もしくは両者が複合して析出した複合粒
    子が0.01〜2μm で平均間隔で10μm 以下で鋼中
    に含有し、かつ、溶接熱影響部でのベイナイト・マルテ
    ンサイト分率が80%以上であることを特徴とする溶接
    部HAZ靱性に優れた超高強度ラインパイプ鋼管。
  4. 【請求項4】 さらに、0.005〜0.1μm のMg
    硫化物を核にして、窒化物が析出した0.01〜2μm
    の複合粒子を平均間隔で10μm 以下で鋼中に含有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の溶接部HAZ靱性に
    優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強度ラ
    インパイプ鋼管。
  5. 【請求項5】 さらに、質量%で、Cu :0.05〜
    1.5%、Ni:0.05〜5%、Cr :0.02〜
    1.5%、Mo:0.02〜1.5%、V :0.01〜
    0.1%、Nb:0.0001〜0.2%、Zr:0.
    0001〜0.05%、Ta:0.0001〜0.05
    %、W :0.0001〜0.005%、B:0.000
    3〜0.05%のうちの1種または2種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項3または4記載の溶接部HAZ
    靱性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高
    強度ラインパイプ鋼管。
  6. 【請求項6】 さらに、質量%で、Ca :0.0001
    〜0.005%、REM:0.0001〜0.005
    %、Y :0.0001〜0.005%、Hf:0.00
    01〜0.005、Re:0.0001〜0.005%
    のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とす
    る請求項1〜3の何れかの項に記載の溶接部HAZ靱性
    に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強度
    ラインパイプ鋼管。
  7. 【請求項7】 溶接熱影響部の旧オーステナイト粒径
    が、溶接入熱によらず10〜200μm であることを特
    徴とする請求項1〜6の何れかの項に記載の溶接部HA
    Z靱性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超
    高強度ラインパイプ鋼管。
  8. 【請求項8】 製鋼段階において、Si、Mnを添加し
    て弱脱酸処理を行った後、最終含有量で0.003〜
    0.05質量%のTiと、0.005質量%以下のA
    l、Mg、Ca のうちの何れかを順次あるいは同時に添
    加して溶存酸素を50ppm以下とし、さらに最終含有
    量で0.01質量%以下のMgを添加し、これを152
    0〜1650℃の温度で鋳造後、熱間圧延して鋼板を製
    造後、U O工程で管状に成形し、その突き合わせ部を内
    外面サブマージドアーク溶接し、拡管することを特徴と
    する請求項1〜7の何れかの項に記載の溶接部HAZ靱
    性に優れた900MPa以上の引張強度を有する超高強
    度ラインパイプ鋼管の製造方法。
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