JP5526154B2 - 脱酸用ポリベンゾイミダゾール系膜 - Google Patents

脱酸用ポリベンゾイミダゾール系膜 Download PDF

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Description

本発明は、ポリベンゾイミダゾール系膜に関する。本発明は、前記膜の製造プロセス及び前記膜を使用する脱酸プロセスにも関する。更に詳細には、本発明は、ポリベンゾイミダゾール(PBI)に基づく高分子膜を通る酸輸送に関する
酸性成分の溶液からの分離のため、電気透析(ED)、パーベーパレーション(PV)、溶媒抽出(SE)、エステル化、真空蒸留等々のような多種多様な方法が文献中に報告されている。
米国特許第5786185号、米国特許第5968362号、米国特許第6419828号、欧州特許第0 265 409号に、水又は好適な有機溶剤の存在下で固体又は液体アニオン交換体を使用する酸の回収方法が開示され、その方法では、酸がイオン交換体と結合し、他の非酸性成分又は不純物を含有する溶液から移動され、かつその結合された酸が好適な溶液又は溶剤により溶出される。
酸の別の精製方法は、選択的又は優先的に酸を除去する溶剤での抽出による。この方法は、米国特許第5089664号、米国特許第6087532号及び米国特許第5959144号に開示される。
米国特許第4885247号は、電荷を備えたカチオン性膜及びアニオン性膜を使用して、種々の酸の塩のようなイオン性化合物を除去する電気透析法を開示する。バイポーラ電気透析法も、これらの溶液から有機酸を回収することに関して報告されている(米国特許第6280985号、米国特許第6319382B1号、米国特許第6294066号)。
米国特許第6534679は号、好適なアルコールによるエステル化、エステルの蒸留、次いでエステルの加水分解により純粋な酸を得る、有機酸の精製プロセスを開示する。
好適な膜を使用するパーベーパレーションも、揮発性有機及び無機酸の除去又は濃縮のために使用される(韓国特許KR9511091B1、ドイツ特許DE4409906C1、米国特許第4892661A)。
米国特許第6489508B1号及び中国特許1335294号は、酸、例えば乳酸等、を含む有機化合物を、短行程の蒸留モードで、高真空を使用する蒸留により除去する方法を開示する。
抽出又はイオン交換により、複合混合物から酸を除去する幾つかの化学的方法は、環境への懸念が増すために、膜プロセス及び蒸留のような物理的プロセスに代替されつつある。
発酵培養液から有機酸を除去する現行のプロセスの欠点は以下のとおりである。
慣用の酸回収プロセスには、幾つかの限界、例えば、酸を回収する多段階プロセスの必要性、高エネルギー要件、大量の不溶性無機塩の発生、(沸点、分配係数等々のような物理特性により課せられる)プロセス限界、分離速度及び選択性がある。
カルシウム塩を使用して、発酵培養液から乳酸及びクエン酸を回収する慣用のプロセスでは、大量の不溶性硫酸カルシウムの発生が主要な問題である。
固体イオン交換体を使用するイオン交換法では、イオン交換樹脂の再生のために化学薬品を使用する必要があり、これは、廃水流を生じさせる。これは、生成物流の望ましくない希釈も引き起こす。更に、供給物は、系に直接搬送できず、浄化及び洗浄を必要とする。トリオクチルアミンのような液体アミンを抽出剤として使用する場合、抽出剤の再生には、アルカリ又は加熱が必要であり、アミンの損失を生じ得る。更に、廃水流中の未回収のアミンは、有毒であり、環境問題となることもある。そのようなアミンの比較的高い原価も、工業レベルでこれらを使用するのに障害となる。
電気透析による脱酸又は酸の濃縮の場合、供給物は、電気透析セルへの装入前に処理する必要がある。膜へのCa++及びMg++イオンの堆積のため、電気透析セルの容量も減じる。その場合の幾つかでは、特に、pH保持のために塩基が使用される、有機酸の発酵生産の間に、細胞培養液を発酵装置へ戻す再循環の可能性は、死亡可能性が増加するにつれ減じる。電機透析についての多数の文献の報告書に、供給物から、水、糖及びタンパク質が膜を横断して輸送されることも充分に記録されている。それ故、輸送された酸は、望ましくない不純物も一部含有する。更に重大には、電気透析に基づく分離には、高い値の電力が必要であり、これが、このプロセスの主たる欠点である。
従来の中和反応の場合、塩形成は、塩が溶液中に残るので、不都合であろう。そのような塩は、精製及び加工問題を生じることがあり、環境汚染をもたらし得る。更に、この方法では、酸の再利用が不可能である。
短期での高真空を使用する蒸留プロセスでは、幾つかの望ましくない揮発性化合物が蒸留され、これは、蒸留液中の望ましくない不純物の一因となり、後で除去するのは難しいであろう。
本発明の目的は、ポリベンゾイミダゾール系膜を提供することであり、その膜では、芳香族ポリエステル成分の浸出により、多孔性の生成が支援される。
本発明の別の目的は、芳香族ポリエステル成分を有するポリベンゾイミダゾール膜を提供することであり、芳香族ポリエステル成分は、膜の使用前に除去される。
本発明のさらに別の目的は、芳香族ポリエステル成分を有するポリベンゾイミダゾール膜を提供することであり、芳香族ポリエステル成分は、膜を脱酸に使用する前に除去される。
本発明のもう1つの目的は、ポリベンゾイミダゾール系膜を使用する脱酸のための単一段階プロセスを提供することである。
本発明の別の目的は、不溶性塩を形成せず、酸の高い選択性及び分離を備える脱酸プロセスを提供することである。
本発明の更に別の目的は、温度及び酸濃度を変化させても安定している脱酸用膜を提供することである。
ポリベンゾイミダゾール及び芳香族ポリエステルから製造された膜が、本明細書中に開示される。PBI及びPArの膜は、脱酸プロセスに使用され、その際、膜は、PArの除去後に使用される。更に、脱酸プロセス用PBI膜も開示される。脱酸プロセスは、好ましいストリッピング剤として水を使用する。
略語:
PBI:ポリベンゾイミダゾール
PAr:芳香族ポリエステル
DNSA:3,5−ジニトロサリチル酸
膜を通る輸送により、ストリッピング側のNaOH濃度が増大することを示す。
ポリベンゾイミダゾール及び芳香族ポリエステル(PAr)から製造された合成膜が、本明細書中に開示される。ポリベンゾイミダゾール及び芳香族ポリエステル(PAr)から製造された合成膜では、前記PAr成分は、続いて、その使用前に除去されることが本明細書中に開示される。
PBI系の緻密な膜は、脱酸に使用される際、実施例3〜5に例示されるように、乳酸の輸送を行うため、ストリッピング剤として塩基を必要とする。プロセスは、塩形成を生じるので、脱酸反応を成就するためにさらなる加工ステップが必要とされる。しかしながら、膜がPBI及びPArを用いて製造される場合、前記PArは、除去され、結果として得られる膜は、多孔性を有する。更に、PBI及びPArを用いて製造され、前記PArが除去される膜について、結果として得られる膜は、脱酸プロセスに好ましい多孔性を有する。PArが後で除去される、PArを有するPBI膜が脱酸プロセスに使用される場合、ストリッピング剤として水を用い、プロセスが実現される。このようにして、限定はしないが、不溶性塩を形成せずに、酸の高い選択性と高い輸送率を備えた脱酸プロセスを提供することを含む本発明の種々の目的が達成される。
PBI及びPArを、溶剤中、好ましくはN,N−ジメチルアセトアミド中、に種々の割合で溶解させる。膜は、溶液流延法により、80℃で製造する。この温度で、溶剤は蒸発し、緻密なフィルム(pre−membrane:前駆膜)を後に残す。前駆膜を塩基溶液に浸ける。PArは、塩基の存在下で加水分解される傾向がある。前駆膜表面上のPArは、塩基の存在下で、最初に加水分解され、加水分解生成物(即ち、PAr形成に使用されるモノマー)は、過剰のNaOHの存在下でNa塩の形に変換される。これらのNa塩は、塩基溶液に溶解し、このようにして浸出される。これは、分子サイズの多孔性をもたらし、OHが、前駆膜のバルク内側を攻撃する空間を提供する。このように、OH種により引き起こされる分解は、分子レベルの多孔性を、膜マトリックスのバルクにわたり、生成する。
開示された膜は、脱酸プロセスで使用され、前記プロセスは、連続、半連続又はバッチ式モードで、酸又は酸混合物を含有する供給液を、ポリベンゾイミダゾール系膜の片側に接触させるステップと、輸送された酸を、膜の透過側から、液体又は抽出剤溶液により除去するステップとを含む。
本発明の膜のポリベンゾイミダゾールは、式I又はII:
であり、
式中、Rは、構造式III(a):
[式中、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24含有アルキルもしくはアリール基]、
構造式III(b):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基]、
構造式III(c):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基]、
構造式III(d):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基]、
構造式III(e):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基、かつXは、次式:−CH−、−O−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−C(Ph)−、 −CHC(Ph)−、−CHC(イソプロピル)−、−CHC(t−ブチル)−、−CHC(n−プロピル)−、−CHC(エチル)−又はその他のC1〜24含有アルキルもしくはアリール基のうちの何れかであってよい]、
構造式III(f):
を有するテトラアミンモノマーに属し、
R’は、構造式IV:
HOOC−(C)−COOH IV
[式中、k=1〜30で、直鎖、分岐鎖、環状、芳香族又はこれらの組み合わせとしての、アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテル又は複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリンもしくはチオフェン基等、を含み;X=O、N、S、ハロゲン又はこれらの組み合わせ、n=0〜10、m=適切な水素数]で示されるジカルボン酸からのものである。
芳香族ポリエステル(PAr)は、構造式V:
[式中、R”は、フェノールフタレイン又は式VI:
(式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基)で示されるその誘導体から誘導され、
R”’は、IVで示されるジカルボン酸からのものである]を有する。
ブレンド中のPBI:PArの組成は、0.99:0.01から0.01:0.99までの範囲で変化する。
ポリベンゾイミダゾールは、本来塩基性であるので、酸に対してのみ選択性がある。有機化合物(例えばグルコース)のような混合物中の他の不純物/溶質又は塩は、本明細書に例示されるように、膜物質中に吸収されず、膜の向こう側へ透過しない。また、PBIは、高い水吸着能を示す(種々のPBIについて7〜21wt%)ので、酸の輸送を促進するが、他方、小さい有機分子のような他の溶質は膜を通りぬけない。PBIは、熱的及び化学的に安定していることが知られている。
本発明の膜は、このように、界面相として作用し、駆動力としての濃度勾配に基づき、酸のみを透過させることができる。輸送された酸は、好適な抽出溶剤又は溶液(ストリッピング剤)により膜表面の反対側から除去される。ストリッピング剤は、塩基溶液、水及び有機溶剤から選択され、好ましくは、実施例8〜16に実証されるように水である。
前記塩基溶液は、水性又はアルコール性のNaOH、KOH、NaCO、NaHCO等から選択される。PBIの緻密膜(好適な溶剤から流延されたフィルム)は、ストリッピング剤が塩基溶液の場合に、著しい酸輸送を示す。水がストリッピング剤として使用される場合、輸送はゼロか、又は非常に低い。
ストリッピング剤として水を用いて輸送を促進/強化するために、前記化学的に活性なポリ(ベンゾイミダゾール)(PBI)膜が、多孔性を正確にコントロールして製造される。前記化学的に活性な膜の分子サイズの多孔性は、
a)ポリベンゾイミダゾール(PBI)及び芳香族ポリエステル(PAr)を適切な割合で含むブレンド膜を製造するステップと、
b)塩基溶液を使用してポリエステルを浸出させるステップと、
c)洗浄するステップと
を含むプロセスにより得られる。
ブレンド膜を浸出させるための塩基は、KOH、NaOH、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アニリン等の有機又は無機塩基の水性又はアルコール性溶液から単独で又はこれらを組み合わせて選択され、溶剤は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン及びメチルエチルケトンから単独で又はこれらを組み合わせて選択される。
膜は、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、石油エーテル、水、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、ペンタノール、イソブタノール、クロロホルム、トルエン、シクロヘキサン、テトラクロロエタン、テトラクロロメタン、ジクロロメタン、アニリン又はアニリン誘導体、イオン液体、超臨界二酸化炭素等の好適な溶剤を、単独で又はこれらを組み合わせて用いて、洗浄する。
膜は、フラットシート、中空繊維、環形状、薄膜複合材料、非対称膜又はその他の適応形状で製造される。
本発明の脱酸プロセスは、以下のステップ:
a)任意選択的に、分離する予定の酸溶液で膜を前処理するステップと、
b)分離する予定の酸を含有する供給液を膜の供給側に循環させるステップと、
c)ストリッピング剤を膜の透過側に循環させるステップと
を含む。
本発明の一態様では、脱酸プロセスは、式VII又はVIII:
で示される化学構造を有するポリベンゾイミダゾールを含む膜を使用し、
但し、Rは、図VII(a):
[式中、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24含有アルキルもしくはアリール基]、
図VII(b):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24含有アルキルもしくはアリール基]、
図VII(c):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24含有アルキルもしくはアリール基]、
図VII(d):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜18含有アルキルもしくはアリール基]又は
図VII(e):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜15含有アルキルもしくはアリール基、かつXは、次式:−CH−、−O−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−C(Ph)−、−CHC(Ph)−、−CHC(イソプロピル)−、−CHC(t−ブチル)−、−CHC(n−プロピル)−、−CHC(エチル)−又はその他のC1〜15含有アルキルもしくはアリール基のうちの何れかであってよい]で示されるテトラアミンから誘導され、
R’は、図VIII(a):
HOOC−(C)−COOH VIII(a)
[式中、k=1〜30で、直鎖、分岐鎖、環状、芳香族又はこれらの組み合わせとしての、アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテル又は複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフェン基等、を含み;m=適切な水素数;X=O、N、S、ハロゲン又はこれらの組み合わせ、n=0〜10]、
図VIII(b):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜15含有アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテルもしくは複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフェン基など]、
図VIII(c):
[式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜15含有アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテルもしくは複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフェン基など]、
図VIII(d):
[式中、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜15含有アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテルもしくは複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフェン基など]、
図VIII(e):
[式中、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜15含有アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテルもしくは複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフェン基等、かつXは、次式:−CH−、−O−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−C(Ph)−、−CHC(Ph)−、−CHC(イソプロピル)−、−CHC(t−ブチル)−、−CHC(n−プロピル)−、−CHC(エチル)−又はC1〜15含有アルキルもしくはアリール基のうちの何れかであってよい]、
図VIII(f):
図VIII(g):
図VIII(h):
図VIII(i):
図VIII(j):
[式中、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜15含有アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテルもしくは複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフェン基等、かつXは、次式:−CH−、−O−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−C(Ph)−、−CHC(Ph)−、−CHC(イソプロピル)−、−CHC(t−ブチル)−、−CHC(n−プロピル)−、−CHC(エチル)−又はC1〜15含有アルキルもしくはアリール基のうちの何れかであってよい]又は
図VIII(k):
[式中、R、R、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜15含有アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテルもしくは複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリン、チオフェン基等]で示されるジカルボン酸からのものである。
供給液は、少なくとも1つの酸を、0.001%より高い濃度で含む。
1実施形態では、供給液は、有機酸、無機酸、有機塩、無機塩、糖、ポリマー、オリゴマー、タンパク質、生存もしくは死亡細胞、顔料等を、単独で又はこれらを組み合わせて含む。
本発明のポリベンゾイミダゾール膜は、場合により、使用前に、アセトン、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、石油エーテル、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、ペンタノール、イソブタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル2−ピロリドン、クロロホルム、トルエン、シクロヘキサン、テトラクロロエタン、テトラクロロメタン、ジクロロメタン、アニリン、アニリン誘導体、イオン液体、超臨界二酸化炭素、供給液等から、単独で又はこれらを組み合わせて選択される有機溶剤で処理される。
膜の透過側のストリッピング剤は、水、アンモニア、有機溶剤、有機塩基、無機塩基、イオン液体、超臨界二酸化炭素等である。有機溶剤は、アセトン、アルコール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等から単独で又はこれらを組み合わせて選択される。無機塩基は、NaOH、KOH、NaCO、NaHCO等から単独で又はこれらの組み合わせで選択される。有機塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリオクチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ブチルアミン、トリブチルアミン、アニリンもしくはアニリン誘導体等又はこれらの組み合わせである。
プロセスは、−70℃〜200℃の温度範囲で随意に操作される。
本発明の幾つかの利点及びその工業用途を本明細書中にリストアップする。
・小さい有機物又は塩より酸を優先する膜の選択性は、グルコース及び無機塩についての輸送が実質的に存在しないので、実質的に無限大である。
・酸分離反応は、単一段階プロセスであり、慣用のプロセスによる発酵培養液からの多段階乳酸分離(即ち、中和の場合の、炭酸塩の添加、沈殿、ろ過、酸性化及び塩の分離)を凌駕する。
・ストリッピング剤として水を用いると、透過流からの生成物の回収がさらに容易であり、他の化学薬品による汚染を回避し、酸が純粋な形で得られる。
・プロセスは、不純物又は廃水流又はスラッジの発生を引き起こさず、従って環境的に安全である。
・生成物の下流処理は、有害な廃水流の発生をもたらさず、多くの場合、再利用可能である。
・このプロセスは、酸生成の発酵プロセスを連続方式で使用できるようにする。
・プロセスは、種々のプロセス流からの酸の連続回収のために使用でき、より高い収率をもたらす。
・膜に基づく分離プロセスの従来の利点、即ちモジュールの性質、操作の平易さ、容易なスケールアップ及び環境への配慮が、現行のプロセスにも当てはまる。
・プロセスは、酸含有液体を膜表面上を通過させるための循環用エネルギーのみを必要とし、従って、エネルギー効率が高い。これは、主として、経済的な実現可能性に寄与する利点であり得る。
・膜材料は、広い温度範囲にわたり非常に安定し、かつ酸、塩基及び大半の一般的な溶剤のような一般的な化学薬品に対して非常に安定している。従って、これらは、厳しい条件を含む広範囲の用途に使用でき、かつより長い寿命が期待される。
・プロセスは、有機酸並びに無機酸の濃縮、所定の混合物からの酸の除去、種々のプロセス流からの有益な酸の回収、果汁の脱酸、種々の工業プロセス流の脱酸、廃液処理及び発酵培養液からの酸の回収のために使用できる。溶液からの酸の除去は、食品加工、合成化学、天然産物、無機化学薬品等に関連する工業でも必要とされる。
以下の実施例は、説明を目的として記載され、そのため、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
実施例1
ポリ(ベンゾイミダゾール)(PBI)の合成:
機械的撹拌機、窒素注入口及び排気口を備えた3つ口丸底フラスコに、ポリリン酸450gを装入し、窒素の定常流下で、撹拌しながら、100℃以上に加熱した。3,3’−ジアミノベンジジン15g(0.07モル)及びイソフタル酸11.63g(0.07モル)又はテレフタル酸11.63g(0.07モル)又は5−tert−ブチルイソフタル酸15.56g(0.07モル)又は2,6−ピリジンジカルボン酸11.78g(0.07モル)を反応混合物に添加した。温度を200℃までゆっくりと上げ、表1に各場合について記載される特定の時間保持した。形成された溶液を水中に沈殿させることにより、ポリマーが得られた。沈殿ポリマーは、水で洗浄した後、含水重炭酸ナトリウムと水で洗浄した。得られたポリマーは、真空下に80℃で乾燥させた。
実施例2
実施例1で製造された、乾燥PBIポリマー3.2gを、80℃で8時間加熱しながら、N,N−ジメチルアセトアミド200mlに溶解させた。溶液を濾過し、平坦な不活性表面上に注いだ。溶剤を乾燥不活性雰囲気下に80℃で蒸発させた。形成されたフィルムを剥がし、水で洗浄し、真空オーブン中、100℃で乾燥させた。フィルムの厚さは35±5μであった。
実施例3
実施例2で製造された、PBI−I又はPBI−Tの膜を10%(w/v)乳酸水溶液で1日処理し、平面型(PF:plate and frame)モジュール中に取り付けた。10%(w/v)乳酸及び10%(w/v)グルコースを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤(表2に記載)を、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果は、以下の表2に示す。
実施例4
実施例2で製造された、PBI−I又はPBI−2,6−Pyの膜を10%(w/v)酢酸水溶液で1日処理し、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。10%(w/v)酢酸及び10%(w/v)グルコースを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、1.6N水性NaOHを、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果は、以下の表3に示す。
実施例5
実施例2で製造された、PBI−I、PBI−T又はPBI−2,6−Pyの膜を酸(表4に記載)で1日処理し、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。酸(表4に記載)を含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、1NのNaOHを、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。結果は、以下の表4に示す。
実施例6
実施例2で製造された、PBI−Iの膜を、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。9.8%乳酸、0.7%リンゴ酸、0.6%コハク酸、0.3%酢酸及び3.2×10−3%フマル酸を含有する酸性乳酸発酵培養液をPFモジュールの供給側で循環させた。0.9NのNaOHを含有するストリッピング溶液を、膜の透過側で循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。結果は、以下の表5に示す。
実施例7
実施例2で製造された、PBI−Iの膜を、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。10%乳酸、0.2%リンゴ酸、0.2%コハク酸、0.2%酢酸及び0.2%フマル酸を含有する酸溶液をPFモジュールの供給側で循環させた。0.24N NaOHを含有するストリッピング溶液を、膜の透過側で循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。結果は、以下の表6に示す。
実施例8
ポリエステルに基づくフェノールフタレイン(Ppha−IT)の合成
機械的撹拌機及びゴム隔壁を備えた3つ口丸底フラスコに、水110ml中にNaOH10.30g(0.2572モル)を含有する水溶液に、フェノールフタレイン40g(0.1257モル)を溶解させて装入した。これに、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.716g(0.003モル)及びジクロロメタン177mlを添加し、激しく撹拌した。イソフタロイルクロリド及びテレフタロイルクロリド各13.01g(0.0641モル)をジクロロメタン200mlに溶解させて含有する溶液を、激しく撹拌しながら添加した。溶液を更に1時間撹拌した。有機相をアセトン中に沈殿させ、オーブン中、60℃で1日乾燥させることにより、ポリマーが得られた。ポリマーは、クロロホルムに溶解させ、撹拌アセトン中に沈殿させた後、オーブン中、60℃で2日間乾燥させることにより精製した。
実施例9
膜の製造:
80℃で8時間加熱しながら、乾燥PBI及びポリ(フェニレンイソテレフタレート)(Ppha−IT)を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に、(i)Ppha−IT:PBI−I=1:1、(ii)Ppha−IT:PBI−I=1:3、(iii)Ppha−IT:PBI−BuI=3:1、(iv)Ppha−IT:PBI−BuI=1:1、(v)Ppha−IT:PBI−BuI=1:3のような種々の割合で溶解させた。溶液を濾過し、平坦なガラス表面に注いだ。溶剤を乾燥不活性雰囲気下に80℃で蒸発させた。形成されたフィルムを剥がし、水で洗浄し、真空オーブン中、100℃で乾燥させた。フィルムの厚さは20±5μであった。これらの膜を、5%(w/v)NaOH水溶液で、60℃で20日間処理した。次いで、処理済みの膜を、60℃で4日間、水で洗浄した。
実施例10
実施例9に記載のようにして製造された膜を10%(w/v)乳酸水溶液で1日処理し、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。10%(w/v)乳酸及び10%(w/v)グルコースを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果は、以下の表7に示す。
実施例11
実施例9に記載のようにして製造された膜(i)を10%(w/v)乳酸水溶液で1日処理し、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。10%(w/v)乳酸及び10%(w/v)グルコースを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を30℃から70℃までの種々の温度範囲で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果は、以下の表8に示す。
実施例12
実施例9に記載のようにして製造された膜(i)を10%(w/v)乳酸水溶液で1日処理し、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。酸(w/v)及びグルコース(w/v)を種々の濃度で等量含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果は、以下の表9に示す。
実施例13
実施例9に記載のようにして製造された膜(i)を、10%(w/v)クエン酸水溶液で1日処理し、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。10%(w/v)クエン酸及び10%(w/v)グルコースを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果は、以下の表10に示す。
実施例14
実施例9に記載のようにして製造された膜(i)を各酸(表9に記載)の1%(w/v)水溶液で1日処理し、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。1%(w/v)酸(表9に記載)及び1%(w/v)グルコースを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果は、以下の表11に示す。
実施例15
実施例9に記載のようにして製造された、活性化領域330cm及び厚さ54μmの膜(i)を、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。先ず10%グルコースを含有し、乳酸桿菌(Lactobacillussp)を植菌した乳酸発酵培養液300mlを供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水(200ml)を、膜の透過側に循環させた。発酵槽を40℃に保持した。ストリッピング側溶液は2時間ごとに交換した。両側からの試料をHPLCにより分析した。分析により、乳酸輸送速度は、0.07g・m−2.h−1であることが判明した。透過側にグルコースは検出されなかった。
実施例16
実施例9に記載のようにして製造された膜(i)を、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。4%NaOHを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。実験は40℃で実施した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、塩基の輸送速度を測定した。膜のストリッピング側における塩基濃度の増大が図1に示される。NaOHの平均流束及び透過度は、それぞれ34.34g・m−2.h−1及び8.23×10−12m.sec−1であった。
実施例17
実施例9に記載のようにして製造された膜(ii)を、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。0.1%含水NaClを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。実験は40℃で実施した。輸送は、ストリッピング側の連続伝導度解析により分析した。伝導度により、NaClの透過側への輸送は無かったことが判明した(伝導度は最初の値と同じままであった)。膜(v)もNaClの輸送は何ら示さなかった。
実施例18
実施例9に記載のようにして製造された膜(i)を、平面型(PF)モジュール中に取り付けた。1N無機酸(表7に記載)及び4%(w/v)グルコースを含有する水溶液を供給側で循環させた。ストリッピング剤として、水を、膜の透過側に循環させた。膜を通る酸輸送を40℃で調査した。滴定により、種々の時間間隔で試料を分析して、酸輸送を測定した。実験の最後に、グルコースの存在について、ストリッピング溶液をDNSAにより分析した。結果を、以下の表12に示す。

Claims (16)

  1. ポリベンゾイミダゾールと芳香族ポリエステルとを含む膜であって、前記ポリベンゾイミダゾールが、式I又はII:
    から選択され、
    (i)式中、Rが、構造式III(a):
    [式中、R、Rが、H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24含有アルキルもしくはアリール基から成る群から選択される]、
    構造式III(b):
    [式中、R、R、R、Rが、H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基から成る群から選択される]、
    構造式III(c):
    [式中、R、R、R、Rが、H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基から成る群から選択される]、
    構造式III(d):
    [式中、R、R、R、Rが、H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基から成る群から選択される]、
    構造式III(e):
    [式中、R、R、R、Rが、H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基から成る群から選択され、Xが、次式:−CH−、−O−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、−C(Ph)−、−CHC(Ph)−、−CHC(イソプロピル)−、−CHC(t−ブチル)−、−CHC(n−プロピル)−、−CHC(エチル)−又はその他のC1〜24含有アルキルもしくはアリール基のうちの何れかであってよい]、
    構造式III(f):
    を有するテトラアミンモノマーに属し、
    R’が、構造式IV:
    HOOC−(C)−COOH IV
    [式中、k=1〜30で、直鎖、分岐鎖、環状、芳香族又はこれらの組み合わせとしての、アルキル、アリール、芳香環、アリーレン、アルキレン、アリーレンエーテル又は複素環、例えばピリジン、ピラジン、フラン、キノリンもしくはチオフェン基等、を含み、X=O、N、S、ハロゲン又はこれらの組み合わせ、n=0〜10、m=適切な水素数]で示されるジカルボン酸からのものであり、
    (ii)芳香族ポリエステルが、構造式V:
    [式中、R”が、フェノールフタレイン又は式VI:
    (式中、R、R、R、R=H、CH、CF、F、Cl、Br、I、NO又はC1〜24アルキルもしくはアリール基)で示されるその誘導体から誘導され、
    R”’が、IVで示されるジカルボン酸からのものである]を有する、膜。
  2. 前記膜が、ポリベンゾイミダゾール:芳香族ポリエステルを、0.99:0.01から0.01:0.99までの範囲で含む、請求項1に記載の膜。
  3. 前記膜が、
    a)ポリベンゾイミダゾール(PBI)と芳香族ポリエステル(PAr)とを適切な割合で含むブレンド膜を製造するステップと、
    b)膜を、20℃〜80℃の温度範囲で、1日から15日に及ぶ期間、塩基溶液で処理することにより膜からポリエステルを浸出させるステップと、
    c)膜を溶剤で洗浄するステップと
    を含むプロセスにより製造される、請求項1に記載の膜。
  4. 前記塩基が、KOH、NaOH、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アニリンからなる群から、単独で又はこれらを組み合わせて選択される有機又は無機塩基の水性又はアルコール性溶液であり、溶剤が、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン及びメチルエチルケトンから、単独で又はこれらを組み合わせて選択される、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記膜が、アセトン、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、石油エーテル、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、ペンタノール、イソブタノール、クロロホルム、トルエン、シクロヘキサン、テトラクロロエタン、テトラクロロメタン、ジクロロメタン、アニリン、アニリンの誘導体、イオン液体及び超臨界二酸化炭素からなる群から、単独で又はこれらを組み合わせて選択される溶剤で洗浄される、請求項3に記載のプロセス。
  6. 前記膜が、フラットシート、中空繊維、管状、薄膜複合材料、非対称膜又は任意の適応可能な形状である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の膜。
  7. 脱酸プロセスであって、請求項1〜6のいずれかに記載の膜を使用する、脱酸プロセス。
  8. 請求項7に記載の脱酸のプロセスであって、前記脱酸のプロセスが、
    a)分離する予定の酸溶液で膜を前処理するステップと、
    b)分離する予定の酸を含有する供給液を膜の供給側に循環させるステップと、
    c)ストリッピング剤を膜の透過側に循環させるステップと
    を含む、プロセス。
  9. 前記供給液が、少なくとも1つの酸を、0.001%より高い濃度で含む、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記供給液が、有機酸、無機酸、有機塩、無機塩、糖、ポリマー、オリゴマー、タンパク質、生細胞もしくは死細胞、及び顔料を、単独で又はこれらを組み合わせて含む、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記プロセスが、−70℃〜200℃の温度範囲で操作される、請求項7または8に記載のプロセス。
  12. 前記ストリッピング剤が、水、有機溶剤、有機塩基、無機塩基、イオン液体、及び超臨界二酸化炭素を含む、請求項8に記載のプロセス。
  13. 前記有機溶剤が、アセトン、アルコール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドからなる群から、単独で又はこれらを組み合わせて選択される、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記無機塩基が、NaOH、KOH、アンモニア、NaCO及びNaHCOからなる群から、単独で又はこれらを組み合わせて選択される、請求項12に記載のプロセス。
  15. 前記有機塩基が、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリオクチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ブチルアミン、トリブチルアミン、アニリン及びアニリン誘導体からなる群から単独で又はこれらを組み合わせて選択される、請求項12に記載のプロセス。
  16. 前記膜が、その使用前に、アセトン、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、石油エーテル、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、ペンタノール、イソブタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル2−ピロリドン、クロロホルム、トルエン、シクロヘキサン、テトラクロロエタン、テトラクロロメタン、ジクロロメタン、アニリン、アニリン誘導体、イオン液体、超臨界二酸化炭素、供給液から、単独で又はこれらを組み合わせて選択される有機溶剤で処理される、請求項7に記載のプロセス。
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