JP5525857B2 - 放射性廃棄物の処理装置及びその処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電所等で発生する放射性廃棄物を固型化材とともに容器内に充填して廃棄するための処理技術に関する。
原子力発電所等で発生する炉水浄化系の使用済イオン交換樹脂は、60Co等の放射性物質を高濃度で含有し、余裕深度処分の対象となる廃棄物である。
そして、この処分対象となるイオン交換樹脂廃棄物を分解処理等して減容することが検討されている。
一例としては、使用済イオン交換樹脂を硫酸で洗い流し60Co等の核種を溶離させてから減容処理する方法が実施されている。この処理方法によれば、硫酸塩を主成分とする廃液が発生する。
また他の例として、使用済イオン交換樹脂を銅触媒の存在下で高温高圧で酸化反応させて分解処理する方法が検討されている。この処理方法においても、硫酸塩を主成分とする廃液が発生する。
また、この硫酸塩を含む廃液については、鉄等の共沈反応による核種分離によって、更に減容することが検討されている。この廃液処理においては、放射能濃度の高い鉄クラッド等の沈殿物が発生する。
その他、使用済イオン交換樹脂をスチームリフォーミング、ICプラズマ処理等により、無機化する処理方法が検討されている。この処理方法においては、放射能濃度の高い残渣が発生する。またガス系には、硫黄分が移行するためにガス回収することで硫酸塩廃液が発生する。
これら放射能濃度が高い廃棄物を廃棄するためのセメント系固型化材による固化処理方式として、アウトドラムミキサ方式及びインドラムミキサ方式といった従来技術が知られている。
アウトドラムミキサ方式は、放射性廃棄物とセメント固型化材を予め混練槽で混練した後に、ドラム缶などの容器に送出して固化させる方式である(例えば、特許文献1)。
インドラムミキサ方式は、容器中に放射性廃棄物とセメント固型化材とを投入した後に、撹拌翼で混練する方式である(例えば、特許文献2)。
一方、原子力発電所から発生する金属や保温材、塩ビ・ゴム、圧縮体等の雑固体廃棄物は、容器に収納してモルタル充填する方式がとられている(例えば、特許文献3)。
特開平10−339795号公報 特開平4−204097号公報 特開2003−270388号公報
しかし、上述した従来技術では次に挙げる課題が指摘されている。
アウトドラムミキサ方式では、混練槽の洗浄廃液等の二次廃棄物量が多く、また混練時間が長いために送出部等においてセメントが固化し閉塞し易い課題があった。
このために、装置をコンパクト化して洗浄部分の面積を少なくし、さらに混合効率を犠牲にせず混練体の滞留時間を短くすることが求められている。
また、インドラムミキサ方式では、撹拌翼を容器に挿入するため、撹拌波立ちにより混練体が横溢したり、撹拌翼・軸部体積のため投入する廃棄物量が少なくなったり、混練時の液はねにより混練体が容器外部に漏れたりする可能性があり、また撹拌部の洗浄が困難であるという課題があった。
このために、装置の混練機構をできるだけ小さくするとともに、撹拌部の洗浄の際に液はねしない密閉構造を備える撹拌機構の開発が求められている。
さらに、アウトドラムミキサ方式及びインドラムミキサ方式の両方式に共通する課題としては、廃棄物の全体を撹拌翼で混練するため、撹拌効率が悪いという課題があった。また撹拌効率を向上させようとすると、撹拌機構が複雑化したり、撹拌翼が大型化したり、小型の撹拌翼で長時間撹拌したりする、といった課題が避けられない。
このために、廃棄物の含まれる混練物を全体的ではなく、部分的に均一撹拌して連続送出する機構を備える装置の開発が求められている。
そして、雑固体廃棄物をモルタル充填する方式は、容器の充填に必要な分量よりもモルタルを多めに作製する必要があり、不要なモルタルが発生し廃棄物量を増大させる課題があった。このために、雑固体などを充填固化する際は、モルタルを連続的に供給することができる装置の開発が求められている。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、放射性廃棄物と固型化材を連続的に混練できるようにすることで、混練体を容器に連続的に受けることができるようにし、容器への充填量を増加させ、さらに洗浄部分の面積を少なくして密封構造とすることで、洗浄廃液等の二次廃棄物量の発生を低減し、洗浄時の液はねを防止することができる放射性廃棄物の処理技術を提供することを目的とする。
本発明に係る放射性廃棄物の処理装置は、長手方向が鉛直方向に略一致するように配置され下端に開口部を有する筒体と、前記筒体の外側面から傾斜してこの筒体の内側に連通して混練水、放射性廃棄物及び固型化材を導く投入管と、前記筒体の前記開口部の反対端に設けられたモータに連結されこのモータの駆動により軸回転し、前記投入管から前記開口部に向かって重力落下する前記混練水、放射性廃棄物及び固型化材を混練する回転翼と、を備えることを特徴とする。
また本発明に係る放射性廃棄物の処理方法は、長手方向が鉛直方向に略一致するように配置され下端に開口部を有する筒体の外側面から傾斜を利用してこの筒体の内側に混練水、放射性廃棄物及び固型化材を導く工程と、前記開口部に向かって重力落下する前記混練水、放射性廃棄物及び固型化材を前記筒体の前記開口部の反対端に設けられたモータに連結されこのモータの駆動により軸回転する回転翼で混練する工程と、前記開口部から送出される混練体を容器に収容する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、放射性廃棄物と固型化材を連続的に混練できるようにすることで、混練体を容器に連続的に受けることができるようにし、容器への充填量を増加させ、さらに洗浄部分の面積を少なくして密封構造とすることで、洗浄廃液等の二次廃棄物量の発生を低減し、洗浄時の液はねを防止することができる放射性廃棄物の処理技術が提供される。
本発明の第1実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置を示す構成図。 加圧水型原子炉(PWR)の濃縮廃液を固化処理する場合を想定した混練体の配合条件(200L)を示す表。 PWRの濃縮廃液のセメント固化処理方法(小容量)を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置を示す構成図。 加圧水型原子炉(PWR)の濃縮廃液を固化処理する場合を想定した混練体の配合条件(400L)を示す表。 PWRの濃縮廃液のセメント固化処理方法(大容量)を示すフローチャート。 沸騰水型原子炉(BWR)の濃縮廃液のセメント混練体の粘度と得られた固化体の一軸圧縮強度値とを示す表。 BWRの濃縮廃液のセメント固化処理における硫酸ナトリウム含有重量と混練体の粘度値との相関グラフ。 焼却灰のセメント固化処理における混練体の配合条件、粘度及び密度、並びに得られた固化体の一軸圧縮強度値を示す表。 BWRの濃縮廃液中の硫酸イオンを固定するためのバリウムを添加した場合の混練体の配合条件、粘度、及び得られた固化体の一軸圧縮強度値を示す表であって、(A)は条件の共通項目を示す表、(B)は条件の変更項目を示す表。 PWRの濃縮廃液をさらに濃縮させた高濃縮廃液のセメント混練体の配合条件、粘度、及び得られた固化体の一軸圧縮強度値を示す表。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように放射性廃棄物の処理装置10(以下、単に「処理装置10」という)は、第1の投入管11と、第2の投入管12と、下端に開口部14を有する筒体13と、モータMの駆動により軸回転する回転軸15に連結する回転翼16と、振動体17と、洗浄ノズル18とから構成される。
このように構成される処理装置10に対し、投入部20(20a,20b,20c)からそれぞれ別々に混練水、放射性廃棄物及び固型化材(セメント)を供給する。そして、供給された混練水、放射性廃棄物及び固型化材は、筒体13の内部を連続的に重力落下しつつ回転翼16により混練される。そして、これら混練水、放射性廃棄物及び固型化材の混練体は、処理装置10の直下に配置される容器30に連続的に収容される。
容器30は、一般的には200L容量のドラム缶又は400L容量の角型容器が適用されるが、その容量及び形状は特に限定されるものではない。
また容器30は、処理装置10から送出された混練体が充填されると、コンベア31により蓋封印する次の工程に搬送される。
そして、混練体が充填された容器30が次工程に搬送されると、空の容器30aが処理装置10の直下に搬送されることとなり、新たに混練体が連続的に注入されることになる。
コンベア31は、このように混練体の容器30への充填が終了するたびに、次の新しい空の容器30aを開口部14の直下に逐次移送するものである。
液面センサ32は、処理装置10の開口部14の近傍に設けられ、容器30の液面レベルを計測して混練体の収容量を制御するものである。
つまり、容器30に連続的に注入される混練体の界面が所定のレベルに到達したところで信号を出力し、投入部20(20a,20b,20c)における混練水、放射性廃棄物及び固型化材の供給を停止させる。
なお、容器30における一杯分の混練水、放射性廃棄物及び固型化材の適量が、後述する計量部23で計量されて投入されるように発明が構成されていれば、この液面センサ32は、特に必要がない。
投入部20(20a,20b,20c)は、それぞれホッパ21(21a,21b,21c)と、開閉弁22(22a,22b,22c)と、計量部23(23a,23b,23c)と、調整弁24(24a,24b,24c)とから構成されている。
そして、処理装置10には、投入部20aから混練水が投入され、投入部20bから放射性廃棄物が投入され、投入部20cから固型化材が投入されることになる。
また、処分単位の放射性廃棄物の全てが複数の容器30に分割して収容された後は、投入部20は、混練水及び固型化材のみを処理装置10に投入して、表面に放射性廃棄物が付着している筒体13、回転軸15及び回転翼16を洗浄する。そして、処理装置10を洗浄した後に排出される混練体は、容器30に封入されて、他の容器30とともに最終処分されることになる。
ホッパ21(21a,21b,21c)は、容器30に充填される混練水、放射性廃棄物及び固型化材を、図示略の貯蔵槽から付属の開閉弁22の動作により供給するものである。
計量部23(23a,23b,23c)は、容器30の容量に応じて、投入管11,12に投入される混練水、放射性廃棄物及び固型化材の適量を計量するものである。そして、調整弁24により開口部14から送出される混練体が所定の配合比になるように、投入管11,12に投入される混練水、放射性廃棄物及び固型化材の流量が調整される。
なお、前述した液面センサ32の検出信号に基づいて、投入部20からの混練水、放射性廃棄物及び固型化材の送出量を制御する場合は、特に計量部23を設けなくてもよい。
固型化材としては、セメント又はセメントに流動性を向上させる添加剤を混合したものが挙げられるが、放射性廃棄物を固定して最終処分をした後で容器30の外部に漏出させないようにするものであれば適宜採用される。
放射性廃棄物としては、原子力発電所で排出される使用済イオン交換樹脂、その乾燥粉体、放射性可燃物の焼却灰、放射性廃溶媒の熱処理生成物からなる放射性物質又はそれらのペレット成形体、若しくはその放射性物質、ペレット成形体を含む溶液又はスラリー等が挙げられる。
第1の投入管11及び第2の投入管12は、筒体13の内側に連通して投入部20(20a,20b,20c)から混練水、放射性廃棄物及び固型化材を導くものである。
ここで、第1の投入管11は、投入された混練水及び放射性廃棄物を混合状態で筒体13の内部に向けて流動させる。
また、第2の投入管12は固型化材を筒体13の内部に向けて流動させる。なお、粉体である固型化材が良好に流動するために、第2の投入管12の傾斜は、固型化材の安息角以上に角度付けされていることが望ましい。
なお、筒体13に設けられる投入管の本数は、図示される二本に限定されるものではなく、混練水、放射性廃棄物、固型化材以外のその他のものを投入するための投入管が設けられている場合もある。
筒体13は、長手方向が鉛直方向に略一致するように配置されており、投入管11,12を通過した混練水、放射性廃棄物及び固型化材が、途中で滞ることなく開口部14から送出されるように構成される。
なお、図1に示される筒体13は、内部に位置する回転翼16を外観できるように、一部が切除された状態で示されている。
回転翼16は、筒体13の内部で回転し、投入管11,12から開口部14に向かって重力落下する混練水、放射性廃棄物及び固型化材を混練するものである。
この回転翼16の設けられる回転軸15の基端は、毎分数千回転で駆動するモータMに接続されている。
これにより、筒体13の内部を通過する混練水、放射性廃棄物及び固型化材は、回転翼16により高速で撹拌されて均一な混練体になり、開口部14から送出されることになる。なお、混練水、放射性廃棄物及び固型化材、並びにこれらの混練体の筒体13の内部における滞留時間は、数秒〜60秒程度と非常に短く、セメントの凝結による混練体の粘度が上昇する問題が生じない。さらに、単位時間あたりに大量の放射性廃棄物を固化処理することが可能になる。
そして、筒体13の下端の開口部14から送出される混練体は、コンベア31で次から次へと移送される容器30に充填され、養生固化されることになる。
振動体17は、設置される筒体13に振動を付与し、投入管11,12や筒体13の内部を通過する混練水、放射性廃棄物及び固型化材、並びにこれらの混練体を円滑に流動促進させるとともに、固型物の壁面への付着を抑制するものである。
洗浄装置である洗浄ノズル18は、混練体の通過後にモータMを回転駆動させた状態で、洗浄水を噴射して回転翼16、回転軸15、筒体13の内壁面等の付着物を除去するものである。
次に第1実施形態に係る処理装置10の効果を確認するための実施例を示す。
図2の表は、加圧水型原子炉(PWR)の濃縮廃液を200L容器(ドラム缶)で固化処理する場合を想定した、混練水、放射性廃棄物及び固型化材の模擬的な配合条件を示している。
図3のフローチャートは、この実施例におけるセメント固化処理の工程を示している。 なお、ここで水酸化カルシウムの配合は、固化を促進させてホウ酸を安定に保持し混練体の養生固化後にホウ酸が溶出するのを防止するためのものである。
まず、図2の配合条件に従い所定の組成のH2BO3、Na2SO4、NaCl及び樹脂を70℃程度で加温しながら模擬的な放射性廃棄物を調整する。さらにこの放射性廃棄物を200L容量のドラム缶に固定するのに必要な混練水と固型化材を計量する。
次に、それぞれ別々に計量された放射性廃棄物、混練水及び固型化材を、同じ流速になるよう処理装置10に投入する。すると、筒体13の内側に導かれた混練水、放射性廃棄物及び固型化材は、回転翼16により撹拌・混練されて、投入から約1分後に均一な混練体となって開口部14から連続的に送出され200Lドラム缶に収納される。
一方で、開口部14から送出される混練体の一部を小型の円筒容器にサンプリングして一定期間静置した後に一軸圧縮強度を測定したところ、4週間後は35MPa、12週間後は45MPaとなり、十分な強度を有することが認められた。
また、詳細な説明は省略するが、処理装置10を用い乾燥粉体のペレット状廃棄物、焼却灰のペレット状廃棄物を処理する実験も行った。この場合、ペレット状廃棄物は、回転翼16で粉砕処理されながらセメント及び水と混練されることになり、放射性廃棄物の充填率を従来値に対し30%から50%まで向上させることが認められた。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る放射性廃棄物の処理装置の構成図を示している。
なお、図4に記載されている機能部のうち、図1に記載されているものと共通するものについては、同一の符号を付し前記した説明を引用して記載を省略する。
第2実施形態に係る処理装置10は、第1の処理装置10a及び第2の処理装置10bから構成され、第1の筒体13aの下端の開口部14aが、第2の筒体13bの投入管11bに接続されている。
このように処理装置10が構成されることにより、上流の第1の処理装置10aにおいて放射性廃棄物、混練水及びその他の配合剤の混合体を生成し、下流の第2の処理装置10bにおいてこの混合体及び固型化材の混練体を生成することができる。
このように各成分毎に段階的な混合をさせながら混練体を生成することにより、大容量の濃縮廃液を処理する場合であっても、送出される混練体は、最初から最後に至るまで均一な組成となる。
次に第2実施形態に係る処理装置10の効果を確認するための実施例を示す。
図5は、加圧水型原子炉(PWR)の濃縮廃液を大容量の400L容器で固化処理する場合を想定した、混練水、放射性廃棄物及び固型化材の模擬的な配合条件を示している。 図6のフローチャートは、この実施例におけるセメント固化処理の工程を示している。
400L容量の容器に収容される混練体は、ホウ酸51kg、塩56kg、水分117kgを含む擬似的な濃縮廃液224kgに対し、固型化材のセメント480kgと、配合材として固化促進剤の水酸化カルシウム141kgとを、含ませる。
まず、図4に示される第1の処理装置10aに対し、擬似的な濃縮廃液と、固化促進剤である水酸化カルシウムを投入し、第1の連続混練を実行し第1の開口部14aからその混合体を送出させる。
次に、送出された混練体と固型化材(セメント)とを第2の処理装置10bに投入し、第2の連続混練を実行し第2の開口部14bからその混練体を送出させ、400L容量の容器に充填した。
なお、第1の処理装置10aから第2の処理装置10bに送出される混合体の流速の調整は、第1の処理装置10aのモータMの回転速度を適宜変更することで実現される。もしくは第1の開口部14aの直下に図示略のバッファを設けることにより調整することもできる。
この場合の処理能力は、単位時間あたり500kgということであった。また、第2の開口部14bから送出される混練体を、送出開始点から送出終了点に至るまでの各時点において小型の円筒容器でサンプリングし一軸圧縮強度を測定した。その結果、いずれも4週間後は35MPa、12週間後は45MPaとなり、固化体は全体として均一な強度が確保されることが認められた。
図7の表は、沸騰水型原子炉(BWR)の濃縮廃液を固化処理する場合を想定し、擬似的に配合された各種セメント混練体の粘度と得られた固化体の一軸圧縮強度値を示している。図8のグラフは、この擬似的に配合された各種セメント混練体の硫酸ナトリウム含有重量と粘度値との相関を示している。
なお、硫酸ナトリウム濃度が25%となるよう118L〜146Lに調整された模擬的な濃縮廃液と、247〜180kgのセメントとを処理装置10に投入し、全量が約360kgで一定の混練体を生成した。
ここで、一軸圧縮強度値は、処理装置10で混練処理された各組成のセメント混練体の一部を小型の円筒容器にサンプリングして28日間静置した後に一軸圧縮強度を測定したものである。
また、粘度値は、汎用の回転粘度計に各組成の成分を調合し撹拌しながら60分経過後に計測された値を示している。
ここで、一軸圧縮強度の合格基準値は、1.47MPa以上であるところ、本実施形態に係る処理装置10を用いて固化処理されたセメント混練体は、相当の余裕をもって基準を満たしているといえる。
さらに、本実施形態に係る処理装置10は、200dPa・sを超える高粘度のセメント混練体も処理可能であることが認められた。
ところで、従来のインドラム方式又はアウトドラム方式の処理装置では、混練体の粘度が50dPa・s以下であることが処理の限界であることに起因して、100kgを超す硫酸ナトリウムの処理は困難であった。
これに対して本実施形態に係る処理装置10を用いると、従来法の2倍以上の200kg程度の硫酸ナトリウムを良好に混練・固化させることが認められた。
図9の表は、焼却灰のセメント固化処理における混練体の配合条件、粘度及び密度、並びに得られた固化体の一軸圧縮強度値を示している。
一般に、焼却灰にはセメントの凝結反応を早める化学物質が含まれており、従来のインドラム方式又はアウトドラム方式の処理装置では、混練途中に粘度が上昇して処理が困難となる場合があった。
つまり、図9の表に示されるCaO、ZnCl2がセメントの凝結を早める原因物質であり、特にNo1〜No4における配合で粘度が50dPa・sを超えるような場合は、従来方式による処理の実行が困難とされてきた。
また、凝結時間が1時間以内であるような焼却灰を含むセメント混練体を処理する場合、従来方式では処理装置の内部で凝結反応が進行し、焼却灰を混練体中に均一分散させることが困難であった。
しかし、本実施形態に係る処理装置10によれば、通算の混練時間が10分程度と短いために混練途中で凝結に至るケースは見られず、従来方式で対応することができなかった焼却灰を含むセメント混練体も問題なく処理できることが確認された。
また、本実施形態により得られた固化体のブリージング率は0%であり、28日後の一軸圧縮強度は基準値(1.47MPa以上)を満足しており、作製された固化体の健全性が認められた。
図10の表は、BWRの濃縮廃液中の硫酸イオンを固定するためのバリウムを添加した場合の混練体の配合条件、粘度、及び得られた固化体の一軸圧縮強度値を示す表であって、(A)は条件の共通項目を示す表、(B)は条件の変更項目を示す表を示している。なお、この実施例においては、アルミナセメント(ALC)による固定化を検討している。
この結果によれば、混練体が混練時に300dPa・sを超える高粘度を示す場合であっても、問題なく混練することが可能である、固化後の一軸圧縮強度は全て基準値(1.47dPa・s以上)を満足することが確認された。
図11の表は、PWRの濃縮廃液をさらに濃縮させた高濃縮廃液のセメント混練体の配合条件、粘度、及び得られた固化体の一軸圧縮強度値を示している。
この実施例では、PWR濃縮廃液(ほう酸ナトリウム主成分、Na/B=0.3)をさらに加熱高濃縮して74%の高濃縮廃液に調製し、セメント固化を実施した場合を示している。そして、ホウ酸ナトリウムが沈殿しないように加熱高濃縮廃液の温度を70〜80℃程度に保ったまま連続混練を実施している。
なお、このような高濃縮ホウ酸ナトリウム液を従来のインドラム方式又はアウトドラム方式で混練処理することは、試すまでもなく不可能である。
図11に示されるように、高濃縮ホウ酸ナトリウム液に高炉セメントB種を混合すると5分程度で瞬結してしまい、さすがに本実施形態の処理装置10を用いても混練が不可能であった。
そこで、珪砂を添加した後に高炉セメントを添加した結果、珪砂の混合比率を高濃縮廃液(300g)に対して10%(30g)〜33%(100g)の範囲で、200dPa・s〜30dPa・sの粘度範囲をとり、問題なく混練することができた。
そして、セメント混練体を容器に充填させると短時間で凝結が終了し、ブリージングの発生はなく、強度も基準値である1.47MPa以上を満足することが認められた。
最後に、本発明の適用可能性を探るため、使用済燃料の再処理施設から発生する廃溶媒を乾留熱分解したものの模擬的なサンプルを作製し、本実施形態に係る処理装置を用いて、セメント混練し固化体の作製を試みた。
従来では、そのような再処理施設から発生する廃溶媒は、乾留熱分解すると同時に発生するリン酸を消石灰にて中和し、リン酸カルシウムに変換する処理がなされている。しかし、現状ではリン酸カルシウムの取り扱いが困難であるとの問題が指摘されている。
このリン酸カルシウムはシリカ、水酸化アルミニウムを添加して水熱固化しペレットとするが、このペレットの取り扱いが困難である上に、廃棄物の充填率が低いという問題も指摘されている。
実施形態に係る処理装置を用いてこの模擬的なサンプルのセメント混練時の粘度及び固化体の一軸圧縮強度を計測した結果、詳細データの記載を省略するが、再処理施設から発生する廃溶媒の処理に本発明を適用することの有効性が確認された。
10…処理装置、11…第1の投入管、12…第2の投入管、13…筒体、14…開口部、15…回転軸、16…回転翼、17…振動体、18…洗浄ノズル(洗浄装置)、20(20a,20b,20c)…投入部、21…ホッパ、22…開閉弁、23…計量部、24…調整弁、30…容器、31…コンベア、32…液面センサ。

Claims (10)

  1. 長手方向が鉛直方向に略一致するように配置され下端に開口部を有する筒体と、
    前記筒体の外側面から傾斜してこの筒体の内側に連通して混練水、放射性廃棄物及び固型化材を導く投入管と、
    前記筒体の前記開口部の反対端に設けられたモータに連結されこのモータの駆動により軸回転し、前記投入管から前記開口部に向かって重力落下する前記混練水、放射性廃棄物及び固型化材を混練する回転翼と、を備えることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  2. 請求項1に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    前記開口部から送出される混練体が所定の配合比になるように、前記投入管に投入される前記混練水、放射性廃棄物及び固型化材の流量を調整する調整弁を備えることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    前記開口部から送出される混練体を収容する容器の容量に応じて、前記投入管に投入される前記混練水、放射性廃棄物及び固型化材を計量する計量部を備えることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    前記開口部から送出される混練体を収容する容器の液面レベルを計測する液面センサを備え、前記液面レベルを計測して収容量を制御することを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    前記開口部から送出される混練体を収容する容器が、前記混練体の充填が終了するたびに前記開口部の直下に逐次移送されるコンベアを備えることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    前記筒体には洗浄装置が設けられ、前記混練水及び前記固型化材を混練することにより前記筒体及び前記回転翼の表面に付着した前記放射性廃棄物を洗浄することを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    第1の前記筒体の前記下端の開口部が第2の前記筒体の前記投入管に接続されていることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    前記固型化材は、セメント又はセメントに流動性を向上させる添加剤を混合したものであることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の放射性廃棄物の処理装置において、
    前記放射性廃棄物とは、使用済イオン交換樹脂、その乾燥粉体、放射性可燃物の焼却灰、放射性廃溶媒の熱処理生成物から成る放射性物質又はそれらのペレット成形体、若しくはその放射性物質、ペレット成形体を含む溶液又はスラリーであることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  10. 長手方向が鉛直方向に略一致するように配置され下端に開口部を有する筒体の外側面から傾斜を利用してこの筒体の内側に混練水、放射性廃棄物及び固型化材を導く工程と、
    前記開口部に向かって重力落下する前記混練水、放射性廃棄物及び固型化材を前記筒体の前記開口部の反対端に設けられたモータに連結されこのモータの駆動により軸回転する回転翼で混練する工程と、
    前記開口部から送出される混練体を容器に収容する工程と、を含むことを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
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