JP3847898B2 - 放射性廃棄物の固化処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所等の運転、改造あるいは解体等によって発生する種々の放射線廃棄物(特に中ないし低レべルの放射性廃棄物)を処理する技術に係り、とりわけ緻密で長期に亘って安定性、耐久性の向上が図れる固化体の容易な製造を可能とする放射性廃棄物の固化処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所等の放射性物質取扱い施設では、施設の改良・性能維持のための改造工事が行われ、その都度種々の放射性廃棄物が発生している。このため、放射性廃棄物の減容および安定化のための各種処理方法が研究され、その一部については実用化されている。
【0003】
これらの廃棄物の中で、放射性核種を含む廃液、紙やウエス等の可燃性廃棄物等は適切な方法で減容され、セメント固化法やプラスチック固化法により安定化され、順次埋設処分されている。
【0004】
一方、不燃性の雑固体廃棄物については、固型化されずにドラム缶の中に収納されている。
【0005】
また将来の問題として、これら施設の解体を考えると、さらに種々の放射性廃棄物が発生することが予測されている。これらの廃棄物は、大部分は上述した廃棄物と同様の性状を有するものと予想されている。しかし、大規模な改造工事や放射性廃棄物の取り扱い施設の解体工事では、上記の廃棄物以外に、大型の金属や大量のコンクリート等が発生すると考えられている。
【0006】
このような廃棄物を固定化する方法としては、廃棄物をドラム缶等の容器に収納し、この中にセメント系の固化材量を流し込んで廃棄物を固化する充填固化方法や、不燃物を高温で焼却・溶融して固化する溶融固化方法が提案されている。特に充填固化方法については、そのプロセスが簡単であることから精力的に研究され、実用化の段階にある。
【0007】
充填固化法により放射性廃棄物の安定化を図る場合に使用される固化材量は前述したように、主としてセメント系の材料である。その理由は、セメント系材料が長期間安定な材料として土木・建築業界で頻繁に使用されて長い実績があること、また硬化したセメント材料には放射性核種が良く吸着するため環境への放射性核種の移行を低減できるためである。今までの検討から、セメント系の材料は廃棄物の充填固化に必要な特性、特に固化材料の流動性を高めたり、材料の密度差による材料分離を防いだり、硬化後の強度を出すために、必要に応じて種々の物質の混合物からなることが提案されている。
【0008】
それらの構成は提案により様々であるが、大まかには以下のように分類できる。即ち、JISR5210やJISR5211に規定されるようなポルトランドセメントや高炉セメントと、これらのセメントに必要に応じてフライアッシュのような無機粒子や減水剤等のような薬剤(以下、これらを総称して混和材と呼ぶ)を添加したもの、あるいはさらに砂や砂利等に代表される骨材を添加したものが挙げられる。これらの材料に水を添加して混合し、ペースト状にしたものが雑固体廃棄物を充填固化するために使用される。この材料は水と大部分が無機物の粒子の均質な混合物からなることが特徴である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した充填固化方法は放射性廃棄物を簡易な方法で安定化できる技術であるが、放射性物質の取り扱い施設で使用できるように機器を構成する上では以下に述べる問題点がある。
【0010】
例えば固化材量を1m3 作製する場合、水350リットルにセメントや混和材、骨材を1650kg程度混合する(公知例;特開昭62−88999)。即ち、少量の水に粉末材料を大量に混合する必要があり、放射性廃棄物を充填固化するためには上述したような水と無機物の混合機が必要である。これには土木・建築工業界で実用化されている混合機が適用されている。セメント混合機は、セメント原料と水、その他材料(砂や砂利、その他混和材)を効率的に混合して土木・建築材料とするものである。工事作業の効率化を図るため、混合機は材料を高速で完全に混合できる構造となっている。このような混合機を放射性廃棄物の固化材量調整のために使用する場合、以下の問題点がある。
【0011】
即ち、一般の混合機では、混合力を高めるために撹拌翼を高速で回転させる構成となっている。このため、材料が混合中に飛散して、混合機の外に飛び出し易い問題がある。これらの飛散物は一般に、作業員の手作業で回収除去されている。しかし、放射性物質の取り扱い施設ではこの作業が困難であるばかりでなく、回収除去により発生する廃棄物が放射性の二次廃棄物になるため、全体の廃棄物発生量が大きくなる問題がある。一方、混合機の撹拌翼を低速で回転させると飛散物は減少するが、水とセメントや骨材等の無機粒子を十分混合できず、所定の流動性が得られなかったり、固まりが残る等の問題点がある。
【0012】
このため、混合機に蓋をして混合物の飛散防止を図る方法も検討されている。この方法は飛散防止には効果的であるが、蓋等に混合物が付着する問題がある。付着物を除去しないで混合を繰り返した場合、付着物は固まりながら成長し、やがて混合中のセメント材料中に落下する。このような異物が存在すると、充填の際に充填ラインの閉塞原因等となる。
【0013】
このことから、混合機を洗浄する方法も考えられているが、洗浄廃液が二次廃棄物になる。飛散物が付着しないように混合機を深くする構造も考えられるが、混合機のコスト上昇を招くことになる。
【0014】
以上のことから、混合機の混合力が高く、かつ混合物が飛散しない混合機が必要であり、また、混合機の蓋の構造としては飛散してくる混合物が付着しにくくすることが必要である。
【0015】
さらに、混合により作成した固化材量を混合機から排出してセメント充填固化に供する場合、以下のような問題点がある。一般に混合機は平底の構造が多く、平底は水平面に平行になっている。このため、混合した固化材量を排出する場合、完全に固化材量が排出できずに混合機内に残ることがある。
【0016】
また、撹拌翼と平底との間に通常はクリアランスが設けられるが、そこに混合物が残存し、混合を繰り返すうちに、これが撹拌翼の押え付けや時間経過によるセメントの水和の進行により硬化し、混合機の不具合が生ずる場合がある。この問題を解決するために混合毎に混合機を洗浄する方法も考えられるが、この方法では洗浄廃液が二次廃棄物になる。即ち、混合物が混合機の中に残存せず完全に排出できる方法が必要となる。
【0017】
固化材量を作成して放射性廃棄物を充填固化するためには、作成した固化材量の品質を確認する必要がある。放射性廃棄物を固化材量により緻密な固化体にするためには固化材量の流動性を保証する必要があり、流動性の確認手法としてΡロート流下時間の測定が一般的に用いられている(土木学会規準;プレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法)。この方法では、作製毎に固化材量のΡロート流下時間を測定するのに人手がかかり過ぎるため、Ρロート流下時間を間接的に測定する方法が効率的である。その方法として、作成した固化材量を混合機や計量槽等の容器に排出し、その際の排出時間を測定する方法が提案されている。即ち、固化材量のΡロート流下時間と当該容器からの排出時間との相関を予め取得しておき、この関係から流下時間を測定する方法である。
【0018】
この方法はPロート流下時間を間接的に測定する方法として有効であるが、計量槽等に残存する固化材量が多い場合には、測定値の信頼性が劣る問題がある。即ち、流動性が悪い固化材量が当該容器内に大量に残存した場合、排出量が少なくなるために排出時間が短くなり、Ρロート流下時間が短く判定されるという欠点がある。このため、混合機や計量槽等に固化材量が残存しない構造とすることが必要であり、さらに測定する固化材量の体積を一定にしなければ信頼性が著しく損なわれることになる。
【0019】
固化作業を終了する場合には、混合機や計量槽、あるいはそれらの間の配管を洗浄する必要がある。一般の混合機のように、平底構造でかつ平底が水平面になっているものでは、洗浄の際に洗浄廃液が残存し易い。洗浄廃液中にはセメントスラッジが残存するため、このスラッジを除去する目的でさらに洗浄を繰り返す必要があり、二次廃棄物の発生量が増加する問題がある。即ち、混合物が混合機の中にる残存せず、完全に排出できると同様に、洗浄廃液も完全に排出できる方法が必要となる。
【0020】
混合機や計量槽が放射性物質の取り扱い施設にある場合には、これらの機器や配管の洗浄により発生する廃液は、放射性廃棄物としての取扱いが必要であり、このため洗浄廃液は洗浄廃液受槽に回収される。一般に洗浄廃液の構成は約数%のセメント材料等の固型分と水からなる。固化作業を継続すると洗浄廃液が恒常的に発生するため、洗浄廃液受槽の上水を回収して固化材量の作製に使用する方法が提案されている。
【0021】
この方法は二次廃棄物を低減させる方法として有効であるが、洗浄廃液受槽中のスラッジが受槽底面に沈殿し、洗浄廃液受槽から取り出せない問題があった。即ち、洗浄廃液受槽中で洗浄廃液を比重分離により上水とスラッジとに分離するため、スラッジの沈殿物が洗浄廃液受槽底面に層状に形成される。スラッジの量が多くなるとこれを回収し、放射性廃棄物として安定化させる必要があるが、沈降したスラッジを有効に回収することが困難であった。またこのようなスラッジを回収したとしても、スラッジ中の水分量が不明であり、これにセメントを混ぜても良好な固化体を得ることが難しいという問題がある。
【0022】
また、当該計量槽から固化材量を排出する場合、その排出速度を有効に調整する方法が知られていない。このため、計量槽から固化材量を排出する速度制御のため、計量槽下部にポンプを設置し、固化材量のドラム缶への充填速度を制御する方法が考えられる。しかし、この方法では固化システムが複雑になることや、ポンプ等の洗浄が必要となり、洗浄廃液が大量に発生する問題がある。
【0023】
また、雑固体廃棄物の充填固化に際しては、ドラム缶から固化材料が溢れるのを防ぐため、超音波による固化材量のレベル調整が行われている。しかし、ドラム缶中には雑固体廃棄物が収納されているため、雑固体からの超音波の反射を拾うことがあり、信頼性に劣る場合がある。また、液面の上昇は雑固体廃棄物の収納状態によって変わるため、レベルの上昇速度をもとに固化材量の注入量を制御することが困難であった。
【0024】
さらに、セメントペーストもしくはモルタル、およびこれらと放射性廃棄物の混合物を取り扱う機器および配管においては、機器の構成上これらの取り扱い物を弁で仕切る必要が生じる場合がある。しかし、これらの混合物にはスラッジ成分が多く含まれている場合があり、弁で仕切る場合に弁体と弁座との間にスラッジ成分がかみ込み、完全に仕切ることが困難であった。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前述したように、セメント系の材料を使用した充填固化材は、水に対する無機粒子の含有量が非常に多いため、強力に混合しないと均質になりにくい問題がある。また混合物中の粒子は水との密度差により沈降し易く、混合物自体が流れにくい等の特徴がある。セメントのような無機粒子と水を均質に混合するためには、粒子を一個一個に分散させ、かつ粒子表面が水で濡れるようにしなくてはならない。
【0026】
通常、セメント粒子を分散させるためには粒子自体に衝撃が加わるようにする必要があり、粒子がランダムに運動することが必要である。一般のセメント混合機では、混合機の底に設けた撹拌翼を高速で回転させ、セメント粒子に衝突させて分散させている。さらに粒子がランダムに運動するように、混合物に層流運動をさせない撹拌翼や障害物を設けている。
【0027】
そこで発明者においては、粒子の重力方向の動きが殆どない混合機の構成を案出し、撹拌翼による粒子への衝撃力に加えて重力方向に粒子が容易に動けるように、粒子の運動方向を水平面から傾けることを提案する。
【0028】
この結果、粒子には撹拌翼による力と重力方向への動きが加わり、激しく乱れて躍動するため一個一個の粒子に分散され、従来の混合機に比較して格段の混合力が得られることが認められた。この手段は粒子と水の混合に重力を利用するため、混合機を傾けて使用する場合、あるいは水平面から傾いた底面を有する場合、さらには撹拌翼も底面と同じ角度で水平面から傾いている場合、いずれの場合も全て高い分散性能が得られる。この発明は、回転する撹拌翼により粒子を分散させる原理のものに全て適用できるが、特に分散性が高い物として高速剪断ブレード型、あるいはパン型混合機などを適用することが望ましい。
【0029】
本発明によれば、粒子の運動方向を従来の水平面に平行な方向から重力方向へと変えているため、従来の混合機において撹拌翼や撹拌翼と混合機底面のクリアランスに残っていた混合物が、重力の作用で重力方向に自然に流れ出ることが見い出された。その結果、混合物が撹拌翼表面あるいは撹拌翼と混合機の底而のクリアランスに残存しなくなることが判明した。また、混合物の排出口が重力方向に向かうように混合機を傾け、あるいは重力方向に向かうように底面を傾けた構造としているため、遠心力と重力とを混合物の排出に利用でき、混合機内に混合物を殆ど残することなく排出することができる。このため、放射性二次廃棄物である洗浄廃液の大幅な低減が図れる。本発明の構造は、混合機のみならず計量槽のように固化材料を一時的に貯留する機器には全て適用可能である。
【0030】
本発明による混合機は水平面から傾いた流動面を有するため、混合物中で粒子に強い上下運動がかかる。このため、比較的低速で撹拌翼を回転できるため混合物の飛散は非常に小さく、飛散性による付着を大幅に低減できる特徴がある。しかしながら、飛散物を完全に消滅させることはできないため、本発明では、さらに混合機の蓋を水平面から傾斜させ、または蓋自体の構造を重力下部方向に円錐系のコーン状にすることで、飛散した混合物が流れ落ち易くしている。このことも放射性二次廃棄物の発生を大幅に低減させる効果がある。
【0031】
本発明では、混合物が残存する構造でないこと、また混合物の排出を遠心力と重力の2つの力を利用して行っていることから、混合物はその流動性に依存した速度で完全に当該混合機から排出される。このため、混合物が一定量計量槽に流入する際の必要時間を測定すれば、混合物の流動性を確認することができる。この時間と、予め作製した混合物により測定したΡロート流下時間の相関を取得しておけば、混合した固化材量のΡロート流下時間を測定可能になる。これは容器からの排出時間を測定する従来手法に比較して、格段の測定精度の向上につながる。
【0032】
次に本発明では、洗浄廃液中のスラッジの回収に際しては、スラッジ回収槽の底部に200リットルドラム缶のような廃棄物の固化に使用できる容器を接続しておき、この容器中にスラッジを貯留し、一定量に達したら固化することを特徴としている。この方法によれば、スラッジ回収槽からスラッジを抜き出す必要がなく、回収作業に人手がかからない。またスラッジ回収槽を上記した混合機と同様に水平面から傾いた底を有する構造とすることにより、沈降したスラッジを全量回収できるようになる。回収したスラッジは、放射性廃棄物としてセメント固化することで安定化でき、その際にスラッジを乾燥させることにより、固化に必要な水セメント比を正確に確認できる。また、回収容器を乾燥させることにより、乾燥時間を短縮することができる。本発明では、洗浄廃液を乾燥して固化することを特徴としており、使用する乾燥装置については、種々適用することができる。
【0033】
本発明では、洗浄廃液の回収方法の別の手段として、雑固体廃棄物の収納ドラム缶と同じ位置に洗浄廃液受け槽を配置し、洗浄が必要となる毎に洗浄廃液受槽を固化材量の充填下部に配置し、混合機、計量槽、その間の配管や弁を洗浄した廃液を受けるようにする。この手段によれば、充填固化装置やその間の配管のラインに洗浄廃液の回収ラインを設置する必要がなく、全ての充填ラインを洗浄することができる。
【0034】
さらに、固化材の充填速度の制御手段として、固化容器に固化材料を充填する際に、計量槽下部に固化容器を設置して、計量槽から固化材料を自重で排出し、計量槽の単位時間当たりの重量変化を測定することにより充填速度を算出し、この算出結果により計量槽の出口に設置された排出弁の開度を調整することで任意の充填速度を設定する。本発明によれば、従来の雑固体廃棄物収納容器の液面の上昇と、目視による固化材量充填速度の制御に比較して自動化が容易である。また、特に粘性の高い固化材量の場合、正確な充填速度を得るためにポンプにより固化材量の充填速度を制御していたが、ポンプの設置が不要となり、固化設備のコスト低減に大きな効果がある。
【0035】
またセメントペーストもしくはモルタル、およびこれらと放射性廃棄物の混合物を取り扱う機器および配管において、機器の構成上これらの取り扱い物を弁で仕切る必要が生じる場合は、弁体と弁座との噛み合わせ部分の弁座側に中空のゴム状パッキンを設け、かつ、この中空のゴム状パッキンが空気圧ないし油圧で膨らむ構造である。本発明により弁体と弁座の間にスラッジが残存しても、スラッジ近辺の凹凸をゴム状パッキンが吸収することで密着性が向上できる。さらに、弁体が高速で回転する構造では、弁体に付着したスラッジを遠心力により強制的に排除できるため、より弁体と弁座の密着性を向上させる効果がある。同様の混合物を配管のような筒上の場所で仕切る方法としては、弁体を中空のゴムとし、このゴム状弁体を空気圧ないし油圧で膨張して弁体と配管内面を密着させる。本発明により、スラッジによる凹凸をゴム状弁体で吸収することで、弁体と配管内而の密着性を向上させる効果がある。
【0036】
以上のように、本発明によれば、放射性廃棄物を固化して安定な固化体にすることが可能となる。また、上述した混合機、計量槽、さらには洗浄廃液の受槽等は雑固体廃棄物を充填固化する場合以外にも、放射性廃液や廃液を浄化するために使用して発生する使用済みイオン交換樹脂、またこれらは廃液や樹脂を乾燥させて減容した乾燥粉体、さらには乾燥粉体をぺレット状に成形したペレット廃棄物の固化にも適用することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
第1実施形態(請求項1〜5、18〜20対応)
図1は、本発明の第1実施形態の放射性廃棄物の固化処理装置の一例を示す構成図である。本構成図に示す放射性廃棄物の固化処理装置は、予め放射性廃棄物が入った固化容器にセメント系固型化材料と混練水を混合した混合モルタルを充填して固定化するものであるが、混合機内で固型化材料と放射性廃棄物をして固形化する、いわゆる混練固化にも適用可能である。本構成図に従って本実施形態の概要を説明する。
【0038】
本実施形態の放射性廃棄物の固化処理装置は、各固型化材料の貯留槽、即ち、セメントの貯留槽1と、骨材の貯留槽2と、混和剤の貯留槽3と、混練水4の供給手段4aとを有する。さらに、セメントおよび骨材の計量槽5と、混和剤計量槽6と、混練水計量槽7とを有する。これらの計量槽で各固型化材料を計量して混合機8に投入して混合するようになっている。混合機8の胴体は円筒型で、排出口9が混合槽10の底部の端にあり、高速剪断ブレード型混合機もしくはパン型混合機とされている。
【0039】
本実施形態では、混合機8を排出口9側に向かって傾斜させて設置し、もしくは図2に示すように、混合機8の混合槽10の底部を排出口9に向けて傾斜させるとともに、その傾斜角度に合せて撹拌翼11を傾斜させた構造としている。
【0040】
これによって、従来では遠心力による横運動のみで混合するため、混合槽10中心部にボルテックス部ができて混合容量が稼げず、高速で回転するため飛散や材料分離を起こし易かったのに対し、本実施形態では、これに縦方向への運動が加わるため、ボルテックスが解消されて、混合容量が多くなる他、材料分離を防止して混合性が向上する効果が得られる。
【0041】
さらに、飛散を少なくして強力に混合できるうえ、混合槽10の底部と混合機撹拌翼11とを排出口9に向かって傾斜させたことにより、従来では撹拌翼で掻き出された以外のものがクリアランス部分等に残留してしたのに対し、重力で排出口9へと導かれかつ撹拌翼11で排出口9へと掻き出されるため、殆どの固化材料もしくは洗浄後のスラッジが排出できる。このため、排出性と混合槽10内の洗浄性を大幅に向上できる効果が得られる。この際の傾斜角度は、3〜35゜の範囲に入るのが望ましい。これよりも角度が低いと効果が望めず、逆に角度が高いと混合性能が低下する。
【0042】
さらに本実施形態では、図3に示すように、混合機8の蓋12が頂点を下向きにした円錐状とされている。これによって、混合時に蓋12に飛散した固型化材料が付着せずに落下し易くなる。また、混合槽10内の側面を伝って落下するモルタルの量が減少するため、付着量低減と洗浄性向上に効果がある。
【0043】
また、混合機8で混合した混合ペーストないしモルタルは、モルタル計量槽13に投入して計量した後、予め放射性廃棄物が入っているドラム缶等の固化容器14に充填し、放射性廃棄物を固定化する。この際、振動機15を用いながら充填することも可能である。また、充填固化する対象となる放射性廃棄物は、放射性物質取扱い施設から発生する雑固体廃棄物、濃縮廃液や使用済イオン交換樹脂のペレット状廃棄物である。廃棄物を混合ペーストないしモルタルで充填した固化容器14は、固化容器移送機16により養生室17へ移送し、一定期間養生する。
【0044】
固型化材量混合後の混合機8およびモルタル計量槽13には、水を供給して洗浄する。この際、混合機は上述したような構造とすることで、洗浄水の排出性向上に効果がある。洗浄水は洗浄水受槽18に移送し、スラッジはここで沈降させて回収する。上澄み水は、上澄み水受槽19に移送して回収する。
【0045】
第2実施形態(請求項6〜8対応)
図4に示すように、モルタル計量槽13の底部を排出口22に向けて下り傾斜させ、その傾斜角度に合わせて撹拌翼21を傾斜させた構造としている。本実施形態では、基本的な構成については図1と略同様である。
【0046】
このような構成において、固型化材料と混練水を混合機8で混合した混合モルタルを、混合機排出口9からモルタル計量槽13へ供給し、重量計20で重量を計測してから固化容器14に供給する。なお、モルタル計量槽13にはモルタルの流動性を低下させないための撹拌翼21が設けてあり、いわゆるアジテータを用いてもよい。
【0047】
このような構成とすることで、上記第1実施形態で述べた混合機と同様の作用により、モルタル計量槽13の洗浄性および排出性を大幅に向上できる。従来のモルタル計量槽13は、円錐型でかつ中央部分に排出口が有るため、撹拌しても排出口に向かって押し込む効果は得られていなかったが、この点を克服することができる。
【0048】
さらに本実施形態では、混合機8で混合したモルタルをモルタル計量槽13に排出する際に、排出口9の排出弁23が開くと同時に時間計測機24が作動し、モルタル計量槽13に供給されたモルタルが液位計25で規定値に達した時点で時間計測が停止する構造とするようになっている。
【0049】
これにより、混合されたモルタルが混合機8からモルタル計量槽13に規定量供給される時間を計測する。この計測時間から、時間計測機24と予めこの時間とモルタル流動性との相関をインプットした流動性判別器26により混合モルタルの流動性を瞬時に判別する。
【0050】
従来では混合終了後に人手でサンプリングしてモルタルの流動性を測定していたが、本実施形態によれば、無人で瞬時に流動性を判別できるため、時間の効率化およびコストダウンの効果が得られる。なお、モルタルの流動性については、土木学会に規格されたプレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法に用いられるΡロートを用いた流下時間を適用する。また、流動性判別器26には一般的なデータロガーが適用可能であり、モルタル計量槽13への移送時間が目標値から外れた場合は、廃棄物へのモルタル充填性および廃棄体への物性に影響することが懸念されるため、固化容器14へのモルタル充填を中止することができる。なお、モルタルの充填を中止した場合は、モルタル計量槽13内での固着を防ぐため空の容器にモルタルを排出するが、モルタル計量槽13からの排出ラインを分岐して混合機8に再度戻るようにしても良い。これによって、モルタルの流動性を再調整して使用することが可能となる。
【0051】
第3実施形態(請求項9、10、11〜13対応)
本発明の第3実施形態による放射性廃棄物の固化処理装置の一例を図5(A)に示す。なお、基本的な構成は図1と略同様である。
【0052】
本実施形態では、混合したモルタルを排出した混合機8とモルタル計量槽13ならびにモルタルが通過した配管などは水や洗浄廃液の上澄み水28等により洗浄され、この洗浄廃液27は洗浄水受槽18に受け入れられ、ここで静置して上澄み水28とスラッジ29に分離される。上澄み水28は、オーバーフローすることで上澄み水受槽19に移送される。
【0053】
また本実施形態では、上記洗浄水受槽18とスラッジ回収容器30が一体となっている。これにより、洗浄水受槽18に受け入れられた洗浄廃液27が静置する事でスラッジ29が沈降し、回収操作をすることなくスラッジ29を回収容器30に回収することができる。
【0054】
また、洗浄水受槽18とスラッジ回収容器30は取付けと取り外しが自在な構造となっている。このため、前記スラッジ回収容器30にスラッジ29が充満したら洗浄水受槽18下部に仕切りをしてスラッジ回収容器30を分離し、新たなスラッジ回収容器30を取り付けてある。
【0055】
さらに、分離したスラッジ29が充満したスラッジ回収容器30について、スラッジを乾燥した後に固化容器14に収納し、混合したセメントペーストもしくはモルタルで固化容器14内を充填して固型化するようにしてある。回収したスラッジ29を乾燥するのは、回収したスラッジ29自体は沈降して固形化するが、水分が非常に多く、その水分の割合も一定しないためである。また、固化容器14に納めた後に固形化するのは、このようなスラッジ29はセメントの水和反応がかなり進んでいるために強度が殆どなく、そのままでは廃棄体として適さないためである。
【0056】
さらに、本実施形態の放射性廃棄物の固化処理装置では、洗浄廃液27を受け入れる場合は固化容器移送機16により洗浄水受槽18を混合したモルタルの充填位置に移し、また固化容器に14に混合モルタルを充填して放射性廃棄物を固形化する際は固化容器14をモルタル充填位置に設置する。これによって、モルタル計量槽13からの排出ラインを分岐する必要がなくなり、洗浄が必要となるラインを最低限まで短くすることができる。
【0057】
ここで、図5(B)に示した従来例を説明し、本実施形態の効果を明かとする。従来では、図5(B)に示すように、混合機8やモルタル計量槽13を洗浄する際は、モルタルの排出ラインを固化容器14から洗浄水受槽18に切り替えてから実施していた。これに対し、本実施形態では、固化容器移送機16により固化容器14と洗浄水受槽18の位置を任意に変更できるため、モルタルおよび洗浄廃水の排出ラインを切り替える必要がなくなり、排出ラインの洗浄を簡易にすることができる。
【0058】
また、従来では、洗浄水受槽18に沈降したスラッジ29を人手で回収し、これを処分するために混合機8によりセメントと再混合して固化体とし、処分していたのに対し、本実施形態では、スラッジ29をスラッジ回収容器30に直接受けるため、回収作業の手間や機器が不要である。また、スラッジを乾燥することでスラッジ29の性状が一定し、モルタルを充填するだけで処分が可能となる。
【0059】
さらに、本実施形態では、モルタルは再混合する必要がなく、通常の運転時に余分となったモルタルを充填することで対応できることから、スラッジ29とモルタルを混合するための機器が不要となり、かつ、2次的な洗浄廃液が発生しない効果が得られる。
【0060】
また、前述したスラッジ回収容器30に回収したスラッジ29を乾燥する場合には、スラッジ回収容器30を加熱保持することで乾燥時間を短縮することができる。この一例を図6に示す。
【0061】
図6に示すように、スラッジ29を回収したスラッジ回収容器30を加熱容器31に収納する。この加熱容器31には加熱制御器32で加熱温度が制御されたヒーター33がスラッジ回収容器30を巻くように設置されており、その回りを保温材34が覆った構造となっている。加熱されて蒸発したスラッジ29中の水分は、凝縮器35で気液分離され、凝縮水として洗浄廃液27の上澄み水受槽19に回収される。なお、加熱装置としては、通常のドラムヒーターやボイラーからの蒸気供給による装置等が適用可能である。
【0062】
第4実施形態(請求項10対応)
本発明の第4実施形態による放射性廃棄物の固化処理装置の一例として、前記洗浄水受槽にスラッジ回収容器を接続しない場合についての構成例を図7に示す。基本的な構成は図1および図5と略同様である。
【0063】
本実施形態では、上記洗浄水受槽18の底部を傾斜し、堆積したスラッジ29を撹拌するスラッジ撹拌機を洗浄水受槽の底部に設置し、この傾斜角度に合わせてスラッジ撹拌機の撹拌翼38を傾斜させた構造としてある。
【0064】
混合したモルタルは、モルタル計量槽13で計量した後、固化容器14に充填して放射性廃棄物の固定化に供する。一方、モルタル充填後の混合機8やモルタル計量槽13ならびにモルタルが通過した配管などは水により洗浄して、この洗浄廃液27は洗浄水受槽18に受け入れ、ここで静置して上澄み水28とスラッジ29に分離する。上澄み水28は、オーバーフローすることで上澄み水受槽19に移送される。この上澄み水28は、上澄み水ポンプ36により汲み上げて、混練水もしくは洗浄水として再利用する。また、洗浄水受槽18に沈降したスラッジ29は、スラッジポンプ37により汲み上げて、スラッジ回収容器30に回収して処分する。
【0065】
従来のように洗浄水受槽にそのまま回収したのでは、槽内で固着して硬化するため、人手で回収する事が必要であった。また、人手では全てのスラッジを回収しきれない問題があった。これに対し、本実施形態によれば、沈降したスラッジ29が洗浄水受槽18底部の傾斜により徐々に底部へ動かされることにより完全には固着せず、かつ、傾斜角度に合わせたスラッジ撹拌翼を起動することでスラッジを分散させることができる。これにより、堆積したスラッジ29を固着させることなく、さらに均一に回収することができる。
【0066】
また、洗浄水受槽18底部の傾斜側に排出口を設けて直接スラッジ回収容器30にスラッジ29を回収することで、スラッジ回収ラインを必要とせず、効率良くスラッジを回収することができる。
【0067】
第5実施形態(請求項14対応)
本発明の第5実施形態による放射性廃棄物の固化処理装置の一例を図8に示す。基本的な構成は図1と略同様である。
【0068】
本実施形態では、混合機8で混合されたモルタルは、モルタル計量槽13で計量した後、本計量槽下部に設置された固化容器14に充填し、放射性廃棄物を固定化するようにしている。このモルタル計量槽排出口22からモルタルを自重で排出する際、モルタル計量槽13に設置した重量計20で重量変化を測定し、モルタル流量制御装置39により単位時間あたりの重量変化からモルタルの固化容器14への充填流量を求める。
【0069】
さらに、モルタル流量制御装置39とモルタル計量槽排出弁40を連動させ、任意のモルタル充填流量に調整する。
【0070】
これにより、従来とは異なり、モルタル充填用のポンプを必要とせずにモルタルを自重で任意の流量で充填できるため、モルタル充填ポンプのメンテナンスが不要となり、コスト低減が図れるようになる。
【0071】
第6実施形態(請求項15〜17対応)
本発明の第6実施形態による放射性廃棄物の固化処理装置の一例を図9に示す。基本的な構成は図1と同様である、本実施形態では、混合機やモルタル計量槽を洗浄せずに繰り返し使用する際についてのものである。
【0072】
従来の装置では、混合機やモルタル計量槽を洗浄せずに繰り返し使用すると、排出弁に付着した固型化材料等が排出弁の弁体と弁座の間に咬み込み、これによって排出弁が閉まっても隙間ができ、投入した固型化材料が洩れてしまう問題があった。
【0073】
これに対し、本実施形態では、底部が排出口に向かって下り傾斜している混合機8により、固型化材料と混練水等とが混合されたモルタルを、エアーシリンダー41により排出弁23の弁体42を開けて排出する。この後、再び排出弁23を閉めて混合機8を洗浄せずに、固型化材料と混練水を連続的に混合する。この際、弁体42を高速で回転させて弁体42への付着物を除去してから、排出弁23を閉じる。
【0074】
そして、排出弁23が閉じると同時に弁座43に取り付けられた内面が中空のゴム状パッキン44に空気圧調整器45から空気を供給し、排出弁23閉止時のシール性を高める。なお、本図ではゴム状パッキン44を膨張させるのに空気が用いられているが、油圧によって行うことも可能である。この際は、図9の空気圧調整器45が油圧調整器に置き変わる。これによって、弁座43に固型化材料等が付着していても排出弁23からの漏洩を起こさずに、連続的に混合が可能となる。
【0075】
なお、弁体42がエアーシリンダー41で閉じられているときの圧力は5〜6kg/cm2 である。このため、ゴム状パッキン44内に供給する空気もしくは油の圧力はこれ以下である必要があり、かつ、4〜5kg/cm2 が望ましい。
【0076】
なお、本実施形態では混合機8を用いた場合について説明したが、混合機8を前述したモルタル計量槽13もしくは洗浄水受槽18に置き換えた場合でも、同様に排出弁のシール性向上効果が得られる。
【0077】
固型化材料もしくは混合する廃棄物中に粒径が数mm以上の大きいものが含まれる場合には、上記の装置でも排出弁に付着した際のシール性を完全には満足できない可能性がある。その場合は、混合機等の排出弁を図10に示す構造にすることで改善できる。
【0078】
図10は、混合機を対象としたものであるが、モルタル計量槽や洗浄水受槽を対象としてもよい。概要は、混合機8の排出口9からの配管内に内面が中空となっているゴム状の弁体46を設ける。このゴム状弁体46は、空気圧調整機45により内面の空気圧が調整できるようになっており、これによって膨張および収縮する構造になっている。
【0079】
即ち、このゴム状弁体46が膨張、収縮することによって、排出口9の開閉を行うことを特徴とする。このゴム状弁体46は弾性体であり、排出口9付近に比較的大きな数mm程度の付着物が残っていても回りを覆って完全に密着するため、シール性を失わずに排出口23を閉めることができる。
【0080】
なお、排出口9閉止時にゴム状弁体46に供給する空気の圧力は、通常の弁体42閉止時の5〜6kg/cm2 と同等で良い。また、本実施形態ではゴム状弁体46の膨張、収縮に空気圧を用いているが、油圧によっても行うことが可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上で詳述したように、本発明に係る放射性廃棄物の固化処理装置によれば、セメント系固型化材料と混練水もしくはセメント系固型化材料と混練水および放射性廃棄物を良好に混合でき、かつその混合機およびモルタル計量槽さらには洗浄水受槽からの排出性と洗浄性を大幅に向上することができる。また、混合したモルタルの流動性を瞬時に判別できる機能と、固化容器への充填流量をポンプを用いずに制御できる機能を有し、さらに、混合機等を洗浄せずに繰り返し使用できる機能と、洗浄スラッジを回収することなく容器に収納できる機能を有することにより、従来人的作業が中心であった項目を、機械的に実施できることが可能となり、作業の効率化とコスト低減に大幅に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射性廃棄物固化処理装置の第1実施形態を示す系統図。
【図2】本発明の第1実施形態における混合機を示す概略図。
【図3】本発明の第1実施形態における混合機蓋を示す概略図。
【図4】本発明に係る放射性廃棄物固化処理装置の第2実施形態を示す系統図。
【図5】(A)は本発明に係る放射性廃棄物固化処理装置の第3実施形態を示し、(B)は比較のために示した従来例を表す系統図。
【図6】本発明の第3実施形態におけるスラッジ回収容器加熱装置を示す概略図。
【図7】本発明に係る放射性廃棄物固化処理装置の第4実施形態を示す系統図。
【図8】本発明に係る放射性廃棄物固化処理装置の第5実施形態を示す系統図。
【図9】本発明に係る放射性廃棄物固化処理装置の第6実施形態を示す系統図。
【図10】本発明に係る放射性廃棄物固化処理装置の第6実施形態におけるゴム状弁体を示す概略図。
【符号の説明】
1 セメント貯留槽
2 骨材貯留槽
3 混和剤貯留槽
4 混練水
4a 混練水の供給手段
5 セメント・骨材計量槽
6 混和剤計量槽
7 混練水計量槽
8 混合機
9 混合機排出口
10 混合槽
11 混合機撹拌翼
12 混合機蓋
13 モルタル計量槽
14 固化容器
15 振動機
16 固化容器移送機
17 養生室
18 洗浄水受槽
19 上澄み水受槽
20 重量計
21 モルタル計量槽撹拌翼
22 モル夕ル計量槽排出口
23 混合機排出弁
24 時間計測機
25 液位計
26 流動性判別機
27 洗浄廃液
28 上澄み水
29 スラッジ
30 スラッジ回収容器
31 加熱容器
32 加熱制御機
33 ヒーター
34 保温材
35 凝縮器
36 上澄み水ポンプ
37 スラッジポンプ
38 スラッジ撹拌翼
39 モルタル流量制御装置
40 モルタル計量槽排出弁
41 エアーシリンダー
42 弁体
43 弁座
44 ゴム状パッキン
45 空気圧調整機
46 ゴム状弁体
46 ゴム状弁体(膨張時)
47 ダクト

Claims (14)

  1. セメント系固型化材で放射性廃棄物を固化処理する放射性廃棄物の固化処理装置において、固型化材料と混練水との混合、もしくは固型化材料と混練水と放射性廃棄物との混合を行う混合機を備え、この混合機の胴体を円筒形状とするとともに、この混合機の底部の端に1個所の混合物排出口を設け、この排出口が下向きとなるように前記混合機を傾斜させて設置し、もしくは前記混合機の胴体を鉛直に設置するとともに前記混合機の底部が傾斜して排出口が下向きとなる形状とし、前記混合機の傾斜角度または前記混合機の底部の傾斜角度に合わせて撹拌翼の軸を傾斜させた構成とし、且つ計量槽の底部を排出口に向けて傾斜させ、その傾斜角度に合わせて撹拌翼の軸を傾斜させた構造とし、さらに前記混合機の蓋を、水平面から傾斜させ、もしくは頂点を下向きとした円錐形とする一方、前記混合機で混合したセメントペース卜もしくはモルタルが前記混合機から排出してから前記計量槽に規定量入るまでの時間を測定する機能、前記混合機で混合したセメントペーストもしくはモルタルが前記混合機から排出して前記計量槽に規定量入るまでの時間を測定する機能、および予め求めてあるセメントペーストもしくはモルタルのPロート流下時間との相関により前記混合機で混合したセメントペーストもしくはモルタルの流動性を確認する機能を有する構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  2. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、混合機が高速剪断ブレード型もしくはパン型の混合機であることを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  3. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、混合機および計量槽を洗浄した洗浄廃液を洗浄水受槽に受入れ、洗浄廃液中のスラッジ成分を洗浄水受槽の底部に接続したスラッジ回収容器に沈降濃縮する構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  4. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、洗浄水受槽にスラッジ回収容器を接続することに代え、洗浄水受槽の底部を傾斜させ、堆積したスラッジを撹拌するスラッジ撹拌機を洗浄水受槽の底部に設置し、底部の傾斜角度に合わせてスラッジ撹拌機の撹拌翼の軸を傾斜させる構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  5. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、スラッジ回収容器にスラッジが充満した場合、スラッジ回収容器を洗浄水受槽から分離し、スラッジが乾燥した後にスラッジ回収容器を固化容器内に納め、固化処理装置で混合したセメントペーストもしくはモルタルで固化容器内を充填して固形化する構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  6. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、スラッジ回収容器に充満したスラッジを乾燥する場合に、スラッジ回収容器を加熱保温することで乾燥時間を短縮する構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  7. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、洗浄水受槽に洗浄廃液を受入れる場合に、洗浄水受槽を固化容器充填位置に設置し、洗浄廃液受入後は洗浄水受槽を移動し、セメントペーストもしくはモルタルを充填する固化容器を充填位置に設置したことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  8. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、固化容器にセメントペーストもしくはモルタルを充填する際に、計量槽下部に固化容器を設置して、計量槽からセメントペーストもしくはモルタルを自重で排出し、計量槽の単位時間当たりの重量変化を測定することにより充填速度を算出し、この算出結果により計量槽の出口に設置された排出弁の開度を調整することで任意の充填速度を設定する構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  9. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、混合機もしくはモルタル計量槽もしくは洗浄水受槽のいずれかもしくは全ての排出弁について、弁体と弁座の噛み合わせ部分の弁座側に中空のゴム状パッキンを設け、かつ、この中空のゴム状パッキンが空気圧ないし油圧で膨らむ構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  10. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、放射性廃棄物の固化処理装置において、混合機もしくはモルタル計量槽もしくは洗浄水受槽のいずれかもしくは全ての排出弁について、その弁体が高速で回転する構成としたことを特徴とする放射比廃棄物の固化処理装置。
  11. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、放射性廃棄物の固化処理装置において、混合機もしくはモルタル計量槽もしくは洗浄水受槽のいずれかもしくは全ての排出口について、その排出口出口側の配管内に中空のゴム状弁体を設け、かつ、このゴム状弁体が空気圧ないし油圧で膨張収縮する構成としたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  12. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、前記放射性廃棄物が放射性物質取扱い施設から発生する不燃性雑固体廃棄物であることを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  13. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、放射性廃棄物が放射性物質取扱い施設から発生する廃液もしくは使用済イオン交換樹脂もしくはこれらの乾燥粉体もしくはこれらのペレット状廃棄物であることを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
  14. 請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理装置において、放射性廃棄物が放射性物質取扱い施設から発生する放射性可燃物の焼却灰もしくは焼却灰のペレット状廃棄物であることを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装置。
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