JP3886689B2 - ほう素含有廃棄物の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ほう素含有廃棄物の処理方法に関し、特に原子力発電所等の運転や改造または解体で発生する中ないし低レベルのほう素含有放射性廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ほう素含有廃棄物は、例えば加圧水型原子力(PWR)発電所などの各種の放射性物質を取り扱う施設から排出される。このような廃棄物(濃縮廃液など)中には放射性核種を含むほう酸が含まれるために、最終的に成分をセメントなどで固定化する必要がある。しかしながら、ほう酸はセメントの固化を妨害するため、セメント中へ添加できるほう酸量には限界があり、例えば200Lのセメント固化体1つ当たりに固化できるほう酸の重量は約10kg程度にすぎず、廃棄物固化体の量の多さが問題となっている。このほう酸がセメントの硬化を妨害するメカニズムは、セメントの主成分であるCaが廃液中のほう酸と反応して生成するほう酸カルシウム化合物の膜が、セメント粒子の表面を覆い、水和反応の進行を停止させるためと考えられている。
【0003】
廃棄物固化体の量を低減する方法としては、濃縮廃液中のほう酸を予め不溶化し、セメントと混合した際に反応しないようにする、例えば濃縮廃液中に予めカルシウム化合物を添加してほう酸を不溶性のほう酸カルシウムとする方法が提案されている。特開昭59−12399号公報には、約70℃の濃縮廃液に水酸化カルシウムのようなカルシウム化合物を添加して、40℃以下の温度で熟成し、ほう酸カルシウムの粒子を析出させ、この析出粒子を分離してセメント固化させる方法が開示されている。この方法によれば、単に濃縮廃液をセメントに混ぜて固化する場合に比べ、廃棄物固化体の発生量を1/3〜1/7に低減できる。また、特開昭59−18498号公報には、この熟成した析出物を乾燥機で乾燥させて粉体とし、この粉体を固化する方法が開示されている。さらに、特開平10−132997号公報には高温のスラリのまま乾燥機によって粉体化することにより、得られるセメント固化体の強度を高め、廃棄物固化体の発生量を低減する方法が開示されている。乾燥機としては伝熱効率が極めて高く、機器構成を簡単にできる竪型薄膜乾燥機の使用が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法には、ほう酸カルシウムの沈降、堆積によって廃液ライン(特に、乾燥機までの配管の歪曲部、流量計、ポンプ滞留部、各接続部)が詰まってしまう問題がある。また、ほう酸カルシウムの析出物をセメントと混練する際には、設備コスト、運転コスト低減の観点から放射性廃棄物固化容器の中で混練する方法、いわゆるインドラムミキシング法の適用が望まれるが、混練物の粘度の高さによる混練不良のため、粉末がそのまま残り実用化できなかった。また、インドラムミキシングにおいて駆動力を上げ混練力を強化しても、混練物の飛散、混練物のボルテックスの考慮から、貯蔵容器の60〜70%までしか混練物が入らず、結果的に廃棄物発生量が増大する問題があった。そのため専用の混練機を用いざるを得ず、設備コスト、運転コストが高くなる問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決しようとするものであって、本発明は、廃液ラインの詰まりを防止し乾燥機への廃液の供給性を向上したほう素含有廃液の処理方法を提供することを目的としている。さらに本発明は、ほう素含有粉体とセメント系粉体との混練時の粘度を低下させることによりインドラムミキシング法を可能とし、しかもセメント固化体の強度を高める、ほう素含有粉体の処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ほう素含有廃液に、アルカリ土類金属元素化合物のみならず、アルカリ金属元素化合物を添加して、高温に保持することにより、廃液ラインの詰まりを防止し乾燥機への廃液の供給性を向上することができることを見出し本発明を完成させた。さらに本発明者らは、この本発明の方法などの方法によって得られたほう素含有粉体が混和剤を含有するセメント系粉体との混練時の粘度を低下させ、インドラムミキシング法を可能とし、しかもセメント固化体の強度を高めることを見出し本発明を完成させた。
【0007】
したがって、本発明のほう素含有廃液の処理方法は、ほう素含有廃液に、アルカリ金属元素化合物およびアルカリ土類金属元素化合物を添加する工程と、次いで前記ほう素含有廃液を、乾燥粉体化する工程を有し、前記アルカリ金属元素化合物またはアルカリ土類金属元素化合物のいずれか一方の添加時から前記乾燥粉体化までの間の前記ほう素含有廃液の温度を、ほう素とアルカリ金属とを含む化合物およびほう素とアルカリ土類金属とを含む化合物の析出温度以上に維持することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のほう素含有廃棄物の処理方法は、ほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体と、セメント系固化材と、セメントの流動性を改善する混和剤と、水とを混練して固化することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
廃液処理方法
(ほう素含有廃液)
本発明の廃液処理方法において処理されるほう素含有廃液は、特に限定されないが、典型的には、放射性物質取扱い施設から発生するほう酸を含む廃液である。
【0012】
(アルカリ金属元素化合物)
本発明の廃液処理方法においては、アルカリ金属元素化合物を添加することを特徴とする。添加後のアルカリ金属元素化合物の量は、ほう素に対して好ましくはモル比で0.2以上、より好ましくは0.2〜0.5とする。処理されるほう素含有廃液には、廃液処理以前の添加によってアルカリ金属元素化合物が含まれることがあるが、その場合は、アルカリ金属元素化合物がほう素に対して好ましくはモル比で0.2以上であれば改めての添加をしないこともでき、本発明はそのような場合をも含む。
【0013】
アルカリ金属化合物としては、例えば、ナトリウムの水酸化物、硫酸化合物、硝酸化合物およびカリウムの水酸化物、硫酸化合物、硝酸化合物を挙げることができる。
【0014】
ほう素含有廃液にカルシウムなどのアルカリ土類金属元素化合物を添加するにあたり、ナトリウムなどのアルカリ金属化合物を添加すれば、析出物の沈降が抑えられ、配管内での閉塞の可能性が小さくなる。なお、アルカリ金属化合物の添加は沈降防止の観点だけでなく、廃棄物発生量の低減や固化体の物性向上も期待できる。その理由としては、アルカリ金属化合物添加により廃液の粘性が上昇することや、廃液の密度が高くなること、またアルカリ金属化合物イオンの存在により析出物の粒子の表面電位が強くなり、お互いに反発しあう効果によるものと考えられる。
【0015】
(アルカリ土類金属元素化合物)
本発明の廃液処理方法においては、アルカリ土類金属元素化合物を添加することを特徴とする。添加後のアルカリ土類金属元素化合物の量は、好ましくはほう素に対してモル比で0.2〜0.8、より好ましくは0.2〜0.7とする。
【0016】
また、アルカリ金属元素化合物を先に添加して溶解させた後にアルカリ土類金属化合物を添加して溶解させると析出物沈降の抑制効果の点で好ましい。
【0017】
アルカリ土類金属化合物としては、例えばカルシウムの水酸化物、硫酸化合物、硝酸化合物およびマグネシウムの水酸化物、硫酸化合物、硝酸化合物を挙げることができる。
【0018】
(乾燥粉体化する工程)
本発明の廃液処理方法においては乾燥粉体化工程を含むが、好ましくはこの乾燥工程を乾燥機を用いて、より好ましくは竪型薄膜乾燥機を用いて行う。
【0019】
(ほう素含有廃液の温度)
本発明においては、アルカリ金属元素化合物またはアルカリ土類金属元素化合物のいずれか一方の添加時から前記乾燥粉体化までの間、ほう素含有廃液の温度を、ほう素とアルカリ金属との化合物の析出温度(熟成温度)以上であってかつほう素とアルカリ土類金属との化合物の析出温度(熟成温度)以上に維持する。好ましくは、ほう素含有廃液の温度を60℃以上、より好ましくは廃液の温度を80℃以上に維持する。このように温度を高温に維持することによって、廃液中に分散したほう酸カルシウム析出物が熟成され巨大粒子となることによって生じる、配管内に存在する低流速部での沈降、配管への付着による抵抗の増大、配管の閉塞を防止することができる。
【0020】
(好適態様のフロー図)
図1は、本発明のほう素含有廃液の処理方法の一つの好適態様を説明するのフロー図である。この態様においては、原子力発電所等から発生するほう酸主成分の放射性ほう酸含有廃液1を80℃以上の温度に加熱2した後、NaやKのようなアルカリ金属元素化合物3を添加して廃液1を中和し、さらに、CaやMgのようなアルカリ土類金属化合物4を添加して主成分であるほう酸を不溶化する。そして、得られる不溶性のほう酸化合物を含む廃液(不溶性ほう酸廃液)を上記温度を保ちながら乾燥機に供給して乾燥処理5し、乾燥粉体6として減容する。この乾燥粉体6は、セメント系の固化材と共に固化することができる。
【0021】
ほう素含有廃棄物(粉体)の処理方法
(ほう素含有廃棄物の処理)
本発明のほう素含有廃棄物の粉体は、アルカリ金属とアルカリ土類金属を含むものであり、例えばほう酸カルシウムとほう酸ナトリウムからなるもの、好ましくはアルカリ性の粉体である。また本発明は、この粉体と、セメントと、セメントの流動性を改善する混和剤とを組み合わせることに特徴がある。本発明では、この組み合わせにより、混和剤の粘度低下の効果を十分には得ることのできなかった従来のほう素含有廃棄物と異なり、予想外にも混和剤の効果を十分発揮させることができる。この組み合わせにより、ほう素含有廃棄物とセメント系固化材との混練時の流動性が高まり、非常にマイルドな条件で混練が可能となり、はじめてインドラムミキシングが可能となる。また、固化後のセメントの強度が高まる効果もある。
【0022】
(ほう素含有粉体)
本発明の好ましい態様においては、処理される粉体を前記ほう素含有廃液の処理方法によって得られたほう素含有粉体とする。前記方法による場合、好ましくは廃液を80℃以上として乾燥機に供給することにより、混練時の流動性向上、固化後の物性向上効果が高まる。なお、操作が途中で中断する事態、例えば日直終了や昼休み、あるいは万が一のトラブル等で廃液の温度が低下した場合であっても、再度廃液を80℃以上に加熱すれば、上記効果が認められる。
【0023】
なお、セメント系固化材は予め廃棄物貯蔵容器に収納して固化施設に搬入すれば、放射線管理区域での作業のみならず、ホッパや計量機といったような機器類を管理区域に設置する必要が無く、建屋容積を低減でき、放射性廃棄物処理に係る費用を大幅に低減できる効果がある。また乾燥粉体の廃棄物貯蔵容器への添加は、専用の計量槽と計量機を使うことも可能であるが、廃棄物貯蔵容器の重量計量による制御も可能であり、この場合は計量槽及び計量機を省ける効果がある。
【0024】
(セメント系固化材)
本発明においてほう素含有廃棄物を固化するために用いられるセメント系固化材は、特に限定されないが、例えば、ポルトランドセメント単独、ポルトランドセメントと高炉スラグの混合物およびポルトランドセメントとフライアッシュの混合物を挙げることができる。
【0025】
セメント系固化材の供給にあたっては、例えば放射性廃棄物処理設備に設置されたセメント系固化材サイロより廃棄物貯蔵容器の中にセメント系固化材を供給する方法、廃棄物貯蔵容器の中に予め固化に必要な量のセメント系固化材を供給する方法が挙げられる。この場合、好ましくは廃棄物貯蔵容器の中のセメント系固化材は、当該放射性廃棄物処理設備以外の施設で計量添加された後、当該放射性廃棄物処理施設に搬入する。このように、セメント系固化材を予め廃棄物貯蔵容器に収納して固化施設に搬入すれば、放射線管理区域での作業のみならず、ホッパや計量機といったような機器類を管理区域に設置する必要が無く、建屋容積を低減でき、放射性廃棄物処理に係る費用を大幅に低減できる効果がある。
【0026】
(セメントの流動性を改善する混和剤)
セメントの流動性を改善する混和剤としては、一般に用いられるものであってもよいが、好ましくは、ほう酸をアルカリ金属元素化合物およびアルカリ土類金属元素化合物で前処理してアルカリ性を帯びた粒子に転換した粉体に対しても流動性改善効果があるリン酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ガラス、リグニンスルホン酸、カルボン酸およびナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒドが挙げられる。
【0027】
この混和剤は、前記セメント系固化材100重量部に対し0.5重量部以上とすると、インドラムミキシングを好適に行うことができる。
【0028】
(混練)
本発明においてセメント系固化材とほう素含有廃棄物との混練は典型的には廃棄物の貯蔵容器の中で行うが、廃棄物の貯蔵容器以外の容器や装置で混練することを排除するものではない。廃棄物の貯蔵容器としては特に限定されないが、例えばドラム缶であることができる。
【0029】
(手順)
本発明においてセメント系固化材とほう素含有廃棄物との混練の手順は特に限定されるものではないが、好ましくは、セメント系固化材とセメントの流動性を改善する混和剤と水とを混練してセメントスラリを調製し、このセメントスラリ中に、ほう素含有廃棄物(粉体)を投入した後セメントを固化させる。より好ましくは、混和剤と前記セメント系固化材を予め混合し、その後混練を行う。この操作によりスラリの粘性は非常に小さくなる上に、混和剤はスラリ中に均質かつ容易に分散される。
【0030】
廃液処理装置
(ほう素含有廃液の処理装置)
本発明の方法に用いられるほう素含有廃液の処理装置は、少なくとも、ほう素含有廃液の貯蔵手段と、アルカリ金属元素化合物を前記ほう素含有廃液に供給する手段と、アルカリ土類金属元素化合物を前記ほう素含有廃液に供給する手段と、前記ほう素含有廃液を乾燥粉体化する手段と、前記ほう素含有廃液の温度を調節する手段とを具備している。
【0031】
(ほう素含有廃液の貯蔵手段)
本発明の方法に用いられるほう素含有廃液の貯蔵手段は、ほう素含有廃液を貯蔵できる容器であれば限定されないが、例えば放射性物質取扱い施設から発生するほう酸廃液を貯留する廃液タンクであり、好ましくは以下に記載する各種の手段が装着されているものである。
【0032】
(アルカリ金属化合物の供給手段)
本発明において、アルカリ金属化合物の供給手段は特に限定されず、単なるアルカリ金属化合物を入れる容器であってもよいが、好ましくは廃液タンクに接続したアルカリ金属元素化合物タンクとする。
【0033】
(アルカリ土類金属化合物の供給手段)
本発明において、アルカリ土類金属化合物の供給手段は特に限定されず、単なるアルカリ土類金属化合物を入れる容器であってもよいが、好ましくは廃液タンクに接続したアルカリ土類金属元素化合物タンクとする。
【0034】
(ほう素含有廃液を乾燥粉体化する手段)
本発明において、ほう素含有廃液を乾燥粉体化する手段は特に限定されず、バッチ式の乾燥装置であることもできるが、好ましくは廃液ラインに接続した乾燥機、より好ましくは、竪型薄膜乾燥機とする。
【0035】
(ほう素含有廃液の温度調節手段)
本発明において、ほう素含有廃液の温度調節手段は特に限定されず、貯蔵手段や廃液ラインの外部から温度調節を行う方法、雰囲気全体を加熱する方法、廃液内に温度調節手段を挿入する方法などであってよいが、好ましくはほう酸廃液内に加熱装置を挿入して温度制御する温度制御器とする。
【0036】
(廃液ライン)
本発明の方法に用いられるほう素含有廃液の処理装置においては、必ずしも廃液ラインは必要ではないが、好ましくは、ほう素含有廃液タンクと乾燥機とを廃液ラインで接続する。この廃液ラインは好ましくは乾燥機に接続するまでに、水平面に対して平行または下り勾配で接続する。
また、この廃液ラインは乾燥機に入るまでに、同一の口径、または前記乾燥機方向に向けて大きな口径となるように形成する。このようにすることで、廃液の滞留をなくし、沈殿生成やさらに配管詰まりを効率よく防ぐことができる。
【0037】
本発明において設けることのできる廃液ラインには、さらに流量計、温度制御器(加熱器)、給液ポンプおよび加振機の1種以上を設けることが好ましい。これらのうち、流量計は、好ましくは廃液タンクから流出する廃液の流量を非接触で測定するもの、より好ましくは電磁流量計とする。給液ポンプは好ましくはスクリューポンプ、加振機は好ましくは超音波発振機とする。また、好ましくは温度制御器(加熱器)は、廃液ライン内に凹凸を形成しない態様とする。これらは、析出物を廃液中に安定に分散させて沈降を抑え配管中の閉塞を防止するうえで有効であり、特に加振機を設けて廃液流体に振動を与えることは、析出物の分散性を上げ粒子の巨大化を防止したり、万一沈降した粒子を再び流体中に分散させるうえで有効である。このように流量計やポンプの構造が流体通路に抵抗を作ることがないように電磁流量計にしたり、スクリューポンプにすることにより、析出物の熟成による巨大化を防止でき、粒子を流体中に分散させ沈降を生じさせず、さらに沈降した粒子を再度流体中に分散でき、配管閉塞のない、きわめて信頼性の高いほう素含有廃液の処理装置が提供可能となる。
【0038】
ほう素含有廃棄物の処理装置
(ほう素含有廃棄物の処理装置)
本発明の方法に用いられるほう素含有廃棄物(固体状、好ましくは粉体状のもの)の処理装置は、ほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体を混練用容器に供給する手段と、セメント系固化材を混練用容器に供給する手段と、セメントの流動性を改善する混和剤を混練用容器に供給する手段と、水を混練用容器に供給する手段と、混練用容器中で、ほう素含有粉体とセメント系固化材と混和剤と水とを混練する手段とを少なくとも具備するものである。以下これらにつき説明する。
【0039】
(ほう素含有粉体の供給手段)
本発明において、ほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体(ほう素含有粉体)の供給手段は特に限定されないが、好ましくはほう素含有粉体を貯留する貯槽、好ましくは下部に排出口のあるものとする。
【0040】
(セメント系固化材の供給手段)
本発明において、セメント系固化材の供給手段は特に限定されないが、好ましくはセメント系固化材を貯留する貯槽、好ましくは下部に排出口のあるものとする。
【0041】
(混和剤の供給手段)
本発明において、混和剤の供給手段は特に限定されないが、好ましくは混和材を貯留する貯槽、好ましくは下部に排出口のあるものとする。
【0042】
(水の供給手段)
本発明において、水の供給手段は通常用いられるものであれば特に限定されない。
【0043】
(混練用容器)
本発明において、混練用容器は特に限定されなく、専用の混練用容器であることもできるが、好ましくは、廃棄物貯蔵容器そのもの、例えばドラム缶とする。
【0044】
(混練手段)
本発明において、混練手段は特に限定されず、専用の混練機を用いることも排除されないが、好ましくは、インドラムミキシングが可能な、廃棄物貯蔵容器中の物質を混練する混練羽根が挙げられる。
【0045】
(ほう素含有粉体の生成手段)
本発明のほう素含有廃棄物の処理におけるほう素含有粉体の生成手段は、例えば前記のように、ほう素含有廃液の貯蔵手段と、アルカリ金属元素化合物をほう素含有廃液に供給する手段と、アルカリ土類金属元素化合物をほう素含有廃液に供給する手段と、ほう素含有廃液を乾燥粉体化する手段と、ほう素含有廃液の温度を調節する手段とからなることができる。セメント固化体の製造まで含めると、具体的には例えば、放射性物質取扱い施設から発生するほう酸廃液を貯留する廃液タンクと、この廃液タンクに接続したアルカリ金属元素化合物タンクと、この廃液タンクに接続したアルカリ土類金属化合物タンクと、ほう酸廃液を加熱して温度制御する温度制御器と、廃液タンクに接続した廃液ラインと、タンクからの溶液を受ける竪型薄膜乾燥機と、この乾燥機と廃液タンクとを接続する廃液ラインに設けられた流量計、加熱器および給液ポンプと、乾燥機から発生する乾燥粉体を貯留する貯槽と、貯槽からの乾燥粉体を受ける放射性廃棄物貯蔵容器と、混和剤を添加する貯槽と、廃棄物貯蔵容器中の物質を混練する混練羽根とから少なくともなることができる。
【0046】
【実施例】
本発明の実施の形態の例を図を用いながら説明する。
【0047】
ほう素含有廃液の処理
図1は、本発明に係るほう素含有廃液の処理方法の形態を説明するためのフロー図である。本形態においては、原子力発電所等から発生するほう酸主成分の放射性ほう酸含有廃液1を80℃以上の温度に加熱2した後、NaやKのようなアルカリ金属元素化合物3を添加して廃液1を中和し、さらにCaやMgのようなアルカリ土類金属化合物4を添加して主成分であるほう酸を不溶化する。そして、得られる不溶性のほう酸化合物を含む廃液(不溶性ほう酸廃液)を上記温度を保ちながら乾燥機に供給して乾燥処理5を行い、乾燥粉体6として減容する。この乾燥粉体6は、セメント系の固化材とともにセメント固化体とする。
【0048】
次に、本発明の試験例について説明する。
【0049】
(廃液処理の試験例1−実験室レベルでの試験)
<試験例1−1>
ほう酸を水に溶解し、ほう素(B)濃度として21000ppmに調整し、これを模擬廃液とした。ついでこの模擬廃液を80℃に加熱した後、アルカリ金属元素化合物として水酸化ナトリウムを添加し、続いてアルカリ土類金属化合物として水酸化カルシウムを添加して不溶性のほう酸廃液を得た。
【0050】
この不溶性ほう酸塩廃液を100mlメスシリンダに投入して静置し、この際の不溶性ほう酸塩沈降の沈降率について、Na/Bモル比とCa/Bモル比をパラメータとして得た結果を表1にまとめて示す。静置時間は60分間として、この間定期的に沈降上面の高さを測定した。また、廃液は静置中も80℃の温度を保つようにした。
【0051】
表1は、添加材の添加率を変えた場合の静置時間との関係を試験例1から5について、それぞれ1から5まで細分化して示している。
【0052】
【表1】
Figure 0003886689
なお、実際の装置においては、例えば廃液を40L/hの流量で内径16.1mmの配管1.5mを移送しており、この移送時間は、約30秒間である。この間に析出物を極力沈降させないで供給することが望ましい。このため、沈降率の基準は、30秒間で95%以上とした。
【0053】
まず、水酸化ナトリウムを添加しなかった場合、すなわちNa/Bモル比が0の場合に、Ca/Bモル比をパラメータとした際の沈降率をグラフとして、図2に示す。不溶性ほう酸塩の析出物は、静置後30秒間で初期の約80%以下の高さまで沈降し、約1〜3分間で完全に沈降した。
【0054】
続いて、Na/Bモル比が0.1の場合に、Ca/Bモル比をパラメータとした際の沈降率を図3に示す。結果は、Na/Bモル比が0の場合とほぼ同等であり、析出物は静置後約30秒間で初期の約80%以下の高さまで沈降し、約1〜3分間で完全に沈降した。
【0055】
続いて、Na/Bモル比が0.2の場合に、Ca/Bモル比をパラメータとした際の沈降率を図4に示す。結果は上記の場合とやや異なり、Ca/Bモル比を0.2以上にした場合、静置後30秒間においても95%以上の沈降率であった。また、その後の沈降速度も上記より遅く、析出物が完全に沈降して沈降率が安定するまで約10分間の時間を要した。
【0056】
続いて、Na/Bモル比を0.35とした場合、Ca/Bモル比をパラメータとした際の沈降率を図5に示す。Ca/Bモル比を0.2以上にした場合、やはり沈降速度が遅く、30秒間静置後も95%以上の沈降率を保っていた。また、析出物が完全に沈降して沈降率が安定するまで約20〜30分の時間を要するに至った。
【0057】
続いて、Na/Bモル比を0.5とした場合、Ca/Bモル比をパラメータとした際の沈降率を図6に示す。Ca/Bモル比を0.2以上にした場合、やはり沈降速度が遅く、30秒静置後も95%以上の沈降率を保っていた。この結果は、Na/Bモル比が0.35の場合とほぼ同等であり、析出物が完全に沈降して沈降率が安定するまでの時間も約20〜30分であった。
【0058】
この結果から、ほう酸含有廃液のNa/Bモル比を0.2以上、Ca/Bモル比を0.2〜0.8に調整することで、廃液中のほう酸を沈降速度の遅い不溶性のほう酸塩とできることを確認した。なお、Ca/Bモル比は0.6〜0.8で得られる結果ほぼ同等であったため、上限を0.8とした。
【0059】
<試験例1−2>
上記試験例1−1と同様の操作で、ほう酸模擬廃液にアルカリ金属元素化合物とアルカリ土類金属化合物を添加した不溶性ほう酸塩廃液について、析出物の沈降性を比較した。本試験例では、アルカリ金属元素化合物として水酸化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムを、アルカリ土類金属化合物として水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムを用いた。得られた不溶性ほう酸塩廃液の静置中の沈降率を表2にまとめて示した。
【0060】
表2は添加材添加率、添加材料および静置時間との関係を試験例6と7についてそれぞれ1から6まで細分化して比較例と対比している。
【0061】
【表2】
Figure 0003886689
アルカリ金属元素化合物として水酸化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの混合物を用いて比較した結果を図7に示す。
【0062】
模擬廃液中のBに対するアルカリ金属元素のモル比は0.35、さらに水酸化カルシウムを添加してCa/Bモル比0.6に調整した。この結果、図7に示されるように、本例で用いたアルカリ金属元素化合物いずれについても水酸化ナトリウムを用いた場合と同様の結果が得られ、比較例に比べてほう酸塩析出物の沈降速度の低下が見られた。静置後30秒間においても95%以上の沈降率を保っており、かつ、沈降率が安定するまで約20〜30分の時間を要していた。
【0063】
一方、アルカリ土類金属化合物として水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムの混合物を用いて比較した結果を図8に示す。模擬廃液中を水酸化ナトリウムによりNa/Bモル比0.35に調整後、アルカリ土類金属化合物を投入してアルカリ土類金属元素/Bモル比を0.6に調整した。
【0064】
この結果、図に示されるように本試験例で用いたアルカリ土類金属化合物いずれでも水酸化カルシウムを用いた場合と同様の結果が得られ、比較例に比べてほう酸塩析出物の沈降速度の低下が見られた。静置後30秒間においても95%以上の沈降率を保っており、かつ、沈降率が安定するまで約20〜30分の時間を要していた。
【0065】
(廃液処理の試験2−実際の機械を用いた試験)
<試験例2−1>
次に、本発明の方法の試験例1−1に示した条件で作成した模擬廃液について、竪型薄膜乾燥機への供給性及び乾燥処理性について確認した例を、本発明の方法に用いる放射性廃棄物の処理装置の試験例2−1として図9により説明する。
【0066】
図9において、符号7は廃液タンクで、放射性物質取扱い施設から発生するほう酸廃液8を貯留するものである。廃液タンク7の上端部にはアルカリ金属元素化合物タンク9とアルカリ土類金属化合物タンク10がそれぞれバルブを介して接続されている。また廃液タンク7内には撹拌機11とヒーター12が設けられている。
【0067】
廃液タンク7の底部には廃液ライン14が接続し、廃液ライン14の他端は乾燥機13に接続している。廃液タンク7と乾燥機13を接続する廃液ライン14には流量計17、加熱器15および給液ポンプ18が接続されており、加熱器15は温度制御器16に接続している。温度制御器16はヒーター12にも接続している。乾燥機13の出口側には乾燥機受容器19が接続している。
【0068】
このような処理装置において、廃液タンク7内にほう素(B)濃度21000ppmのほう酸廃液(模擬廃液)8を貯留し、これにアルカリ金属元素化合物タンク9から水酸化ナトリウムを投入して、Na/Bのモル比を0.35に調整した。次いで、アルカリ土類金属化合物タンク10から水酸化カルシウムを投入して、Ca/Bのモル比を0.6に調整して不溶性のほう酸塩廃液を得た。
【0069】
撹拌機11は不溶性のほう酸塩廃液中の析出物の沈降を防止するためのものでヒータ12はほう酸廃液8を加熱するためのものである。廃液8を撹拌しながら80℃の温度に加熱し廃液ライン14を通して乾燥機13に40L/hの流量で供給した。本試験例で乾燥機13は、伝熱面積0.5mの竪型薄膜乾燥機を用いた。乾燥機13の加熱温度は175℃とした。
【0070】
また、ほう酸廃液8を乾燥機13に供給する廃液ライン14には加熱器15を設け、さらに廃液ライン14全体が80℃の温度を保つように保温し、温度制御器16により温度制御した。流量計17は廃液ライン14内部にセンサーが突起物のように出ていない非接触式の電磁流量計とし、スクリュー型の自給式給液ポンプ18により流量を調整しながら廃液を供給した。
【0071】
また、乾燥機13に至る廃液ライン14は全て同一口径の15Aステンレス配管とした。上記仕様でほう酸廃液8の乾燥処理を8時間行い、定期的に乾燥粉体を乾燥粉体受容器19にサンプリングして性状(粉体含水率、粉体性状)を測定した結果を表3に示す。なお、粉体含水率が10wt%を超えると粉体性状が低下するため、基準値を10wt%以下とした。表に示すように、乾燥粉体の含水率は8時間の運転においても10wt%以下であり、性状もパウダー状の良好な粉体であった。また、運転中の給液流量は常時安定していたことを確認している。
【0072】
【表3】
Figure 0003886689
<試験例2−2>
続いて、模擬廃液の乾燥機への供給方法について、廃液を通す廃液ライン14に加振機20を設けることで、廃液の乾燥機13への移送性を向上させた例について、図10により説明する。
【0073】
図10は、上記の本発明の方法に用いられる放射性廃棄物の処理装置の形態を説明するものである。上記試験例2−1に示した条件と同様に廃液タンク7にほう素(B)濃度21000ppmのほう酸廃液8(模擬廃液)を貯留し、これにアルカリ金属元素化合物タンク9から水酸化ナトリウムを投入してNa/Bモル比0.35に調整した。次いで、アルカリ土類金属化合物タンク10から水酸化カルシウムを投入してCa/Bモル比を0.6に調整して不溶性のほう酸塩廃液を得た。廃液は、析出物の沈降を防止するための撹拌機11で撹拌し、ヒーター12により80℃の温度に加熱して乾燥機13に40L/hの流量で供給した。
【0074】
本試験例で乾燥機13は、伝熱面積0.5mの竪型薄膜乾燥機を用いた。乾燥機13の加熱温度は175℃とした。また、ほう酸廃液8を乾燥機13に供給する廃液ライン14には加熱器を設けることなく、加振機20を設置して加振することにより廃液ライン14中の沈降を防止することができる。
【0075】
加振は、本試験例ではエアノッカーにより行い、頻度は5秒/回とした。流量計17は廃液ライン14内部にセンサーが突起物のように出ていない非接触式の電磁流量計とし、スクリュー型の自給式給液ポンプ18により流量を調整しながら廃液を供給した。また、乾燥機13に至る廃液ライン14は全て同一口径の(内径16.1mm)ステンレス配管とした。
【0076】
上記仕様でほう酸廃液8の乾燥処理を8時間行い、定期的に乾燥粉体を乾燥粉体受容器19にサンプリングして性状(粉体含水率、粉体性状)を測定した。その測定結果を表4に示す。表4に示したように、乾燥粉体の含水率は8時間の運転においても10wt%以下で安定しており、性状もパウダー状の良好な粉体であった。なお、運転中の給液流量は常時安定していた。
【0077】
本試験例から、廃液ライン14に加振機20を取付け加振させたことによる効果を確認した。なお、加振機20として超音波発信機を用いて別途試験を実施しており、問題なく廃液を乾燥機に供給して乾燥処理できることも確認している。
【0078】
【表4】
Figure 0003886689
<試験例2−3>
上記試験例2−1と同様の仕様及び操作でほう酸廃液8を乾燥機13で乾燥処理する際、廃液ライン14の加熱器15を起動しないで、かつ、保温しないでほう酸廃液8を乾燥機13に供給した。この結果、給液後約1時間で廃液ライン14内が閉塞して給液流量が低下し、乾燥処理停止に至った。
【0079】
この後、廃液ライン14内を確認した結果、給液ポンプ18と乾燥機13の中間部からほう酸塩の沈殿が堆積して閉塞していた。これは、廃液ライン14中でほう酸廃液8の温度が低下することで不溶解塩がさらに析出したものと考えられる。この結果から、廃液温度80℃以上で廃液ライン14全体を加熱器15で加熱保温することによる効果を確認した。
【0080】
<試験例2−4>
上記試験例2−1と同様の仕様及び操作でほう酸廃液8を乾燥機13で乾燥処理する際、廃液ライン14を乾燥機13に向けて約15°の角度で水平面に対して上り勾配の構造とした。この結果、給液後約1時間で廃液ライン14内が閉塞して給液流量が低下し、乾燥処理停止に至った。
【0081】
この後、廃液ライン14内を確認した結果、上り勾配の初期部分からほう酸塩の沈殿が堆積して閉塞していた。この結果から、廃液ライン14が乾燥機13に入るまで水平面に対して並行になっていることの効果を確認した。なお、廃液ライン14が乾燥機13に入るまで水平面に対して下り勾配としても問題無いことも確認している。
【0082】
<試験例2−5>
上記試験例2−1と同様の仕様及び操作でほう酸廃液8を乾燥機13で乾燥処理する際、廃液ライン14に設置した給液ポンプ18から先の配管の口径を内径12.7mmに細めた構造とした。この結果、給液後約45分間で廃液ライン14内が閉塞して給液流量が低下し、乾燥処理停止に至った。
【0083】
この後、廃液ライン14内を確認した結果、配管ラインの口径を内径12.7mmに細めた部分からほう酸塩の沈殿が堆積して閉塞していた。この結果から、廃液ライン14が乾燥機13に入るまで同一の口径とすることの効果を確認した。なお、廃液ライン14が乾燥機13に入るまで乾燥機13方向に向かって大きな口径とすることで問題なく廃液を給液できることも確認している。
【0084】
<試験例2−6>
上記試験例2−1と同様の仕様及び操作でほう酸廃液8を乾燥機13で乾燥処理する際、廃液ライン14に設置した流量計17として、センサーがライン内面に突き出た仕様のものとした。この結果、給液後約1時間で廃液ライン14内が閉塞して給液流量が低下し、乾燥処理停止に至った。
【0085】
この後、廃液ライン14内を確認した結果、流量計17の部分からほう酸塩の沈殿が堆積して閉塞していた。この結果から、廃液の流量制御に用いる流量計17として、内面にセンサが出ていない非接触式の電磁流量計を用いることによる効果を確認した。
【0086】
<試験例2−7>
上記試験例2−1と同様の仕様及び操作でほう酸廃液8を乾燥機13で乾燥処理する際、廃液ライン11に設置した給液ポンプ18として、チューブ式のローラーポンプを用いた。この結果、給液後約1.5時間で廃液ライン14内が閉塞して給液流量が低下し、乾燥処理停止に至った。
【0087】
この後、廃液ライン14内を確認した結果、給液のローラーポンプがチューブを押し出す部分からほう酸塩の沈殿が堆積して閉塞していた。この結果から、廃液の給液ポンプ18として、スクリューポンプを用いることによる効果を確認することができた。
【0088】
ほう素含有廃廃棄物の処理(固化)
(廃棄物固化処理の試験例3−実験室レベルでの試験)
<試験例3−1>
ほう酸の模擬廃液としてほう素濃度が21000ppmである廃液を80℃で作製し、ナトリウムをほう素に対して0から0.35モル、カルシウムをほう素に対して0から0.7モルになるように調整した。この廃液をその温度を維持したまま、乾燥機に送り、伝熱面積0.5mの乾燥機で乾燥させ粉体化した。この粉体(200Lドラム缶換算でほう酸重量が80kg)、ポルトランドセメント、混和剤としてのリン酸ナトリウムをインドラムミキサーで混合した。混和剤量はセメントに対して1重量%の添加率とした。混練物の粘度を回転粘度計で測定した後、別途サンプリングした混練物を高さ10cm、直径5cmの型枠に分取して、28日養生後、硬化物の一軸圧縮強度を測定した。また、水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムでNa/B=0.2、Ca/B=0.2のモル比で調整した廃液を60℃以下に冷却した後、そのままの温度で乾燥した場合と、80℃に再加熱して乾燥した場合について、同様に混練物の粘度及び硬化物の一軸圧縮強度を測定した。
【0089】
廃液の温度を80℃に維持した状態での試験結果を図11〜12に示す。
【0090】
Na/B=0.2以上、Ca/B=0.2以上の場合に、混練物がインドラムミキシング可能な粘度であり、混練物の固化後の強度も評価基準を上回っていることを確認した。上記したNa/B比、Ca/B比以下では、混練物の粘度が50dPa・s以上であり、混練物の中に乾燥粉体の固まりが散見され、混練不良と判断した。
【0091】
一方、廃液の温度を変化させた場合、温度が60℃以下の場合の結果を図13〜14に示す。60℃以下の温度で乾燥した場合は、竪型薄膜乾燥機への廃液の供給が困難であり、乾燥粉体は乾燥塊等が散見され、混練物の粘性、圧縮強度も小さいことが確認された。
【0092】
(廃棄物固化処理の試験例4−実際の機械を用いた試験)
<固化試験例4−1>
図15に本発明の方法に用いることのできる具体的な装置構成を示す。加熱装置31を有する放射性廃液貯蔵タンク32と、放射性廃液貯蔵タンク32の中にアルカリ金属元素化合物の溶液を供給するためのアルカリ金属化合物溶液タンク33、さらにアルカリ土類金属元素化合物を入れるアルカリ土類金属化合物貯槽34を備えている。放射性廃液貯蔵タンク32で、放射性のほう酸廃液とアルカリ金属元素の溶液及びアルカリ土類金属元素化合物が混合される。この時の各薬剤の混合比は、試験例3−1に記載された各元素とほう素のモル比に調整される。また廃液の温度も同様に試験例3−1の温度に調整される。調整後の混合溶液は竪型薄膜乾燥機35に供給され乾燥粉体となり乾燥粉体貯槽36に貯留される。乾燥粉体貯槽36からの乾燥粉体は必要に応じて乾燥粉体計量槽37を経て放射性廃棄物貯蔵容器38に供給される。放射性廃棄物貯蔵容器38には予めセメント系固化材と、セメント系固化材の流動性を改善する混和剤と水が混練されて入っており、この中に混練羽根39を入れて乾燥粉体を混練してその後固化する。なお、図16に示すように、セメントサイロ40からセメント計量槽41を経てセメント系固化材を放射性廃棄物貯蔵容器38に供給することも可能である。また図17に示すように、乾燥粉体計量槽37を除去し、放射性廃棄物貯蔵容器38の重量を貯蔵容器計量機42で計量し、乾燥粉体の重量を制御することも可能である。
【0093】
本装置構成は、装置の大きさ、構成の順番、添加する薬剤の順番にかかわらずこのような機器類を備えるものすべてが本発明の方法に用いることができる
【0094】
<試験例4−2>
本発明の効果を、添加する元素の種類を変化させて確認した。
【0095】
ほう素濃度で21000ppm含むほう酸廃液を80℃に加熱し、アルカリ金属元素化合物として水酸化カリウム溶液を、またアルカリ土類金属元素化合物として硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、水酸化マグネシウムを添加し、アルカリ金属元素/ほう素=0.2、アルカリ土類金属元素/ほう素=0.6のモル比に調整した。この廃液を伝熱面積0.5mの竪型薄膜乾燥機で乾燥して得られた粉体に、ポルトランドセメントをセメント系固化材として、リン酸ナトリウムを混和剤として添加し、インドラムミキシング固化した。固化量は、試験例3−1と同様、200Lドラム缶換算でほう酸重量として80kgとした。この際、セメント系材料と乾燥粉体の混練物の粘度、固化体物性の機械的物性を測定した。その結果を表5に示す。
【0096】
混練物の粘度は、薬剤に水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムを使用した場合と同様に50dPa・s以下であり、インドイラムミキシングが可能な十分低い粘性であることを確認した。また生成した固化体の圧縮強度も評価基準値を十分に上回ることを確認した。
【0097】
【表5】
Figure 0003886689
<試験例4−3>
本発明による効果をセメント系固化材の種類を変えて確認した例を示す。
【0098】
ほう素濃度が21000ppmであるほう酸廃液を80℃に加熱し、水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムにより、Na/B=0.2、Ca/B=0.6に調整した。この廃液を伝熱面積0.5mの竪型薄膜乾燥機で乾燥して得られた粉体に、セメント系固化材料を添加してインドラムミキシング固化した。セメント系固化材の種類として、高炉セメント、フライアッシュセメントを使用した。混和剤はリン酸ナトリウムを使用した。固化量は、試験例3−1と同様に、200Lドラム缶あたりのほう酸重量を80kgとした。混練時にセメント系材料と乾燥粉体の混練物の粘度を、固化後に固化体の機械的物性を測定した。その結果を表6に示す。
【0099】
混練物の粘度はいずれのセメント系固化材を使用した場合でも50dPa・s以下であり、インドイラムミキシングで十分な粘性であることを確認した。また生成した固化体の圧縮強度も評価基準値を十分に上回ることを確認した。
【0100】
【表6】
Figure 0003886689
<試験例4−4>
本発明による効果を混和剤の種類とその添加量について確認した例を示す。
【0101】
ほう素濃度が21000ppmであるほう酸廃液を80℃に加熱し、水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムにより、Na/B=0.2、Ca/B=0.6に調整した。この廃液を伝熱面積0.5mの竪型薄膜乾燥機で乾燥して得られた粉体に、セメント系固化材料を添加してインドラムミキシング固化した。セメント系固化材はポルトランドセメントを使用した。ポルトランドセメントに混和剤としてリン酸ナトリウムを予めセメントに対して0.5%添加した。また、混和剤として炭酸カリウム、リン酸ガラス、リグニンスルホン酸、カルボン酸、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒドを別個に添加した試料を作成した。固化量は、試験例3−1と同様に、200Lドラム缶あたりのほう酸重量を80kgとした。混練時にセメント系材料と乾燥粉体の混練物の粘度を、固化後に固化体の機械的物性を測定した。その結果を表7に示す。
【0102】
また、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒドとリン酸ナトリウムについて、セメントに対する添加量を変化させた時の混練物の粘性変化を図18に示す。
【0103】
混練物の粘度はいずれについても50dPa・s以下であり、インドイラムミキシングが十分可能な粘性であることを確認した。また生成した固化体の圧縮強度も評価基準値を十分に上回ることを確認した。また、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド、リン酸ガラスともに、セメントに対して0.5%の添加量以上を加えると、インドラムミキシングが可能な固化材の粘性となることを確認した。
【0104】
【表7】
Figure 0003886689
【0105】
【発明の効果】
本発明によって、ほう素含有廃液の乾燥機への供給性向上、乾燥粉体とセメント系固化材との混練時のインドラムミキシング法の実現、固化体強度の向上および固化体の大幅な減容を実現するほう素含有粉体の処理方法を提供することができる。
【0106】
具体例としては、本発明によれば、原子力発電所等から発生するほう酸主成分の濃縮廃液をほう酸塩の形成により不溶化させ乾燥させる工程において、廃液中の不溶性ほう酸塩の沈降速度を低減でき、廃液ラインの閉塞防止の点で極めて信頼性の高い放射性廃棄物の処理方法が提供できる。さらに、このようなほう酸含有廃液を、安定で強固な放射性廃棄物の固化体にできるばかりでなく、放射性廃棄物処理設備の機器を簡便化できかつ施設の小規模化ができるため、放射性廃棄物処理に係るコストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るほう素含有廃液の処理方法を示すフロー図である。
【図2】 本発明のほう素含有廃液の処理方法の試験例1−1における、廃液中の不溶性ほう酸塩の沈降率経時変化(Na/Bモル比=0)を示すグラフである。
【図3】 本発明のほう素含有廃液の処理方法の試験例1−1における、廃液中の不溶性ほう酸塩の沈降率経時変化(Na/Bモル比=0.1)を示すグラフである。
【図4】 本発明のほう素含有廃液の処理方法の試験例1−1における、廃液中の不溶性ほう酸塩の沈降率経時変化(Na/Bモル比=0.2)を示すグラフである。
【図5】 本発明のほう素含有廃液の処理方法の試験例1−1における、廃液中の不溶性ほう酸塩の沈降率経時変化(Na/Bモル比=0.35)を示すグラフである。
【図6】 本発明のほう素含有廃液の処理方法の試験例1−1における、廃液中の不溶性ほう酸塩の沈降率経時変化(Na/Bモル比=0.5)を示すグラフである。
【図7】 本発明のほう素含有廃液の処理に係る試験例1−2における不溶性ほう酸塩の沈降率経時変化への影響を示すグラフである。
【図8】 本発明のほう素含有廃液の処理に係る試験例1−2において、アルカリ土類金属化合物の他の例による不溶性ほう酸塩の沈降率経時変化への影響を示すグラフである。
【図9】 本発明の方法に用いるほう素含有廃液の処理装置の試験例2−1を示すシステム系統図である。
【図10】 本発明の方法に用いるほう素含有廃液の処理装置の試験例2−2を示すシステム系統図である。
【図11】 ほう素含有廃棄物のCa/Bモル比による、セメント混練物の粘度変化を示すグラフである。
【図12】 ほう素含有廃棄物のCa/Bモル比による、セメント固化物の強度変化を示すグラフである。
【図13】 ほう素含有廃液を60℃以下で保持した後、乾燥し、セメントと混練したものの粘度を示すグラフである。
【図14】 ほう素含有廃液を60℃以下で保持した後、乾燥し、セメントと混練し固化したものの強度を示すグラフである。
【図15】 ほう素含有廃液の処理装置のシステム系統図である。
【図16】 別のほう素含有廃液の処理装置のシステム系統図である。
【図17】 別のほう素含有廃液の処理装置のシステム系統図である。
【図18】 混和剤の添加量による、セメント混練物の粘度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ほう酸含有廃液
2 加熱処理
3 アルカリ金属元素化合物
4 アルカリ土類金属化合物
5 乾燥処理
6 乾燥粉体
7 廃液タンク
8 ほう酸廃液
9 アルカリ金属元素化合物タンク
10 アルカリ土類金属化合物タンク
11 撹拌機
12 ヒーター
13 乾燥機
14 廃液ライン
15 加熱器
16 温度制御器
17 流量計
18 給液ポンプ
19 乾燥機受容器
20 加振機
31 加熱装置
32 放射性廃液貯蔵タンク
33 アルカリ金属化合物溶液タンク
34 アルカリ土類金属化合物貯槽
35 竪型薄膜乾燥機
36 乾燥粉体貯槽
37 乾燥粉体計量槽
38 放射性廃棄物貯蔵容器
39 混練羽根
40 セメントサイロ
41 セメント計量槽
42 貯蔵容器計量機

Claims (12)

  1. ほう素含有廃液に、アルカリ金属元素化合物およびアルカリ土類金属元素化合物を添加する工程と、
    次いで、前記アルカリ金属元素化合物またはアルカリ土類金属元素化合物のいずれか一方の添加時から前記乾燥粉体化までの間の前記ほう素含有廃液の温度を、ほう素とアルカリ金属とを含む化合物およびほう素とアルカリ土類金属とを含む化合物の析出温度以上に維持しながら乾燥粉体化する工程とを有し、
    前記乾燥粉体化する工程によって乾燥粉体化されたほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体と、
    セメント系固化材と
    セメントの流動性を改善する混和剤と、

    とを混練して固化することを特徴とする、ほう素含有廃棄物の処理方法。
  2. 前記ほう素含有廃液が、放射性物質取扱い施設から発生するほう酸を含む廃液であって、前記廃液の温度を60℃以上とし、前記乾燥粉体化を乾燥機で行う、請求項1に記載のほう素含有廃液の処理方法。
  3. 前記ほう素含有廃液中において、前記アルカリ金属元素化合物をほう素に対してモル比で0.2以上とし、前記アルカリ土類金属化合物をほう素に対してモル比で0.2〜0.8とする、請求項1に記載のほう素含有廃液の処理方法。
  4. 前記ほう素含有廃液中において、前記アルカリ金属元素化合物をほう素に対してモル比で0.2〜0.5とし、前記アルカリ土類金属化合物を、ほう素に対してモル比で0.2〜0.7とする、請求項1に記載のほう素含有廃液の処理方法。
  5. 前記アルカリ金属元素化合物を添加して溶解させた後に、前記アルカリ土類金属化合物を添加して溶解させる、請求項1に記載のほう素含有廃液の処理方法。
  6. 前記ほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体が、
    ほう素含有廃液に、アルカリ金属元素化合物およびアルカリ土類金属元素化合物を添加する工程と、
    次いで前記ほう素含有廃液を、乾燥粉体化する工程を有し、
    前記アルカリ金属元素化合物またはアルカリ土類金属元素化合物のいずれか一方の添加時から前記乾燥粉体化までの間の前記ほう素含有廃液の温度を、ほう素とアルカリ金属とを含む化合物およびほう素とアルカリ土類金属とを含む化合物の析出温度以上に維持する、ほう素含有廃液の処理により生成したものである、請求項1に記載のほう素含有廃棄物の処理方法。
  7. 廃棄物の貯蔵容器の中で、
    前記セメント系固化材と
    前記セメントの流動性を改善する混和剤と
    前記水とを混練して、セメントスラリを調製し、
    前記セメントスラリ中に、前記ほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体を投入した後、セメントを固化させる、請求項1に記載のほう素含有廃棄物の処理方法。
  8. 前記混和剤と前記セメント系固化材を予め混合し、その後混練を行う、請求項1に記載のほう素含有廃棄物の処理方法。
  9. 前記ほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体を、計量容器に投入して重量を計測した後に廃棄物固化容器に移送する、請求項1に記載のほう素含有廃棄物の処理方法。
  10. 前記ほう素とアルカリ金属とアルカリ土類金属とを含む粉体を、廃棄物貯蔵容器に投入して重量を計測することにより計量する、請求項1に記載のほう素含有廃棄物の処理方法。
  11. 前記廃棄物貯蔵容器の中に、予め固化に必要な量のセメント系固化材を、当該放射性廃棄物処理設備に設置されたセメント系固化材サイロより供給する、請求項1に記載のほう素含有廃棄物の処理方法。
  12. 前記廃棄物貯蔵容器の中のセメント系固化材は、当該放射性廃棄物処理設備以外の施設で計量された後、当該放射性廃棄物処理施設に搬入する、請求項1に記載のほう素含有廃棄物の処理方法。
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