JP5525237B2 - 光ファイバセンサ及び圧力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバを有する光ファイバセンサと、シート体に前記光ファイバセンサを配置した圧力センサとに関する。
従来より、光ファイバをセンサとしてシートに配置し、物体から前記シートに圧力(応力)が付与されたときの前記光ファイバの歪みを検出することにより、前記光ファイバが配置された箇所の圧力を検出する圧力センサが知られている(特許文献1及び2参照)。
一方、垂直方向及び水平方向に付与される圧力(垂直応力、水平応力)を電気信号として検出するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用した圧力センサも知られている(特許文献3参照)。
特許第3871874号公報 特開2002−71323号公報 特開2009−68988号公報
特許文献1〜3に開示されている圧力センサを、複雑な組立を行うFA(Factory Automation)用工作機械のエンドエフェクタに適用して、該エンドエフェクタでの物体の把持状態を検出すると共に、前記圧力センサが検出した圧力に基づいて前記エンドエフェクタに対するフィードバック制御を行う場合に、下記の課題が惹起されるおそれがある。
特許文献1及び2の圧力センサをエンドエフェクタに適用した場合、シートに付与される圧力(応力)の大きさ及び方向を検出することは可能であるが、該応力を複数の方向の成分に分離して検出することは困難である。これにより、前記エンドエフェクタが把持した物体の状態が分からないため、該物体が前記エンドエフェクタから脱落してしまい、組立が完了したか否かを確認することができない。
また、特許文献3の圧力センサをエンドエフェクタに適用する場合、該圧力センサを構成する基板がSiウェーハからなるので、曲面を持つエンドエフェクタへの前記圧力センサの付設が困難である。さらに、過度の応力から前記Siウェーハを保護すると共に、応力から変換された電気信号を電磁波ノイズや各種サージ(例えば、人体や各種機械の静電気に起因した静電サージ)から電気的に保護するために、該Siウェーハをモールドする必要がある。さらにまた、応力を複数の方向の成分に分離して検出しようとすると、圧力センサの構造が複雑なものになると共に、前記電気信号に対する信号処理が煩雑になる。
従って、特許文献3の圧力センサは、その構造が複雑且つ大型化して、高価なものとなるので、エンドエフェクタに容易に付設することができない。仮に、前記エンドエフェクタに前記圧力センサを付設すると、該エンドエフェクタが全体的に大型化するおそれがある。
本発明は、前記の問題に鑑みなされたものであり、比較的簡単な構造で、物体から付与される応力を複数の方向(垂直方向、水平方向)に分離して検出することが可能となる光ファイバセンサ及び圧力センサを提供することを目的とする。
本発明に係る光ファイバセンサは、特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部と、外部から付与された応力を前記グレーティングを配列した方向の応力に変換して前記光ファイバに伝達する応力方向変換部とを備え、
前記応力方向変換部は、外部から応力が付与される平坦部と該平坦部から前記光ファイバに橋架された応力伝達部とを有し、前記グレーティングで反射した前記特定波長の光が通過する前記光ファイバの一端部を前記応力伝達部に沿って配置することを特徴としている。
また、本発明に係る圧力センサは、可撓性を有するシート体と、特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部、及び、前記シート体に接触した物体から付与された応力を前記グレーティングを配列した方向の応力に変換して前記光ファイバに伝達する応力方向変換部を備える光ファイバセンサとを有し、
前記応力方向変換部は、前記物体から応力が付与される平坦部と該平坦部から前記光ファイバに橋架された応力伝達部とを有し、前記グレーティングで反射した前記特定波長の光が通過する前記光ファイバの一端部を前記応力伝達部に沿って配置することを特徴としている。
これらの発明によれば、物体から平坦部に対して垂直応力が付与されたときに、応力方向変換部は、前記垂直応力をグレーティングが配列される方向の応力に変換し、変換後の応力を応力伝達部を介して前記光ファイバに伝達する。これにより、変換後の応力によって前記グレーティングに歪みが発生し、該グレーティングで反射する光の波長(反射波長)が変化する。従って、前記グレーティングでの前記反射波長のシフト量を検出することにより、前記垂直応力を検出することが可能となる。
一方、前記物体から前記平坦部に対して水平応力が付与されたときに、前記平坦部は、前記水平応力によって該平坦部に沿った方向(前記グレーティングが配列された方向)に変位する。前述のように、前記応力伝達部は、前記平坦部と前記光ファイバとを橋架しているので、少なくとも前記応力伝達部の前記平坦部側は、該平坦部に対する前記水平応力の付与によって前記平坦部と共に変位する。
ここで、外部から前記光ファイバに光を入射して、この入射光を前記応力伝達部に沿って配置された前記光ファイバの一端部に通過させて前記グレーティングに導く一方、特定波長の光(反射光)を前記グレーティングから前記光ファイバの一端部を通過させて外部に出射させる場合に、前記平坦部に対する前記水平応力の付与によって前記応力伝達部の一部が前記平坦部と共に一体的に変位すれば、前記光ファイバの一端部が前記変位に伴い湾曲(又は屈曲)し、前記光ファイバに曲げ損失が発生する。この曲げ損失の発生によって、前記光ファイバの一端部を通過して外部に出射される前記反射光の強度(反射波強度)が変化する。
そこで、本発明では、前記曲げ損失に起因した前記反射波強度の変化量を検出することにより、前記反射波強度に応じた前記水平応力を検出するようにしている。
従って、本発明によれば、比較的簡単な構造で、物体から付与される応力(垂直応力、水平応力)を複数の方向(垂直方向、水平方向)に分離して検出することが可能となる。すなわち、本発明では、1本の光ファイバから出力された反射光(1つの出力信号)を利用して前記垂直応力及び前記水平応力を容易に検出することができる。
また、前記光ファイバセンサをマニピュレータ等のエンドエフェクタに搭載し、該エンドエフェクタが物体を把持する場合に、前記光ファイバセンサは、前記物体から前記エンドエフェクタに加えられる外力(垂直応力、水平応力)を、複数の方向の成分に分離して検出することができるので、前記エンドエフェクタの空間座標内において前記外力がどのように作用しているのかを容易に把握することが可能となる。
これにより、前記エンドエフェクタが前記物体を把持している最中に、該物体が滑り落ちることを確実に回避することが可能になる。また、前記光ファイバセンサを前記エンドエフェクタに付設することにより、従来は困難であった、組立作業の自動化を実現することが可能となる。
例えば、外力の付加によって形状が変化しやすい柔軟性のある物体をエンドエフェクタが把持しながら組み付ける工程に本発明を適用した場合、前記エンドエフェクタにおける前記物体の把持面(接触面)にかかる垂直応力や水平応力を光ファイバセンサで検出することにより、把持中での前記物体の変形の認識や、該認識に応じたエンドエフェクタに対する制御を自動的に行うことが可能となる。また、柔軟性のある前記物体を組み付けるときの引っ掛かりや引張りのテンションを確認する際に、前記把持面における垂直応力及び水平応力を検出し、検出した各応力に基づいて、前記エンドエフェクタが前記物体を把持する力を制御することも可能となる。
さらに、光ファイバを利用して応力を検出するので、前記光ファイバセンサが電磁波ノイズや各種サージ等に曝されても何ら影響を受けることがない。そのため、大型の設備が多数稼働している工場等の環境下で使用しても、上記の各ノイズの影響を回避しつつ、比較的安定して応力を計測することが可能である。
ここで、前記平坦部は、前記グレーティングを配列した方向に沿って配置され、前記応力伝達部は、前記平坦部の一端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの一端部側の近傍を囲曉する第1の接合部と、前記平坦部の他端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第2の傾斜部と、前記第2の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの他端部側の近傍を囲曉する第2の接合部とから構成される。
これにより、前記垂直応力を効率よく前記グレーティングに沿った方向の応力に変換して、前記光ファイバ(前記グレーティング)に伝達することが可能となる。また、前記平坦部に前記水平応力が付与された場合には、前記水平応力を効率よく前記光ファイバの一端部に伝達することが可能となる。
この場合、前記光ファイバの一端部を前記第1の傾斜部又は前記第2の傾斜部に沿って配置すれば、前記平坦部に前記水平応力が付与されたときに、前記第1の傾斜部又は前記第2の傾斜部に配置された前記光ファイバの一端部を確実に湾曲(又は屈曲)させて曲げ損失を発生させることが可能となる。
前記光ファイバの一端部の配置に関しては、下記の構成に代替してもよい。
すなわち、前記応力伝達部は、前記第1の傾斜部及び前記第2の傾斜部と離間した状態で前記第1の接合部又は前記第2の接合部に連なる第3の傾斜部をさらに有し、前記光ファイバの一端部を前記第3の傾斜部に沿って配置する。
このように、前記第1の傾斜部又は前記第2の傾斜部に対して前記第3の傾斜部を二重に配置することにより、前記垂直応力から変換された応力の伝達を前記第1の傾斜部及び前記第2の傾斜部が担う一方で、前記水平応力に起因した前記光ファイバの一端部の湾曲(又は屈曲)を前記第3の傾斜部が担うことになる。これにより、前記光ファイバから外部に出射された前記反射波強度に占める前記垂直応力に応じた反射波強度の変化量の割合が抑制されるので、前記水平応力に応じた反射波強度の変化量を比較的独立性よく検出することが可能となる。
本発明によれば、比較的簡単な構造で、物体から付与される応力(垂直応力、水平応力)を複数の方向(垂直方向、水平方向)に分離して検出することが可能となる。すなわち、本発明では、1本の光ファイバから出力された反射光(1つの出力信号)を利用して前記垂直応力及び前記水平応力を容易に検出することができる。
図1Aは、FBGセンサの概略説明図であり、図1Bは、FBGセンサに入射される光の波長と強度との関係を示す説明図であり、図1Cは、グレーティングによって反射される光(反射光)の波長と強度との関係を示す説明図であり、図1Dは、グレーティングが伸張されたFBGセンサの概略説明図である。 第1実施形態に係るFBGセンサをシート体に配置した圧力センサの斜視図である。 図2の圧力センサの平面図である。 図2のFBGセンサの概略説明図である。 図2〜図4のFBGセンサによる垂直応力の検出原理の説明図である。 図5の応力伝達部及び光ファイバを一部拡大した説明図である。 垂直応力の検出時における反射光の波長と強度との関係を示す説明図である。 図2〜図4のFBGセンサによる水平応力の検出原理の説明図である。 水平応力の検出原理を説明するための模式的説明図である。 水平応力の検出原理を説明するための模式的説明図である。 水平応力の検出原理を説明するための模式的説明図である。 水平応力の検出時における反射光の波長と強度との関係を示す説明図である。 図2及び図3の圧力センサが適用されるロボットシステムの構成図である。 図13のロボットシステムのブロック図である。 第2実施形態に係るFBGセンサをシート体に配置した圧力センサの斜視図である。 図15の圧力センサの平面図である。 図15のFBGセンサの概略説明図である。 第3実施形態に係るFBGセンサをシート体に配置した圧力センサの斜視図である。 図18の圧力センサの平面図である。 図18のFBGセンサの概略説明図である。 図21Aは、第1実施形態を適用したときの垂直応力の大きさと検出信号の大きさとの関係を示す説明図であり、図21Bは、第2実施形態及び第3実施形態を適用したときの垂直応力の大きさと検出信号の大きさとの関係を示す説明図である。
本発明に係る光ファイバセンサ、及び、該光ファイバセンサを有する圧力センサの好適な実施形態(第1〜第3実施形態)について、図1A〜図21Bを参照しながら説明する。
第1〜第3実施形態の説明に先立ち、光ファイバセンサとしてのFBGセンサ(Fiber Bragg Grating Sensor)を利用した応力検出の概要について、図1A〜図1Dを参照しながら説明する。
FBGセンサは、光ファイバ10において、Geが添加されたコア12の一部に紫外線を照射してグレーティング14を形成することにより構成される。図1Aにおいて、グレーティング14の周期(格子間隔)をΔAとする。
光ファイバ10に応力が付与されていない状態で、図1Bに示す波長及び強度の光(入射光)がコア12に入射された場合、グレーティング14は、図1Bの波長λのうち、特定波長λAの光(反射光)を反射する(図1C参照)。
一方、光ファイバ10に応力が付与されて、図1Dに示すように、格子間隔がΔAからΔB(ΔA<ΔB)に変化すると、反射光の波長(反射波長)はλAからλBにシフトする(図1C参照)。
ここで、応力が付与される前の反射波長λA、及び、応力が付与されたときの反射波長λBは、コア12の有効屈折率をneffとすると、下記の(1)式及び(2)式で表わされる。
λA=2×neff×ΔA (1)
λB=2×neff×ΔB (2)
このように、反射波長λA、λBは、格子間隔ΔA、ΔBによって決定される。また、応力付与前の初期の格子間隔ΔAは、用途やシステムに応じて任意に設定される。
従って、FBGセンサを利用することにより、λAからλBへの反射波長のシフト量(λB−λA)に基づいて、光ファイバ10に付与された応力を検出し、あるいは、応力の有無を判断することができる。
次に、第1実施形態に係る圧力センサ16と、該圧力センサ16に組み込まれたFBGセンサ22とについて、図2〜図12を参照しながら説明する。
圧力センサ16は、図2に示すように、可撓性を有するシート体18の内部に、X方向を長手方向とした1本の光ファイバケーブル20が埋設され、この光ファイバケーブル20にFBGセンサ22を形成することにより構成される。すなわち、プラスチックや樹脂等の可撓性を有する材料でFBGセンサ22をモールドすることによりシート体18が形成される。この場合、シート体18は、FBGセンサ22を該シート体18の内部に固定すると共に、外部から付与される過度の応力や熱等からFBGセンサ22を保護するために形成される。
なお、図2は、シート体18に1個のFBGセンサ22を配置した場合を図示しているが、シート体18に埋設されるFBGセンサ22の個数は、1個に限定されることはない。例えば、FBGセンサ22をX方向及びY方向(シート体18の表面方向)に沿ってマトリックス状に複数配置してアドレス化してもよい。また、光ファイバケーブル20の長手方向についても、X方向に限定されることはなく、Y方向であってもよい。いずれにしても、シート体18の内部において、少なくとも1個のFBGセンサ22が配置されていればよい。
次に、FBGセンサ22について、図2〜図4を参照しながら詳細に説明する。
FBGセンサ22は、シート体18の内部における略中央部に配置され、グレーティング26が形成された光ファイバケーブル20を含む応力検出センサ部28と、外部からシート体18に付与された応力(垂直応力、水平応力)を該シート体18を介して受け、受けた前記応力をグレーティング26が配列された方向(光ファイバケーブル20の長手方向であるX方向)に沿った方向の応力(成分)に変換して光ファイバケーブル20に伝達する応力方向変換部30とを備えている。
この場合、外部からの応力に対する受感部材としての応力方向変換部30は、ゴムや樹脂等の弾性体からなり、X−Y方向に沿ってグレーティング26と略平行に延在する矩形状の平坦部32と、該平坦部32におけるX方向に沿った対向する二辺からグレーティング26の各端部に向かって橋架された応力伝達部34a、34bとを有する。
応力方向変換部30は、応力が付与されていない状態では、図3及び図4に示すグレーティング26を中心にして、左右対称の構造とされている。すなわち、応力伝達部34a、34bは、平坦部32に連なると共に光ファイバケーブル20(におけるグレーティング26の両端部側の近傍)に向かって傾斜した傾斜部36a、36bと、該傾斜部36a、36bに連なると共に光ファイバケーブル20の外周面の一部を囲繞する接合部38a、38bとをそれぞれ有する。また、図4及び図5に示すように、平坦部32と各傾斜部36a、36bとのなす角度は互いに等しく設定されていると共に、各傾斜部36a、36bと各接合部38a、38bとのなす角度も互いに等しく設定されている。
応力伝達部34bの傾斜部(第1の傾斜部)36bには、光ファイバケーブル20の一部(一端部)が該傾斜部36bに沿って配置されている。この場合、この光ファイバケーブル20の一部は、接合部(第1の接合部)38bから露出し且つ傾斜部36bに向かって湾曲(又は屈曲)する湾曲部40aと、湾曲部40aに連なり且つ傾斜部36bに沿って配置された傾斜部40bと、傾斜部40bに連なり且つX方向に向かって湾曲(又は屈曲)する湾曲部40cとから構成される。また、可撓性を有する材料によってFBGセンサ22がモールドされることでシート体18が形成されるので、傾斜部40bは、シート体18の内部において、傾斜部36bに固着された状態で該傾斜部36bに沿って配置されることになる。
図2及び図3に示すように、シート体18においてX方向に沿って対向する2つの側面には、光の入射又は出射が可能な光ファイバケーブル20の入出力端42a、42bが外部にそれぞれ露呈している。従って、光ファイバケーブル20は、X方向を長手方向としてシート体18の内部に埋設されているが、入出力端42aからグレーティング26を経由した湾曲部40aまでの箇所と、湾曲部40cから入出力端42bまでの箇所とは、傾斜部36bに沿って配置された傾斜部40bの存在によって、互いに異なる高さに配置されることになる(図2及び図4参照)。
なお、図2〜図4では、応力伝達部34bの傾斜部36b及び接合部38bに湾曲部40a、傾斜部40b及び湾曲部40cが形成されているが、この構成に代えて、応力伝達部34aの傾斜部(第2の傾斜部)36a及び接合部(第2の接合部)38aに湾曲部40a、傾斜部40b及び湾曲部40cを形成してもよい。
次に、FBGセンサ22上方のシート体18の表面に図示しない物体が接触し、該物体からグレーティング26に垂直応力(Z方向に沿った応力)が付与されたときの該垂直応力の検出について、図5〜図7を参照しながら説明する。
前述したように、応力付与前の応力方向変換部30の形状は、グレーティング26を中心として左右対称の構造であるため(図3及び図4参照)、前記物体からシート体18にZ方向に沿った垂直応力Fが付与されたときに、応力方向変換部30の各応力伝達部34a、34bには、理想的に、Z方向に沿った応力F/2が付与される。
ここで、応力F/2の傾斜部36a、36bに沿った方向の成分(力)F´は、Z方向(応力F/2)と傾斜部36a、36bとの成す角度をそれぞれφとすると、下記の(3)式で表わされる。
F´=(F/2)×cosφ (3)
また、力F´と光ファイバケーブル20の長手方向(X方向)との成す角度は、(90°−φ)であるので、光ファイバケーブル20及び接合部38a、38bの各接合部分にそれぞれ付与される力(応力)F´´は、下記の(4)式で表わされる。
F´´=F´cos(90°−φ)=F´sinφ
=(F/2)×cosφ×sinφ (4)
従って、前記各接合部分に付与される力F´´に起因してグレーティング26にかかる力は、下記の(5)式で表わすことができる。
F´´+F´´=2F´´=F×cosφ×sinφ (5)
この力2F´´がグレーティング26に付与されることで、グレーティング26がX方向に歪んで(伸張して)、該グレーティング26の格子間隔が変化(増加)する。
ここで、力2F´´の付与によりX方向に沿って発生するグレーティング26の歪みεは、光ファイバケーブル20のコア24のヤング率をEとすれば、下記の(6)式で表わすことができる。
ε=(1/E)×(F´´+F´´)
=(1/E)×Fcosφ×sinφ (6)
また、グレーティング26の格子数を仮にNとしたときに、垂直応力Fの付与によるグレーティング26の格子間隔の増加分Δは、下記の(7)式で表わされる。
Δ=ε/(N−1)
=(F×cosφ×sinφ)/{E×(N−1)} (7)
従って、垂直応力Fの付与後のグレーティング26における反射波長λは、(7)式の増加分Δを考慮すれば、(2)式に基づいて、下記の(8)式で表わされる。
λ=2×neff×Δ
=2×neff×(F×cosφ×sinφ)/{E×(N−1)}
(8)
図7は、入出力端42a又は入出力端42b(図2及び図3参照)から入射光を入射する一方で、グレーティング26からの反射光を入出力端42a又は入出力端42bから外部に出射する場合において、垂直応力Fの付与の前後における反射光の波長変化を示した説明図である。
垂直応力Fが付与されていない状態では、グレーティング26は、入射光に対して反射波長λ0の反射光を反射し、この反射光を入出力端42a又は入出力端42bから外部に出射させる。これに対して、垂直応力Fが付与された場合には、グレーティング26の格子間隔が増加して反射波長がλにシフトするので、該グレーティング26は、入射光に対して波長λの反射光を反射し、この反射光を入出力端42a又は入出力端42bから外部に出射させる。
従って、FBGセンサ22及び圧力センサ16では、λ0からλへの反射波長のシフト量(λ−λ0)に基づいて、シート体18に付与された垂直応力Fを検出することができる。
次に、FBGセンサ22上方のシート体18の表面に図示しない物体が接触し、該物体からグレーティング26に水平応力(例えば、X方向に沿った応力)が付与されたときの該水平応力の検出について、図8〜図12を参照しながら説明する。
ここでは、入出力端42bから入射された入射光が、湾曲部40c、傾斜部40b及び湾曲部40aを経由してグレーティング26に導かれ、一方で、グレーティング26で反射した光(反射光)が、湾曲部40a、傾斜部40b及び湾曲部40cを経由して入出力端42bから外部に出射されるものとして説明する。
図8に示すように、例えば、+X方向に沿った水平応力Fhがシート体18に付与されると、この水平応力Fhは、シート体18を介して平坦部32に伝達され、平坦部32は、該水平応力Fhによって+X方向に変位する。
この場合、傾斜部36bの一端部が平坦部32に連結され、他端部が接合部38bに連結されている。また、光ファイバケーブル20の傾斜部40bが傾斜部36bに沿って該傾斜部36bに固着された状態で配置され、接合部38bが光ファイバケーブル20の湾曲部40aと接合している。従って、水平応力Fhによる平坦部32の+X方向の変位に伴って、傾斜部36b及び傾斜部40bも一体的に+X方向に変位する。
図9〜図11は、平坦部32への水平応力Fhの付与に伴う傾斜部36b及び傾斜部40bの変位を模式的に示す説明図である。図9は、水平応力Fhが付与される前の傾斜部36b及び傾斜部40bの状態を図示し、図10は、+X方向(図10の右方向)に水平応力Fhが付与されたときの傾斜部36b及び傾斜部40bの状態を図示し、図11は、−X方向(図11の左方向)に水平応力Fhが付与されたときの傾斜部36b及び傾斜部40bの状態を図示している。
ここでは、説明の容易化のために、図9に示すように、水平応力Fhが付与される前の状態において、湾曲部40a、40cが半径rの仮想的な円44a、44cの一部をそれぞれ構成し、そのときの湾曲部40a、40c(円44a、44cを構成する円弧)の長さをL0、長さL0の円弧の成す角度をφ0[rad]とする。
この場合、円弧(湾曲部40a、40c)の長さL0は、下記の(9)式で表わされる。
0={φ0/(2×π)}×2×π×r=φ0×r (9)
また、半径rの曲げにより生じる光ファイバケーブル20の単位長あたりの曲げ損失をPとすれば、各湾曲部40a、40cにおいて、長さL0の2つの円弧によって発生する曲げ損失は、それぞれ、下記の(10)式で表わすことができる。
P×L0=P×φ0×r (10)
さらに、入出力端42bから入射された入射光は、入出力端42b→湾曲部40c→傾斜部40b→湾曲部40a→グレーティング26の経路で導かれ、一方で、グレーティング26で反射した反射光は、グレーティング26→湾曲部40a→傾斜部40b→湾曲部40c→入出力端42bの経路で外部に出射される。つまり、入出力端42bから光ファイバケーブル20を見たときに、入射光及び反射光は、合計で4箇所の曲げ損失の発生箇所、すなわち、入射光については湾曲部40c及び湾曲部40aの2箇所、反射光については湾曲部40a及び湾曲部40cの2箇所を通過することになる。
従って、水平応力Fhが付与されていないときの光ファイバケーブル20の曲げに関わる全損失は、下記の(11)式で表わすことができる。
4×P×φ0×r (11)
光ファイバケーブル20に曲げがない状態における反射光の強度(反射波強度)をPmaxとし、水平応力Fhが付与されておらず且つ上述した湾曲部40a及び湾曲部40c(曲げ)が存在するとき(図9参照)の反射波強度をP0とすれば、反射波強度P0は、下記の(12)式で表わされる。
0=Pmax−4×P×φ0×r (12)
次に、図10に示すように、平坦部32に対して+X方向に水平応力Fhが付加された場合には、平坦部32の+X方向への変位に伴って傾斜部36b及び傾斜部40bの平坦部32側も+X方向に一体的に変位する。この結果、湾曲部40a、40cは、図9の場合と比較して一層湾曲する。すなわち、湾曲部40a、40cの円弧の角度は、φ0から(φ0+φ´)に増加し、円弧の長さは、L0からL´に変化する。なお、φ´は、水平応力Fhの付加に起因した円弧の角度増加分である。
ここで、円弧の長さL´は、下記の(13)式で表わされる。
L´={(φ0+φ´)/(2×π)}×2×π×r
=(φ0+φ´)×r (13)
この場合、各湾曲部40a、40cでの曲げ損失は、下記の(14)式でそれぞれ表わすことができる。
P×L´=P×(φ0+φ´)×r (14)
従って、+X方向に水平応力Fhが付与されたときの光ファイバケーブル20の曲げに関わる全損失は、(11)式と同様に、下記の(15)式で表わすことができる。
4×P×(φ0+φ´)×r (15)
そして、+X方向に水平応力Fhが付与されたときの反射波強度をP´とすれば、反射波強度P´は、(12)式と同様にして、下記の(16)式で表わされる。
P´=Pmax−4×P×(φ0+φ´)×r (16)
従って、水平応力Fhの付与の前後における反射波強度の差分(P0−P´)は、(12)式及び(16)式より、下記の(17)式で表わされる。
0−P´=4×P×φ´×r (17)
すなわち、(17)式が図10に示す+X方向に水平応力Fhが付与されたときの反射波強度の変化量を示すことになる。
次に、図11に示すように、平坦部32に対して−X方向に水平応力Fhが付加された場合には、平坦部32の−X方向への変位に伴って傾斜部36b及び傾斜部40bの平坦部32側も−X方向に一体的に変位し、湾曲部40a、40cは、図9の場合と比較して湾曲の度合いが小さくなる。すなわち、湾曲部40a、40cの円弧の角度は、φ0から(φ0−φ´´)に減少し、円弧の長さは、L0からL´´に変化する。なお、φ´´は、−X方向への水平応力Fhの付加に起因した円弧の角度減少分である。
ここで、円弧の長さL´´は、下記の(18)式で表わされる。
L´´={(φ0−φ´´)/(2×π)}×2×π×r
=(φ0−φ´´)×r (18)
この場合、各湾曲部40a、40cでの曲げ損失は、(14)式の場合と同様に、下記の(19)式でそれぞれ表わすことができる。
P×L´´=P×(φ0−φ´´)×r (19)
従って、−X方向に水平応力Fhが付与されたときの光ファイバケーブル20の曲げに関わる全損失は、(15)式と同様に、下記の(20)式で表わすことができる。
4×P×(φ0−φ´´)×r (20)
そして、−X方向に水平応力Fhが付与されたときの反射波強度をP´´とすれば、反射波強度P´´は、(16)式と同様にして、下記の(21)式で表わされる。
従って、水平応力Fhの付与の前後における反射波強度の差分(P´´−P0)は、(12)式及び(21)式より、下記の(22)式で表わされる。
P´´−P0=4×P×φ´´×r (22)
すなわち、(22)式が図11に示す−X方向に水平応力Fhが付与されたときの反射波強度の変化量を示すことになる。
以上のように、水平応力Fhが付与されない場合(図9参照)、+X方向に水平応力Fhが付与された場合(図10参照)、−X方向に水平応力Fhが付与された場合(図11参照)での各反射波強度は、それぞれ、P0、P´、P´´となり、水平応力Fhの大きさに応じて一意的に決まる。
すなわち、図12に示すように、同一波長において、光ファイバケーブル20に曲げが存在しない場合の反射波強度Pmaxに対して、曲げ(湾曲部40a、40c)が存在するときには、反射波強度はPmaxからP0に変化する。また、湾曲部40a、40cが存在する状態で、+X方向に水平応力Fhが付与されたときには、反射波強度はP0から4×P×φ´×rだけ増加したP´に変化する。さらに、湾曲部40a、40cが存在する状態で、−X方向に水平応力Fhが付与されたときには、反射波強度はP0から4×P×φ´´×rだけ減少したP´´に変化する。
従って、P0からP´、P´´への反射波強度の変化量(P0−P´)、(P´´−P0)に基づいて、シート体18に付与された水平応力Fhを検出することができる。
次に、第1実施形態に係る圧力センサ16が付設されるロボットシステム50について、図13及び図14を参照しながら説明する。
このロボットシステム50は、物体52を把持して所定の処理を行うマニピュレータ54と、マニピュレータ54のハンド部56a、56bに配設され、物体52に接触した状態で、ハンド部56a、56bによる物体52の把持状態を検出する圧力センサ16a、16bと、該圧力センサ16a、16bを制御し、物体52の把持状態に係る情報である垂直応力F及び/又は水平応力Fhを取得するセンサコントローラ58と、センサコントローラ58によって取得した垂直応力F及び/又は水平応力Fhに基づき、マニピュレータ54を制御するマニピュレータコントローラ60とを備える。
この場合、物体52を把持する際に圧力センサ16a、16bが検出した水平応力Fhに基づき、ハンド部56a、56bに対する物体52の滑り状態を検知することができる。また、物体52を把持する際に圧力センサ16a、16bが検出した垂直応力Fに基づき、ハンド部56a、56bによる物体52の把持力を検知することができる。従って、垂直応力F及び/又は水平応力Fhに従ってハンド部56a、56bを制御することにより、物体52を脱落させることなく、適切な把持力で把持して所望の位置に移動させる等の作業を遂行することができる。
また、図14に示すように、ロボットシステム50において、光源62から出力された光(入射光)は、光サーキュレータ64により圧力センサ16a、16bの光ファイバケーブル20(図2〜図6及び図8〜図11参照)に供給される。
光ファイバケーブル20の入出力端42bから入射した入射光は、一部の光がグレーティング26により反射される一方、残りの光がグレーティング26を透過した後、入出力端42aから透過光終端器66に導かれる。
グレーティング26により反射された光(反射光)は、光サーキュレータ64からセンサコントローラ58の光検出器68に導かれ、該光検出器68は、反射波長及び反射波強度のピーク値を電気信号に変換して出力する。
センサコントローラ58内の演算処理部70は、コンピュータのCPUによって構成され、水平応力演算部72と、垂直応力演算部74とを有する。
水平応力演算部72は、前述の(21)式及び/又は(22)式を用いて、FBGセンサ22に付与される水平応力Fhの値を算出する。また、垂直応力演算部74は、(16)式及び(17)式を用いて、FBGセンサ22に付与される垂直応力Fの値を算出する。
このように、水平応力Fhの値を算出することで、X−Y平面における物体52の滑り状態を検出することができる。また、垂直応力Fの値を算出することで、Z方向に対する物体52の把持力を検出することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係るFBGセンサ22及び圧力センサ16、16a、16bによれば、物体52からシート体18を介して平坦部32に垂直応力Fが付与されたときに、応力方向変換部30は、垂直応力Fをグレーティング26が配列される方向(X方向)の力F´´に変換し、変換後の力F´´を応力伝達部34a、34bを介してグレーティング26に伝達する。これにより、変換後の力F´´によってグレーティング26に歪みが発生し、該グレーティング26で反射する光の波長(反射波長)が変化する。従って、グレーティング26での反射波長のシフト量を検出することにより、垂直応力Fを検出することが可能となる。
一方、物体52からシート体18を介して平坦部32に水平応力Fhが付与されたときに、平坦部32は、水平応力Fhによって該平坦部32に沿った方向(グレーティング26が配列されたX方向)に変位する。応力伝達部34a、34bは、平坦部32と光ファイバケーブル20とを橋架しているので、少なくとも応力伝達部34a、34bの平坦部32側は、該平坦部32に対する水平応力Fhの付与によって平坦部32と共に変位する。
ここで、外部から光ファイバケーブル20の入出力端42bに光を入射して、この入射光を応力伝達部34bの傾斜部36bに沿った光ファイバケーブル20の湾曲部40c、傾斜部40b及び湾曲部40aに通過させてグレーティング26に導く一方、特定波長の光(反射光)をグレーティング26から光ファイバケーブル20の湾曲部40a、傾斜部40b及び湾曲部40cを通過させて外部に出射させる場合に、平坦部32に対する水平応力Fhの付与によって傾斜部36bが平坦部32と共に変位すれば、前記変位に伴って湾曲部40c及び湾曲部40aが湾曲(又は屈曲)すると共に傾斜部40bも変位するので、光ファイバケーブル20に曲げ損失が発生する。この曲げ損失の発生によって、湾曲部40a、傾斜部40b及び湾曲部40cを通過して外部に出射される反射光の強度(反射波強度)が変化する。
そこで、第1実施形態では、曲げ損失に起因した反射波強度の変化量(P0−P´、P´´−P0)を検出することにより、前記反射波強度に応じた水平応力Fhを検出するようにしている。
従って、第1実施形態によれば、比較的簡単な構造で、物体52から付与される応力(垂直応力F、水平応力Fh)を複数の方向(Z方向、X方向)に分離して検出することが可能となる。すなわち、第1実施形態では、1本の光ファイバケーブル20から出力された反射光(1つの出力信号)を利用して垂直応力F及び水平応力Fhを容易に検出することができる。
また、FBGセンサ22を含む圧力センサ16、16a、16bをマニピュレータ54等のエンドエフェクタ(ハンド部56a、56b)に搭載し、該ハンド部56a、56bが物体52を把持する場合に、FBGセンサ22は、物体52からハンド部56a、56bに加えられる外力(垂直応力F、水平応力Fh)を、複数の方向の成分に分離して検出するので、ハンド部56a、56bの空間座標内において外力がどのように作用しているのかを容易に把握することができる。
これにより、ハンド部56a、56bが物体52を把持している最中に、該物体52が滑り落ちることを確実に回避することが可能になる。また、圧力センサ16、16a、16bをハンド部56a、56bに付設することにより、従来は困難であった、組立作業の自動化を実現することが可能となる。
例えば、外力の付加によって形状が変化しやすい柔軟性のある物体52をハンド部56a、56bが把持しながら組み付ける工程に第1実施形態を適用した場合、ハンド部56a、56bにおける物体52の把持面(接触面)にかかる垂直応力Fや水平応力FhをFBGセンサ22(圧力センサ16、16a、16b)で検出することにより、把持中での物体52の変形の認識や、該認識に応じたハンド部56a、56bに対する制御を自動的に行うことが可能となる。また、柔軟性のある物体52を組み付けるときの引っ掛かりや引張りのテンションを確認する際に、把持面における垂直応力F及び水平応力Fhを検出し、検出した各応力F、Fhに基づいてハンド部56a、56bが物体52を把持する力を制御することも可能となる。
さらに、光ファイバケーブル20を利用して応力を検出するので、FBGセンサ22が電磁波ノイズや各種サージ等に曝されても何ら影響を受けることがない。そのため、大型の設備が多数稼働している工場等の環境下で使用しても、上記の各ノイズの影響を回避しつつ、比較的安定して応力F、Fhを計測することが可能である。
また、平坦部32をグレーティング26を配列した方向(X方向)に沿って配置すると共に、傾斜部36a、36bと接合部38a、38bとによって応力伝達部34a、34bを構成することにより、垂直応力Fを効率よくグレーティング26に沿った方向の力F´´に変換して、グレーティング26に伝達することが可能となる。また、平坦部32に水平応力Fhが付与された場合には、水平応力Fhを効率よく光ファイバケーブル20の湾曲部40a、40c及び傾斜部40bに伝達することが可能となる。
さらに、光ファイバケーブル20の傾斜部40bが応力伝達部34bの傾斜部36bに沿って配置されているので、平坦部32に水平応力Fhが付与されたときには、傾斜部36b及び傾斜部40bを変位させると共に、湾曲部40a、40cも湾曲させて、曲げ損失を確実に発生させることが可能となる。
次に、第2実施形態に係るFBGセンサ22A及び圧力センサ16Aについて、図15〜図17を参照しながら説明する。
第2実施形態において、第1実施形態に係るFBGセンサ22及び圧力センサ16、16a、16b(図2〜図14参照)と同じ構成要素については、同じ参照数字を付けて、その詳細な説明を省略し、以下同様とする。
第2実施形態に係るFBGセンサ22A及び圧力センサ16Aは、図15〜図17に示すように、光ファイバケーブル20の傾斜部40bが配置される傾斜部(第3の傾斜部)80を、各傾斜部36a、36bと離間した状態で、接合部38bの先端部に設けた点で、第1実施形態に係るFBGセンサ22及び圧力センサ16、16a、16bとは異なる。従って、応力伝達部34bの傾斜部36bと光ファイバケーブル20とは非接触状態にあると共に、シート体18の内部において、傾斜部36bと傾斜部80とが二重に配置されている。
次に、第3実施形態に係るFBGセンサ22B及び圧力センサ16Bについて、図18〜図20を参照しながら説明する。
第3実施形態に係るFBGセンサ22B及び圧力センサ16Bは、接合部38bの先端部に形成された傾斜部(第3の傾斜部)82が、傾斜部36bと平行するように設けられ、該傾斜部82の先端部がZ方向に沿って延在している点で、第2実施形態に係るFBGセンサ22A及び圧力センサ16A(図15〜図17参照)とは異なる。
次に、各FBGセンサ22A、22B及び圧力センサ16A、16Bが奏する効果について、図21A及び図21Bを参照しながら説明する。
図21Aは、第1実施形態(図2〜図14参照)において、平坦部32に垂直応力Fを付与したときに、光検出器68から出力される垂直応力Fの検出信号の大きさ(反射波強度のピーク値)と、光検出器68から出力される水平応力Fhの検出信号の大きさとを比較したものである。
第1実施形態の場合には、応力伝達部34bの傾斜部36bに光ファイバケーブル20の傾斜部40bが配置されるので、平坦部32に垂直応力Fを付与して、垂直応力Fに応じた力F´´を応力伝達部34bからグレーティング26に伝達して、該グレーティング26の格子間隔を変化させたときに、傾斜部36bの変位に応じて傾斜部40bが変位すると共に湾曲部40a、40cも湾曲する。
この結果、水平応力Fhが平坦部32に付与されていなくても、光検出器68は、垂直応力Fに起因した曲げ損失に基づく信号を、水平応力Fhの検出信号として出力することになる(図21A中の破線のグラフ)。すなわち、光検出器68は、垂直応力Fに起因した曲げ損失に基づく信号を、水平応力Fhの検出信号として誤検出する場合がある。
なお、図21Aにおいて、二点鎖線のグラフは、平坦部32に垂直応力Fを付与したときの理想的な水平応力Fhの検出信号を示しており、垂直応力Fが平坦部32に付与されても、光検出器68から水平応力Fhの検出信号が出力されることはない。
これに対して、第2実施形態(図15〜図17参照)及び第3実施形態(図18〜図20参照)では、傾斜部36a、36bと傾斜部80、82とが離間した状態でそれぞれ配置されると共に、該傾斜部80、82に光ファイバケーブル20の傾斜部40bが配置されるので、垂直応力Fが平坦部32に付与された場合でも、垂直応力Fに応じた力F´´が傾斜部80、82及び傾斜部40bに及ぶことを回避することが可能となる。
従って、図21Bに示すように、第2及び第3実施形態の場合には、平坦部32に垂直応力Fが付与されても、垂直応力Fに応じた力F´´に起因する傾斜部80、82の変位や、湾曲部40a、40cの湾曲が回避される。この結果、光検出器68から出力される、垂直応力Fに起因した曲げ損失に基づく信号を確実に低減して、理想的な水平応力Fhの検出信号のグラフ(図21Bの二点鎖線のグラフ)に近づけることが可能となるので、光検出器68での水平応力Fhの検出信号の誤検出を防止することが可能となる。
すなわち、第2及び第3実施形態では、光ファイバケーブル20から出射された反射波強度に占める垂直応力Fに応じた反射波強度の変化量の割合が抑制されるので、水平応力Fhに応じた反射波強度の変化量を示す信号を比較的独立性よく検出することが可能となる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
16、16a、16b…圧力センサ 18…シート体
20…光ファイバケーブル 22…FBGセンサ
26…グレーティング 28…応力検出センサ部
30…応力方向変換部 32…平坦部
34a、34b…応力伝達部 36a、36b、40b、80、82…傾斜部
38a、38b…接合部 40a、40c…湾曲部

Claims (4)

  1. 特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部と、
    外部から付与された応力を前記グレーティングを配列した方向の応力に変換して前記光ファイバに伝達する応力方向変換部と、
    を備え、
    前記応力方向変換部は、外部から応力が付与される平坦部と、該平坦部から前記光ファイバに橋架された応力伝達部とを有し、
    前記平坦部は、前記グレーティングを配列した方向に沿って配置され、
    前記応力伝達部は、前記平坦部の一端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの一端部側の近傍を囲繞する第1の接合部と、前記平坦部の他端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第2の傾斜部と、前記第2の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの他端部側の近傍を囲繞する第2の接合部と、から構成され、
    前記応力方向変換部は、前記グレーティングで反射した前記特定波長の光が通過する前記光ファイバの一端部を前記第1の傾斜部又は前記第2の傾斜部に沿って配置することを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部と、
    外部から付与された応力を前記グレーティングを配列した方向の応力に変換して前記光ファイバに伝達する応力方向変換部と、
    を備え、
    前記応力方向変換部は、外部から応力が付与される平坦部と、該平坦部から前記光ファイバに橋架された応力伝達部とを有し、
    前記平坦部は、前記グレーティングを配列した方向に沿って配置され、
    前記応力伝達部は、前記平坦部の一端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの一端部側の近傍を囲繞する第1の接合部と、前記平坦部の他端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第2の傾斜部と、前記第2の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの他端部側の近傍を囲繞する第2の接合部と、前記第1の傾斜部及び前記第2の傾斜部と離間した状態で前記第1の接合部又は前記第2の接合部に連なる第3の傾斜部と、から構成され、
    前記応力方向変換部は、前記グレーティングで反射した前記特定波長の光が通過する前記光ファイバの一端部を前記第3の傾斜部に沿って配置することを特徴とする光ファイバセンサ。
  3. 可撓性を有するシート体と、
    特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部、及び、前記シート体に接触した物体から付与された応力を前記グレーティングを配列した方向の応力に変換して前記光ファイバに伝達する応力方向変換部を備える光ファイバセンサと、
    を有し、
    前記応力方向変換部は、前記物体から応力が付与される平坦部と、該平坦部から前記光ファイバに橋架された応力伝達部とを有し、
    前記平坦部は、前記グレーティングを配列した方向に沿って配置され、
    前記応力伝達部は、前記平坦部の一端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの一端部側の近傍を囲繞する第1の接合部と、前記平坦部の他端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第2の傾斜部と、前記第2の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの他端部側の近傍を囲繞する第2の接合部と、から構成され、
    前記応力方向変換部は、前記グレーティングで反射した前記特定波長の光が通過する前記光ファイバの一端部を前記第1の傾斜部又は前記第2の傾斜部に沿って配置することを特徴とする圧力センサ。
  4. 可撓性を有するシート体と、
    特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部、及び、前記シート体に接触した物体から付与された応力を前記グレーティングを配列した方向の応力に変換して前記光ファイバに伝達する応力方向変換部を備える光ファイバセンサと、
    を有し、
    前記応力方向変換部は、前記物体から応力が付与される平坦部と、該平坦部から前記光ファイバに橋架された応力伝達部とを有し、
    前記平坦部は、前記グレーティングを配列した方向に沿って配置され、
    前記応力伝達部は、前記平坦部の一端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの一端部側の近傍を囲繞する第1の接合部と、前記平坦部の他端部から前記光ファイバに向かって傾斜した第2の傾斜部と、前記第2の傾斜部に連なると共に前記光ファイバの外周面のうち前記グレーティングの他端部側の近傍を囲繞する第2の接合部と、前記第1の傾斜部及び前記第2の傾斜部と離間した状態で前記第1の接合部又は前記第2の接合部に連なる第3の傾斜部と、から構成され、
    前記応力方向変換部は、前記グレーティングで反射した前記特定波長の光が通過する前記光ファイバの一端部を前記第3の傾斜部に沿って配置することを特徴とする圧力センサ。
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