JP2011180026A - 光ファイバセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】応力の計測精度を向上させるとともに、検出面に対して過剰な応力が付与された場合であっても構成部品の破損を防止できる光ファイバセンサを提供する。
【解決手段】光ファイバ38、44、50の長手方向とは異なる方向に付与された応力の方向を前記長手方向と平行方向に変換して、グレーティング40、46、52に伝達する弾性体56が設けられている。弾性体56は、光ファイバ38、44、50の長手方向に対して平行方向に延在する平坦部58と、平坦部58の両端に連結される傾斜部62a、62bと、傾斜部62a、62bに連結されるとともに、光ファイバ38、44、50の長手方向に対して垂直方向に延在して光ファイバ38、44、50と接合する接合部64a、64bとを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、特定波長の光を反射するグレーティングが配列された光ファイバを用いる光ファイバセンサに関する。
例えば、マニピュレータに物体を把持させて所定の作業を遂行させるため、該マニピュレータが備えるエンドエフェクタの一部に圧力センサを付設する場合がある。この圧力センサを用いることにより、物体の把持動作で受ける圧力(応力)を検出し、検出された圧力に基づいて前記エンドエフェクタに対する把持力をフィードバック制御することが可能である。これによって、物体を脱落又は破損させることなく、マニピュレータは適切な把持力でその物体を把持できる。
この圧力センサの一形態として、光ファイバをセンサとしてシートに配置し、物体から前記シートに圧力が付与されたときの前記光ファイバの歪みを検出することにより、前記光ファイバが配置された箇所の圧力を検出する装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開2002−71323号公報
ところで、マニピュレータに把持させる物体の位置、姿勢、あるいは形状に応じて、その物体が有する鋭利な部分が圧力センサの表面(検出面)と接触する場合がある。特に、小さな寸法の部品や、突起部分を有する物体を把持する際にはこの状況が頻繁に起こり得る。
このように、一定の把持力を受ける接触面積が小さくなると、その接触箇所の圧力が局所的に増加し、その応力がセンサの一部(単位素子)に過剰に掛かってしまう。すると、所定の限界値を超えた過剰な応力が加わった場合、圧力センサに内蔵された構成部品(光ファイバ等)が破損(具体的には、断線、変形、分離、剥離等)するおそれがある。これによって、圧力センサを用いて、物体から受ける圧力を正確に検出できなくなる懸念があった。
あわせて、特許文献1に記載された光ファイバセンサでは、把持する物体の形状や光ファイバに対する接触位置等が異なる場合、グレーティング部分に対する応力の分布状態が異なり、このために正確な応力を測定することが容易でないという不都合もある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、応力の計測精度を向上させるとともに、検出面に対して過剰な応力が付与された場合であっても構成部品の破損を防止できる光ファイバセンサを提供することを目的とする。
本発明に係る光ファイバセンサは、特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部と、前記光ファイバの長手方向とは異なる方向に付与された応力の方向を前記長手方向と平行方向に変換して、前記グレーティングに伝達する応力方向変換部とを有し、前記応力方向変換部は、前記光ファイバの長手方向に対して平行方向に延在する平坦部と、前記平坦部の両端に連結される傾斜部と、前記傾斜部に連結されるとともに、前記光ファイバの長手方向に対して垂直方向に延在して前記光ファイバと接合する接合部とを備えることを特徴とする。
このように、光ファイバの長手方向に対して平行方向に延在する平坦部と、前記平坦部の両端に連結される傾斜部と、前記傾斜部に連結されるとともに、光ファイバの長手方向に対して垂直方向に延在して該光ファイバと接合する接合部を設けたので、外部から応力を受けて平坦部と傾斜部とのなす角度が変化したとしても、光ファイバが接合部から受ける応力は、前記平行方向と前記垂直方向の2方向のみに分離される。すなわち、光ファイバが傾斜部の傾斜に伴う曲げ応力を受けないように構成されるので、その耐久性を向上することができる。これによって、圧力センサの検出面に対して過剰な応力が付与された場合であっても構成部品(特に光ファイバ)の破損を防止できる。
さらに、応力方向変換手段により光ファイバが伸張されると、該光ファイバの内部に形成されたグレーティングが、隣接する格子同士の間隔が略均等になるように伸張される。すなわち、光ファイバが応力方向変換手段との接点を基点として伸張され、このために応力が該光ファイバに対して略均等に分散される。このため、格子同士の間隔の変化量に基づいて、前記光ファイバに作用した応力を精度よく検出することができる。
また、前記応力方向変換部は、応力の付与がない状態下での前記平坦部と前記傾斜部とのなす角φ0が、π−Δφ<φ0<π(Δφは、前記傾斜部の変位限界角である。)を満たすような位置関係で配置されていることが好ましい。これにより、傾斜部の角度がφ0から変位し、最大値πに到達したとしても、該傾斜部の変位角が変位限界角Δφを超えることはない。したがって、外部からの応力によって圧力センサの構成部品(すなわち、応力方向変換部)を破損することを防止できる。
さらに、前記応力方向変換部は、樹脂材料及び/又は金属材料から構成されることが好ましい。樹脂材料や金属材料は、ゴム材料に比べて剛性が高く、ヤング率が高い。このため、光ファイバに作用した応力と格子同士の間隔の変化量(すなわち、波長シフト量)との関係は、低応力領域においても良好な線形性を示す。これにより、前記応力を更に精度よく検出することができる。
本発明に係る光ファイバセンサによれば、光ファイバの長手方向に対して平行方向に延在する平坦部と、前記平坦部の両端に連結される傾斜部と、前記傾斜部に連結されるとともに、前記光ファイバの長手方向に対して垂直方向に延在して前記光ファイバと接合する接合部とを設けたので、外部から応力を受けて平坦部と傾斜部とのなす角度が変化したとしても、光ファイバが接合部から受ける応力は、前記平行方向と前記垂直方向の2方向のみに分離される。すなわち、光ファイバは、傾斜部の傾斜に伴う曲げ応力を受けないので、その耐久性を向上することができる。これによって、圧力センサの検出面に対して過剰な応力が付与された場合であっても構成部品(特に光ファイバ)の破損を防止できる。
さらに、応力方向変換手段により光ファイバが伸張されると、該光ファイバの内部に形成されたグレーティングが、隣接する格子同士の間隔が略均等になるように伸張される。すなわち、光ファイバが応力方向変換手段との接点を基点として伸張され、このために応力が該光ファイバに対して略均等に分散される。このため、格子同士の間隔の変化量に基づいて、前記光ファイバに作用した応力を精度よく検出することができる。
本実施の形態に係る光ファイバセンサが組み込まれたロボットシステムの概略構成図である。 図2Aは、FBGセンサの概略説明図である。図2Bは、FBGセンサに入射される光の波長と強度との関係を示す説明図である。図2Cは、グレーティングによって反射される光の波長と強度との関係を示す説明図である。図2Dは、グレーティングが伸張されたFBGセンサの概略説明図である。 図1に示すFBGセンサの分解構成斜視図である。 図3に示す1個の弾性体の拡大斜視図である。 図1のロボットシステムの機能ブロック図である。 図6A及び図6Bは、応力の付与前後における弾性体の形状の変化を模式的に示す平面説明図である。 図3に示す弾性体の平坦部、傾斜部及び接合部に作用する応力の関係を模式的に示した平面説明図である。 図8A及び図8Bは、応力の付与前後における平坦部と傾斜部のなす角の変化を模式的に示す平面説明図である。
以下、本発明に係る光ファイバセンサについて、その光ファイバセンサが組み込まれたロボットシステムとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る光ファイバセンサとしてのFBG(Fiber Bragg Grating)センサ18a、18bが組み込まれたロボットシステム10の概略構成図である。このロボットシステム10は、物体12を把持して所定の動作を行うマニピュレータ14と、マニピュレータ14のハンド部16a、16bに配設され、物体12に接触した状態で、ハンド部16a、16bによる物体12の把持状態を検出するFBGセンサ18a、18bと、FBGセンサ18a、18bを制御し、物体12の把持状態に係る情報である剪断応力及び垂直応力を取得するセンサコントローラ20と、センサコントローラ20によって取得した剪断応力及び垂直応力に基づいてマニピュレータ14を制御するマニピュレータコントローラ22とを備える。
この場合、物体12を把持する際にFBGセンサ18a、18bが検出した剪断応力に基づいて、ハンド部16a、16bに対する物体12の滑り状態を検出することができる。また、物体12を把持する際にFBGセンサ18a、18bが検出した垂直応力に基づいて、ハンド部16a、16bによる物体12の把持力を検出することができる。
本実施の形態に係るロボットシステム10の構成についての詳細な説明に先立ち、FBGセンサ18a、18bを利用した応力検出の概要について、図2A〜図2Dを参照しながら説明する。
FBGセンサ18a、18bは、光ファイバ24のうちの、ゲルマニウム(Ge)が添加されたコア26の一部に、紫外線を照射してグレーティング28を形成することにより構成される。図2Aにおいて、グレーティング28の周期(格子間隔)をΔAとする。
光ファイバ24に応力が付与されていない状態で、図2Bに示す波長及び強度の光がコア26に入射された場合、グレーティング28は、図2Bの波長λのうち、特定波長λAの光(反射光)を反射する(図2A参照)。
一方、光ファイバ24に応力が付与されて、図2Dに示すように、格子間隔がΔAからΔB(ΔA<ΔB)に変化すると、反射光の波長(反射波長)はλAからλBにシフトする(図2C参照)。
ここで、応力が付与される前の反射波長λA、及び、応力が付与されたときの反射波長λBは、コア26の有効屈折率をneffとすると、下記の(1)式及び(2)式で表される。
λA=2×neff×ΔA …(1)
λB=2×neff×ΔB …(2)
このように、反射波長λA、λBは格子間隔ΔA、ΔBによって決定される。また、応力付与前の初期の格子間隔ΔAは、用途やシステムに応じて任意に設定される。
したがって、FBGセンサ18a、18bを利用することで、λAからλBへの反射波長のシフト量(λB−λA)に基づいて、光ファイバ24に付与された応力を検出し、あるいは、応力の有無を判断することができる。
図3は、図1に示すFBGセンサ18a、18bの分解構成斜視図である。FBGセンサ18a、18bは、直交3軸座標系のX方向の剪断応力を検出するX方向応力センサ部32と、Y方向の剪断応力を検出するY方向応力センサ部34と、Z方向の垂直応力を検出するZ方向応力センサ部36とを積層して構成される。
X方向応力センサ部32は、光ファイバ38の軸方向に沿って一定の間隔で形成した多数のグレーティング40がX方向に対して垂直方向(図3ではZ方向)に配列されるように、1本の光ファイバ38を蛇行するように配置し、この光ファイバ38を、プラスチックや樹脂等の可撓性を有する感圧部材42にモールドしたシート体として形成される。なお、各グレーティング40の周期(上述した格子間隔ΔA、ΔB)は、全て異なるものとする。
Y方向応力センサ部34は、光ファイバ44の軸方向に沿って一定の間隔で形成した多数のグレーティング46がY方向に対して垂直方向(図3ではZ方向)に配列されるように、1本の光ファイバ44を蛇行するように配置し、この光ファイバ44を、プラスチックや樹脂等の可撓性を有する感圧部材48にモールドしたシート体として形成される。なお、各グレーティング46の周期(上述した格子間隔ΔA、ΔB)は、全て異なるものとする。
Z方向応力センサ部36は、光ファイバ50の軸方向に沿って一定の間隔で形成した多数のグレーティング52がZ方向に対して垂直方向(図3ではX方向)に配列されるように、1本の光ファイバ50を蛇行するように配置し、この光ファイバ50を、プラスチックや樹脂等の可撓性を有する感圧部材54にモールドしたシート体として形成される。なお、各グレーティング52の周期(上述した格子間隔ΔA、ΔB)は、全て異なるものとする。
FBGセンサ18a、18bは、可撓性を有するシート体から形成することにより、任意の形状からなるハンド部16a、16bの表面に装着して使用することができる。
なお、X方向応力センサ部32、Y方向応力センサ部34及びZ方向応力センサ部36は、それぞれ連続する1本の光ファイバ38、44及び50で構成しているが、複数の光ファイバに分割して構成してもよい。
以上の構成において、光ファイバ38、44、50の各々には、応力方向変換手段としての弾性体56がグレーティング40、46、52を跨ぐようにして装着されている。
図4に例示するように、弾性体56は、光ファイバ38の長手方向に対して平行に延在する平坦部58と、該平坦部58からグレーティング40の各端部に橋架された応力伝達部60とを有する。本実施の形態において、応力伝達部60は、平坦部58に連なるとともに光ファイバ38に向かって傾斜した傾斜部62a、62bと、該傾斜部62a、62bに連なるとともに光ファイバ38の長手方向に対して垂直方向に延在し、接合孔63a、63bを介して光ファイバ38と接合する接合部64a、64bとからなる。ここで、X方向応力センサ部32における接合部64a、64bの延在方向は、X方向に平行している。
平坦部58と傾斜部62a、62bとがなす角度φ1、φ2はφ0として互いに等しく設定されている。
弾性体56の材質は、弾性変形が可能なものであれば特に限定されるものではないが、ゴムや樹脂を好適な例として挙げることができる。なお、液晶ポリマーや炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等であってもよい。さらに、平坦部58、傾斜部62a、62b及び接合部64a、64bの中で平坦部58の弾性率を最も高く設定することが好ましい。
勿論、残余の光ファイバ44、50に設けられた弾性体56も同様に構成されている。この場合、Y方向応力センサ部34における接合部64a、64bの延在方向はY方向に平行し、Z方向応力センサ部36における接合部64a、64bの延在方向はZ方向に平行している。
図5は、以上のように構成されるFBGセンサ18a、18bを用いたロボットシステム10の機能ブロック図である。
ロボットシステム10は、図1に示すマニピュレータ14、FBGセンサ18a、18b、センサコントローラ20及びマニピュレータコントローラ22の他に、FBGセンサ18a、18b側に向けて光を出力する光源68と、光源68から出力された光の光路を時分割で選択するビーム切替器70と、ビーム切替器70により導かれた光の一部を反射し、残余の光を透過する3つのハーフミラー72a〜72cと、ハーフミラー72a〜72cからの透過光であって、FBGセンサ18a、18bを通過した光を導入する3つの透過光終端器74a〜74cとをさらに備える。
また、センサコントローラ20は、ハーフミラー72a〜72cからの反射光を検出する反射光検出器76と、反射光検出器76により検出された光の波長のX方向及びY方向に対するシフト量及びシフト方向に基づいて、その部分に生じた剪断応力の大きさ及び向きを算出する剪断応力算出部78と、反射光検出器76により検出された光の波長のZ方向に対するシフト量及びシフト方向に基づいて、その部分に生じた垂直応力の大きさ及び向きを算出する垂直応力算出部80とから構成されている。
本実施の形態に係るFBGセンサ18a、18bは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作及び作用効果につき、ロボットシステム10との関係で説明する。
図1に示すマニピュレータ14は、マニピュレータコントローラ22による制御信号を受けて、所定の位置・姿勢になるようにハンド部16a、16bを駆動し、物体12を把持する。この場合、図6Aに示すように、マニピュレータ14が物体12を把持する前は、物体12とFBGセンサ18a、18bとの間に隙間82が設けられており、両者は未だに接触していない。すなわち、FBGセンサ18a、18bには一切の応力が作用しない状態である。
なお、説明の便宜のため、図6Aにおいて、FBGセンサ18a、18bの一部を構成するX方向応力センサ部32及びY方向応力センサ部34(図4参照)を省略して、Z方向応力センサ部36のみを表している。図6B、図7、図8A及び図8Bについても図6Aと同様である。
そして、図6Bに示すように、マニピュレータ14が物体12を把持する際、物体12とFBGセンサ18a、18bとが接触することにより、FBGセンサ18a、18bにはZ方向に対する垂直応力Fが付与される。
ここで、Z方向応力センサ部36においては、垂直応力Fが先ず弾性体56の平坦部58に作用する。これにより、平坦部58が伸張する。
上記したように、この場合、傾斜部62a、62b及び接合部64a、64bが平坦部58に比して低弾性に設定されている。このため、傾斜部62a、62bは、湾曲することなく平坦部58との境界を支点として互いに離間するようにC1方向、C2方向にそれぞれ傾斜し、これに伴って平坦部58と傾斜部62a、62bがなす角度が大きくなる。
接合部64a、64b同士の離間に伴い、光ファイバ50が伸張する。その結果、グレーティング52における格子同士の間隔も伸張する。このようにして伸張した格子同士の間隔は、互いに略均等である。接合部64a、64b同士が離間することに伴って光ファイバ50が接合部64a、64bの双方によってD1方向、D2方向にそれぞれ伸張されるからである。
垂直応力Fと、該垂直応力Fに抗して発生する垂直抗力F’とにより、感圧部材54はG1方向、G2方向にそれぞれ圧縮される。
このように、弾性体56は、垂直応力Fが作用する方向(Z方向)を、光ファイバ50の長手方向(例えばX方向)と平行方向に変換する作用を営む。
図7は、図3に示す弾性体56の平坦部58、傾斜部62a、62b及び接合部64a、64bに作用する応力の関係を模式的に示した平面説明図である。
上述のように、物体12によって、平坦部58の長手方向中腹部を重心として垂直応力Fが一様に付与されている。そして、この垂直応力Fに抗した垂直抗力F’がハンド部16a、16bを介して発生している。
そして、傾斜部62a、62bの各々に作用する応力をF1、接合部64a、64bの各々に作用するX方向、Z方向の応力をそれぞれF2、F3とする。また、平坦部58の延在方向(図7ではX方向)と傾斜部62aのなす角度φ1と、傾斜部62bと接合部64bのなす角度φ2とがφで等しいものとする。このとき、F1は、次の(3)式で算出される。
1=(F/2)・cos(φ−π/2)=Fsinφ/2 …(3)
また、傾斜部62a、62bとZ方向とのなす角度は(φ−π/2)であるから、光ファイバ50と接合部64a、64bに作用する力F2、F3は、以下の(4)式及び(5)式で算出される。
2=F1cos(φ−π/2)=F1sinφ=Fsin2φ/2 …(4)
3=F1sin(φ−π/2)=F1cosφ=Fsinφcosφ/2 …(5)
このように、角度φが変化したとしても、光ファイバ50が接合部64a、64bからそれぞれ受ける応力は、平行成分(F2)と垂直方向(F3)の2方向のみに分離される。すなわち、光ファイバ50が傾斜部62a、62bの傾斜に伴う曲げ応力を受けないように構成されるので、その耐久性を向上することができる。
図8Aに示すように、マニピュレータ14が物体12を把持する前、すなわち、FBGセンサ18a、18bに一切の応力が作用しない状態下では、平坦部58と傾斜部62a、62bとがなす角度φ1、φ2はφ0として互いに等しく設定されている。
例えば、φ0は、π−Δφ<φ0<πの関係を満たしている。ここで、Δφは、傾斜部62a、62bの変位限界角である。なお、変位限界角Δφとは、初期状態であるφ0(π/2<φ0<π)に対して、傾斜部62a、62bを破損することなく変位可能な上限値である。すなわち、角度φ1、φ2が(φ0+Δφ)を超えると弾性体56が破損することを意味する。
図8Bに示すように、マニピュレータ14が物体12を把持する際、FBGセンサ18a、18bに付与された垂直応力Fにより、平坦部58と傾斜部62a、62bとがなす角度はφとなるように変位する。
このとき、弾性体56の構造上、φ>πを満たす位置関係にはならないので、図8Bに示す角度の変位量がΔφを超えることがない。すなわち、Z方向応力センサ部36の一部に対して過剰な応力が付与されたとしても、弾性体56が破損しない。
なお、図6A、図6B、図7、図8A及び図8Bは、Z方向応力センサ部36の動作について説明したが、X方向応力センサ部32及びY方向応力センサ部34(図4参照)もこれと同様の動作を行うことはいうまでもない。
ところで、図示しない剪断応力や垂直応力Fが付与されるFRGセンサ18a、18bの内部には、光源68から出力された光が常時供給されている。
図5に示すように、光源68からの出力光は、ビーム切替器70により時分割で選択されたハーフミラー72a〜72cのいずれか1つを介して、FBGセンサ18a、18bを構成するX方向応力センサ部32、Y方向応力センサ部34又はZ方向応力センサ部36のいずれか1つに供給される。
X方向応力センサ部32、Y方向応力センサ部34又はZ方向応力センサ部36の光ファイバ38、44又は50(図3参照)の一端部から入射した光は、一部の光がグレーティング40、46又は52により反射される一方、残りの光がグレーティング40、46又は52を透過した後、透過光終端器74a〜74cに導かれる。
グレーティング40、46又は52により反射された光は、物体12から受ける図示しない剪断応力や垂直応力Fにより、光波長が変調されている。
したがって、図7に示すZ方向応力センサ部36の場合において、光ファイバ50の弾性定数をEとすると、光ファイバ50の歪みεは、(5)式を用いて以下の(6)式で算出される。
ε=2F2/E=(1/E)Fsin2φ …(6)
グレーティング52の格子数をNとすると、格子間隔Δは、次の(7)式で算出される。
Δ=ε/(N−1) …(7)
(7)式に(6)式を代入すれば、以下の(8)式が得られる。
Δ=Fsin2φ/[E×(N−1)] …(8)
したがって、波長のシフト量δλは以下の式(9)によって求めることができる。これは、垂直応力Fの大きさに対して、光の波長特性が一義的に決定されることを意味する。
δλ=2×neff×Δ
=2×neff×Fsin2φ/[E×(N−1)] …(9)
なお、垂直応力Fが付与される重心位置が、平坦部58の長手方向中腹部から離れた場合においても、力学的あるいは光学的考察に基づいて、光の波長特性と垂直応力との関係が一義的に決定されることが諒解される。また、剪断応力の場合も上記と同様である(詳しくは、特願2008−220003号を参照)。
グレーティング40、46又は52によりその波長を変調された反射光は、ハーフミラー72a〜72cを介してセンサコントローラ20の反射光検出器76に導かれ、電気信号に変換される。なお、反射光検出器76は、入射した光を波長毎に分光して検出する分光器により構成される。X方向応力センサ部32及びY方向応力センサ部34からの光に係る電気信号は、剪断応力算出部78に供給される。また、Z方向応力センサ部36からの光に係る電気信号は、垂直応力算出部80に供給される。
剪断応力算出部78は、X方向応力センサ部32の各グレーティング40によって反射された光の波長毎の電気信号に基づき、隣り合うグレーティング40から得られた反射光の波長のX方向に対するシフト量及びシフト方向に従い、その部分に生じた剪断応力の大きさ及び向きを算出する。同様に、剪断応力算出部78は、Y方向応力センサ部34からの反射光の波長のY方向に対するシフト量及びシフト方向に従い、その部分に生じた剪断応力の大きさ及び向きを算出する。そして、これらから、X−Y平面における物体12の滑り状態を検出することができる。
なお、グレーティング40、46は、X−Y平面内においてマトリックス状に配設されているため、各グレーティング40、46によって検出された滑り状態と、各グレーティング40、46の位置情報とに基づき、X−Y平面における滑り状態の分布を求めることができる。
一方、垂直応力算出部80は、Z方向応力センサ部36の各グレーティング52によって反射された光の波長毎の電気信号に基づき、各グレーティング52から得られた反射光の波長のシフト量に従い、その部分に生じた垂直応力の大きさを算出する。この垂直応力から、Z方向に対する物体12の把持力を検出することができる。なお、グレーティング52は、X−Y平面内においてマトリックス状に配設されているため、X−Y平面における把持力の分布を求めることができる。
そして、マニピュレータコントローラ22は、センサコントローラ20により取得された剪断応力及び垂直応力に基づいて、ハンド部16a、16bをフィードバック制御する。これによって、マニピュレータ14は、物体12を脱落させることなく、適切な把持力で把持して所望の位置に移動させる等の作業を遂行することができる。
このように、本実施の形態によれば、光ファイバ38、44、50の長手方向に対して平行方向に延在する平坦部58と、平坦部58の両端に連結される傾斜部62a、62bと、傾斜部62a、62bに連結されるとともに、光ファイバ38、44、50の長手方向に対して垂直方向に延在して光ファイバ38、44、50と接合する接合部64a、64bを設けたので、外部から応力を受けて平坦部58と傾斜部62a、62bとのなす角度が変化したとしても、光ファイバ38、44、50が接合部64a、64bから受ける応力は、前記平行方向と前記垂直方向の2方向のみに分離される。すなわち、光ファイバ38、44、50が傾斜部62a、62bの傾斜に伴う曲げ応力を受けないように構成されるので、その耐久性を向上することができる。これによって、FBGセンサ18a、18bの検出面に対して過剰な応力が付与された場合であっても構成部品(特に光ファイバ38、44、50)の破損を防止できる。
また、弾性体56により光ファイバ38、44、50が伸張されると、光ファイバ38、44、50の内部に形成されたグレーティング40、46、52が、隣接する格子同士の間隔が略均等になるように伸張される。すなわち、光ファイバ38、44、50が弾性体56との接点を基点として伸張され、このために応力が光ファイバ38、44、50に対して略均等に分散される。このため、格子同士の間隔の変化量に基づいて、前記光ファイバ38、44、50に作用した応力を精度よく検出することができる。
さらに、弾性体56は、応力の付与がない状態下での平坦部58と傾斜部62a、62bとのなす角φ0が、π−Δφ<φ0<π(Δφは、傾斜部62a、62bの変位限界角である。)を満たすような位置関係で配置されていることが好ましい。これにより、傾斜部62a、62bの角度がφ0から変位し、最大値πに到達したとしても、傾斜部62a、62bの変位角が変位限界角Δφを超えることはない。したがって、外部からの応力によってFBGセンサ18a、18bの構成部品(すなわち、弾性体56)を破損することを防止できる。
さらに、弾性体56は、樹脂材料及び/又は金属材料から構成されることが好ましい。樹脂材料や金属材料は、ゴム材料に比べて剛性が高く、ヤング率が高い。このため、光ファイバ38、44、50に作用した応力とグレーティング40、46、52の間隔の変化量(すなわち、波長シフト量)との関係は、低応力領域においても良好な線形性を示す。これにより、前記応力を更に精度よく検出することができる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
そして、図5に示すロボットシステム10において、光源68から出力された光をビーム切替器70により時分割してFBGセンサ18a、18bに供給する代わりに、FBGセンサ18a、18bを構成するX方向応力センサ部32、Y方向応力センサ部34及びZ方向応力センサ部36に対して、独立した3つの光源からそれぞれ光を供給する一方、X方向応力センサ部32、Y方向応力センサ部34及びZ方向応力センサ部36からの反射光を、独立した3つの反射光検出器によって検出するように構成してもよい。このように構成することにより、物体12から受ける剪断応力及び垂直応力を同時に検出することができる。
また、FBGセンサ18a、18bは、ハンド部16a、16bによる物体12の把持状態の検出に限らず、例えば、物体の表面状態の検出にも適用することができる。
10…ロボットシステム 12…物体
14…マニピュレータ 16a、16b…ハンド部
18a、18b…FBGセンサ 20…センサコントローラ
22…マニピュレータコントローラ 24、38、44、50…光ファイバ
26…コア 28、40、46、52…グレーティング
32…X方向検出センサ部 34…Y方向検出センサ部
36…Z方向検出センサ部 42、48、54…感圧部材
58…平坦部 60…応力伝達部
62a、62b…傾斜部 63a、63b…接合孔
64a、64b…接合部 68…光源
70…ビーム切替器 72a〜72c…ハーフミラー
74a〜74c…透過光終端器 76…反射光検出器
78…剪断応力演算部 80…垂直応力演算部

Claims (3)

  1. 特定波長の光を反射するグレーティングを配列した光ファイバからなる応力検出センサ部と、
    前記光ファイバの長手方向とは異なる方向に付与された応力の方向を前記長手方向と平行方向に変換して、前記グレーティングに伝達する応力方向変換部とを有し、
    前記応力方向変換部は、
    前記光ファイバの長手方向に対して平行方向に延在する平坦部と、
    前記平坦部の両端に連結される傾斜部と、
    前記傾斜部に連結されるとともに、前記光ファイバの長手方向に対して垂直方向に延在して前記光ファイバと接合する接合部とを備える
    ことを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記応力方向変換部は、応力の付与がない状態下での前記平坦部と前記傾斜部とのなす角φ0が、π−Δφ<φ0<π(Δφは、前記傾斜部の変位限界角である。)を満たすような位置関係で配置されている
    ことを特徴とする光ファイバセンサ。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記応力方向変換部は、樹脂材料及び/又は金属材料から構成される
    ことを特徴とする光ファイバセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102944342A (zh) * 2012-11-16 2013-02-27 中国科学院半导体研究所 一种差动式光纤土压计

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