JP5522388B2 - トーショナルダンパ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのクランクシャフト等の回転軸に発生する捩り振動を吸収するために用いられるトーショナルダンパとその製造方法に関する。
従来から図6に示すように、エンジンのクランクシャフト51にトーショナルダンパ52を装着する場合、このトーショナルダンパ52のすぐ隣りに位置してエンジンケース53の軸孔内周には、エンジンオイルの流出を抑制すべくオイルシール54が装着される(特許文献1参照)。
また、このオイルシール54に車両外部からのダストが咬み込まれるとオイルシール54が早期に破損してしまうことから、図7に示すように、オイルシール54のすぐ外側に位置してトーショナルダンパ52とエンジンケース53との間には、外部ダストの侵入を抑制すべく非接触式のラビリンスシール55が設けられることがある。
しかしながら、従来は、この非接触式のラビリンスシール55が、金属部品であるトーショナルダンパ52のハブ56に設けた凹部56aとこれに対応してエンジンケース53に設けた凸部53aとの組み合わせによって形成されているため、以下の不都合がある。
すなわち、ラビリンスシール55は上記したように外部ダスト侵入の防止を目的とすることから、凹部56aおよび凸部53aの組み合わせによるクリアランスは可及的に小さいことが要求される。したがってハブ56に設ける凹部56aに切削加工によるタイトな寸法公差が要求され、このため特殊な加工チップが必要となるなど、加工性が良くない。また、これに伴って部品単価が高価となる。また、金属部品の組み合わせによるクリアランス設定には、エンジン構成部品の積み上げ公差により限界がある。
また、他の従来技術として、図8(A)に示すように、エンジンの回転状態をセンシングするためにセンサプレート57を備えたトーショナルダンパ52が知られており、図8(B)に示すように、センサプレート57はその円周上一部に突起状の歯57aを立てたものであって、この歯57aがセンサ(図示せず)の正面を通過することによりエンジンの回転状態がセンシングされる(特許文献2参照)。
しかしながら、この従来構造には、以下の不都合がある。
すなわち、センサプレート57が質量体58の径よりも大きな円盤によって形成されているため、部品重量が増加する。また、センシング箇所が外部に露出しているため、車両走行時タイヤの跳ね返りで小石などが飛んでくると、センサプレート57やセンサが破損する可能性がある。
特開2002−276738号公報(図1) 特開2003−148560号公報(図5〜6)
本発明は以上の点に鑑みて、非接触式のラビリンスシールについてそのクリアランスの設定が容易であるとともに、センシング機構について部品重量の増加を抑制し、部品の破損を抑制することができるトーショナルダンパを提供することを目的とする。また、このような作用効果を備えるトーショナルダンパを容易に製作することができるトーショナルダンパの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるトーショナルダンパは、ハブにゴム状弾性体を介して質量体を連結したダンパ本体と、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用磁性ゴムとを有し、前記ダンパ本体における前記ハブのエンジン側側面位置に前記磁性ゴムを取り付け、前記磁性ゴムは、当該トーショナルダンパの装着時にエンジンケースとの間で非接触式のラビリンスシールを形成し、前記ハブはそのエンジン側側面位置に突起部または段差部を一体に有し、前記突起部または段差部の外周面に前記磁性ゴムを取り付け、前記磁性ゴムは前記突起部または段差部よりも軸方向に突出するリップ部を一体に有し、前記リップ部によって前記ラビリンスシールを形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項2によるトーショナルダンパは、上記した請求項1記載のトーショナルダンパにおいて、前記磁性ゴムは、当該磁性ゴムを前記ハブに直接加硫接着することにより前記ハブに取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3によるトーショナルダンパは、上記した請求項1記載のトーショナルダンパにおいて、前記磁性ゴムは、当該磁性ゴムを加硫接着したスリーブを前記ハブに嵌合することにより前記ハブに取り付けられていることを特徴とする。
更にまた、本発明の請求項4によるトーショナルダンパの製造方法は、上記した請求項1または2に記載したトーショナルダンパを製造する方法であって、前記ゴム状弾性体および前記磁性ゴムを同時加硫成形により前記ハブに同時接着する工程と、前記接着後に前記磁性ゴムに所定の円周方向着磁パターンを施す工程とを有することを特徴とする。
上記構成を有する本発明のトーショナルダンパにおいては、ハブにゴム状弾性体を介して質量体を連結したダンパ本体のほかに、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用磁性ゴムが設けられ、ダンパ本体におけるハブのエンジン側側面位置にこの磁性ゴムが取り付けられ、この磁性ゴムが当該トーショナルダンパの装着時にエンジンケースとの間で非接触式のラビリンスシールを形成する。したがって、上記従来技術のように手間のかかる切削加工などによって成形される金属部品ではなく、金型などを用いて比較的容易に成形されるゴム部品によってラビリンスシールの構成要素が形成されるため、加工性を向上させることが可能となり、しかもそのうえで、加工の容易化に伴ってクリアランスの寸法精度を向上させることが可能となる。また磁性ゴムによれば、部品重量を軽減することが可能となり、磁性ゴムをハブのエンジン側側面位置に取り付ける構造によれば、磁性ゴムがハブの後ろに隠れるため、小石などが磁性ゴムやセンサに当たることもない。
磁性ゴムをハブのエンジン側側面位置に取り付けるためには、磁性ゴムをハブのエンジン側側面に直接取り付けても良いが、ハブのエンジン側側面位置にあらかじめ突起部を一体成形し、この突起部の外周面に磁性ゴムを取り付けるようにしても良い。この場合、突起部の外周面に取り付けられる磁性ゴムはその径方向の厚みよりも軸方向の幅のほうが大きく形成され円筒状を呈するのが一般となるので、その径方向外方位置にセンサが径方向内方へ向けて配置されることになる。またこのとき、磁性ゴムの軸方向端部に突起部よりも軸方向に突出するリップ部を一体成形して、このリップ部によってラビリンスシールを形成すると、金属製の突起部ではなく磁性ゴムによってクリアランスが寸法精度良く設定される。尚、突起部はハブのエンジン側側面から軸方向一方へ向けて筒状に成形されるが、この突起部はこれに代えて、断面階段状の段差部などであっても良い。
磁性ゴムをハブのエンジン側側面位置に取り付ける手段としては、磁性ゴムをハブに非接着で嵌合するだけではその脱落することが懸念される。そこで、磁性ゴムをハブに直接加硫接着するのが好適であり、また、磁性ゴムをスリーブに加硫接着してこのスリーブをハブに嵌合するのが好適である。
このうち、前者の磁性ゴムをハブに直接加硫接着する場合には、これと並行して、ダンパ本体のゴム状弾性体もハブに加硫接着される場合がある。すなわちダンパ本体において、ハブにゴム状弾性体を介して質量体を連結する構造すなわちハブと質量体との間にゴム状弾性体を介装する構造としては、
(1)ハブと質量体の間にあらかじめ成形したゴム状弾性体を圧入する、
(2)質量体とスリーブの間でゴム状弾性体を加硫成形して、これら3者によるブッシュ体を成形し、このブッシュ体をスリーブをもってハブに嵌合する、または
(3)ハブとスリーブの間でゴム状弾性体を加硫成形して、これら3者によるブッシュ体を成形し、このブッシュ体のスリーブに対して質量体を後付けで嵌合する、
ことか考えられるが、(3)の場合には、ハブにゴム状弾性体が加硫接着されるとともに、これと並行して、ハブに磁性ゴムが加硫接着される。したがってこの場合には、ハブを金型にインサートした状態で、ゴム状弾性体および磁性ゴムを同時加硫成形によりハブに同時接着するのが好ましく、これによれば同じ1つのハブを接着の対象として加硫接着工程を2度に亙って行なわなければならないと云う二度手間の弊を免れることが可能となる。尚、この場合には、上記工程を経て磁性ゴムをハブに接着してから、この磁性ゴムに所定の円周方向着磁パターンを施す工程を実施することになる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のトーショナルダンパにおいては、ハブにゴム状弾性体を介して質量体を連結したダンパ本体のほかに、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用磁性ゴムが設けられ、ダンパ本体におけるハブのエンジン側側面位置に磁性ゴムが取り付けられ、磁性ゴムが当該ダンパの装着時にエンジンケースとの間で非接触式のラビリンスシールを形成する。したがって、ゴム部品によってラビリンスシールが形成されるため、加工性を向上させることができ、しかもそのうえで、加工性の向上を利用してクリアランスの寸法精度を向上させることができる。また磁性ゴムによれば、部品重量を軽減することができ、磁性ゴムをハブのエンジン側側面位置に取り付ける構造によれば、磁性ゴムがハブによって保護されて、損傷するのを防止することができる。また、ゴム状弾性体および磁性ゴムを同時加硫成形によりハブに同時接着する場合には、加硫接着工程における作業の二度手間を省くことができる。
本発明の第一実施例に係るトーショナルダンパの半裁断面図 同トーショナルダンパの要部拡大断面図であって同ダンパとエンジンケース、オイルシールおよびセンサを組み合わせた状態の断面図 同トーショナルダンパの製造工程を示す説明図 本発明の第二実施例に係るトーショナルダンパの半裁断面図 同トーショナルダンパの半裁断面図であって同ダンパとエンジンケース、オイルシールおよびセンサを組み合わせた状態の断面図 従来例に係るトーショナルダンパの断面図 他の従来例に係るトーショナルダンパの要部断面図 (A)は他の従来例に係るトーショナルダンパの半裁断面図、(B)は(A)におけるB方向矢視図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
第一案・・・
(1)従来技術において、エンジン回転検出やクランク角度検出等のセンシング機構(歯切り板とセンサ)は、
(a)クランクシャフトフロントカバー内(油中)に設ける
(b)ディストリビュータ内に設ける
(c)トーショナルダンパ(ハブにセンサプレート)に設ける
等の構成をとっており、複雑な構造やコストUPを必要としており、簡単にメンテナンスを行なえない等、より簡易化されたセンシング機構が求められる。
(2)また、オイルシール(リップ部)へのダスト侵入は、リップや摺動面の摩耗を大きくし、油漏れ発生の原因となるため、一部TVD量産品では、ダスト侵入防止の突起をハブに設けているが、突起部とエンジンケースのメタルタッチを避け、クリアランスをより近付けることができず、侵入防止効果をよりUPさせる構造が必要である。
(3)従来技術における上記(1)(2)の問題点を解決するために、センシング機構およびダスト侵入防止構造を以下の構成とする。
(3−1)ダンパゴムをハブとスリーブに加硫接着し、同時加硫成形(ハイブリッド加硫成形)で、ハブの突起部にも磁性ゴム材を加硫接着する。また、突起リップ部先端とエンジンケース間は、非常に微小クリアランスになるようなゴム先端形状とする。
(3−2)振動リングのみを上記加硫品に嵌合し、Assy品とする。
(3−3)ハブ突起部へ加硫接着した磁性ゴム材には、特定の磁性パターンを磁着させ、磁気エンコーダとする。
以上のように、ハブ突起部に磁性ゴム材を加硫接着し磁気エンコーダ化することでセンシング機能と、突起先端とエンジンケース間クリアランスを微小に設定することでダスト侵入防止機能(向上)の両構成を持つようにしたことを特徴とするトーショナルダンパ(TVD)である。
(4)上記の構成をとることで、
(4−1)センシング機能をTVDに付加できる。
(4−2)オイルシールへのダスト侵入をより効果的に防止可能となる。
(4−3)部品点数は増えない。
(4−4)現行のセンシング方法よりも安価が期待できる。
第二案・・・
(5)従来、エンジンのラビリンス(オイルシール部へのダスト侵入防止)構造は、クランクシャフトに締結される金属製のハブ部材に設けられている凸部と、エンジンフロントカバーに設けられている凹部の組合せによって構成されているが、以下の問題点がある。
(5−1)ダスト侵入防止が目的のことから、凹凸組合せのクリアランスは小さいことが要求される。したがって、ハブ側凸部は薄肉で複雑かつ切削加工によるタイトな寸法公差が必要となり、特殊な加工チップ等が必要となり加工性が悪い。
(5−2)上記(5−1)項により、部品単価が高価となる。
(5−3)凹凸部のクリアランス設定には、エンジン構成部品の積み上げ公差により限界がある。
(6)エンジンの回転状態をセンシングするために、トーショナルダンパ本体もしくは、クランクシャフトエンジンフロントカバー内(油中)に歯が切られている円盤状の板が取り付けられている場合、以下の問題点がある。
(6−1)プーリ径よりも大きな円盤が必要となり、重量が増加する。
(6−2)センシング箇所が外に露出しているため、小石等で破損する可能性がある。
(6−3)クランクシャフトに取り付けられている場合は、油中で使用されるため、高価なセンサが必要となる。
(7)従来技術における上記(5)(6)の問題点を解決するため、ハブ部材を以下の構成とする。
(7−1)スリーブに磁性ゴム材が加硫接着されており、その先端突起形状を加硫成形品において突出させる。
(7−2)加硫品はボス外周のエンジン側に嵌合されている。
(7−3)突起部は磁性ゴムであり、突起部は任意の極性パターンを容易にもたせることが可能である。
(7−4)また、エンジンフロントカバー側のラビリンス部分にセンサを設置することでセンサは外に露出していないため、破損の危険性が少ない。
(8)上記の構成をとることで、
(8−1)ハブ部材のラビリンス凸部はゴムで形成されていることから、加工が容易である。
(8−2)センシング部分が小径化およびゴムで構成されるため、軽量になる。
(8−3)エンジンフロントカバー内にセンサを設定できるので、外に露出していない分、破損の危険性が低くなる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1ないし図3は、本発明の第一実施例に係るトーショナルダンパ1を示しており、当該実施例に係るトーショナルダンパ1は以下のように構成されている。
すなわち図1に示すように、当該トーショナルダンパ1は、ハブ12にゴム状弾性体13を介して質量体15を連結したダンパ本体11と、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用磁性ゴム21とを有しており、ダンパ本体11におけるハブ12のエンジン側側面(図では右側の側面)位置に磁性ゴム21が取り付けられている。図2に示すように磁性ゴム21は、当該ダンパ1の装着時にエンジンケース(エンジンフロントカバー)41との間で微小な軸方向クリアランスcを設定する非接触式のラビリンスシール31を形成する。
図1の説明に戻って、ハブ12は、所定の金属材によって環状に成形されており、内周筒部(ボス部)12a、径方向の立ち上がり部12bおよび外周筒部12cを一体に有している。内周筒部12aの外周側に位置して径方向立ち上がり部12bのエンジン側側面には環状の突起部12dが設けられており、この突起部12dと内周筒部12aとの間に相対の環状凹部12eが設けられている。
ゴム状弾性体13は、所定のゴム状弾性材によって環状に成形されており、ハブ12の外周筒部12cとスリーブ14との間に配置され、外周筒部12cの外周面およびスリーブ14の内周面に加硫接着されている。
質量体15は、所定の金属材によって環状に成形されており、ハブ12の外周筒部12c、ゴム状弾性体13およびスリーブ14の外周側に配置され、スリーブ14の外周面に所定の嵌合代をもって非接着で嵌合されている。尚、この質量体15は、慣性質量体または振動リングと称されることがあり、更にプーリ溝が設けられている場合にはプーリと称されることもある。
磁性ゴム21は、磁性紛を混入した所定のゴム状弾性材によって環状に成形されており、ハブ12に設けた突起部12dの外周側に配置され、突起部12dの外周面に加硫接着されている。この磁性ゴム21は、その円周方向着磁パターンとして、N極S極を円周上交互に所定ピッチで多数磁極化した磁気エンコーダ構造を有し、図2に示すように磁気センサ44と組み合わされることによってエンジン回転検出やクランク角度検出等のセンシングが行なわれる。またこの磁性ゴム21には、そのエンジン側端部(図では右側の端部)に、突起部12dよりも軸方向一方へ突出する環状のリップ部21aが一体に設けられており、図2に示すようにこのリップ部21aがエンジンケース41に接近配置されることによって上記微小な軸方向クリアランスcを設定する非接触式のラビリンスシール31が形成される。リップ部21aは着磁されていても着磁されていなくても良い。
上記構成のトーショナルダンパ1をエンジンケース41と組み合わせると図2に示すようになり、当該ダンパ1に対しエンジンケース41がハブ12の内周筒部12aの外周側であって径方向立ち上がり部12bの軸方向一方の側に配置される。エンジンケース41の内周にはオイルシール42が装着される。このオイルシール42は、そのシールリップ(図示せず)をハブ12の内周筒部12aの外周面に摺動自在に密接させるものであって、このオイルシール42が奏するシール作用によって、エンジンオイルがエンジン内部(図上右方)から外部(左方)へ漏出するのが抑制される。またこのオイルシール42のシールリップ摺動部へ外部ダストが侵入するのを抑制すべく上記ラビリンスシール31が設けられ、すなわち磁性ゴム21のリップ部21aがエンジンケース41の側面部に接近配置されることによって上記微小な軸方向クリアランスcを設定する非接触式のラビリンスシール31が形成される。
また、エンジンケース41の内周部には、上記ハブ12に設けた環状凹部12eと組み合わされる環状凸部41aが設けられ、この凹凸12e,41aの組み合わせによっても非接触式のラビリンスシール43が形成される。但し、金属部品であるハブ12に設けた凹部12eとエンジンケース41に設けた凸部41aの組み合わせによるラビリンスシールに解決すべき不都合があることは上記したとおりであり、このため当該ダンパ1では、上記磁性ゴム21のリップ部21aとエンジンケース41との組み合わせによるラビリンスシール31が別途形成されている。
また、磁性ゴム21と組み合わされてセンシングを行なうべく磁気センサ44が配置される。磁気センサ44は磁性ゴム21の外周側に配置され、そのセンサ口を径方向内方へ向けて配置される。
上記構成のトーショナルダンパ1においては、ハブ12にゴム状弾性体13およびスリーブ14を介して質量体15を連結した構造のダンパ本体11のほかに、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用の磁性ゴム21が設けられ、ダンパ本体11におけるハブ12のエンジン側側面位置にこの磁性ゴム21が取り付けられ、この磁性ゴム21が当該ダンパ1の装着時にエンジンケース41との間で非接触式のラビリンスシール31を形成する。したがって、上記従来技術のように手間のかかる切削加工によって成形される金属部品ではなく、金型を用いて比較的容易に成形されるゴム部品によってラビリンスシール31の一方の構成要素が形成されるため、加工性を向上させ、加工を容易化することができ、しかもそのうえで、加工の容易化に伴ってクリアランスcの寸法精度を向上させることができる。また、ダンパ1側のセンシング構造が磁性ゴム21のみによって形成されているため、部品重量を軽減することができる。また、磁性ゴム21がハブ12のエンジン側側面位置に取り付けられてハブ12の後ろ(ハブ12とエンジンケース41との間)に隠れるため、小石などが磁性ゴム21やセンサ44に当たることがなく、よってこれらの衝接により磁性ゴム21やセンサ44が破損するのを防止することができる。
つぎに、上記トーショナルダンパ1の製造方法を説明すると、上記ダンパ1は以下の手順で製造される。
すなわち先ず、ハブ12、スリーブ14および質量体15をそれぞれ部品形状に製造する。次いで、ハブ12およびスリーブ14を金型にインサートし、このインサートした状態で、この金型を用いてゴム状弾性体13および磁性ゴム21を同時加硫成形し、ハブ12に同時接着する。したがって金型には、ゴム状弾性体13を成形するためのキャビティ空間と磁性ゴム21を成形するためのキャビティ空間がそれぞれ設けられており、これらに異なる材料が充填される。次いで離型後、磁性ゴム21に所定の円周方向着磁パターンを施し、またこれと前後して図3に示すように、質量体15をスリーブ14の外周側に嵌合する。
したがって、上記製造方法によれば、先に詳記したとおりゴム加硫接着工程における作業の二度手間を省くことができる。
第二実施例・・・
図4および図5は、本発明の第二実施例に係るトーショナルダンパ1を示しており、当該実施例に係るトーショナルダンパ1は以下のように構成されている。
すなわち図4に示すように、当該トーショナルダンパ1は、ハブ12にゴム状弾性体13を介して質量体15を連結したダンパ本体11と、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用磁性ゴム21とを有しており、ダンパ本体11におけるハブ12のエンジン側側面(図では右側の側面)位置に磁性ゴム21が取り付けられている。図5に示すように磁性ゴム21は、当該ダンパ1の装着時にエンジンケース(エンジンフロントカバー)41との間で微小な径方向クリアランスcおよびこれに連続する軸方向クリアランスcを設定する非接触式のラビリンスシール31を形成する。
図4の説明に戻って、ハブ12は、所定の金属材によって環状に成形されており、内周筒部(ボス部)12a、径方向の立ち上がり部12bおよび外周筒部12cを一体に有している。内周筒部12aの外周側に位置して径方向立ち上がり部12bのエンジン側側面には環状の段差部12fが設けられている。
ゴム状弾性体13は、所定のゴム状弾性材によって環状に成形されており、ハブ12の外周筒部12cと質量体15との間に配置され、外周筒部12cの外周面に非接着で嵌合されている。尚、その装着に際しては、ハブ12と質量体15との間に軸方向一方から圧入される。
質量体15は、所定の金属材によって環状に成形されており、ハブ12の外周筒部12cおよびゴム状弾性体13の外周側に配置され、ゴム状弾性体13の外周面に非接着で嵌合されている。尚、この質量体15は、慣性質量体または振動リングと称されることがあり、更に図示するようにプーリ溝15aが設けられている場合にはプーリと称されることもある。
磁性ゴム21は、磁性紛を混入した所定のゴム状弾性材によって環状に成形されており、スリーブ22の外周側に配置され、スリーブ22の外周面に加硫接着され、スリーブ22がハブ12の段差部12fの外周面に所定の嵌合代をもって嵌合されることにより、このスリーブ22を介して段差部12fの外周面に取り付けられている。この磁性ゴム21は、その円周方向着磁パターンとして、N極S極を円周上交互に所定ピッチで多数磁極化した磁気エンコーダ構造を有し、図5に示すように磁気センサ44と組み合わされることによってエンジン回転検出やクランク角度検出等のセンシングが行なわれる。またこの磁性ゴム21には、そのエンジン側端部(図では右側の端部)に、段差部12fおよびスリーブ22よりも軸方向一方へ突出する環状のリップ部21aが一体に設けられており、図5に示すようにこのリップ部21aがエンジンケース41に接近配置されることによって上記微小な径方向クリアランスcおよび軸方向クリアランスcを設定する非接触式のラビリンスシール31が形成される。
上記構成のトーショナルダンパ1をエンジンケース41と組み合わせると図5に示すようになり、当該ダンパ1に対しエンジンケース41がハブ12の内周筒部12aの外周側であって径方向立ち上がり部12bの軸方向一方の側に配置される。エンジンケース41の内周にはオイルシール42が装着される。このオイルシール42は、そのシールリップ(図示せず)をハブ12の内周筒部12aの外周面に摺動自在に密接させるものであって、このオイルシール42が奏するシール作用によって、エンジンオイルがエンジン内部(図上右方)から外部(左方)へ漏出するのが抑制される。またこのオイルシール42のシールリップ摺動部へ外部ダストが侵入するのを抑制すべく上記ラビリンスシール31が設けられ、すなわち磁性ゴム21のリップ部21aがエンジンケース41に設けた凹段部41bに接近配置されることによって上記微小な径方向クリアランスcおよび軸方向クリアランスcを設定する非接触式のラビリンスシール31が形成される。
また、磁性ゴム21と組み合わされてセンシングを行なうべく磁気センサ44が配置される。磁気センサ44は磁性ゴム21の外周側に配置され、そのセンサ口を径方向内方へ向けて配置される。また当該実施例の場合、エンジンケース41は凹段部41bを有して磁性ゴム21の一部外周側に被さっているので、磁気センサ44はエンジンケース41の厚み内に保持されている。
上記構成のトーショナルダンパ1においては、ハブ12にゴム状弾性体13を介して質量体15を連結した構造のダンパ本体11のほかに、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用の磁性ゴム21が設けられ、ダンパ本体11におけるハブ12のエンジン側側面位置にこの磁性ゴム21が取り付けられ、この磁性ゴム21が当該ダンパ1の装着時にエンジンケース41との間で非接触式のラビリンスシール31を形成する。したがって、上記従来技術のように手間のかかる切削加工によって成形される金属部品ではなく、金型を用いて比較的容易に成形されるゴム部品によってラビリンスシール31の一方の構成要素が形成されるために、加工性を向上させ、加工を容易化することができ、しかもそのうえで、加工の容易化に伴ってクリアランスcの寸法精度を向上させることができる。また、ダンパ1側のセンシング構造が磁性ゴム21とこれを保持するスリーブ22のみによって形成されているため、部品重量を軽減することができる。また、磁性ゴム21がハブ12のエンジン側側面位置に取り付けられてハブ12の後ろ(ハブ12とエンジンケース41との間)に隠れるため、小石などが磁性ゴム21やセンサ44に当たることがなく、よってこれらの衝接により磁性ゴム21やセンサ44が破損するのを防止することができる。
尚、当該第二実施例に係るダンパ1を製造する際には、上記第一実施例のような「同時加硫成形・同時接着」は行なわれない。ゴム状弾性体13は単体で成形され、これとは別に、磁性ゴム21はスリーブ22と組み合わされて加硫成形・接着される。
1 トーショナルダンパ
11 ダンパ本体
12 ハブ
12a 内周筒部
12b 径方向立ち上がり部
12c 外周筒部
12d 突起部
12e 環状凹部
12f 段差部
13 ゴム状弾性体
14,22 スリーブ
15 質量体
15a プーリ溝
21 磁性ゴム
21a リップ部
31,43 ラビリンスシール
41 エンジンケース
41a 環状凸部
41b 凹段部
42 オイルシール
44 センサ
c,c,c クリアランス

Claims (4)

  1. ハブにゴム状弾性体を介して質量体を連結したダンパ本体と、所定の円周方向着磁パターンを備えたセンシング用磁性ゴムとを有し、
    前記ダンパ本体における前記ハブのエンジン側側面位置に前記磁性ゴムを取り付け、
    前記磁性ゴムは、当該トーショナルダンパの装着時にエンジンケースとの間で非接触式のラビリンスシールを形成し、
    前記ハブはそのエンジン側側面位置に突起部または段差部を一体に有し、前記突起部または段差部の外周面に前記磁性ゴムを取り付け、
    前記磁性ゴムは前記突起部または段差部よりも軸方向に突出するリップ部を一体に有し、前記リップ部によって前記ラビリンスシールを形成することを特徴とするトーショナルダンパ。
  2. 請求項1記載のトーショナルダンパにおいて、
    前記磁性ゴムは、当該磁性ゴムを前記ハブに直接加硫接着することにより前記ハブに取り付けられていることを特徴とするトーショナルダンパ。
  3. 請求項1記載のトーショナルダンパにおいて、
    前記磁性ゴムは、当該磁性ゴムを加硫接着したスリーブを前記ハブに嵌合することにより前記ハブに取り付けられていることを特徴とするトーショナルダンパ。
  4. 請求項1または2に記載したトーショナルダンパを製造する方法であって、
    前記ゴム状弾性体および前記磁性ゴムを同時加硫成形により前記ハブに同時接着する工程と、
    前記接着後に前記磁性ゴムに所定の円周方向着磁パターンを施す工程とを有することを特徴とするトーショナルダンパの製造方法。
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