JP5522339B2 - 撥水性構造及び撥水性構造体 - Google Patents

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本発明は、水滴の付着を防ぐ撥水機能を発揮する微細な凹凸構造を備えた撥水性構造であって、耐摩耗性に優れ、撥水性を長期に亘って発揮することができる撥水性構造と、このような構造を備えた撥水性構造体に関するものである。
自動車や鉄道用車両、船舶、航空機などの各種ウインドウパネルにおいては、雨を除去するためにワイパーシステムが導入されているが、ウインドウパネルの撥水化によって、ワイパーの要らないウインドウパネルを実現し、コスト削減や生産工数削減する試みがある。
このようなパネルの撥水化技術としては、無数の微細突起から成る微細な凹凸構造の表面に、塗布やプラズマCVD法を用いてナノ粒子を付着させることによって、超撥水性を付与することが記載されている(特許文献1参照)。
特開2008−122435号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された撥水性反射防止構造においては、表面のなの粒子が塗布やプラズマによる粒子形成により付着しているに過ぎないため、当該粒子が表面から脱落しやすく、からぶき等に対する長期耐久性に乏しいという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、優れた撥水機能を長期間に亘って発揮することができる撥水性構造と、このような構造を備えた撥水性構造体、例えば、ウインドウパネルやディスプレイなどの自動車部品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、撥水機能を発揮する微細凹凸構造を活性の高い無機粒子を含む樹脂材料から成るものとし、この無機粒子を介して撥水性官能基を結合させることによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の撥水性構造は、突起底面径が100〜300nm、突起高さが200〜500nm、突起ピッチが100〜300nmである微細凹凸構造を備え、この微細凹凸が樹脂と、該樹脂の主鎖又は側鎖と表面が化学的に結合した球換算直径が10〜20nmである無機粒子から成り、樹脂から露出した無機粒子の表面には撥水性官能基が結合させてあることを特徴としている。
また、本発明の撥水性構造体は、上記撥水構造を基板の少なくとも一方の面に備えていることを特徴とする。
本発明によれば、撥水性構造における凹凸構造部分を無機粒子と樹脂材料から成るものとしたから、凹凸構造の強度が増し、破損や傷付き、摩耗を防止することができる。また、無機粒子表面は活性が高く、樹脂材料や撥水性官能基と強固に結合し、無機粒子自体落や当該粒子からの撥水性成分の脱落が防止され、長期に亘って高い撥水性を維持することができる。
以下、本発明の撥水性構造やこのような構造を備えた構造体について、その製造方法や実施形態などと共に、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り、質量百分率を意味するものとする。
図1は、本発明の撥水性構造における微細凹凸の形状例を示すものであって、図1(a)に示す円錐や、図2(b)に示す角錐など、無数の錐体状突起1から成るものとすることができる。
なお、図1では、平面上に無数の突起1を所定間隔に配列した例を示したが、例えば正弦波曲線のような波状や、鋸形断面を有し、凸部と凹部が三次元的に連続するような凹凸構造を採用することも可能である。
ここで、上記錐体状突起1同士の間隔(ピッチ)Pについては、100〜300nmとする。良好な撥水性を確保する観点から、水滴の径よりも小さい0.1mm程度以下とすることが望ましい。
また、ディスプレイのカバーやウインドウパネルとして用いるために、透明性を確保するには、間隔Pを400μm以下とすることが望ましい。さらに、外の景色や照明の映り込みを防止して、視認性を確保すべく反射防止機能を得るためには400nm以下とすることが望ましい。なお、ピッチPが400nmを超えると、回折光が発生し、反射率が大きくなる傾向がある。より望ましくは380nm以下であり、さらに望ましくは250nm以下である。250nm以下であれば、回折光はほとんど観測されなくなる。
なお、図1においては、微細凹凸構造を構成する錐体状突起1の形状例として、円錐形及び四角錐のものを示したが、その底面形状としては、三角形や六角形など、他の多角形であっても良い。
また、本発明における錐体状突起1の形状としては、正確な円錐(母線が直線)や角錐(稜が直線、側面が平面)のみならず、底面から先端側に向かって断面積が順次小さくなるような形状である限り、母線が曲線である円錐状のものや、側面が曲面をなす角錐状であってもよい。
さらに、撥水性が多少犠牲になるものの、成形性や耐破損性を考慮して、先端部を平坦に(すなわち、錐体形状を錐台形状に)したり、丸みをつけたりすることも可能である。
加えて、錐体状突起1の底面の中心と頂点を結ぶ直線は、必ずしも底面に対して垂直である必要もない。
このように、本発明において『錐体状』とは、正確な円錐や角錐のみならず、釣り鐘形や椎の実形の変形円錐状や、曲面から成る側面を有する変形角錐状のもの、先端が平坦なもの、丸みを帯びたもの、傾斜したものをも含めた形状を意味する。
図2は、本発明の撥水性構造における個々の錐体状突起1の断面構造を示すものであって、図2(a)は、無機粒子2を含む樹脂材料によって微細凹凸の成形直後の状態を示し、錐体状突起1は、無機粒子2と樹脂3から成り、樹脂中に無機粒子2が分散した状態となっている。
本発明において、無機粒子2としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの無機酸化物系粒子、金、銀、プラチナ、鉄などの金属コロイド粒子、チタン酸バリウムなどのセラミック系粒子を用いることができる。なお、特に耐久性を向上させるためには、圧縮強度が高く、表面改質などにより樹脂との密着性が良くなる無機酸化物系が好ましい。
これら粒子の形状についても、特に限定されることはなく、真球状、ラグビーボール状、こんぺいとう状、不定形、多孔状などが挙げられる。
また、無機粒子2の大きさとしては、球換算直径で50nm以下であることが好ましいが、10〜20nmの範囲である。これは、粒子径が50nmを超えると、透明性が失われる可能性があると共に、成形時に微細突起部に粒子が入り難く、微細構造の耐久性を向上させることが難しくなることによる。
一方、樹脂3の材料としては、後述する方法によって、無機粒子2と共に、微細凹凸構造を成形できる材料であればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリアレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミドビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール等の熱硬化性樹脂、さらにはこれらを2種以上ブレンドした材料を用いることが可能であって、とりわけ透明性があるものは、例えば窓(ウインドシールド)や計器類のカバーなどに好適に用いることができる。
後述するように、成形に活性エネルギー線を用いる場合は、活性エネルギー線により重合を開始できる樹脂が用いられる。このような樹脂としては、例えば紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂などを例示することができ、必要に応じて、活性エネルギー線を照射することによりラジカルを発生する重合開始剤を用いることもでき、より強固に固めるためイソシアネートのような硬化剤を加えることもできる。
無機粒子2の樹脂材料中への添加量としては、20〜60%の範囲であることが望ましい。すなわち、20%未満では微細凹凸構造の強度が十分に向上せず、60%を超えると、粒子の分散状態が悪化し、成形品が脆くなったり、透明性が悪化したりする傾向がある。
本発明の撥水性構造においては、上記無機粒子2が樹脂3に化学結合していることを要し、これによって無機粒子2の微細凹凸構造からの脱落が防止されることになる。
例えば、無機粒子2の種類に応じて、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤を用いることによって、樹脂3と無機粒子2との結合の強度を向上させることができる。
なお、本発明において、『結合』とは、無機粒子の表面と樹脂の主鎖または側鎖が化学的に結合することを意味し、具体的には共有結合やイオン結合といった結合が例示される。
図2(b)は、無機粒子2と樹脂3から成る微細凹凸の表面をエッチングして、表面の樹脂を除去し、樹脂中の無機粒子2を表面に露出させた状態を示す。
このときのエッチング方法としては、樹脂をエッチングできる方法であれば特に限定はなく、電子線リソグラフィ、プラズマ放電、コロナ放電、真空紫外線照射、酸やアルカリ、溶剤を用いたケミカルエッチング等の方法を挙げることができる。
そして、エッチングによって無機粒子2が露出した微細凹凸を表面処理することによって、粒子表面に撥水性官能基を結合させ、無機粒子2を撥水化する。
このときの撥水性官能基としてはパーフルオロアルキル基、パーフルオロエーテル基、ハイドロフルオロアルキル基、ハイドロフルオロエーテル基等のフッ素系官能基、ドデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンなどの炭化水素基、アルキルポリシランやこの混合物を挙げることができ、具体的な処理方法としては、例えば蒸着やスパッタなどのドライ処理、ディップやグラビアコート、ダイコートなどのウェット処理をすることができる。
本発明の撥水性構造において、上記のような微細凹凸を成形する方法としては、特に限定されるものではないが、熱プレス法(ホットエンボス法)、射出成形法などを挙げることができる。
特に、光の波長以下の微細凹凸を容易に成形するための方法としては、ナノインプリントが好適に用いられる。このナノインプリントによる成形方法としては、熱や活性エネルギー線のいずれを用いる方法であってもよい。
熱を用いる方法については、熱可塑性樹脂を加熱して、金型を押し当てることによって当該樹脂に上記のような微細凹凸を転写する方法である。また、活性エネルギー線を用いる方法は、型に活性エネルギー線により重合し硬化するポリマー又はオリゴマー、モノマーなどを入れ、紫外線やX線、その他電子線、電磁波などの活性エネルギー線を照射することによって固化させる方法である。
上記の成形に用いられるスタンパとしては、上記のような微細凹凸を形成できる方法であれば、特にその製造方法に限定はなく、生産性やコストなどを考慮して適宜なものを使用することができる。
なお、本発明において、ナノインプリントとは、数nmから数10μm程度の範囲の転写を言う。
本発明に使用するプレス装置としては、加熱・加圧機構を有するものや、光透過性スタンパの上方より活性エネルギー線を照射できる機構を有するものがパターン転写を効率良く行う上で好ましい。
上記スタンパは、転写されるべき微細なパターンを有するものであり、スタンパにパターンを形成する方法については、特に制限ななく、例えばフォトリソグラフィや電子線描画法等を所望する加工精度に応じて選択することができる。
また、スタンパの材料としては、シリコンウエハ、各種金属材料、ガラス、セラミック、プラスチック、炭素材料等、強度と要求される精度の加工性を有するものであればよく、 具体的には、Si、SiC、SiN、多結晶Si、ガラス、Ni、Cr、Cu、C、さらにはこれらを1種以上含むものを例示することができる。
本発明の撥水性構造体は、上記した撥水性構造を基板の少なくとも一方の面に備えたものである。
このとき、微細凹凸構造を備えた撥水性構造部分と基板とは、同種の材料であっても、接合に問題がない限り異種材料であっても構わない。また、一体的に同時成形することも、接着剤などによって貼り合わせることも可能である。
上記撥水性構造体においては、アクリル樹脂やポリカーボネートなどの透明材料を用い、構造体全体を透明なものとすることが望ましく、これによって当該構造体の窓材などへの適用が可能になる。なお、基板部分についてはガラスを用いることも可能である。
本発明の自動車部品は、本発明の上記撥水性構造を備えたものであるから、耐久性に富み、優れた撥水性能を長期に亘って発揮することから、例えば自動車のウインドシールドに当該構造を適用することによって、ワイパーの不要なウインドシールドを実現できることになる。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
(実施例1)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径100nm、深さ200nmの円錐状凹部が100nmの間隔に六方最密配列した金型を作製した。この金型に、球換算直径が10nmのシリカ粒子と、シラノール基を含むγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを持つ紫外線硬化性ポリメチルメタクリレート樹脂とを流し込み、基材であるポリメチルメタクリレート樹脂を押し当てた状態で紫外線を照射して固化させることで、シリカ粒子中及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン中のシラノール基同士を脱水縮合反応させ、Si−O−Si共有結合させた紫外線硬化性ポリメチルメタクリレート樹脂を得た。なお、粒子含有樹脂材料中におけるシリカ粒子の添加量を35質量%とし、紫外線硬化ポリメチルメタクリレート樹脂中におけるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン基の置換量を5質量%とした。
これによって、底面径D=100nm、高さH=200nmの円錐状微細突起1が頂点間距離P=100nmに六方最密配列されてなる微細凹凸構造を両面に備えた成形品を作製した。
次に、この成形品の表面をプラズマ放電処理によってエッチングして、シリカ粒子を表面に露出させ、撥水性官能基としてのパーフルオロエーテル基を持つトリメトキシシランを用いて表面処理することによって、パーフルオロエーテル基を持つトリメトキシシラン中とシリカ粒子中のシラノール基同士を脱水縮合反応させ、Si−O−Si共有結合させた本例の撥水性構造体を得た。
このようにして得られた撥水性構造体について、下記の要領によって、水付着性及び耐摩耗性について評価し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径300nm、深さ500nmの円錐状凹部が300nmの間隔に六方最密配列した金型を作製した。この金型に、シリカ粒子の添加量を30質量%としたこと以外は、上記実施例と同様にして、シリカ粒子をSi−O−Si共有結合させた紫外線硬化性ポリメチルメタクリレート樹脂を得た。
これにより、底面径D=300nm、高さH=500nmの円錐状微細突起1が頂点間距離P=300nmに六方最密配列されてなる微細凹凸構造を両面に備えた成形品を作製した。
次に、この成形品の表面を同様にエッチングして、シリカ粒子を表面に露出させた後、同様の撥水化表面処理を施すことによって、本例の撥水性構造体を得た。
そして、このようにして得られた撥水性構造体について、上記実施例と同様の性能評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
(実施例3)
上記実施例2と同様の金型を用いて、シリカ粒子の添加量を60質量%としたこと以外は、上記実施例と同様にして、シリカ粒子をSi−O−Si共有結合させた紫外線硬化性ポリメチルメタクリレート樹脂を得た。これによって、底面径D=300nm、高さH=500nmの円錐状微細突起1が頂点間距離P=300nmに六方最密配列されてなる微細凹凸構造を両面に備えた成形品を作製した。
次に、この成形品の表面を同様にエッチングして、シリカ粒子を表面に露出させた後、同様の撥水化表面処理を施すことによって、本例の撥水性構造体を得た。
そして、このようにして得られた撥水性構造体について、上記実施例と同様の性能評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
(実施例4)
市販の電子線描画装置を用いて、開口径200nm、深さ500nmの円錐状凹部が200nmの間隔に六方最密配列した金型を作製した。この金型に、シリカ粒子の添加量を20質量%としたこと以外は、上記実施例と同様にして、シリカ粒子をSi−O−Si共有結合させた紫外線硬化性ポリメチルメタクリレート樹脂を得た。これにより、底面径D=200nm、高さH=500nmの円錐状微細突起1が頂点間距離P=200nmに六方最密配列されてなる微細凹凸構造を両面に備えた成形品を作製した。
次に、この成形品に対して、同様のエッチング処理と撥水化表面処理を施すことによって、本例の撥水性構造体を得た。
そして、このようにして得られた撥水性構造体について、上記実施例と同様の性能評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
(比較例1)
上記実施例1と同様の金型を用いて、シリカ粒子を含有しない紫外線硬化アクリル樹脂を流し込み、基材であるアクリルを押し当てた状態で紫外線を照射することによって、底面径D=100nm、高さH=200nmの円錐状微細突起1が頂点間距離P=100nmに六方最密配列されてなる微細凹凸構造を両面に備えた成形品を得た。
次に、この成形品の表面をプラズマ放電処理によってエッチングした後、撥水性官能基としてのパーフルオロエーテル基を持つトリメトキシシランを用いて表面処理することによって、本比較例の撥水性構造体を得た。
そして、このようにして得られた構造体について、同様の性能評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
〔性能評価方法〕
(1)水付着性
上記各実施例及び比較例によって得られた各構造体について、まず、トラバース式摩耗試験機を用い、キャンバス布(JIS L 3102)から成る摩擦布によって、荷重9.8kPa、ストローク長100mm、摩擦速度30往復/分の条件のもとに、200回往復払拭作動させた。
そして、このような乾拭き試験後、JIS L 1092に規定された方法に基づき、スプレーテスタ(東洋精器製)を用いて、以下の基準によって撥水度を5段階評価した。
1:表面全体に濡れ広がるもの
2:水滴が球状を保持することなく、表面に濡れ広がるもの
3:表面に球状の水滴が付着するもの
4:表面に微小な球状の水滴がわずかに付着するもの
5:表面に水滴が付着しないもの
(2)耐摩耗性
上記の乾拭き試験及び撥水性評価試験を終えた後の各構造体について、各構造体の払拭表面を目視にて観察し、傷付きがない場合を「○」、傷付きが認められたものを「×」とした。
Figure 0005522339
表1に示すように、本発明の実施例1〜4による撥水性構造体においては、撥水性、耐摩耗性共に極めて良好であるのに対して、無機粒子を含まない比較例においては、耐摩耗性が劣り、そのために乾拭き試験後の撥水性にも劣ることが確認された。
(a)本発明に用いる微細構造の代表例として円錐状突起から成るものの形状を示す斜視図である。(b)本発明に用いる微細構造の代表例として角錐状突起から成るものの形状を示す斜視図である。 本発明の撥水性構造における錐体状突起の断面図であって、成形直後(a)、エッチング後(b)及び撥水処理後(c)の状態を示すそれぞれ断面図である。
符号の説明
1 錐体状突起
2 無機粒子
3 樹脂

Claims (7)

  1. 突起底面径が100〜300nm、突起高さが200〜500nm、突起ピッチが100〜300nmである微細凹凸構造を備え、当該微細凹凸が樹脂と、該樹脂の主鎖又は側鎖と表面が化学的に結合した球換算直径が10〜20nmである無機粒子から成り、樹脂から露出した無機粒子の表面には撥水性官能基が結合させてあることを特徴とする撥水性構造。
  2. 上記微細凹凸が無数の錐体状突起から成ることを特徴とする請求項1に記載の撥水性構造。
  3. 上記樹脂が紫外線硬化性ポリメチルメタクリレートで、上記無機粒子がシリカ粒子であり、両者の上記化学的結合がSi−O−Si共有結合であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水性構造。
  4. 上記無機粒子の添加量が質量比で20〜60%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の撥水性構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の撥水性構造を基板の少なくとも一方の面に備えていることを特徴とする撥水性構造体。
  6. 透明材料から構成されていることを特徴とする請求項5に記載の撥水性構造体。
  7. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の撥水性構造を備えていることを特徴とする自動車部品。
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