JP2001001458A - 防汚性材料及びその製造方法 - Google Patents

防汚性材料及びその製造方法

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JP2001001458A
JP2001001458A JP17090799A JP17090799A JP2001001458A JP 2001001458 A JP2001001458 A JP 2001001458A JP 17090799 A JP17090799 A JP 17090799A JP 17090799 A JP17090799 A JP 17090799A JP 2001001458 A JP2001001458 A JP 2001001458A
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water
particles
antifouling
repellent
surface layer
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JP17090799A
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English (en)
Inventor
Masahiro Narita
雅浩 成田
Masahiro Ishikawa
雅啓 石川
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防汚性を発揮する,防汚性材料及びそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 基材11と該基材11の表面に設けた撥
水性表面層12とよりなり,上記撥水性表面層12には
防汚性粒子13が含まれていると共に上記撥水性表面層
12の外表面は凹凸面120を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,水性の汚れが付着し難い防汚性
材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】給水,給湯設備や汚水,排泄物の処理など
の衛生設備にかかわる物品の構成材料として,水性の汚
れが付着し難く,仮に付着しても容易に脱落可能な撥水
性材料を使用することがある。例えば,(1)基材の表
面に触媒や撥水性粒子を含むシリコーンよりなる表面層
を設けた撥水性材料が従来知られている(特開平10−
237431)。
【0003】この材料は基材に設けた表面層に,該表面
層の厚みよりも大きな粒径を持った撥水性粒子が含まれ
ており,表面層より撥水性粒子が突き出すことで凹凸表
面が形成される。この凹凸表面と撥水性粒子とによって
材料表面の撥水性が確保され,水性の汚れがはじかれ
る。また,(2)樹脂よりなる基材に撥水性粒子や防黴
性粒子等を含ませた材料が従来知られている(特開平8
−100092)。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,従来知られた
撥水材料では,汚れの付着について満足する性能を得る
ことができず,より優れた防汚性材料が望まれていた。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,優れた防汚性を発揮する,防汚性材料及
びその製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,基材と該
基材の表面に設けた撥水性表面層とよりなり,上記撥水
性表面層には防汚性粒子が含まれていると共に上記撥水
性表面層の外表面は凹凸面を有することを特徴とする防
汚性材料にある。
【0007】本発明の作用につき説明する。本発明にか
かる防汚性材料は基材が撥水性表面層に覆われており,
水性の汚れが付着し難い。また,仮に付着した場合でも
撥水性により速やかに汚れは脱落する。更に,撥水性表
面層の外表面は凹凸面であるため,該凹凸面による撥水
性を重ねて得ることができる。また,撥水性表面層に防
汚性粒子が含まれているため,汚れ付着の防止効果を更
に重ねて得ることができる。
【0008】以上,本発明によれば,優れた防汚性を発
揮する防汚性材料を提供することができる。
【0009】なお,上記撥水性表面層は基材の少なくと
も一部に設けてあればよい。撥水性表面層は汚れ付着防
止の効果が必要な部分の基材にのみ設ければよい。
【0010】上記防汚性粒子としては,光触媒または抗
菌剤等を使用することができる。光触媒を利用すること
で付着した汚れを自然と分解除去させることができる。
また,抗菌剤を利用することで特に黴や細菌繁殖による
汚れを防止することができる。
【0011】光触媒とは,その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに
価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて伝導電子と
正孔とを生成しうる物質をいい,このような物質の一例
として次に示す光触媒性酸化物を用いることができる。
すなわち,アナターゼ型酸化チタン,ルチル型酸化チタ
ン,酸化亜鉛,酸化錫,酸化第二鉄,三酸化二ビスマ
ス,三酸化タングステン,チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。
【0012】また,上記抗菌剤としては,硝酸銀,硫酸
銀,塩化銀等を使用することができる。また,銀,銅,
亜鉛,あるいは錫を担持したゼオライト,銀,銅,亜鉛
あるいは錫を担持したシリカゲルを使用することができ
る。
【0013】また,防汚性粒子とあるが,その形態は厳
密に粒子状(球体状)である必要はなく,フィラー状,
鱗状,薄片状,針状,塊状,不定形状等の各種の形態を
持ったものを使用することができる。更に,多数の一次
粒子が凝集した二次粒子状のものを使用することもでき
る。
【0014】また,上記撥水性表面層は優れた撥水性を
有する弗素樹脂よりなることが好ましい。この弗素樹脂
としては,ポリテトラフルオロエチレン,テトラフルオ
ロエチレン,パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体,テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体,テトラフルオロエチレン・エチレン共重
合体,ポリクロロトリフルオロエチレン,ポリフッ化ビ
ニリデン,テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプ
ロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体,ポリビニルフルオライド等が挙げられる。
【0015】また,上記基材は,本発明にかかる防汚性
材料を適用する物品に応じて適宜選択することができ
る。各種金属,樹脂,セラミックス等,撥水性表面層と
の密着性が確保できれば,いかなる材料を使用してもよ
い。
【0016】また,上記基材と撥水性表面層との界面は
凹凸面であることが好ましい。これにより,基材と撥水
性表面層との間に高い密着性を得ることができ,撥水性
表面層の脱落等をより強く防止することができる。
【0017】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記防汚性粒子は上記撥水性表面層の内部にあることが好
ましい。上記撥水性表面層は外表面が凹凸面であり,上
記防汚性粒子は撥水表面層の内部にある。つまり防汚性
粒子は凹凸面のより凹部の側に存在する。汚れは凹部の
側により付着する傾向があるが,凹部の防汚性粒子がこ
れを防ぐため,より汚れ難い防汚性材料を得ることがで
きる。
【0018】なお,上記防汚性粒子の全てが撥水性表面
層の内部にある場合が最も好ましいが,若干の防汚性粒
子が撥水性表面層の外部に露出した場合であっても本発
明にかかる効果を得ることができる。
【0019】また,本発明にかかる防汚性材料は給水,
給湯設備や汚水,排泄物の処理などの衛生設備を構成す
る材料として広く使用することができる。特に便座,便
器等のように糞尿等に接して,不衛生となりやすい物品
への適用が本発明の特徴を活用する上で好ましい。
【0020】次に,請求項3に記載の発明は,基材と該
基材の表面に設けた撥水性表面層とよりなり,上記撥水
性表面層には防汚性粒子が含まれていると共に上記撥水
性表面層の外表面は凹凸面を有する防汚性材料を製造す
るに当たり,凹凸面よりなる成形面を有する成形型を準
備し,該成形面に撥水性粒子と防汚性粒子とを含有した
表面層用混合物を配置した後,該表面層用混合物に基材
を密着させて,基材表面に撥水性表面層を形成すること
を特徴とする防汚性材料の製造方法にある。
【0021】これにより,基材表面に撥水性粒子と防汚
性粒子とを含む撥水性表面層が形成された防汚性材料を
得ることができる。基材の表面が撥水性表面層に覆われ
ており,よって水性の汚れが付着し難い。また,仮に付
着した場合でも撥水性により速やかに汚れは脱落する。
更に,撥水性表面層の外表面は凹凸面であるため,該凹
凸面による撥水性を重ねて得ることができる。また,撥
水性表面層に防汚性粒子が含まれているため,汚れ付着
の防止効果を更に重ねて得ることができる。
【0022】更に,基材と表面層用混合物とを密着させ
るために,基材に力を加えるが,これが成形面の凹凸面
を撥水性表面層と基材との間の界面に転写して,界面に
凹凸面を形成する。このため,撥水性表面層と基材との
間互いに入り組みあって密着し,両者が剥離し難い防汚
性材料を得ることができる(実施形態例2参照)。
【0023】以上,本発明によれば,優れた防汚性を発
揮することができる防汚性材料の製造方法を提供するこ
とができる。
【0024】また,撥水性表面層の外表面は上記成形面
の凹凸面が転写された凹凸面となるため,凹凸面の状態
の制御が容易で,所望の外観をもつ防汚性材料を容易に
得ることができる。また,上記表面層用混合物として
は,撥水性粒子と防汚性粒子を含む塗料やペースト,ま
たは両者を含むフィルムを使用することができる。な
お,撥水性粒子,防汚性粒子,基材の種類については上
述した請求項1の記載と同様である。
【0025】また,上記表面層用混合物に基材を密着さ
せるに当り,射出成形を利用することが好ましい。この
場合,成形型として通常の射出成形型を用いるが,基材
等が射出されて,成形が行われる成形面に対し,上述し
た表面層用混合物を予め配置しておく。その後,通常の
射出成形と同様に溶融した基材を射出して成形型内を満
たし,冷却,固化を施すことで,基材表面に撥水性表面
層が強く密着した防汚性材料を得ることができる。
【0026】基材が射出される際の射出圧が表面層用混
合物を強く成形面に対して押圧し,表面層用混合物中の
撥水性粒子や防汚性粒子を硬く固めると共に,溶融した
基材が表面層用混合物と接触し,その後基材が固化され
るため,両者の密着性が高くなる。このため,従来技術
の(1)にかかる材料のようにコーティング組成物等を
利用する方法よりも,基材−撥水性表面層との間の密着
性に優れた防汚性材料を得ることができる。また,射出
成形による製造は基材と撥水性表面層との密着性が高い
ため,表面層や撥水性粒子の剥がれや脱落も生じ難く,
信頼性に優れ,製造歩留まりよく,安価なコストで防汚
性材料を製造することができる。
【0027】また,表面層用混合物に基材を密着させる
他の方法としては,プレス成形やトランスファー成形,
回転成形等の種々の樹脂成形にかかる方法も挙げられ
る。
【0028】次に,請求項4記載の発明のように,上記
成形面の凹凸面は凸部のピッチ間隔が5〜800μm,
凸部の高さが5〜100μmであることが好ましい。こ
のような凹凸面を成形面が有し,また撥水性粒子や防汚
性粒子の粒径を適宜選択することで,表面層用混合物と
基材とが密着する際に,成形面の凹部,つまり撥水性表
面層の凸部となる部分に撥水性粒子を,成形面の凸部,
つまり撥水性表面層の凹部となる部分に防汚性粒子を集
めることができる(図1参照)。このように構成された
防汚性材料は,撥水性表面層の凹部に溜まりやすい汚れ
を防汚性粒子が除去できるため,より高い防汚性能を得
ることができる。
【0029】なお,凸部のピッチ間隔とは,後述する図
3に示すごとく,凹凸面の隣接する凸部間の先端距離の
平均である。また,凸部の高さとは隣接する凸部と凹部
との最も高い位置と最も低い位置との間の長さの平均で
ある。上記ピッチ間隔が5μm未満である場合には,表
面張力を活かした形状的な撥水性能が低下し,また撥水
性のない防汚性粒子と表面に付いた水滴が触れあうこと
による撥水性能の低下が生じるおそれがある。800μ
mを越えた場合には,表面に付着した水滴が凹部に沈み
こんで撥水性能が低下するおそれがある。
【0030】また,上記凸部の高さが5μm未満である
場合には,前述のように水滴が凹部に存在する防汚性粒
子と接触して撥水性能を低下させるおそれがある。10
0μmを越えた場合には,撥水性表面層は撥水性粒子で
構成されていることから,凸部の強度が不足するおそれ
がある。
【0031】次に,請求項5記載の発明のように,上記
防汚性粒子の粒径は7〜500μmであり,更に撥水性
粒子の粒径は防汚性粒子の粒径よりも小さいことが好ま
しい。このような防汚性粒子や撥水性粒子を使用し,ま
た成形面の有する凹凸面を適宜選択することで,表面層
用混合物と基材とが密着する際に,成形面の凹部,つま
り撥水性表面層の凸部となる部分に撥水性粒子を,成形
面の凸部,つまり撥水性表面層の凹部となる部分に防汚
性粒子を集めることができる(図1参照)。このように
構成された防汚性材料は,撥水性表面層の凹部に溜まり
やすい汚れを防汚性粒子が除去できるため,より高い防
汚性能を得ることができる。
【0032】また,防汚性粒子の粒径が7μm未満であ
る場合には,凸部の表面付近に防汚性粒子が存在しやす
くなるため,撥水性表面層の撥水性能が低下するおそれ
がある。500μmを越えた場合には,防汚性粒子が大
きすぎるためブツ状の表面となり,防汚性材料の表面外
観が損なわれるおそれがある。また,撥水性表面層の内
部に存在させることが困難となるおそれがある。
【0033】次に,請求項6記載の発明のように,上記
撥水性粒子の融点は基材の融点よりも高いことが好まし
い。これにより,溶融した基材を成形型に導入し,その
後溶融基材を冷却固化させることで,基材の表面に撥水
性表面層を形成させることができる。よって,基材と撥
水性表面層との密着性を一層確実なものとすることがで
きる。また,溶融基材の導入の際に撥水性粒子の溶融が
生じ難く,基材中に入り込まず,撥水性表面層の表面に
撥水性粒子を確実に存在させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる防汚性材料及びその製造方
法につき,図1〜図3を用いて説明する。図1に示すご
とく,本例の防汚性材料1は,基材11と該基材11の
表面に設けた撥水性表面層12とよりなり,上記撥水性
表面層12には防汚性粒子13が含まれていると共に上
記撥水性表面層12の外表面は凹凸面120を有する。
また,この防汚性材料1を製造するに当たっては,図2
に示すごとく,凹凸面211よりなる成形面を有する射
出成形型2を準備し,該成形面に撥水性粒子と防汚性粒
子とを含有した表面層用混合物を配置した後,該表面層
用混合物に基材を密着させて,基材11の表面に撥水性
表面層12を形成し,防汚性材料1となす。
【0035】以下,詳細に説明する。図1(a)に示す
ごとく,本例の防汚性材料1は,基材11のポリプロピ
レン樹脂の表面に撥水性表面層12を有し,該撥水性表
面層12は防汚性粒子13と撥水性粒子14とよりな
る。ここに防汚性粒子13は光触媒,撥水性粒子14は
フッ素パウダーよりなる。各フッ素パウダーは平均粒径
は0.3μm程度の一次粒子が凝集して形成された二次
粒子よりなる。また,光触媒の平均粒径は2μmであ
る。
【0036】また,図1(b)に示すごとく,撥水性表
面層12は撥水性粒子14が粒子の形態を残したまま
で,集積することで構成されている。凸部121の側は
ほぼ撥水性粒子14で占められており,防汚性粒子13
は界面110や凹部122の側に存在する。また,基材
11と撥水性表面層12との界面110は凹凸面となっ
ている。
【0037】次に,本例の防汚性材料の製造方法につい
て説明する。図2(b)に示すごとく,上型21と下型
22とよりなり,両者が合わさることで成形部210が
形成される射出用成形型2を準備する。上型21は基材
注入用の注入口221を有する。また,下型21の成形
面はシボ模様状の凹凸面211よりなる。この凹凸面2
11において,図3に示すごとく,凸部215のピッチ
間隔は凹凸面211の隣接する凸部215,217間の
先端距離pの平均である。また,凸部の高さは隣接する
凸部215と凹部216との最も高い位置と最も低い位
置との間の長さhの平均である。本例の凹凸面はピッチ
間隔200μm,凸部の高さ95μmであった。
【0038】図2(a)に示すごとく,撥水性粒子と防
汚性粒子とバインダーであるイソプロピルアルコールと
よりなるペースト状の表面層用混合物25を作製し,下
型21の凹凸面211に厚さ1.0mmで塗布する。そ
の後,上型22を下型21にセットし,成形部210を
形成する。次いで,注入口221より溶融したポリプロ
ピレン樹脂を圧力600kg/cm3で注入した。基材
の注入圧力のために,凹凸面の凹部216側により粒径
の小さいフッ素パウダーが移動し,より粒径の大きい光
触媒は凹凸面の凸部215近傍に取り残される。また,
溶融した基材樹脂の熱によりバインダーは揮発する。
【0039】その後,射出成形型2を冷却し,基材を固
化させ,射出成形型2から取出す。これにより,フッ素
パウダーと光触媒とよりなる図1に示すごとき,撥水性
表面層12が基材11に対し充分に密着した,本例にか
かる防汚性材料1を得た。
【0040】本例にかかる作用効果について説明する。
本例の防汚性材料1は,基材11が撥水性表面層12に
覆われており,よって水性の汚れが付着し難い。また,
仮に付着した場合でも撥水性により速やかに汚れは脱落
する。更に,撥水性表面層12の外表面は凹凸面120
であるため,該凹凸面120による撥水性を重ねて得る
ことができる。また,撥水性表面層12に防汚性粒子1
3が含まれているため,汚れ付着の防止効果を更に重ね
て得ることができる。
【0041】更に,本例の防汚性材料1は撥水表面層1
2のより内部の側に防汚性粒子13がある。そして,汚
れは凹部の側により付着する傾向があるから,凹部にた
まる汚れが防汚性粒子13である光触媒に分解されて,
より汚れ難い防汚性材料を得ることができる。また,基
材11と撥水性表面層12との界面110は凹凸面であ
るため,両者の間の密着性が高く,撥水性表面層12の
脱落等がより生じ難い。
【0042】更に,本例では,溶融した基材を射出成形
型2の下型21における凹凸面に配置した表面層用混合
物25に対し導入することで,基材11と撥水性表面層
12とが良く密着した防汚性材料1を作製することがで
きる。また,射出成形による製造なので,基材11と撥
水性表面層12との密着性が高くなり,撥水性表面層1
2や防汚性粒子13,撥水性粒子14の剥がれや脱落も
生じ難く,信頼性に優れ,製造歩留まりよく,安価なコ
ストで防汚性材料を製造することができる。
【0043】以上,本例によれば,優れた防汚性を発揮
する,防汚性材料及びその製造方法を提供することがで
きる。
【0044】実施形態例2 本例は各種防汚性材料を実施形態例1と同様の製法で作
製し,得られた各試料の性能を評価するものである。試
料1にかかる防汚性材料について説明する。基材は熱可
塑性樹脂のポリプロピレン樹脂(BC8,日本ポリケム
製)よりなる。撥水性粒子は一次粒子径が0.3μmの
フッ素パウダー(ルブロンL−2,ダイキン工業社製)
を,防汚性粒子は粒径2μmの光触媒(ギンテックA1
20,大同特殊鋼社製)を使用した。また,成形型の凹
凸面に塗布する際には,両者をバインダーであるイソプ
ロピルアルコールと混合し,ぺースト状としたものを用
いた。また,凹凸面は棚沢八光社製のTH154Aとい
うシボプレートで構成した。
【0045】試料2は,基材はポリプロピレン樹脂(B
C8,日本ポリケム製)を使用し,撥水性粒子は一次粒
子径が0.3μmのフッ素パウダー(ルブロンL−2,
ダイキン工業社製)を,防汚性粒子は粒径500μmの
光触媒(STB−11,石原テクノ社製)を使用した。
また,成形型の凹凸面に塗布する際には,両者をバイン
ダーであるイソプロピルアルコールと混合し,ぺースト
状としたものを用いた。また,凹凸面は棚沢八光社製の
TH145Aというシボプレートで構成した。
【0046】上記試料1,試料2と性能を比較する比較
試料C1について説明する。比較試料C1は試料1と同
じ基材,撥水性粒子,防汚性粒子を用いた。また,使用
した成形型は成形面が鏡面である他は試料1と同様であ
る。
【0047】得られた各試料,比較試料について,次の
基準に基づいて性能評価した。まず,水との接触角を協
和界面科学(株)製の接触角計(CA−D型)にて測定
した。なお,水との接触角は撥水性の目安になる数値で
ある。
【0048】また,撥水性表面層と基材との密着性を,
撥水性表面層をカッターナイフにて十字にクロスカット
した上に粘着性のテープを貼付けた後,該粘着性テープ
を引き剥がすという,テープ剥離試験により測定した。
この試験で撥水性表面層の剥離が発生しない場合を○,
した場合を×で示した。また,各試料,比較試料の撥水
性表面層の外表面の状態及び基材と撥水性表面層との境
界の状態について,電子顕微鏡で観察した。外表面や界
面に凹凸が存在した場合を○,平らであった場合を×と
した。これらの結果を表1に記載した。
【0049】電子顕微鏡観察によれば,図4に示すごと
く,撥水性表面層92の外表面920,界面110は平
らであった。撥水性表面層92は実施形態例1と同様に
(図1(b)参照)撥水性粒子が集積することにより構
成され,その中に均一に防汚性粒子13が分散してい
た。また,試料1,試料2にかかる防汚性材料の電子顕
微鏡観察による模式図は実施形態例1の図1と同様であ
る。
【0050】また,表1によれば,試料1,2は比較試
料C1に比べて水の接触角が大きく,撥水性に優れてい
ることが分かった。このため,水性の汚れが非常に付着
し難いことが分かる。また,試料1,2,比較試料C1
は撥水性表面層と基材との間の密着性に優れていた。ま
た,試料1,2は外表面や界面が凹凸面であった。比較
試料C1は平らであった。
【0051】このように本発明にかかる試料1,2は撥
水性に優れ,優れた防汚性を発揮すると共に撥水性表面
層と基材との密着性に優れ,両者の剥離等が生じ難いこ
とが分かった。比較試料C1は外表面も界面も共に平ら
であるため,撥水性に劣り,撥水性表面層と基材との密
着性に劣ることが分かった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,優れた
防汚性を発揮する,防汚性材料及びその製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(a)防汚性材料の説
明図,(b)表面層の要部説明図。
【図2】実施形態例1における,防汚性材料の製造方法
の説明図。
【図3】実施形態例1における,射出成形型の成形面の
凹凸面の説明図。
【図4】実施形態例2における,比較試料C1にかかる
防汚性材料の説明図。
【符号の説明】
1...防汚性材料, 11...基材, 12...撥水性表面層, 120...凹凸面, 13...防汚性粒子, 14...撥水性粒子,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:16 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AH02B AK07 AK17 AL05B AR00B AS00B AT00A BA02 DD01A DD01B DE01B EA061 EH112 EH312 EH362 EJ503 EJ933 GB08 GB90 HB22 HB22B JA04B JB06 JB06B JL06 JL06B JL11 JM01B 4H020 BA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と該基材の表面に設けた撥水性表面
    層とよりなり,上記撥水性表面層には防汚性粒子が含ま
    れていると共に上記撥水性表面層の外表面は凹凸面を有
    することを特徴とする防汚性材料。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記防汚性粒子は上
    記撥水性表面層の内部にあることを特徴とする防汚性材
    料。
  3. 【請求項3】 基材と該基材の表面に設けた撥水性表面
    層とよりなり,上記撥水性表面層には防汚性粒子が含ま
    れていると共に上記撥水性表面層の外表面は凹凸面を有
    する防汚性材料を製造するに当たり,凹凸面よりなる成
    形面を有する成形型を準備し,該成形面に撥水性粒子と
    防汚性粒子とを含有した表面層用混合物を配置した後,
    該表面層用混合物に基材を密着させて,基材表面に撥水
    性表面層を形成することを特徴とする防汚性材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記成形面の凹凸面
    は凸部のピッチ間隔が5〜800μm,凸部の高さが5
    〜100μmであることを特徴とする防汚性材料の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4のいずれか一項におい
    て,上記防汚性粒子の粒径は7〜500μmであり,更
    に撥水性粒子の粒径は防汚性粒子の粒径よりも小さいこ
    とを特徴とする防汚性材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一項において,
    上記撥水性粒子の融点は基材の融点よりも高いことを特
    徴とする防汚性材料の製造方法。
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