JP5522074B2 - トランス - Google Patents
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Description
上記柱状部を中心に、導体部と絶縁被膜とからなる被覆導線を渦巻状に巻回してなり、互いに巻数が異なる一次コイルおよび二次コイルとを備え、
上記一次コイルおよび上記二次コイルは上記柱状部の軸線方向に互いに隣接しており、
上記一次コイルと上記二次コイルとのうち巻数が少ないコイルは、巻数が多いコイルよりも、上記被覆導線の線径が大きく、
上記一次コイルと上記二次コイルとは、中心側端部から外周側端部にわたって、上記コイルの径方向における上記被覆導線の少なくとも一部が、上記軸線方向に互いに重なるよう対向配置されており、
上記一次コイルを構成する上記被覆導線と、上記二次コイルを構成する上記被覆導線とは、上記導体部の線径が互いに等しく、上記絶縁被膜の厚さが互いに異なることを特徴とするトランスにある(請求項1)。
上記柱状部を中心に、導体部と絶縁被膜とからなる被覆導線を渦巻状に巻回してなり、互いに巻数が異なる一次コイルおよび二次コイルと、
上記一次コイルと上記二次コイルとの2つのコイルをそれぞれ保持する保持部材とを備え、
上記2つのコイルは上記柱状部の軸線方向に互いに隣接しており、
上記保持部材は複数の板状部を備え、個々の上記板状部は、その厚さ方向が上記軸線方向と一致するように配されており、
上記複数の板状部には、上記軸線方向において上記2つのコイルのうち巻数が多いコイルを配した側とは反対側に突出すると共に上記軸線方向から見た場合に渦巻状を呈する突部が形成された突部形成板状部と、上記突部が形成されていない突部非形成板状部とがあり、上記突部形成板状部と上記突部非形成板状部とは上記軸線方向において隣り合っており、
上記2つのコイルは、中心側端部から外周側端部にわたって、上記コイルの径方向における上記被覆導線の少なくとも一部が、上記軸線方向に互いに重なるよう対向配置され、
上記2つのコイルのうち、巻数が少ない方のコイルは、上記突部の外側面に沿って巻回され、
上記2つのコイルのうち、巻数が多い方のコイルは、上記突部形成板状部と上記突部非形成板状部との間に介在し、上記被覆導線が上記径方向において互いに接触するように巻回形成されていることを特徴とするトランスにある(請求項4)。
上記トランスは、例えば、電気自動車やハイブリッド車に搭載されたバッテリーを、商用電源を使って充電するための充電器に用いられる。
0.9≦n1/n2×d1/d2≦1.1
を満たしていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、一次コイル及び二次コイルが正確に巻回されたとき、径方向における、二次コイルの中心側端部と外周側端部との間の幅(n2×d2)と、一次コイルの中心側端部と外周側端部との間の幅(n1×d1)とが近似する。そのため、特に巻き方を調整しなくても、一次コイルまたは二次コイルにおける、上記非隣接部の形成を充分に抑制できる。そのため、渦電流による損失を低減しやすい。
を満たしていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、一次コイル及び二次コイルが正確に巻回されたとき、径方向における、二次コイルの中心側端部と外周側端部との間の幅(n2×d2)と、一次コイルの中心側端部と外周側端部との間の幅(n1×d1)とを一致させることができる。そのため、特に巻き方を調整しなくても、一次コイルまたは二次コイルにおける、上記非隣接部の形成を効果的に抑制できる。そのため、渦電流による損失を効果的に抑制できる。
この場合には、巻数が少ないコイルの発熱を抑制することができる。すなわち、上記構成にすると、巻数が少ないコイルにおける上記導体部の線径を大きくでき、巻数が多いコイルにおける導体部の線径を小さくすることができる。つまり、巻数が少ないコイルにおける導体部の断面積を大きくでき、該導体部の電気抵抗を小さくすることができる。トランスは、巻数が少ないコイルに大きな電流が流れるが、この大きな電流が流れる被覆導線の電気抵抗を低減できるため、電気抵抗による発熱を抑制できる。
そのため、導体部の線径が互いに等しくても、一次コイルを構成する被覆導線の線径と、二次コイルを構成する被覆導線の線径とを互いに異ならせることができる。そのため、導体部を構成する金属の使用量を少なくすることができ、トランスの製造コストを低減することができる。
この場合には、線径が互いに等しい被覆導線を使って一次コイルと二次コイルとを形成することができる。そのため、複数種類の被覆導線を用いる必要がなくなり、トランスの製造コストを低減することができる。
本発明の参考例にかかるトランスにつき、図1〜図6を用いて説明する。本例のトランス1は、磁性体からなるコア2と、一次コイル11と、二次コイル12とを備える。コア2は、柱状に形成された柱状部20を有する。一次コイル11および二次コイル12は、柱状部20を中心に被覆導線3を渦巻状に巻回してなり、互いに巻数が異なる。被覆導線3は、導体部30と、該導体部30の表面を被覆する絶縁被膜31とからなる。また、一次コイル11および二次コイル12は、柱状部20の軸線方向(X方向)に互いに隣接している。
一次コイル11と二次コイル12とは、中心側端部から外周側端部にわたって、径方向(Y方向)における被覆導線3の少なくとも一部が、軸線方向(X方向)に互いに重なるよう対向配置されている。
なお、上記中心側端部とは、一次コイル11または二次コイル12を構成する被覆導線3の端部のうち、柱状部20に近い方の端部を意味し、上記外周側端部とは、一次コイル11または二次コイル12を構成する被覆導線3の端部のうち、柱状部20から遠い方の端部を意味する。
0.9≦n1/n2×d1/d2≦1.1
が成立している。
n1×d1=n2×d2
を満たすようにすることがより好ましい。例えば、n1=20、n2=12、d1=0.18mm、d2=0.3mmとすることができる。
0.9≦n1/n2×d1/d2≦1.1
を満たしている。このようにすると、一次コイル及び二次コイルが正確に巻回されたとき、径方向(Y方向)における、二次コイル12の中心側端部と外周側端部との間の幅(n2×d2)と、一次コイル11の中心側端部と外周側端部との間の幅(n1×d1)とが近似する。そのため、特に巻き方を調整しなくても、一次コイル11または二次コイル12における、非隣接部の形成を充分に抑制できる。そのため、渦電流による損失を低減しやすい。
を満たすようにした場合には、一次コイル11及び二次コイル12が正確に巻回されたとき、径方向(Y方向)における、二次コイル12の中心側端部と外周側端部との間の幅(n2×d2)と、一次コイル11の中心側端部と外周側端部との間の幅(n1×d1)とを一致させることができる。そのため、一次コイル11または二次コイル12における、非隣接部の形成を効果的に抑制できる。そのため、渦電流による損失を効果的に抑制できる。
本例は、一次コイル11及び二次コイル12の断面形状を変更した例である。図7に示すごとく、本例では、断面正方形状の被覆導線3a,3bを使って、一次コイル11及び二次コイル12を形成した。被覆導線3a,3bは、断面正方形状の導体部30a,30bと、絶縁被膜31bとからなる。一次コイル11と二次コイル12とは、被覆導線3a,3bを、それぞれの側面が密着するように渦巻状に巻回して形成されている。一次コイル11の巻数は、二次コイル12の巻数よりも多い。二次コイル12の線径d2は、一次コイル11の線径d1よりも大きい。また、二次コイル12の導体部30bの線径d20は、一次コイル11の導体部30aの線径d10よりも大きい。二次コイル12の絶縁被膜31bの厚さと、一次コイル11の絶縁被膜31aの厚さとは略同一である。
一次コイル11の巻数n1と、一次コイル11の線径d1と、二次コイル12の巻数n2と、二次コイル12の線径d2とは、
0.9≦n1/n2×d1/d2≦1.1
を満たしている。また、
n1×d1=n2×d2
を満たすようにすることがより好ましい。
その他、参考例1と同様の構成を備える。
その他、参考例1と同様の作用効果を備える。
本例は、一次コイル11と二次コイル12とで、絶縁被膜31の厚さを変えた例である。図8に示すごとく、本例では一次コイル11の導体部30aの線径d10と、二次コイル12の導体部30bの線径d20とは同一である。また、二次コイル12の絶縁被膜31bの厚さW20は、一次コイル11の絶縁被膜31aの厚さW10よりも厚い。このようにすることで、二次コイル12を構成する被覆導線31bの線径d2を、一次コイル11を構成する被覆導線31aの線径d1よりも大きくしている。一次コイル11の巻数は二次コイル12の巻数よりも多い。
その他、参考例1と同様の構成を備える。
その他、参考例1と同様の作用効果を備える。
本例は、保持部材4の形状を変更した例である。図9に示すごとく、本例の保持部材4は、実施例1と同様に、4枚の板状部40a〜40dを備える。第2板状部40bの、第1板状部40aとは反対側の主面400bには、第3板状部40cへ向かってX方向に突出した突部41aが形成されている。また、第3板状部40cの、第4板状部40dとは反対側の主面400cには、第2板状部40bへ向かってX方向に突出した突部41bが形成されている。突部41は、図10に示すごとく、X方向から見た場合に渦巻状に形成されている。
二次コイル12の直径D2と一次コイル11の直径D1とは略同一である。
一次コイル11と二次コイル12とは、中心側端部から外周側端部にわたって、Y方向における被覆導線3a,3bの少なくとも一部が、X方向に互いに重なるよう対向配置されている。
その他、参考例1と同様の構成を備える。
その他、参考例1と同様の作用効果を備える。
11 一次コイル
12 二次コイル
2 コア
20 柱状部材
3 被覆導線
30 導体部
31 絶縁被膜
4 保持部材
40 突部
Claims (5)
- 柱状に形成された柱状部を有し、磁性体からなるコアと、
上記柱状部を中心に、導体部と絶縁被膜とからなる被覆導線を渦巻状に巻回してなり、互いに巻数が異なる一次コイルおよび二次コイルとを備え、
上記一次コイルおよび上記二次コイルは上記柱状部の軸線方向に互いに隣接しており、
上記一次コイルと上記二次コイルとのうち巻数が少ないコイルは、巻数が多いコイルよりも、上記被覆導線の線径が大きく、
上記一次コイルと上記二次コイルとは、中心側端部から外周側端部にわたって、上記コイルの径方向における上記被覆導線の少なくとも一部が、上記軸線方向に互いに重なるよう対向配置されており、
上記一次コイルを構成する上記被覆導線と、上記二次コイルを構成する上記被覆導線とは、上記導体部の線径が互いに等しく、上記絶縁被膜の厚さが互いに異なることを特徴とするトランス。 - 請求項1に記載のトランスにおいて、上記一次コイルおよび上記二次コイルを構成する上記被覆導線は、それぞれ径方向に隣接する部分を互いに接触させた状態で渦巻状に巻回されており、上記一次コイルを構成する上記被覆導線の上記線径d1と、該一次コイルの巻数n1と、上記二次コイルを構成する上記被覆導線の上記線径d2と、該二次コイルの巻数n2とが、
0.9≦n1/n2×d1/d2≦1.1
を満たしていることを特徴とするトランス。 - 請求項2に記載のトランスにおいて、n1×d1=n2×d2
を満たしていることを特徴とするトランス。 - 柱状に形成された柱状部を有し、磁性体からなるコアと、
上記柱状部を中心に、導体部と絶縁被膜とからなる被覆導線を渦巻状に巻回してなり、互いに巻数が異なる一次コイルおよび二次コイルと、
上記一次コイルと上記二次コイルとの2つのコイルをそれぞれ保持する保持部材とを備え、
上記2つのコイルは上記柱状部の軸線方向に互いに隣接しており、
上記保持部材は複数の板状部を備え、個々の上記板状部は、その厚さ方向が上記軸線方向と一致するように配されており、
上記複数の板状部には、上記軸線方向において上記2つのコイルのうち巻数が多いコイルを配した側とは反対側に突出すると共に上記軸線方向から見た場合に渦巻状を呈する突部が形成された突部形成板状部と、上記突部が形成されていない突部非形成板状部とがあり、上記突部形成板状部と上記突部非形成板状部とは上記軸線方向において隣り合っており、
上記2つのコイルは、中心側端部から外周側端部にわたって、上記コイルの径方向における上記被覆導線の少なくとも一部が、上記軸線方向に互いに重なるよう対向配置され、
上記2つのコイルのうち、巻数が少ない方のコイルは、上記突部の外側面に沿って巻回され、
上記2つのコイルのうち、巻数が多い方のコイルは、上記突部形成板状部と上記突部非形成板状部との間に介在し、上記被覆導線が上記径方向において互いに接触するように巻回形成されていることを特徴とするトランス。 - 請求項4に記載のトランスにおいて、上記一次コイルを構成する上記被覆導線と、上記二次コイルを構成する上記被覆導線とは、線径が互いに等しいことを特徴とするトランス。
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