JP2008159963A - 高圧トランス装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像形成装置の帯電器に供給する高電圧を発生するトランスの出力波形のばらつきを抑える。
【解決手段】 高圧トランスに一次巻線と二次巻線に絶縁構造を持つ巻線を用い、トランスのコアに対して一次巻線と二次巻線を重ねて巻き、巻線結合度を上げる。
【選択図】 図2
【解決手段】 高圧トランスに一次巻線と二次巻線に絶縁構造を持つ巻線を用い、トランスのコアに対して一次巻線と二次巻線を重ねて巻き、巻線結合度を上げる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、高圧トランス及びこの高圧トランスを用いた画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、近年高画質化、高速化、更には低コスト化、小型化が進んでいる。
現像材としてトナーを用いた電子写真プロセスでは、感光ドラムや現像用スリーブに高電圧を印加して画像形成を行っており、印加するAC高圧の波形が高画質化にとって重要となっている。印加するAC高圧波形が適正な波形とならない場合、帯電や現像不良による画像不良が発生してしまう。
通常AC高圧波形はトランスにより生成され、トランス一次側の駆動波形が磁気結合された二次側の高圧出力に巻数比に応じて昇圧されて出力される。
高圧トランスの構造に着目してみると、二次側の出力巻線には高電圧が発生することから、一次側の駆動巻線側との絶縁を確保するために高電圧に応じた絶縁構造を確保する必要がある。
図9に従来のトランス構造例を示す。
図9(A)において、樹脂で構成されたボビンの仕切りで分割された左側の巻線が二次側の高圧出力巻線、右側の巻線が一次側の駆動巻線を示している。
画像形成装置内で例えばモータを動作させるための24Vの電圧をトランス駆動電源に利用し、出力側に2KVppなどの高圧を出そうとすると、巻線間には約1KVの電位差が生じることになる。
図9(B)はトランスの断面を示している。図に示すように一次側と二次側とは、樹脂ボビン迂回した距離を以って絶縁距離を確保し、リークなどの事故を防止している。
しかしながら、この場合どうしても駆動巻線と高圧巻線との物理的な距離が離れるので、磁気結合度が低くなり、その結果駆動巻線波形の相似波形が出力巻線波形に忠実に再現されにくくなってしまう。
つまり、このような状態では出力巻線側に接続される負荷の状態など高圧巻線側の状態が変動するとそのまま波形変動に繋がり易い。
図10は帯電ローラによる感光ドラムへの帯電を示す図である。この場合、感光ドラム表面に接触した帯電ローラにAC+DCのバイアスが印加される。帯電ローラ及び感光ドラム表面の状態や各構成部材の材料ばらつきにより高圧出力側から見た負荷インピーダンスは変動する。また、各構成部材のインピーダンス特性は経時及び環境条件によっても変動するため、これらの条件が波形変動の要因となる。
図11はコロナ帯電器による感光ドラムへの帯電を示す図である。この場合には、帯電ワイヤに印加された高圧から感光ドラムに向けたコロナ放電がなされる。従って、感光ドラム表面の状態と放電が行われる雰囲気、この場合には空気のインピーダンスによって高圧出力側から見た負荷インピーダンスが変動する。空気のインピーダンスは温湿度により変動するため、これらの条件が波形変動要因となる。
図12は現像器の現像スリーブへのバイアス印加を示す図である。現像部では、感光ドラムと微小ギャップを介して対向した現像スリーブに高圧バイアスを印加し、帯電プロセスで表面が所定の電位となった感光ドラムに対してトナーを飛ばす。このプロセスでは現像スリーブと感光ドラム間の微小ギャップ(以後SDギャップと呼ぶ)が高圧出力側から見たインピーダンスに影響を与える。
近年の高画質化のための構成では、このSDギャップはより狭くなる方向にあり、現像スリーブと感光ドラム間の負荷容量はSDギャップ量に反比例する関係にあるため、負荷容量が大きくなる傾向にある。
また、感光ドラムと現像スリーブという二つの部材間のメカニカルな距離を決める組み付けの際の公差は同じ組み付け方法であれば小さくなることが無い。そのため、ギャップ量が狭くなればなるほど、ギャップ量に含まれる公差の占める割合が大きくなる。これは言い換えると高圧出力側から見たインピーダンス変動率が大きくなっていることを意味している。
現像プロセスではAC波形が画質に大きく影響するため、負荷容量がこれらの要因で大きく変動した場合でも波形の変動を抑えなければならない。
図13は現像ACバイアスとして矩形波を印加したときの高圧出力波形を示す図である。(A)の波形はSDギャップが基準の距離よりも増える方向にばらついた場合(軽負荷時)のトランス出力波形を示している。トランス駆動巻線には矩形波が入力されているが、駆動巻線と高圧出力巻線の結合が低いためにオーバーシュート及び振動が波形となって現れてしまっている。
このような波形が出力された場合、電圧ピーク値が大きくなるので高圧部から低圧部への放電が発生したり、画像形成領域で放電が発生した場合には画像不良が発生する原因となり得る。
(B)の波形はSDギャップが基準の距離である場合(中心負荷)の波形を示しており、この状態でオーバーシュートや波形鈍りが起こらないようにトランスの二次側に挿入されたインピーダンスを調整する。
(C)の波形はSDギャップが基準の距離よりも縮まる方向にばらついた場合(重負荷時)のトランス出力波形を示している。このように鈍った波形では十分な現像性が確保されず、濃度薄などの不良が発生し易い。
図14は矩形波を出力する回路を示す図である。V1はトランスT1駆動用の電源であり、4つの半導体スイッチQ1〜Q4でトランスT1をフルブリッジ駆動して矩形波を出力している。トランスの駆動方法は必ずしも図14のようなフルブリッジ構成とする必要は無く、出力する波形や負荷条件等に応じて変更可能である。V2は別電源で生成されるDC高圧バイアスである。Z1は高圧巻線出力部に挿入された波形調整用インピーダンスであり、軽負荷時に発生するオーバーシュート波形のピーク電圧が高いことによって起こる不具合を防ぐべく調整する。但し、オーバーシュートを考慮してZ1のインピーダンスをあまり大きく設定してしまうと、重負荷時には波形が大きく鈍ってしまう。そのため、負荷のばらつき範囲を想定して最軽負荷でぎりぎり許容できるオーバーシュートになる程度の定数を選定する必要がある。
また、高圧巻線出力部にインピーダンスが挿入されることで電力ロスが発生するため、理想的な構成とは言い難い。
これらの問題を解決すべくトランスを同軸ボビン構造とすることで駆動巻線と出力巻線との結合度を上げることで負荷ばらつきを吸収しているものがある(特許文献1参照)。
また、SDギャップをステッピングモータで自動調整できる機構を設け、負荷側のばらつきを低減することで波形ばらつきを吸収しているものがある(特許文献2参照)。
特開平05−226157号公報
特開2004−054208号公報
しかし、特許文献1に示す方式では以下のような問題点があった。即ち、ボビンが特殊な構造となるので、トランスの製造が難しくなり、コストアップに繋がってしまう。また、汎用のボビンやコアを使用できないことから部材の共通化にも支障が出るため、この面でもコストアップが避けられない。更に、ボビンが同軸二重構造となることでサイズアップにも繋がる可能性がある。
特許文献2に示す方式では、SDギャップを自動調整する機構を設けているが、この場合微小な自動調整を行うためのステッピングモータやそれを制御するシステム等が必要となり、サイズアップやコストアップに繋がってしまう。
本発明の高圧トランス装置は、トランスの一次側の巻線と二次側の巻線がトランスのコアにより磁気結合されている高圧トランス装置において、前記一次巻線と前記二次巻線に絶縁構造を有する巻線を使用し、前記一次巻線と二次巻線とが前記コアに重ねて巻かれていることを特徴とする。
また、本発明の高圧トランス装置は、トランスの一次側の巻線と二次側の巻線がトランスのコアにより磁気結合されている高圧トランス装置において、前記一次巻線と前記二次巻線が絶縁部材を挟んで前記コアに重ねて巻かれていることを特徴とする。
また、本発明の高圧トランス装置は、トランスの一次側の巻線と二次側の巻線がトランスのコアにより磁気結合されている高圧トランス装置において、
前記トランスの二次側出力を検出するための検出用巻線を有し、前記一次巻線と前記検出用巻線に絶縁構造を有する巻線を使用し、前記一次巻線、前記二次巻線及び前記検出用巻線が前記コアに重ねて巻かれていることを特徴とする。
前記トランスの二次側出力を検出するための検出用巻線を有し、前記一次巻線と前記検出用巻線に絶縁構造を有する巻線を使用し、前記一次巻線、前記二次巻線及び前記検出用巻線が前記コアに重ねて巻かれていることを特徴とする。
本発明によれば、トランスのコアに巻いた巻線の結合度を容易に高めることができ、インピーダンス変動に強い構造とし、トランスの出力の波形をできる限り適正にすることができる。特に、電子写真プロセスを用いた画像形成装置の高圧発生回路に用いた場合に、高圧トランスの大型化や複雑化を伴わずに高画質化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について、図1〜5を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置全体の断面図である。900はプリンタ本体で、感光体ドラム901y、901m、901c、901bkを有している。感光体ドラム901yの周囲には、感光体ドラム901yに高圧を印加する一次帯電ローラ902yが設けられており、各感光体ドラムの表面を均一にマイナス帯電する。
本発明の第1の実施の形態について、図1〜5を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置全体の断面図である。900はプリンタ本体で、感光体ドラム901y、901m、901c、901bkを有している。感光体ドラム901yの周囲には、感光体ドラム901yに高圧を印加する一次帯電ローラ902yが設けられており、各感光体ドラムの表面を均一にマイナス帯電する。
一次帯電器902yには、DC成分マイナス300Vからマイナス700Vの電圧にAC成分1300Vから2000Vが重畳されている。これらの高電圧を発生させるための高圧発生装置は、24Vなどの電圧を入力として高圧トランスを用いて高圧を生成している。
帯電プロセスではAC波形により放電電流量が変化するなどして、感光体ドラムの寿命や帯電特性に影響を及ぼすことが一般的に知られている。均一に帯電した感光体901yの表面にレーザーユニット903yから照射されるレーザーが露光される。露光された部分はインピーダンスが低下して帯電量が低下する。
レーザーユニット903yはON/OFF制御やPWM制御により露光量が制御されて、感光体901yの表面に潜像潜像が形成される。
現像スリーブ904yと感光体901yの間のギャップ量(SDギャップ)は高精度に管理されている。現像スリーブ904yにDC成分マイナス150V〜マイナス500VとAC成分1300V〜2000Vの高圧を加えることで、感光体901yの表面と現像ブレード904yの間に電界が発生する。
前述した帯電プロセス同様に高圧トランスを用いた高圧発生装置によりDC成分及びAC成分を生成しており、特に現像プロセスではAC成分の波形が画質に大きく影響する。
この電界の向きと強度は帯電量に影響され、感光体901yのレーザで露光されてない領域では、露光された領域よりもマイナス帯電量が大きくなっており、現像スリーブ904yから感光体901yに向かう電界が生じる。一方、レーザで露光された領域では、感光体901yから現像スリーブ904yに向かう電界が生じる。
現像スリーブ904y上のマイナスに帯電したイエローのトナーが現像スリーブ904yと感光体901yの表面の電界の向きと反対方向に力を受ける。従って、電界の向きと強弱により、感光体901y上の潜像潜像がイエローのトナーによって現像される。
次に感光体901yの表面は中間転写ベルトの906と接する。中間転写ベルト906の感光体901yとは反対側には一次転写ローラ905yが設けられている。この一次転写ローラ905yには、プラス500V〜プラス1200Vの電圧が加えられていて、マイナスに帯電したイエローのトナーを感光体901yから905y側に引き寄せる。それにより、感光体901yの表面にあったイエローのトナーが中間転写ベルト906の表面に転写される。
感光体ドラム901m〜901bkの周囲にも上記と同様に、一次帯電器902m〜902bk、レーザユニット903m〜903bk、現像スリーブ904m〜904bk、一次転写ローラ905m〜905bkが設けられている。そしてマゼンダ、シアン、ブラックのトナー像が中間転写ベルト906の表面に転写される。こうして、中間転写ベルト906には、イエローとマゼンダとシアンとブラックのトナーで形成されたフルカラーの画像が形成される。そして、中間転写ベルト906が2次転写内ローラ907と2次転写外ローラ908を通過する。その時に中間転写ベルト906と2次転写外ローラ908の間を用紙13が挟まれて搬送される。2次転写外ローラ908には、プラス500〜7000Vの電圧が加えられていて、マイナスに帯電したトナーが、用紙13の上表面に転写される。
用紙13は用紙カセット910から給紙されて、矢印912−1、912−2、912−3、912−4のように搬送される。用紙13−2は2次転写ローラ907,908を通過した用紙であり、その表面のトナー像は未定着であり、用紙13−2から容易に剥がれる状態である。この状態の用紙13−2が定着器911に搬送されて高温にされ、トナーが柔らかくなったところで、圧力を加えられることで、用紙13−2の表面に定着される。そして、矢印912−5、912−6、912−7、912−8、912−9のように搬送されて用紙13−3のように排出され積載される。
図2は現像ACバイアス用に使用する高圧トランスの構成を示す図である。なお、第1の実施形態で用いるAC高圧発生回路は図14に示す回路を使用するものとする。
図2の(A)はトランスの外観図であり、巻枠途中に樹脂などによる仕切りは無く、枠全体に巻線(コイル)が巻かれている。(B)はトランスの断面図であり、中心部のコアに対して内側に二次側の高圧出力巻線(二次巻線)が巻かれており、その外側に高圧出力巻線と密着した形で一次側の駆動巻線(一次巻線)が重ねて巻かれている。
本実施の形態では、トランスの駆動巻線及び高圧出力巻線の両方に三層絶縁線を用いることで巻線間の絶縁を確保している。即ち、巻線自体が絶縁構造となっている。
このようにコアに対して駆動巻線と出力巻線とが接触する面積が広く、駆動巻線と出力巻線とが密着した構造となることで巻線間の磁気的な結合度は格段に上がる。従って、トランスの一次側の駆動波形にほぼ相似した波形の出力電圧が現れる。
昇圧タイプのトランスでは二次側巻線の巻数が一次側よりも多いが、電子写真プロセスに使われる高圧トランスでは大電流を流すことが無いので、二次側巻線の径は一次側巻線より細くてよい。線径が細い二次側巻線をボビンの内側に巻くと製造上一次側巻線を平らに綺麗に巻くことができる。本実施形態では二次側巻線を内側に巻いているが、一次側巻線が内側に巻かれていても良い。
また、図2に示すように一次側巻線と二次側巻線との結合度を更に上げるために、二次側巻線を二分割して、その間に一次側巻線を挟むサンドイッチ構造としてもよい。
図3は本実施の形態の高圧トランスを使用した際の現像ACバイアス波形を示す図である。(A)の波形は軽負荷時の高圧出力波形を示している。図13の(A)の波形と比較すると高圧トランス巻線間の結合度のアップにより、大幅にオーバーシュートが低減されていることが分かる。
(B)の波形は中心負荷での高圧出力波形を示しており、この時に不要なオーバーシュートや波形の鈍りが生じないよう、波形調整用インピーダンスを調整する。
(C)の波形は重負荷時の高圧出力波形を示しており、図13の(C)の波形と比較すると圧倒的に波形の鈍りが少ないことが分かる。従来のトランスでは、軽負荷時のオーバーシュートを防ぐために調整用インピーダンスを大きくしなければならず、このため重負荷時には波形を鈍らせてしまっていた。
図5は高圧出力負荷の変化によるAC高圧出力の実効値との関係を示す図であり、横軸に負荷容量、縦軸にAC高圧波形の実効値を示している。このグラフの直線近似式を示すと以下のようになる。
・従来型トランス
y=−0.7559x+981.63
・本実施の形態のトランス
y=−0.4549x+895.47
この場合、直線の傾きが寝ている方が、つまりxの係数の絶対値が小さい方が、負荷容量変化に対して波形が変動しにくいことを示している。つまり、本実施形態のトランスは従来型と比較して負荷容量変化に対する波形変化が少ないことを示している。
・従来型トランス
y=−0.7559x+981.63
・本実施の形態のトランス
y=−0.4549x+895.47
この場合、直線の傾きが寝ている方が、つまりxの係数の絶対値が小さい方が、負荷容量変化に対して波形が変動しにくいことを示している。つまり、本実施形態のトランスは従来型と比較して負荷容量変化に対する波形変化が少ないことを示している。
負荷容量が270pFである時に高圧出力にオーバーシュートが出ないよう波形調整用インピーダンスZ1を調整した場合、Z1は、従来型のトランスでは18kΩであるのに対し、本実施形態のトランスでは6.8kΩとなる。即ち、本実施形態のトランスの方が電力損失が少なくなることがわかる。
同様に、負荷容量が100pFであるとき、電力損失は、従来型トランスでは0.86Wとなり、本実施形態のトランスでは0.28Wとなる。また、負荷容量が390pFであるときの電力損失は、従来型トランスでは7.36W、本実施形態のトランスでは3.02Wとなる。
本実施形態のトランスを用いることで波形変動も少なく、且つ電力損失の低減も実現できることを示している。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について、図6〜7を用いて説明する。
本発明の第2の実施の形態について、図6〜7を用いて説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る高圧トランスの構造を示す図である。図7は、本発明の第2の実施形態に係るAC高圧発生回路を示す図である。
図7において、V1は回路駆動用の電源、トランジスタQ5はトランスT1の駆動用電圧を制御している。トランジスタQ5によってトランスT1の駆動用電圧を制御することにより、駆動用電圧の波形のピーク値が変化するため、結果としてAC高圧出力のピーク電圧値を制御していることになる。この回路ではトランジスタQ5をシリーズレギュレータ構成としているのでV1以上の電圧をトランスT1の一次側に印加することはできない。従って、ピーク電圧値を上げたい場合にはこの部分に昇圧コンバータを用いればよい。
トランスT1は一次側に接続された4つの半導体スイッチ(トランジスタ)Q1〜Q4によるフルブリッジ駆動で矩形波を出力している。トランスT1の駆動方法は必ずしもフルブリッジ構成とする必要は無く、出力する波形や負荷条件等に応じて変更可能である。
V2は別電源で生成されるDC高圧バイアスであり、V2にトランスT1のAC出力が重畳されてAC+DCの高圧が出力される。トランスT1はトランジスタQ1〜Q4で駆動される一次側駆動巻線W1と高圧出力巻線W2の他に出力電圧制御のための三次検出巻線W3の三巻線を持つ構造となっている。高圧出力巻線W2及び三次検出巻線W3には一次駆動巻線W1との巻数比に応じた電圧が現れる。この特性を利用し、三次巻線電圧を検出して、三次巻線電圧が所定値になる様に制御することで高圧出力巻線W2に現れる高電圧を直接検出せずに、より低い電圧で制御できることから高価な高耐圧部品などを使わなくてもよい。
D1は三次巻線電圧の整流用ダイオード、C1はダイオードD1で整流された電圧の平滑用コンデンサである。平滑後の電圧は誤差増幅器AMP1により基準電圧V3と比較され、コンデンサC1の端子間に現れた電圧が基準電圧V3に等しくなるようトランジスタQ5のオン/オフ状態を制御する。
基準電圧V3は可変な構成となっており、所望のAC高圧出力を得るためには三次巻線W3からの検出電圧と基準電圧V3を調整すればよい。
Z1は高圧出力波形調整用のインピーダンスであり、高圧出力波形のオーバーシュートを押さえるために実装される。
トランスT1の巻線間結合度が理想値100%であれば、トランスT1の電力供給範囲内においては高圧出力波形は駆動波形と相似形となるので、調整用インピーダンスZ1による波形調整は不要である。
しかしながら実際には巻線結合度が100%となることはなく、巻線結合度に応じた波形歪みが発生するのでインピーダンスZ1による調整が必要となる。また、ここにインピーダンスZ1が存在することで、高圧出力の電力損失が発生する。従って、インピーダンスZ1は可能な限り小さくした。そのためにはトランスの巻線結合度を上げられればよい。
次に第2の実施形態における高圧トランス構造について説明する。図6の(A)はトランスの外観図であり、図1のトランスと同様、巻枠途中に樹脂などによる仕切りは無く、枠全体に巻線が巻かれている。
図6の(B)はトランスの断面図であり、中心部のコアに対して内側に二次側の高圧出力巻線が巻かれており、その外側に高圧出力巻線と密着した形で一次側の駆動巻線が重ねて巻かれている。また、更にその外側には二次側出力であるAC出力のピーク電圧値検出用巻線である三次巻線が一次側駆動巻線と密着した形で重ねて巻かれている。本実施形態では、トランスの駆動巻線及び三次巻線に三層絶縁線を用いることで巻線間の絶縁を確保している。
高圧出力巻線と駆動巻線及び三次巻線間に発生する電位差が三層絶縁線の耐圧を越えなければ高圧出力巻線には絶縁線を使う必要は無く、また、三層絶縁線以外でも十分な耐圧が確保できる電線を使用できれば同等の効果を得ることができる。
また、高圧出力巻線のみに三層絶縁線を使用しても同じ効果が得られるが、三層絶縁線は高価で厚みがある。高圧出力巻線は巻数が多いため、巻数が少ない駆動巻線や三次巻線のみに三層絶縁線を使用する方が、コスト、スペースの点で効果的である。
第2の実施の形態においても、コアに対して巻線が広く接し、駆動巻線と高圧出力巻線、駆動巻線と三次巻線とがそれぞれ密着した構造となることで巻線間の磁気的な結合度は格段に上がり、駆動波形とほぼ相似の波形が高圧出力波形及び三次巻線波形として現れる。
また、線径が細い二次側巻線をボビンの内側に巻くと製造上一次側巻線が平らに綺麗に巻くことができるため、第2の実施の形態でも二次側巻線を内側に巻いている。しかし、一次側巻線が内側に巻かれていても何ら差し支え無い。
なお、一次巻線と三次巻線との結合度を高めて出力電圧ピーク値をより高精度に制御するため、一次巻線を二次巻線と三次巻線の間に巻く構成としても良い。
これにより、より駆動巻線波形に忠実な波形を高圧出力側に出力できるだけではなく、ピーク値の検知もより高精度に行うことが可能となる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について、図8を用いて説明する。
本発明の第3の実施の形態について、図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る高圧トランスの構造を示す図である。本実施形態では、高圧トランスの一次巻線と二次巻線の間に絶縁シートを挟むことで巻線間の絶縁を確保している。
前述した第1及び第2の実施形態と同様に、一次巻線と二次巻線は同じ巻枠内に巻いているため、絶縁シートの厚みしか距離が隔てられず、結合度を良くしつつ両方の巻線を巻くことが可能である。
絶縁シートは巻線間の電位差に見合った耐圧を確保した厚みの物であればよいが、より薄い材質である方が巻線間の距離が近くなるため、得られる効果は大きい。また、例えば厚みが少ないテープのような物であっても重ねて巻くことで耐圧を確保できるので、絶縁材は必ずしも一枚のシートではなく、テープ状のものを重ねた構造であってもよい。
Claims (7)
- トランスの一次側の巻線と二次側の巻線がトランスのコアにより磁気結合されている高圧トランス装置において、
前記一次巻線と前記二次巻線に絶縁構造を有する巻線を使用し、前記一次巻線と二次巻線とが前記コアに重ねて巻かれていることを特徴とする高圧トランス装置。 - 前記二次巻線が前記一次巻線の内側と外側の両方に重ねて巻かれていることを特徴とする請求項1記載の高圧トランス装置。
- トランスの一次側の巻線と二次側の巻線がトランスのコアにより磁気結合されている高圧トランス装置において、
前記一次巻線と前記二次巻線が絶縁部材を挟んで前記コアに重ねて巻かれていることを特徴とする高圧トランス装置。 - 前記二次巻線の外側に前記絶縁部材が重ねて巻きつけられ、その外側に前記一次巻線が重ねて巻かれてることを特徴とする請求項3記載の高圧トランス装置。
- トランスの一次側の巻線と二次側の巻線がトランスのコアにより磁気結合されている高圧トランス装置において、
前記トランスの二次側出力を検出するための検出用巻線を有し、
前記一次巻線と前記検出用巻線に絶縁構造を有する巻線を使用し、前記一次巻線、前記二次巻線及び前記検出用巻線が前記コアに重ねて巻かれていることを特徴とする高圧トランス装置。 - 前記二次巻線の外側に前記一次巻線が重ねて巻かれ、前記一巻線の外側に前記検出用巻線が重ねて巻かれることを特徴とする請求項5記載の高圧トランス装置。
- 電子写真プロセスの画像形成装置において、
高圧出力を発生する高圧発生回路を有し、前記高圧発生回路に請求項1,3,5の何れかに記載の高圧トランス装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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2006
- 2006-12-26 JP JP2006348888A patent/JP2008159963A/ja not_active Withdrawn
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