JP2021132424A - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サージ電圧の発生を抑えつつ、スイッチング電源装置の効率を向上させること。【解決手段】一次巻線206a、二次巻線206c、補助巻線206dを有するトランス206と、出力端子203c、203dを有し、交流電圧を整流するダイオードブリッジ203と、一端が出力端子203c及び一次巻線206aの一端と接続され、他端が出力端子203dに接続された平滑コンデンサ207と、一端が一次巻線206aの他端と接続され、他端が出力端子203dに接続されオン状態又はオフ状態に切り替えられるFET208と、コンデンサ211とダイオード212とが直列に接続され一次巻線206aと並列に接続された直列回路と、ダイオード213と補助巻線206dとが直列に接続されFET208のソース端子とコンデンサ211とダイオード212とが接続された接続点との間に接続された直列回路と、を有するスナバ回路214を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、電源装置、及び電源装置を備える画像形成装置に関する。
スイッチング素子を使用したスイッチング電源装置では、スイッチング素子がターンオフ時に、トランスのリーケージインダクタンス、スイッチング素子自体の出力容量、及びターンオフ直前のピーク電流を要因とするサージ電圧が発生する。サージ電圧をスイッチング素子の定格電圧内に抑えるために、スイッチング電源装置では、抵抗(R)、コンデンサ(C)、ダイオード(D)により構成された、所謂RCDスナバ回路を設けることが一般的である(例えば特許文献1参照)。
上述した特許文献1で提案されているRCDスナバ回路を使用してサージ電圧を抑える回路構成は、スイッチング素子がターンオフする毎にコンデンサに蓄積されたサージ電圧のエネルギーを抵抗により熱に変換してしまう構成となっている。そのため、スイッチング電源装置の効率を向上させることがむずかしいという課題を有している。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、サージ電圧の発生を抑えつつ、スイッチング電源装置の効率を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明では、以下の構成を備える。
(1)一次巻線と、二次巻線と、補助巻線とを有し、一次側と二次側とが絶縁されたトランスと、第一の出力端子及び第二の出力端子を有し、交流電圧を整流する整流回路と、一端が前記第一の出力端子及び前記一次巻線の一端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続された第二のコンデンサと、一端が前記一次巻線の他端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続され、オン状態又はオフ状態に切り替えられるスイッチング素子と、第一のコンデンサと第一の整流素子とが直列に接続された第一の直列回路であって、前記一次巻線と並列に接続された前記第一の直列回路と、第二の整流素子と前記補助巻線とが直列に接続された第二の直列回路であって、前記スイッチング素子の他端と前記第一のコンデンサと前記第一の整流素子とが接続された接続点との間に接続された前記第二の直列回路と、を備えることを特徴とする電源装置。
(2)直列に接続された第一の一次巻線及び第二の一次巻線と、二次巻線と、補助巻線とを有し、一次側と二次側とが絶縁されたトランスと、第一の出力端子及び第二の出力端子を有し、交流電圧を整流する整流回路と、インダクタと第三の整流素子とが直列に接続された第三の直列回路であって、前記第一の出力端子と前記第一の一次巻線の一端と前記第二の一次巻線の一端とが接続された第一の接続点との間に接続された前記第三の直列回路と、一端が前記第二の一次巻線の他端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続され、オン状態又はオフ状態に切り替えられるスイッチング素子と、一端が前記第一の一次巻線の他端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続された第二のコンデンサと、第一のコンデンサと第一の整流素子とが直列に接続された第一の直列回路であって、前記第一の一次巻線の他端と前記第二の一次巻線の他端との間に接続された前記第一の直列回路と、第二の整流素子と前記補助巻線とが直列に接続された第二の直列回路であって、前記スイッチング素子の前記他端と前記第一のコンデンサと前記第一の整流素子とが接続された第二の接続点との間に接続された前記第二の直列回路と、を備えることを特徴とする電源装置。
(3)シートに画像形成を行う画像形成手段と、前記画像形成手段に電力を供給する前記(1)又は前記(2)に記載の電源装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、サージ電圧の発生を抑えつつ、スイッチング電源装置の効率を向上させることができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像形成装置の構成]
図1は、画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタの構成を示す断面図である。レーザビームプリンタ100(以下、プリンタ100という)は、静電潜像が形成される感光ドラム101、感光ドラム101を一様に帯電する帯電部102、感光ドラム101に形成された静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像部103を備えている。また、プリンタ100は、感光ドラム101にレーザ光を照射して、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成する露光装置110を備えている。プリンタ100では、感光ドラム101に形成されたトナー像は、転写部105によって、カセット104から給送された記録材としてのシート(不図示)に転写される。トナー像が転写されたシートは、定着器106に搬送され、トナー像は定着器106でシートに定着され、トナー像が定着されたシートはトレイ107に排出される。この感光ドラム101、帯電部102、現像部103、転写部105が画像形成部である。また、プリンタ100は、低電圧電源装置108を備え、低電圧電源装置108はモータ等の駆動部や画像形成部による画像形成動作やシートの搬送動作を制御する制御部へ電力を供給する。
図1は、画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタの構成を示す断面図である。レーザビームプリンタ100(以下、プリンタ100という)は、静電潜像が形成される感光ドラム101、感光ドラム101を一様に帯電する帯電部102、感光ドラム101に形成された静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像部103を備えている。また、プリンタ100は、感光ドラム101にレーザ光を照射して、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成する露光装置110を備えている。プリンタ100では、感光ドラム101に形成されたトナー像は、転写部105によって、カセット104から給送された記録材としてのシート(不図示)に転写される。トナー像が転写されたシートは、定着器106に搬送され、トナー像は定着器106でシートに定着され、トナー像が定着されたシートはトレイ107に排出される。この感光ドラム101、帯電部102、現像部103、転写部105が画像形成部である。また、プリンタ100は、低電圧電源装置108を備え、低電圧電源装置108はモータ等の駆動部や画像形成部による画像形成動作やシートの搬送動作を制御する制御部へ電力を供給する。
[スイッチング電源装置の構成]
図2は、図1のプリンタ100が低電圧電源装置108として備えている、本実施例のスイッチング電源装置200の回路構成を示す回路図である。図2において、ACプラグ201をコンセントに接続すると、商用交流電源(不図示)から交流電圧がスイッチング電源装置200に入力される。入力された交流電圧は、フィルタ回路202を介して、ダイオードブリッジ203に入力される。ダイオードブリッジ203は、入力側の端子203a、203bと、出力側の端子203c(第一の出力端子)、203d(第二の出力端子)を有する。ダイオードブリッジ203は、入力側の端子203a、203bから入力される交流電圧を全波整流し、出力側の端子203c、203dに出力する。整流回路であるダイオードブリッジ203の出力側の端子203cは、平滑コンデンサ207の一端と接続されて、端子203dは、平滑コンデンサ207の他端と接続されている。全波整流された交流電圧は、平滑コンデンサ207で平滑され、略一定の直流電圧となる。
図2は、図1のプリンタ100が低電圧電源装置108として備えている、本実施例のスイッチング電源装置200の回路構成を示す回路図である。図2において、ACプラグ201をコンセントに接続すると、商用交流電源(不図示)から交流電圧がスイッチング電源装置200に入力される。入力された交流電圧は、フィルタ回路202を介して、ダイオードブリッジ203に入力される。ダイオードブリッジ203は、入力側の端子203a、203bと、出力側の端子203c(第一の出力端子)、203d(第二の出力端子)を有する。ダイオードブリッジ203は、入力側の端子203a、203bから入力される交流電圧を全波整流し、出力側の端子203c、203dに出力する。整流回路であるダイオードブリッジ203の出力側の端子203cは、平滑コンデンサ207の一端と接続されて、端子203dは、平滑コンデンサ207の他端と接続されている。全波整流された交流電圧は、平滑コンデンサ207で平滑され、略一定の直流電圧となる。
トランス206は、一次側のエネルギーを二次側に変換するための絶縁トランスであり、一次巻線206a、二次巻線206c、補助巻線206dを有している。なお、図2は、フライバック回路の適用例を示しているため、一次巻線206aに対し、二次巻線206cは巻き方向が逆方向となっている。また、補助巻線206dも、二次巻線206cと同様に、一次巻線206aに対し、巻き方向が逆方向となっている。
平滑コンデンサ207の一端は、トランス206の一次巻線206aの一端と接続され、一次巻線206aの他端は、スイッチング素子である電界効果トランジスタ(以下、FETという)208のドレイン端子と接続されている。また、FET208のソース端子は、平滑コンデンサ207の他端、及びダイオードブリッジ203の出力側の端子203dと接続されている。なお、FET208のゲート端子は、FET208のスイッチング動作を制御する制御IC(不図示)に接続されている。
また、トランス206の二次巻線206cの一端は、ダイオード209のアノード端子に接続され、カソード端子は平滑コンデンサ210の一端に接続されている。平滑コンデンサ210は、一端はダイオード209のカソード端子に接続され、他端は、トランス206の二次巻線206cの他端に接続されている。平滑コンデンサ210の充電電圧は、スイッチング電源装置200の出力電圧Voとして、スイッチング電源装置200に接続された外部負荷に出力される。
図2において、制御IC(不図示)からFET208のゲート端子にローレベル信号が入力され、FET208がターンオフするタイミングで、FET208のドレイン端子に大きなサージ電圧が発生する。サージ電圧を抑制する回路が、破線で囲まれたスナバ回路214である。スナバ回路214は、トランス206の補助巻線206dと2つの整流素子であるダイオード212、213、そしてクランプコンデンサ211で構成されている。
スナバ回路214において、クランプコンデンサ211の一端は、トランス206の一次巻線206aの他端、及びFET208のドレイン端子と接続され、クランプコンデンサ211の他端はダイオード212のアノード端子と接続されている。ダイオード212のカソード端子は、平滑コンデンサ207の一端、及びトランス206の一次巻線206aの一端と接続されている。また、ダイオード213のアノード端子はFET208のソース端子、平滑コンデンサ207の他端、及びダイオードブリッジ203の出力側の端子203dと接続されている。一方、ダイオード213のカソード端子は、トランス206の補助巻線206dの一端と接続されている。トランス206の補助巻線206dの他端は、クランプコンデンサ211とダイオード212のアノード端子とが接続された接続点と接続されている。
スイッチング素子であるFET208は、制御IC(不図示)からFET208のゲート端子にハイレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子間が導通し、FET208は導通状態(オン状態)となる。その結果、平滑コンデンサ207からの電流が一次巻線206aに流れ、FET208の導通期間に応じたエネルギーがトランス206に蓄積される。FET208が導通状態の期間では、トランス206の二次巻線206cには、巻き始め側がプラスで、巻き終わり側がマイナスの電圧が発生する。ところが、トランス206の二次側のダイオード209のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧よりも低くなるため、ダイオード209は非導通状態のままで、二次巻線206cからダイオード209を介した電流は流れない。
一方、制御IC(不図示)からFET208のゲート端子にローレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子間とソース端子との間は開放状態となり、FET208は非導通状態(オフ状態)となる。すると、トランス206の二次巻線206cには、巻き始め側がマイナスで、巻き終わり側がプラスの電圧が発生する。トランス206の二次側のダイオード209のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧よりも高くなるため、ダイオード209は導通状態となり、トランス206の二次巻線206cから二次側のダイオード209を通して電流が流れる。このように、二次巻線206cには、FET208のスイッチング動作に連動して、パルス状の電圧が発生する。トランス206の二次巻線206cに発生する電圧をダイオード209で整流し、平滑コンデンサ210によって平滑することで出力電圧Voが生成され、出力電圧VoはFET208のスイッチング動作により一定の電圧に制御される。
[スナバ回路の動作]
次に、スナバ回路214の動作を図3に示す状態説明図に基づいて説明する。図3は、スナバ回路214の動作を説明するために、図2のスナバ回路214の周辺回路を抜き出した回路図である。図3(a)は、FET208がターンオフした直後(オン状態からオフ状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図であり、図3(b)は、FET208のターンオン直後(オフ状態からオン状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図である。なお、本発明のスナバ回路214は、回路動作的にはFET208のターンオフ直後及びターンオン直後の回路動作に特徴がある。FET208がターンオフ直後及びターンオン直後以外の期間での回路動作は、上述したスナバ回路214を有しない一般的なスイッチング電源装置と同じ回路動作であるため、ここでの説明は省略する。
次に、スナバ回路214の動作を図3に示す状態説明図に基づいて説明する。図3は、スナバ回路214の動作を説明するために、図2のスナバ回路214の周辺回路を抜き出した回路図である。図3(a)は、FET208がターンオフした直後(オン状態からオフ状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図であり、図3(b)は、FET208のターンオン直後(オフ状態からオン状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図である。なお、本発明のスナバ回路214は、回路動作的にはFET208のターンオフ直後及びターンオン直後の回路動作に特徴がある。FET208がターンオフ直後及びターンオン直後以外の期間での回路動作は、上述したスナバ回路214を有しない一般的なスイッチング電源装置と同じ回路動作であるため、ここでの説明は省略する。
(FET208のターンオフ直後の回路動作)
まず、図3(a)を参照して、FET208のターンオフ直後の回路動作について説明する。FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からローレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が開放状態になる。すると、それまで一次巻線206aからFET208のドレイン端子に流れていた電流は、クランプコンデンサ211に流れ始め、クランプコンデンサ211は一次巻線206aからの入力電流により充電される。クランプコンデンサ211への充電電流の電流ルートは、図3(a)の太い矢印で示した電流ルートであり、一次巻線206aからクランプコンデンサ211、そしてダイオード212へと流れる。そのときのFET208のドレイン電圧は、クランプコンデンサ211の容量と一次巻線206aのインダクタンスとの共振動作により弧を描く電圧波形となり、緩やかに電圧が上昇し、電圧の急激な上昇が制限される。FET208のドレイン電圧にサージ電圧の発生がないと、一次巻線206aに生じる電圧にもサージ電圧は発生せず、同じトランス206に結合された二次巻線206cにもサージ電圧が発生しなくなる。
まず、図3(a)を参照して、FET208のターンオフ直後の回路動作について説明する。FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からローレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が開放状態になる。すると、それまで一次巻線206aからFET208のドレイン端子に流れていた電流は、クランプコンデンサ211に流れ始め、クランプコンデンサ211は一次巻線206aからの入力電流により充電される。クランプコンデンサ211への充電電流の電流ルートは、図3(a)の太い矢印で示した電流ルートであり、一次巻線206aからクランプコンデンサ211、そしてダイオード212へと流れる。そのときのFET208のドレイン電圧は、クランプコンデンサ211の容量と一次巻線206aのインダクタンスとの共振動作により弧を描く電圧波形となり、緩やかに電圧が上昇し、電圧の急激な上昇が制限される。FET208のドレイン電圧にサージ電圧の発生がないと、一次巻線206aに生じる電圧にもサージ電圧は発生せず、同じトランス206に結合された二次巻線206cにもサージ電圧が発生しなくなる。
(FET208のターンオン直後の回路動作)
一方、FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からハイレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が導通状態となる。この状態を表したのが図3(b)である。図3(b)に示す太い矢印が、クランプコンデンサ211からの放電電流の電流ルートである。一次巻線206aと補助巻線206dとは、トランス206内で結合されている。そのため、一次巻線206aと補助巻線206dの巻き数比により、クランプコンデンサ211から流れる放電電流は、FET208を流れる電流と、一次巻線206aを逆流する電流とに分流される。一次巻線206aを逆流する電流は平滑コンデンサ207への回生電流となり、FET208がターンオフした際のサージ電圧で発生したエネルギー(クランプコンデンサ211の充電電圧)の一部が平滑コンデンサ207に回生されて再利用されることになる。そして、放電電流が流れることにより、サージ電圧により充電された電圧が放電されたクランプコンデンサ211は、図3(a)に示す充電電流が流れる直前の状態となり、再度サージ電圧によるエネルギーを蓄積できる状態にリセットされる。
一方、FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からハイレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が導通状態となる。この状態を表したのが図3(b)である。図3(b)に示す太い矢印が、クランプコンデンサ211からの放電電流の電流ルートである。一次巻線206aと補助巻線206dとは、トランス206内で結合されている。そのため、一次巻線206aと補助巻線206dの巻き数比により、クランプコンデンサ211から流れる放電電流は、FET208を流れる電流と、一次巻線206aを逆流する電流とに分流される。一次巻線206aを逆流する電流は平滑コンデンサ207への回生電流となり、FET208がターンオフした際のサージ電圧で発生したエネルギー(クランプコンデンサ211の充電電圧)の一部が平滑コンデンサ207に回生されて再利用されることになる。そして、放電電流が流れることにより、サージ電圧により充電された電圧が放電されたクランプコンデンサ211は、図3(a)に示す充電電流が流れる直前の状態となり、再度サージ電圧によるエネルギーを蓄積できる状態にリセットされる。
一方、クランプコンデンサ211からFET208に流れる電流は、ダイオード213を介して補助巻線206dへと流れ、放電電流の電流エネルギーは、補助巻線206dに蓄積される。そして、補助巻線206dに蓄積されたエネルギーは、次のFET208のターンオフ時に二次側電流として変換され、一次巻線206aに蓄積されたエネルギーが変換された二次側電流に加算される。なお、ダイオード213は、クランプコンデンサ211の電荷が補助巻線206dを通して放電するのを遮断する機能を有している。また、ダイオード213と補助巻線206dは、クランプコンデンサ211からの放電電流が流れる方向に、ダイオード213、補助巻線206dの順に接続されているが、補助巻線206d、ダイオード213の順に接続されていても同じ回路動作となる。そして、クランプコンデンサ211の放電電流は、クランプコンデンサ211と一次巻線206a及び補助巻線206dとの共振動作により緩やかに流れ始め、瞬間的な大電流は流れない、所謂ソフトスイッチングで動作する。一方、FET208がターンオンするタイミングは、二次側のダイオード209が非導通状態となり、逆方向の電圧が印加されるタイミングと一致し、一般的なフライバック方式の電源装置では、大きなサージ電圧が発生するタイミングである。しかしながら、本実施例のスナバ回路214は、上述したようにソフトスイッチングで動作するため、サージ電圧がほとんど発生しなくなる。
以上説明したように、FET208によるサージ電圧(サージエネルギー)を、FET208のターンオフ直後にクランプコンデンサ211に蓄積することで、サージ電圧を抑制することができる。また、FET208のターンオン時には、クランプコンデンサ211に充電された電圧を放電する放電電流の一部を平滑コンデンサ207に回生することにより、サージ電圧(サージエネルギー)を再利用することができる。更に、放電電流の一部を補助巻線206dにエネルギーとして蓄積し、二次側電流に変換することができる。なお、本実施例では、フライバック方式のスイッチング電源装置について説明してきたが、フォワード方式のスイッチング電源装置についても同様な効果を得られることは言うまでもない。
以上説明したように、本実施例によれば、サージ電圧の発生を抑えつつ、スイッチング電源装置の効率を向上させることができる。
実施例1では、フライバック方式のスイッチング電源装置に適用したスナバ回路の実施例について説明した。実施例2では、力率改善可能な絶縁形スイッチング電源装置に適用したスナバ回路の実施例について説明する。
[スイッチング電源装置の構成]
図4は、本発明のスナバ回路214を適用した、力率改善可能なスイッチング電源装置400の回路構成を示す回路図である。実施例1のスイッチング電源装置200では平滑コンデンサ207がダイオードブリッジ203の後段(下流側)に接続されていた。一方、実施例2のスイッチング電源装置400は力率改善回路を有しているため、平滑コンデンサ207がトランス403の一次巻線の下流側に構成されている。なお、スイッチング電源装置400において、実施例1のフライバック方式のスイッチング電源装置200と同一構成の部品については同一符号を用いて説明することにより、ここでの説明を省略する。また、スイッチング電源装置400において、実施例1のスイッチング電源装置200と同じ回路動作については、説明を省略する。
図4は、本発明のスナバ回路214を適用した、力率改善可能なスイッチング電源装置400の回路構成を示す回路図である。実施例1のスイッチング電源装置200では平滑コンデンサ207がダイオードブリッジ203の後段(下流側)に接続されていた。一方、実施例2のスイッチング電源装置400は力率改善回路を有しているため、平滑コンデンサ207がトランス403の一次巻線の下流側に構成されている。なお、スイッチング電源装置400において、実施例1のフライバック方式のスイッチング電源装置200と同一構成の部品については同一符号を用いて説明することにより、ここでの説明を省略する。また、スイッチング電源装置400において、実施例1のスイッチング電源装置200と同じ回路動作については、説明を省略する。
本実施例のスイッチング電源装置400では、実施例1のスイッチング電源装置200に対して、入力インダクタ401とダイオード402が追加され、トランス206がトランス403に変更されている。実施例1のスイッチング電源装置200のトランス206は、一次巻線206a、二次巻線206c、補助巻線206dを有していた。一方、本実施例のスイッチング電源装置のトランス403は、直列に接続された2つの一次巻線403a、403b、二次巻線403c、補助巻線403dを有しており、トランス206に比べて、一次巻線を2つ有している点が異なる。
図4において、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cは、インダクタ401の一端に接続されている。インダクタ401の他端は、ダイオード402のアノード端子に接続され、ダイオード402のカソード端子は、トランス403の一次巻線403a及び一次巻線403bと接続されている。このように、インダクタ401及びダイオード402は直列に接続され、直列回路を構成している。
トランス403の一次巻線403aと一次巻線403bは直列に接続されており、一次巻線403aの一端は平滑コンデンサ207の一端と接続され、一次巻線403aの他端は一次巻線403bの一端とダイオード402のカソード端子とに接続されている。一次巻線403bの他端は、FET208のドレイン端子に接続され、FET208のソース端子は、平滑コンデンサ207の他端と、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203dと、に接続されている。また、FET208のゲート端子は制御IC(不図示)に接続され、FET208は、制御ICからゲート端子に入力される信号に応じて、オン状態、又はオフ状態に設定される。上述した接続構成により、平滑コンデンサ207は、トランス403の直列に接続された一次巻線403a及び一次巻線403bと並列に接続されている。
また、トランス403の二次巻線403cの一端は、ダイオード209のアノード端子に接続され、カソード端子は平滑コンデンサ210の一端に接続されている。平滑コンデンサ210は、一端はダイオード209のカソード端子に接続され、他端は、トランス403の二次巻線403cの他端に接続されている。平滑コンデンサ210の充電電圧は、スイッチング電源装置400の出力電圧Voとして、スイッチング電源装置400に接続された外部負荷に出力される。
また、本実施例のスナバ回路214は、実施例1と同様に、補助巻線206dと2つのダイオード212、213、そしてクランプコンデンサ211で構成されている。スナバ回路214において、クランプコンデンサ211の一端は、トランス403の一次巻線403bの他端、及びFET208のドレイン端子と接続され、クランプコンデンサ211の他端はダイオード212のアノード端子と接続されている。ダイオード212のカソード端子は、平滑コンデンサ207の一端、及びトランス403の一次巻線403aの一端と接続されている。また、ダイオード213のアノード端子はFET208のソース端子、平滑コンデンサ207の他端、及びダイオードブリッジ203の出力側の端子203dと接続されている。一方、ダイオード213のカソード端子は、トランス403の補助巻線403dの一端と接続されている。トランス403の補助巻線403dの他端は、クランプコンデンサ211とダイオード212のアノード端子とが接続された接続点と接続されている。
上述したように、制御IC(不図示)からFET208のゲート端子に印加された電圧に応じて、FET208はオン状態、又はオフ状態となる。FET208がオン状態になると、トランス403の一次巻線403aと一次巻線403bとが接続された接続点の電圧は、平滑コンデンサ207の充電電圧を一次巻線403a、403bのそれぞれの巻数比により分圧した電圧となる。分圧された電圧は、ダイオード402のカソード端子側の電圧でもある。このとき、分圧された電圧よりも、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cの出力電圧の方が高い場合には、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cから出力電流が、次のような電流ルートで流れる。すなわち、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cからの出力電流は、インダクタ401、ダイオード402、一次巻線403b、FET208を経由して、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203dへと流れる。一方、分圧された電圧の方が、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cの出力電圧よりも高い場合には、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cからの出力電流は流れない。そして、ダイオードブリッジ203の出力電圧は、平滑コンデンサ207の充電電圧を一次巻線403a、403bの巻数比により分圧した電圧でクランプされる。
このように、FET208がオン状態の場合には、トランス403の一次巻線403aと一次巻線403bとが接続された接続点の電圧は、平滑コンデンサ207の充電電圧を一次巻線403a、403bの巻数比により分圧した電圧である。そのため、一次巻線403aの巻数を一次巻線403bの巻数よりも多くすることで分圧電圧は低くなり、ダイオードブリッジ203の出力電圧がより低い電圧でも、出力側の端子203cから出力電流が流れることになる。また、スイッチング電源装置400に接続された外部負荷(不図示)が略一定であり、出力電圧Voが安定している場合には、平滑コンデンサ207の充電電圧は、ほぼ一定の電圧となるため、分圧電圧も略一定の電圧となる。ダイオードブリッジ203では、正弦波である交流電圧を全波整流するため、ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cの出力電圧は正弦波状に変化するため、端子203cの出力電流の波形も略正弦波状に変化することになる。そのため、スイッチング電源装置200は、力率が高い電源特性を得ることができる。
[ダイオードブリッジの出力電圧とトランスの入力電流との関係]
図5は、トランス403の一次巻線403a、403bへの入力電流をIin、ダイオードブリッジ203の端子203cの出力電圧をVinとした場合の、入力電流Iinと出力電圧Vinの関係を説明する図である。図5において、上側の波形図は、入力電流Iinの電流波形を示し、下側の波形図は出力電圧Vinの電圧波形を示しており、横軸は時間を示している。図5の出力電圧Vinにおいて、分圧値は、平滑コンデンサ207の電圧を一次巻線403aと一次巻線403bの巻線数で分圧した、一次巻線403aと一次巻線403bとの接続点の電圧である。ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cの出力電圧Vinが、図5に示す分圧値の電圧を超えた時点で入力電流Iinが流れる。言い換えれば、スイッチング電源装置400の回路は、出力電圧Vinが分圧値に達するまで入力電流Iinは流れない構成となっており、図5に示すように、出力電圧Vinが分圧値よりも低い期間では、入力電流Iinは流れていない。しかしながら、図5に示す入力電流Iinの状態でも、スイッチング電源装置400は90%前後の力率を得ることは可能である。そのため、本実施例のスイッチング電源装置400の力率は、一般的なコンデンサインプット構成のスイッチング電源装置の力率である50〜60%に対して、大きく改善されている。
図5は、トランス403の一次巻線403a、403bへの入力電流をIin、ダイオードブリッジ203の端子203cの出力電圧をVinとした場合の、入力電流Iinと出力電圧Vinの関係を説明する図である。図5において、上側の波形図は、入力電流Iinの電流波形を示し、下側の波形図は出力電圧Vinの電圧波形を示しており、横軸は時間を示している。図5の出力電圧Vinにおいて、分圧値は、平滑コンデンサ207の電圧を一次巻線403aと一次巻線403bの巻線数で分圧した、一次巻線403aと一次巻線403bとの接続点の電圧である。ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cの出力電圧Vinが、図5に示す分圧値の電圧を超えた時点で入力電流Iinが流れる。言い換えれば、スイッチング電源装置400の回路は、出力電圧Vinが分圧値に達するまで入力電流Iinは流れない構成となっており、図5に示すように、出力電圧Vinが分圧値よりも低い期間では、入力電流Iinは流れていない。しかしながら、図5に示す入力電流Iinの状態でも、スイッチング電源装置400は90%前後の力率を得ることは可能である。そのため、本実施例のスイッチング電源装置400の力率は、一般的なコンデンサインプット構成のスイッチング電源装置の力率である50〜60%に対して、大きく改善されている。
図4の構成において、一次巻線403a、403bと二次巻線206cの巻き数比、入力電圧等の条件により、二次巻き線206c間に発生する電圧が変化し、その結果、出力電圧Voが変化する。スイッチング電源装置400の制御IC(不図示)は、二次側の出力電圧Voの電圧値を一次側に通知するフィードバック回路(不図示)からのフィードバック信号に基づいて、FET208のオン状態の時間であるオン幅やデューティを変化させる。このようにして、制御IC(不図示)は二次巻線206cに発生する電圧(電圧波形)を制御する。そして、二次巻線206cに発生した電圧を、ダイオード209と平滑コンデンサ210で整流・平滑することで、出力電圧Voを所定の電圧に安定させる。
[スナバ回路の動作]
次に、スナバ回路214の動作を図6に示す状態説明図に基づいて説明する。図6は、スナバ回路214の動作を説明するために、図4のスナバ回路214の周辺回路を抜き出した回路図である。図6(a)は、FET208のターンオフした直後(オン状態からオフ状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図であり、図6(b)は、FET208のターンオン直後(オフ状態からオン状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図である。なお、本発明のスナバ回路214は、実施例1と同様に、回路動作的にはFET208のターンオフ直後及びターンオン直後の回路動作に特徴がある。FET208がターンオフ直後及びターンオン直後以外の期間での回路動作は、スナバ回路214を有しない一般的なスイッチング電源装置と同じ回路動作であるため、ここでの説明は省略する。
次に、スナバ回路214の動作を図6に示す状態説明図に基づいて説明する。図6は、スナバ回路214の動作を説明するために、図4のスナバ回路214の周辺回路を抜き出した回路図である。図6(a)は、FET208のターンオフした直後(オン状態からオフ状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図であり、図6(b)は、FET208のターンオン直後(オフ状態からオン状態に切り替わった直後)の回路動作を説明する図である。なお、本発明のスナバ回路214は、実施例1と同様に、回路動作的にはFET208のターンオフ直後及びターンオン直後の回路動作に特徴がある。FET208がターンオフ直後及びターンオン直後以外の期間での回路動作は、スナバ回路214を有しない一般的なスイッチング電源装置と同じ回路動作であるため、ここでの説明は省略する。
(FET208のターンオフ直後の回路動作)
まず、図6(a)を参照して、FET208のターンオフ直後の回路動作について説明する。FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からローレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が開放状態になる。すると、それまで一次巻線403bからFET208のドレイン端子に流れていた電流は、クランプコンデンサ211に流れ始め、クランプコンデンサ211は一次巻線403bからの入力電流により充電される。クランプコンデンサ211への充電電流の電流ルートは、図6(a)の太い矢印で示した電流ルートであり、一次巻線403bからクランプコンデンサ211、そしてダイオード212へと流れる。ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cの入力電圧と平滑コンデンサ207の電圧条件によっては、平滑コンデンサ207からの電流が一次巻線403a、403bを通しても流れる。その際のFET208のドレイン電圧は、クランプコンデンサ211の容量と一次巻線403a、403bのインダクタンスの共振動作により弧を描く電圧波形となり、緩やかに電圧が上昇し、急激な電圧の上昇が制限される。その結果、FET208のドレイン電圧にサージ電圧の発生がないと、一次巻線403a、403bに生じる電圧にもサージ電圧は発生せず、同じトランス403に結合された二次巻線403cにもサージ電圧が発生しなくなる。
まず、図6(a)を参照して、FET208のターンオフ直後の回路動作について説明する。FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からローレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が開放状態になる。すると、それまで一次巻線403bからFET208のドレイン端子に流れていた電流は、クランプコンデンサ211に流れ始め、クランプコンデンサ211は一次巻線403bからの入力電流により充電される。クランプコンデンサ211への充電電流の電流ルートは、図6(a)の太い矢印で示した電流ルートであり、一次巻線403bからクランプコンデンサ211、そしてダイオード212へと流れる。ダイオードブリッジ203の出力側の端子203cの入力電圧と平滑コンデンサ207の電圧条件によっては、平滑コンデンサ207からの電流が一次巻線403a、403bを通しても流れる。その際のFET208のドレイン電圧は、クランプコンデンサ211の容量と一次巻線403a、403bのインダクタンスの共振動作により弧を描く電圧波形となり、緩やかに電圧が上昇し、急激な電圧の上昇が制限される。その結果、FET208のドレイン電圧にサージ電圧の発生がないと、一次巻線403a、403bに生じる電圧にもサージ電圧は発生せず、同じトランス403に結合された二次巻線403cにもサージ電圧が発生しなくなる。
(FET208のターンオン直後の回路動作)
一方、FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からハイレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が導通状態となる。この状態を表したのが図6(b)である。図6(b)に示す太い矢印が、クランプコンデンサ211からの放電電流の電流ルートである。一次巻線403a、403bは、補助巻線206dとトランス403内で結合されている。そのため、一次巻線403a、403bと補助巻線206dの巻き数比により、クランプコンデンサ211から流れる放電電流は、FET208を流れる電流と、一次巻線403a、403bを逆流する電流とに分流される。一次巻線403a、403bを逆流する電流は、平滑コンデンサ207への回生電流となり、FET208がターンオフした際のサージ電圧で発生したエネルギー(クランプコンデンサ211の充電電圧)の一部が平滑コンデンサ207に回生されて再利用される。そして、放電電流が流れることにより、サージ電圧により充電された電圧が放電されたクランプコンデンサ211は、図6(a)に示す充電電流が流れる直前の状態となり、再度サージ電圧(サージエネルギー)を蓄積できる状態にリセットされる。
一方、FET208のゲート端子に制御IC(不図示)からハイレベル信号が入力されると、FET208のドレイン端子とソース端子との間が導通状態となる。この状態を表したのが図6(b)である。図6(b)に示す太い矢印が、クランプコンデンサ211からの放電電流の電流ルートである。一次巻線403a、403bは、補助巻線206dとトランス403内で結合されている。そのため、一次巻線403a、403bと補助巻線206dの巻き数比により、クランプコンデンサ211から流れる放電電流は、FET208を流れる電流と、一次巻線403a、403bを逆流する電流とに分流される。一次巻線403a、403bを逆流する電流は、平滑コンデンサ207への回生電流となり、FET208がターンオフした際のサージ電圧で発生したエネルギー(クランプコンデンサ211の充電電圧)の一部が平滑コンデンサ207に回生されて再利用される。そして、放電電流が流れることにより、サージ電圧により充電された電圧が放電されたクランプコンデンサ211は、図6(a)に示す充電電流が流れる直前の状態となり、再度サージ電圧(サージエネルギー)を蓄積できる状態にリセットされる。
一方、クランプコンデンサ211からFET208に流れる電流は、ダイオード213を介して補助巻線403dへと流れ、放電電流の電流エネルギーは、補助巻線403dに蓄積される。そして、補助巻線403dに蓄積されたエネルギーは、次のFET208のターンオフ時に二次側電流として変換され、一次巻線403a、403bに流れた電流により蓄積されたエネルギーが変換された二次側電流に加算される。なお、ダイオード213は、クランプコンデンサ211の電荷が補助巻線403dを通して放電するのを遮断する機能を有する。また、ダイオード213と補助巻線403dは、クランプコンデンサ211からの放電電流が流れる方向に、ダイオード213、補助巻線403dの順に接続されているが、補助巻線403d、ダイオード213の順に接続されていても同じ回路動作となる。
以上説明したように、スナバ回路214を力率改善可能な絶縁形のスイッチング電源装置400に適用することにより、サージ電圧を抑えるとともに、サージ電圧によるサージエネルギーの一部を平滑コンデンサに回生することができる。また、サージエネルギーの一部を補助巻線206dに蓄積し、二次側エネルギーとして変換することが可能になる。
なお、本発明の低損失スナバ回路を、実施例1ではフライバック方式のスイッチング電源装置に、実施例2では力率改善可能な絶縁形スイッチング電源装置に適用した実施例について説明した。本発明の低損失スナバ回路は、平滑コンデンサのエネルギーをスイッチング素子の動作によりトランスに伝達する回路構成であれば、どのようなスイッチング方式の電源装置でも適用可能である。また、実施例1、2で説明したスナバ回路214を備えるスイッチング電源装置200、400は、上述したように、一般的なスイッチング電源装置に比べて、電源効率を向上させることができる。プリンタ100は、電力消費量の大きい定着器106を備えている一方で、電源コンセントから供給可能な電流値には上限がある。そのため、スイッチング電源装置の電源効率は大きい程有利となり、特に装置オプションが多く、電力消費量の大きい高価格帯の画像形成装置には、上述した構成を備えるスイッチング電源装置200、400は有効である。
以上説明したように、本実施例によれば、サージ電圧の発生を抑えつつ、スイッチング電源装置の効率を向上させることができる。
実施例1、2では、FET208のターンオフ時に発生するサージ電圧を抑制し、サージ電圧によるエネルギーを平滑コンデンサ207へ回生するとともに、補助巻線に蓄積して二次側に供給することで、効率を改善する実施例について説明した。実施例3では、実施例1、2に対し、スナバ回路214で使用する補助巻線206dを、制御ICに供給する電源電圧を生成する生成部である電源電圧生成回路で兼用するように構成した実施例について説明する。
[スイッチング電源装置の構成]
本実施例の説明を、図7の回路図に基づいて説明する。図7に示す回路図は、実施例1の図2に示すスイッチング電源装置200に電源電圧生成回路703が追加されており、図2と同じ構成要素に対しては同一符号を付している。なお、図7では、ダイオード213と補助巻線206dは、図2とは逆の位置に配置している。
本実施例の説明を、図7の回路図に基づいて説明する。図7に示す回路図は、実施例1の図2に示すスイッチング電源装置200に電源電圧生成回路703が追加されており、図2と同じ構成要素に対しては同一符号を付している。なお、図7では、ダイオード213と補助巻線206dは、図2とは逆の位置に配置している。
図7において、電源電圧生成回路703は、ダイオード701とコンデンサ702で構成されている。ダイオード701は、補助巻線206dに誘起された出力電圧を整流するためのダイオードであり、コンデンサ702はダイオード701で整流された電圧を平滑するためのコンデンサである。また、制御IC704は、スイッチング電源装置200の制御を司る制御部手段である。制御IC704は、電源電圧生成回路703にて生成された直流電圧を駆動電圧として供給されることにより動作する。そして、制御IC704は、前述した二次側のフィードバック回路(不図示)からのフィードバック信号(不図示)等に基づいて、FET208のゲート端子に出力する制御信号のパルス幅やデューティを変化させ、出力電圧Voを一定の電圧に制御する。なお、抵抗705は、制御IC704からFET208のゲート端子に流れる電流を制限するゲート抵抗である。
次に、電源電圧生成回路703の動作について説明する。なお、以下では、実施例1と同じ回路動作については説明を省略し、図7の特徴的な回路動作に絞って説明していく。まず、FET208のターンオフ時に、トランス206のリーケージインダクタンスや寄生容量の影響によりFET208のドレイン電圧が上昇すると、上述したように、クランプコンデンサ211が充電され、電圧上昇速度が緩やかになる。このとき、補助巻線206dは、巻線の巻き始めが一次巻線206aとは逆になっているため、補助巻線206dのダイオード213、701のアノード端子側に正の電圧が発生する。次に、FET208のターンオン時には、クランプコンデンサ211の電荷は放電され、補助巻線206dのダイオード213、701のアノード端子側には負の電圧が発生する。このように、クランプコンデンサ211は、FET208のオフ/オン状態にしたがって、充放電を繰り返し、サージ電圧を抑えるように機能する。一方、補助巻線206dは、FET208のオフ/オン状態にしたがって、正の電圧と負の電圧を交互に発生させる。そして、電源電圧生成回路703では、この交互に発生する電圧を整流平滑し、平滑された電源電圧を制御IC704に供給している。
以上説明したように、本実施例では、電源電圧生成回路703で使用する補助巻線206dをスナバ回路214でも兼用するように構成している。これにより、FET208のターンオフ時に発生するサージ電圧をクランプコンデンサ211で緩和するとともに、補助巻線206dを2つの回路で兼用によりコストダウンを実現することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、サージ電圧の発生を抑えつつ、スイッチング電源装置の効率を向上させることができる。
203 ダイオードブリッジ
206 トランス
207 平滑コンデンサ
208 FET
211 コンデンサ
212 ダイオード
213 ダイオード
214 スナバ回路
206 トランス
207 平滑コンデンサ
208 FET
211 コンデンサ
212 ダイオード
213 ダイオード
214 スナバ回路
Claims (17)
- 一次巻線と、二次巻線と、補助巻線とを有し、一次側と二次側とが絶縁されたトランスと、
第一の出力端子及び第二の出力端子を有し、交流電圧を整流する整流回路と、
一端が前記第一の出力端子及び前記一次巻線の一端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続された第二のコンデンサと、
一端が前記一次巻線の他端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続され、オン状態又はオフ状態に切り替えられるスイッチング素子と、
第一のコンデンサと第一の整流素子とが直列に接続された第一の直列回路であって、前記一次巻線と並列に接続された前記第一の直列回路と、
第二の整流素子と前記補助巻線とが直列に接続された第二の直列回路であって、前記スイッチング素子の他端と前記第一のコンデンサと前記第一の整流素子とが接続された接続点との間に接続された前記第二の直列回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。 - 前記第一の整流素子は、ダイオードであり、
前記第一のコンデンサは、一端が前記一次巻線の他端及び前記スイッチング素子の一端に接続され、他端が前記ダイオードのアノード端子に接続され、
前記ダイオードのカソード端子は、前記一次巻線の一端及び前記第二のコンデンサの一端と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 前記第二の整流素子は、ダイオードであり、
前記ダイオードは、アノード端子が前記スイッチング素子の他端に接続され、カソード端子が前記補助巻線の一端と接続され、
前記補助巻線の他端は、前記接続点に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。 - 前記第二の整流素子は、ダイオードであり、
前記補助巻線は、一端が前記スイッチング素子の他端に接続され、他端が前記ダイオードのアノード端子と接続され、
前記ダイオードのカソード端子は、前記接続点に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。 - 前記スイッチング素子がターンオフした際には、前記一次巻線に流れる電流は、前記第一の直列回路に流れ、前記第一のコンデンサが充電されることによりサージ電圧が抑制されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電源装置。
- 前記スイッチング素子がターンオンした際には、前記一次巻線及び前記補助巻線の巻数に応じて、前記第一のコンデンサからの電流が、前記一次巻線を介して前記第二のコンデンサ、及び前記第二の直列回路の補助巻線に流れることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
- 前記スイッチング素子を制御する制御部を駆動する駆動電圧を生成する生成部を有し、
前記生成部は、前記補助巻線に誘起される電圧から前記駆動電圧を生成することを特徴とする請求項6に記載の電源装置。 - 直列に接続された第一の一次巻線及び第二の一次巻線と、二次巻線と、補助巻線とを有し、一次側と二次側とが絶縁されたトランスと、
第一の出力端子及び第二の出力端子を有し、交流電圧を整流する整流回路と、
インダクタと第三の整流素子とが直列に接続された第三の直列回路であって、前記第一の出力端子と前記第一の一次巻線の一端と前記第二の一次巻線の一端とが接続された第一の接続点との間に接続された前記第三の直列回路と、
一端が前記第二の一次巻線の他端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続され、オン状態又はオフ状態に切り替えられるスイッチング素子と、
一端が前記第一の一次巻線の他端と接続され、他端が前記第二の出力端子に接続された第二のコンデンサと、
第一のコンデンサと第一の整流素子とが直列に接続された第一の直列回路であって、前記第一の一次巻線の他端と前記第二の一次巻線の他端との間に接続された前記第一の直列回路と、
第二の整流素子と前記補助巻線とが直列に接続された第二の直列回路であって、前記スイッチング素子の前記他端と前記第一のコンデンサと前記第一の整流素子とが接続された第二の接続点との間に接続された前記第二の直列回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。 - 前記第三の直列回路は、前記第一の出力端子の出力電圧が前記第一の接続点の電圧よりも高い場合に、電流が流れることを特徴とする請求項8に記載の電源装置。
- 前記第一の接続点の電圧は、前記スイッチング素子がオン状態のときには、前記第二のコンデンサの充電電圧を前記第一の一次巻線の巻数と前記第二の一次巻線の巻数とにより分圧した電圧であることを特徴とする請求項9に記載の電源装置。
- 前記第三の整流素子は、ダイオードであり、
前記インダクタは、一端が前記第一の出力端子に接続され、他端が前記ダイオードのアノード端子に接続され、
前記ダイオードのカソード端子は、前記第一の接続点に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の電源装置。 - 前記第一の整流素子は、ダイオードであり、
前記第一のコンデンサは、一端が前記第二の一次巻線の他端及び前記スイッチング素子の一端に接続され、他端が前記ダイオードのアノード端子に接続され、
前記ダイオードのカソード端子は、前記第一の一次巻線の他端及び前記第二のコンデンサの一端と接続されていることを特徴とする請求項11に記載の電源装置。 - 前記第二の整流素子は、ダイオードであり、
前記ダイオードは、アノード端子が前記スイッチング素子の他端に接続され、カソード端子が前記補助巻線の一端と接続され、
前記補助巻線の他端は、前記第二の接続点に接続されていることを特徴とする請求項12に記載の電源装置。 - 前記第二の整流素子は、ダイオードであり、
前記補助巻線は、一端が前記スイッチング素子の他端に接続され、他端が前記ダイオードのアノード端子と接続され、
前記ダイオードのカソード端子は、前記第二の接続点に接続されていることを特徴とする請求項12に記載の電源装置。 - 前記スイッチング素子がターンオフした際には、前記第二の一次巻線に流れる電流は、前記第一の直列回路に流れ、前記第一のコンデンサが充電されることによりサージ電圧が抑制されることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の電源装置。
- 前記スイッチング素子がターンオンした際には、前記第一の一次巻線、前記第二の一次巻線、及び前記補助巻線の巻数に応じて、前記第一のコンデンサからの電流が、前記第二の一次巻線及び前記第一の一次巻線を介して前記第二のコンデンサ、及び前記第二の直列回路の補助巻線に流れることを特徴とする請求項15に記載の電源装置。
- シートに画像形成を行う画像形成手段と、
前記画像形成手段に電力を供給する請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の電源装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020025137A JP2021132424A (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 電源装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020025137A JP2021132424A (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 電源装置及び画像形成装置 |
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JP2021132424A true JP2021132424A (ja) | 2021-09-09 |
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ID=77551315
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2021132424A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP4175149A1 (en) * | 2021-11-02 | 2023-05-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Power source device and image forming apparatus |
-
2020
- 2020-02-18 JP JP2020025137A patent/JP2021132424A/ja active Pending
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