JP5521466B2 - 駆動回路の入力検査方法及び検査装置 - Google Patents

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本発明は、差動信号が入力される比較器を有する駆動回路の入力検査方法、及び、この駆動回路への入力を検査する検査装置に関する。
従来から、様々な分野で、外部から入力された信号に基づいて、種々の対象を駆動する駆動回路が用いられている。この駆動回路への信号の伝送方式としては、シングルエンド方式と差動方式のいずれかの方式が採用されるが、シングルエンド方式は、ノイズの影響などを受けやすい伝送方式であり、高速に信号を伝送するのが困難であった。
これに対して、差動方式は、ノイズの影響を受けにくく、低電圧(例えば、数100mV)で高速な伝送が可能な伝送方式であり、近年、大量のデータを処理する駆動回路にはこの差動方式で信号が入力されることが増えてきている。例えば、特許文献1には、インクジェットヘッドを駆動する駆動回路であるモジュールマネージャICに対してコントローラからLVDS(Low Voltage differential signaling)という差動方式を用いて信号を入力(伝送)するインクジェットプリンタについて開示されている。
特開2002−326348号公報(図4)
しかしながら、差動方式においては、駆動回路に入力される差動信号は低電圧であるため、駆動回路までの入力系統のインピーダンスが大きいと、駆動回路に正常に差動信号が入力されないことがある。例えば、導通不具合などで、入力系統のインピーダンスが少し高くなっただけで、駆動回路に正常に差動信号が入力されないことがある。そこで、差動方式のような低電圧の信号が入力される駆動回路については、この駆動回路への入力が異常ではないか検査することが望まれている。
そこで、本発明の目的は、差動方式における駆動回路への入力異常を検出することができる駆動回路の入力検査方法及び検査装置を提供することである。
本発明の駆動回路の入力検査方法は、電圧が互いに異なるH信号とL信号の2種類の差動信号が入力される複数の比較器を備えた、駆動回路の入力検査方法であって、前記比較器は、その出力端子がチェック回路に接続されており、プラス端子に前記H信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記L信号が入力された場合に、第1電圧の出力信号を出力し、プラス端子に前記L信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記H信号が入力された場合に、前記第1電圧とは異なる第2電圧の出力信号を出力するものであり、前記チェック回路は、前記複数の比較器からの出力信号が入力され、入力された全ての信号が前記第1電圧又は前記第2電圧である場合に前記第2電圧を出力し、入力された信号のうち少なくとも1つの信号が他の信号と異なる信号である場合には前記第1電圧を出力するものであり、全ての前記比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第1入力ステップと、全ての前記比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記H信号を入力する第2入力ステップと、前記第1入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧ではない、及び/または、前記第2入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧ではない、と判断したときに、前記駆動回路への入力が異常であると判定する第1判定ステップと、前記第1判定ステップにおいて、前記第1入力ステップ後に前記チェック回路から出力される出力信号が前記第2電圧でない場合に、前記複数の比較器の中の1つである判定対象比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記L信号を入力し、前記複数の比較器の中の前記判定対象比較器を除く対象外比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記H信号を入力し、前記第1判定ステップにおいて、前記第2入力ステップ後に前記チェック回路から出力される出力信号が前記第2電圧でない場合に、前記判定対象比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記H信号を入力し、前記対象外比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第3入力ステップと、前記第3入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第1電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器は異常でないと判定するとともに、前記第3入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器が異常であると判定する第2判定ステップと、を備えている。
本発明の駆動回路の入力検査方法によると、判定ステップにおいて、第1入力ステップにおける比較器の出力信号が第1電圧であるときには、比較器のプラス端子には正常に信号が入力されていることがわかるものの、マイナス端子には正常に信号が入力されているかは不明である。また、第2入力ステップにおける比較器の出力信号が第2電圧であるときには、比較器のマイナス端子には正常に信号が入力されていることがわかるものの、プラス端子には正常に信号が入力されているかは不明である。つまり、一方の入力ステップでは、片方の端子への入力状態しか検査できないが、これら2つの入力ステップを行い、2つの入力ステップにおける比較器の出力信号がいずれも正常な電圧である場合には、判定ステップにおいて、差動方式における駆動回路への入力が正常であると判定することができる。したがって、判定ステップにおいて、これら2つの入力ステップのいずれか、または、両方のステップにおける比較器の出力信号が正常な電圧ではないと判断された場合には、差動方式における駆動回路への入力が異常であると判定することができ、差動方式における駆動回路への入力異常を検出することができる。
た、前記第2判定ステップにおいて前記判定対象比較器が異常であると判定されるまで、前記複数の比較器のうち未だ前記判定対象比較器に選ばれていない比較器の中の1つを前記判定対象比較器として、前記第3入力ステップ及び前記第2判定ステップを繰り返してもよい。
本発明の検査装置は、電圧が互いに異なるH信号とL信号の2種類の差動信号が入力される複数の比較器を備えた、駆動回路への入力を検査する検査装置であって、前記比較器は、その出力端子がチェック回路に接続されており、プラス端子に前記H信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記L信号が入力された場合に、第1電圧の出力信号を出力し、プラス端子に前記L信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記H信号が入力された場合に、前記第1電圧とは異なる第2電圧の出力信号を出力するものであり、前記チェック回路は、前記複数の比較器からの出力信号が入力され、入力された全ての信号が前記第1電圧又は前記第2電圧である場合に前記第2電圧を出力し、入力された信号のうち少なくとも1つの信号が他の信号と異なる信号である場合には前記第1電圧を出力するものであり、全ての前記比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第1入力処理と、全ての前記比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記H信号を入力する第2入力処理と、前記複数の比較器の中の1つである判定対象比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記L信号を入力し、前記複数の比較器の中の前記判定対象比較器を除く対象外比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記H信号を入力する、または、前記判定対象比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記H信号を入力し、前記対象外比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第3入力処理とを実行する入力回路と、前記チェック回路の出力信号が入力され、前記入力回路により、前記第1入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第電圧ではない、及び/または、前記第2入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧ではない、と判断したときに、前記駆動回路への入力が異常であると判定し、前記入力回路により、前記第3入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第1電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器は異常でないと判定するとともに、前記第3入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器が異常であると判定する判定回路と、を備えている。
本発明の検査装置によると、判定回路により、入力回路で第1入力処理が実行されたときにおける比較器の出力信号が第1電圧であると判断されると、比較器のプラス端子には正常に信号が入力されているが、マイナス端子には正常に信号が入力されているかは不明である。また、入力回路で第2入力処理が実行されたときにおける比較器の出力信号が第2電圧であると判断されると、比較器のマイナス端子には正常に信号が入力されているが、プラス端子には正常に信号が入力されているかは不明である。つまり、入力回路でこれら2つの入力処理が実行されたときにおける比較器の出力信号がいずれも所望の電圧である場合に、判定回路により、差動方式における駆動回路への入力が正常であると判定することができる。したがって、判定回路により、入力回路でこれら2つの入力処理のいずれか、または、両方の入力処理が実行されたときにおける比較器の出力信号が所望の電圧ではないと判断された場合には、差動方式における駆動回路への入力が異常であると判定することができ、差動方式における駆動回路への入力異常を検出することができる。
2つの入力ステップのいずれか、または、両方のステップにおける比較器の出力信号の電圧から、差動方式における駆動回路への入力異常を検出することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2の一部拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 圧電アクチュエータと制御回路との接続構成を示す概略図である。 ドライバICのブロック図である。 制御回路のブロック図である。 駆動回路への差動信号の入力異常を検査する方法について説明する図であり、(a)は第1入力ステップ実行時であり、(b)は第2入力ステップ実行時である。 駆動回路へ入力される差動信号の周波数特性を示す図であり、正常な入力時のものである
次に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、記録用紙に対してインクジェットヘッドからインクを噴射して、画像や文字などを記録するインクジェットプリンタに設けられたドライバICに本発明を適用した一例である。
まず、インクジェットプリンタの概略構成について説明する。図1に示すように、プリンタ1は、所定の走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3と、記録用紙Pを走査方向と直交する搬送方向(図1の下方向)に搬送する搬送機構4などを有している。
キャリッジ2は、走査方向に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って走査方向に移動するようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3が搭載されている。インクジェットヘッド3は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に複数のノズル30(図2〜図4参照)を有している。このインクジェットヘッド3は、搬送機構4により図1の下方(搬送方向)に搬送される記録用紙Pに対して、図示しないインクカートリッジから供給されたインクを複数のノズル30から噴射するように構成されている。
搬送機構4は、インクジェットヘッド3よりも搬送方向上流側に配置された給紙ローラ12と、インクジェットヘッド3よりも搬送方向下流側に配置された排紙ローラ13と、を有している。給紙ローラ12と排紙ローラ13は、それぞれ、給紙モータ14と排紙モータ15により回転駆動される。そして、この搬送機構4は、給紙ローラ12により、記録用紙Pを図1の上方からインクジェットヘッド3へ搬送するとともに、排紙ローラ13により、インクジェットヘッド3によって画像や文字などが記録された記録用紙Pを図1の下方へ排出する。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド3は、ノズル30や圧力室24を含むインク流路が形成された流路ユニット6と、圧力室24内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータ7と、を有している。
まず、流路ユニット6について説明する。図4に示すように、流路ユニット6はキャビティプレート20、ベースプレート21、マニホールドプレート22及びノズルプレート23を備えており、これら4枚のプレート20〜23が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート20、ベースプレート21及びマニホールドプレート22は、それぞれ、ステンレス鋼などの金属材料からなる平面視で略矩形状の板である。そのため、これら3枚のプレート20〜22に、後述するマニホールド27や圧力室24などのインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート23は、例えば、ポリイミドなどの高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート22の下面に接着剤で接合される。あるいは、このノズルプレート23も、他の3枚のプレート20〜22と同様にステンレス鋼などの金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図4に示すように、4枚のプレート20〜23のうち、最も上方に位置するキャビティプレート20には、平面に沿って配列された複数の圧力室24がプレート20を貫通する孔により形成されている。また、複数の圧力室24は、搬送方向(図2の上下方向)に千鳥状に2列に配列されている。また、図4に示すように、複数の圧力室24は上下両側から後述の振動板40及びベースプレート21によりそれぞれ覆われている。さらに、各圧力室24は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
図3及び図4に示すように、ベースプレート21の、平面視で圧力室24の長手方向両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔25、26が形成されている。また、マニホールドプレート22には、平面視で、2列に配列された圧力室24の連通孔25側の部分と重なるように、搬送方向に延びる2つのマニホールド27が形成されている。これら2つのマニホールド27は、後述の振動板40に形成されたインク供給口28に連通しており、図示しないインクタンクからインク供給口28を介してマニホールド27へインクが供給される。さらに、マニホールドプレート22の、平面視で複数の圧力室24のマニホールド27と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔26に連なる複数の連通孔29も形成されている。
さらに、ノズルプレート23の、平面視で複数の連通孔29にそれぞれ重なる位置には、複数のノズル30が形成されている。図2に示すように、複数のノズル30は、搬送方向に沿って2列に配列された複数の圧力室24の、マニホールド27と反対側の端部とそれぞれ重なるように配置されている。言い換えれば、複数のノズル30は、千鳥配置の複数の圧力室24とそれぞれ対応して、走査方向に並ぶ2列のノズル列32A、32Bを構成するように千鳥状に配列されている。
そして、図4に示すように、マニホールド27は連通孔25を介して圧力室24に連通し、さらに、圧力室24は、連通孔26,29を介してノズル30に連通している。このように、流路ユニット6内には、マニホールド27から圧力室24を経てノズル30に至る個別インク流路31が複数形成されている。
なお、図2においては、説明の簡単のため、1つのインク供給口28に連なる1種類の流路構造(マニホールド27、圧力室24、ノズル30など)のみが描かれているが、インクジェットヘッド3は、図2に示されている流路構造が走査方向に複数並べて設けられた構成を有し、複数色(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色)のインクをそれぞれ噴射可能な、カラーインクジェットヘッドであってもよい。
次に、圧電アクチュエータ7について説明する。図2〜図4に示すように、圧電アクチュエータ7は、複数の圧力室24を覆うように流路ユニット6(キャビティプレート20)の上面に配置された振動板40と、この振動板40の上面に、複数の圧力室24と対向するように配置された圧電層41と、圧電層41の上面に配置された複数の個別電極42と、を有している。
振動板40は、平面視で略矩形状の金属板であり、例えば、ステンレス鋼などの鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板40は、キャビティプレート20の上面に複数の圧力室24を覆うように配設された状態で、キャビティプレート20に接合されている。また、導電性を有する振動板40の上面は、圧電層41の下面側に配置されることによって、上面の複数の個別電極42との間で圧電層41に厚み方向の電界を生じさせる、共通電極を兼ねている。この共通電極としての振動板40は、圧電アクチュエータ7を駆動する後述するドライバIC47(図5参照)に接続されて、常にグランド電位に保持されている。
圧電層41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる。図2に示すように、この圧電層41は、振動板40の上面において、複数の圧力室24に跨って連続的に形成されている。また、この圧電層41は、少なくとも圧力室24と対向する領域において厚み方向に分極されている。
圧電層41の上面の、複数の圧力室24と対向する領域には、複数の個別電極42がそれぞれ配置されている。各々の個別電極42は圧力室24よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有し、圧力室24の中央部と対向している。また、複数の個別電極42の端部からは、複数の接点部45が個別電極42の長手方向に沿ってそれぞれ引き出されている。
次に、インク噴射時における圧電アクチュエータ7の作用について説明する。ある個別電極42に対して、後述するドライバIC47から所定の駆動電位が付与されたときには、この駆動電位が付与された個別電極42とグランド電位に保持されている共通電極としての振動板40との間に電位差が生じ、個別電極42と振動板40の間に挟まれた圧電層41に厚み方向の電界が作用する。この電界の方向は圧電層41の分極方向と平行であるから、個別電極42と対向する領域の圧電層41が厚み方向と直交する面方向に収縮する。ここで、圧電層41の下側の振動板40はキャビティプレート20に固定されているため、この振動板40の上面に位置する圧電層41が面方向に収縮するのに伴って、振動板40の圧力室24を覆う部分が圧力室24側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室24内の容積が減少するために圧力室24内のインク圧力が上昇し、この圧力室24に連通するノズル30からインクが噴射される。
次に、圧電アクチュエータ7と制御回路9との接続構成について説明する。図5に示すように、圧電アクチュエータ7には、フレキシブル配線基板48(FPC)が接続され、このFPC48には、圧電アクチュエータ7を駆動するドライバIC47(駆動回路)が実装されている。また、FPC48は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)49とも接続され、FFC49は制御回路9に接続されている。
ドライバIC47は、FFC49上の配線を介して制御回路9から入力された信号に基づき、FPC48上の配線を介して、圧電アクチュエータ7の複数の個別電極42に対して、所定の駆動電位とグランド電位のうち、いずれか一方の電位を選択的に付与し、振動板40に対して、グランド電位を付与する。
ここで、制御回路9からドライバIC47へ入力される各種入力信号について簡単に説明する。制御回路9からドライバIC47へは、CLK、Fire、SIN、SYNCなどの信号がそれぞれ入力される。CLKは、制御回路9からドライバIC47へのデータ転送クロックである。Fireは、1つのノズル30に対する、液滴を噴射しない、及び、階調に応じた5種類の液滴噴射サイズ(液滴体積)の計6種類の噴射態様にそれぞれ対応した6種類の駆動波形データを直列に伝送するシリアルデータである。
SINは、ドライバIC47に各ノズル30のそれぞれの噴射タイミングに6種類の噴射態様のうち1つを対応づけるための選択データを直列に伝送するシリアルデータである。このSINのシリアルデータは、1つのノズル30に対して、6種類の噴射態様のうちの1つを対応づける3ビットのデータと、噴射タイミングに関する数ビットのデータが必要であり、このデータが複数のノズル30に対して必要となるため、非常に大量なデータとなる。そこで、このSINの大量なデータを入力するのは、高速な伝送速度が必要となる。SYNCは、後述するデータ入力回路61に入力された各種のデータを後段の回路へ一斉に出力する際に同期をとる信号である。各種信号の用途からわかるように、CLKやSINは他の信号に比べて高速な伝送速度(高い周波数)でドライバIC47に入力される。
これらの信号は、制御回路9からドライバIC47に対して、それぞれ対をなす2本の信号線を介してパルス状の差動信号として入力される。なお、図5〜図7において、Fireの差動信号はFire(+,−)と示し、他の信号に対しても同様に示している。差動方式では、2本の信号線にそれぞれ逆位相の信号(H信号及びL信号)を入力する。差動方式は、1本の信号線だけで信号を入力するシングルエンド方式に比べて、ノイズに強く、信号の振幅を数100mVと小さくして、低電圧で伝送可能という特徴がある。このように、差動方式は、信号の振幅を小さくできるため、H信号からL信号、または、L信号からH信号への切り替えに要する時間を短くでき、信号の周波数を高くして、データを高速に伝送することができる。また、差動方式は、データの伝送速度が速いことから、シングルエンド方式に比べて、少ない信号線で大量のデータを伝送することができる。
次に、ドライバIC47について説明する。図6に示すように、ドライバIC47は、4つのコンパレータ60a〜60d(比較器)と、データ入力回路61と、3つのシフトレジスタ62と、ラッチ回路63と、波形選択回路64と、ドライブバッファ65と、チェック回路66と、を有している。
4つのコンパレータ60a〜60dは、ドライバIC47の入力段であり、CLK、Fire、SIN、SYNCの信号が入力される入力系統に対してそれぞれ1つずつ設けられており、制御回路9から差動信号がそれぞれ入力される。各コンパレータ60は、非反転入力端子(プラス端子)にH信号が入力されるとともに、反転入力端子(マイナス端子)にL信号が入力された場合に、H信号(第1電圧)を出力し、非反転入力端子にL信号が入力されるとともに、反転入力端子にH信号が入力された場合に、L信号(第2電圧)を出力する。4つのコンパレータ60a〜60dは、入力された差動信号に基づいたデータをそれぞれ1本の信号線を介してデータ入力回路61に出力する。
データ入力回路61は、4つのコンパレータ60a〜60dから入力されたデータを制御回路9からコンパレータ60a〜60dまでの周波数よりも低い周波数でシフトレジスタ62に出力する。また、データ入力回路61は、SINの差動信号が入力されたコンパレータ60bから入力されたシリアルデータをシフトレジスタ62ごとのパラレルデータに変換して各シフトレジスタ62にそれぞれ出力する。
これは、ドライバIC47内のコンパレータ60よりも後段の、圧電アクチュエータ7を駆動するための処理を行う処理回路であるシフトレジスタ62、ラッチ回路63、波形選択回路64及びドライブバッファ65における処理速度(すなわち、データの転送速度)は、キャリッジ2の移動速度や搬送機構4の搬送速度に応じた複数のノズル30からのインクの噴射タイミングに依存する。そのため、この処理回路でのデータの伝送速度は、必要以上に高速にする必要はない。しかしながら、ドライバIC47の入力段であるコンパレータ60には、高速でデータが入力されることから、この前段と後段の速度の差を解消するために、データ入力回路61は設けられている。具体的には、SIN及びCLKの信号は、コンパレータ60よりも前段においては、約70MHzの周波数の信号で伝送しているが、後段においては、約10MHzの周波数の信号で処理している。
シフトレジスタ62は、データ入力回路61から入力されたSINのパラレルデータを、各ノズル30に対応するチャンネルごとのパラレルデータにさらに変換してラッチ回路63に出力する。ラッチ回路63は、いわゆるD−フリップフロップであり、3つのシフトレジスタ62から入力されたチャンネルごとのパラレルデータを、CLKと同期させて一斉に波形選択回路64へ出力する。
波形選択回路64は、いわゆるマルチプレクサであり、ラッチ回路62から出力された前記データに応じて、Fireによって伝送された6種類の噴射態様に対応する波形信号の中から1つの波形信号を選択してドライブバッファ65へ出力する。ドライブバッファ65は、波形選択回路64によって選択されて入力された波形信号を圧電アクチュエータ7に適した電圧に増幅して、駆動電位として圧電アクチュエータ7の複数の個別電極42にそれぞれ入力する。
チェック回路66は、ワイヤードORで構成されており、4つのコンパレータ60a〜60dの出力端子と接続されている。チェック回路66は、制御回路9から4つのコンパレータ60a〜60dまでの入力系統に導通不具合がなく、または、4つのコンパレータ60a〜60dが故障することなく、制御回路9からドライバIC47へ正常に差動信号が入力されたか否かの検査結果の信号を出力する回路である。
チェック回路66は、入力された全ての信号がH信号またはL信号(すなわち、入力された全ての信号が同じ電圧)のときには、制御回路9にL信号を出力し、入力された信号のうち、少なくとも1つの信号が他の信号と異なる電圧の信号のときには、制御回路9にH信号を出力する。このチェック回路66によって制御回路9からドライバIC47への入力に異常がないかの検査結果をドライバIC47から制御回路9へ出力する信号線を1本に省配線化している。なお、ドライバIC47への入力異常の検査方法について詳しくは後述する。
次に、制御回路9について説明する。図7に示すように、制御回路9は、入力回路71と、判定回路72と、比較回路73と、を有している。なお、本実施形態における制御回路9が、本発明の検査装置に相当する。
入力回路71は、通常の記録動作時には、ドライバIC47の4つのコンパレータ60a〜60dに対して、CLK、Fire、SIN、SYNCのそれぞれのデータに応じた差動信号を入力し、ドライバIC47への入力異常の検査時には、チェック信号を入力する。判定回路72は、入力回路71から入力されたチェック信号に応じてドライバIC47のチェック回路66から出力された検査結果の信号に基づいて、入力回路71からドライバIC47への入力に異常がないかを判定する。比較回路73は、ドライバIC47へ出力されるパルス状の差動信号の周波数と、この差動信号に基づいてチェック回路66から出力された検査結果の信号の周波数とを比較して、差動信号の周波数に比べて検査結果の信号の周波数が所定値以上に低い場合には、コンパレータ60を介して周波数特性が悪化していると判定する。
次に、ドライバIC47への入力に異常がないかを検査する方法について説明する。この検査方法においては、4つのコンパレータ60a〜60dに対して、2つの入力ステップを行い、各入力ステップの後の判定ステップで、ドライバIC47への入力に異常がないかを検査する。
制御回路9からドライバIC47の入力段であるコンパレータ60に入力される差動信号は低電圧である。したがって、制御回路9からドライバIC47までの入力系統のインピーダンスが大きいと、ドライバIC47に対して正常に差動信号が入力されないことがある。例えば、制御回路9とFFC49との接点、FFC49とFPC48の接点、FPC48とドライバIC47との接点などでは、特に接続不良が起きやすく、インピーダンスが高くなりやすい。したがって、このように、制御回路9からドライバIC47までの入力系統では、接続不良が起きやすく、その影響を受けて正常に差動信号が入力されないことがあるため、入力に異常がないかを検査する。
まず、図8(a)に示すように、第1入力ステップとして、制御回路9の入力回路71から全てのコンパレータ60a〜60dの非反転入力端子にH信号を入力し、反転入力端子にL信号を入力する。
このとき、全てのコンパレータ60a〜60dの一対の入力端子に対して、正常に差動信号が入力されたときには、これらのコンパレータ60a〜60dはH信号を出力する。すると、チェック回路66は、全ての入力端子に対してH信号が入力されることになり、判定回路72に対してL信号を出力する。
次に、第1入力ステップの後であって、第2入力ステップの前の判定ステップについて説明する。この判定ステップとして、第1入力ステップにおいて、判定回路72に対してL信号ではない信号が入力された場合には、判定回路72は、少なくとも1つのコンパレータ60までの入力、または当該コンパレータ60自体に異常があり、そのコンパレータ60からはH信号ではない信号が出力されていると判断して、ドライバIC47への入力が異常であると判定する。
また、第1入力ステップにおいて、判定回路72に対してL信号が入力された場合には、判定回路72は、全てのコンパレータ60a〜60dの非反転入力端子への入力系統は導通している。そして、H信号しか出力できないコンパレータ60を含んでいるかもしれないが、全てのコンパレータ60a〜60dの中にH信号ではない信号しか出力できないコンパレータ60は含まれていないことを判定する。
これは、全てのコンパレータ60a〜60dの中には、入力系統の異常やコンパレータ60自体の故障でH信号しか出力できないコンパレータ60を含んでいるおそれがある。例えば、入力系統の異常でH信号しか出力できないコンパレータ60としては、コンパレータ60の非反転入力端子までの入力系統は導通しているが、反転入力端子までの入力系統はその途中において断線しているものが挙げられる。
つまり、第1入力ステップだけでは、全てのコンパレータ60a〜60dの非反転入力端子には正常に信号が入力されているが、全てのコンパレータ60の反転入力端子には正常に信号が入力されているかは不明であり、ドライバIC47への入力が正常であるとは判定できない。
そこで、次に、図8(b)に示すように、第2入力ステップとして、第1入力ステップとは逆の差動信号として、制御回路9の入力回路71から全てのコンパレータ60a〜60dの非反転入力端子にL信号を入力し、反転入力端子にH信号を入力する。
このとき、全てのコンパレータ60a〜60dの一対の入力端子に対して、正常に差動信号が入力されたときには、これらのコンパレータ60a〜60dはL信号を出力する。すると、チェック回路66は、全ての入力端子に対してL信号が入力されることになり、判定回路72に対してL信号を出力する。
次に、第2入力ステップの後の判定ステップについて説明する。この判定ステップとして、第2入力ステップにおいて、判定回路72に対してL信号ではない信号が出力された場合には、判定回路72は、入力系統を含めて異常のあるコンパレータ60からはL信号ではない信号が出力されていると判断し、ドライバIC47への入力が異常であると判定する。
また、第2入力ステップにおいて、判定回路72に対してL信号が出力された場合には、判定回路72は、全てのコンパレータ60a〜60dの反転入力端子への入力系統は導通している。そして、L信号しか出力できないコンパレータ60を含んでいるかもしれないが、全てのコンパレータ60a〜60dの中にL信号ではない信号しか出力できないコンパレータ60は含まれていないことを判定する。
これは、第1入力ステップと同様に、全てのコンパレータ60a〜60dの中には、入力系統の異常やコンパレータ60自体の故障でL信号しか出力できないコンパレータ60を含んでいるおそれがあるからである。
しかしながら、第1入力ステップの後の判定ステップにおいて、判定回路72は、全てのコンパレータ60a〜60dの中にH信号ではない信号しか出力できないコンパレータ60は含んでいないことを判定している。そして、第2入力ステップの後の判定ステップにおいて、判定回路72は、全てのコンパレータ60a〜60dの中にL信号ではない信号しか出力できないコンパレータ60は含んでいないことを判定している。したがって、第1入力ステップと第2入力ステップを行うことで、判定ステップにより、全てのコンパレータ60a〜60dは、L信号もH信号も出力可能であり、所望の電圧の信号を出力していることから、全てのコンパレータ60a〜60dには、正常に差動入力が入力されている、すなわち、ドライバIC47への入力は正常であると判定することができる。
このように、一方の入力ステップでは、片方の端子への入力状態しか検査できないが、これら2つの入力ステップを行い、判定ステップにおいて、判定回路72が2つの入力ステップのいずれかのステップにおけるコンパレータ60a〜60dの出力信号が正常な電圧の信号ではないと判断した場合には、差動方式におけるドライバIC47への入力が異常であると判定することができ、差動方式におけるドライバIC47への入力異常を検出することができる。
なお、第1入力ステップの後であって、第2入力ステップの前の判定ステップで判定回路72によってドライバIC47への入力が異常であることが判定された時点で判定を終了してもよいし、第2入力ステップでも判定回路72によってドライバIC47への入力が異常であることが判定された時点で判定を終了してもよい。また、第1入力ステップ及び第2入力ステップの両方を実行した後に判定ステップによる判定を行ってもよい。
ここで、通常の記録動作時においては、図9に示すように、制御回路9の入力回路71から各コンパレータ60a〜60dの一対の入力端子には、それぞれ逆位相のパルス信号が入力されている。そして、各コンパレータ60a〜60dからは、このパルス信号と同等の周波数の出力信号が出力されている。
しかしながら、コンパレータ60へのノイズなどの外乱の影響で、コンパレータ60に入力されるパルス信号の周波数に対して、コンパレータ60からの出力信号の周波数が低くなっていることがある。つまり、コンパレータ60によって信号の周波数特性が低下してしまい、コンパレータ60の後段における種々の処理のタイミングが遅れてしまう。すると、具体的には、個別電極42への電圧付与タイミングが遅れて、ノズル30からのインク噴射タイミングが遅れて、記録用紙Pの所望の位置にインクを噴射できなくなってしまう。本実施形態において、ドライバIC47の入力段であるコンパレータ60への伝送に採用された差動方式では、信号の周波数が高く、高速伝送であるため、この周波数特性の低下による影響が非常に大きい。
そこで、上述したドライバIC47への入力が異常であるかの検査方法を用いて、コンパレータ60を介して信号の周波数特性が低下していないかも判定する。制御回路9からコンパレータ60の一対の入力端子へ入力する逆位相のパルス信号は、第1入力ステップと第2入力ステップを交互に繰り返すことで生成することができる。
したがって、周波数特性の低下の影響が特に大きい、高速な伝送速度のSIN及びCLKの信号の実際の記録動作時に用いられる周波数に対応したパルス信号を、入力回路71から第1入力ステップと第2入力ステップを交互に繰り返して、全てのコンパレータ60a〜60dに対して入力する。
そして、比較ステップとして、比較回路73により、入力回路71から入力されたパルス信号の周波数と、チェック回路66から出力された出力信号の周波数とを比較する。そして、パルス信号の周波数に比べて出力信号の周波数が所定値以上に低下している場合には、コンパレータ60を介することで周波数特性が悪化しており、このドライバIC47への入力は異常であると判定する。このように、比較ステップを行うことで、比較回路73により、コンパレータ60を介することでドライバIC47に入力される信号の周波数特性が悪化していないかを検出することができる。
ここまでの説明による方法では、ドライバIC47への入力が異常であるかを検出することはできたが、ドライバIC47内のどのコンパレータ60a〜60dまでの入力系統に異常があるかまでは判定できなかった。そこで、以下の方法により、どのコンパレータ60a〜60dまでの入力系統に異常があるかを検出することができる。なお、以下の説明では、コンパレータ60bの反転入力端子までの入力系統に異常があるものとする。
まず、第1入力ステップを行う。そして、判定ステップとして、この第1入力ステップにおいて、判定回路72に対してH信号が出力された場合には、入力系統に異常のあるコンパレータ60からH信号ではない信号が出力されていると判断して、判定回路72は、ドライバIC47への入力が異常であると判定する。ここではまだ、どのコンパレータ60までの入力に異常があるかは不明である。
次に、異常があるか判定したい対象のコンパレータ60に対してのみ第入力ステップを実行し、残りのコンパレータ60に対しては第入力ステップを実行する。すなわち、入力回路71から1つのコンパレータ60(ここでは、コンパレータ60aとする)の非反転入力端子にH信号を入力し、反転入力端子にL信号を入力するとともに、残りのコンパレータ60(ここでは、コンパレータ60b〜60dとする)の非反転入力端子にL信号を入力し、反転入力端子にH信号を入力する。そして、判定ステップとして、判定回路72に対してH信号が出力された場合には、判定回路72は、コンパレータ60aまでの入力に異常はないと判定する。
次に、入力回路71からコンパレータ60bの非反転入力端子にH信号を入力し、反転入力端子にL信号を入力するとともに、残りのコンパレータ60a、60c、60dの非反転入力端子にL信号を入力し、反転入力端子にH信号を入力する。そして、判定ステップとして、判定回路72に対してL信号が出力された場合には、判定回路72は、コンパレータ60bに正常に差動信号が入力されていれば、H信号を出力するべきであるが、L信号を出力しているため、このコンパレータ60bまでの入力に異常があると判定する。したがって、どのコンパレータ60までの入力に異常があるかを検出することができる。
ここでは、コンパレータ60bまでの入力に異常があると、仮定して説明したが、残りのコンパレータ60c、60dに対しても同様のステップを行うことで、どのコンパレータ60に対しても異常を検出することができる。
このように、全てのコンパレータ60に対して、第1入力ステップを行った後、異常を判定したい対象のコンパレータ60のみ第2入力ステップを行い、残りのコンパレータ60に第1入力ステップを行うという動作を繰り返すことで、複数のコンパレータ60のどのコンパレータ60が異常かを判定することができる。
なお、全てのコンパレータ60に対して、第2入力ステップを行った後、異常を判定したい対象のコンパレータ60のみ第入力ステップを行い、残りのコンパレータ60に第入力ステップを行うという動作を繰り返すことでも、複数のコンパレータ60のどのコンパレータ60が異常かを判定することができる。
次に、上述した実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。ただし、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
実施形態においては、ドライバIC47への入力が異常であるかを判定するときに、第1入力ステップを行った後、第2入力ステップを行っていたが、第2入力ステップを行った後、第1入力ステップを行ってもよく、入力ステップを行う順序は任意であってもよい。
また、本実施形態においては、通常の記録動作時においてドライバIC47に差動信号を入力するプリンタ1内の制御回路9の一部を構成する入力回路71、判定回路72及び比較回路73を、ドライバIC47への入力異常を検査する検査装置としたが、検査装置はプリンタ1内の構成でなくてもよく、上述した機能を有する治具としての検査装置であってもよい。そして、例えば、複数のプリンタ1にそれぞれ設けられるドライバIC47が実装された複数のFPC48に対して、治具である検査装置を用いて、FPC48からドライバIC47までの入力が異常であるかを検査してもよい。
以上、説明した本実施形態では、本発明を、記録用紙にインクを噴射して画像などを記録するインクジェットプリンタにおける複数の記録素子を有する圧電アクチュエータを駆動する駆動回路であるドライバICへの入力検査方法に適用したが、このような圧電アクチュエータの駆動回路に限られず、様々な用途に使用され、差動信号が入力される駆動回路への入力検査方法に適用できる。
1 プリンタ
9 制御回路
47 ドライバIC
60a〜60d コンパレータ
66 チェック回路
71 入力回路
72 判定回路
73 比較回路

Claims (3)

  1. 電圧が互いに異なるH信号とL信号の2種類の差動信号が入力される複数の比較器を備えた、駆動回路の入力検査方法であって、
    前記比較器は、その出力端子がチェック回路に接続されており、プラス端子に前記H信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記L信号が入力された場合に、第1電圧の出力信号を出力し、プラス端子に前記L信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記H信号が入力された場合に、前記第1電圧とは異なる第2電圧の出力信号を出力するものであり、
    前記チェック回路は、前記複数の比較器からの出力信号が入力され、入力された全ての信号が前記第1電圧又は前記第2電圧である場合に前記第2電圧を出力し、入力された信号のうち少なくとも1つの信号が他の信号と異なる信号である場合には前記第1電圧を出力するものであり、
    全ての前記比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第1入力ステップと、
    全ての前記比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記H信号を入力する第2入力ステップと、
    前記第1入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧ではない、及び/または、前記第2入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧ではない、と判断したときに、前記駆動回路への入力が異常であると判定する第1判定ステップと、
    前記第1判定ステップにおいて、前記第1入力ステップ後に前記チェック回路から出力される出力信号が前記第2電圧でない場合に、前記複数の比較器の中の1つである判定対象比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記L信号を入力し、前記複数の比較器の中の前記判定対象比較器を除く対象外比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記H信号を入力し、前記第1判定ステップにおいて、前記第2入力ステップ後に前記チェック回路から出力される出力信号が前記第2電圧でない場合に、前記判定対象比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記H信号を入力し、前記対象外比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第3入力ステップと、
    前記第3入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第1電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器は異常でないと判定するとともに、前記第3入力ステップにおける前記比較器の出力信号が前記チェック回路に入力されたときの前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器が異常であると判定する第2判定ステップとを備えていることを特徴とする駆動回路の入力検査方法。
  2. 前記第2判定ステップにおいて前記判定対象比較器が異常であると判定されるまで、 前記複数の比較器のうち未だ前記判定対象比較器に選ばれていない比較器の中の1つを前記判定対象比較器として、前記第3入力ステップ及び前記第2判定ステップを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の入力検査方法。
  3. 電圧が互いに異なるH信号とL信号の2種類の差動信号が入力される複数の比較器を備えた、駆動回路への入力を検査する検査装置であって、
    前記比較器は、その出力端子がチェック回路に接続されており、プラス端子に前記H信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記L信号が入力された場合に、第1電圧の出力信号を出力し、プラス端子に前記L信号が入力されるとともに、マイナス端子に前記H信号が入力された場合に、前記第1電圧とは異なる第2電圧の出力信号を出力するものであり、
    前記チェック回路は、前記複数の比較器からの出力信号が入力され、入力された全ての信号が前記第1電圧又は前記第2電圧である場合に前記第2電圧を出力し、入力された信号のうち少なくとも1つの信号が他の信号と異なる信号である場合には前記第1電圧を出力するものであり、
    全ての前記比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第1入力処理と、全ての前記比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、全ての前記比較器のマイナス端子に前記H信号を入力する第2入力処理と、前記複数の比較器の中の1つである判定対象比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記L信号を入力し、前記複数の比較器の中の前記判定対象比較器を除く対象外比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記H信号を入力する、または、前記判定対象比較器のプラス端子に前記L信号を入力するとともに、前記判定対象比較器のマイナス端子に前記H信号を入力し、前記対象外比較器のプラス端子に前記H信号を入力するとともに、前記対象外比較器のマイナス端子に前記L信号を入力する第3入力処理とを実行する入力回路と、
    前記チェック回路の出力信号が入力され、前記入力回路により、前記第1入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧ではない、及び/または、前記第2入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧ではない、と判断したときに、前記駆動回路への入力が異常であると判定し、前記入力回路により、前記第3入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第1電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器は異常でないと判定するとともに、前記第3入力処理が実行されたときにおける前記チェック回路の出力信号が前記第2電圧であると判断したときに、前記判定対象比較器が異常であると判定する判定回路と、を備えていることを特徴とする検査装置。
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