以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る静電粉体塗布装置を示す側面図である。図4は、図3に示す静電粉体塗布装置を矢印A方向から見た図である。図5は、図3に示す静電粉体塗布装置のB−B線矢視図である。この静電粉体塗布装置は、粉体が通過する細かいメッシュが形成されたスクリーン2と、このスクリーン2の上面に接触するスクリーンブラシ3とを備えている。スクリーンブラシ3は、スクリーン2に対して略垂直に延びる駆動軸5に連結されており、この駆動軸5はユニバーサルジョイント6を介してモータM1に連結されている。したがって、モータM1を駆動すると、スクリーンブラシ3は、スクリーン2上でその中心軸周りに回転する。
スクリーン2の下方には、食品などの粉体塗布対象物1(以下、単に対象物1という)を搬送するコンベヤ10が設けられている。このコンベヤ10は、図4および図5に示すように、互いに平行な2本のベルト11,11と、このベルト11,11を駆動するモータM2と、ベルト11,11を支持する搬送プレート13とを備えている。ベルト11,11は、複数のガイドローラによって移動自在に支持されており、モータM2を駆動することによってベルト11,11が循環する。スクリーン2の下方には、平坦な上面を有する搬送プレート13が水平に配置されている。ベルト11,11の一部はこの搬送プレート13の上面上に位置し、対象物1はベルト11,11によって水平方向に移動される。
スクリーン2の下方には、コンベヤ10によって搬送されてくる対象物1を受け取り、該対象物1をスクリーン2を横切る方向に移動させながらスクリーン2に向かって持ち上げる円形の回転体20が配置されている。この回転体20の中心軸は水平に延び、コンベヤ10の2本のベルト11,11の間に回転体20が配置されている。図3に示すように、回転体20の大部分は搬送プレート13の下方に位置しているが、回転体20の一部が搬送プレート13の上方に突き出している。図5に示すように、搬送プレート13には、ベルト11,11の間に位置するスリット13aが形成されている。回転体20の一部は、このスリット13aを通って上方に突き出している。
回転体20の中心には支持軸21が貫通しており、回転体20と支持軸21とは一体に回転するようになっている。この支持軸21は軸受(図示せず)によって回転自在に支持されており、支持軸21はモータM3に連結されている。このモータM3を駆動することにより、回転体20はその軸心周りに回転する。スクリーン2、スクリーンブラシ3、および回転体20は、1つの鉛直軸上に配列されている。本実施形態では、対象物1を持ち上げるリフト機構は、回転体20と、該回転体20を支持する支持軸21と、支持軸21を介して回転体20を回転させるモータM3とから構成される。また、対象物1を搬送する搬送機構は、このリフト機構と、コンベヤ10とから構成される。
図6(a)は、回転体20を示す正面図であり、図6(b)は回転体20を示す斜視図である。図6(a)および図6(b)に示すように、回転体20は、互いに平行な2枚の円盤23,23と、これら円盤23,23の間に挟まれる複数のスペーサ24とを有している。2枚の円盤23,23は互いに隣接しており、同心上に配列されている。回転体20の中心には、支持軸21を保持するための軸ホルダー25が配置されている。この軸ホルダー25は2枚の円盤23,23の間に挟まれており、これら円盤23,23と一体に回転するようになっている。対象物1はこれら円盤23,23の外周面により持ち上げられる。回転体20の幅Wは対象物1の幅よりも小さく設定されており、例えば、回転体20の幅Wは対象物1の幅の5分の1〜約半分の範囲内に設定される。
回転体20に連結される支持軸21は、上記軸受(図示せず)を介して支持フレーム30に支持されている。搬送プレート13は支持部材32に固定されており、支持部材32は支持フレーム30に連結されている。支持フレーム30の上部には、縦方向に延びる複数の長孔30aが形成されており、これら長孔30aに挿入されたボルト34によって支持部材32が支持フレーム30に固定されている。搬送プレート13の高さ位置は、支持フレーム30に対する支持部材32の位置によって決定される。したがって、回転体20に対する搬送プレート13の相対位置は、ボルト34によって調整することができる。回転体20の頂点とコンベヤ10との距離G(図3参照)は、10〜20mmであることが好ましい。
図7(a)乃至図7(d)は、コンベヤ10および回転体20によって対象物1が移送される様子を説明する図である。対象物1は、まずコンベヤ10のベルト11,11によって搬送プレート13上を水平方向に移動される(図7(a)参照)。対象物1が回転体20に接触すると、対象物1は回転体20の外周面によって持ち上げられ、これにより対象物1がコンベヤ10から回転体20に渡される(図7(b)参照)。回転体20の外周面上の対象物1は、回転体20の回転によって円弧軌道を描いてスクリーン2に向かって持ち上げられ、最上位置に到達する(図7(c)参照)。この最上位置は、スクリーン2およびスクリーンブラシ3の真下に位置している。以下、この最上位置を粉体塗布位置という。粉体塗布位置を過ぎた対象物1は下降して、再びコンベヤ10のベルト11,11によって水平に搬送される(図7(d)参照)。このように、回転体20によって、対象物1は粉体塗布位置を頂点とする搬送経路に沿って移送される。なお、粉体塗布位置にある対象物1とスクリーン2との間の距離は、約10mmとすることが好ましい。
スクリーンブラシ3の上方には、図4に示すように、粉体をスクリーンブラシ3の上面に供給するホッパ40が設けられている。このホッパ40は、粉体が収容されるホッパ容器41と、このホッパ容器41内に配置されるホッパブラシ42と、このホッパブラシ42を回転させるモータM4とを備えている。ホッパ容器41の底部にはスリット(図示せず)が形成されており、ホッパブラシ42はスリットに沿って配置されている。スクリーンブラシ3はスリットの下方に配置されている。モータM4によりホッパブラシ42をその軸心周りに回転させると、ホッパ容器41内の粉体がスリットを通ってスクリーンブラシ3の上面に供給される。
図8(a)はスクリーンブラシ3を示す断面図であり、図8(b)はスクリーンブラシ3を示す平面図である。スクリーンブラシ3は、略円盤状の形状を有するスポンジブラシ50と、スポンジブラシ50の上面に配置された円形のブラシ押さえ53とを備えている。スポンジブラシ50は、連続気泡が内部に形成されたウレタンから構成されている。スポンジブラシ50の上面および下面は円形であり、スポンジブラシ50の下面がスクリーン2の上面に接触する。スポンジブラシ50の直径は、対象物1の幅よりも大きく設定されている。
ブラシ押さえ53は、スポンジブラシ50の上面と一致する下面を有し、ブラシ押さえ53の周縁部には環状の堰53aが形成されている。この堰53aは上方に張り出し、スポンジブラシ50の外周部に沿って延びている。この堰53aは、スクリーンブラシ3の上面に供給された粉体が、遠心力によってスクリーンブラシ3から飛び出してしまうことを防止する役割を持つ。図8(a)および図8(b)に示すように、スポンジブラシ50およびブラシ押さえ53には、縦方向に貫通する複数の通孔60が形成されている。これらの通孔60は、スクリーンブラシ3の中心軸周りに等間隔に配列されている。
駆動軸5の外周面には雄ねじ(図示せず)が形成されており、この雄ねじにはナット54が係合している。ナット54はワッシャ55を介してブラシ押さえ53を下方に押圧している。したがって、ナット54を回転させることにより、ブラシ押さえ53がスポンジブラシ50をスクリーン2に押し付ける力を調整することができる。また、ナット54を緩めることにより、スクリーンブラシ3を駆動軸5から取り外すことができる。スポンジブラシ50の中央部には、縦方向に延びるキー溝58aを有するコア58が配置されている。このコア58はスポンジブラシ50に固定されている。駆動軸5の先端近傍にはキー59が形成されており、このキー59はキー溝58aに挿入されている。キー59とキー溝58aとの係合により駆動軸5のトルクはスポンジブラシ50に伝達され、これによりスポンジブラシ50およびブラシ押さえ53は、駆動軸5を中心に回転する。
ブラシ押さえ53の上面には、粉体ワイパー56が配置されている。この粉体ワイパー56はスクリーンブラシ3の径方向に沿って延びており、通孔60の上側開口端を横切るように配置されている。粉体ワイパー56は図示しない支持部材によって支持されており、その位置は固定されている。すなわち、粉体ワイパー56は、スクリーンブラシ3の上面に接触しているだけであり、スクリーンブラシ3とともには回転しない。粉体ワイパー56の位置は、ホッパ40(図4参照)からの粉体の供給位置から離れた位置である。ホッパ40から供給された粉体のほとんどは、通孔60を通ってスクリーン2に落下する一方、粉体の一部はブラシ押さえ53の上にとどまる。スクリーンブラシ3が回転すると、ブラシ押さえ53上の粉体は、粉体ワイパー56によってかき集められ、そして通孔60に落とされる。このようにして、スクリーンブラシ3に供給されたほぼ全ての粉体は、通孔60を通ってスクリーン2上に供給される。
図9(a)は、スクリーンブラシ3の変形例を示す断面図であり、図9(b)は、図9(a)に示すスクリーンブラシ3の平面図である。この例のスクリーンブラシ3は、図8(a)および図8(b)に示すスクリーンブラシ3と同じ基本構成を有するが、この例のスクリーンブラシ3には、スリット状の上側開口端を持つ複数の通孔60が形成されている。これら通孔60は、スクリーンブラシ3の半径方向に延び、かつスクリーンブラシ3を縦方向に貫通している。より具体的には、ブラシ押さえ53には、スクリーンブラシ3の半径方向に延びる複数のスリット53bが形成されており、スポンジブラシ50にはスリット53bに連通する長孔50aが形成されている。スポンジブラシ50の長孔50aは、ブラシ押さえ53のスリット53bに対応する位置にあり、長孔50aは、スリット53bと同じか、またはスリット53bよりも大きい水平断面形状を有している。これらスリット53bと長孔50aとにより各通孔60が形成される。
また、この例では、スクリーンブラシ3の上面に配置される粉体ワイパーとして、可撓性がある多数の毛56aを有するワイパーブラシ56が使用されている。毛56aはナイロン(登録商標)やポリプロピレンなどの樹脂からなり、スクリーンブラシ3の上面に対して略垂直に延びている。毛56aの下端はスクリーンブラシ3の上面(すなわち、ブラシ押さえ53の上面)に接触しており、上端は基台板56bに固定されている。
図10は、ワイパーブラシ56を下から見た図である。ワイパーブラシ56の毛56aは、基台板56b上の円形の領域内に固定されている。この円形の領域の大きさは、スクリーンブラシ3の上面よりもやや小さい。ワイパーブラシ56の一部には、ホッパ40から供給された粉体がスクリーンブラシ3の上面に落下することを許容する切り欠き56cが形成されている。この切り欠き56cは、ワイパーブラシ56の中心から径方向外側に延びており、ホッパブラシ42の下方に位置している。基台板56bは、図示しない支持部材に支持されており、ワイパーブラシ56の位置は固定されている。
ワイパーブラシ56の毛56aは、切り欠き56cが形成されている部分を除き、スクリーンブラシ3の上面のほぼ全体に接触している。切り欠き56cを通ってスクリーンブラシ3の上面に落下した粉体は、スクリーンブラシ3の回転に伴ってワイパーブラシ56によって通孔60に落とされる。毛56aは所定の間隔で基台板56b上に配列されており、スクリーンブラシ3が1回転する間にスクリーンブラシ3の上面に供給された粉体が、ワイパーブラシ56の毛56aによって複数の通孔60に落とされるようになっている。すなわち、スクリーンブラシ3の上面に供給された粉体が、スクリーンブラシ3が1回転する間に全ての通孔60にほぼ均等の量で落とされるように、通孔60の上側開口部であるスリット53bの幅および毛56aの間隔が設定されている。したがって、粉体は、スクリーンブラシ3の下面全体で均一にスクリーン2に擦り込まれ、これにより粉体が対象物1に均一に塗布される。
図3に示すように、スクリーン2は、絶縁材からなる絶縁フレーム8によって水平に支持されている。スクリーン2および回転体20はそれぞれ図示しない接続端子を介して直流電圧源(直流電圧発生器)DCに電気的に接続されている。より具体的には、スクリーン2は図示しない接続端子を介して直流電圧源DCの負極に接続されており、回転体20は接点27および図示しない接続端子を介して直流電圧源DCの正極に電気的に接続されている。さらに回転体20は接地されている。スクリーン2と回転体20(および回転体20に接触する対象物1)との間には直流電圧源DCによって電圧(例えば、5000V〜6000Vの直流高電圧)が印加され、これによりスクリーン2と対象物1との間には、静電界が形成される。回転体20とコンベヤ10とは互いに電気的に接続されており、いずれも同電位(接地された状態)となっている。
次に、静電粉体塗布装置の動作について説明する。まず、モータM1を駆動させてスクリーンブラシ3をその中心軸周りに回転させる。この状態で、ホッパ40は、回転するスクリーンブラシ3の上面(すなわちブラシ押さえ53の上面)に粉体を連続的に供給する。粉体は、スクリーンブラシ3の通孔60を通ってスクリーン2の上面に落下し、回転するスクリーンブラシ3によってスクリーン2のメッシュに擦り込まれる。粉体は、スクリーンブラシ3との摩擦によって負に帯電し、スクリーンブラシ3によりメッシュに押し込まれてスクリーン2の下面に移動する。スクリーン2と回転体20との間には電圧が印加されており、これにより粉体は回転体20に向かって進行する。
対象物1はコンベヤ10によって水平方向に搬送され、さらに回転体20によって粉体塗布位置まで持ち上げられる。負に帯電している粉体は、直流電圧源DCの正極に電気的に接続されている対象物1に引き寄せられ、これにより粉体が対象物1に付着する。図11(a)および図11(b)は、粉体塗布位置にある対象物1を示す図である。図11(a)および図11(b)に示すように、回転体20により持ち上げられた対象物1は、回転体20の外周面と実質的に線接触または点接触する。また、対象物1の全体が、搬送プレート13から大きく離間する。この状態でスクリーン2と対象物1との間に静電界を形成することにより、粉体は、搬送プレート13や回転体20に引き寄せられる前に、対象物1に引き寄せられ、対象物1の表面に付着する。したがって、側面および底面を含む対象物1の全体に粉体を均一に塗布することができる。
なお、粉体の種類によっては、スクリーンブラシ3でスクリーン2に擦り込まれるときに粉体が正に帯電することがある。このような粉体を使用するときは、スクリーン2は直流電圧源DCの正極に接続され、回転体20は直流電圧源DCの負極に接続される。
スクリーンブラシ3とスクリーン2との相対位置は固定されており、スクリーンブラシ3はスクリーン2上で駆動軸5の周りを回転する。スクリーンブラシ3の回転により、粉体はスクリーン2上に均等にならされ、そしてスクリーン2のメッシュに擦り込まれる。したがって、粉体をならすためにスクリーンブラシ3の全体をスクリーン2上で移動させる必要がない。したがって、スクリーンブラシ3の移動機構を不要とすることができ、装置全体がコンパクトとなる。
スクリーン2に対するスクリーンブラシ3の相対速度は、スクリーンブラシ3の中央で小さく、スクリーンブラシ3の周縁部で大きい。このため、スクリーンブラシ3の中央での粉体のスクリーン2への擦り込み量は、周縁部での量に比べて少なくなる。しかしながら、粉体を塗布している間、対象物1は、上から見たときにスクリーンブラシ3およびスクリーン2を横切って移動するので、対象物1の全体に粉体が塗布される。
なお、図12(a)および図12(b)に示すように、回転体20を一枚の円盤23から構成してもよい。この場合は、対象物1との接触面積を少なくする観点から、円盤23の外周面に周方向に沿って溝23aを形成することが好ましい。この溝23aの断面は凹状である。この例の回転体20も、図6(a)および図6(b)に示す回転体と同じく、その外周面で対象物1を支持することができる。なお、この例では、スペーサ24は設けられない。
コンベヤ10および回転体20は、複数の対象物を連続的に粉体塗布位置に搬送することができる。回転体20上の複数の対象物間の間隔は、コンベヤ10と回転体20との相対速度によって調整することができる。すなわち、コンベヤ10による対象物の移動速度よりも、回転体20による対象物の移動速度を速くすると、回転体20上の対象物の間隔を広げることができる。一方、コンベヤ10による対象物1の移動速度よりも、回転体20による対象物の移動速度を遅くすると、回転体20上の対象物1の間隔を狭くすることができる。
このように、回転体20とコンベヤ10との組み合わせからなる搬送機構によれば、対象物への粉体の均一な塗布が可能となるのみならず、複数の対象物への連続的な粉体塗布および対象物間の間隔調整も可能となる。しかも、回転体20は簡単な構成であるので、装置全体のコスト上昇を抑えることができる。粉体塗布対象物の例としては、饅頭などの食品や、化粧品などの工業製品が挙げられる。また、粉体としては、天然色素又は合成色素を含んだ可食性粉体、ココア粉、小麦粉、抹茶粉、シュガー粉、コーンスターチ、あるいは工業用の粉体インキなど、用途に応じて種々な粉体を用いることができる。
図13(a)および図13(b)は、本実施形態に使用されるスクリーン2の例を示す平面図である。図13(a)に示す例では、スクリーン2のほぼ全体にメッシュ2aが形成されている。一方、図13(b)に示す例では、スクリーン2には、斜めに延びる複数のメッシュ2aが形成されており、これらは互いに平行に等間隔で配列されている。また、これらのメッシュ2aは、スクリーンブラシ3の中心に関して対称に配列されている。図13(b)に示す例によれば、2つの矢印で示すように、スクリーン2上のほぼ同一位置に供給された粉体は、回転するスクリーンブラシ3によって引きずられ、メッシュ2aの異なる位置に擦り込まれる。したがって、スクリーン2の全体に粉体を分散させることができ、粉体を均一に対象物1に塗布することができる。
図14は、回転体の他の構成例を示す図である。この例では、円形の回転体20に代えて、複数のリフトアーム46を有する回転体45が設けられている。リフトアーム46は放射状に配列されており、リフトアーム46の内側端部はベースディスク47の外周面に固定されている。ベースディスク47は支持軸21に固定されており、支持軸21は図示しない軸受により回転自在に支持されている。支持軸21はモータM3に連結されており、このモータM3を駆動することにより支持軸21を介してリフトアーム46が支持軸21の周りを回転する。この例では、回転体45,支持軸21,モータM3によりリフト機構が構成される。回転体45を構成するベースディスク47およびリフトアーム46は金属から形成されており、ベースディスク47は直流電圧源DCの正極に電気的に接続されている。
回転体45は、回転体20と同様に、コンベヤ10のベルト11,11の間に配置されている。回転体45の大部分は搬送プレート13の下方に位置しているが、回転体45の一部はスリット13a(図5参照)から搬送プレート13の上方に突き出している。各リフトアーム46は、その外側端部に載置台46aを有している。この載置台46aは円形であり、載置台46aの上に対象物1が載置される。載置台46aの直径は、対象物1の幅よりも小さく、例えば、対象物1の幅の5分の1〜約半分の範囲内である。
各リフトアーム46は支持軸21の周りを回転し、コンベヤ10によって搬送される対象物1を受け取る。対象物1の受け取り位置には、対象物1を検出する検出センサ48が配置されている。検出センサ48が受け取り位置にある対象物1を検出すると、コンベヤ10が停止するようになっている。より具体的には、検出センサ48は、受け取り位置にある対象物1を検出し、その検出信号を図示しない制御部に送る。制御部は検出センサ48からの検出信号を受けてコンベヤ10のモータM2(図4参照)を停止させる。受け取り位置上の対象物1は、回転するリフトアーム46の載置台46aにより持ち上げられ、粉体塗布位置に移送される。回転体45の頂点は粉体塗布位置にあり、ここで対象物1に粉体が塗布される。
受け取り位置から対象物1がなくなると、コンベヤ10は再び動きだし、次の対象物1が受け取り位置に搬送される。検出センサ48は、この対象物1を検出し、コンベヤ10が再び停止される。その後の動作は、上記と同様である。このように、コンベヤ10が間欠的に動く一方で、回転体45は連続的に回転する。このような動作の組み合わせにより、複数の対象物1を連続的に搬送し、これら対象物1に粉体を塗布することができる。リフトアーム46は、対象物1の底面の略中心部にのみ接触する。したがって、対象物1のほぼ全体に粉体を塗布することができる。
図15は搬送機構の他の例を示す模式図である。この例では、この例では、円形の回転体20に代えて、リフトコンベヤ(第2のコンベヤ)61がリフト機構として設けられている。このリフトコンベヤ61は、コンベヤ(第1のコンベヤ)10から対象物1を受け取り、粉体塗布位置まで持ち上げる。リフトコンベヤ61は、対象物1が載置されるベルト62と、このベルト62を支持する複数の(図15では2つの)ガイドローラ63と、これらガイドローラ63のうちの一つに連結されたモータM5と、スクリーン2の下方に配置された円盤ローラ64とを備えている。ベルト62は、ガイドローラ63と円盤ローラ64とにより移動自在に支持されている。円盤ローラ64の最上部は粉体塗布位置にあり、かつガイドローラ63よりも高い位置にある。したがって、ベルト62は粉体塗布位置を頂点とした搬送経路を形成する。
ベルト62および円盤ローラ64は、回転体20と同様に、コンベヤ10のベルト11,11の間に配置されている。ベルト62の大部分は搬送プレート13の下方に位置しているが、ベルト62の一部はスリット13a(図5参照)から搬送プレート13の上方に突き出している。ベルト62の幅は、対象物1の幅よりも小さく設定されており、例えば、対象物1の幅の5分の1〜約半分の範囲内に設定される。円盤ローラ64は、ベルト62と同じか、またはそれよりも小さい幅を有している。ベルト62は、円盤ローラ64の外周面によって下から支持されており、これによりベルト62はスクリーン2に向かって上方に突出している。円盤ローラ64はベルト62を下方から支持する円弧状の支持面を有するベルト支持体として機能する。円盤ローラ64は、直流電圧源DCの正極に電気的に接続されている。
対象物1は、コンベヤ10によって水平方向に搬送され、リフトコンベヤ61に渡される。リフトコンベヤ61は、対象物1をスクリーン2を横切る方向に移動させながら、該対象物1を粉体塗布位置に向かって持ち上げる。粉体塗布位置では、対象物1はリフトコンベヤ61のベルト62と実質的に線接触する。粉体塗布位置を過ぎると、対象物1は下降し、リフトコンベヤ61からコンベヤ10に渡される。このように、リフトコンベヤ61により、対象物1は粉体塗布位置を頂点とする搬送軌道に沿って移送される。
図16は、図15に示す搬送機構の変形例を示す模式図である。この例では、第1のコンベヤ10は、上流側コンベヤ10Aと下流側コンベヤ10Bとに分けられており、リフトコンベヤ61は上流側コンベヤ10Aと下流側コンベヤ10Bとの間に配置されている。
図16に示す例において、上流側コンベヤ10Aと下流側コンベヤ10Bを省略してもよい。通常、静電粉体塗布装置が設置される施設には、既存のコンベヤが設置されているので、既存のコンベヤにリフトコンベヤ61を直接接続してもよい。
図17は、図15および図16に示す円盤ローラ64に代えて、アーチ部材65を備えたリフト機構を示す模式図である。アーチ部材65は、ベルト62を下方から支持する円弧状の支持面を有しており、ベルト支持体として機能する。この例においても、ベルト62は粉体塗布位置を頂点とした搬送経路を形成し、対象物1は、粉体塗布位置では実質的にベルト62と線接触する。
図18は、本発明の第2の実施形態に係る静電粉体塗布装置のスクリーンブラシを示す図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態に係る静電粉体塗布装置は、スクリーン2の下面に付着している粉体を除去するクリーニング部材70を備えている。このクリーニング部材70は、細長い棒状の部材であり、磁性材から構成されている。クリーニング部材70はスクリーン2の下面に配置され、スクリーンブラシ3に設けられた永久磁石71によってスクリーン2の下面に引き付けられている。したがって、スクリーンブラシ3の回転に伴って、クリーニング部材70がスクリーン2の下面上で回転するようになっている。なお、クリーニング部材70の全体が磁性材でなくともよく、少なくともクリーニング部材70の一部が磁性材であればよい。例えば、樹脂の内部に磁性部材を配置してもよい。
永久磁石71は、スポンジブラシ50の内部に配置されている。クリーニング部材70は、スクリーンブラシ3の径方向に沿って配置されており、スクリーンブラシ3の回転とともにその中心軸周りに回転する。クリーニング部材70は、スクリーンブラシ3が回転してもスクリーン2の下面から落下しない程度に軽量である必要がある。クリーニング部材70としては、円筒状の鉄棒を用いることができる。クリーニング部材70は、スクリーンブラシ3の下面(擦り込み面)の半径よりもやや長く、クリーニング部材70が一回転するたびにスクリーン2の下面に付着した粉体がクリーニング部材70によって除去される。なお、図19に示すように、クリーニング部材70は、スクリーンブラシ3の下面(擦り込み面)の直径よりも長くてもよい。この場合は、少なくとも2つの永久磁石71をスポンジブラシ50の内部に配置し、クリーニング部材70をスクリーンブラシ3と同心状に配置する。なお、永久磁石71の配置は、図18および図19に示す配置に限られない。例えば、スクリーンブラシ3の中央部と外周面に永久磁石を配置してもよい。
本実施形態によれば、スクリーンブラシ3が回転するたびに、クリーニング部材70によってスクリーン2の下面に付着した粉体が除去される。したがって、粉体がスクリーン2の下面に堆積することがなく、粉体の塊の落下やスクリーン2のメッシュの目詰まりを防止することができる。これにより、粉体を対象物1に均一に塗布することができる。また、クリーニング部材70の構成は、極めて簡単であり、クリーニング部材70の動力源や駆動機構を必要としない。さらに、本実施形態に係るクリーニング部材70は、回転運動によって粉体を除去するので、クリーニング部材70の動作が対象物1の移動と同期することはない。したがって、クリーニング部材70の動きが粉体の塗布を邪魔することがなく、均一な粉体塗布が確保される。
図20(a)および図20(b)は、本実施形態に係るクリーニング部材の変形例を示す断面図である。この例では、クリーニング部材70の上面(すなわち、スクリーン2との接触面)の一部には、下方に傾斜する傾斜面が形成されている。より具体的には、図20(a)に示す例では、クリーニング部材70の上面の一部はテーパ面となっており、図20(b)に示す例では、クリーニング部材70の上面の一部は湾曲面となっている。これらの例によれば、クリーニング部材70の移動(矢印で示す)により、スクリーン2の下面に付着した粉体が押し上げられ、メッシュを通ってスクリーン2の上面に移動する。この粉体は、新たに供給された粉体とともにスクリーンブラシ3によって再度メッシュに擦り込まれ、対象物1に塗布される。したがって、粉体の無駄がなくなり、ランニングコストを下げることができる。
図21(a)は、本発明の第3の実施形態に係る静電粉体塗布装置のスクリーンブラシを模式的に示す側面図であり、図21(b)は図21(a)に示すスクリーンブラシを模式的に示す平面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。この実施形態では、スクリーンブラシ3は、4つのロールスポンジ75を備えている。各ロールスポンジ75は、連続気泡が内部に形成されたウレタンから構成されている。これらロールスポンジ75は、4つの支持軸77にそれぞれ回転自在に支持されている。支持軸77は、スクリーン2に対して垂直に延びる駆動軸5に連結されている。
駆動軸5の下端には連結ベース78が固定されており、4つの支持軸77の端部が連結ベース78に固定されている。支持軸77の他方の端部には外リング79が固定されている。ロールスポンジ75は駆動軸5の周りに等間隔に配置されており、ロールスポンジ75の外周面がスクリーン2の上面に接触している。各ロールスポンジ75は、外側の径が内側の径よりも大きい円錐台の形状を有している。なお、ロールスポンジ75の数は4本に限らず、2本以上のロールスポンジ75を配置することができる。また、円筒状のロールスポンジを使用してもよい。
図22は、図21(a)および図21(b)に示すスクリーンブラシの拡大断面図である。図22に示すように、支持軸77の端部は連結ベース78に固定されている。支持軸77の外周面には2つの軸受80が取り付けられており、これらの軸受80の間にはベアリングセットカラー81が配置されている。ロールスポンジ75の内周面にはブラシ筒83が固定されており、このブラシ筒83の内周面が軸受80により回転自在に支持されている。したがって、ロールスポンジ75は支持軸77を中心として回転可能となっている。駆動軸5を回転させると、各ロールスポンジ75にはスクリーン2との摩擦によりトルクが与えられ、これによりロールスポンジ75が支持軸77の周りを回転する。
このスクリーンブラシ3は、各ロールスポンジ75の支持軸77周りの回転に抵抗を与える回転抵抗機構を備えている。図22に示すように、回転抵抗機構は、各ロールスポンジ75の両側に配置された二対の摩擦板85A,85B,86A,86Bから構成されている。すなわち、ブラシ筒83の両端部には回転摩擦板85A,86Aが固定され、一方、支持軸77には、これら回転摩擦板85A,86Aにそれぞれ対向する固定摩擦板85B,86Bが設けられている。回転摩擦板85A,86Aはブラシ筒83およびロールスポンジ75と一体に回転可能であり、一方、固定摩擦板85B,86Bは回転しないように支持軸77に連結されている。
外側の固定摩擦板86Bに隣接して板ばね87が設けられており、さらに板ばね87に隣接してばね押圧調整ナット88が配置されている。ばね押圧調整ナット88は支持軸77に螺合しており、ばね押圧調整ナット88を回転させることにより、支持軸77の軸方向に移動する。板ばね87は固定摩擦板86Bを回転摩擦板86Aに対して押圧し、板ばね87が固定摩擦板86Bに付与する押圧力は、ばね押圧調整ナット88により調整される。4本の支持軸77の外側端部は、外リング79によって互いに連結されている、この外リング79は、各支持軸77の端部にボルト89で固定されている。
駆動軸5を回転させると、ロールスポンジ75とスクリーン2との摩擦によりロールスポンジ75を回転させるトルクが発生する。ロールスポンジ75が回転すると、回転摩擦板85A,86Aが固定摩擦板85B,86Bに対して摺接する。回転摩擦板85A,86Aと固定摩擦板85B,86Bとの摩擦は、ロールスポンジ75の回転に抵抗を与える。したがって、ロールスポンジ75は自由には回転せず、その外周面はスクリーン2に摺接する。すなわち、ロールスポンジ75は駆動軸5を中心に回転しつつ、各ロールスポンジ75はその軸心周りにゆっくりと回転する。
粉体はホッパ40(図3参照)からロールスポンジ75およびスクリーン2に供給される。ロールスポンジ75上に落下した粉体は、ロールスポンジ75がその軸心周りに回転することでスクリーン2の上面に落下する。そして、スクリーン2上の粉体は、駆動軸5を中心に回転するロールスポンジ75の外周面によってスクリーン2のメッシュに擦り込まれる。各ロールスポンジ75とスクリーン2との接触面積は、駆動軸5からの距離が大きくなるに従って大きくなる。同様に、各ロールスポンジ75のスクリーン2に対する相対速度も、駆動軸5からの距離が大きくなるに従って大きくなる。したがって、粉体をスクリーン2に擦り込む時間がロールスポンジ75全体に亘ってほぼ等しくなり、その結果均一な粉体の塗布が可能となる。
図23は、本発明の第4の実施形態に係る静電粉体塗布装置を示す側面図である。図24は、図23に示す静電粉体塗布装置を矢印C方向から見た拡大図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態に係る静電粉体塗布装置は、回転体20によって持ち上げられた対象物1の両側に配置された2枚の電極スカート100を有している。これらの電極スカート100は、搬送プレート13から突き出した回転体20の外周面に沿って配置されている。それぞれの電極スカート100は、回転体20上の対象物1の側面および底面に近接する傾斜面100aを有している。この傾斜面100aは、対象物1の下半分を囲むような形状を有しており、湾曲した形状を有している。なお、傾斜面100aは平坦面であってもよい。電極スカート100の下端は、図23に示すように、回転体20の外周面に沿って湾曲している。
これらの電極スカート100は直流電圧源DCの負極に電気的に接続されるとともに接地されている。また、本実施形態では、スクリーン2も接地されている。一方、回転体20は接地されておらず、接点27を通じて直流電圧源DCの正極に接続されている。つまり、スクリーン2および電極スカート100の電位は0Vであり、回転体20には正の電位(例えば5000V〜6000V)が与えられている。回転体20は、支持フレーム30およびコンベヤ10を含む他の構成要素と電気的に絶縁されている。回転体20の電気的な絶縁は、例えば、回転体20を支持する支持軸21を絶縁材から構成することにより達成される。なお、本実施形態では、スクリーン2を絶縁フレーム8(図3参照)で支持しなくてもよい。
このような構成によれば、電極スカート100は直流電圧源DCの負極に電気的に接続されているので、負に帯電した粉体は電極スカート100に対して反発する。したがって、電極スカート100に向かって進行している粉体は、その進行方向を変え、直流電圧源DCの正極に電気的に接続されている対象物1に引き付けられる。電極スカート100の傾斜面100aは、対象物1の側面および底面を囲む形状を有しているので、粉体を対象物1の側面および底面に向かわせることができる。したがって、粉体を対象物1の全体に均一に塗布することができる。また、スクリーン2および電極スカート100は接地されているので、これら2つの電極スカート100およびスクリーン2を絶縁する必要がない。したがって、装置全体の構成を複雑にすることなく、粉体を対象物1の全体に均一に塗布することができる。
粉体の種類によっては、スクリーンブラシ3でスクリーン2に擦り込まれるときに粉体が正に帯電することがある。このような粉体を使用するときは、電極スカート100およびスクリーン2は直流電圧源DCの正極に接続され、回転体20は直流電圧源DCの負極に接続される。なお、第4の実施形態に係る電極スカートは、第2の実施形態に係るクリーニング部材と組み合わせることができる。また、図14乃至図17に示す上述の例に電極スカートを組み込んでもよい。
図25は、本発明の第5の実施形態に係る静電粉体塗布装置を示す側面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。図25に示すように、回転体20の側方には、補助粉体塗布ユニット110が配置されている。この補助粉体塗布ユニット110は、回転体20の外周面に対向して配置されており、回転体20の外周面に粉体を塗布する。
補助粉体塗布ユニット110は、略鉛直方向に沿って配置された第2のスクリーン111と、この第2のスクリーン111に粉体を擦り込む第2のスクリーンブラシ112と、第2のスクリーンブラシ112の表面に粉体を供給する第2のホッパ114とを備えている。第2のスクリーン111には、スクリーン2と同様に、細かいメッシュが形成されている。第2のスクリーンブラシ112は、円筒状のロールスポンジを有しており、その外周面が第2のスクリーン111に接触している。第2のスクリーンブラシ112は、図示しないモータによって回転駆動されるようになっている。第2のスクリーン111は、図示しない絶縁フレームによって支持されており、さらに直流電圧源DCの負極に電気的に接続されている。
第2のスクリーンブラシ112が回転すると、粉体が第2のスクリーン111に擦り込まれ、回転体20と第2のスクリーン111との間に形成された静電界の作用により、粉体は回転体20に向かって進行し、回転体20の外周面に付着する。粉体は回転体20の回転によって対象物1の受け取り位置まで運ばれる。対象物1が回転体20の外周面上に乗ると、回転体20上の粉体が対象物1の底面に付着する。さらに、対象物1は粉体塗布位置に運ばれ、ここで対象物1の表面に粉体が塗布される。このように、本実施形態によれば、回転体20を介して対象物1の底面に粉体が付着するので、対象物1のほぼ全体に粉体が塗布される。
図26は、図15および図16に示す搬送機構に隣接して補助粉体塗布ユニット110を配置した例を示す模式図である。この例に示す補助粉体塗布ユニット110は、図25に示す構成と同一である。図26に示すように、リフトコンベヤ61のベルト62の一部は、略鉛直に延びており、このベルト62の鉛直部に隣接して補助粉体塗布ユニット110が配置されている。補助粉体塗布ユニット110は、リフトコンベヤ61のベルト62の外周面に粉体を塗布するようになっている。この例においても、ベルト62上の粉体が対象物1の底面に接触するので、対象物1のほぼ全体に粉体を塗布することができる。なお、図14に示す回転体45に隣接して補助粉体塗布ユニット110を配置してもよい。この場合は、リフトアーム46の載置台46aに粉体が塗布される。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。