JP5517811B2 - 化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物 - Google Patents

化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子等の表面保護膜(パッシベーション膜、オーバーコート膜)、層間絶縁膜、平坦化膜等に用いられる化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物及びそれが硬化されてなる絶縁性の硬化物並びにそれを備える電子部品に関する。更に詳しくは、永久膜レジストとして高感度で、解像性に優れ、残膜率が高く、電気絶縁性及び熱衝撃性等の特性に優れた硬化物、及びそのような硬化物が得られる化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物、並びにその硬化物を備える電子部品に関する。
従来、電子機器の半導体素子に用いられる表面保護膜、層間絶縁膜等には耐熱性や機械的特性等に優れたポリイミド系樹脂が広く使用されている。
また、半導体素子の高集積化によって膜形成精度の向上を図るために、感光性を付与した感光性ポリイミド系樹脂が種々提案されている(特許文献1、2、3)。
これらの組成物においては、イミド化するために高温で加熱処理する閉環工程を必要としており、硬化後の膜減りや温度制御等プロセス条件が煩雑である。
また、これらを改善したものに、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いた感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献4、5)。
露光により光酸発生剤から酸が発生し、架橋剤と主剤樹脂との反応を促進して現像液に不溶となるネガ型フォトレジスト組成物であるが、トリアジン系の光酸発生剤は、発生する酸が塩酸や臭酸であり揮発しやすいため設備を汚染する問題がある。
また従来のスルホニウム塩系の光酸発生剤はフォトリソグラフィー工程において一般的に用いられる露光光源であるi線(365nm)に対する感度が低いという問題がある。
特開昭54−145794号公報 特開平03−186847号公報 特開平08−50354号公報 特開2008−77057号公報 WO2008−117619号公報
本発明の課題は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決し、i線に対する感度が良好であり、且つ解像性、電気絶縁性、熱衝撃性等の諸特性に優れた表面保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜を形成しうる化学増幅型ネガ型レジスト組成物を提供することを目的としている。更に、本発明はこのような化学増幅型ネガ型レジスト組成物を硬化させた硬化物(絶縁膜)及びその硬化物を備える電子部品を提供することを目的としている。
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、優れた特性を有する化学増幅型ネガ型レジスト組成物を見出すに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)で示されるスルホニウム塩を含有する光酸発生剤を含んでなる成分(E)と、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂である成分(F)と、架橋剤成分(G)とを含んでなる、化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物である。
Figure 0005517811
〔式(1)中、R〜Rは、互いに独立して、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し、m〜mは、それぞれR〜Rの個数を表し、m、m及びmは0〜5の整数、m、m及びmは0〜4の整数、Xは一価の多原子アニオンを表す。〕
更に本発明は、上記いずれかの化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物を硬化させて得られる硬化体である。
更に本発明は、上記硬化物を備える電子部品である。
本発明の化学増幅型ネガ型レジスト組成物は、本発明の光酸発生剤を用いているため、i線(365nm)に対して高感度である。そのため、残膜率が高く、解像性、電気絶縁性、熱衝撃性及び耐薬品性等の特性に優れた硬化物を得ることができる。従って、半導体素子等の電子部品の表面保護膜(パッシベーション膜、オーバーコート膜)、層間絶縁膜、平坦化膜等に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
光酸発生剤を含んでなる成分(E)
成分(E)は、下記式(1)で示されるスルホニウム塩を含有する光酸発生剤を含んでなる。
光酸発生剤は、放射線等の照射により酸を発生する化合物であり、この酸の触媒作用により、後述する架橋剤中の官能基と反応し、ネガ型のパターンを形成することができる。
式(1)において、R〜Rのうち、アルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、炭素数1〜18の分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル及びイソオクタデシル)、及び炭素数3〜18のシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及び4−デシルシクロヘキシル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アルコキシ基としては、炭素数1〜18の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ及びオクタデシルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アルキルカルボニル基としては、炭素数2〜18の直鎖又は分枝鎖アルキルカルボニル基(アセチル、プロピオニル、ブタノイル、2−メチルプロピオニル、ヘプタノイル、2−メチルブタノイル、3−メチルブタノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル及びオクタデカノイル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリールカルボニル基としては、炭素数7〜11のアリールカルボニル基(ベンゾイル及びナフトイル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜18の炭素数2〜19の直鎖又は分枝鎖アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、オクチロキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル及びオクタデシロキシカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル及びナフトキシカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリールチオカルボニル基としては、炭素数7〜11のアリールチオカルボニル基(フェニルチオカルボニル及びナフトキシチオカルボニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アシロキシ基としては、炭素数2〜19の直鎖又は分枝鎖アシロキシ基(アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、テトラデシルカルボニルオキシ及びオクタデシルカルボニルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリールチオ基としては、炭素数6〜20のアリールチオ基(フェニルチオ、2−メチルフェニルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、2−クロロフェニルチオ、3−クロロフェニルチオ、4−クロロフェニルチオ、2−ブロモフェニルチオ、3−ブロモフェニルチオ、4−ブロモフェニルチオ、2−フルオロフェニルチオ、3−フルオロフェニルチオ、4−フルオロフェニルチオ、2−ヒドロキシフェニルチオ、4−ヒドロキシフェニルチオ、2−メトキシフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−[4−(フェニルチオ)ベンゾイル]フェニルチオ、4−[4−(フェニルチオ)フェノキシ]フェニルチオ、4−[4−(フェニルチオ)フェニル]フェニルチオ、4−(フェニルチオ)フェニルチオ、4−ベンゾイルフェニルチオ、4−ベンゾイル−2−クロロフェニルチオ、4−ベンゾイル−3−クロロフェニルチオ、4−ベンゾイル−3−メチルチオフェニルチオ、4−ベンゾイル−2−メチルチオフェニルチオ、4−(4−メチルチオベンゾイル)フェニルチオ、4−(2−メチルチオベンゾイル)フェニルチオ、4−(p−メチルベンゾイル)フェニルチオ、4−(p−エチルベンゾイル)フェニルチオ4−(p−イソプロピルベンゾイル)フェニルチオ及び4−(p−tert−ブチルベンゾイル)フェニルチオ等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アルキルチオ基としては、炭素数1〜18の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、tert−ペンチルチオ、オクチルチオ、デシルチオ、ドデシルチオ及びイソオクタデシルチオ等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基(フェニル、トリル、ジメチルフェニル及びナフチル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、複素環式炭化水素基としては、炭素数4〜20の複素環式炭化水素基(チエニル、フラニル、ピラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、キサンテニル、チアントレニル、フェノキサジニル、フェノキサチイニル、クロマニル、イソクロマニル、ジベンゾチエニル、キサントニル、チオキサントニル及びジベンゾフラニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリールオキシ基としては、炭素数6〜10のアリールオキシ基(フェノキシ及びナフチルオキシ等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜18の直鎖又は分枝鎖スルフィニル基(メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、tert−ペンチルスルフィニル、オクチルスルフィニル及びイソオクタデシルスルフィニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリールスルフィニル基としては、炭素数6〜10のアリールスルフィニル基(フェニルスルフィニル、トリルスルフィニル及びナフチルスルフィニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アルキルスルホニル基としては、炭素数1〜18の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、tert−ペンチルスルホニル、オクチルスルホニル及びオクタデシルスルホニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、アリールスルホニル基としては、炭素数6〜10のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル、トリルスルホニル(トシル基)及びナフチルスルホニル等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基としては、式(2)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基等が挙げられる。

HO(−AO)q− (2)
〔AOはエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基、qは1〜5の整数を表す。〕
式(1)において、R〜Rのうち、アミノ基としては、アミノ基(−NH)及び炭素数1〜15の置換アミノ基(メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、n−プロピルアミノ、メチル−n−プロピルアミノ、エチル−n−プロピルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、イソプロピルメチルアミノ、イソプロピルエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、エチルフェニルアミノ、n−プロピルフェニルアミノ及びイソプロピルフェニルアミノ等)等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rのうち、ハロゲン原子基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
式(1)において、R〜Rは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
〜Rのうち、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基及びハロゲン原子であり、特に好ましくはメチル基、メトキシ基及びアセチル基である。
式(1)において、m〜mは、R〜Rの個数をそれぞれ表し、m、m及びmは0〜5の整数であり、好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくは0又は1である。また、m、m及びmは0〜4の整数であり、好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくは0又は1である。m〜mがこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩の光感応性がさらに良好となる。
式(1)で示されるスルホニウムのうち、好ましい具体例を下記に示す。
Figure 0005517811
式(1)で示されるスルホニウムのうち、下記の構造のものが光感応性の点で特に好ましい。
Figure 0005517811
式(1)において、Xは、スルホニウム塩に活性エネルギー線(可視光、紫外線、電子線及びX線等)を照射することにより発生する酸(HX)に対応するアニオンである。Xは、一価の多原子アニオンであるということ以外には制限がないが、MY 、(Rf)PF6−b 、R10 BY4−c 、R10 GaY4−c 、R11SO 、(R11SO又は(R11SOで表されるアニオンが好ましい。
Mは、リン原子、ホウ素原子又はアンチモン原子を表す。
Yはハロゲン原子(フッ素原子が好ましい。)を表す。
Rfは、水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基(炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。)を表す。フッ素置換によりRfとするアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びオクチル等)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)等が挙げられる。Rfにおいてこれらのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されている割合は、もとのアルキル基が有していた水素原子のモル数に基づいて、80モル%以上が好ましく、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。フッ素原子による置換割合がこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩の光感応性がさらに良好となる。特に好ましいRfとしては、CF−、CFCF−、(CFCF−、CFCFCF−、CFCFCFCF−、(CFCFCF−、CFCF(CF)CF−及び(CFC−が挙げられる。b個のRfは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
Pは、リン原子、Fは、フッ素原子を表す。
10は、水素原子の一部が少なくとも1個の元素又は電子求引基で置換されたフェニル基を表す。そのような1個の元素の例としては、ハロゲン原子が含まれ、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。電子求引基としては、トリフルオロメチル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。これらのうち、1個の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。c個のR10は相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
Bは、ホウ素原子、Gaは、ガリウム原子を表す。
11は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、アルキル基及びパーフルオロアルキル基は直鎖、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、アリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。
Sはイオウ原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
aは4〜6の整数を表す。
bは、1〜5の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜4、特に好ましくは2又は3である。
cは、1〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは4である。
MY で表されるアニオンとしては、SbF 、PF 及びBF で表されるアニオン等が挙げられる。
(Rf)PF6−b で表されるアニオンとしては、(CFCFPF 、(CFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、(CFCFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、(CFCFCFCFPF 及び(CFCFCFCFPF で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、((CFCFCFPF 及び((CFCFCFPF で表されるアニオンが好ましい。
10 BY4−c で表されるアニオンとしては、(C、((CF、(CF、(CBF 、CBF 及び(Cで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C及び((CFで表されるアニオンが好ましい。
10 GaY4−c で表されるアニオンとしては、(CGa、((CFGa、(CFGa、(CGaF 、CGaF 及び(CGaで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CGa及び((CFGaで表されるアニオンが好ましい。
11SO で表されるアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン及びp−トルエンスルホン酸アニオンが好ましい。
(R11SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO及び(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
(R11SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO及び(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
一価の多原子アニオンとしては、MY 、(Rf)PF6−b 、R10 BY4−c 、R10 GaY4−c 、R11SO 、(R11SO又は(R11SOで表されるアニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(ClO 、BrO 等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO 、ClSO 等)、硫酸イオン(CHSO 、CFSO 、HSO 等)、炭酸イオン(HCO 、CHCO 等)、アルミン酸イオン(AlCl 、AlF 等)、ヘキサフルオロビスマス酸イオン(BiF )、カルボン酸イオン(CHCOO、CFCOO、CCOO、CHCOO、CCOO、CFCOO等)、アリールホウ酸イオン(B(C 、CHCHCHCHB(C 等)、チオシアン酸イオン(SCN)及び硝酸イオン(NO )等が使用できる。
これらのXのうち、MY 、(Rf)PF6−b 、R10 BY4−c 、R10 GaY4−c 、R11SO 、(R11SO又は(R11SOで示されるアニオンが好ましく、SbF 、PF 、(CFCFPF 、(C、((CF、(CGa、((CFGa、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、(CFSO及び(CFSO、がレジストの解像度、パターン形状がよくなる点で更に好ましく、(CFCFPF 、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、(C及び((CFは、更にレジスト組成物への相溶性が良いため特に好ましい。
式(1)で示されるスルホニウム塩の好ましいものとして、次のものが挙げられるが、それらに限定されない。
(a)R及びRがメチル基又はメトキシ基であり、m及びmが1であり、m、m、m及びmが0であるもの。
(b)m〜mが何れも0であるもの。
式(1)で示されるスルホニウム塩のうち、好ましい具体例としては、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム メタンスルホネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ブタンスルホネート、及び4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネートが挙げられる。
スルホニウム塩は、以下に述べる製造方法(1)等で製造できる。
<製造方法(1)>
次反応式で示される方法(たとえば、第4版実験化学講座24巻、1992年、丸善株式会社発行、376頁、特開平7−329399号公報、特開平8−165290号公報、特開平10−212286号公報又は特開平10−7680号公報等に記載されている方法)。
Figure 0005517811
上記の反応式中、R〜R、S、O、X、m〜mは、式(1)における定義に同じである。Hは水素原子を表す。
HX’は、一価の多原子アニオンの共役酸を表す。HX’としては、入手しやすさ、酸の安定性及び反応収率の観点から、メタンスルホン酸、パーフルオロメタンスルホン酸及び硫酸が好ましい。
脱水剤は、たとえば、無水リン酸、無水酢酸及び濃硫酸等を表す。
一価の多原子アニオン(X’)は、たとえば、上記のように複分解反応により、本発明の他のアニオン(X)に交換することができる。
DXは、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)カチオンと本発明の他のアニオン(例えば、MY 、(Rf)PF6−b 、R10 BY4−c 、R10 GaY4−c 、R11SO 、(R11SO、R11SO等で示されるアニオン)との塩を表す。
DX’は、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)カチオンと一価の多原子アニオン(メタンスルホン酸アニオン、パーフルオロメタンスルホン酸アニオン及び硫酸水素アニオン等。)との塩を表す。
上記反応式中、第1段目の反応は、無溶剤下で行ってもよいし、必要により有機溶媒(アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノール、アセトン等)中で行ってもよい。反応温度は、20〜105℃程度である。反応時間は、1〜数十時間程度である。
第2段目の反応は、第1段目の反応に引き続いて行ってもよいし、反応中間体(G3)を単離(必要に応じて精製)してから行ってもよい。反応中間体(G3)と、アルカリ金属カチオンと一価の多原子アニオンとの塩(DX)の水溶液とを混合・撹拌して、複分解反応を行い、析出する固体をろ別するか、又は分離した油状物を有機溶媒で抽出して有機溶媒を除去することにより、本発明のスルホニウム塩が固体あるいは粘調な液体として得られる。得られる固体又は粘稠液体は必要に応じて適当な有機溶媒で洗浄するか、再結晶法もしくはカラムクロマトグラフィー法により精製することができる(以下、同様である。)。
上記の製造方法で用いる原料(G1)及び(G2)は、公知の方法により得ることができ、たとえばBulletin of the Chemical Society of Japan、 53、
1385-1389 (1980)等に記載されている反応又は第4版実験化学講座23巻(1991年、丸善)、276〜277頁等に記載されている酸化反応が適用できる。
スルホニウム塩の化学構造は、一般的な分析手法(たとえば、H−、11B−、13C−、19F−、31P−核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル及び/又は元素分析等)によって同定することができる。
混合スルホニウム塩は、上記式(1)で示されるスルホニウム塩と下記式(2)で示されるスルホニウム塩とを含んでなる。
混合スルホニウム塩にすることで、感度、レジスト組成物におけるパターン形状が更に良好になる。
Figure 0005517811
〔式(2)中、R〜Rは、互いに独立して、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し、m〜m、はそれぞれR〜Rの個数を表し、m、m、m及びmは0〜5の整数を、m、m、m、m及びmは0〜4の整数を表し、Xは一価の多原子アニオンを表す。〕
上記のアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子については、式(1)で挙げられたものと同じである。
〜Rは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
〜m、はそれぞれR〜Rの個数を表し、m、m、m及びmは0〜5の整数であり、好ましくは0〜3、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは0又は1であり、また、m、m、m、m及びmは0〜4の整数であり、好ましくは0〜3、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは0又は1である。m〜mがこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩の光感応性がさらに良好となる。
式(2)で示されるスルホニウム塩のカチオンのうち、好ましい具体例を下記に示す。
Figure 0005517811
式(2)で示されるスルホニウム塩のカチオンのうち、下記の構造のものが光感応性の点で特に好ましい。
Figure 0005517811
式(2)において、Xは、一価の多原子アニオンであり、式(1)と同じものが挙げられる。
式(2)で示されるスルホニウム塩のうち、好ましい具体例としては、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(メタンスルホネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ブタンスルホネート)、及ビフェニリル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(p−トルエンスルホネート)が挙げられる。
式(1)で示されるスルホニウム塩と式(2)で示されるスルホニウム塩の合計量(100モル%)のうち、式(1)のスルホニウム塩の割合は、50〜99.9モル%とするのが好ましく、70〜99.9モル%とするのがより好ましく、80〜99.9モル%とするのが更に好ましい。式(1)のスルホニウム塩の比率が50モル%を下回るとスルホニウム塩の熱安定性が低くなり、カチオン重合性化合物との配合物やポジ型およびネガ型フォトレジスト組成物としたときの貯蔵安定性が悪くなるためである。なお、式(2)のスルホニウム塩は光硬化性能を高める働きや、レジスト組成物におけるパターン形状を良好にするが、その配合割合に特に明確な下限はなく、0.1モル%以上、1モル%以上、5モル%以上としてよい。
スルホニウム塩混合物は、上記製造方法(1)と同様の方法で製造できる。上記スルホニウム塩<式(1)>及び<式(2)>の比率は、原料となるスルフィド<G1>とスルホキシド<G2>の比率により調整可能で、スルフィドに対するスルホキシドのモル比を過剰にすると、<式(2)>の生成比率が高くなり、スルフィドに対するスルホキシドのモル比を少なくすると<式(1)>の生成比率が高くなる。
本発明において、成分(E)は、上記スルホニウム塩およびその混合物をそのまま使用してもよいし、これに他の光酸発生剤を含有させて使用してもよい。
他の光酸発生剤を含有する場合、他の光酸発生剤の含有量(モル%)は、上記スルホニウム塩の総モル数に対して、1〜100が好ましく、さらに好ましくは5〜50である。
他の光酸発生剤としては、オニウム塩(スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム及びホスホニウム等)並びに遷移金属錯体イオンと、アニオンとの塩等の従来公知のものが含まれる。
成分(E)の配合量は、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物の残膜率、感度、解像度、パターン形状等を確保する観点から、下記のフェノール樹脂(F)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜8重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部である。成分(E)の配合量が0.1〜10重量部である場合、放射線に対して高い透明性を有し、露光により硬化反応の進行に十分な量の酸が発生することで、高残膜率で良好なパターン形状を得ることができるため好ましい。
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(F)
本発明における「フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂」(以下、「フェノール樹脂(F)」という。)としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂、フェノール性水酸基を含有するポリイミド樹脂等が用いられる。これらのなかでも、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂が好ましい。尚、これらのフェノール樹脂(F)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記ノボラック樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で縮合させることにより得ることができる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
また、上記アルデヒド類としてはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
具体的なノボラック樹脂としては、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
また、上記フェノール樹脂(F)には、成分の一部としてフェノール性低分子化合物が含有されていてもよい。
上記フェノール性低分子化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−{1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等が挙げられる。これらのフェノール性低分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
このフェノール性低分子化合物のフェノール樹脂(F)中における含有割合は、フェノール樹脂(F)を100重量%とした場合、40重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量%である。
本発明におけるフェノール樹脂(F)の重量平均分子量は、得られる絶縁膜の解像性、熱衝撃性、耐熱性、残膜率等の観点から、2000以上であることが好ましく、より好ましくは2000〜20000程度である。
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物中におけるフェノール樹脂(F)の含有割合は、溶剤を除いた組成物の全体を100重量%とした場合に、30〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは40〜80重量%である。このフェノール樹脂(F)の含有割合が30〜90重量%である場合には、化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物を用いて形成された膜がアルカリ水溶液による十分な現像性を有しているため好ましい。
架橋剤(G)
本発明における「架橋剤」(以下、「架橋剤(G)」ともいう。)は、前記フェノール樹脂(F)と反応する架橋成分(硬化成分)として作用するものであれば、特に限定されない。上記架橋剤(G)としては、例えば、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたベンゼンを骨格とする化合物、オキシラン環含有化合物、チイラン環含有化合物、オキセタニル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む)、ビニルエーテル基含有化合物等を挙げることができる。
上記分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物としては、例えば、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキルエーテル化された化合物を挙げることができる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基又はブチル基が挙げられ、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されていてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。これらのなかでも、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のアルキルエーテル化されたメラミンが好ましい。
上記分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたベンゼンを骨格とする化合物としては、1,2,3−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等のアルコキシメチルベンゼン誘導体が挙げられる。
上記オキシラン環含有化合物としては、オキシラン環を分子内に含有しているものであれば特に制限されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。
尚、これらの架橋剤(G)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの架橋剤(G)のなかでも、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、オキシラン環含有化合物が好ましい。更には、分子中に少なくとも2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物を併用することがより好ましい。
本発明における架橋剤(G)の配合量は、前記フェノール樹脂(F)100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。この架橋剤(G)の配合量が1〜100重量部である場合には、硬化反応が十分に進行し、得られる硬化物は高解像度で良好なパターン形状を有し、耐熱性、電気絶縁性に優れるため好ましい。
また、アルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物を併用する際、オキシラン環含有化合物の含有割合は、アルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物の合計を100重量%とした場合に、50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
この場合、得られる硬化膜は、高解像性を損なうことなく耐薬品性にも優れるため好ましい。
架橋微粒子(H)
本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、得られる硬化物の耐久性や熱衝撃性を向上させるために架橋微粒子(以下、「架橋微粒子(H)」ともいう。)を更に含有させることができる。
架橋微粒子(H)としては、この架橋微粒子を構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であれば特に限定されないが、不飽和重合性基を2個以上有する架橋性モノマー(以下、単に「架橋性モノマー」という。)と、架橋微粒子(H)のTgが0℃以下となるように選択される1種又は2種以上の「他のモノマー」と、を共重合したものが好ましい。
特に、上記他のモノマーを2種以上併用し、且つ他のモノマーのうちの少なくとも1種が、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基等の重合性基以外の官能基を有するものであることが好ましい。
上記架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を複数有する化合物を挙げることができる。これらのなかでも、ジビニルベンゼンが好ましい。
上記架橋微粒子(H)を製造する際に用いられる上記架橋性モノマーは、共重合に用いられる全モノマー100重量%に対して、1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。
また、上記他のモノマーとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のジエン化合物、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル等の不飽和ニトリル化合物類、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の不飽和アミド類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール等の芳香族ビニル化合物、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート及び、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル等の不飽和酸化合物、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和化合物等を挙げることができる。
これらの他のモノマーのなかでも、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等が好ましい。
また、上記架橋微粒子(H)の製造には、他のモノマーとして、少なくも1種のジエン化合物、具体的にはブタジエンが用いられていることが好ましい。このようなジエン化合物は、共重合に用いる全モノマー100重量%に対して20〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。
他のモノマーとして、上記ブタジエン等のジエン化合物が全モノマー100重量%に対して20〜80重量%で共重合される場合には、架橋微粒子(H)がゴム状の軟らかい微粒子となり、得られる硬化膜にクラック(割れ)が発生するのを防止でき、耐久性に優れた硬化膜を得ることができる。
尚、上記架橋微粒子(H)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記架橋微粒子(H)の平均粒径は、通常30〜500nmであり、好ましくは40〜200nm、更に好ましくは50〜120nmである。
この架橋微粒子(H)の粒径のコントロール方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合により架橋微粒子を合成する場合、使用する乳化剤の量により乳化重合中のミセルの数を制御し、粒径をコントロールすることができる。
尚、本発明における架橋微粒子(H)の平均粒径とは、光散乱流動分布測定装置等を用い、架橋微粒子の分散液を常法に従って希釈して測定した値である。
上記架橋微粒子(H)の配合量は、前記フェノール樹脂(F)100重量部に対して、0.5〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量部である。この架橋微粒子(H)の配合量が0.5〜50重量部である場合には、他の成分との相溶性又は分散性に優れ、得られる硬化膜の熱衝撃性及び耐熱性を向上させることができる。
密着助剤
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、基材との密着性を向上させるために、密着助剤を含有させることができる。
上記密着助剤としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤等が挙げられる。
具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらの密着助剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記密着助剤の配合量は、前記フェノール樹脂(F)100重量部に対して、0.2〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8重量部である。この密着助剤の配合量が0.2〜10重量部である場合には、貯蔵安定性に優れ、且つ良好な密着性を得ることができるため好ましい。
溶剤
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節するために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、プロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,1,2−ブチレンカーボネート,ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートなどのカーボネート類;アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン,メチルイソアミルケトン,2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール,エチレングリコールモノアセテート,ジエチレングリコール,ジエチレングリコールモノアセテート,プロピレングリコール,プロピレングリコールモノアセテート,ジプロピレングリコール,及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル,モノエチルエーテル,モノプロピルエーテル,モノブチルエーテル,又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル,乳酸メチル,乳酸エチル,酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,ピルビン酸メチル,アセト酢酸メチル,アセト酢酸エチル,ピルビン酸エチル,エトキシ酢酸エチル,メトキシプロピオン酸メチル,エトキシプロピオン酸エチル,2−ヒドロキシプロピオン酸メチル,2−ヒドロキシプロピオン酸エチル,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル,2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル,3−メトキシブチルアセテート,3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類;トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。
他の添加剤
また、本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物には、必要に応じて他の添加剤を本発明の特性を損なわない程度に含有させることができる。このような他の添加剤としては、無機フィラー、増感剤、クエンチャー、レベリング剤、界面活性剤等が挙げられる。
本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物の調製方法は特に限定されず、公知の方法により調製することができる。また、各成分を中に入れ完全に栓をしたサンプル瓶を、ウェーブローターの上で攪拌することによっても調製することができる。
本発明における硬化物は、前記化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物が硬化されてなる。
前述の本発明にかかる化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物は、残膜率が高く、解像性に優れていると共に、その硬化物は電気絶縁性、熱衝撃性等に優れているため、その硬化物は、半導体素子、半導体パッケージ等の電子部品の表面保護膜、平坦化膜、層間絶縁膜材料等として好適に使用することができる。
本発明の硬化物を形成するには、まず前述の本発明にかかる化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物を支持体(樹脂付き銅箔、銅張り積層板や金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハーやアルミナ基板等)に塗工し、乾燥して溶剤等を揮発させて塗膜を形成する。その後、所望のマスクパターンを介して露光し、加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行い、フェノール樹脂(F)と架橋剤(G)との反応を促進させる。次いで、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することにより所望のパターンを得ることができる。更に、絶縁膜特性を発現させるために加熱処理を行うことにより、硬化膜を得ることができる。
樹脂組成物を支持体に塗工する方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、又はスピンコート法等の塗布方法を用いることができる。また、塗布膜の厚さは、塗布手段、組成物溶液の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
露光に用いられる放射線としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、h線ステッパー、i線ステッパー、gh線ステッパー、ghi線ステッパー等の紫外線や電子線、レーザー光線等が挙げられる。また、露光量としては使用する光源や樹脂膜厚等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、樹脂膜厚1〜50μmでは、100〜50000J/m2程度である。
露光後は、発生した酸によるフェノール樹脂(F)と架橋剤(G)の硬化反応を促進させるために上記PEB処理を行う。PEB条件は樹脂組成物の配合量や使用膜厚等によって異なるが、通常、70〜150℃、好ましくは80〜120℃で、1〜60分程度である。その後、アルカリ性現像液により現像して、未露光部を溶解、除去することによって所望のパターンを形成する。この場合の現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等を挙げることができる。現像条件としては通常、20〜40℃で1〜10分程度である。
前記アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10重量%程度になるように水に溶解したアルカリ性水溶液を挙げることができる。また、前記アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。尚、アルカリ性現像液で現像した後に水で洗浄し、乾燥させる。
更に、現像後に絶縁膜としての特性を十分に発現させるために、加熱処理を行うことによって十分に硬化させることができる。このような硬化条件は特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて、50〜250℃の温度で、30分〜10時間程度加熱し、組成物を硬化させることができる。また、硬化を十分に進行させたり、得られたパターン形状の変形を防止するために二段階で加熱することもでき、例えば、第一段階では、50〜120℃の温度で、5分〜2時間程度加熱し、更に80〜250℃の温度で、10分〜10時間程度加熱して硬化させることもできる。このような硬化条件であれば、加熱設備として一般的なオーブンや、赤外線炉等を使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されることは意図するものではない。なお、以下特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
〔製造例1〕4−(フェニルチオ)ビフェニルの合成
4−ブロモビフェニル3.0部、チオフェノール1.7部、ナトリウム−t−ブトキシド2.5部、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.15部及び1−ブタノール64.3部を均一混合し、120℃で2時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却後、ろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、赤褐色結晶状の生成物を得た。これをジクロロメタン70部に溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50部を加え、分液操作にて3回洗浄後、ジクロロメタン層を蒸留水70部にてpHが中性になるまで洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、褐色結晶状の生成物を得た。これにヘキサン20部を加え、超音波洗浄器でヘキサン中に分散し、約15分間静置してから上澄みを除く操作を3回繰り返して、生成した固体を洗浄し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去することにより、褐色結晶状の4−(フェニルチオ)ビフェニルを収率84%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)7.6〜7.7(4H、m)、7.3〜7.5(10H、m)}。
〔製造例2〕4−[(フェニル)スルフィニル]ビフェニルと4−(フェニルチオ)ビフェニルを含む混合物の合成
製造例1で合成した4−(フェニルチオ)ビフェニル2.0部、アセトニトリル8.0部、硫酸0.037部及び30%過酸化水素水溶液0.43部を均一混合し、65℃で3時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却後、ジクロロメタン30部を加え、蒸留水40部でpHが中性になるまで分液操作にて洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、褐色液状の4−[(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを55%と4−(フェニルチオ)ビフェニルを45%含む混合物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=1/1:容量比)で単離した後、H−NMRにて同定した。4−[(フェニル)スルフィニル]ビフェニルのH−NMRデータ:{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)7.7〜7.9(4H、m)、7.3〜7.6(10H、m)}。含有量は混合物のHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例3〕4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルの合成
「チオフェノール1.7部」を、「2−メチルチオフェノール1.8部」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、褐色結晶状の4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルを収率89%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)7.6〜7.7(4H、m)、7.3〜7.5(9H、m)、2.3(3H、s)}。
〔製造例4〕4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルと4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルを含む混合物の合成
「4−(フェニルチオ)ビフェニル2.0部」を、製造例3で合成した「4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニル2.1部」に変更した以外、製造例2と同様にして、褐色液状の4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルを51%と4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルを49%含む混合物を得た。生成物の同定はカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=1/1:容量比)で単離した後、H−NMRにて同定した。4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルのH−NMRデータ:{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)7.6〜8.0(7H、m)、7.1〜7.6(6H、m)、2.3〜2.4(3H、s)。含有量は混合物のHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例5〕4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルの合成
「チオフェノール1.7部」を、「2−メトキシチオフェノール2.2部」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、褐色結晶状の4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルを収率85%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)7.6〜7.7(4H、m)、7.3〜7.5(9H、m)、3.7(3H、s)}。
〔製造例6〕4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルと4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルを含む混合物の合成
「4−(フェニルチオ)ビフェニル2.0部」を、製造例5で合成した「4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニル2.2部」に変更した以外、製造例2と同様にして、褐色液状の4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルを51%と4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルを49%含む混合物を得た。生成物の同定はカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=1/1:容量比)で単離した後、H−NMRにて同定した。4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルのH−NMRデータ:{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)7.6〜8.0(7H、m)、7.1〜7.6(6H、m)、3.6〜3.7(3H、s)}。含有量は混合物のHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例7〕2−(フェニルチオ)チオキサントンの合成
2−クロロチオキサントン11.0部、チオフェノール4.9部、水酸化カリウム2.5部及びN、N−ジメチルホルムアミド162部を均一混合し、130℃で9時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水200部中に投入し、生成物を析出させた。これをろ過し、残渣を水で濾液のpHが中性になるまで洗浄した後、残渣を減圧乾燥させ、黄色粉末状の生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/ヘキサン=1/1:容量比)にて生成物を精製して、2−(フェニルチオ)チオキサントンを収率45%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.43(1H、d)、8.25(1H、s)、7.75〜7.90(3H、m)、7.66(1H、d)、7.60(1H、t)、7.42〜7.46(5H、m)}。
〔製造例8〕
[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(3)の合成
Figure 0005517811
製造例2で合成した4−[(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを55%と4−(フェニルチオ)ビフェニルを45%含む混合物2.0部、製造例1で合成した4−(フェニルチオ)ビフェニルを0.24部、無水酢酸1.2部、トリフルオロメタンスルホン酸0.72部及びアセトニトリル6.5部を均一混合し、60℃で2時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水30部中に投入し、ジクロロメタン30部で抽出し、水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、褐色液状の生成物を得た。これに酢酸エチル10部を加え、60℃の水浴中で溶解させた後、ヘキサン30部を加え撹拌した後、冷蔵庫(約5℃)で30分間静置してから上澄みを除く操作を2回行い、生成物を洗浄した。これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリフレート(トリフレート=トリフルオロメタンスルホン酸アニオン)を得た。
(複分解法)
このトリフレートをジクロロメタン27部に溶かし、10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液21部中に投入してから、室温(約25℃)で3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートを収率88%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(17H、m)、7.3〜7.6(8H、m)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、840cm−1付近にP−F結合の吸収を確認した。
〔製造例9〕
[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(5)の合成
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液21部」を「10%テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム30部」に変更したこと以外、製造例8と同様にして、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを収率90%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(17H、m)、7.3〜7.6(8H、m)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm−1付近にB−C結合の吸収を確認した。
〔製造例10〕
4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート(7)の合成
「トリフルオロメタンスルホン酸0.72部」を「ノナフルオロブタンスルホン酸1.42部」に変更し、複分解を行わない製造例8と同様にして、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートを収率87%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(17H、m)、7.3〜7.6(8H、m)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、1200cm−1付近にC−F結合の吸収を確認した。
〔製造例11〕
4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(8)の合成
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液21部」を「10%ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム14部」に変更したこと以外、製造例8と同様にして、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを収率85%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(17H、m)、7.3〜7.6(8H、m)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、1200cm−1付近にC−F結合の吸収を確認した。
〔製造例12〕
4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(9)の合成
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液21部」を「10%トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム20部」に変更したこと以外、製造例8と同様にして、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドを収率86%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(17H、m)、7.3〜7.6(8H、m)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、1200cm−1付近にC−F結合の吸収を確認した。
〔製造例13〕
4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム メタンスルホネート(10)の合成
「トリフルオロメタンスルホン酸0.72部」を「メタンスルホン酸2.28部」に変更し、複分解を行わない製造例8と同様にして、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム メタンスルホネートを収率65%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(17H、m)、7.3〜7.6(8H、m)、2.7(3H、s)}。
〔製造例14〕
(2−メチル)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(11)の合成
Figure 0005517811
製造例4で合成した4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルを51%と4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルを49%含む混合物2.0部、製造例3で合成した4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニル0.08部、無水酢酸1.1部、トリフルオロメタンスルホン酸0.65部及びアセトニトリル7.7部を均一混合し、60℃で2時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水30部中に投入し、ジクロロメタン30部で抽出し、水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、褐色液状の生成物を得た。これに酢酸エチル10部を加え、60℃の水浴中で溶解させた後、ヘキサン30部を加え撹拌した後、冷蔵庫(約5℃)で30分間静置してから上澄みを除く操作を2回行い、生成物を洗浄した。これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、(2−メチル)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム トリフレート(トリフレート=トリフルオロメタンスルホン酸アニオン)を得た。
(複分解法)
このトリフレートをジクロロメタン25部に溶かし、10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液21部中に投入してから、室温(約25℃)で3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、(2−メチル)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートを収率92%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(15H、m)、7.3〜7.6(8H、m)、2.5(6H、s)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、840cm−1付近にP−F結合の吸収を確認した。
〔製造例15〕
(2−メチル)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(13)の合成
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液21部」を「10%テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム27部」に変更したこと以外、製造例14と同様にして、(2−メチル)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを収率92%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(15H、m)、7.3〜7.6(8H、m)、2.5(6H、s)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、980cm−1付近にB−C結合の吸収を確認した。
〔製造例16〕
(2−メトキシ)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(15)の合成
Figure 0005517811
製造例6で合成した4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルを51%と4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルを49%含む混合物2.0部、製造例5で合成した4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニル0.08部、無水酢酸1.0部、トリフルオロメタンスルホン酸0.6部及びアセトニトリル7.7部を均一混合し、60℃で2時間反応させた。反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水30部中に投入し、ジクロロメタン30部で抽出し、水層のpHが中性になるまで水で洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して、溶媒を留去し、褐色液状の生成物を得た。これに酢酸エチル10部を加え、60℃の水浴中で溶解させた後、ヘキサン30部を加え撹拌した後、冷蔵庫(約5℃)で30分間静置してから上澄みを除く操作を2回行い、生成物を洗浄した。これをロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、(2−メトキシ)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム トリフレート(トリフレート=トリフルオロメタンスルホン酸アニオン)を得た。
(複分解法)
このトリフレートをジクロロメタン25部に溶かし、10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液19部中に投入してから、室温(約25℃)で3時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、(2−メトキシ)フェニル [4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル] 4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートを収率90%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)8.1(2H、d)、7.6〜8.0(15H、m)、7.3〜7.6(8H、m)、3.6〜3.8(6H、d)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、840cm−1付近にP−F結合の吸収を確認した。
〔スルホニウム塩混合物の製造〕
〔製造例17〕4−(フェニルチオ)ビフェニルと[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルの混合物の製造−1
4−(フェニルチオ)ビフェニル10.0部、アセトニトリル40.0部、硫酸0.19部を仕込み均一に混合後、50℃に昇温して30%過酸化水素水溶液2.59部を10分間かけて滴下した。その後65℃で3時間反応させ、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却後、ジクロロメタン150部を加え、蒸留水200部でpHが中性になるまで分液操作にて洗浄した。ジクロロメタン層をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去することにより、褐色液状の4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物を9.8部得た。含有量は混合物のHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例18〕4−(フェニルチオ)ビフェニルと[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルの混合物の製造−2
30%過酸化水素水溶液2.59部を、2.66部に変更した以外、製造例17と同様にして、褐色液状の4−(フェニルチオ)ビフェニルを37%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを63%含む混合物を9.9部得た。
〔製造例19〕4−(フェニルチオ)ビフェニルと[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルの混合物の製造−3
30%過酸化水素水溶液2.59部を、2.44部に変更した以外、製造例17と同様にして、褐色液状の4−(フェニルチオ)ビフェニルを42%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%含む混合物を9.8部得た。
〔製造例20〕4−(フェニルチオ)ビフェニルと[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルの混合物の製造−4
30%過酸化水素水溶液2.59部を、2.27部に変更した以外、製造例17と同様にして、褐色液状の4−(フェニルチオ)ビフェニルを46%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを54%含む混合物を9.8部得た。
〔製造例21〕4−(フェニルチオ)ビフェニルと[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルの混合物の製造−5
30%過酸化水素水溶液2.59部を、2.17部に変更した以外、製造例17と同様にして、褐色液状の4−(フェニルチオ)ビフェニルを48.3%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを51.7%含む混合物を9.8部得た。
〔製造例22〕4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルと4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルの混合物の製造
4−(フェニルチオ)ビフェニル10.0部を、4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニル10.5部に、30%過酸化水素水溶液2.59部を、2.44部に変更した以外、製造例17と同様にして、褐色液状の4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルを42%と4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%を含む混合物を10.3部得た。各化合物の含有量は混合物のHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例23〕4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルと4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルの混合物の製造
4−(フェニルチオ)ビフェニル10.0部を、4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニル11.1部に、30%過酸化水素水溶液2.59部を、2.44部に変更した以外、製造例17と同様にして、褐色液状の4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルを42%と4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%を含む混合物を10.9部得た。各化合物の含有量は混合物のHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例24〕
フェニル[4−(4−ビフェニルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物の製造−1
Figure 0005517811
Figure 0005517811
製造例17で製造した混合物〔4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物〕4.1部をメタンスルホン酸15.5部に溶解し、室温で無水酢酸2.8部を滴下した。その後、60℃で6時間反応させ、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却後、蒸留水200部の中に投入した。
ここに、攪拌下、10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液52.7部を滴下し、室温(約25℃)で3時間撹拌を継続後、ジクロロメタン80部を加え、目的物を抽出した。有機層(ジクロロメタン層)を分液後、水で5回洗浄し、有機層をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去後、残渣をトルエン/ヘキサン溶液で洗浄することにより、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物〔化合物(a)と化合物(b)のモル比率はそれぞれ、50モル%、50モル%であった〕を6.8部得た。生成物はH−NMR、赤外吸光分光分析(IR)、LC−MSにて同定した。{H−NMR:d6−ジメチルスルホキシド;δ(ppm)7.7〜8.2(m)、7.3〜7.6(m)。IR(KBr錠剤法:C−F結合特性吸収;1200cm−1付近。LC−MS:化合物(a)の分子イオンピーク;524、化合物(b)の分子イオンピーク;393}。また、混合物の比率(モル%)はHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例25〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物の製造−2
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例18で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを37%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを63%含む混合物」4.0部に変更した以外は、製造例24と同様にして、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物〔化合物(a)と化合物(b)のモル比率はそれぞれ、40モル%、60モル%であった〕を6.7部得た。
〔製造例26〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物の製造−3
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例19で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを42%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%含む混合物」4.4部に変更した以外は、製造例24と同様にして、フェニル[4−(4−フェニルチオ)フェニルチオ]フェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕と1、4−ビス{4−〔[4−(フェニルチオ)フェニルフェニル]スルホニオ〕フェニルチオ}ベンゼン ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物〔化合物(a)と化合物(b)のモル比率はそれぞれ、70モル%、30モル%であった〕を7.0部得た。
〔製造例27〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物の製造−4
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例20で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを46%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを54%含む混合物」4.7部に変更した以外は、製造例24と同様にして、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物〔化合物(a)と化合物(b)のモル比率はそれぞれ、90モル%、10モル%であった〕を7.3部得た。
〔製造例28〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物の製造−5
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例21で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを48.3%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを51.7%含む混合物」4.9部に変更した以外は、製造例24と同様にして、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(a)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(b)〕の混合物〔化合物(a)と化合物(b)のモル比率はそれぞれ、99モル%、1モル%であった〕を7.4部得た。
〔製造例29〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔化合物(c)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]〔化合物(d)〕の混合物の製造
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液52.7部」を「10%テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム水溶液74.6部」に変更したこと以外、製造例26と同様にして、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔化合物(c)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]〔化合物(d)〕の混合物〔化合物(c)と化合物(d)のモル比率はそれぞれ、70モル%、30モル%であった〕を8.8部得た。生成物はH−NMR、赤外吸光分光分析(IR)、LC−MSにて同定した。{H−NMR:d6−ジメチルスルホキシド;δ(ppm)7.7〜8.2(m)、7.3〜7.6(m)。IR(KBr錠剤法):B−C結合特性吸収;980cm−1付近。LC−MS:化合物(c)の分子イオンピーク;524、化合物(d)の分子イオンピーク;393}。また、混合物の比率(モル%)はHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例30〕
(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(i)〕と(2−メチル)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メチル)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メチルフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(j)〕の混合物の製造
Figure 0005517811
Figure 0005517811
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例22で製造した「4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルを42%と4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%を含む混合物」4.6部に変更した以外、製造例24と同様にして、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(i)〕と(2−メチル)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メチル)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メチルフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(j)〕の混合物〔化合物(i)と化合物(j)のモル比率はそれぞれ、70モル%、30モル%であった〕を7.2部得た。
生成物はH−NMR、赤外吸光分光分析(IR)、LC−MSにて同定した。{H−NMR:d6−ジメチルスルホキシド;δ(ppm)7.6〜8.2(m)、7.0〜7.6(m)、2.3〜2.6(m)。IR(KBr錠剤法):C−F結合特性吸収;1200cm−1付近。LC−MS:化合物(i)の分子イオンピーク;552、化合物(j)の分子イオンピーク;414}。また、混合物の比率(モル%)はHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例31〕
(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔化合物(k)〕と(2−メチル)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メチル)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メチルフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]〔化合物(m)〕の混合物の製造
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例22で製造した「4−[(2−メチルフェニル)チオ]ビフェニルを42%と4−[(2−メチルフェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%とを含む混合物」4.6部に変更し、且つ「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液52.7部」を「10%テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム水溶液74.6部」に変更した以外、製造例24と同様にして、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔化合物(k)〕と(2−メチル)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メチル)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メチルフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]〔化合物(m)〕の混合物〔化合物(k)と化合物(m)のモル比率はそれぞれ、70モル%、30モル%であった〕を9.0部得た。
生成物はH−NMR、赤外吸光分光分析(IR)、LC−MSにて同定した。{H−NMR:d6−ジメチルスルホキシド;δ(ppm)7.6〜8.2(m)、7.0〜7.6(m)、2.3〜2.6(m)。IR(KBr錠剤法):B−C結合特性吸収;980cm−1付近。LC−MS:化合物(k)の分子イオンピーク;552、化合物(m)の分子イオンピーク;414}。また、混合物の比率(モル%)はHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例32〕
(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(n)〕と(2−メトキシ)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メトキシ)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メトキシフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(o)〕の混合物の製造
Figure 0005517811
Figure 0005517811
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例23で製造した「4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルを42%と4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%含む混合物」4.8部に変更した以外、製造例24と同様にして、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔化合物(n)〕と(2−メトキシ)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メトキシ)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メトキシフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]〔化合物(o)〕の混合物〔化合物(n)と化合物(o)のモル比率はそれぞれ、70モル%、30モル%であった〕を7.4部得た。
生成物はH−NMR、赤外吸光分光分析(IR)、LC−MSにて同定した。{H−NMR:d6−ジメチルスルホキシド;δ(ppm)7.6〜8.2(m)、7.0〜7.6(m)、3.6〜3.8(m)。IR(KBr錠剤法):C−F結合特性吸収;1200cm−1付近。LC−MS:化合物(n)の分子イオンピーク;584、化合物(o)の分子イオンピーク;438}。また、混合物の比率(モル%)はHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例33〕
(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔化合物(p)〕と(2−メトキシ)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メトキシ)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メトキシフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]〔化合物(q)〕の混合物の製造
製造例17で製造した「4−(フェニルチオ)ビフェニルを39%と[4−(フェニル)スルフィニル]ビフェニルを61%含む混合物」4.1部を、製造例23で製造した「4−[(2−メトキシフェニル)チオ]ビフェニルを42%と4−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]ビフェニルを58%含む混合物」4.8部に変更し、且つ「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液52.7部」を「10%テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム水溶液74.6部」に変更した以外、製造例24と同様にして、(2−メトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔化合物(p)〕と(2−メトキシ)フェニル{4−〔4−(4’−[(2−メトキシ)フェニル]ビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ〕−3−メトキシフェニル}4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]〔化合物(q)〕の混合物〔化合物(p)と化合物(q)のモル比率はそれぞれ、70モル%、30モル%であった〕を9.2部得た。
生成物はH−NMR、赤外吸光分光分析(IR)、LC−MSにて同定した。{H−NMR:d6−ジメチルスルホキシド;δ(ppm)7.6〜8.2(m)、7.0〜7.6(m)、3.6〜3.8(m)。IR(KBr錠剤法):B−C結合特性吸収;980cm−1付近。LC−MS:化合物(p)の分子イオンピーク;584、化合物(q)の分子イオンピーク;438}。また、混合物の比率(モル%)はHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例34〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート〔化合物(r)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)〔化合物(s)〕の混合物の製造
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液52.7部」を「5%ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム水溶液63.1部」に変更したこと以外、製造例26と同様にして、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート〔化合物(r)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)〔化合物(s)〕の混合物〔化合物(r)と化合物(s)のモル比率はそれぞれ、70モル%、30モル%であった〕を5.6部得た。
生成物はH−NMR、赤外吸光分光分析(IR)、LC−MSにて同定した。{H−NMR:d6−ジメチルスルホキシド;δ(ppm)7.7〜8.2(m)、7.3〜7.6(m)。IR(KBr錠剤法:C−F結合特性吸収;1200cm−1付近。LC−MS:化合物(r)の分子イオンピーク;524、化合物(s)の分子イオンピーク;393)。また、混合物の比率(モル%)はHPLC分析によるピーク面積比より算出した。
〔製造例35〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート〔化合物(r)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)〔化合物(s)〕の混合物の製造
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液52.7部」を「5%ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム水溶液63.1部」に変更したこと以外、製造例27と同様にして、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート〔化合物(r)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)〔化合物(s)〕の混合物〔化合物(r)と化合物(s)のモル比率はそれぞれ、90モル%、10モル%であった〕を5.9部得た。
〔製造例36〕
フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート〔化合物(r)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)〔化合物(s)〕の混合物の製造
「10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液52.7部」を「5%ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム水溶液63.1部」に変更したこと以外、製造例28と同様にして、フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート〔化合物(r)〕とフェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)〔化合物(s)〕の混合物〔化合物(r)と化合物(s)のモル比率はそれぞれ、99モル%、1モル%であった〕を6.1部得た。
〔比較製造例1〕4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(16)の合成
ジフェニルスルホキシド12.1部、ジフェニルスルフィド9.3部及びメタンスルホン酸43.0部を撹拌しながら、これに無水酢酸7.9部を滴下し、40〜50℃で5時間反応させた後、室温(約25℃)まで冷却し、この反応溶液を20%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液121部中に投入し、室温(約25℃)で1時間撹拌して、黄色のやや粘調な油状物が析出した。この油状物を酢酸エチルにて抽出し、有機層を水で数回洗浄した後、有機層から溶剤を留去し、得られた残渣にトルエンを加えて溶解した後、ヘキサンを加え、10℃で1時間よく撹拌した後静置した。1時間後、溶液は2層に分離したため、上層を分液によって除いた。残った下層にヘキサンを加え、室温(約25℃)でよく混合すると淡黄色の結晶が析出した。これをろ別し、減圧乾燥して、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートを収率60%で得た。生成物はH−NMRにて同定した{d6−ジメチルスルホキシド、δ(ppm)7.72〜7.87(12H、m)、7.54〜7.63(5H、m)、7.42(2H、d)}。また、赤外吸光分光分析(KBr錠剤法)により、840cm−1付近にP−F結合の吸収を確認した。
〔実施例N1〜N22、比較例N1〜N4〕
<評価用試料の調製>
表1に示す通り、光酸発生剤である成分(E)1重量部、フェノール樹脂である成分(F)として、p−ヒドロキシスチレン/スチレン=80/20(モル比)からなる共重合体(Mw=10、000)を100重量部、架橋剤である成分(G)として、ヘキサメトキシメチルメラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−390」)を20重量部、架橋微粒子である成分(H)として、ブタジエン/アクリロニトリル/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニルベンゼン=64/20/8/6/2(重量%)からなる共重合体(平均粒径=65nm、Tg=−38℃)を10重量部、密着助剤である成分(I)として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ社製、商品名「S510」)5重量部を、溶剤(乳酸エチル)145重量部に均一に溶解して、本発明のネガ型フォトレジスト組成物(実施例N1〜N22)を調製した。
また比較例も表1に示した配合量で同様に行い、ネガ型フォトレジスト組成物(比較例N1〜N4)を調製した。
Figure 0005517811
Figure 0005517811
<感度評価>
シリコンウェハー基盤上に、各組成物をスピンコートした後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱乾燥して約20μmの膜厚を有する樹脂塗膜を得た。その後、TME−150RSC(トプコン社製)を用いてパターン露光(i線)を行い、ホットプレートにより110℃で3分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた浸漬法により、2分間の現像処理を行い、流水洗浄し、窒素でブローして10μmのラインアンドスペースパターンを得た。更に、現像前後の残膜の比率を示す残膜率が95%以上のパターンを形成するのに必要な最低必須露光量(感度に対応する)を測定した。
<貯蔵安定性評価>
また、上記で調製した化学増幅型ネガ型レジスト組成物を用いて、調製直後と40℃で1ヶ月保存後の感光性(感度)評価を上記の通りに行い、貯蔵安定性を次の基準で判断した。
○:40℃で1ヶ月保存後の感度変化が調製直後の感度の5%未満
×:40℃で1ヶ月保存後の感度変化が調製直後の感度の5%以上
<パターン形状評価>
上記操作により、シリコンウエハー基板上に形成した20μmのL&Sパターンの形状断面の下辺の寸法Laと上辺の寸法Lbを、走査型電子顕微鏡を用いて測定し、パターン形状を次の基準で判断した。結果を表2に示す。
◎:0.90≦La/Lb≦1
○:0.85≦La/Lb<0.90
×:La/Lb<0.85
Figure 0005517811
表2に示される通り、実施例N1〜N22の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、比較例N1〜N4のように従来の光酸発生剤を用いた場合よりも高感度であり、式(2)のスルホニウム塩の混合物はパターン形状がさらに良好になった。また、式(2)で示されるスルホニウム塩の比率が高くなると、貯蔵安定性が悪くなることがわかった。
本発明の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物は、半導体素子等の表面保護膜,層間絶縁膜,平坦化膜等の永久膜材料等のネガ型レジストのみならず,MEMS用レジスト,ネガ型感光性材料、FPD用材料(TFTの表面保護膜,層間絶縁膜,平坦化膜、カラーフィルター、ブラックマトリックス、隔壁材料、ホトスペーサー、リブ、液晶用配向膜等)等に好適に用いられる。

Claims (24)

  1. 下記式(1)で示されるスルホニウム塩を含有する光酸発生剤を含んでなる成分(E)と、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂である成分(F)と、架橋剤成分(G)とを含んでなる、化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
    Figure 0005517811
    〔式(1)中、R〜Rは、互いに独立して、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し、m〜m、はそれぞれR〜Rの個数を表し、m、m及びmは0〜5の整数、m、m及びmは0〜4の整数、Xは一価の多原子アニオンを表す。〕
  2. 〜Rが、互いに独立して、メチル基、メトキシ基及びアセチル基からなる群より選ばれる1種を表すものである、請求項1に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  3. 及びRがメチル基又はメトキシ基であり、m及びmが1であり、m、m、m及びmが0である、請求項1又は2に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  4. 〜mが何れも0である、請求項1に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  5. が、MY 、(Rf)PF6−b 、R10 BY4−c 、R10 GaY4−c 、R11SO 、(R11SO又は(R11SOで表されるアニオン(ここに、Mはリン原子、ホウ素原子、ヒ素原子又はアンチモン原子、Yはハロゲン原子、Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基、Pはリン原子、Fはフッ素原子、R10は、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基又はシアノ基で置換されたフェニル基、Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子、R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、aは4〜6の整数、bは1〜5の整数、cは1〜4の整数を表す。)である請求項1〜4のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  6. が、SbF 、PF 、BF 、(CFCFPF 、(C、((CF、(CGa、((CFGa、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸アニオン又はp−トルエンスルホン酸アニオンで表されるアニオンである請求項1〜5のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  7. スルホニウム塩が、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム メタンスルホネート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム ブタンスルホネート、及び4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネートからなる群より選ばれる一種である、請求項1に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  8. 光酸発生剤を含んでなる成分(E)が、さらに下記式(2)で示されるスルホニウム塩を含んでなる混合スルホニウム塩を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
    Figure 0005517811
    〔式(2)中、R〜Rは、互いに独立して、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表し、m〜mはそれぞれR〜Rの個数を表し、m、m、m及びmは0〜5の整数を、m、m、m、m及びmは0〜4の整数を表し、Xは一価の多原子アニオンを表す。〕
  9. 式(2)中のR〜Rが、互いに独立して、メチル基、メトキシ基及びアセチル基からなる群より選ばれる1種を表すものである、請求項8に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  10. 式(2)中のR、R及びRがメチル基又はメトキシ基であり、m、m及びmが1であり、m、m、m、m、m及びmが0であるスルホニウム塩である、請求項8又は9に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  11. 式(2)中のm〜mが何れも0である、請求項8に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  12. 式(2)中のXが、MY 、(Rf)PF6−b 、R10 BY4−c 、R10 GaY4−c 、R11SO 、(R11SO又は(R11SOで示されるアニオン〔ここに、Mはリン原子、ホウ素原子、又はアンチモン原子、Yはハロゲン原子、Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基、Pはリン原子、Fはフッ素原子、R10は、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基又はシアノ基で置換されたフェニル基、Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子、R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、aは4〜6の整数、bは1〜5の整数、cは1〜4の整数を表す。〕である、請求項8〜11のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  13. 式(2)中のXが、SbF 、PF 、BF 、(CFCFPF 、(C、((CF、(CGa、((CFGa、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、(CFSO、及び(CFSOで示されるアニオンよりなる群より選ばれるものである、請求項8〜12のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  14. 式(2)のスルホニウム塩が、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート]、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ノナフルオロブタンスルホネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(メタンスルホネート)、フェニル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(ブタンスルホネート)、及ビフェニリル〔4−[4−(4’−フェニルビフェニリルスルホニオ)ビフェニリルチオ]フェニル〕4−ビフェニリルスルホニウム ビス(p−トルエンスルホネート)からなる群より選ばれる一種である、請求項8に記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  15. 式(1)で示されるスルホニウム塩と式(2)で示されるスルホニウム塩の合計量のうち、式(1)で示されるスルホニウム塩の割合が50〜99.9モル%である、請求項8〜14のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  16. 架橋剤(G)が、分子中に2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物を含む請求項1〜15のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
  17. 分子中に2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物が、アルキルエーテル化されたメラミンである請求項16に記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
  18. 架橋剤(G)が、オキシラン環含有化合物を含む請求項1〜17のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
  19. オキシラン環含有化合物が、脂環式エポキシ樹脂又は脂肪族エポキシ樹脂である請求項18に記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
  20. 架橋剤(G)が、分子中に2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物を含んでおり、該オキシラン環含有化合物の含有割合が、分子中に2つ以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物及びオキシラン環含有化合物の合計を100重量%とした場合に、50重量%以下である請求項1〜19のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型レジスト組成物。
  21. 更に架橋微粒子成分(H)を含んでなる、請求項1〜20のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載の化学増幅型ネガ型フォトレジスト組成物を硬化させて得られる硬化体。
  23. 請求項22に記載の硬化物を備える電子部品。
  24. 硬化物が、層間絶縁膜又は平坦化膜である請求項23に記載の電子部品。
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