JP5516059B2 - 衝撃音発生装置用燃焼容器及び衝撃音発生装置 - Google Patents

衝撃音発生装置用燃焼容器及び衝撃音発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、戦車砲、りゅう弾砲等に用いられる空包に関し、射撃後鎖栓から衝撃音発生装置が抽筒される際に生じる二次火炎を低減させた衝撃音発生装置用燃焼容器及び衝撃音発生装置に関する。
従来から、射撃訓練には実戦と同じような音、煙及び炎を発生するものが望まれている。しかし、実弾を使用した場合、発射された弾丸の飛距離が長いため、射撃訓練を行う場所の確保が難しく、機会が限られていた。そこで、実弾の代わりに仮比重が小さく薄い板状物を積層した蓋栓を用いて薬室部内のガス発生剤から発生するガスを密閉し、密閉されたガス圧によって蓋栓が破壊するときに生じる音、煙及び炎を利用する音発生装置が使用されてきた。しかし、この音発生装置は、蓋栓が破壊するとき、音の発生と同時に破片が前方に飛び出すことが避けられず、取扱性の面で改良の余地があった。
近年、これらの問題点を解決するための提案がなされている。具体的には、音発生装置として、空包容器、ガス発生剤、着火部、点火部、空包容器に固定された破裂板を有する空包であって、破裂板の中央部を破裂板周辺部よりガス発生剤の燃焼で壊れやすい構造とした空包が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この空包によれば、破裂板の中央部を選択的に壊れやすくすることにより、破裂板破片量の低減及び飛散距離の抑制を図ることができる。
さらに、本願出願人等は次のような衝撃音発生装置を提案した(例えば、特許文献2を参照)。すなわち、衝撃音発生装置は、底壁と、該底壁の周囲より立設された筒状の周壁と、該周壁の上端部に取着されガス排出部を設けた板状の蓋体とにより燃焼容器が構成され、該燃焼容器内にガス発生剤が収容されると共に、前記底壁にはガス発生剤を燃焼させるための点火部材を備えている。前記ガス排出部は、燃焼容器内でのガス発生剤の燃焼に基づく緊塞圧力が15〜30MPaに調整されるように開口面積が増加するように構成されている。この衝撃音発生装置によれば、緊塞部の破片が放出されるのを防止でき、取扱性を良好にできると共に、衝撃音を周辺へ十分に到達させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の空包や特許文献2に記載の衝撃音発生装置においては、前方への破片の飛散は抑制されるものの、蓋栓等の飛翔体が砲口から射出されないためガス発生剤の燃焼により発生する一酸化炭素や水素ガス等の可燃成分が砲内に残存してしまう。そして、射撃後に砲身底部の鎖栓を移動させてそこから衝撃音発生装置が取り出される(抽筒される)際、砲内に残存していた可燃成分が空気中で再度酸化反応を起こし、二次火炎が発生することにより隊員に火傷等の損傷を与えるという欠点があった。
また一方で、拳銃や小火器等に使用される発射薬には消炎剤を含有させることが従来より知られている(例えば、非特許文献1を参照)。これは、銃口や砲口付近に発生する銃口炎や砲口炎を抑制するための方法として発射薬に消炎剤を含有させることが好ましいからである。消炎剤を含む発射薬を使用することにより、射撃後に鎖栓から衝撃音発生装置が抽筒される際に生じる二次火炎を抑制できる可能性はある。
しかしながら、非特許文献1に記載の発射薬を使用すると、射撃後に鎖栓から衝撃音発生装置が抽筒される際に生じる二次火炎を抑制できる可能性はあるものの、砲口付近に発生する砲口炎を抑制してしまうため、実戦と同じような音、煙及び炎が要求されている空包には適用できないという欠点があった。
特開2006−349284号公報 特開2009−264651号公報
長田英世著「火薬ケミストリー」丸善株式会社、平成15年11月10日 p.308
本発明の目的とするところは、実戦と同じような音、煙及び炎を発生しつつ、鎖栓から衝撃音発生装置が抽筒される際に発生する二次火炎を低減させた衝撃音発生装置用燃焼容器及び衝撃音発生装置を提供することにある。
上記目的を達成するために第1の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器では、底壁と、該底壁より立設された筒状の周壁と、該周壁の上端部に取着されガス排出部を設けた板状の蓋体とにより燃焼容器が構成され、該燃焼容器内にガス発生剤が収容されると共に、前記底壁にはガス発生剤を燃焼させるための点火部材を備え、前記燃焼容器内のガス発生剤以外の領域に二次火炎低減剤を配置することを特徴とする。
第2の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器では、第1の発明において、二次火炎低減剤が燃焼容器内の底壁に配置されていることを特徴とする。
第3の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器では、第1又は第2の発明において、周壁が底壁の外周部より立設されていることを特徴とする。
第4の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器では、第1又は第2の発明において周壁が底壁の外周部より内側から立設されていることを特徴とする。
第5の発明の衝撃音発生装置は、第3の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器からなることを特徴とする。
第6の発明の衝撃音発生装置では、第4の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器と、その底壁の外周部より立設された筒状の装填ガイドとを具備していることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器は、底壁と、該底壁より立設された筒状の周壁と、該周壁の上端部に取着されガス排出部を設けた板状の蓋体とにより燃焼容器が構成され、該燃焼容器内にガス発生剤が収容されると共に、前記底壁にはガス発生剤を燃焼させるための点火部材を備えている。そして、前記燃焼容器内のガス発生剤以外の領域には、二次火炎低減剤が配置されている。
このため、二次火炎抑制剤がガス発生剤の燃焼に影響を与えることなく、ガス発生剤の燃焼により実戦と同じような音、煙及び炎を発生することができる。同時に、ガス発生剤の燃焼により発生する一酸化炭素や水素ガス等の可燃成分のガス温度が二次火炎抑制剤の作用により低下し、衝撃音発生装置が鎖栓から抽筒される際に発生する二次火炎を低減させることができる。
第2の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器は、二次火炎低減剤が燃焼容器内の底壁部に配置されているものである。このため、第1の発明の効果に加えて、ガス発生剤に要求される燃焼性能を維持したまま、燃焼容器内の底部で生成しやすい二次火炎を有効に低減させることができる。
第3の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器は、周壁が底壁の外周部より立設されているものである。このため、第1又は第2の発明の効果に加えて、燃焼容器をそのまま空包の砲身部に装填することができ、取扱性を向上させることができると共に、二次火炎の低減を図ることができる。
第4の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器は、周壁が底壁の外周部より内側から立設されているものである。このため、第1又は第2の発明の効果に加えて、燃焼容器を小型化できるためコストの低減を図ることができ、取扱性を維持しつつ、二次火炎の低減を図ることができる。
第5の発明の衝撃音発生装置は、第3の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器からなるものである。このため、燃焼容器をそのまま空包の砲身部に装填することができ、実戦と同じような音、煙及び炎が要求される空包として容易に適用できる。
第6の発明の衝撃音発生装置は、第4の発明の衝撃音発生装置用燃焼容器と、その底壁の外周部より立設された筒状の装填ガイドとを具備しているものである。このため、装填ガイドにより燃焼容器を空包の砲身部に容易に装填することができると共に、実戦と同じような音、煙及び炎が要求される空包として容易に適用できる。
実施形態における衝撃音発生装置を備えた戦車砲やりゅう弾砲の砲身部を模式的に示す概略断面図。 周壁が底壁の外周部より立設されている衝撃音発生装置用燃焼容器を模式的に示す概略断面図。 周壁が底壁の外周部より立設されている衝撃音発生装置用燃焼容器を模式的に示す概略斜視図。 装填ガイドに収容された衝撃音発生装置用燃焼容器を備えた砲身部を模式的に示す概略断面図。 周壁が底壁の外周部より内側から立設されている衝撃音発生装置用燃焼容器を模式的に示す概略断面図。 (a)は実施例1における衝撃音発生装置用燃焼容器を示す平面図、(b)は衝撃音発生装置用燃焼容器を示す概略断面図。 (a)は実施例2における衝撃音発生装置用燃焼容器を示す平面図、(b)は衝撃音発生装置用燃焼容器を示す概略断面図。 (a)は実施例3における衝撃音発生装置用燃焼容器を示す平面図、(b)は衝撃音発生装置用燃焼容器を示す概略断面図。 燃焼試験装置を模式的に示す概略断面図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、戦車砲やりゅう弾砲の砲身部10は、後端側(図1の下端側)の直径の大きな円筒状をなす薬室部(燃焼室)11と、上端側の直径の小さな円筒状をなす施線部12と、その中間の圧入斜面部13とからなり、後端部は鎖栓14により塞がれるように構成されている。薬室部11の後端部には衝撃音発生装置15が装填されるようになっている。前記鎖栓14は砲身部10の軸線と直交方向又は軸線方向に移動可能に構成されている。衝撃音発生装置15を砲身部10内に装填する際には、鎖栓14を自動又は手動で開口させ、衝撃音発生装置15を砲身部10内に装填し、その後自動又は手動で鎖栓を閉鎖させる。また、射撃後には、自動又は手動により鎖栓14が開口し、薬室部11より衝撃音発生装置15が抽筒されるようになっている。
図2及び図3に示すように、衝撃音発生装置15を構成する燃焼容器16は、底壁17と、該底壁17の周囲より立設された円筒状の周壁18と、該周壁18の上端部には内部に収容空間20を形成するための有蓋円筒状の蓋体21とから構成されている。前記周壁18上端の外周面には雄ねじ部22が螺刻されると共に、蓋体21はその周板23内周面に雌ねじ部24を有し、該雌ねじ部24が周壁18上端の雄ねじ部22に螺合されることにより、燃焼容器16の上端部に固定されている。
蓋体21には、例えば断面円形状に形成されたガス排出孔19が設けられており、そのガス排出孔19は、アルミニウム製のテープ、ステンレス鋼製のテープ、紙製のテープ等のクロージャー25により蓋体21の内側で塞がれている。ガス排出孔19の形状寸法、クロージャー25の材質や厚みは、使用されるガス発生剤の性能や空包に求められる要求値により設定される。また、蓋体21には、ガス排出孔19を設けず、ガス発生剤の燃焼で壊れやすいように切り溝を入れた構造としてもよい。切り溝の形状寸法や厚みは、使用されるガス発生剤の性能や空包に求められる要求値により設定される。
図1に示すように、燃焼容器16の底壁17の中心部には雌ねじ孔27が設けられ、その雌ねじ孔27には点火部材としての点火具28の雄ねじ28aが螺合されている。なお、前記鎖栓14には貫通孔14aが透設され、点火具28に接続される図示しないリード線が挿通されるようになっている。その点火具28の前方位置の収容空間20には点火部材を構成する伝火薬29が配置されている。収容空間20の伝火薬29より前方位置には袋状の収容体30a内に収容されたガス発生剤30が装填されている。燃焼容器16内の底壁17上には環状に形成された二次火炎低減剤26が配置されている。
燃焼容器16は砲身部10内に装填可能なようにその外径は砲身部10の薬室部11の内径より小さく、燃焼容器16の長さも砲身部10の薬室部11内に装填できる長さが適宜選択される。燃焼容器16の外径は、砲身部10内に円滑に着脱でき、かつ砲身部10内に位置決めできるように砲身部10の内径より5〜6mm小さいことが好ましい。
また、図5に示したようにコスト面や取扱性の点から燃焼容器16の外径を小さく設計する場合には、図4に示したように燃焼容器16の外側に筒状の装填ガイド31を設けた構造とすることが好ましい。すなわち、燃焼容器16の底壁17は拡径され、その外周面に雄ねじ17aが形成され、該雄ねじ17aに装填ガイド31の下端部内周面の雌ねじ31aが螺合され、連結されている。装填ガイド31の外径は、砲身部10内に円滑に着脱でき、かつ砲身部10内に位置決めできるように砲身部10の内径より1〜2mm小さく設定することが好ましい。
燃焼容器16の長さは、砲身部10の薬室部11の長さに対して1/2以下であることが好ましい。その理由は、燃焼容器16の重量を軽減し、砲身部10への燃焼容器16の装填及び取り出しを容易にするためである。また、コスト面や取扱性の観点から燃焼容器16の長さを短く設計した場合には、前述のように燃焼容器16の外側に装填ガイド31を設けることが好ましい。その場合の装填ガイド31の長さは、砲身部10への燃焼容器16の装填及び取り出しを容易にするために砲身部10の薬室部11の長さに対して1/2以下であることが好ましい。
燃焼容器16内の容積は、燃焼容器16の外径及び長さに基づいて決定されるが、砲身部10の容積の1/2以下であることが好ましい。そして、点火具28が点火されると点火具28前方に配置されている伝火薬29が着火され、さらに伝火薬29の着火による火炎でガス発生剤30全体が燃焼されるようになっている。点火具28としては、砲身部10の外部からの電気信号又は打撃によって点火する雷管が好ましい。
伝火薬29とは、点火具28の点火により速やかに点火されてガス発生剤30に火炎を伝播するものであり、その種類は特に限定されず、従来から伝火薬29として用いられている全てのものが使用できる。この伝火薬29としては、一般に弾薬に用いられている黒色火薬やシングルベ−ス系点火薬が好ましい。
ガス発生剤30の種類は特に限定されず、従来からガス発生剤30として用いられている全てのものが使用できる。これらの中では砲身部10に腐食等の影響を及ぼさない燃焼ガスを生成するという点から、シングルベース系、ダブルベース系又はトリプルベ−ス系の無煙火薬で構成されるガス発生剤30が好ましい。ガス発生剤30の形状は特に限定されず、従来からガス発生剤30に用いられている全ての形状が使用できる。この中では、一般にガス発生剤30に用いられている溝付き長管状又は単孔管状が好ましい。
次に、前記二次火炎低減剤26について説明する。二次火炎低減剤26とは、ガス発生剤30の燃焼ガス温度を低下させるものであり、射撃後に鎖栓14から衝撃音発生装置15が抽筒される際に生じる二次火炎を低減させるものである。二次火炎低減剤26としては、比較的融点が低く、吸熱分解するものや1000℃以上の高温で融解して多量の熱を吸収するものが使用される。具体的には、カリウム又はバリウムの酸素酸塩やヘキサフルオロアルミン酸ナトリウムが挙げられる。カリウムの酸素酸塩としては、例えば硝酸カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。バリウムの酸素酸塩としては、例えば硝酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム等が挙げられる。それらのうち、二次火炎を低減させる効果の高い硝酸カリウム、硫酸カリウム、硝酸バリウム及び硫酸バリウムが好ましく、硝酸カリウムが特に好ましい。
二次火炎低減剤26の含有量は、ガス発生剤30の100質量部に対して好ましくは3〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部、特に好ましくは8〜13質量部である。二次火炎低減剤26の含有量が3質量部未満の場合、二次火炎低減剤26としての効果が乏しくなるため、二次火炎を低減させる効果が低下する傾向にある。その一方、二次火炎低減剤26の含有量が20質量部を超える場合、二次火炎低減剤26としての効果は多大となるが、ガス発生剤30の燃焼性を悪くするため、ガス発生剤30の燃焼速度及び燃焼最大圧力が低下し、要求される音量を発生できなくなる傾向にある。
二次火炎低減剤26は、可燃成分との接触性の観点から粉末であることが望ましい。その平均粒子径は1〜1000μmの範囲であることが好ましく、二次火炎の低減効果を考慮すれば、1〜500μmの範囲であることがさらに好ましい。この平均粒子径は、1〜200μmの範囲であることが特に好ましい。その平均粒子径が1μm未満の場合、製造が困難である。一方、平均粒子径が1000μmを超えると、二次火炎の低減効果が低下する傾向にある。
二次火炎低減剤26の配置場所は、燃焼容器16内のガス発生剤30以外の領域(空間部)であれば特に限定されず、任意の位置に配置することができる。例えば、燃焼容器16内の底壁17部つまり底壁17上、周壁18部つまり周壁18の内側等の領域である。射撃後に鎖栓14から衝撃音発生装置15が抽筒される際に生じる二次火炎の低減を効率的に行うためには燃焼容器16内の底壁17上に配置することが最も好ましい。
二次火炎低減剤26をガス発生剤30内に含有させることは不適当である。なぜならば、二次火炎低減剤26をガス発生剤30内に配合すると砲口付近での砲口炎が発生し難くなるためである。二次火炎低減剤26が含有されたガス発生剤30では、ガス発生剤30の燃焼中に二次火炎低減剤26も反応するため、ガス発生剤30の燃焼ガス温度が低下してしまう。そのため、砲口炎が発生し難くなると考えられる。
それに対し、二次火炎低減剤26をガス発生剤30中には含有させず、燃焼容器16内のガス発生剤30以外の領域に配置した場合には、まずはガス発生剤30のみが燃焼するため燃焼温度の高い燃焼ガスが発生する。その燃焼ガス中の可燃成分により砲口炎が発生する。そして、射撃後に鎖栓14から衝撃音発生装置15が抽筒される際には、砲内に残存していた可燃成分が、燃焼容器16内に配置された二次火炎低減剤26と反応することにより温度が低下するため、二次火炎の発生が低減できると考えられる。
さて、衝撃音発生装置15を用いて衝撃音を発生させる場合には、まず砲身部10の外部からの電気信号によって点火具28が点火される。この点火具28の点火により、その前方に位置する伝火薬29が着火され、その火炎によってガス発生剤30が燃焼して燃焼ガスが発生する。
ガス発生剤30の燃焼初期には、燃焼容器16内の燃焼ガスによる圧力が増大して燃焼ガスが燃焼容器16内に緊塞された状態になり、その後燃焼容器16内の緊塞圧力が上昇する。そして、燃焼容器16内の緊塞圧力が規定圧力に達するとガス排出孔19を塞いでいるクロージャー25が破れて、緊塞圧力が次第に開放される。このため、ガス発生剤30の燃焼後期には、燃焼容器16内の緊塞圧力は低下する。この過程で、燃焼容器16内の緊塞圧力が上昇した後、緊塞圧力が急激に低下しながらガス排出孔19から燃焼容器16外にガスが一気に排出されるときに衝撃音が発生する。
その後、砲身部10の鎖栓14を移動させて開口し、その開口部より衝撃音発生装置15が抽筒される。このとき、燃焼容器16内のガス発生剤30以外の領域例えば底壁17上には二次火炎低減剤26が配置されていることから、可燃成分が二次火炎低減剤26と反応して二次火炎の発生が抑えられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例1の衝撃音発生装置15として、図6(a),(b)に示す構造の装置を製作した。図6(a)はガス排出孔19を設けた蓋体21を備えた衝撃音発生装置15を示す平面図であり、図6(b)は衝撃音発生装置15を示す断面図である。
燃焼容器16の底壁17及び周壁18は、鋼鉄(炭素鋼、S25C)を用いて作製した。燃焼容器16の蓋体21も同じ材質を用い、蓋体21の雌ねじ部24を周壁18の雄ねじ部22に螺合して蓋体21を周壁18に固定した。蓋体21は厚さ3mmの鋼鉄を使用し、燃焼容器16内の圧力が2MPa以上になるとガス排出孔19が開放されるように図6(a)に示したような直径15mmの真円状(断面積:1.77cm)となるガス排出孔19を形成し、クロージャーとして厚み0.2mmのアルミニウム製のテープを用いてガス排出孔19を内側から塞いだ。燃焼容器16の周壁18の内径は約57mm、長さは約160mmで、収容空間20の容積は約400cm3とした。燃焼容器16の周壁18には、圧力変換器32が取り付けられており、ガス発生剤30が燃焼した際の燃焼時間と燃焼圧力との関係を求めることができるようになっている。
ガス発生剤30の組成として、ニトロセルロ−スとニトログリセリンを主成分とするダブルベ−ス系ガス発生剤を用いた。ガス発生剤30は外径約8.5mm、内径約2.5mm、長さ約10mmの単孔管状薬であり、薬量は170gとした。燃焼容器16の底壁17には、電気式雷管からなる点火具28を取り付け、ガス発生剤30に均一に着火させるため伝火薬29として黒色火薬10gを点火具28の近傍に配置した。そして、底壁17上で点火具28の周囲に二次火炎低減剤26として布袋に入れた硝酸カリウム18g(ガス発生剤100質量部に対して10.6質量部)を配置した。その後、収容体30aとしてのポリエチレン袋に入れたガス発生剤30を燃焼容器16内に配置し、蓋体21を取り付けた。その後、衝撃音発生装置15を+21℃に設定されている恒温槽内に入れて24時間の調温を行った。
24時間の調温を行った後、衝撃音発生装置15を燃焼試験装置に装填した。そして、点火具28を結線し、遠隔操作で通電することにより、点火具28を点火させ、伝火薬29を着火させてガス発生剤30を燃焼させた。通電1秒後に鎖栓14を下降させ、同時に衝撃音発生装置15を燃焼試験装置から抽筒した。
次に、燃焼試験装置について説明する。
図9に示すように、燃焼試験本体38内には一定容積を有する薬室部33が設けられ、その薬室部33には衝撃音発生装置15が装填される。薬室部33の一端側には、砲身34が取り付けられ、他端側には、薬室部33内に衝撃音発生装置15を装填したり、抽筒したりするための鎖栓35が設置されており、空圧シリンダにより開閉可能になっている。また、鎖栓35の中央部には貫通孔36が空いており、衝撃音発生装置15の底壁17に取り付けられている点火具28と点火装置とを接続配線にて接続する。
そして、点火装置を作動させることにより接続配線を経て電気雷管が点火し、衝撃音発生装置15内のガス発生剤30を着火させて燃焼させるようになっている。また、薬室部33内における周壁18内面の180度対向する2箇所には、射撃後に衝撃音発生装置15を抽筒するための抽筒装置37が取り付けられている。
鎖栓35を下降させた状態で薬室部33内に衝撃音発生装置15を装填する。次いで、鎖栓35を空圧シリンダにて上昇させた後、点火装置にて衝撃音発生装置15のガス発生剤30に着火した。着火後、砲口付近の様子を高速ビデオカメラにて撮影し、砲口炎の発生有無について確認した。また、通電1秒後に空圧シリンダにて鎖栓35を下降させ、同時に抽筒装置37にて衝撃音発生装置15を薬室部33から抽筒させた。その際の状況を高速ビデオカメラにて撮影し、二次火炎の発生有無について確認した。
さらに、ガス発生剤30が燃焼した際の燃焼時間と燃焼圧力との関係を圧力変換器32を介してオシロスコープにて計測した。試験の結果を表1に示した。衝撃音発生装置15は、射撃時において規定された範囲の音量を発生させることが要求されており、今回実施する試験においては、燃焼容器16内の燃焼最大圧力が23〜38MPa、燃焼最大圧力に達する時間が40〜55msであることが望ましい。
二次火炎発生有無の評価基準は以下の通りである。○は、鎖栓35付近からの二次火炎の発生がないものである。また、△は鎖栓35付近から一瞬小さな二次火炎が発生するが、隊員に対して火傷等の損傷を与えないものである。さらに、×は鎖栓付近から大きな二次火炎が発生し、隊員に対して火傷等の損傷を与える可能性が高いものである。
砲口炎発生有無の評価基準は以下の通りである。○は、砲口付近から大きな砲口炎が発生し、空包の要求値を十分に満足できるものである。△は、砲口付近から砲口炎が発生し、空包の要求値を満足できるものである。×は、砲口付近からの砲口炎の発生がないものである。
(実施例2及び3)
実施例2の衝撃音発生装置15を図7(a),(b)に示すように構成した。すなわち、二次火炎低減剤26が周壁18の内側にガス発生剤30の収容体30aを取り巻くように収容されているほかは、実施例1と同様に構成されている。また、実施例3の衝撃音発生装置15を図8(a),(b)に示すように構成した。すなわち、二次火炎低減剤26がガス発生剤30の収容体30a内のガス発生剤30以外の領域に収容されているほかは、実施例1と同様に構成されている。そして、二次火炎低減剤26としての硝酸カリウム18g(ガス発生剤100質量部に対して10.6質量部)を設置し、実施例1と同様の方法により燃焼容器16を組み立て、各々の特性を実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示した。
(実施例4〜6)
表1に示した各配置場所に二次火炎低減剤26として硝酸カリウム5g(ガス発生剤100質量部に対して2.9質量部)を設置し、実施例1と同様の方法により燃焼容器16を組み立て、各々の特性を実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示した。
(実施例7〜9)
表1に示した各配置場所に二次火炎低減剤26として硝酸カリウム35g(ガス発生剤100質量部に対して20.6質量部)を設置し、実施例1と同様の方法により燃焼容器16を組み立て、各々の特性を実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示した。
(実施例10)
二次火炎低減剤26として硫酸カリウム18g(ガス発生剤100質量部に対して10.6質量部)を燃焼容器16内の底壁17上に設置し、実施例1と同様の方法により燃焼容器16を組み立て、各々の特性を実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示した。
(実施例11)
二次火炎低減剤26として硝酸バリウム18g(ガス発生剤100質量部に対して10.6質量部)を燃焼容器16内の底壁17上に設置し、実施例1と同様の方法により燃焼容器16を組み立て、各々の特性を実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示した。
(比較例1)
二次火炎低減剤26を使用しない状態で実施例1と同様の方法により燃焼容器16を組み立て、各々の特性を実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示した。
(比較例2〜4)
ガス発生剤30を製造する際に二次火炎低減剤26である硝酸カリウムを配合し、硝酸カリウムを含有するガス発生剤30を製造した。このガス発生剤30を用いて、実施例1と同様の方法により燃焼容器16を組み立て、各々の特性を実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示した。
尚、比較例2については、ガス発生剤30中に5gの硝酸カリウムが含有されているため、使用するガス発生剤30の薬量は175gとした。比較例3については、ガス発生剤30中に18gの硝酸カリウムが含有されているため、使用するガス発生剤30の薬量は188gとした。比較例4については、ガス発生剤30中に35gの硝酸カリウムが含有されているため、使用するガス発生剤30の薬量は205gとした。
Figure 0005516059
表1に示したように、実施例1〜11においては、燃焼容器16内の燃焼最大圧力が26〜35MPa、燃焼最大圧力に達する時間が45〜51ms(ミリ秒)であり、空包として要求される性能を満足できることが確認できた。また、砲口炎を発生させることができると同時に、二次火炎の発生を低減できることがわかった。さらに、二次火炎低減剤26は、燃焼容器16内の底壁17上に配置することが二次火炎の低減には最も効果的であることがわかった。
二次火炎低減剤26の配合量は、ガス発生剤100質量部に対して20質量部を超えるとガス発生剤30の燃焼性が低下する傾向にあると共に、砲口炎の発生が少なくなる傾向にあり、且つ二次火炎低減剤26の残渣が発生する傾向にあることがわかった。また、ガス発生剤100質量部に対して5質量部未満では二次火炎を低減させる効果が少ないことがわかった。さらに、使用する二次火炎低減剤26の種類による大きな違いは見られなかったが、評価を行った物質の中では硝酸カリウムが最も二次火炎低減剤26として適していることがわかった。
それに対し、二次火炎低減剤26を使用しない場合(比較例1)には、燃焼最大圧力は33MPa、燃焼最大圧力に達する時間が47msであり、燃焼性に問題のないものの、衝撃音発生装置15が抽筒された際には大きな二次火炎が発生する結果となった。また、ガス発生剤30中に二次火炎低減剤26である硝酸カリウムを含有させる(比較例2〜4)と、砲口炎が発生しない結果となった。さらに、硝酸カリウムを18g以上添加するとガス発生剤30の燃焼性が大幅に低下し、燃焼最大圧力及び燃焼最大圧力に達する時間の要求を満足できなくなることがわかった。
以上の結果より、衝撃音発生装置15が抽筒される際の二次火炎を低減させるためには、二次火炎低減剤26を使用することが必須であることを確認できた。また、二次火炎低減剤26はガス発生剤30中に含有させず、燃焼容器16内のガス発生剤30以外の領域に単独で配置させる必要があることを確認できた。
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記燃焼容器16内の底壁17上、周壁18の内側或いはガス発生剤30の収容体30a内に二次火炎低減剤26を複数個配置することも可能である。その場合、二次火炎低減剤26の個数はガス発生剤30の使用量などを考慮して適宜設定される。
・ 二次火炎低減剤26を蓋体21の内側、ガス発生剤30の収容体30aの外面などに配置することも可能である。
・ ガス排出孔19を塞ぐクロージャー25を省略し、ガス排出孔19を開放状態にしておくことも可能である。
・ 前記蓋体21のガス排出孔19は、断面十字状、断面星型状等の形状であってもよい。
15…衝撃音発生装置、16…燃焼容器、17…底壁、18…周壁、19…ガス排出孔、21…蓋体、26…二次火炎低減剤、28…点火部材としての点火具、29…点火部材としての伝火薬、30…ガス発生剤、31…装填ガイド。

Claims (6)

  1. 底壁と、該底壁より立設された筒状の周壁と、該周壁の上端部に取着されガス排出部を設けた板状の蓋体とにより燃焼容器が構成され、該燃焼容器内にガス発生剤が収容されると共に、前記底壁にはガス発生剤を燃焼させるための点火部材を備えた衝撃音発生装置用燃焼容器において、
    前記燃焼容器内のガス発生剤以外の領域に二次火炎低減剤を配置することを特徴とする衝撃音発生装置用燃焼容器。
  2. 二次火炎低減剤が燃焼容器内の底壁部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の衝撃音発生装置用燃焼容器。
  3. 周壁が底壁の外周部より立設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衝撃音発生装置用燃焼容器。
  4. 周壁が底壁の外周部より内側から立設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衝撃音発生装置用燃焼容器。
  5. 請求項3に記載の衝撃音発生装置用燃焼容器からなることを特徴とする衝撃音発生装置。
  6. 請求項4に記載の衝撃音発生装置用燃焼容器と、その底壁の外周部より立設された筒状の装填ガイドとを具備していることを特徴とする衝撃音発生装置。
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