JP5515509B2 - 耐震補強構造及び耐震補強方法 - Google Patents

耐震補強構造及び耐震補強方法 Download PDF

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本発明は、耐震補強構造及び耐震補強方法に関し、特に、既存建物をブレースによって耐震補強する耐震補強構造及び耐震補強方法に関する。
既存建物をブレースによって耐震補強する耐震補強構造の例が特許文献1、2に記載されている。
これらの耐震補強構造は、2本の横材と縦材とを四方枠組みして構成した鉄骨枠の内側に2本のブレースをV字状又は逆V字状に配置し、各ブレースの両端を鉄骨枠側に接合することによって矩形状の補強フレームを構成し、この補強フレームを縦横に複数組み合わせることによって格子状のブレース架構を構成し、このブレース架構を既存建物の躯体の外側に設置し、各補強フレームをアンカーボルト等によって既存建物の躯体の各層の柱又は梁に接合することにより、ブレース架構と躯体と一体化したものである。
特開平11−193639号公報 特開2004−324322号公報
ところで、上記のような構成の耐震補強構造にあっては、既存建物の躯体の各層にそれぞれ補強フレームのブレースが配置されるように躯体の外側にブレース架構を設置し、各補強フレームを躯体の各層の柱又は梁にアンカーボルト等によって接合しているため、全体としての接合箇所が非常に多く、耐震補強の施工に時間と手間と費用がかかる。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、既存建物をブレースによって耐震補強する場合に、全体としての接合箇所を少なくすることができ、これにより、施工に要する時間と手間と費用を削減することができる耐震補強構造及び耐震補強方法を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、複数層からなる既存建物の耐震補強構造であって、前記既存建物の躯体の外側に設置され、前記躯体の少なくとも1層を飛ばして、両端がその上下の層のみにおいて躯体に直接又は接合部材を介して間接的に接合されるブレースが、前記躯体の所定の階層範囲内に上下に連続して複数設けられたブレース群を複数備え、前記複数のブレース群は、横並びに設置され、各ブレース群のブレースは、他のブレース群のブレースが接合される層とは異なる層に接合されていることを特徴とする。
本発明の耐震補強構造によれば、既存建物を耐震補強する場合に、既存建物の躯体の外側にブレース群を複数設け、各ブレース群の複数のブレースの各々の両端を、躯体の少なくとも1層を飛ばして、その上下の層の躯体に直接又は接合部材を介して間接的に接合し、かつ、各ブレース群の複数のブレースの各々を、他のブレース群の複数のブレースの各々が接合される層とは異なる層に接合すればよいことになる。従って、全体としての接合箇所を少なくすることができるので、耐震補強の施工に要する時間と手間と費用を削減することができる。
また、本発明において、前記所定の階層範囲は、前記躯体の第1層から、上方の所定の層までの範囲であることとしてもよい。
本発明の耐震補強構造によれば、躯体の第1層から、上方の所定の層までの範囲内に複数のブレースが配置され、各ブレースの両端が躯体側に直接又は接合部材を介して間接的に接合されることになる。
さらに、本発明において、前記躯体の偶数層を飛ばして、両端がその上下の奇数層に接合される複数のブレースからなる第1のブレース群と、前記躯体の奇数層を飛ばして、両端がその上下の偶数層に接合される複数のブレースからなる第2のブレース群とを備えていることとしてもよい。
本発明の耐震補強構造によれば、既存建物を耐震補強する場合に、第1のブレース群の複数のブレースの各々を、躯体の偶数層を飛ばして、両端をその上下の奇数層に接合し、また、第2のブレース群の複数のブレースの各々を、躯体の奇数層を飛ばして、両端をその上下の偶数層に接合すればよいことになる。従って、全体としての接合箇所を少なくすることができるので、耐震補強に要する時間と手間と費用を削減することができる。
さらに、本発明において、前記各ブレースの両端は、前記躯体の仕口部、柱、梁、又は床の部分に直接又は接合部材を介して間接的に接合されていることとしてもよい。
本発明の耐震補強構造によれば、各ブレースは、躯体の少なくとも1層を飛ばして、両端がその上下の層の躯体の仕口部、柱、梁、又は床の部分に直接又は接合部材を介して間接的に接合されることになる。
さらに、本発明において、前記ブレースは、横材と縦材とを四方枠組みして構成した補強フレームの内側に設けられ、両端が前記補強フレーム側に接合され、該補強フレームを介して前記躯体側に接合されていることとしてもよい。
本発明の耐震補強構造によれば、ブレースは、両端が補強フレームを介して躯体側に接合されることになる。
さらに、本発明は、複数層からなる既存建物の耐震補強方法であって、前記既存建物の躯体の外側に、複数のブレースからなるブレース群を複数、横並びに設置し、各ブレース群のブレースを、前記躯体の少なくとも1層を飛ばして、両端をその上下の層のみにおいて躯体に直接又は接合部材を介して間接的に接合して、前記躯体の所定の階層範囲内に上下に連続するように設けるとともに、各ブレース群のブレースを、他のブレース群のブレースを接合する層とは異なる層に接合することを特徴とする。
以上、説明したように、本発明の耐震補強構造及び耐震補強方法によれば、既存建物を耐震補強する場合に、既存建物の躯体の各層にそれぞれブレースを接合する必要はなく、躯体の少なくとも1層を飛ばして、その上下の層に両端を直接又は接合部材を介して間接的に接合すればよいことになる。従って、全体としての接合箇所を少なくすることができるので、施工に要する時間と手間と費用を削減することができる。
本発明による耐震補強構造の一実施の形態を示した正面図である。 既存建物の補強前の地震力とせん断力との関係を示した説明図である。 従来の耐震補強構造による地震力とせん断力との関係を示した説明図である。 本発明の耐震補強構造による地震力とせん断力との関係を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本発明による耐震補強構造及び耐震補強工法の一実施の形態が示されている。この耐震補強構造1は、複数層の躯体を備えた既存建物を耐震補強するのに有効なものであって、既存建物20の躯体21をブレース群2、10によって耐震補強するように構成したものである。
本実施の形態においては、例えば、14層(14階)の集合住宅を既存建物20とし、この既存建物20の躯体21の外側にブレース群2、10を設置し、既存建物20の躯体21と各ブレース群2、10とを一体化することにより、既存建物20の躯体21に耐震補強を施している。
ブレース群2、10は、既存建物20の躯体21の一側面(例えば、正面又は背面)の図1の左側の部分に対向して設置される第1のブレース群2と、右側の部分に対向して設置される第2のブレース群10とを備えている。
第1のブレース群2は、鉄骨製の2本の横材4a、4bと縦材5a、5bとを四方枠組みして構成した鉄骨枠6の内側に、鉄骨製の2本のブレース7、7をV字状又は逆V字状に配置し、各ブレース7の両端を鉄骨枠6側に接合して矩形状の補強フレーム3を構成し、この補強フレーム3を縦横に複数組み合わせて全体が格子状をなすように構成したものである。
なお、ブレース7は、V字状又は逆V字状に限らず、鉄骨枠6内に斜めに配置するように構成してもよい。
第1のブレース群2は、7つの補強フレーム3(第1補強フレーム3a〜第7補強フレーム3g)を縦方向に組み合わせたものが横方向に2列に配置され、第1補強フレーム3aが躯体21の第1層に対応し、第2補強フレーム3bが第2層及び第3層に対応し、第3補強フレーム3cが第4層及び第5層に対応し、第4補強フレーム3dが第6層及び第7層に対応し、第5フレーム3eが第8層及び第9層に対応し、第6フレーム3fが第10層及び第11層に対応し、第7フレーム3gが第11層及び第12層に対応するように、各補強フレーム3(第1補強フレーム3a〜第7補強フレーム3g)の縦横の寸法が設定されている。
第1のブレース群2は、既存建物20の躯体21の外側の地盤に打設された杭22(又は直接基礎の場合は基礎)によって支持され、この状態で、第1補強フレーム3aの下横材4aが躯体21の第1層の床部に接合され、上横材4bが第2層の床部に接合され、第2補強フレーム3bの下横材4aが第2層の床部に接合され、上横材4bが第4層の床部に接合され、第3補強フレーム3cの下横材4aが第4層の床部に接合され、上横材4bが第6層の床部に接合され、第4補強フレーム3dの下横材4aが第6層の床部に接合され、上横材4bが第8層の床部に接合され、第5補強フレーム3eの下横材4aが第8層の床部に接合され、上横材4bが第10層の床部に接合され、第6補強フレーム3fの下横材4aが第10層の床部に接合され、上横材4bが第12層の床部に接合され、第7補強フレーム3gの下横材4aが第12層の床部に接合され、上横材4bが第14層の床部に接合されている。
これにより、第2補強フレーム3bの各ブレース7の両端が第3層を飛ばして、その上下の第2層の床部及び第4層の床部に接合され、第3補強フレーム3cの各ブレース7の両端が第5層を飛ばして、その上下の第4層の床部及び第6層の床部に接合され、第4補強フレーム3dの各ブレース7の両端が第7層を飛ばして、その上下の第6層の床部及び第8層の床部に接合され、第5補強フレーム3eの各ブレース7の両端が第9層を飛ばして、その上下の第8層の床部及び第10層の床部に接合され、第6補強フレーム3fの各ブレース7の両端が第11層を飛ばして、その上下の第10層の床部及び第12層の床部に接合され、第7補強フレーム3gの各ブレース7の両端が第13層を飛ばして、その上下の第12層及び第14層に接合される。
なお、第1補強フレーム3aの各ブレース7の両端は、躯体21の第1層の床部及び第2層の床部に接合される。
つまり、第1のブレース群2の第1補強フレーム3aを除く、各補強フレーム3(第2補強フレーム3b〜第7補強フレーム3g)の各ブレース7は、躯体21の第2層〜第14層の間に、奇数層を飛ばして、両端が上下の偶数層に接合されるように、連続して設けられることになる。
なお、第1のブレース群2の各補強フレーム(第1補強フレーム3a〜第7補強フレーム3g)の下横材4a及び上横材4bは、例えば、アンカーボルト等によって躯体21の各層の仕口部、柱、梁、又は床の部分に直接に接合する方法、躯体21の各層の仕口部、柱、梁、又は床の部分に接合部材を介して間接的に接合する方法等によって躯体21に接合される。本実施の形態においては、躯体21の各層の柱又は梁の部分に接合部材としての床部を設け、この床部にアンカーボルト等によって接合している。
第2のブレース群10は、第1のブレース群2と同様に、鉄骨製の2本の横材12a、12bと縦材13a、13bとを四方枠組みして構成した鉄骨枠14内側に、鉄骨製の2本のブレース15、15をV字状又は逆V字状に配置し、各ブレース15の両端を鉄骨枠14側に接合して矩形状の補強フレーム11を構成し、この補強フレーム11を縦横に複数組み合わせて全体が格子状をなすように構成したものである。
なお、ブレース15は、V字状又は逆V字状に限らず、鉄骨枠14内に斜めに配置するように構成してもよい。
第2のブレース群10は、第1のブレース群2と同様に、7つの補強フレーム11(第1補強フレーム11a〜第7補強フレーム11g)を縦方向に組み合わせたものが横方向に2列に配置され、第1補強フレーム11aが躯体21の1層及び第2層に対応し、第2補強フレーム11bが3層及び4層に対応し、第3補強フレーム11cが5層及び6層に対応し、第4補強フレーム11dが7層及び8層に対応し、第5補強フレーム11eが9層及び10層に対応し、第6補強フレーム11fが11層及び12層に対応し、第7補強フレーム11gが13層及び14層に対応するように、7つの補強フレーム11(第1補強フレーム11a〜第7補強フレーム11g)の縦横の寸法が設定されている。
第2のブレース群10は、第1のブレース群2と同様に、各既存建物20の躯体21の外側の地盤に打設された杭22(又は直接基礎の場合には基礎)によって支持され、この状態で、第1補強フレーム11aの下横材12aが躯体21の第1層の床部に接合され、上横材12bが第3層の床部に接合され、第2補強フレーム11bの下横材12aが第3層の床部に接合され、上横材12bが第5層の床部に接合され、第3補強フレーム11cの下横材12aが第5層の床部に接合され、上横材12bが第7層の床部に接合され、第4補強フレーム11dの下横材12aが第7層の床部に接合され、上横材12bが第9層の床部に接合され、第5補強フレーム11eの下横材12aが第9層の床部に接合され、上横材12bが第11層の床部に接合され、第6補強フレーム11fの下横材12aが第11層の床部に接合され、上横材12bが第13層の床部に接合され、第7補強フレーム11gの下横材12aが第13層の床部に接合され、上横材12bが第14層の天井部(R層の床部)に接合されている。
これにより、第1補強フレーム11aの各ブレース15の両端が躯体21の第2層を飛ばして、第1層の床部及び第3層の床部に接合され、第2補強フレーム11bの各ブレース15の両端が第4層を飛ばして、第3層及び第5層の床部に接合され、第3補強フレーム11cの各ブレース15の両端が第6層を飛ばして、第5層の床部及び7層の床部に接合され、第4補強フレーム11dの各ブレース15の両端が第8層を飛ばして、第7層の床部及び第9層の床部に接合され、第5補強フレーム11eの各ブレース15の両端が第10層を飛ばして、第9層の床部及び第11層の床部に接合され、第6補強フレーム11fの各ブレース15の両端が第12層を飛ばして、第11層の床部及び第13層の床部に接合され、第7補強フレーム11gの各ブレース15の両端が第14層を飛ばして、第13層の床部及びR層の床部に接合されることになる。
つまり、第2のブレース群10の各補強フレーム11(第1補強フレーム11a〜第7補強フレーム11g)の各ブレース15は、躯体21の第1層〜第14層の間に、偶数層を飛ばして、両端が上下の奇数層に接合されるように、連続して設けられることになる
なお、第2のブレース群10の各補強フレーム11(第1補強フレーム11a〜第7補強フレーム11g)の下横材12a及び上横材12bは、第1のブレース群2と同様の方法によって躯体21に接合される。
そして、上記のような構成の第1のブレース群2及び第2のブレース群10を各既存建物20の躯体21の外側に設置し、第1のブレース群2及び第2のブレース群10の各補強フレーム3、11(第1補強フレーム3a、11a〜第7補強フレーム3g、11g)と躯体21とを一体化することにより、各既存建物20の躯体21を第1のブレース群2及び第2のブレース群10によって耐震補強することができる。
上記のように構成した本実施の形態の耐震補強構造及び耐震補強工法にあっては、複数の補強フレーム3、11を縦横に組み合わせて構成した第1のブレース群2と第2のブレース群10とを用い、第1のブレース群1の複数のブレース7(第1の補強フレーム3aのブレース7を除く)の各々の両端を、既存建物20の躯体21の奇数層を飛ばしてその上下の偶数層に接合し、第2のブレース群10の複数のブレース15の各々の両端を、既存建物20の躯体21の偶数層を飛ばしてその上下の奇数層に接合するように構成したので、各層にそれぞれブレースを配置した従来のものに比べて、全体としての接合箇所を少なくすることができ、耐震補強の施工に要する時間と手間と費用を削減することができる。
なお、上記の説明においては、第1のブレース群2の複数のブレース7の各々、及び第2のブレース群10の複数のブレース15の各々の両端を、既存建物20の躯体21の1層を飛ばしてその上下の層に接合するように構成したが、各ブレース群2、10の複数のブレース7、15の各々の両端を、既存建物20の躯体21の2層以上を飛ばしてその上下の層に接合するように構成してもよい。
また、上記の説明においては、既存建物20の躯体21の一側面(例えば、正面又は背面)の図1中の左側の部分及び右側の部分に対向するように、第1のブレース群2及び第2のブレース群10を設置したが、既存建物20の両側面(例えば、正面及び背面)に対向するように、第1のブレース群2及び第2のブレース群10を設置してもよい。さらに、既存建物20の躯体21の各側面(例えば、図1の正面、背面、右側面、及び左側面)に対応するように、第1のブレース群2及び第2のブレース群10を設置してもよい。
さらに、上記の説明においては、第1のブレース群2及び第2ブレース群10を、地盤に打設されている杭22(又は直接基礎の場合は基礎)によって支持するように構成したが、第2ブレース群2及び第2ブレース群10を、躯体21の第1層よりも上方の所定の範囲の層間に設置するように構成してもよい。
さらに、上記の説明においては、鉄骨枠6、14の内側にブレース7、15を設けて、鉄骨枠6、14を介してブレース7、15を躯体12側に接合したが、ブレース7、15を躯体21側に直接に接合してもよい。
以下、本発明の耐震補強構造による補強効果について、図2〜図4を参照しながら説明する。
図2に示すように、4階の既存建物の各階にそれぞれ100tの地震力が作用している状態を想定すると、既存建物の各階に作用するせん断力は、最上階からその階までの合計となり、最上階(第4層)が100t、3階(第3層)が200t、2階(第2層)が300t、1階(第1層)が400tとなる。
従来の耐震補強構造においては、図3に示すように、各階ごとにブレースを配置し、各ブレースを各階の柱又は梁に接合している。この耐震補強構造において、各ブレースが50tの荷重を負担するものとすると、最上階の第4層で既存建物からブレースに50tの荷重が伝達され、この50tの荷重が下方に順次伝達されて地盤まで伝達される。この結果、この補強構造において、建物の各階に作用するせん断力は、最上階の第4層が50t、第3層が150t、第2層が250t、第1層が350tとなる。
一方、本発明による耐震補強構造においては、図4に示すように、図中下側のブレースは、1層を飛ばして、両端を第1層及び第3層の床部に接合し、図中上側のブレースは、1層を飛ばして、両端を第3層の床部及びR層の床部に接合している。この耐震補強構造において、各ブレースが50tの荷重を負担するものとすると、最上階の第4層で既存建物からブレースに50tの荷重が伝達され、この50tの荷重が下方に順次伝達されて地盤まで伝達される。この結果、この耐震補強構造のせん断力は、最上階の第4層が50t、第3層が150t、第2層が250t、第1層が350tとなる。
従って、本発明の耐震補強構造のように、ブレースを1層飛ばして、両端をその上下の層に接合しても、従来の各層ごとにブレースを接合したものと同等の性能が得られることが分かる。
1 耐震補強構造
2 第1のブレース群
3 補強フレーム
3a 第1補強フレーム
3b 第2補強フレーム
3c 第3補強フレーム
3d 第4補強フレーム
3e 第5補強フレーム
3f 第6補強フレーム
3g 第7補強フレーム
4a、4b 横材
5a、5b 縦材
6 鉄骨枠
7 ブレース
10 第2のブレース群
11 補強フレーム
11a 第1補強フレーム
11b 第2補強フレーム
11c 第3補強フレーム
11d 第4補強フレーム
11e 第5補強フレーム
11f 第6補強フレーム
11g 第7補強フレーム
12a、12b 横材
13a、13b 縦材
14 鉄骨枠
15 ブレース
20 既存建物
21 躯体
22 杭

Claims (6)

  1. 複数層からなる既存建物の耐震補強構造であって、
    前記既存建物の躯体の外側に設置され、前記躯体の少なくとも1層を飛ばして、両端がその上下の層のみにおいて躯体に直接又は接合部材を介して間接的に接合されるブレースが、前記躯体の所定の階層範囲内に上下に連続して複数設けられたブレース群を複数備え、
    前記複数のブレース群は、横並びに設置され、
    各ブレース群のブレースは、他のブレース群のブレースが接合される層とは異なる層に接合されていることを特徴とする耐震補強構造。
  2. 前記所定の階層範囲は、前記躯体の第1層から、上方の所定の層までの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の耐震補強構造。
  3. 前記躯体の偶数層を飛ばして、両端がその上下の奇数層に接合される複数のブレースからなる第1のブレース群と、
    前記躯体の奇数層を飛ばして、両端がその上下の偶数層に接合される複数のブレースからなる第2のブレース群とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐震補強構造。
  4. 前記各ブレースの両端は、前記躯体の仕口部、柱、梁、又は床の部分に直接又は接合部材を介して間接的に接合されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の耐震補強構造。
  5. 前記ブレースは、横材と縦材とを四方枠組みして構成した補強フレームの内側に設けられ、両端が前記補強フレーム側に接合され、該補強フレームを介して前記躯体側に接合されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の耐震補強構造。
  6. 複数層からなる既存建物の耐震補強方法であって、
    前記既存建物の躯体の外側に、複数のブレースからなるブレース群を複数、横並びに設置し、
    各ブレース群のブレースを、前記躯体の少なくとも1層を飛ばして、両端をその上下の層のみにおいて躯体に直接又は接合部材を介して間接的に接合して、前記躯体の所定の階層範囲内に上下に連続するように設けるとともに、各ブレース群のブレースを他のブレース群のブレースを接合する層とは異なる層に接合することを特徴とする耐震補強方法。
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