JP5515300B2 - 吸音体 - Google Patents
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Description
また、本発明は、管状の柱の形状で、当該形状の外側面と内側面との間に中空部を有し、前記内側面を一周し、前記中空部と前記内側面より内側の空間とを繋げる環状の開口部を有し、前記内側面より内側の空間は、前記柱の形状の中心軸に沿った方向の少なくとも一方が開口し、前記中空部は、前記柱の形状の上壁と下壁により前記方向の両端が閉塞し、前記中空部を前記外側面側の空間と前記内側面側の空間とに区切る仕切部材を有し、前記仕切部材で区切られて前記外側面側にある空間と、前記外側面より外側の空間とを繋げる環状の開口部を有し、前記内側面を一周する環状の開口部は、前記仕切部材で区切られて前記内側面側にある空間と、前記内側面より内側の空間とを繋げ、前記内側面より内側の空間を仕切る部材を有しない吸音体を提供する。
図1は本発明の一実施形態に係る吸音体1の外観を示した図、図2は吸音体1の部分断面図である。
吸音体1の素材は合成樹脂であり、外形は管状の柱の形状であって、円形の一方の端面側(上壁2)から他方の円形の端面側(下壁3)へ貫通した貫通孔10が設けられている。また、吸音体1は、外周面(外壁4)と内周面(内壁5)との間に円環状の中空部20を有し、吸音体1においては、貫通孔10から中空部20へ貫通した円環形状の開口部30が設けられている。
一方、本発明に係る吸音体1においては、中空部20と開口部30が円環状であって、開口部30の空気と接触する内壁5の面積を広くとることができるため、開口部30で振動する空気の摩擦を多くして、効率良く吸音を行うことができる。
また、特許文献1に開示された吸音パネルと比較しても、開口部30が円環状であって、摩擦が生じる空気の量を多くすることができるため、効率良く吸音を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
また、仕切部21で仕切られてできた複数の中空部の容積を異ならせたり、開口部30についても仕切られた各中空部に繋がる部分の寸法を中空部毎に異ならせたりし、共鳴する周波数が各中空部で異なるようにしてもよい。
また、図3においては仕切部21は中空部20のみを仕切っているが、開口部30も仕切るようにしてもよい。また、仕切部21で中空部20を仕切るときは、仕切られた各空間の容積が各々同じとなるようにしてもよい。また、仕切られた各空間が相互に連成するように仕切部21を設けるようにしてもよい。また、仕切部21で仕切られた開口部30においては、仕切られた各開口部の寸法がそれぞれ異なるようにしてもよい。
また、中空部20に複数の仕切りを設け、中空部20を径方向へ2つに区切るようにしてもよい。そして、この仕切りで上壁2と下壁3を支持し、内壁5側の開口部30に加えて、外周面から中空部20へ貫通した円環形状の開口部30を設けるようにしてもよい。
吸音体1Aの素材は合成樹脂であり、外形は円柱状であって、内部は中空となっている。また、吸音体1Aの内部においては、円柱形状の柱部40が円形の上壁2と円形の下壁3の中心部分に固着または形成されており、円環状の中空部20が形成されている。また、吸音体1Aの外周面(外壁4)には、外周面から中空部20へ貫通した円環形状の開口部30が設けられている。
また、開口部30についても、上壁2側から見た時の形状は円形に限定されるものではなく、環状であれば多角形や楕円形であってもよい。
また、吸音体1,1Aの外形についても上壁2側から見た時の形状は円形に限定されず、多角形や楕円形であってもよい。吸音体1,1Aの上壁2側から見た時の形状が例えば正六角形であれば、吸音体1,1Aを音響室の境界面に隙間無く配置することができる。
この構成においても、開口部30の空気と、上壁2との間、および開口部30の空気と内壁5において開口部30に対面する面との間で摩擦が発生し、この摩擦によって音響エネルギーが熱エネルギーに変換されて消費され、吸音がなされる。
まず、図9(a)は、吸音体1Bの寸法と吸音体1Bの共振周波数を示した表である。吸音体1Bの中空部20の外径D2を400[mm]、中空部20の内径D1(開口部30の外径)を200[mm]、中空部20の高さH1を100[mm]とし、開口部30の内径を100[mm]、上壁2から内壁5までの距離H2を5[mm]とすると、共振周波数は82[Hz]〜109[Hz]の間に存在する。
この共振周波数と同じ共振周波数を持ち、外径が同じである吸音体1Cを設計すると、共振周波数を82[Hz]とする場合、各部の寸法は図9(b)に示した寸法となり、共振周波数が109[Hz]とする場合、各部の寸法は図9(c)に示した寸法となる。
図9(a)〜(c)に示した寸法を比較すると、吸音体1Bにおいては吸音体1Bの高さが約100[mm]であるのに対し、吸音体1Cの形状では、共振周波数を82[Hz]とするために吸音体1Cの高さとして、L3+H2より高い188[mm]以上の高さが必要となる。つまり、本発明に係る吸音体1Bは、吸音体1Cより高さを抑えることができる。
なお、吸音特性を測定する際には、点音源から1[m]離れた位置に孔10B側を点音源に向けて吸音体1Bを配置し、孔10Bの中心軸上で吸音体1Bから0.2[m]離れた位置に観測点を配置した。また、吸音体1Cについては、点音源から1[m]離れた位置に孔10C側を点音源に向けて吸音体1Cを配置し、孔10Cの中心軸上で吸音体1Cから0.2[m]離れた位置に観測点を配置した。
図10は、この測定した吸音特性を示したグラフである。図10において実線と塗りつぶされた四角形で示されているグラフは吸音体1Bの吸音特性であり、点線と塗りつぶされた三角形で示されているグラフは吸音体1Cの吸音特性である。吸音体1Bと吸音体1Cとを比較すると、吸音体1Bにおいては、観測点における音圧レベルが吸音体1Cより低い周波数があり、音を吸音できていることが分かる。
Claims (3)
- 管状の柱の形状で、当該形状の外側面と内側面との間に中空部を有し、
前記内側面を一周し、前記中空部と前記内側面より内側の空間とを繋げる環状の開口部を有し、
前記内側面より内側の空間は、前記柱の形状の中心軸に沿った方向の少なくとも一方が開口し、
前記中空部は、前記柱の形状の上壁と下壁により前記方向の両端が閉塞し、前記柱の形状の中心軸の方向から前記外側面の方向へ放射状に形成された仕切部材で複数の空間に分けられ、
前記複数の空間の容積が異なり、
前記内側面より内側の空間を仕切る部材を有しない吸音体。 - 管状の柱の形状で、当該形状の外側面と内側面との間に中空部を有し、
前記内側面を一周し、前記中空部と前記内側面より内側の空間とを繋げる環状の開口部を有し、
前記内側面より内側の空間は、前記柱の形状の中心軸に沿った方向の少なくとも一方が開口し、
前記中空部は、前記柱の形状の上壁と下壁により前記方向の両端が閉塞し、
前記中空部を前記外側面側の空間と前記内側面側の空間とに区切る仕切部材を有し、
前記仕切部材で区切られて前記外側面側にある空間と、前記外側面より外側の空間とを繋げる環状の開口部を有し、
前記内側面を一周する環状の開口部は、前記仕切部材で区切られて前記内側面側にある空間と、前記内側面より内側の空間とを繋げ、
前記内側面より内側の空間を仕切る部材を有しない吸音体。 - 中空部を有する柱の形状であって、
当該形状の外周面を一周し、前記中空部と外部とを繋げる環状の開口部を有し、
当該柱の形状の内部において前記中空部を形成する上壁と下壁とに繋がる柱部を有する
吸音体。
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