JP5515275B2 - 輸液バッグ収納用外装袋およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、易酸化性の内容物が充填された包装袋を収納するために使用する酸素バリア性を有する外装袋に関し、特に医療、医薬品分野において輸液等の薬液を充填したソフトバッグの収納用として好適に使用される輸液バッグ収納用外装袋およびその製造方法に関する。
医療、医薬品分野において、アミノ酸輸液、糖・電解質輸液、リンゲル液等の薬液が充填されたソフトバッグを収納する外装袋としては、一般の包装袋にはないさまざまな品質が要求される。例を挙げれば、有害物や菌の付着がない衛生性、内容物を酸化から守る酸素バリア性、内容物に異物が移行しない非移行性の他、充填ラインにおける非汚染性、低温シール性、易充填性(滑り性)等の品質である。特に非移行性については、内容物の性質上、厳しい規格が課せられている。
従来の外装袋は、少なくとも酸素バリア層、熱融着層がラミネートされた積層包装袋であり、熱融着層は、製膜中の熱酸化を防止するフェノール系、リン系化合物に代表される酸化防止剤と、巻き取り時の包装材料同志の密着(ブロッキング)を防止する、シリカ、合成ゼオライトに代表されるアンチブロッキング剤(以下AB剤と略す)と、製袋適性、充填適性を付与するための、脂肪酸アミドに代表されるスリップ剤、更にはステアリン酸カルシウムに代表される熱安定剤等の各種添加剤を含んだポリオレフィン系樹脂で構成されている。
スリップ剤の多くは、高分子中を移動して内容物と接触する側の熱融着層表面に移行する事で滑り性を付与している。スリップ剤としては、従来不飽和脂肪酸モノアミドであるエルカ酸アミドが広く用いられているが、エルカ酸アミドは、融点が82℃であり、比較的低温でも高分子中を動きやすいため、熱融着層表面から収納物である輸液バッグに転移し、更には輸液バッグの包装材料中を移動して内容液にまで到達する場合がある事が知られている。エルカ酸アミドの過剰なブリードアウトは、内溶液の汚染、ラミネート工程、及び充填ラインでのロール汚れ、更にはラミネート阻害、シール阻害を起こすことがあるという問題があった。
上記問題点を解決するものとして、脂肪酸アミドの量を極力低減し、従来の滑り性を補う為にAB剤を多く添加したり、AB剤の種類を変更したり、更にはポリオレフィンの密度を上げる事が実施されてきた。しかし、AB剤を多くする事で熱溶着層の透明性が劣ったり、物理強度が弱くなったり、シール強度が弱くなったりする懸念事項があった。更には、ポリオレフィンの密度を上げる事で低温シール性が落ち、充填ライン適性が悪くなるという問題も発生した。
特許文献1に記載されたラミネート用ポリエチレン系積層体は、基剤と貼り合せて熱融着層として用いる積層体であり、滑り性や低温シール性を改善する目的で提案されたものである。この積層体は、特許請求の範囲に記載された通り、片面にシーラント層と、前記シーラント層と反対の面にラミネート面とを有する共押出し法により多層に製膜された積層体であって、前記積層体のヤング率が1500kgf/cm2以上であり、前記積層体のシーラント層が平均密度が0.880〜0.915g/cm3の範囲で、さらに前記シーラント層を構成する樹脂の50重量%以上が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなり、また、前記積層体の構成中に、平均密度が0.915g/cm3以上であって、50重量%以上が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である層が積層されていることを特徴とするラミネート用ポリエチレン系積層体である。特許文献1の実施例には、シーラント層としてポリエチレン系樹脂100に対してエルカ酸アミド0.15重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.15重量部、AB剤(平均粒径8μm、球状、合成ゼオライト)を1.0重量部添加。中間層にポリエチレン系樹脂100に対してエルカ酸アミド0.15重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.15重量部を添加する旨、記載されている。
また特許文献2に記載されたラミネート用ポリエチレン系積層体は、特許文献1に記載された積層体と同様に、基剤と貼り合せて熱融着層として用いる積層体であり、同様に滑り性や低温シール性を改善する目的で提案されたものである。この積層体は、特許請求の範囲に記載された通り、片面にシーラント層と、前記シーラント層と反対の面にラミネート面となるラミネート層とを有する共押出し法により多層に製膜されたポリエチレン系樹脂からなる積層体であって、前記積層体のヤング率が1500kgf/cm2以上であり、前記積層体のシーラント層が平均密度が0.880g/cm3〜0.915g/cm3の範囲で、前記シーラント層を構成する樹脂の50重量%以上が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であり、また、前記シーラント層以外のポリエチレン系樹脂層は、その平均密度が0.920g/cm3以上で、その厚みの和が前記積層体の総厚みの50%〜90%であり、更に、前記ラミネート層を除く全層には、少なくとも有機添加剤として、それぞれのポリエチレン系樹脂100重量部に対してエルカ酸アミド0.5重量部とエチレンビスオレイン酸アミド2.0重量部とが添加され、また、前記積層体のラミネート面が表面処理により、38dyne/cm以上の表面濡れ性を有することを特徴とするラミネート用ポリエチレン系積層体である。
特許文献1および特許文献2に記載されたポリエチレン系積層体は、いずれも十分な滑り性と腰の強さとを有するため、良好な充填適性やシール性を有するものであり、一般的な用途の包装袋としては有用であるが、いずれもスリップ剤、なかでもエルカ酸アミドの配合量が多すぎて、過剰なブリードアウトを生じる危険性があり、医薬品用外装袋を始めとする規格の厳しい用途には適合しないものである。
特開平11-198323号公報 特許第3883682号公報
本発明の課題は、スリップ剤の過度なブリードアウトによって発生する内容物の汚染や充填時のロール汚れを生じない、酸素バリア性に優れた外装袋を提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、酸素バリア性を有する単層または積層フィルムに、接着剤層を介して熱融着層を積層した包装材料の熱融着層どうしを対向させて周縁部を熱融着させた輸液バッグ収納用外装袋であって、熱融着層がポリオレフィン系樹脂からなり、100ppm以上1000ppm以下の含有量であるエチレンビスオレイン酸アミドと2000ppm以上20000ppm以下の含有量であるシリカ系アンチブロッキング剤を含有し、厚さが50〜90μmであり、JIS P8147に準拠して測定した静摩擦係数であるtanθが0.5未満であることを特徴とする輸液バッグ収納用外装袋である。
また、請求項に記載の発明は、前記接着剤層を形成する接着剤が二液型ウレタン樹脂接着剤であり、積層した包装材料を温間養生することによって接着剤層の硬化と、エチレンビスオレイン酸アミドの熱融着層表面へのブリードアウトを促進した工程を含むことを特徴とする請求項1記載の輸液バッグ収納用外装袋の製造方法である。
本発明に係る輸液バッグ収納用外装袋(以後単に外装袋と称する)は、酸素バリア性を有する単層または積層フィルムに、接着剤層を介して熱融着層を積層した包装材料の熱融着層どうしを対向させて周縁部を熱融着させた外装袋であって、熱融着層がポリオレフィン系樹脂からなり、エチレンビスオレイン酸アミドとシリカ系アンチブロッキング剤を含有し、厚さが50〜90μmであり、滑り性を表すtanθが0.5未満であることを特徴とする外装袋であり、スリップ剤としてブリードしやすいエルカ酸アミドの過剰な使用を避けることができるため、スリップ剤のブリードアウトに起因するさまざまな問題点を回避することが可能となる。
また熱融着層の熱融着面の反対面側に酸素バリア性を有する単層または積層フィルムが存在するため、スリップ剤は、この層を貫通して移動することができず、熱融着層表面に集中してブリードアウトするために、少量の添加であっても十分その機能を発揮することが可能であり、スリップ剤の添加量が少なくて済む。またさらに熱融着層の厚さを50〜90μmとしたので、熱融着層に含まれるスリップ剤の絶対量も少なくなり、過剰なスリップ剤のブリードアウトに起因する問題を回避することが本質的に可能となる。
また、シリカ系AB剤の添加により包装材料フィルムの巻取時のブロッキングや、製袋後の熱融着層どうしのブロッキングを防止したことと、熱融着層の滑り性を表すtanθを0.5未満としたことにより、充填ラインにおける各種適性を満足することができる。
また、熱融着層に100ppm以上1000ppm以下の含有量であるエチレンビスオレイン酸アミドと2000ppm以上20000ppm以下の含有量であるシリカ系アンチブロッキング剤を含有しているため、医薬品用ソフトバッグの外装袋に代表される極めて厳しい品質規格を必要とする用途に対しても、要求される規格を安定的に満足することが可能となる。
また、熱融着層と酸素バリア層を接着する接着剤が二液型ウレタン樹脂接着剤であり、積層した包装材料を温間養生することによって接着剤層の硬化と、エチレンビスオレイン酸アミドの熱融着層表面へのブリードアウトを促進したことを特徴とする外装袋にあっては、温間養生によって接着剤層の完全硬化と、スリップ剤の集中的なブリードアウトをほぼ完了することができるので、包装材料の生産から出荷までのリードタイムを短縮することができる。また出荷後の経時による品質の変化が少なく、品質の安定した製品を供給することが可能となる。
以下図面に基づき、本発明に係る外装袋を実施するための最良の形態について具体的に説明する。図1は、本発明に係る外装袋に用いる包装材料の一実施態様を示した断面模式図である。印刷基材層1としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)、延伸ナイロンフィルム(ONy)など、各社から上市されている包装材料用延伸フィルムが使用可能である。各種フィルムの厚さに関しては特に制限はないが、PETフィルムであれば30μm以下、OPPフィルムであれば20〜40μm程度、ONyフィルムであれば10〜30μm程度が適当である。印刷基材層1の表面には、内容物に関する絵柄や情報などを表す印刷を施すことができる。
酸素バリア層2としては、上記印刷基材層1に使用されるフィルムと同様のフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素などの金属酸化物を蒸着して、ガスバリア性を発揮するようにしたガスバリア性フィルムでも良いし、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)等の単体のガスバリア性フィルムでも良い。これら単体のバリアフィルムは、酸素に対するバリア性は優れているが、水蒸気は透過するのに対して、金属酸化物を蒸着したガスバリアフィルムは、水蒸気に対す
るバリア性も優れているので、より厳しいバリア性の規格を必要とする用途には好ましく使用できる。
また、金属酸化物を蒸着したガスバリアフィルムは、熱融着層に使用するスリップ剤のマイグレーションを遮断する効果が高く、熱融着層に添加されたスリップ剤を熱融着面側に集中的にブリードアウトさせる効果を有するのでさらに好ましい。
図1に示した実施態様においては、印刷基材層1と酸素バリア層2とは、別々のフィルムとなっており、接着剤層4によってラミネートされているが、酸素バリアフィルム1層で、両者の役割を兼ねても良い。
熱融着層3としては、低密度ポリエチレン樹脂フィルム(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂フィルム(MDPE)、ポリプロピレン樹脂フィルム(PP)などの未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムが使用できる。この他、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂のフィルムなども使用することができる。
これらの熱融着層3には、スリップ剤として少なくともエチレンビスオレイン酸アミドが100ppm以上、1000ppm以添加されている。100ppm未満では、スリップ性が不十分な場合があり、1000ppmより多い場合には熱融着層表面へのスリップ剤のブリードアウト量が多すぎて、酸素バリア層とのラミネート工程において十分なラミネート強度が出ないラミネート阻害を発生したり、製袋工程において十分なシール強度が出ないシール阻害を生じたり、ラミネート工程や充填工程においてスリップ剤によるロール汚染を生じたりすることがある。またさらには、スリップ剤が内溶物であるソフトバッグ内容液にまで移行して内容液の汚染を引き起こす場合がある。エチレンビスオレイン酸アミドの分子量は、スリップ剤として汎用的に使用されているエルカ酸アミドの約1.5倍であるから、高分子中における拡散速度は遅くなるため上記の問題は生じにくいが、医療用ソフトバッグの外装袋等に使用する場合には、特段の注意が必要である。
また、熱融着層3には、シリカ系AB剤を2000ppm〜20000ppm添加するAB剤が2000ppm未満では、アンチブロッキング効果が不十分な場合があり、保存条件等によってはブロッキングを生じる場合がある。また20000ppmを超える場合には、ラミネート阻害やシール強度不足が発生する危険性がある。なお、AB剤としては、一般的に使用されるゼオライト等の多孔質材料を用いると、その内部空間にスリップ剤が選択的にトラップされ、スリップ剤の効果が阻害される場合があるので、シリカ系のAB剤を使用することが望ましい。
熱融着層3の厚さについては、50μm以上90μm以下であり、滑り性を表すtanθが0.5未満である滑り性は、JIS P8147に準拠した試験方法により、静摩擦係数であるtanθで表される。滑り性を表すtanθが0.5以上であると、滑り性が不足して充填適性において問題が生じる場合がある。熱融着層3の厚さが50μm未満であると、滑り性を表すtanθを0.5未満にすることが困難であり、厚さが90μmを超える場合には、スリップ剤の絶対量が多くなるためにスリップ剤のブリードアウトが過剰になり、場合によっては内容物への汚染に繋がる恐れがある。
接着剤層4、5については、一般的にドライラミネーションに用いられる1液または2
液硬化型ウレタン系接着剤が使用可能であり、乾燥時の塗布量としては、2〜3g/m2程度が接着強度と良好な滑り性の点から好ましい。塗布量が少なすぎる場合には、接着強度が不足して、製袋工程においてデラミネーション等の問題が生じる場合がある。また、塗布量が多すぎる場合、熱融着層に含まれるスリップ剤が接着剤層に吸収されて不足をきたし、滑り性が十分発揮されない恐れがある。
ウレタン系接着剤の特性として加工後の経時(エージング)によって接着強度が徐々に上昇するので、ドライラミネーション加工後は、40℃〜50℃の環境に1〜2日程度保管して、温間養生を行うことが望ましい。温間養生を行うことにより、接着剤層の硬化が促進されると共に、スリップ剤のブリードアウトが促進されるため、温間養生終了時点で、ラミネート強度や滑り性等において包装材料が持つ本来の性能がほぼ発揮され、それ以後は経時による性能の変化が少なくなるため、品質の安定した製品が得られる。
温間養生を行わない場合、特に冬期等の低温時には、包装材料を生産してから、使用するまでのリードタイムを十分にとらないと、ラミネート強度の発現やスリップ剤のブリードアウトに伴う滑り性の発現が遅れ、製袋工程や充填工程において問題が発生する場合がある。
本発明に係る外装袋の最も好ましい実施態様としては、少ない量のスリップ剤を添加した厚さの薄い熱融着層を使用し、さらに温間養生を行うことによって熱融着層中に含まれるスリップ剤のブリードアウトを促進させることにより、必要最低量のスリップ剤を熱融着層の表面に集中させて、必要な滑り性を確保すると同時に内容物へのスリップ剤の移行を防止することが可能となる。
図2は、本発明に係る外装袋の使用形態を示した模式図である。本発明に係る外装袋10は、図1に示したような包装材料7の熱融着層面どうしを向い合わせて、端部に熱シールを施してシール部9としたものであり、通常は1端のみを未シール状態の開口部とした状態で供給し、この例では内容物であるソフトバッグ8を収納した後、開口部を熱シールして完成品となる。
外装袋に内容物を収納(充填)する際に、外装袋の内面がある程度の滑り性を持っていないと、収納適性(充填適性)が劣ることになるため、外装袋の内面である熱融着層にはスリップ剤を添加する必要がある。しかしソフトバッグ8の外表面には外装袋10の内表面である熱融着層面が直接接触するので、この熱融着層面にスリップ剤などの添加剤が高濃度に存在すると、保存条件によってはこの添加剤がソフトバッグの包装材料を貫通して内溶液にまで到達する場合があり、大きな問題となる。
内溶液に到達したスリップ剤は、内溶液中に不溶性微粒子として存在するので、微粒子測定装置(パーティクルカウンター)によって簡易的に検出することができる。
以下実施例および比較例に基づき、本発明に係る外装袋について、さらに具体的に説明する。実施例と比較例1〜5における包装材料の基本構成は共通であり、比較例1〜4においては、熱融着層の仕様のみ異なっている。また比較例5においては、AB剤の仕様が異なっている。
(基本構成)印刷基材層/接着剤層/酸素バリア層/接着剤層/熱融着層
印刷基材層:OPP、フタムラ化学(株)製 FOR、厚さ30μm
酸素バリア層:透明蒸着ガスバリアフィルム、凸版印刷(株)製 GL−E、PET12μmベース
接着剤層:2液硬化型ウレタン系接着剤、三井化学ポリウレタン(株)製 A525/A52 乾燥塗布量3g/m2
熱融着層:メタロセン系LLDPE、(株)プライムポリマー製 エボリュー(登録商標)SP2020、密度0.915g/cm3、MFR2.2g/10min、厚さ60μm
スリップ剤:エチレンビスオレイン酸アミド、日本油脂(株)製 アルフロー(登録商標)AD−281−F、500ppm
AB剤:シリカ、富士ゲル販売(株)製 サイリシア(登録商標)、平均粒径2〜3μm、10000ppm
上記包装材料の基本構成に基づく仕様とした。
以下比較例については、基本構成と異なる仕様あるいは、注目すべき仕様のみを記す。
<比較例1>
熱融着層厚さ:60μm
スリップ剤:無添加
<比較例2>
熱融着層厚さ:60μm
スリップ剤:エルカ酸アミド(日本油脂(株)製 アルフロー(登録商標)P−10)、500ppm
<比較例3>
熱融着層厚さ:40μm
スリップ剤:基本構成と同じ
<比較例4>
熱融着層厚さ:100μm
スリップ剤:基本構成と同じ
<比較例5>
熱融着層厚さ:60μm
スリップ剤:基本構成と同じAB剤:合成ゼオライト、平均粒径8μm、球形状
実施例1および比較例1〜5の各包装材料を用いて開口部が未シール状態の輸液バッグ用外装袋を作成し、下記項目について評価を行った。
<評価項目と評価方法>
(滑り性の測定):包装材料の熱融着層面の静摩擦係数、JIS P8147準拠傾斜角
法、tanθエージングなし、23℃×7日エージング後、50℃×2日エージン
グ後の3通りについて測定した。50℃×2日のエージングは温間養生に相当する。(充填適性の評価):50℃×2日のエージングを施したサンプルについて、実際の輸液
バッグ充填ラインにて充填適性を評価した。
○:問題なし、△:10%未満の充填不良発生、×:10%以上の充填不良発生
(不溶性微粒子測定):50℃×2日のエージングを施したサンプルについて、市販の輸
液バッグ(大塚製薬工場(株)製 アミノトリパ(登録商標)2号)を収納し、40
℃、75%RH環境下で6ヶ月保存後、内容液中の不溶性微粒子をパーティクルカウ
ンターにて測定した。検体数は、n=3とした。
測定機:光遮断型自動微粒子測定装置 KL−04
微粒子限度値:10μm以上の微粒子の個数:25個/mL以下
25μm以上の微粒子の個数:3個/mL以下
比較例1をブランクとして、これとの差異も判断基準とした。
○:全ての検体において限度値以下であった
△:3個の検体のうち1検体のみ限度値以下であった
×:全ての検体において限度値以上であった
以上の実験結果を表1に示した。
Figure 0005515275
表1の結果によると、実施例1の外装袋は、温間養生後に滑り性を表すtanθが0.5以下となり良好な充填適性を示した。不溶性微粒子についてもすべての検体において限度値以下であった。スリップ剤を添加しない比較例1では、滑り性を表すtanθが0.6以上であり滑り性が劣るため、充填適性に問題があるが、不溶性微粒子については、当然のことながら限度値以下である。
スリップ剤の種類をエルカ酸アミドに変更した比較例2では、スリップ剤がブリードアウトしやすい性質のものであるため、エージングの有無にかかわらず滑り性を表すtanθは0.5以下であり、充填適性は良好であるが、不溶性微粒子測定において基準を上回り、不合格であった。熱融着層の厚さを40μmとした比較例3では、スリップ剤の絶対量が不足するため滑り性が十分でなく、充填適性が劣る。また熱融着層の厚さを100μmとした比較例4では、スリップ剤の絶対量が多すぎて不溶性微粒子測定において限度値を超えた検体が発生した。またAB剤をゼオライトに変更した比較例5では、スリップ剤がAB剤に吸着されて不足するため、滑り性が劣り、充填適性において若干問題が生じた。
本発明に係る外装袋に用いる包装材料の一実施態様を示した断面模式図である。 本発明に係る外装袋の使用形態を示した模式図である。
符号の説明
1・・・印刷基材層
2・・・酸素バリア層
3・・・熱融着層
4・・・接着剤層
5・・・接着剤層
6・・・積層フィルム
7・・・包装材料
8・・・ソフトバッグ
9・・・シール部
10・・・外装袋

Claims (2)

  1. 酸素バリア性を有する単層または積層フィルムに、接着剤層を介して熱融着層を積層した包装材料の熱融着層どうしを対向させて周縁部を熱融着させた輸液バッグ収納用外装袋であって、熱融着層がポリオレフィン系樹脂からなり、
    100ppm以上1000ppm以下の含有量であるエチレンビスオレイン酸アミドと2000ppm以上20000ppm以下の含有量であるシリカ系アンチブロッキング剤を含有し、厚さが50〜90μmであり、JIS P8147に準拠して測定した静摩擦係数であるtanθが0.5未満であることを特徴とする輸液バッグ収納用外装袋。
  2. 前記接着剤層を形成する接着剤が二液型ウレタン樹脂接着剤であり、積層した包装材料を温間養生することによって接着剤層の硬化と、エチレンビスオレイン酸アミドの熱融着層表面へのブリードアウトを促進した工程を含むことを特徴とする請求項1記載の輸液バッグ収納用外装袋の製造方法
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