以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るラベル装着装置の外観を示す斜視図であり、図2は、同ラベル装着装置を上から見た図であり、図3は、同ラベル装着装置を正面から見た図である。
ラベル装着装置1は、ボトル供給部2、ラベル供給部3、ロータリー型のラベル装着部4、ボトル搬出部5及びラベル装着不良解析部6を備える。
ボトル供給部2は、ラベルを装着すべきPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂からなる多数のボトルタイプの容器(以下、「ボトル」という。)を所定の間隔で連続的にラベル装着部4に供給する機能を果す部分である。
ラベル供給部3は、ポリエステル系樹脂やポリエチレン系樹脂などからなる、筒状で帯状の熱収縮フィルム(シュリンクフィルム)に多数の同一絵柄(ラベル)を一定間隔で印刷したラベル基材Mをラベル切断位置P0(図5参照)に搬送し、そのラベル基材Mの搬送速度に同期して当該ラベル基材Mの各ラベルL(図3参照)の境界位置を切断することにより多数のラベルLを所定の間隔で連続的にラベル装着部4に供給する機能を果す部分である。
ラベル装着部4は、ボトル供給部2から所定の間隔で供給される多数のボトルBを所定の円軌道上を周回させながら各ボトルBにラベル供給部3から供給される多数のラベルLをそれぞれ装着する機能を果す部分である。
ボトル搬出部5は、ラベル装着部4でラベルLが装着されたボトルB(ラベル付きボトルB)を受け取り、後工程に搬出する機能を果す部分である。
ラベル装着不良解析部6は、ラベル装着部4のラベル供給部3から供給されるラベルLを受け取る位置P1(以下、「ラベル受取位置」という。)、ラベル装着部4のボトルBにラベルLが装着される位置P2(図2参照。以下、「ラベル装着位置」という。)、ラベル装着位置P2の一つ後のボトルBの位置P3(図2参照。以下、「ラベル検査位置」という。)及びラベル装着部4のボトル供給部2から供給されるボトルBを受け取る位置P4(以下、「ボトル受取位置」という。)の各位置でラベル装着部4に供給されるボトルB、ラベルL、ラベル付きボトルB及びラベル付きボトルBの検査部分をそれぞれカメラ63、カメラ64、カメラ62、カメラ61で撮影し、ラベル付きボトルBの検査部分の撮影画像を用いて各ラベル付きボトルBのラベル装着の良否の検査を行う。また、ラベル装着不良解析部6は、その検査で不良になった場合は、その製品に関係するラベルL、ボトルB及びラベル付きボトルBの各撮影画像を当該製品のラベル検査部分の撮影画像とともに保存し、それらの撮影画像を用いて不良原因を解析する機能を果す部分である。そして、本実施形態に係るラベル装着装置1は、ラベル装着不良解析部6を備える点に特徴を有する。
図1〜図3において、ラベル装着部4を基準に見ると、正面視でボトル供給部2はラベル装着部4の手前左側に配置され、ボトル搬出部5はラベル装着部4の手前右側に配置されている(図2,図3参照)。ラベル供給部3は、原反からラベル基材Mを繰り出し、そのラベル基材Mをラベル切断位置P0(図5参照)に搬送して切断する機構を備えるが、図1〜図3では、ラベル基材Mを原反からラベル切断位置P0に搬送する部分は省略し、ラベル切断位置P0でラベル基材Mから各ラベルLを切り離してラベル装着部4に供給する部分のみをラベル供給部3として記載している。
ラベル供給部3のラベル基材Mから各ラベルLを切り離してラベル装着部4に供給する部分は、ラベル基材Mを上から下に搬送して各ラベルLを切り離し、切り離したラベルLをラベル装着部4でテイクアップ部材423(図5,図6参照)を横方向に移動させて受け取る構成であるので、正面視でラベル装着部4の右側上部に配置されている。
なお、ラベル装着部4は、時計回りに回転するリング状の支持盤40を備えている。この支持盤40には周縁に沿って30個のボトルBを保持するボトル保持部(図1〜図3では見えていない)が等間隔(角度で12°間隔)で設けられ、各ボトル保持部の上部に、ラベル供給部3から供給される筒状のラベルLを受け取り、当該ラベルLを筒型に開いて各ボトル保持部に保持されているボトルBに被せるようにして装着するラベル装着ヘッド41(図2,図3参照)が設けられている。
図2において、リング状の支持盤40の中心から右方向を回転の基準方向とし、この基準方向の線上でラベル装着ヘッド41が通過する位置を各ラベル装着ヘッド41の回転基準位置αとすると、その回転基準位置αの上方にラベル受取位置P1が設けられている。また、その基準方向から時計回り(支持盤40が回転する方向)に回転角「+θ」を取ると、+60°の方向にボトル搬出部5にボトルBを受け渡すボトル受渡位置P5が設けられ、+120°回転した位置にボトル供給部2からボトルBを受け取るボトル受取位置P4が設けられている。
30本のラベル装着ヘッド41は、ラベル受取位置P1を通過する毎にそれぞれラベル供給部3から供給されるラベルLを受け取る。また、支持盤40上の30個のボトル保持部は、ボトル受取位置P4を通過するときにそれぞれボトル供給部2から供給されるボトルBを受け取り、ボトル受渡位置P5を通過するときにそれぞれラベルLが装着されたボトルB(ラベル付きボトルB)をボトル搬出部5に受け渡す。なお、ボトル保持部に保持されたボトルBは、ボトル受取位置P4からボトル受渡位置P5に移動するまでの間(支持盤40が5/6回転する間)にラベル装着ヘッド41によってラベルLが装着される。
ボトル供給部2は、多数のボトルBを搬送するベルトコンベア20と、ベルトコンベア20で搬送された多数のボトルBを所定の間隔で一列に整列させて搬送するスクリュー21と、スクリュー21によって所定の間隔で搬送される多数のボトルBをそれぞれ受け取ってラベル装着部4に渡すスターホイール22とを備える。
ベルトコンベア20及びスクリュー21はボトルBの搬送方向の上流側から下流側(図2で左側から右側)にその順に配置され、スターホイール22はスクリュー21の後端部とラベル装着部4の間に配置されている。スターホイール22は、周縁に16個の凹部を有し、上面視で反時計周りに回転してスクリュー21によって搬送される各ボトルBを各凹部で受け取り、ラベル装着部4のボトル受取位置P4まで搬送する。
ボトル搬出部5は、ラベル装着部4からラベル付きボトルBを受け取るボトル受取ユニット50と、このボトル受取ユニット50で受け取ったボトルBを後工程に搬送するベルトコンベア51とを備える。ボトル受取ユニット50は、ベルトコンベア51の前端部とラベル装着部4の間に配置されている。
ボトル受取ユニット50は、図略の回転軸に16個のボトル吸着部材50aを放射状に取り付け、各ボトル吸着部材50aでラベル付きボトルBのみを受け取る構成のユニットである。ボトル受取ユニット50は、図2において、反時計周りに回転してラベル装着部4によりボトル受渡位置P5に搬送された各ラベル付きボトルBを各ボトル吸着部材50aで受け取り、ベルトコンベア51まで搬送する。
多数のボトルBは、正面視で、ボトル供給部2のベルトコンベア20により左側から右側に搬送され、スクリュー21でボトル間隔が所定の間隔に調整された後、スターホイール22に受け渡され、当該スターホイール22でラベル装着部4のボトル受取位置P4に搬送される。ボトル受取位置P4に搬送されたボトルBはラベル装着部4の支持盤40のボトル保持部40a(図7,図8参照)に保持され、当該支持盤40の回転によってボトル受渡位置P5まで搬送される。支持盤40のボトル保持部40aに保持されたボトルBは、ボトル受渡位置P5に搬送されるまでの間に当該ボトルBの上部に設けられたラベル装着ヘッド41によってラベルLが装着される。支持盤40によってボトル受渡位置P5に搬送されたラベル付きボトルBは、ボトル受取ユニット50のボトル吸着部材50aに受け渡され、ボトル受取ユニット50の回転によってベルトコンベア51に搬送される。そして、ラベル付きボトルBはベルトコンベア51によって再び左側から右側に後工程に向けて搬送される。
ラベル装着不良解析部6は、4台のカメラ61〜64と、ラベル検査位置P3を撮影するカメラ61の撮影画像を用いてラベル付きボトルBのラベルLの装着状態の良否を検査するとともに、不良となったラベル付きボトルBに対しカメラ62〜64の撮影画像を用いて不良の発生原因を解析する解析装置60(図2参照)とを備える。なお、図1,図3では、解析装置60を省略している。
カメラ61(以下、「第1カメラ61」という。)は、ラベル装着部4のラベル装着位置P2よりボトル1個分だけ下流側のラベル検査位置P3でラベル付きボトルBの所定の検査箇所(例えば、ラベルLのエッジ部分など)を撮影するカメラである。第1カメラ61では、図4(a)に示すように、ラベルLの文字の部分などのパターンマッチングによる検査が可能な図柄が画角に含まれるように画角調整された画像が撮影される。図2では、ラベル検査位置P3は回転基準位置αからボトル3個分(回転角度で+36°分)だけラベル装着ヘッド41を回転した位置となっている。
カメラ62(以下、「第2カメラ62」という。)は、ラベル検査位置P3よりボトル1個分(回転角度で12°分)だけ上流側のラベル装着位置P2でラベル付きボトルBの全体を撮影するカメラである。第2カメラ62では、図4(b)に示すように、画角にラベル付きボトルBの全体が含まれるように画角調整された画像が撮影される。第1カメラ61の撮影画像はラベル付きボトルBの一部をスコープして撮影するため、その撮影画像によってラベル装着が不良と判断されてもボトルBに対してラベルLがどのように位置ずれしているのかが分からないので、それを解析するために第2カメラ62によってラベル付きボトルBの全体画像を撮影するようにしている。
なお、本実施形態では、ボトルBにラベルLが装着されるラベル装着位置P2を第2カメラ62の撮影位置としているが、ボトルBがラベル装着位置P2からボトル受渡位置P5に搬送されるまでの間の適当な搬送位置を第2カメラ62の撮影位置としてもよい。また、第1カメラ61の撮影位置は第2カメラ62の撮影位置に対してボトル1個分だけ下流側の位置としているが、第1カメラ61の撮影位置と第2カメラ62の撮影位置の間隔はボトル数個分離れていてもよい。
カメラ63(以下、「第3カメラ63」という。)は、ラベル装着部4がボトル受取位置P4でボトル供給部2から受け取るボトルBの姿勢を撮影するカメラである。第3カメラ63では、図4(c)に示すように、画角にボトルBの全体が含まれるように画角調整された画像が撮影される。図2では、ボトル受取位置P4は回転基準位置αからボトル11個分(回転角度で+132°分)だけラベル装着ヘッド41を回転した位置となっている。なお、ラベル検査位置P3で検査されるボトルBの搬送距離で見ると、ボトル受取位置P4は、ラベル検査位置P3からボトル22本分だけ上流側に位置していることになる。
カメラ64(以下、「第4カメラ64」という。)は、ラベル装着部4がラベル受取位置P1でラベル供給部3から受け取るラベルLの姿勢を撮影するカメラである。第4カメラ64では、図4(d)に示すように、画角にテイクアップ部材423で受け取られたラベルLが含まれるように画角調整された画像が撮影される。図2では、ラベル受取位置P1は回転基準位置αと同一の位置である。なお、ラベル検査位置P3で検査されるラベルLの搬送距離で見ると、ラベル受取位置P1は、ラベル検査位置P3からボトル33本分だけ上流側に位置していることになる。
従って、第1カメラ61及び第2カメラ62は、支持盤40の周りのラベル検査位置P3とラベル装着位置P2を臨む適所に各光軸をラベル付きボトルBに向けて配置され、第3カメラ63は、支持盤40の周りのボトル受取位置P4を臨む適所に光軸をボトルBに向けて配置されている。また、第4カメラ64は、ラベル装着部4の外側のラベル受取位置P1を臨む適所に光軸を受け取られるラベルLに向けて配置されている。
図5は、ラベル供給部3のラベル基材Mから各ラベルLを切り離してラベル装着部4に供給する部分(以下、「ラベル生成ユニット」という。)の構成を示す図である。図6は、ラベル供給部3からラベル装着部4にラベルLを受け渡す構成を示す図である。
ラベル供給部3のラベル生成ユニットは、ラベル基材Mをラベル切断位置P0に繰り出すラベル基材繰出部30と、ラベル基材Mを切断するラベル基材切断部31と、切断されたラベルLを吸着してラベル受取位置P1に移送するラベル移送部32と、ラベル移送部32におけるラベルLの吸着を補助する吸着補助部33と、ラベル移送部32から移送される各ラベルLをラベル受取位置P1でラベル装着部4のラベル受取部材に受け渡すラベル受渡部34とを備える。ラベル基材繰出部30、ラベル基材切断部31、ラベル移送部32及びラベル受渡部34は、この順に垂直下方向に配置されている。また、吸着補助部33は、ラベル移送部32に対向配置されている。
ラベル基材繰出部30は、周面が圧接された駆動ローラ30aと従動ローラ30bからなる。ラベル基材繰出部30は、両ローラ30a,30bの間にラベル基材Mを挟み込み、駆動ローラ30aを所定の回転速度で回転させてラベル基材Mをラベル切断位置P0に繰り出す。ラベル基材切断部31は、ラベル切断位置P0に固定された固定刃31aとこの固定刃31aに対向して回転可能に配置された回転刃31bで構成され、回転刃31bが回転してラベル切断位置P0を通過する毎に当該回転刃31bと固定刃31aによってラベル基材Mを切断する。回転刃31bの回転速度は、ラベル基材繰出部30によってラベル基材Mがラベル1枚分の長さだけ繰り出される速度に調整されている。
ラベル移送部32は、切り離されたラベルLの幅方向の両端部を一対のフィードベルト321で吸着し(図6参照)、当該フィードベルト321を下方向に移動させることによりラベルLをラベル受取位置P1に移送する。ラベル切断位置P0の下流側とラベル受取位置P1の上流側にそれぞれラベルLの幅よりも狭い間隔で2組のガイドローラ323,324が配置されており、一方の上側のガイドローラ323と下側のガイドローラ324の間と、他方の上側のガイドローラ323と下側のガイドローラ324の間にはそれぞれ吸引チャンバー325が配置されている(図6参照)。
一方のガイドローラ323,324と他方のガイドローラ323,324に対してそれぞれ三角形を描くように駆動プーリ322が設けられている。一方のフィードベルト321は、一方の駆動プーリ322と一方のガイドローラ323、吸引チャンバー325及びガイドローラ324とに掛け渡され、他方のフィードベルト321は、他方の駆動プーリ322と他方のガイドローラ323、吸引チャンバー325及びガイドローラ324とに掛け渡されている。
図5において、駆動プーリ322が時計周りに回転することによってフィードベルト321が上から下に向かって移動する。駆動プーリ322は、ラベル基材繰出部30によるラベル基材Mの繰出速度よりも速い速度でフィードベルト321を回転させる。フィードベルト321には幅方向の中央部に長手方向に沿って所定の間隔で多数の吸着孔321aが設けられている(図6参照)。一方、吸引チャンバー325には図略のチューブ等の吸引管によって図略の真空ポンプ等の吸引装置に接続されている。従って、ラベル切断位置P0で切り離されたラベルLが下方向に繰り出されると、フィードベルト321の吸引孔321aによって吸引・保持され、当該フィードベルト321の下方向の移動によってラベルLはラベル受取位置P1に移送される。
なお、吸着補助部33は、フィードベルト321の吸引孔321aと吸引チャンバー325によるラベルLのフィードベルト321への吸着を補助するものである。吸着補助部33は、ラベル移送部32と同様の無端ベルトによるラベルLのフィード機構で構成され、無端ベルト331、駆動プーリ332及び3個のガイドローラ333,334,335を含んでいる。ラベル移送部32がラベルLの幅方向に対して2個設けられるのに対応して吸着補助部33も各ラベル移送部32に対応して2個設けられている。
吸着補助部33の3個のガイドローラ333,334,335のうち、上段のガイドローラ333はラベル移送部32のガイドローラ323の近接位置に離間させて配置されるが、中段のガイドローラ334と下段のガイドローラ335はそれぞれ吸引チャンバー325の中央に対して上寄りの位置と下寄りの位置に当該吸引チャンバー325に接するように配置されている。駆動プーリ332は、図5において、反時計回りにラベル移送部32の駆動プーリ322と同一の速度で回転される。
吸着補助部33は、中段のガイドローラ334と下段のガイドローラ335の区間の無端ベルト331をフィードベルト321に吸着されたラベルLに圧接することによりフィードベルト321のラベルLの吸引力を補助し、ラベルLが当該フィードベルト321から離脱することを防止する。
ラベル受渡部34は、ラベル移送部32と同一のフィードベルトによるラベルLの移送構成を有し、当該ラベル移送部32の下側の配置されている。ラベル移送部32には、フィードベルト321によるラベル移送機構が2個設けられていたが、ラベル受渡部34は、図6に示すように、フィードベルト341によるラベル移送機構が1個だけラベルLの幅方向の中央に配置されている。ラベル受渡部34では、ラベル移送部32の下側のガイドローラ324を駆動プーリとして利用しているため、ラベル移送部32の駆動プーリ322に対応する部材はガイドローラ342となっている。このため、フィードベルト341は、上下のガイドローラ342,343とラベル移送部32の下側のガイドローラ324とに掛け渡されている。
ラベル移送部32の下側のガイドローラ324とラベル受渡部34の下側のガイドローラ343の間に吸引チャンバー344が設けられるが、この吸引チャンバー344の長さはラベルLの縦方向の長さより僅かに長い適宜の長さに設定されている(図6参照)。フィードベルト341には幅方向の中央部に長手方向に沿って所定の間隔で多数の吸着孔341aが設けられている(図6参照)。一方、吸引チャンバー344には図略のチューブ等の吸引管によって図略の真空ポンプ等の吸引装置に接続されている。
ラベル移送部32の駆動プーリ322による回転力はフィードベルト321とラベル移送部32の下側のガイドローラ324によってラベル受渡部34のフィードベルト341に伝達されるので、フィードベルト321とフィードベルト341は同一の速度でラベルLを上から下に移送する。
ラベル受渡部34には、ラベルLがラベル受渡部34の所定の位置に移送されたことを検出するラベル検出センサ35が設けられている。ラベル検出センサ35は光センサからなり、吸引チャンバー344の所定の高さ位置を臨む位置に設けられている。この位置はラベル受取位置P1に対応するものである。ラベル受取位置P1を上から下に移動すると、ラベル検出センサ35は当該ラベルLを相対的に上下方向に走査することになるので、ラベル検出センサ35から出力される当該ラベルLの走査信号のうち、上辺を抽出することにより、ラベルLが図6に示す位置(ラベルLの上辺がラベル受取位置P1に一致する位置)に移送されたことが検出される。
ラベル供給部3では、ラベルLがラベル切断位置P0でラベル基材Mから切り離された位置からラベル受取位置P1に移送される時間を1周期として多数のラベルLがラベル受取位置P1に周期的に供給される。一方、ラベル装着部4のラベル装着ヘッド41には、図6,図7に示すように、一対の棒状のテイクアップ部材423が設けられている。両テイクアップ部材423の間隔は、ラベル移送部32の一対のフィードベルト321の間隔とほぼ同じに設定されている。ラベル受取位置P1において、テイクアップ部材423のラベルLに当接する面には複数の吸引孔423a(図6参照)が設けられている。ラベル装着部4の各ラベル装着ヘッド41は、ラベル受渡部34を通過するとき、ラベルLをラベル受渡部34のフィードベルト341から剥ぎ取るようにしてラベルLを受け取り、そのラベルLを吸着によって保持する。
従って、ラベルLのラベル受取位置P1への供給周期がラベル装着部4の30本のテイクアップ部材423がラベル受取位置P1を通過する周期と同一となるように、ラベル装着部4の回転軸の回転速度とラベル供給部3の駆動プーリ322の回転速度が調整されている。
次に、ラベル装着ヘッド41について、図7〜図10を用いて簡単に説明する。図7はラベル装着ヘッド41の構成を示す正面図、図8は同ラベル装着ヘッド41の構成を示す側面図である。また、図9はラベル受取ユニット42の構成を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。図10はラベル装着ユニット43の構成を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
ラベル装着ヘッド41は、ラベル供給部3から供給される筒状のラベルLを受け取るラベル受取ユニット42と、ラベル受取ユニット42が受け取った筒状のラベルLを開らいてボトルBの胴部に被せるようにして装着するラベル装着ユニット43とを備える。ラベル受取ユニット42及びラベル装着ユニット43は、支持フレーム411に昇降可能に取り付けられている。ラベル受取ユニット42の昇降動作は、ラベル受取ユニット42の支持フレーム411への取付部材421に取り付けられたカムフォロア422aと円筒体44に設けられたカム溝422bからなるカム機構422によって行われる(図8参照)。同様に、ラベル装着ユニット43の昇降動作は、ラベル装着ユニット43の支持フレーム411への取付部材431に取り付けられたカムフォロア432aと円筒体44に設けられたカム溝432bからなるカム機構432によって行われる(図8参照)。
ラベル受取ユニット42の昇降動作をカム機構によって制御するのは、ラベル受取ユニット42の基準方向からの回転位置によって高さ位置を制御する必要があるからである。ラベル装着ユニット43の昇降動作をカム機構によって制御する理由も同様である。
ラベル受取ユニット42のカムフォロア422aは円筒体44のカム溝422bに嵌装され、ラベル装着ユニット43のカムフォロア432aは円筒体44のカム溝432bに嵌装されている。カム溝422b,432bは、円筒体44の周面上に所定の波形を描くように形成されており、リング状の支持盤40が回転すると、カムフォロア422a,432aがそれぞれカム溝422b,432bに沿って移動することによりラベル受取ユニット42とラベル装着ユニット43が所定の昇降動作を周期的に繰り返す。この昇降動作の内容については後述する。
ラベル受取ユニット42の取付部材421には、図9に示すように、上側に平行に延びる棒状の一対のテイクアップ部材423が取り付けられている。上述したように、両テイクアップ部材423の間隔は、ラベル移送部32の一対のフィードベルト321の間隔とほぼ同じである。また、両テイクアップ部材423のラベルLに当接する面には一列に吸引孔423aが設けられている。両テイクアップ部材423は、図略のパイプによって真空ポンプなどの吸引装置に接続されており、ラベル受取位置P1でラベルLを受け取る時に吸引動作が行われてラベルLを吸着する。
ラベル装着ユニット43の取付部材431には、上面視で中央部が開口された直方体形状の本体433が取り付けられている。本体433は、図10に示すように、環状の上側ベース433aと下側ベース433bを上下方向に所定の間隔を設けて連結板と連結ロッドで結合した枠体である。上側ベース433aの下面の4つの隅部には、先端が内側に屈曲した鉤形の開閉アーム434A〜434Dが外側に開閉可能に取り付けられている(図12参照)。4つの開閉アーム434A〜434Dの先端部にそれぞれ下方向に延びる4本の吸引杆435A〜435Dが取り付けられている。各吸引杆435A〜435Dの基部には図略のチューブ等の吸引管によって図略の真空ポンプ等の吸引装置に接続され、各吸引杆435A〜435Dの内側の側面には一列に吸引孔435aが設けられている(図10参照)。従って、各吸引杆435A〜435Dは、吸引によってラベルLを吸着することができる。
図11は、図8のY−Y線に沿った断面図であるが、同図に示すように、本体433の取付部材431側(以下、本体433の取付部材側を「内側」という。)にある1組の開閉アーム434A,434Cと本体433の先端側(以下、本体433の先端側を「外側」という。)にある1組の開閉アーム434B,434Dは、閉状態では両鉤形の先端面が本体433の開口の幅方向の中心線N上で接触し、開状態では両鉤形の先端面が中心線Nから互いに離れる。
従って、2組の開閉アーム434A,434Cと開閉アーム434B,434Dが閉動作を行うと、一方の組の開閉アーム434A,434Cに取り付けられた2つの吸引杆435A,435Cと他方の組の開閉アーム434B,434Dに取り付けられた2つの吸引杆435B,435Dとが互いに近接してラベルLを挟む動作を行い、この状態で吸引しながら2組の開閉アーム434A,434Cと開閉アーム434B,434Dが開動作を行うと、一方の組の2つの吸引杆435A,435Cと他方の組の2つの吸引杆435B,435Dとが互いに離間してラベルLを開く動作を行う(図11はラベルLを開いた状態)。
本体433の上面には、4つの開閉アーム434A〜434Dに開閉動作を行わせるための開閉機構436が設けられている。開閉機構436により4つの開閉アーム434A〜434Dに開閉動作をさせることによって各開閉アーム434A〜434Dの先端に設けられた4本の吸引杆435A〜435Dが上述したラベルLを挟み、筒状に広げるという動作を行なう。
図12は、図8のX−X線に沿った断面図であり、開閉機構436を上側から見た図を示している。同図に示すように、開閉機構436は、4つの鉤形の開閉アーム434A〜434Dのうち、図12において上側の2個の開閉アーム434A,434Bと下側の2個の開閉アーム434C,434Dに対してそれぞれ左右方向に移動可能な2個のラック437A,437Bを備える。
内側の2つの開閉アーム434A,434Cの回転軸にはそれぞれセクタ歯車438a,438cが固着され、図12において、上側の開閉アーム434Aのセクタ歯車438aが上側のラック437Aに連結され、下側の開閉アーム434Cのセクタ歯車438cが下側のラック437Bに連結されている。一方、外側の2つの開閉アーム434B,434Dの回転軸には、図11に示すように、下側ベース433bの近傍位置でそれぞれ平歯車438e,438fが固着され、図11において、上側の開閉アーム434Bの平歯車438eがセクタ歯車438bの回転軸に固着された平歯車438gに連結され、下側の開閉アーム434Dの平歯車438fがセクタ歯車438dの回転軸に固着された平歯車438hに連結されている。また、図12において、上側のセクタ歯車438bは上側のラック437Aに連結され、下側のセクタ歯車438dは下側のラック437Bに連結されている。
この構成により、図12において、ラック437A,437Bを外側に移動させると、開閉アーム434Aと開閉アーム434Dは時計回りに回転し、開閉アーム434Bと開閉アーム434Cは反時計回りに回転するので、内側の開閉アーム434Aと開閉アーム434Cは各先端面が中心線Nに近接するように移動し、外側の開閉アーム434Bと開閉アーム434Dも各先端面が中心線Nに近接するように移動する。すなわち、4つの開閉アーム434A〜434D(4つの吸引杆435A〜435D)が閉動作を行う。
逆に、ラック437A,437Bを内側に移動させると、開閉アーム434Aと開閉アーム434Dは反時計回りに回転し、開閉アーム434Bと開閉アーム434Cは時計回りに回転するので、4つの開閉アーム434A〜434Dの各先端面は中心線Nから離れるように回転するので、4つの開閉アーム434A〜434D(4つの吸引杆435A〜435D)は開動作を行う。
開閉機構436には、図12に示すように、ラック437A,437Bにそれぞれ外側に向かう方向(4つの吸引杆435A〜435Dを閉じる方向)の付勢力を常時付与するためのバネ439A,439Bと、ラック437A,437Bの位置を4つの吸引杆435A〜435Dが閉じる「閉位置」と4つの吸引杆435A〜435Dが開く「開位置」とに切り換えるためのカム部材440(図10参照)が設けられている。図10(b)において、カム部材440を下方向に移動させると、ラック437A,437Bがバネ439A,439Aの付勢力に抗して内側に移動し、「開位置」に設定される。逆に、カム部材440を上方向に移動させると、ラック437A,437Bがバネ439A,439Aの付勢力によって外側に移動し、「閉位置」に設定される。
開閉機構436には、図10に示すように、カム部材440を上下動させるためにカム機構441が設けられている。4つの吸引杆435A〜435Dの開閉動作もラベル装着ユニット43の基準方向からの回転位置によって制御する必要があるので、開閉機構436のカム機構441もラベル装着ユニット43の昇降動作と同様に当該開閉機構436に設けられたカムフォロア441aと円筒体44に形成されたカム溝441bによって構成されている。なお、図12に示すように、ラック437A,437Bの内側の端部にそれぞれカム部材440の下端のカム面が当接するカムフォロア440aが設けられ、カム部材440が上昇すると、ラック437A,437Bが外側に移動して「閉位置」に設定され、カム部材440が下降すると、ラック437A,437Bが内側に移動して「開位置」に設定される。
次に、図13を用いて、ラベル装着部4におけるラベルLのボトルBへの装着シーケンスについて説明する。
ラベル装着部4のラベル装着ヘッド41は、(1)ラベル受取ユニット42のテイクアップ部材423でラベルLを受け取る、(2)テイクアップ部材423が受け取ったラベルLを更にラベル装着ユニット43の4本の吸引杆435A〜435Dが受け取る、(3)4本の吸引杆435A〜435DがラベルLを開く、(4)4本の吸引杆435A〜435DがラベルLを開いた状態で下降することによりボトルBに被せるようにして装着する、という4つの動作を行うことによってボトルBにラベルLを装着する。
各ラベル装着ヘッド41は、回転基準位置αを通過するときに上記(1)の動作を行ってラベル供給部3からラベルLを受け取る。各ラベル装着ヘッド41に対応するボトル保持部40a(図7,図8参照)は、ボトル受取位置P4を通過するときにボトル供給部2からボトルBを受け取るので、各ラベル装着ヘッド41の受け取っているラベルLはボトル受取位置P4で装着すべきボトルBと引き合わされ、両者がボトル受取位置P4からボトル受渡位置P5まで移動する間に上記の(2)〜(4)の動作が行われてラベルLがボトルBに装着される。
各ラベル装着ヘッド41では、ラベル受取ユニット42とラベル装着ユニット43が互いに独立して上下動する構成であるが、ラベル受取ユニット42がラベル装着ユニット43に対して上昇するときには2本のテイクアップ部材423がラベル装着ユニット43の本体433の開口部分を下側から貫通するように移動してラベル受取ユニット42とラベル装着ユニット43が互いに干渉しない構成となっている(例えば、図13(d)(ラベル受取ユニット42が下降した状態)と図13(e)(ラベル受取ユニット42が上昇した状態)を参照)。
また、ラベル装着ユニット43がラベル受取ユニット42からラベルLを受け取るときには、4本の吸引杆435A〜435Dがテイクアップ部材423を囲む位置関係となるようにラベル装着ユニット43がラベル受取ユニット42に対して上昇する(図13(b)参照)。そして、4本の吸引杆435A〜435Dのうち、ラベルLを間に互いに向かい合う2本のテイクアップ部材423と2本の吸引杆435C,435Dが当該ラベルLを挟んで吸着する一方、2本のテイクアップ部材423の吸引を解除することによってラベルLがラベル受取ユニット42からラベル装着ユニット43に受け渡される(図13(c),(d)参照)。
ラベル受取ユニット42とラベル装着ユニット43は回転基準位置αよりも上流側の所定の位置でそれぞれの昇降範囲の最も下位に位置に下降され、その状態で回転基準位置αを通過する。その下降動作のときにラベル装着ユニット43はボトルBに対してラベルLの装着動作を行なう。ラベル装着部4が回転基準位置αを通過する時には、ラベル受取ユニット42の2本のテイクアップ部材423はラベル装着ユニット43の本体433の開口部分を下側から貫通し、当該本体433から上に出ている状態となっている。従って、回転基準位置αでは、図13(a)に示すように、ラベル受取ユニット42の2本のテイクアップ部材423がラベル受取位置P1を通過することによってラベル供給部3から供給されるラベルLを受け取る動作を行う。一方、ラベル装着ユニット43は、ラベル装着部4が回転基準位置αを通過する前に行なったラベル装着動作の状態(4本の吸引杆435A〜435DがラベルLをボトルBに被せた状態)を保持している。
ラベル装着ヘッド41が回転基準位置αを通過してボトル受渡位置P5まで移動する間は、ラベル受取ユニット42は最下位の位置に保持される(図13(a)〜(d)のラベル受取ユニット42の高さ位置参照)。すなわち、ラベル受取ユニット42は受け取ったラベルLの高さ位置を維持する。一方、ラベル装着ユニット43は、回転基準位置αを通過すると、直ちに4本の吸引杆435A〜435Dの吸引を解除し、4本の吸引杆435A〜435Dを開いた状態で最上位の位置に移動する。これにより、2本のテイクアップ部材423で保持されているラベルLが4本の吸引杆435A〜435Dで囲まれる状態となる(図13(b)のラベルLと4本の吸引杆435A〜435Dの位置関係参照)。
次に、4本の吸引杆435A〜435Dのうち、ラベルLに対向している2本の吸引杆435C,435Dを閉じて当該2本の吸引杆435C,435Dと2本のテイクアップ部材423でラベルLを挟み(図13(c)の状態参照)、2本の吸引杆435C,435Dの吸引を開始すると同時に2本のテイクアップ部材423の吸引を解除して2本の吸引杆435C,435DがラベルLを受け取る(図13(d)参照)。
なお、図13(d)のタイミングはラベル装着ヘッド41がボトル受渡位置P5を通過するタイミングで、ラベル保持部40aに保持されていたラベル付きボトルBはラベル搬出部5によって搬出されるので、図13(d)ではラベル付きボトルBが描かれていない。また、2本の吸引杆435C,435DがラベルLを受け取ったときは両吸引杆435C,435DがラベルLの幅方向の両端部を吸引しているだけであるので、ラベルLは両吸引杆435C,435D側に湾曲した形となる(図13(d)のラベルLの形状参照)。
2本の吸引杆435C,435DがラベルLを吸着している状態で残りの2本の吸引杆435A,435BとともにラベルLを挟む動作を行なわせようとすると、2本のテイクアップ部材423がその動作の障害となるので、ラベル装着ヘッド41がボトル受渡位置P5からボトル受取位置P4に移動するまでの間にラベル受取ユニット42が最上位の位置に上昇する。すなわち、ラベル受取ユニット42の退避動作が行われる(図13(e)参照)。
ラベル受取ユニット42の退避動作が完了すると、4本の吸引杆435A〜435Dに閉じる動作を行わせて本体433の内側の一組の吸引杆435A,435Cと外側の一組の435B,435DでラベルLの幅方向の両端部を挟み込み(図13(f)の状態参照)、全ての吸引杆435A〜435Dの吸引動作を行なわせた後、4本の吸引杆435A〜435Dに開く動作を行なわせる(図13(g)の状態参照)。この動作により各吸引杆435C〜435DがラベルLの幅方向の両端部を外側に引っ張るので、図13(g)に示すようにラベルLが筒型に開かれる。
4本の吸引杆435C〜435DによるラベルLを開く動作が完了すると、その状態を保持してラベル装着ユニット43は最下位の位置に移動し、同時にラベ受取ユニット42も最下位の位置に移動する。すなわち、ラベル受取ユニット42及びラベル装着ユニット43は同時にボトル保持部40aに保持されているボトルBに向かって下降し、最下位の位置に到達すると、図13(h)に示すように、は4本の吸引杆435C〜435Dで開いたラベルLがボトルBに被せられ、ボトルBへのラベルLの装着が完了する。
ラベル装着の完了タイミングは、ラベル装着ヘッド41が回転基準位置αを通過する前の所定のタイミングに調整されているので、その時のラベル受取ユニット42とラベル装着ユニット43の状態が保持されてラベル装着ヘッド41は回転基準位置αに戻ることになる(図13(a)の状態参照)。従って、各ラベル装着ヘッド41は、支持盤40によってロータリーを周回する毎に、上述した図13(a)〜(h)に示す動作を行なってボトルBにラベルLを装着する。
なお、ボトルBへのラベルLの装着速度(本/分)は、回転基準位置αを通過するラベル基準ヘッド41の1分間当たりの本数であるから、支持盤40の回転速度(回/分)によって決定される。支持盤40上には30本のラベル装着ヘッド41が設けられているので、支持盤40の回転速度をN(回/分)とすると、ラベルの装着速度は30×N(本/分)となる。
次に、ラベル装着装置1の特徴的な構成であるラベル装着不良解析部6について説明する。
図14は、解析装置60における解析処理を行なうための構成を示す機能ブロックで示した図である。
解析装置60は、解析処理部60a、撮影制御部60b、撮影画像記憶部60c、インターフェース部60d、カメラ部60e、解析結果記憶部60f、操作部60g及び表示部60hの機能ブロックを含む。カメラ部60e、解析結果記憶部60f、操作部60g及び表示部60hはインターフェース部60dによって解析処理部60aと撮影制御部60bに接続されている。カメラ部60eは、上述した図2に示すラベル検査位置P3、ラベル装着位置P2、ボトル受取位置P4、ラベル受取位置P1の各位置のボトルBやラベルLやラベル付きボトルBを撮影するための第1カメラ61乃至第4カメラ64を含む部分である。
解析処理部60aは、第1カメラ61乃至第4カメラ64の撮影画像を用いてラベル装着装置1で生産される各ラベル付きボトルBのラベル装着の良否を判定し、不良の場合はその不良要因を解析する部分である。撮影画像記憶部60cは、第1カメラ61乃至第4カメラ64で撮影される画像データ(以下、「撮影データ」という。)をそれぞれ所定の枚数分(例えば、100枚分)だけ一時的に保存する部分である。
撮影制御部60bは、第1カメラ61乃至第4カメラ64の撮影動作を制御する部分である。撮影制御部60bは、レリーズ指令信号が入力される毎に第1カメラ61〜第4カメラ64の撮影動作を行なわせ、第1カメラ61〜第4カメラ64から転送される撮影データをRAMの撮影画像記憶領域に記憶させる。解析処理部60aと撮影制御部60bは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータで構成され、解析処理部60a及び撮影制御部60bは、解析プログラム及び撮影プログラムを記憶するROMと、その解析プログラムや撮影プログラムを実行するCPUと、CPUが解析プログラムや撮影プログラムを実行するために必要なプログラムやデータを保存するRAM(特に作業領域として設定された記憶領)によって構成され、撮影画像記憶部60cは、RAM(特に画像データ保存領域として設定された記憶領域)によって構成される。
撮影画像記憶部60cには、第1カメラ61乃至第4カメラ64の撮影データがそれぞれ所定の枚数分(例えば、100枚分)だけ一時的に保存される。なお、撮影データの主たる用途は、作業者が不良要因を視覚的に解析するためであるので、撮影データは白黒の2値化処理によるデータ圧縮が行なわれて撮影画像記憶60bに保存される。従って、RAMには、図15に示すように、第1カメラ61乃至第4カメラ64の撮影データをそれぞれ保存する4つの撮影画像記憶領域AR1〜AR4が設けられている。各撮影画像記憶領域AR1〜AR4は100個のアドレスが設けられ、各アドレスに撮影データが1枚ずつ保存される。
最初の100枚の撮影データは撮影順にアドレスの番号順に保存されるが、100枚を超えると、最も小さいアドレス(最上位のアドレス)に戻ってアドレスの番号順に先の撮影データを破棄しながら新しい撮影データが保存される。例えば、撮影画像保存領域AR1では、最初の100枚の撮影データが撮影順にアドレス(0001)から(0100)に保存されるが、101枚目から200枚目の撮影データはアドレス(0001)に戻り、各アドレスに保存されている撮影データを破棄しながらアドレス(0001)から(0100)に保存される。従って、各撮影画像保存領域AR1〜AR4には、常に最新の撮影データから遡って100枚分の撮影データが一時的に保存される。
なお、各撮影画像記憶領域AR1〜AR4に保存されている撮影データを古い順に破棄し、残っている撮影データのアドレスをそれぞれ1つずつ繰り上げるとともに最新の撮影データを最下位のアドレスに記憶するようにしてもよい。すなわち、最新の100枚分の撮影データを常に各撮影画像記憶領域AR1〜AR4のアドレスの番号順に記憶させるようにしてもよい。例えば、上記の撮影画像保存領域AR1の例では、アドレス(0001)〜(0100)に保存された撮影データの保存先を1つずつ繰り上げ、101枚目の撮影データをアドレス(0100)に保存する。従って、アドレス(0001)〜(0100)には2枚目から101枚目の撮影データが保存される。
図2に示すラベル装着位置P2、ラベル検査位置P3、ボトル受取位置P4、ラベル受取位置P1の各位置へのボトルBやラベルLを受け取るラベル装着ヘッド41の搬送は支持盤40の回転動作によって行なわれるので、カメラ部60e内の第1カメラ61〜第4カメラ64へのレリーズ指令信号は、当該支持盤40の回転に同期して出力される。
例えば、支持盤40の回転軸に30本のラベル装着ヘッド41にそれぞれ対応してスリットが設けられたロータリーエンコーダを設けるとともに、回転基準位置αの方向でロータリーエンコーダに対向する位置にスリットを検出するセンサを設け、支持盤40の回転速度に比例した周期のスリットを検出したパルス信号をレリーズ指令信号として出力させる。スリットを検出したパルス信号はラベル装着ヘッド41が回転基準位置αを通過するのに同期して出力されるから、撮影制御部60bはこのパルス信号が入力されると、第1カメラ61乃至第4カメラ64の撮影動作を行なわせる。従って、第1カメラ61と第2カメラ62は、ラベル付きボトルBがラベル装着位置P2とラベル検査位置P3に搬送される毎に当該ラベル付きボトルBの検査箇所とボトル全体をそれぞれ撮影する。また、第3カメラ63は、ボトルBがボトル受取位置P4で受け取られる毎に当該ボトルBを撮影し、第4カメラ64は、ラベルLがラベル受取位置P1で受け取られる毎に当該ラベルLを撮影する。
第1カメラ61乃至第4カメラ64は、撮影をする毎にその撮影データを解析装置60に転送する。解析装置60では、撮影制御部60bが第1カメラ61乃至第4カメラ64から撮影データが転送される毎にそれらの撮影データをRAMの撮影画像記憶領域AR1〜AR4に保存する。
なお、本実施形態では、RAMに100枚分の撮影データが保存されるので、各撮影データがRAMに保存される時間tは撮影周期を「Tr」とすると、t=100×Trである。一方、ラベル付きボトルBを検査するための第4カメラ64の撮影データに対して、当該ラベル付きボトルBに関係する第1カメラ61のラベルLの撮影データや第2カメラ62のボトルBの撮影データは撮影タイミングが早いので、第4カメラ64の撮影データがRAMに保存されている期間と第1カメラ61や第2カメラ62の撮影データがRAMに保存されている期間にズレが生じる。
従って、検査したラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データ(ラベルLの撮影画像、ボトルBの撮影画像、ラベル付きボトルB全体の撮影画像、ラベル付きボトルBの検査箇所の撮影画像)が全てRAMに保存されている時間t’は(100×Tr)より短くなる。正確には、第1カメラ61で撮影されたラベルLがボトルBに装着されて第4カメラ64で撮影されるまでの時間(支持盤40がボトル33本分の回転をする時間)だけ短くなる。
例えば、720本/分の速度でラベル装着をした場合、撮影周期TrはTr=60/720=1/12(秒)となるから、撮影データの保存時間tは凡そ8(秒)となる。一方、ラベル支持盤41がボトル33本分の回転をする時間は33/12=2.75であるから、各ラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データがRAMに保存されている時間t’は、凡そ5.4(秒)となる。
解析処理部60aは、保存時間t’よりも短い周期で、各ラベル付きボトルBのラベル装着の良否を判定し、「不良」と判定されたときは、RAMの撮影画像記憶領域AR1〜AR4から不良と判定されたラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データを後述する解析結果とともに解析結果記憶部60fに転送する。従って、不良と判定されたラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データを確実に解析結果記憶部60fに転送して保存することができる。なお、RAMの撮影画像記憶領域AR1〜AR4の容量を増やし、保存する撮影データの枚数を増やせば、保存時間t’が長くなるので、解析処理部60aにおける解析処理の時間に余裕を持たせることができる。
図14に戻り、解析結果記憶部60fは、CPUにインターフェース部60dを介して接続されるハードディスクなどの記憶装置で構成され、解析処理部60aの解析処理の結果として出力されるデータや不良と判定されたラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データを保存する。
ラベル装着装置1は、例えば、720本/分の速度でボルトBへのラベル装着処理を行なうので、ラベル装着不良が発生したとしてもその不良がその後のラベル装着処理に重大な問題とならない場合は直ちにラベル装着装置1の動作を停止させることは難しい。例えば、ラベル装着部4のラベル装着ヘッド41がラベルLを受け取る姿勢が適正姿勢からズレ、それが原因でラベル付きボトルBの検査で不良が発生する場合は、全てのラベル装着ヘッド41が不良でなければ、全てのラベル付きボトルBの検査結果が不良になることはない。
このような場合は、特定のラベル装着ヘッド41の調整不良がラベル装着の不良原因であるから、この不良原因を解消するためにラベル装着装置1を停止させ、調整不良のラベル装置ヘッド41を探し、当該ラベル装着装置1の調整をするとすれば、著しく生産性を低下することになる。従って、このような場合は、作業者がラベル装着装置1を停止させることなくラベル装着装置1の不良の発生状況を監視し、ラベル装着装置1の調整が必要と判断した場合に、ラベル装着装置1を停止させてメンテナンス(不良原因の解析と装置の調整など)を行うことになる。
なお、本実施形態では説明を省略したが、実際のラベル装着装置にはボトル搬出部5の搬送経路上に不良のラベル付きボトルBを排除するボトル排除機構が設けられており、ラベル装着不良解析部6でラベル装着不良と判定されると、そのラベル付きボトルBがボトル排除機構を通過するときに当該ボトル排除機構が作動して搬出経路から排除されるようになっている。
解析結果記憶部60fは、ラベル装着装置1のメンテナンスで作業者が不良解析を行うためにラベル装着不良が生じたラベル付きボトルBの解析結果を保存しておくためのメモリである。
操作部60gは、作業者がラベル操作装置1を動作させるために必要な情報を入力したり、各種の動作指令を入力したり機能を果す部分である。操作部60gには専用のキーボートはテンキーが設けられており、作業者は操作部60gのキーを操作することによってラベル装着不良の解析処理に関する各種の指令を入力することができる。
表示部60hは、例えば、液晶ディスプレイで構成され、ラベル装着装置1の動作状態を表示させる機能を果す部分である。作業者は、操作部60gを操作することによってラベル装着装置1の動作中における解析装置60の処理状況を表示させることができる。その表示では、解析装置60が各ラベル付きボトルBの検査を行なう毎に、例えば、図16に示すような検査結果の画像が表示される。なお、ラベル装着装置1のラベル装着処理速度は高速であるので、表示部60hには各ラベル付きボトルBの検査結果が一瞬しか表示されず、各検査結果の内容を作業者は視認することはできないが、検査不良が発生したときにはそのメッセージが表示されるので、作業者は表示部60hの表示状況からラベル装着装置1の動作状況を確認することができる。
図16に示す検査結果の画像は、4枚の撮影データを一括表示する部分と検査結果の内容を示す部分とで構成される。撮影画像の表示部分は図4に示す4枚の撮影データを格子状に配列して表示したものであり、左上と左下にそれぞれ第4カメラ64の検査用撮影データと第3カメラ63のラベル付きボトルB全体の撮影データを配列し、右上と右下に第2カメラ62のボトルBを受け取ったときの撮影データと第1カメラ61のラベルLを受け取ったときの撮影データを配列したものである。すなわち、4枚の撮影データを撮影順に右下から左上にN字状に配列したものである。
なお、4枚の撮影データの配列順は、図16の例に限定されるものではない。要は4枚の撮影データの撮影順が直感的に把握できる配列であればよく、例えば、4枚の撮影画データを撮影順に右上から左上にU字状に配列してもよく、右下から左上にZ字状に配列してもよい。
検査結果の内容を示す部分(図16の右側の部分)には、検査不良となったボトルを特定する情報と、検査日時と、パターンマッチングにより算出されるズレ量などの情報が含まれる。なお、ボトルを特定する情報や検査日時には、各ラベル付きボトルBのラベル装着の検査が順番に行なわれるので、例えば、検査開始後の順番や検査時刻が添付される。
解析処理部60aは、第4カメラ64で撮影された画像(以下、「検査用撮影画像」という。)を予め用意された基準画像(正常にラベルLが装着されたラベル付きボトルBの検査箇所を撮影した画像)とパターンマッチングにより照合してラベル装着の良否を判定する。解析処理部60aは、例えば、基準画像に対する検査用撮影画像の上下方向のズレ量と左右方向のズレ量を算出し、それらのズレ量のいずれもが所定の許容範囲内であれば、ラベル装着結果は「良」と判定し、いずれか一方又は両方のズレ量が許容範囲外であれば、ラベル装着結果は「不良」と判定する。そして、「不良」と判定されたときは、解析処理部60aは、RAMの撮影画像記憶領域AR1〜AR4から不良と判定されたラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データを解析結果(ラベル装着の良否判定、各方向のズレ量、タイムスタンプなどの情報を含む。)のデータとともに解析結果記憶部60fに転送する。
なお、解析処理部60aは、ラベル付きボトルBだけでなく、ラベル受取位置P1で受け取る各ラベルLやボトル受取位置P4で受け取る各ボトルBの撮影画像についてもパターンマッチングにより受取姿勢のズレ量を算出し、そのズレ量を用いて受取姿勢の良否を判別するようにしてもよい。
この場合は、図17に示すように、第1カメラ61、第3カメラ63及び第4カメラ64の各撮影データが表示される表示領域の所定の位置(図17では右下の部分)に、それぞれ上下方向と左右方向のズレ量と良否の判定結果を表示するにするとよい。このようにすることで、作業者は、例えば、不良と判定されたラベル付きボトルBのラベルLの受取姿勢やボトルBの受取姿勢でNGが出ている場合、ラベルLとボトルBの受取姿勢のズレ量からラベルLとボトルBの受取姿勢がラベル付きボトルBの不良にどの程度影響しているのかを判断することができる。
また、ラベルL、ボトルBの受取姿勢の判定では、良否だけでなく複数のランク判別をするようにしてもよい。例えば、A:適正、B:やや不適(ズレ量;小 ラベル不良要因になる可能性;低い)、C:かなり不適(ズレ量;中 ラベル不良要因になる可能性;高い)、D:不適(ズレ量;大 ラベル不良の主要因)のようなランク分けをするようにし、図17に示す表示例において、ラベルL及びボルトBの受取姿勢の撮影データの表示部分にランク結果も表示するとよい。この場合は、検査結果(ラベル装着の良否判定)とラベルL及びボトルBの受取姿勢の良否判定やランク判定の判定結果、更には検査結果とラベルL及びボトルBの判定結果の関連性などの判断結果等が解析結果のデータに含まれることになる。
ラベルL、ボトルBの受取姿勢の判定でランク分けの判定をしておくと、ラベル付きボトルBのラベル装着不良が発生したとき、そのラベル付きボトルBの検査結果にラベルLとボトルBの受取姿勢の判定ランクが含まれるので、これらの受取姿勢の状況がラベル装着不良にどの程度影響したかを判別することができる。
例えば、ラベルLがランクAでボトルBがランクDであれば、作業者は解析時にボトルBの姿勢が不良のためにラベルLを装着するときにラベル装着不良となる位置ずれが生じたと判断することができ、ラベルLがランクDでボトルBがランクAであれば、ラベルLの姿勢が不良のためにそのラベルLを装着するときにラベル装着不良となる位置ずれが生じたと判断することができる。また、ラベルLもボトルBがランクCであれば、作業者はラベルLの姿勢とボトルBの姿勢が相互に不良のためにラベルLを装着するときにラベル装着不良となる位置ずれが生じたと判断することができる。
次に、解析処理部60aと撮影制御部60bの行なう処理手順について簡単に説明する。まず、図18のフローチャートを用いて撮影制御部60bによる第1カメラ61〜第4カメラ64の撮影制御について説明する。
ラベル装着装置1のラベル装着動作が開始されると、撮影制御部60bは、先ず、撮影画像記憶領域AR1〜AR4の撮影データを記憶するアドレス位置をカウントするカウンタの値iを「1」にセットする(S1)。なお、ここでは、アドレス位置を撮影画像記憶領域AR1〜AR4の先頭位置からの番号とし、カウンタはその番号をカウントするものとする。上述したように、本実施形態では撮影画像記憶領域AR1〜AR4の撮影データの保存枚数は100枚であるので、カウンタのカウント範囲は1〜100となる。従って、カウント値が100を越えると、カウンタは再度1〜100のカウントを行なうことになる。
続いて、撮影制御部60bは、レリーズ指令信号が入力されたか否かを判別し(S2)、レリーズ指令信号が入力されると(S2:YES)、第1カメラ61乃至第1カメラ64に転送して撮影動作を行なわせる(S3)。その後、第1カメラ61乃至第1カメラ64から撮影データが返送されると(S4:YES)、その撮影データをそれぞれ撮影画像記憶領域AR1〜AR4のi番目のアドレスに記憶し(S5)、カウント値iを1だけ増加する(S6)。
続いて、撮影制御部60bは、カウント値iが「101」になっているか否かを判別し(S7)、i=101であれば(S7:YES)、カウント値iから「100」を引き(S8)、i=101でなければ(S7:NO)、ステップS8の処理をすることなくステップS2に戻る。以下、撮影制御部60bは、上記のステップS2〜S8のループ処理を行ない、レリーズ指令信号が入力される毎に第1カメラ61〜第4カメラ64に撮影動作を行なわせ、その撮影データを撮影画像記憶領域AR1〜AR4の100個のアドレスに循環的に記憶する処理を繰り返す。
図19は、第1カメラ61乃至第4カメラ64における撮影動作を示すフローチャートである。
第1カメラ61乃至第4カメラ64では、撮影制御部60bからレリーズ指令信号が入力されると(S11:YES)、撮影動作が行なわれる(S12)。この撮影動作における露出とシャッタスピードは予め設定されている。なお、ラベル装着装置1のラベル装着速度の最大値を30×Nmax(枚/分)とすると、各カメラのシャッタスピードは60/(30×Nmax)=2/Nmax(秒)よりも短い値が設定されている。
続いて、撮影動作が終了すると、その撮影データに対して所定の圧縮処理が行なわれた後(S13)、解析装置60に転送され(S14)、ステップS11に戻る。以下、第1カメラ61乃至第4カメラ64では、上記のステップS11〜S14のループ処理を行ない、レリーズ指令信号が入力される毎に撮影動作を行い、その撮影データを解析装置60に転送する処理が繰り返される。
図20A、図20Bは、解析処理部60aによる解析処理の処理手順を示すフローチャートである。
ラベル装着装置1でボトルBへのラベル装着を行なわせる場合、作業者は最初に初期設定を行ない、慣らし運転を行なってその初期設定の確認を行なう。すなわち、ラベル基材Mの設定やボトルBの供給準備を行ない、実際にラベル装着動作を行なってラベルLの供給工程、ボトルBの供給工程、ラベルLとボトルBを受け取って当該ラベルLを当該ボトルBに装着する工程、ラベルLが装着されたボトルBの搬出工程の各工程の動作確認が行なわれる。そして、この動作確認のときにも解析処理装置60は動作するので、RAMの撮影画像記憶領域AR1〜AR4には撮影データが記憶されている。
上記の初期設定が終了した後、作業者が操作部60gからラベル装着動作の開始を指令する操作を行なうと、図20A、図20Bに示すフローチャートに従ってラベル装着処理中に解析処理が行なわれ、その処理は作業者が操作部60gからラベル装着動作の停止を指令する操作が行なれるまで繰返される。
ラベル装着動作を開始すると、解析処理部60aは、先ず、撮影画像記憶領域AR4の検査対象の撮影データが記憶されているアドレス位置をカウントするカウンタの値jを「0」にリセットする(S21)。なお、このカウンタ値jもカウンタ値iと同様に、アドレス位置を撮影画像記憶領域AR4の先頭位置からの番号とし、カウンタはその番号をカウントするものである。
続いて、解析処理部60aは、レリーズ指令信号が入力されたか否かを判別し(S22)、レリーズ指令信号が入力されると(S22:YES)、カウント値jを「1」だけ増加し(S23)、そのカウント値jが「34」になったか否かを判別する(S24)。解析処理部60aは、j<34であれば(S24:NO)、ステップS22に戻り、j=34になると(S24:YES)、ステップとS25に移行する。
カウント値jが「34」になるまで、検査処理を開始しないのは、最初のラベルLがラベル受取位置P1で撮影されたときにはラベル検査位置P3にそのラベルLが装着されたラベル付きボトルBがなく、そのラベル付きボトルBがラベル検査位置P3に到達するのにボトル33本分の回転(すなわち、34回分の撮影動作)が必要になるからである。撮影画像記憶領域AR1〜AR4に記憶される撮影データのアドレス関係で言えば、34枚分のラベルLの撮影データが撮影画像記憶領域AR1のアドレス(0033)からアドレス(0001)に記憶され、23枚分のボトルBの撮影データが撮影画像記憶領域AR2のアドレス(0010)からアドレス(0001)に記憶され、2枚分のラベル付きボトルB全体の撮影データが撮影画像記憶領域AR3のアドレス(0002),(0001)に記憶されるときに、最初のラベル付きボトルBの撮影データが撮影画像記憶領域AR4の先頭のアドレス(0001)に記憶されるので、撮影画像記憶領域AR1〜AR4における撮影データの記憶状態がそのような状態になるまで待つということである。
従って、検査対象の撮影データの撮影画像記憶領域AR4におけるアドレス位置AD4と他の3枚の撮影データの撮影画像記憶領域AR1〜AR3におけるアドレス位置AD1,AD2,AD3とは、AD1=AD4+33、AD2=AD4+22、AD3=AD4+1(但し、1≦AD4≦100)の関係になっている。
ステップS25に移行すると、解析処理部60aは、撮影画像記憶領域AR4のカウント値jのアドレス位置に記憶されている検査用撮影画像とRAMの所定の記憶領域に格納されている基準画像とのパターンマッチング処理を行なう。解析処理部60aは、パターンマッチング処理で基準画像に対する検査用撮影画像の左右方向のズレ量Exと上下方向のズレ量Eyを算出する。
続いて、解析処理部60aは、パターンマッチング処理で算出されたズレ量Ex,Eyをそれぞれ予め設定された許容範囲Sx,Syと比較することによってラベル装着の良否判定(ラベル付きボトルBの検査)を行う(S26)。
続いて、解析処理部60aは、カウント値jが、j≦1、1<j≦22、22<j≦33、33<jのいずれの範囲にあるかを判別する(S27、S28、S29)。
解析処理部60aは、j≦1であれば(S27:YES)、撮影画像記憶領域AR1〜AR3からそれぞれ読み出す撮影データのアドレス値k1,k2,k3をk1=(j+100)−33=j+67、k2=(j+100)−22=j+78、k3=(j+100)−1=j+99により算出し(S30)、1<j≦22であれば(S28:YES)、アドレス値k1,k2,k3をk1=j+67、k2=j+78、k3=j−1により算出し(S31)、22<j≦33であれば(S29:YES)、アドレス値k1,k2,k3をk1=j+67、k2=j−22、k3=j−1により算出し(S32)、33<jであれば(S29:NO)、アドレス値k1,k2,k3をk1=j−33、k2=j−22、k3=j−1により算出して(S33)、ステップS34に移行する。
ステップS34に移行すると、解析処理部60aは、撮影画像記憶領域AR1のアドレス値k1、撮影画像記憶領域AR2のアドレス値k2、撮影画像記憶領域AR3のアドレス値k3、撮影画像記憶領域AR4のアドレス値jから撮影データを読み出し、それらの撮影データとステップS26の検査結果を用いて図16若しくは図17に示す検査結果表示用の画像データを作成し、表示部60hに表示する。
続いて、解析処理部60aは、ステップS26の検査結果が不良であるか否かを判定し(S35)、不良であれば(S35:YES)、撮影画像記憶部60cの撮影画像記憶領域AR1〜AR4の各アドレス値k1,k2,k3,jに記憶されている撮影データと、ズレ量Ex,Ey及びこのズレ量Ex,Eyを用いた検査結果を含むデータとを解析結果記憶部60fに記憶し(S36)、カウント値jを1だけ増加する(S37)。
続いて、解析処理部60aは、カウント値jが「101」になっているか否かを判別し(S38)、j=101であれば(S38:YES)、カウント値jから「100」を引いた後(S39)、レリーズ指令信号が入力されたか否かを判別し(S40)、j=101でなければ(S38:NO)、ステップS39の処理をすることなくレリーズ指令信号が入力されたか否かを判別する(S40)。そして、レリーズ指令信号が入力されると(S40:YES)、ステップS25に戻り、以下、解析処理部60aは、上述したステップS25〜S40の処理を繰り返す。
なお、図20A、図20Bに示すフローチャートは、第1カメラ61の撮影位置に対する第2カメラ62、第3カメラ63及び第4カメラ64の相対的な撮影位置がラベル装着部4におけるボトル数でそれぞれ「1本」、「22本」、「33本」の場合を例にしたものであるが、第1カメラ61の撮影位置に対する第2カメラ62、第3カメラ63及び第4カメラ64の相対的な撮影位置は任意に変更することができる。例えば、ボトルBの受取姿勢に代えてラベルLの開口状態を撮影し、ラベルLの受取から開口までの工程での不良の発生要因を監視するようにしてよい。このように撮影位置を変更した場合は、それに応じてステップS24、ステップS27〜S29の判定閾値やステップS30〜S33のアドレス値k1〜k3の演算式が変化することは言うまでもない。
すなわち、第1カメラ61の撮影位置に対する第2カメラ62、第3カメラ63及び第4カメラ64の相対的な撮影位置をラベル装着部4におけるボトル数でそれぞれ「x本」、「y本」、「z本」とすると、ステップS24の判定式は「j=z+1」となり、ステップS27、S28、S29の各判定式は「j≦x」、「x<j≦y」と「y<j≦z」となる。
また、アドレス値k1の演算式はステップS30、S31,S32ではk1=(j+100)−z=j−z+100となり、ステップS33ではk1=j−zとなる。また、アドレス値k2の演算式はステップS30、S31ではk2=(j+100)−y=j−y+100となり、ステップS32、S33ではk2=j−yとなる。また、アドレス値k3の演算式はステップS30ではk3=(j+100)−x=j−x+100となり、ステップS31、S32、S33ではk2=j−xとなる。
また、上記実施形態では、ラベル装着装置1がラベル装着処理をしている間は、不良になったラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データとその検査結果のデータを解析結果記憶部60fに記憶させるだけであったが、不良が連続する個数が所定の個数になると、ラベル装着装置1のメンテナンスが必要と判断して、表示部60hの表示をメンテナンスの警告表示に切り換えるとともにアラーム音を出力して、作業者にその旨を報知するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ラベル装着装置1がラベル装着処理をしている間の表示部60hへの表示は図16若しくは図17に示す4枚の撮影データの表示を瞬間的にするだけであるが、不良が発生すると、表示画面を4枚の撮影データの瞬時的な表示と不良が発生したラベル付きボトルBのリスト表示の形態に切り替えるようにしてもよい。この表示形態では、作業者は4枚の撮影データの瞬時的な表示によりラベル装着処理が実行されていることを視認できるとともに、リスト表示によりラベル付きボトルBの発生状況(発生頻度と発生時間の分布など)を把握することができ、作業者がメンテナンスの要否を容易に判断することができる。
上記の複数種類の表示形態は、作業者が操作部60gから表示モードの選択操作によって切り替えるようにしてもよく、ラベル装着の不良の発生状況に応じて自動的に切り替えさせるようにしてもよい。前者の場合は、作業者が操作部60gから表示モードの選択操作があると、解析制御部60aは、解析結果記憶部60fから解析結果とその解析結果に含まれる複数枚の撮影データとを読み出し、選択された表示モードに対応する所定のフォーマットでそれらの撮影データを一括表示するための画像データを生成し、表示部60hに表示する処理を行なう。
また、上記実施形態では、ラベル付きボトルBの検査用撮影画像を用いてラベル装着の良否判定をするようにしていたが、第1カメラ61、第2カメラ62及び第4カメラ64の各撮影画像を用いてそれぞれパターンマッチングにより検査を行い、いずれかの検査で不良が発生すると、その不良となったラベルL、ボトルB若しくはラベル付きボトルBに関連する4枚の撮影データを解析結果記憶部60fに保存させるようにしてもよい。この場合は、検査した全ての工程のパターンマッチングによるズレ量のデータが検査結果として解析結果記憶部60fに保存される。
また、この場合は、作業者は操作部60gから、ラベル受取り、ボトル受取り、ラベル装着処理のどの工程で検査を行なわせるのかを選択できるようにするとよい。すなわち、ラベル装着装置1を稼動させる初期設定において、ラベル受取り、ボトル受取り及びラベル装着処理の各工程に対して「検査有り」と「検査無し」の選択画面を表示部60hに表示させ、作業者に「検査有り」と「検査無し」のいずれかを選択させるようにするとよい。
以上のように、本実施形態に係るラベル装着装置1によれば、ラベル付きボトルBの検査箇所をカメラで撮影し、その撮影画像を用いてラベル装着の良否を判定するだけでなく、不良と判定されたときには、検査用撮影画像とともにラベル装着装置1でそのラベル付きボトルBを生産するためのラベルLの受取工程やボトルBの受取工程などの各工程の撮影画像やラベル付きボトルB全体の撮影画像を解析結果記憶部60fに記憶するようにしているので、メンテナンス時に作業者が不良を解析するとき、不良の発生原因がどの工程で生じているのか、不良発生原因となる工程に対する不良の調整具合などを容易に把握することができる。
また、解析処理部60aで、ラベルLの受取姿勢やボトルBの受取姿勢の良否をランク分けし、ラベル付きボトルBの検査で不良と判定されたときに、ラベルL及びボトルBの受取姿勢の具合が検査不良にどの程度影響したかを解析させるようにすれば、作業者の主観的な判断を排除し、より客観的かつ迅速に不良原因を究明することができる。
更に、解析処理部60aに解析結果に基づいて、ラベル装着装置1の稼動を停止させるか否かなどの安全対策(作業者へのアラームを含む)を制御することにより、稼動時に発生するラベル装着不良に対して適切な措置が講じやすくなる。