JP5514051B2 - 電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法および遮断器の同期開閉制御装置 - Google Patents

電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法および遮断器の同期開閉制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、遮断器投入時の主回路電流や系統電圧等の電気量の波形の立ち上がりタイミング検出方法および遮断器投入動作時間を高精度に計測することが可能な遮断器の同期開閉制御装置に関する。
電力用遮断器の開極または閉極タイミングを制御することによって、電力系統や電力機器に過酷となる過渡現象が発生するのを抑止する方法については、従来から提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
この過渡現象の発生を抑止する方法を実現する具体的な発明としては、電流遮断時における遮断器主接点の開離タイミングを遮断電流の電流零点と波高値ピークとの間で行わせ、かつ遮断器主接点の閉合時に負荷の種類に応じて遮断器主接点の閉極タイミングを制御するようにした遮断器開閉制御装置は既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されている様な遮断器の開閉制御装置は、開極指令信号または閉極指令信号を検出した時に所望の電流、電圧の位相で遮断器を遮断または投入させるために、遮断器への開極指令信号または閉極指令信号の出力タイミングを適宜な時間遅延させる機能を備えている。なお、このような遮断器の開閉制御は、同期開閉制御(または同期開極制御または同期閉極制御)と呼ばれている。
ところで、遮断器の同期開閉制御を行うためには、遮断器動作時間の予測が必要となるが、遮断器動作時間は、遮断器の周囲温度や制御電圧などの環境条件や遮断器の休止時間によって変化する。このため、遮断器を高精度に同期開閉制御するためには、非特許文献1に記載されているように、温度補正、制御電圧補正、油圧補正および休止時間補正などを行う必要がある。
加えて、予測した遮断器動作時間と実際の遮断器動作時間の間には予測誤差があるため、遮断器動作時間の予測値と実測値との差をフィードバックする履歴補正を行い、同期開閉制御の制御精度を更に向上させることが推奨されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1では、次式(1)による履歴補正が記載されている。
Figure 0005514051
この上式(1)から明らかなように、履歴補正を行うためには遮断器動作時間の計測が必要である。
遮断器動作時間を計測する方法の具体的な発明としては、遮断器投入時の主回路電流の立ち上がりタイミングを検出し、遮断器の電気的な投入動作時間を計測する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−156820号公報 特開2001−135205号公報
同期開閉制御における履歴補正を精度良く行うためには、言うまでも無く遮断器動作時間を精度良く計測することが必要である。遮断器の主接点が機械的に閉合または開離するまでの時間である遮断器閉極動作時間または遮断器開極動作時間の計測は、遮断器の補助接点のONまたはOFFタイミングの計測や、ストロークセンサを用いた計測により比較的容易に実現できる。
しかし、遮断器が電気的に接続するまでの時間である遮断器投入動作時間の計測では、例えば主回路電流波形や系統電圧等の電気量の波形の立ち上がりのタイミングを検出する必要があり、高精度な測定は難しくなる。
主回路電流や系統電圧の立ち上がりタイミングの検出が困難な理由は、誘導などによる外部ノイズの影響や、主回路電流や系統電圧の波形の立ち上がり位相が0°〜360°の任意のタイミングであることなどが挙げられる。特に主回路電流の立ち上がりタイミングを計測する場合、遮断器投入直後に流れる主回路電流の振幅が定格値の数%程度の場合があり(例えば無負荷送電線の投入の場合、流れる電流が充電電流のみであり、定格値の数%程度となる)、立ち上がりタイミングの検出がより困難になる。
特許文献2の方法は、主回路電流信号の高周波成分をハイパスフィルタで取り出し、このハイパスフィルタの出力が閾値を超過したタイミングを検出することで、主回路電流の立ち上がりタイミングを検出している。この検出方法の場合、主回路電流の立ち上がりタイミングにおける振幅瞬時値がある程度大きい場合は有効であるが、主回路電流の振幅瞬時値が定格値の数%程度と小さい場合は、立ち上がりタイミングを精度良く検出することは困難である。また、主回路電流の振幅ピークが定格値程度である場合でも、立ち上がりタイミングの位相角が0°±数°または180°±数°付近である場合は、立ち上がりタイミングを精度良く検出することは困難である。
一方、遮断器投入時にはプレアークが発生する。このため、同期閉極制御では、遮断器の主接点が機械的に閉合するまでの遮断器閉極動作時間と、プレアーク時間とを予測して、これらを用いて遮断器が電気的に接続するまでの遮断器投入動作時間を予測する。プレアーク時間を予測するために必要な遮断器の特性として、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)がある。
この遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)は、遮断器の遮断回数や遮断電流の累積によって経時変化する。しかし、これまでに提案されている遮断器の同期開閉制御装置では、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の経時変化の補正は考慮されていない。
このように従来の遮断器の同期開閉制御装置では、遮断器が電気的に接続するまでの時間である遮断器投入動作時間を高精度に計測することが困難であり、また、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の経時変化を考慮していないため、履歴補正が十分に機能しないばかりか、遮断器投入動作時間および遮断器閉極動作時間の予測精度をかえって悪化させる可能性があった。
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的とするところは、遮断器投入時の主回路電流や系統電圧等の電気量の波形の立ち上がりタイミングを高精度に検出し、遮断器投入動作時間を高精度に計測することが可能な遮断器投入時の電気量の波形の立ち上がりタイミング検出方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的とするところは、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の経時変化の補正を行い、遮断器投入動作時間を高精度に予測することが可能な遮断器の同期開閉制御装置を提供することにある。
本発明によれば、遮断器投入時の主回路電流や系統電圧等の電気量の波形の立ち上がりタイミングを高精度に検出し、遮断器投入動作時間を高精度に計測することが可能な電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法を提供することができる。また、遮断器の極間絶縁耐力減少率の経時変化の補正を行い、遮断器投入動作時間を高精度に予測することが可能な遮断器の同期開閉制御装置を提供することができる。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法の発明は、任意の時刻における電気量の振幅の絶対値の2乗値の瞬時値にかかわる累積時間積分値を求め、前記任意の時刻よりも前の時刻における前記電気量の振幅の絶対値の2乗値の移動平均値に関する累積時間積分値を求め、これら瞬時値にかかわる累積時間積分値と、移動平均値にかかわる累積時間積分値との比が予め定めた閾値を越えたとき、その時刻を前記電気量の波形データの立ち上がり時刻として検出することを特徴とする。
また、請求項5に係る遮断器の同期開閉制御装置の発明は、主回路電流または系統電圧の少なくとも一方と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号を入力、主回路電流または系統電圧の所望の位相で遮断器を投入させるように、前記位相に同期制御した同期閉極制御信号を遮断器に対して出力する制御を行う遮断器の同期開閉制御装置において、任意の時刻における主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの振幅の絶対値の瞬時値を求め、前記任意の時刻よりも前の時刻における前記振幅の絶対値の移動平均値を求め、前記振幅の絶対値の瞬時値と、前記振幅の絶対値の移動平均値との比が予め定めた閾値を越えたとき、その時刻を前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻として検出する波形データ立ち上がり時刻検出手段と、前記同期閉極制御信号の出力タイミングを基準として前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻までの経過時間をカウントし、遮断器の電気的な投入動作時間を計測する投入動作時間検出手段と、を有することを特徴とする。
さらに、請求項6に係る遮断器の同期開閉制御装置の発明は、主回路電流または系統電圧の少なくとも一方と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号を入力、主回路電流または系統電圧の所望の位相で遮断器を投入させるように、前記位相に同期制御した同期閉極制御信号を遮断器に対して出力する制御を行う遮断器の同期開閉制御装置において、任意の時刻における主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの振幅の絶対値の2乗値の瞬時値にかかわる累積時間積分値を求め、前記任意の時刻よりも前の時刻における前記振幅の絶対値の2乗値の移動平均値に関する累積時間積分値を求め、これら瞬時値にかかわる累積時間積分値と、移動平均値にかかわる累積時間積分値との比が予め定めた閾値を越えたとき、その時刻を前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻として検出する波形データ立ち上がり時刻検出手段と、前記同期閉極制御信号の出力タイミングを基準として前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻までの経過時間をカウントして遮断器の電気的な投入動作時間を計測する投入動作時間検出手段と、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態1による電流波形立ち上がりタイミング検出方法を実現する回路図。 本発明の実施形態1の電流波形の立ち上がりタイミング検出方法における遮断器投入直後の主回路電流波形図。 本発明の実施形態2の電流波形の立ち上がりタイミング検出方法における遮断器投入直後の主回路電流波形図。 本発明の実施形態4における遮断器の同期開閉制御装置のシステム構成図。 本発明の実施形態4における遮断器の同期開閉制御装置の動作時間計測処理の詳細ブロック図。 本発明の実施形態4における遮断器の同期閉極制御のタイミングチャート。 本発明の実施形態5における遮断器の同期開閉制御装置のシステム構成図。 本発明の実施形態5における遮断器の同期開閉制御装置の動作時間計測処理の詳細ブロック図。 本発明の実施形態5における遮断器の同期開閉制御装置の開極位相算出処理の詳細ブロック図。 本発明の実施形態5における遮断器の同期閉極制御のタイミングチャート。
以下、図面を参照して本発明に係る遮断器投入時の電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法および遮断器の同期開閉制御装置の実施形態について説明する。
[実施形態1]
図1および図2を参照して本実施形態1について説明する。
図1は本実施形態1による遮断器投入時の電気量である主回路電流の波形立ち上がりタイミング検出方法を実現する装置を描いた回路図である。
図1において、1は遮断器2が接続される電力系統の主回路、3は電力系統の主回路電流を計測する計器用変流器である。4は計器用変流器3から出力された主回路電流に対応する電流信号を所定の大きさに変換して出力する入力手段、5はこの入力手段4から出力されたアナログ量をディジタル量に変換するアナログ/ディジタル変換手段(ADCと表記)、6はアナログ/ディジタル変換手段5から出力されたディジタル信号を用いて主回路電流の立ち上がりタイミングを検出する、電流立ち上がり検出手段である。
図2は実施形態1の主回路電流波形の立ち上がりタイミングAを検出する検出方法における遮断器投入直後の主回路電流波形の例である。
本実施形態1による主回路電流波形の立ち上がりタイミングAを検出する検出方法は、主回路電流波形の任意の時刻における瞬時値を周知の演算式を実行することで得られる瞬時値と、その時刻よりも任意時刻前における主回路電流波形データに対して同じような演算を実行することで得られる移動平均値とを計算し、これら計算した電気量の瞬時値と移動平均値の比A(h)が予め定めた閾値αを越えたとき、その時刻を主回路電流波形データの立ち上がり時刻として検出するものである。
電流立ち上がり検出手段6による立ち上がりタイミング検出方法の具体的な例を「主回路電流の絶対値の瞬時値と、主回路電流の絶対値の移動平均の比」を用いて以下に説明する。
任意の時刻nにおける主回路電流の振幅の絶対値の瞬時値を|U(n)|とする。任意の時刻(n)よりも1サンプリング前の時刻(n-1)における主回路電流の振幅の絶対値の移動平均値mU(n-1)は次式(2)で与えられる。
Figure 0005514051
ここで、mは移動平均値を演算するためのサンプル数であるが、mは2の整数乗(例えば2=128)にする。2の整数乗にすれば、割り算演算はビットシフト演算に置き換えられるため、高速な演算が可能となる。
主回路電流波形の立ち上がりタイミングの振幅の絶対値は、その直前の振幅の絶対値の移動平均値と比較して急激に大きくなると考えられるので、次式(3)を満足する最初のnを検出すれば、主回路電流波形の立ち上がりタイミングを検出できる。式(3)において、一般的にはαは3〜10程度に設定すればよい。
Figure 0005514051
図2に示した「瞬時値と移動平均値の比A(n)」は、次式(4)で計算した比A(n)をプロットしたもので、比A(n)がαを超えたタイミングが主回路電流波形の立ち上がりタイミングとなる。
Figure 0005514051
なお、本実施形態1による立ち上がりタイミングの検出方法は、主回路電流に限らず、系統電圧など、その他の電気量の波形に適用できることは言うまでも無い。
以上の説明から明らかなように、本実施形態1による遮断器投入時の電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法は、以下の効果を有する。
まず、移動平均演算により、主回路電流または電圧波形の立ち上がりタイミング以前の誘導などによる外部ノイズの影響を効果的に抑制することにより、対象となる波形の振幅が小さい場合にも立ち上がりタイミングを精度良く検出することができる。特に主回路電流や系統電圧においては、振幅瞬時値が定格の数%程度と小さい場合にも立ち上がりタイミングを精度良く検出することができる。
また、主回路電流や系統電圧の立ち上がりタイミングの位相角が0°±数°、または180°±数°付近である場合にも立ち上がりタイミングを精度良く検出することができる。
更に、この方法による立ち上がりタイミング検出演算では、少なくとも移動平均値を演算するために必要なサンプル数の電気量波形データをメモリ等に一時保管できれば演算が可能である。従って、この演算に必要とされるメモリ容量は極めて小さくできる。また、一時保管する電気量波形データのサンプル数が少ないので、リアルタイムで演算することが容易に可能となる。
[実施形態2]
図3を参照して本実施形態2について説明する。
図3は実施形態2に係る主回路電流波形の立ち上がりタイミングBを検出する検出方法における遮断器投入直後の主回路電流波形の例である。図3の主回路電流波形の立ち上がりタイミングBを検出する方法を以下に説明する。
主回路電流波形の立ち上がりタイミングBを検出するに当たり、主回路電流波形は、実施形態1同様に図1のアナログ/ディジタル変換器5から出力されたディジタルデータを扱うものとする。
本実施形態2の方法は、主回路電流波形データに対して適当な演算を実行することにより、「任意の電気量」の波形データを取得する。この任意の電気量の波形データの任意の時刻までの瞬時値の累積時間積分値を計算し、また、その時刻よりも前の時刻におけるこの任意の電気量の波形データの移動平均値を計算して、その移動平均値の累積時間積分値を計算する。
このように計算した「瞬時値の累積時間積分値」と「移動平均値の累積時間積分値」との比B(h)が閾値βを越えたとき、その時刻を主回路電流波形データの立ち上がり時刻Bとして検出する。
具体的な例として、「任意の電気量」として「主回路電流の振幅の絶対値の2乗値」を採用し、「主回路電流の絶対値の2乗値の瞬時値の累積時間積分値」と「主回路電流の絶対値の2乗値の移動平均値の累積時間積分値の比」を用いて立ち上がりタイミングを検出する方法を以下に説明する。
任意の時刻(n)における主回路電流の振幅U(n)の絶対値の2乗値の瞬時値の累積時間積分値U2(n)は次式(5)で与えられる。
Figure 0005514051
任意の時刻(n)よりも1サンプリング前の時刻(n-1)における振幅U(n)の絶対値の2乗値の移動平均値の累積時間積分値mU2(n-1)は次式(6)で与えられる。
Figure 0005514051
ここで、mは移動平均値を演算するためのサンプル数であるが、mは2の整数乗(例えば2=128)にする。2の整数乗にすれば、割り算演算はビットのシフト演算に置き換えられるため、高速な演算が可能となる。
主回路電流波形の立ち上がりタイミングにおける振幅の絶対値の2乗値の瞬時値の累積時間積分値は、その直前の振幅の絶対値の2乗値の移動平均値の累積時間積分値と比較して急激に大きくなると考えられるので、次式(7)を満足する最初のnを検出すれば、主回路電流波形の立ち上がりタイミングを検出できる。一般的には閾値βは3〜10程度に設定すればよい。
Figure 0005514051
図3の「瞬時値の累積時間積分値と移動平均値の累積時間積分値の比」B(h)は、次式(8)で計算したB(n)をプロットしたもので、B(n)がβを超えたタイミングが主回路電流波形の立ち上がりタイミングとなる。
Figure 0005514051
なお、本実施形態2の方法による立ち上がりタイミングの検出は、主回路電流に限定されずに実施形態1同様、系統電圧など、その他の電気量波形に適用できることは言うまでも無い。
以上の説明から明らかなように、本実施形態2における電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法は、以下の効果を有する。
対象となる電気量波形の振幅が小さい場合にも立ち上がりタイミングを精度良く検出することができること、特に主回路電流や系統電圧においては、振幅瞬時値が定格の数%程度と小さい場合にも立ち上がりタイミングを精度良く検出することができること、また、主回路電流や系統電圧の立ち上がりタイミングの位相角が0°±数°、または180°±数°付近である場合にも立ち上がりタイミングを精度良く検出することができることは、実施形態1と同様の効果である。
加えて、本実施形態2の方法では、移動平均演算により、電気量波形立ち上がりタイミング以前の誘導などによる外部ノイズの影響を効果的に抑制できることに加えて、累積時間積分値の比による立ち上がり判定を行っているので、実施形態1の方法に比べて耐ノイズ性が強化されている。
図2と図3は同一の主回路電流波形に対して、それぞれ実施形態1と実施形態2の方法により電気量波形立ち上がりタイミング検出の演算をおこなった結果であり、図2のA(n)と図3のB(n)を比較すると、実施形態2の方法によるタイミング検出演算の方が、耐ノイズ性の点でより効果的であることが明らかである。
ただし、実施形態2の方法は、累積時間積分値を算出するという手法の関係上、ある一定以上の期間の電気量波形データをメモリ等に一時保管する必要がある。また、実施形態1と比較すると演算量が多くなる。したがって、リアルタイム性を要求される用途には必ずしも向いていない。実施形態1と実施形態2はその用途やノイズ環境により使い分けるべきである。
なお、遮断器の投入動作時間計測のために実施形態2の方法を適用する場合は、一時保管するべき電気量波形データは、例えば遮断器投入動作前後の200ms程度があれば十分であり、メモリ容量や演算時間は適用の妨げとはならない。
[実施形態3]
本実施形態3は、前述した実施形態1または実施形態2で記載した電気量波形の立ち上がりタイミング検出演算の前にディジタルフィルタ処理を実施するようにしたものである。
本実施形態3で適用するディジタルフィルタの具体的な例としては、例えば次式(9)の伝達関数による。
H(z)=1+z−1+z−2 ・・・(9)
なお、ディジタルフィルタの方式は、ここに示した様な非再帰形ディジタルフィルタに限定されるものではなく、再帰形ディジタルフィルタやディジタル演算による中間値フィルタなど、あらゆるディジタルフィルタが対象となることは言うまでも無い。
上記のようなディジタルフィルタ処理を施した電気量波形データに対して、波形の立ち上がりタイミング検出演算を行うが、その方法は実施形態1または実施形態2と同じなので、説明を省略する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態3における電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法は、以下の効果を有する。
本実施形態3における電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法は、実施形態1または実施形態2の電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法と同様の効果を有することに加えて、ディジタルフィルタによるノイズ除去処理を実施しているので、実施形態1または実施形態2に対して、さらに効果的にノイズの除去が可能であり、ノイズ環境が悪い場合でも高精度に電気量波形の立ち上がりタイミングを検出することができる。
[実施形態4]
図4乃至図6を参照して実施形態4について説明する。
図4は本実施形態4における遮断器の同期開閉制御装置のシステム構成図である。
図4において、700は母線を含む主回路、710は遮断器、740は計器用変圧器、750は変流器である。計器用変圧器740は、母線側電圧を計測できるように、主回路700に接続されている。変流器750は遮断器の「負荷」側に流れる主回路電流を計測できるように接続されている。ここでいう「負荷」とは、送電線、変圧器、調相設備などの変電機器を指す。
なお、図4の主回路700では、断路器、接地開閉器、遮断器の負荷側機器等は省略しているが、変電所を構成する一般的な機器が接続されているものとする。また、図4では1相分のみを図示しているが、本発明は3相の遮断器、及びその他の回路に対して動作・作用するものであり、以下において、特に断りのない限り、その対象を3相回路または3相の遮断器とする。
711は遮断器710の主接点(主接触子とも呼ぶ)、712は遮断器710の主接点711などを駆動するための操作機構である。この操作機構712は、遮断器駆動用コイル620(投入コイルCCと、図示していない遮断コイルTCを含む)、遮断器補助接点713(図4では、a接点で表記)などから構成される。なお、遮断器710のその他の構成要素は、一般的なものであるので説明を省略する。
制御電圧回路610の+(プラス)側、−(接地)側の間に、遮断器710の操作機構712を駆動するための回路を接続しており、この回路の構成要素は保護リレー装置、BCU(Bay Control Unit)などの上位装置600、本実施形態の主要部である遮断器の同期開閉制御装置100、遮断器駆動用コイル620(投入コイルCCと図示していない遮断コイルTC)が直列に接続されている。なお、図4では、遮断器駆動用コイル620に投入コイルCCしか図示していないので、閉極指令回路しか図示していないが、遮断コイルTCを含む開極指令回路も同様に構成されることは言うまでも無い。
前述した遮断器の同期開閉制御装置100は、DI入力手段11、図2の入力手段4と同等のAC入力手段(アナログ入力手段)12、図2のアナログ−ディジタル変換手段と同等のアナログ−ディジタル変換手段13、MPU14、開極/閉極指令出力部15などで構成されている。
そして、外部の上位装置600と、遮断器の同期開閉制御装置100の開極/閉極指令出力部15と、遮断器操作機構712の遮断器駆動用コイル620(投入コイルCCと遮断コイルTC)などが直列に接続される。
DI入力手段11には、遮断器操作機構712の遮断器補助接点713(本発明では、特にa接点)が入力される。DI入力手段11は、図示していないが、絶縁回路などから構成されている。
AC入力手段12には、計器用変圧器740の出力である系統電圧信号、変流器750の出力である主回路電流信号、および図示していない温度センサの出力信号、油圧センサの出力信号、遮断器の制御電圧信号などが入力される。AC入力手段12は、図示していないが、絶縁回路やアナログフィルタ(アナログ−ディジタル変換器のアンチエイリアスフィルタ)などから構成されている。
アナログ−ディジタル変換手段13は、内部構成要素を図示していないが、サンプリングホールド回路、マルチプレクサ、アナログ−ディジタル変換器などから構成されており、AC入力手段12の出力、すなわち系統電圧信号、主回路電流信号、各種センサ出力信号などをアナログ情報として取り込み、所定のサンプリング間隔でホールドした後、ディジタルデータに変換する。系統電圧信号、主回路電流信号、各種センサ出力信号などのディジタルデータはMPU14に入力される。
なお、サンプリングホールド回路、マルチプレクサを省略した回路構成を採用しても良いし、サンプリングホールド回路内蔵アナログ−ディジタル変換器などを採用した回路構成としても良い。
MPU14は、遮断器補助接点信号、系統電圧信号、主回路電流信号、各種センサ出力信号のディジタルデータ、および開極指令信号または閉極指令信号などの入力信号を用いて、動作時間計測処理手段40、同期遅延時間算出処理手段30、基準点検出処理手段20、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10などの各種処理を実行する。なお、動作時間計測処理手段40、同期遅延時間算出処理手段30、基準点検出処理手段20、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10などの各種処理をハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せで構成しても良いことは言うまでも無い。
開極/閉極指令出力部15は、一般にはFETやIGBTなどの半導体スイッチで構成されており、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10からのトリガー信号により、半導体スイッチがON動作する。そして、開極/閉極指令出力部15がON動作すると、遮断器の同期開極または閉極制御信号(遮断器駆動電流)が遮断器駆動用コイル620(投入コイルCCまたは遮断コイルTC)に流れるため、遮断器710が開極または閉極動作する。
なお、遮断器の同期開閉制御装置100の構成要素についても、図4では1相分のみが図示されているが、実際には3相の遮断器を制御するために必要な構成と成っていることは言うまでも無く、特に断りが無い限り、以下の記述においても同様である。 また、遮断器の同期開閉制御装置100には、計器用変圧器740と変流器750の出力、すなわち系統電圧信号と主回路電流信号が入力されるが、系統電圧と主回路電流を検出可能な機器であれば、専用、汎用を問わず計器用変圧器740と変流器750以外の機器を適用可能なことは言うまでも無い。
図5はMPU14に実装された遮断器の同期開閉制御装置用動作時間計測処理手段40の詳細ブロック図である。動作時間計測処理手段40は図5から明らかなように、ディジタルフィルタ409と、電気量の波形データ立ち上がり時刻検出手段401と、投入動作時間検出手段402とから成る。この動作時間計測処理手段40のディジタルフィルタ409には主回路電流信号が入力され、また、投入動作時間検出手段402には同期閉極制御信号(開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10の出力)がそれぞれ入力され、投入動作時間の計測値が出力されるようになっている。
以下、図4の遮断器の同期開閉制御装置100の動作と作用の一例について、閉極動作を例にして説明する。
遮断器710の主接点(主接触子)711を系統電圧の所定の位相にて閉極させる同期閉極制御を行うために、遮断器の同期開閉制御装置100は以下のように動作する。
保護リレー装置やBCUなどの上位装置600から出力された遮断器の閉極指令信号は、遮断器の同期開閉制御装置100の開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10で検出される。開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10が閉極指令信号を検出後、所定の遅延時間経過後に閉極指令出力部15の半導体スイッチがON動作する。この時、同期閉極制御された同期閉極制御信号(遮断器駆動電流)が遮断器駆動用コイル620(投入コイルCC)に対して出力され、遮断器710は系統電圧の所定の位相で閉極動作する。
一方、閉極指令信号が検出されると、波形データ立ち上がり時刻検出手段401が主回路電流波形の立ち上がりタイミングの検出を開始する。そして、遮断器が投入動作すると主回路電流波形の立ち上がり時刻を検出する。投入動作時間検出手段402は、同期閉極制御信号の出力タイミングを基準として、主回路電流波形の立ち上がり時刻までの経過時間を算出し、これを遮断器の電気的な投入動作時間として計測する。 図6は本実施形態4における遮断器の同期閉極制御のタイミングチャートである。
図4乃至図6を用いて、遮断器の同期開閉制御装置100の開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10の動作・作用、および遮断器の電気的な投入動作時間の計測方法について詳細に説明する。
開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10は、図6においてtcommandのタイミングで閉極指令信号検出後、次に来る母線側電圧の零クロス点のタイミングtzeroを待つ。零クロス点のタイミングtzeroは基準点検出処理手段20が、系統電圧である母線側電圧波形を用いて常時検出している。
この零クロス点のタイミングtzeroから同期閉極遅延時間Tdelayの遅延時間経過後に、遮断器710に対して同期閉極制御した同期閉極制御信号を出力すれば、遮断器710が系統電圧(母線側電圧)の所定の位相(図6ではtcloseのタイミング)で閉極するとして、同期閉極遅延時間Tdelayを算出する。
同期閉極遅延時間Tdelayは、同期遅延時間算出処理手段30が算出する。理想的には同期閉極遅延時間Tdelayは、零クロス点から目標投入位相(電気的な目標投入位相のことで、図6ではtmakeのタイミング)までの時間Ttargetと、目標投入位相に対応するプレアーク時間Tpre-arcingと、遮断器の閉極動作時間Tclosingと、系統周期Tfreqを用いて次式(10)で得られる。
delay = Tfreq + (Ttarget + Tpre-arcing − (Tclosing %Tfreq ) )
( 0 ≦ Tdelay < 2 x Tfreq )
ただし、(Tclosing %Tfreq )は、Tclosing / Tfreq の余り・・・(10)
ただし、実際の系統電圧の零クロス点のタイミングとMPU14の基準点検出処理手段20が認識する零クロス点のタイミングにはズレ(遅れ)があるので、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10はこのズレを考慮して、理想的な同期閉極遅延時間Tdelayに補正を加えるものとする。
ここで、遮断器の閉極動作時間Tclosingは、遮断器の周囲温度や制御電圧などの環境条件や遮断器の休止時間によって変化する。このため、同期遅延時間算出処理手段30では、遮断器を高精度に同期開閉制御するために、センサなどで計測した温度、油圧、制御電圧、遮断器の休止時間データを用いて、温度補正、油圧補正、制御電圧補正、休止時間補正を行い、理想的な遮断器閉極動作時間と投入動作時間を予測算出する(投入動作時間+プレアーク時間=閉極動作時間の関係がある)。加えて、後述する方法により計測した、実際の遮断器閉極動作時間と投入動作時間を用いて履歴補正を行う。
以上の演算結果を用いて、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10は、零クロス点のタイミングtzeroを基準として、同期閉極遅延時間Tdelayの遅延時間後に、同期閉極制御された同期閉極制御信号を出力して、遮断器710の遮断器駆動用コイル620(投入コイルCC)を駆動すれば良い。
なお、本実施形態4で示した同期閉極制御アルゴリズムは、その一例を示したに過ぎず、その他のいかなる同期閉極制御アルゴリズムも本発明に適用できることは言うまでも無い。
また、同期開極制御においても同様な動作・作用を行うことは言うまでも無い。ただし、同期開極制御では、一般には主回路電流の零クロス点を基準に制御し、プレアーク時間を考慮する必要は無い。
次に、動作時間計測処理手段40の動作・作用について、図6を用いて詳細に説明する。
閉極指令信号を検出すると、波形データ立ち上がり時刻検出手段401は主回路電流波形の立ち上がりタイミングの検出を開始する。遮断器が投入動作して主回路電流波形が立ち上がると、その時刻tmakeを検出する。ここで、ディジタルフィルタ409の具体的な方法は実施形態3と同じである。また、電気量波形の立ち上がりタイミングの具体的な検出方法は、前述した実施形態1または実施形態2の方法を使用し、波形データ立ち上がり時刻検出手段401で演算処理する。なお、実施形態1または実施形態2の方法以外の演算により波形データ立ち上がりタイミングを検出しても良いことは言うまでも無い。
一方、投入動作時間検出手段402は、同期閉極制御信号(開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10の出力)の出力タイミングtcontrolを記憶している。同期閉極制御信号の出力時刻tcontrolから主回路電流波形の立ち上がり時刻tmakeまでの経過時間が遮断器の投入動作時間Tmakingの計測値となる。
さらに、投入動作時間の計測値にプレアーク時間を考慮して閉極動作時間Tclosingの計測値を算出しても良い。
なお、同期閉極制御信号の出力時刻tcontrolを基準として、主回路電流波形の立ち上がり時刻tmakeまでの時間をカウンターでカウントし、これを投入動作時間Tmakingに直接換算しても良いことは言うまでも無い。
また、主回路電流波形の立ち上がりタイミングの代わりに、系統電圧(負荷側電圧)の立ち上がりタイミングを検出して、同様に遮断器投入動作時間を計測しても良い。
以上の説明から明らかなように、本実施形態4における遮断器の同期開閉制御装置は、以下の効果を有する。
遮断器投入時の主回路電流や系統電圧の立ち上がりタイミングを高精度に検出し、遮断器投入動作時間を高精度に計測することが可能な遮断器の同期開閉制御装置を提供できる。
[実施形態5]
以下、図7乃至図10を参照して実施形態5について説明する。
図7は本実施形態5における遮断器の同期開閉制御装置のシステム構成図である。
本実施形態5の遮断器の同期開閉制御装置のシステム構成は、実施形態4と類似しているので、実施形態4との相違点のみを以下に説明する。
MPU14は、遮断器補助接点信号、系統電圧信号、主回路電流信号、各種センサ出力信号のディジタルデータ、および開極または閉極指令信号などの入力信号を用いて、動作時間計測処理手段41、同期遅延時間算出処理手段30、基準点検出処理手段20、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10、閉極位相算出処理手段50などの各種処理を実行する。
なお、動作時間計測処理手段41、同期遅延時間算出処理手段30、基準点検出処理手段20、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10、閉極位相算出処理手段50などの各種処理をハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せで構成しても良いことは言うまでも無い。
遮断器の同期開閉制御装置100に入力された遮断器補助接点信号は、DI入力手段11を介して、MPU14の動作時間計測処理手段41に入力される。
図8はMPU14に実装された遮断器の同期開閉制御装置用動作時間計測処理手段41の詳細ブロック図である。
図8において、動作時間計測処理手段41はディジタルフィルタ419、波形データ立ち上がり時刻検出手段411と投入動作時間検出手段412、投入電圧検出手段413、プレアーク時間算出手段414と極間絶縁耐力減少率(RDDS)算出手段415、及び閉合時刻検出手段416と閉極動作時間検出手段417とから構成されている。
この動作時間計測処理手段41には、主回路電流信号、系統電圧信号、同期閉極制御信号(開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10の出力)、遮断器補助接点信号が入力され、投入動作時間の計測値、投入時刻における電圧波高値、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の計測値、閉極動作時間の計測値が出力されるようになっている。
図9はMPU14に実装された遮断器の同期開閉制御装置用閉極位相算出処理手段50の詳細ブロック図である。
閉極位相算出処理手段50はRDDS補正手段501、補正プレアーク時間算出手段502、閉極位相算出手段503とから成る。閉極位相算出処理手段50には遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の計測値と目標投入位相が入力され、目標投入位相に対応する閉極位相が出力される。
図7の遮断器の同期開閉制御装置100の動作および作用の一例について閉極動作を例として説明する。
本実施形態5の遮断器の同期開閉制御装置の動作と作用は、実施形態4と類似であるので、実施形態4との相違点のみを以下に説明する。
図10は本実施形態5における遮断器の同期閉極制御のタイミングチャートである。図10を用いて、遮断器の同期開閉制御装置100の開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10の動作・作用、遮断器の電気的な投入動作時間の計測方法、遮断器の機械的な閉極動作時間の計測方法、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の計測方法について詳細に説明する。
開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10は、tcommandのタイミングで閉極指令信号検出後、次に来る母線側電圧の零クロス点のタイミングtzeroを待つ。零クロス点のタイミングtzeroは基準点検出処理手段20が、系統電圧である母線側電圧波形を用いて常時検出している。
この零クロス点のタイミングtzeroから同期閉極遅延時間Tdelayの遅延時間経過後に、遮断器710に対して同期閉極制御した同期閉極制御信号を出力すれば、遮断器710が系統電圧(母線側電圧)の所定の位相(図10ではtcloseのタイミング)で閉極するとして、同期閉極遅延時間Tdelayを算出する。
同期閉極遅延時間Tdelayは、同期遅延時間算出処理手段30が算出する。理想的には同期閉極遅延時間Tdelayは、零クロス点から目標投入位相(電気的な目標投入位相のことで、図10ではtmakeのタイミング)までの時間Ttargetと、目標投入位相に対応するプレアーク時間Tpre-arcingと、遮断器の閉極動作時間Tclosingと、系統周期Tfreqを用いて次式(11)で得られる。
delay = Tfreq + (Ttarget + Tpre-arcing − (Tclosing %Tfreq ) )
= Tfreq + (Ttarget_close − (Tclosing %Tfreq ) )
( 0 ≦ Tdelay < 2 x Tfreq )
ただし、(Tclosing %Tfreq )は、Tclosing / Tfreq の余り・・・(11)
ここで、Ttarget_closeは目標投入位相に対応する閉極位相で、後述する方法により閉極位相算出処理手段50で算出される。なお、実施形態4と同様に、閉極動作時間の温度補正、油圧補正、制御電圧補正、休止時間補正、履歴補正を行うことは言うまでも無い。
以上の演算結果を用いて、開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10は、零クロス点のタイミングtzeroを基準として、同期閉極遅延時間Tdelayの遅延時間後に、同期閉極制御された同期閉極制御信号を出力して、遮断器710の遮断器駆動用コイル620(投入コイルCC)を駆動すれば良い。
なお、本実施形態5で示した同期閉極制御アルゴリズムは、その一例を示したに過ぎず、その他のいかなる同期閉極制御アルゴリズムも適用できることは言うまでも無い。
また、同期開極制御においても同様な動作・作用を行うことは言うまでも無い。ただし、同期開極制御では、一般には主回路電流の零クロス点を基準に制御し、プレアーク時間を考慮する必要は無い。
次に、動作時間計測処理手段41の動作・作用について詳細に説明する。
閉極指令信号を検出すると、波形データ立ち上がり時刻検出手段411は主回路電流波形の立ち上がりタイミングの検出を開始する。そして、遮断器が投入動作して主回路電流波形が立ち上がると、その時刻tmakeを検出する。ここで、ディジタルフィルタ419の具体的な方法は実施形態3と同じである。また、電気量波形の立ち上がりタイミングの具体的な検出方法は、前述した実施形態1または実施形態2の方法を使用し、波形データ立ち上がり時刻検出手段411で演算処理する。なお、実施形態1または実施形態2の方法以外の演算により波形データ立ち上がりタイミングを検出しても良いことは言うまでも無い。
一方、投入動作時間検出手段412は、同期閉極制御信号(開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10の出力)の出力タイミングtcontrolを記憶している。同期閉極制御信号の出力時刻tcontrolから主回路電流波形の立ち上がり時刻tmakeまでの経過時間が遮断器の投入動作時間Tmakingの計測値となる。
なお、同期閉極制御信号の出力時刻tcontrolを基準として、主回路電流波形の立ち上がり時刻tmakeまでの時間をカウンターでカウントし、これを投入動作時間Tmakingに直接換算しても良いことは言うまでも無い。
また、主回路電流波形の立ち上がりタイミングの代わりに、系統電圧(負荷側電圧)の立ち上がりタイミングを検出して、同様に遮断器投入動作時間を計測しても良い。 更に、投入電圧検出手段413は、主回路電流波形の立ち上がり時刻tmakeにおける系統電圧の波高値(瞬時値)を算出する。この波高値が遮断器の投入タイミングにおける系統電圧の波高値、すなわち投入電圧の実測値になる。
これと平行して、閉極指令信号を検出すると、閉合時刻検出手段416は遮断器補助接点(a接点)がOFFからONになるタイミングの検出を開始する。遮断器が投入動作して主接点が閉合されると、遮断器補助接点(a接点)がOFFからONになるが、その時刻tcloseを検出する。
一方、閉極動作時間検出手段417は、同期閉極制御信号(開極/閉極指令信号出力遅延制御処理手段10の出力)の出力タイミングtcontrolを記憶している。同期閉極制御信号の出力時刻tcontrolから遮断器補助接点(a接点)がOFFからONになる時刻tcloseまでの経過時間が遮断器の閉極動作時間Tclosingの計測値となる。ここで、厳密には遮断器の主接点が閉合するタイミングと遮断器補助接点(a接点)がOFFからONに成るタイミングにはズレがあるため、このズレを補正して閉極動作時間Tclosingの計測値を算出する。
なお、同期閉極制御信号の出力時刻tcontrolを基準として、遮断器補助接点(a接点)がOFFからONになる時刻tcloseまでの時間をカウンターでカウントし、これを閉極動作時間Tclosingに直接換算しても良いことは言うまでも無い。
また、遮断器補助接点(a接点)の代わりに、ストロークセンサなどを使用して遮断器閉極動作時間Tclosingを計測しても良いことは言うまでも無い。
続いて、プレアーク時間算出手段414は、投入動作時間の計測値Tmaking_measurementと閉極動作時間の計測値Tclosing_measurementを用いて、プレアーク時間の計測値Tpre-arcing_measurementを次式(12)により算出する。
pre-arcing_measurement = Tclosing_measurement - Tmaking_measurement ・・・(12)
RDDS算出手段415は、プレアーク時間の計測値Tpre-arcing_measurementと投入時刻における系統電圧の波高値、すなわち投入電圧の実測値Vmake_measurementを用いて、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の計測値RDDSmeasurementを次式(13)により算出する。
RDDSmeasurement = Vmake_measurement / Tpre-arcing_measurement
・・・(13)
次に、閉極位相算出処理手段50の動作・作用について詳細に説明する。
RDDS補正手段501は、例えば次式(14)により遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の補正値を算出する。
Figure 0005514051
なお、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の補正値を算出するために、上記以外の演算式を用いても良いことは言うまでも無い。
続いて、補正プレアーク時間算出手段502は、目標投入位相における系統電圧の波高値Vmakeと遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の前記予測値を用いて、プレアーク時間の補正値Tpre-arcing_compensationを次式(15)により算出する。
Figure 0005514051
このように算出したプレアーク時間の補正値Tpre-arcing_compensationと零クロス点から目標投入位相までの時間Ttargetを用いると、零クロス点から補正された閉極位相までの時間Ttarget_close、すなわち目標投入位相に対応する補正された閉極位相を次式(16)により算出することができる。
target_close = Ttarget + Tpre-arcing_compensation ・・・(16)
したがって、同期閉極遅延時間Tdelayは、次式(17)
delay = Tfreq + (Ttarget_close −(Tclosing %Tfreq ))・・・(17)
により算出することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態5における遮断器の同期開閉制御装置は、以下の効果を有する。
本実施形態5における遮断器の同期開閉制御装置が、前述した実施形態4の遮断器の同期開閉制御装置と同様の効果を有することに加えて、本実施形態5では遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)を計測し、予測値(または設定値)との誤差をフィードバックして補正することにより、遮断器の極間絶縁耐力減少率(RDDS)の経時変化の補正ができる。
したがって、プレアーク時間の補正も行うことが可能となり、その結果、遮断器投入動作時間と目標投入位相に対応する閉極位相を高精度で予測できる遮断器の同期開閉制御装置を提供することができる。
1…主回路、2…遮断器、3…計器用変流器、4…入力手段、5…アナログ/ディジタル変換手段、6…電流立ち上がり検出手段、100…遮断器の同期開閉制御装置、14…MPU(マイクロプロセッサー)、15…開極/閉極指令出力部、10…開極/閉指令信号出力遅延制御処理、20…基準点検出処理、30…同期遅延時間算出処理、40,41…動作時間計測処理、401,411…波形データ立ち上がり時刻検出手段、402,412…投入動作時間検出手段、413…投入電圧検出手段、414…プレアーク時間算出手段、415…RDDS算出手段、416…閉合時刻検出手段、417…閉極動作時間検出手段、50…閉極位相算出処理、501…RDDS補正手段、502…補正プレアーク時間算出手段、503…閉極位相算出手段、740…計器用変圧器、750…変流器。

Claims (10)

  1. 任意の時刻における電気量の振幅の絶対値の2乗値の瞬時値にかかわる累積時間積分値を求め、前記任意の時刻よりも前の時刻における前記電気量の振幅の絶対値の2乗値の移動平均値に関する累積時間積分値を求め、これら瞬時値にかかわる累積時間積分値と、移動平均値にかかわる累積時間積分値との比が予め定めた閾値を越えたとき、その時刻を前記電気量の波形データの立ち上がり時刻として検出することを特徴とする電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法。
  2. ディジタルフィルタにより前記電気量のノイズを除去することを特徴とする請求項1に記載の電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法。
  3. 移動平均演算のサンプル数が2の整数乗であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法。
  4. 前記電気量波形データが電力系統における主回路電流または系統電圧の波形データであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気量波形の立ち上がりタイミング検出方法。
  5. 主回路電流または系統電圧の少なくとも一方と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号を入力、主回路電流または系統電圧の所望の位相で遮断器を投入させるように、前記位相に同期制御した同期閉極制御信号を遮断器に対して出力する制御を行う遮断器の同期開閉制御装置において、
    任意の時刻における主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの振幅の絶対値の瞬時値を求め、前記任意の時刻よりも前の時刻における前記振幅の絶対値の移動平均値を求め、前記振幅の絶対値の瞬時値と、前記振幅の絶対値の移動平均値との比が予め定めた閾値を越えたとき、その時刻を前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻として検出する波形データ立ち上がり時刻検出手段と、
    前記同期閉極制御信号の出力タイミングを基準として前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻までの経過時間をカウントし、遮断器の電気的な投入動作時間を計測する投入動作時間検出手段と、
    を有することを特徴とする遮断器の同期開閉制御装置。
  6. 主回路電流または系統電圧の少なくとも一方と、遮断器の状態量と、遮断器の閉極指令信号を入力、主回路電流または系統電圧の所望の位相で遮断器を投入させるように、前記位相に同期制御した同期閉極制御信号を遮断器に対して出力する制御を行う遮断器の同期開閉制御装置において、
    任意の時刻における主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの振幅の絶対値の2乗値の瞬時値にかかわる累積時間積分値を求め、前記任意の時刻よりも前の時刻における前記振幅の絶対値の2乗値の移動平均値に関する累積時間積分値を求め、これら瞬時値にかかわる累積時間積分値と、移動平均値にかかわる累積時間積分値との比が予め定めた閾値を越えたとき、その時刻を前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻として検出する波形データ立ち上がり時刻検出手段と、
    前記同期閉極制御信号の出力タイミングを基準として前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻までの経過時間をカウントして遮断器の電気的な投入動作時間を計測する投入動作時間検出手段と、
    を有することを特徴とする遮断器の同期開閉制御装置。
  7. ディジタルフィルタにより前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データのノイズを除去することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の遮断器の同期開閉制御装置。
  8. 前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻における系統電圧波高値を検出する投入電圧検出手段と、
    遮断器の主接点の機械的な閉合時刻を検出する閉合時刻検出手段と、
    前記同期閉極制御信号の出力タイミングを基準として、前記遮断器の主接点の機械的な閉合時刻までの経過時間をカウントして遮断器の機械的な閉極動作時間を計測する閉極動作時間検出手段と、
    前記遮断器の電気的な投入動作時間と前記遮断器の機械的な閉極動作時間の差から、遮断器のプレアーク時間を算出するプレアーク時間算出手段と、
    前記プレアーク時間と前記主回路電流波形データまたは系統電圧波形データの立ち上がり時刻における系統電圧波高値から遮断器の極間絶縁耐力減少率を算出する極間絶縁耐力減少率算出手段と、
    を有することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の遮断器の同期開閉制御装置。
  9. 実測した遮断器の極間絶縁耐力減少率を用いて、予め設定された遮断器の極間絶縁耐力減少率を補正する極間絶縁耐力減少率補正手段を有することを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の遮断器の同期開閉制御装置。
  10. 補正された遮断器の極間絶縁耐力減少率を用いて予め設定された主回路電流または系統電圧の所望の電気的な投入位相に対応する、補正されたプレアーク時間を算出する補正プレアーク時間算出手段と、
    前記電気的な投入位相と前記補正されたプレアーク時間から機械的な閉極位相を算出する閉極位相算出手段とを有することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の遮断器の同期開閉制御装置。
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