JP5512501B2 - プラズマ溶射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気伝導性のワイヤにプラズマアークを移行させてプラズマフレームを発生させ、ワイヤを溶滴としながら噴射するプラズマ溶射装置に関する。
図6は従来のプラズマ溶射装置を模式的に示した断面図である。図6に示すように、従来のプラズマ溶射装置90は、一次ガス通路91aを形成する一次ガスノズル91と、一次ガスノズル91の外側に配置されて二次ガス通路92aを形成する二次ガスノズル92と、一次ガスノズル91のノズル口91bおよび二次ガスノズル92のノズル口92aの略中心軸上に配置された陰極93と、電源装置94と、二次ガスノズル92のノズル口92aの近傍に溶射用の電気伝導性のワイヤWを供給するワイヤガイド孔95とを備える。
ワイヤWは、ワイヤガイド孔95からノズル口92aの中心軸へ向けて斜め前方に供給される。そして、一次ガス通路91aから噴出される一次ガスが、電源装置94の陽極側と二次ガスノズル92を介して間接的に接続されたワイヤWと、電源装置94の陰極側と接続された陰極93との間に生じるアークによってプラズマ化されてプラズマフレームFとなり、ワイヤWを溶滴Dとして噴射する。この溶滴Dは、二次ガス通路92aから二次ガスノズル92の前方へ噴射される二次ガスによってさらに微細化され、さらに加速されて被処理物T上に噴射され、溶射被膜Sを形成する。
このように、ワイヤWをプラズマフレームFと二次ガス流れによって溶滴としながら噴射する方式のプラズマ溶射装置では、プラズマフレームFを安定的に生じさせ、一様な溶滴Dを噴射するために、ワイヤWの先端が常にプラズマフレームFの内部に位置しているようにしなければならない。
ところが、従来のプラズマ溶射装置では、ワイヤWを供給するワイヤガイド孔95が円形断面形状であり、ワイヤWが本来的に有しているゆがみ癖による引っ掛かりや詰まりなどを回避するためにワイヤWの外径よりも大きな口径を有している。そのため、ワイヤWのねじれを矯正しながら送給することが困難であり、ワイヤWのゆがみ癖によりプラズマフレームFの中心を外れたり戻ったりを繰り返し、プラズマフレームFの中心に安定したワイヤ供給ができないという問題を有している。
そこで、例えば、特許文献1に記載のように、プラズマアークトーチに一体化した支持板にワイヤ材を挟み込んでその一次曲がりを矯正する矯正案内部材とこの矯正案内部材からワイヤを案内しながらワイヤにその弾性限界を超えた二次曲げを行う二次曲げ案内部材を設けてワイヤの供給を行い、このワイヤが本来的に有しているゆがみ癖を取り除いてから行うことにより、ワイヤの先端がプラズマガス流の中心に常に位置するようにし、安定なプラズマフレームを発生させる改良が行われている。
特開平9−308970号公報
ところが、特許文献1に記載のようにワイヤに対して弾性限界を超えた二次曲げを行う二次曲げ案内部材をプラズマアークトーチに一体化した場合、ワイヤ送り出しの力は、二次曲げ案内部材によりワイヤへ弾性限界を超えた二次曲げを行うために過大になる。そのため、ワイヤ供給機構が大型となり、トーチ全体も大型となる傾向がある。
そこで、本発明においては、ワイヤが二次ガスノズルのノズル口の近傍に供給される場合に、ワイヤが本来的に有しているゆがみ癖に関わらず、ワイヤにその弾性限界を超えた二次曲げを行う二次曲げ案内部材を設けることなく、ワイヤ送りを安定させることが可能な小型のプラズマ溶射装置を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ溶射装置は、陰極と、この陰極の外周に一次ガス通路を形成して陰極の先端部を覆う一次ガスノズルと、この一次ガスノズルの外側に配置されて二次ガス通路を形成する二次ガスノズルと、この二次ガスノズルのノズル口の近傍へ溶射用のワイヤを供給するワイヤ通路とを備え、ワイヤ通路より供給されるワイヤの先端と陰極との間に生じるアークにより一次ガスノズルから噴射する一次ガスをプラズマ化し、一次ガスノズルより噴射するプラズマフレームを形成してワイヤの先端を溶滴とし、この溶滴をプラズマフレームと二次ガスノズルから噴射する二次ガスによって被処理物上に噴射するプラズマ溶射装置において、ワイヤ通路は、プラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有し、ワイヤに弾性限界を超えない範囲の曲がりを与えるものである。
本発明のプラズマ溶射装置によれば、ワイヤに弾性限界を超えない範囲の曲がりを与えることで、ワイヤのゆがみ癖をプラズマフレームの伸展方向に逃がして、プラズマフレームの伸展方向に対して直角方向への位置ずれを防止することができる。なお、ワイヤの先端部分は、プラズマフレームの伸展方向に対しては多少の位置ずれが発生しても、プラズマフレームの軸線上に位置するため、プラズマフレームは不安定とはならない。したがって、本発明のプラズマ溶射装置によれば、プラズマフレームの中心部へワイヤを安定して供給することが可能となる。
ここで、ワイヤ通路の略長方形断面形状は、短辺方向の幅がワイヤの直径より3%以上かつ10%未満の範囲で大きいことが望ましい。これにより、ワイヤのゆがみ癖を実質的にプラズマフレームの伸展方向にのみ逃がして、プラズマフレームの伸展方向に対して直角方向の位置ずれを防止することができる。なお、短辺方向の幅がワイヤの直径より3%未満しか大きくない場合には、ワイヤのゆがみ癖をプラズマフレームの伸展方向に逃がすための隙間が不足して引っ掛かりや詰まりが発生する恐れがある。一方、短辺方向の幅がワイヤの直径より10%以上大きい場合には、隙間が大きすぎ、ワイヤのゆがみ癖がプラズマフレームの伸展方向だけでなく、直角方向へも逃げる恐れがある。
ワイヤ通路は、二次ガスノズルのノズル口の近傍に形成されたワイヤ出口を有する一次ワイヤ通路と、この一次ワイヤ通路に対して所定の傾斜角でワイヤを供給する二次ワイヤ通路とを有するものである。これにより、ワイヤが二次ワイヤ通路から一次ワイヤ通路へ送給される際に、ワイヤに対して所定の傾斜角によりワイヤの弾性限界を超えない範囲で曲がりが与えられ、ワイヤのゆがみ癖をプラズマフレームの伸展方向に逃がし、プラズマフレームの伸展方向に対して直角方向への位置ずれを防止することができる。
このとき、所定の傾斜角は、1〜5°であることが望ましい。これにより、ワイヤに対してワイヤの弾性限界を超えない範囲の曲がりが与えられ、プラズマフレームの中心部へワイヤをさらに安定して供給することが可能となる。なお、所定の傾斜角が1°未満では、ワイヤに対して所定の曲がりを与えることができず、ワイヤ送りが安定しなくなる恐れがある。一方、所定の傾斜角が5°超では、ワイヤの弾性限界を超える範囲の曲がりが与えられる可能性がある。
また、一次ワイヤ通路と二次ワイヤ通路とは、3〜10mmの隙間を隔てて配置されたものであることが望ましい。これにより、一次ワイヤ通路と二次ワイヤ通路と隙間とによって擬似的に大きな曲線状のワイヤ通路を形成し、ワイヤに弾性範囲を超えない範囲の曲がりを与えることができる。なお、隙間が3mm未満の場合には、実質的に一次ワイヤ通路一つにより形成したものと変わらなくなる。一方、隙間が10mmを超える場合には、二次ワイヤ通路によりワイヤに加えた曲げの効果が薄れてしまい、この場合にも実質的に一次ワイヤ通路一つにより形成したものと変わらなくなる。
(1)ワイヤ通路がプラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有し、ワイヤに弾性限界を超えない範囲の曲がりを与えるものであることにより、ワイヤにその弾性限界を超えた二次曲げを行う二次曲げ案内部材を設けることなく、ワイヤが本来的に有しているゆがみ癖をプラズマフレームの伸展方向に逃がして、プラズマフレームの伸展方向に対して直角方向への位置ずれを防止し、プラズマフレームの中心部へワイヤを安定して供給することが可能となる。
(2)ワイヤ通路の略長方形断面形状は、短辺方向の幅がワイヤの直径より3%以上かつ10%未満の範囲で大きいことにより、ワイヤのゆがみ癖を実質的にプラズマフレームの伸展方向にのみ逃がして、プラズマフレームの伸展方向に対して直角方向の位置ずれを防止することができ、プラズマフレームの中心部へワイヤをより安定して供給することが可能となる。
(3)ワイヤ通路が、二次ガスノズルのノズル口の近傍に形成されたワイヤ出口を有する一次ワイヤ通路と、この一次ワイヤ通路に対して1〜5°の傾斜角でワイヤを供給する二次ワイヤ通路とを有するものであることにより、ワイヤに対してワイヤの弾性限界を超えない範囲の曲がりが与えられ、プラズマフレームの中心部へワイヤをさらに安定して供給することが可能となる。
(4)一次ワイヤ通路と二次ワイヤ通路とは、3〜10mmの隙間を隔てて配置されたものであることにより、一次ワイヤ通路および二次ワイヤ通路よりも擬似的に大きな曲線状のワイヤ通路を形成し、ワイヤに弾性範囲を超えない範囲の曲がりを与えることができる。
本発明の実施の形態におけるプラズマ溶射装置の概略構成図である。 図1のプラズマ溶射トーチの主要部の詳細を示す縦断面図である。 図2のA矢視図である。 図1のプラズマ溶射トーチの動作説明図である。 ワイヤ通路の断面形状とワイヤが受ける力の方向を示す説明図である。 従来のプラズマ溶射装置を模式的に示した断面図である。
図1は本発明の実施の形態におけるプラズマ溶射装置の概略構成図、図2は図1のプラズマトーチの主要部の詳細を示す縦断面図、図3は図2のA矢視図、図4は図1のプラズマトーチの動作説明図である。
図1において、本発明の実施の形態におけるプラズマ溶射装置1は、プラズマフレームにより溶滴としたワイヤWを被処理物上に噴射するプラズマ溶射トーチ2と、プラズマ溶射トーチ2へ一次ガスおよび二次ガスを供給するガス供給源3と、プラズマ溶射トーチ2へ動作電力を供給する電源4と、ワイヤWが巻回されたワイヤリール5と、ワイヤリール5から引き出されるワイヤWの巻き癖を矯正するワイヤ矯正機6と、ワイヤWをワイヤ送りチューブ8によりプラズマ溶射トーチ2へ供給するワイヤ供給機構7とを有する。
図2に示すように、プラズマ溶射トーチ2は、一次ガス通路11を形成する一次ガスノズル10と、一次ガスノズル10の外側に配置されて二次ガス通路21を形成する二次ガスノズル20と、一次ガスノズル10と二次ガスノズル20との間に配置されて三次ガス通路31を形成する三次ガスノズル30と、一次ガスノズル10のノズル口12および二次ガスノズル20のノズル口22の略中心軸上に配置された陰極40と、二次ガスノズル20のノズル口22の近傍へ溶射用のワイヤWを供給するワイヤ通路50とを備える。
一次ガスノズル10は、陰極40の先端部を覆うように形成されており、陰極40の外周に一次ガス通路11を形成している。この一次ガス通路11に供給される一次ガスは、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスである。あるいは、この一次ガスとして、圧縮エアを用いることも可能である。一次ガス通路11によって供給される一次ガスは、一次ガスノズル10のノズル口12より二次ガスノズル20の前方へ噴射される。
三次ガスノズル30は、一次ガスノズル10の外側を包み込むように形成されており、一次ガスノズル10の外周に三次ガス通路31を形成している。三次ガスは、圧縮エアや炭酸ガス等のガスである。二次ガスノズル20は、三次ガスノズル30の外側を包み込むように形成されており、三次ガスノズル30の外周に二次ガス流路21を形成している。二次ガスは、圧縮エアや炭酸ガス等のガスである。
ワイヤ通路50は、二次ガスノズル20のノズル口22の近傍に形成されたワイヤ出口51bを有する一次ワイヤ通路51aと、この一次ワイヤ通路51aに対して所定の傾斜角θでワイヤWを供給する二次ワイヤ通路52aとから構成される。ワイヤ通路50は、一次ワイヤ通路51aと二次ワイヤ通路52aとによりワイヤWに弾性限界を超えない範囲の曲がりを与えるものである。
図3に示すように、一次ワイヤ通路51aは、プラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有し、二次ガスノズル20の外側に配置された一次ワイヤ案内部材51を直線状に貫通して形成されている。同様に、二次ワイヤ通路52aも、プラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有し、一次ワイヤ通路51aから離れた位置に配置された二次ワイヤ案内部材52を直線状に貫通して形成されている。
一次ワイヤ通路51aの長辺方向の幅aは、ワイヤWの直径dよりも10%以上かつ95%以下の範囲で大きく設定されている。また、一次ワイヤ通路51aの短辺方向の幅bは、ワイヤWの直径dより3%以上かつ10%未満の範囲で大きく設定されている。なお、本実施形態におけるワイヤWの直径dは1.6mmであり、長辺方向の幅aはワイヤWの直径dよりも0.2〜1.5mm程度大きく、短辺方向の幅bはワイヤWの直径dよりも0.05〜0.15mm程度大きく設定してある。二次ワイヤ通路52aについても同様である。
なお、一次ワイヤ通路51aおよび二次ワイヤ通路52aが有する略長方形断面形状とは、長方形断面形状のほか、長方形断面形状の角部がワイヤWの外面が接しない範囲でC面取りやR面取りなどの加工が施されている形状を含むものとする。したがって、本実施形態においてワイヤWは、一次ワイヤ通路51aおよび二次ワイヤ通路52a内において長辺方向の平面または短辺方向の平面のいずれの平面に対しても垂直方向の力のみを受けることになる。
また、二次ワイヤ通路52aの一次ワイヤ通路51aに対する傾斜角θは、一次ワイヤ通路51aの中心線と二次ワイヤ通路52aの中心線とがなす角である。本実施形態においては、傾斜角θは1〜5°程度に設定してある。また、二次ワイヤ案内部材52は、一次ワイヤ通路51aと二次ワイヤ通路52aとが隙間cを隔てて配置される位置に設けられている。本実施形態においては、隙間cは3〜10mm程度に設定してある。
このように本実施形態におけるプラズマ溶射トーチ2では、一次ワイヤ通路51aと二次ワイヤ通路52aとが隙間cを隔てて配置されることで、それぞれ直線状の一次ワイヤ通路51aと二次ワイヤ通路52aとにより擬似的に大きな曲線状のワイヤ通路50を形成し、ワイヤWに弾性範囲を超えない範囲の曲がりを与える。なお、一次ワイヤ通路51aおよび二次ワイヤ通路52aを、それぞれ曲線状とすることも可能である。
電源4の陽極側は、一次ワイヤ案内部材51に接続されており、この一次ワイヤ案内部材51の一次ワイヤ通路51a内を通るワイヤWに対して間接的に接続されている。一方、電源4の陰極側は、陰極40に接続されている。なお、電源4の陽極側は、ワイヤWに直接接続されることもある。
上記構成のプラズマ溶射装置1では、ワイヤリール5に巻かれたワイヤWがワイヤ供給機構7によってプラズマ溶射トーチ2へ送給される際、ワイヤWの強い巻き癖がワイヤ矯正機6によって矯正され、緩やかな曲線状に伸ばされる。そして、ワイヤWはワイヤ送りチューブ8を介してワイヤ通路50へ供給される。ワイヤ通路50では、ワイヤWは一次ワイヤ通路51aおよび二次ワイヤ通路52a内で長辺方向の平面または短辺方向の平面のいずれの平面に対しても垂直方向の力のみを受けて、図4に示すようにプラズマフレームFの伸長方向へ弾性限界を超えない範囲の曲がりが与えられる。
ここで、一次ワイヤ通路51aおよび二次ワイヤ通路52aは、プラズマフレームFの伸展方向に長い略長方形断面形状を有するので、ゆがみ癖はプラズマフレームFの伸展方向に逃がされる。特に、本実施形態においては、短辺方向の幅bが、ワイヤWの直径dより3%以上かつ10%未満の範囲で大きく設定されているだけであるため、プラズマフレームFの伸展方向に対して直角方向へは逃がされない。したがって、ワイヤWの先端部分はプラズマフレームFの伸展方向に対しては多少の位置ずれが発生しても、プラズマフレームFの伸長方向に対して直角方向への位置ずれは防止され、プラズマフレームFの軸線上に位置するようになる。
図5はワイヤ通路の断面形状とワイヤが受ける力の方向を示している。図5において、略長方形断面Aは長方形断面形状、略長方形断面Bは長方形断面形状の角部がワイヤWの外面が接しない範囲でC面取り加工が施されている形状、略長方形断面Cは長方形断面形状の角部がワイヤWの外面が接しない範囲でR面取り加工が施されている形状である。これらの略長方形断面形状では、ワイヤWが長辺方向の平面に接しても短辺方向の平面に接しても、それぞれの平面に対して垂直方向の力のみを受けることになる。
ワイヤWは、ワイヤ矯正機構7によっても完全に直線状には矯正できないため、ゆがみ癖が残っている。そして、ワイヤ送りチューブ8は、作業時のプラズマ溶射トーチ2の取り回しにより、様々な状態に曲がり形状が変化して一定の形状とはならない。そのため、このように形状が一定とならないワイヤ送りチューブ8内をゆがみ癖が残ったワイヤWが送られてくると、ワイヤ送りチューブ8の形状に合わせてワイヤWへ曲げやねじれの力が働く。この曲げやねじれの力によりワイヤWは弾性限度内ではバネと同様に自由に曲がりながら、力の方向が安定する位置でワイヤ送りチューブ8内を蛇行しながら送られていくことになる。
このとき、上述の略長方形断面形状では、ワイヤWが短辺方向の平面に接した場合には、この短辺方向の平面に対して垂直方向、すなわちプラズマフレームFの伸展方向(以下、「X方向」と称す。)の力を受けることになり、ゆがみ癖はプラズマフレームFの伸展方向に逃がされる。そして、この短辺方向の平面にのみ接触している際に、プラズマフレームFの伸展方向に対して直角方向(以下、「Y方向」と称す。)の力が掛かった場合には、ワイヤWは短辺方向の幅bの隙間分だけ自由に移動し、長辺方向の平面に接するが、この場合も長辺方向の平面に対して垂直方向(Y方向)の力が働くため、ワイヤWの位置が安定する。特に、ねじれの力を受けた場合は、X方向とY方向の力として短辺方向と長辺方向の力に分散されて、各面に対して垂直方向に力が働き、ワイヤWのねじれを抑制する働きをするために、ワイヤWの位置は安定する。
一方、丸形断面や長丸断面の場合には、ワイヤWは丸形断面や長丸断面の曲面に接すると、この曲面に対して垂直方向の力だけを受けることになり、ワイヤWは曲面に沿って自由に移動することができる。特に、ねじれの力を受けた場合に、ワイヤWは曲面に沿って自由に回転するために、ワイヤWのねじれを抑制しない。このため、ワイヤWが受ける力の方向が定まらず、ワイヤWの位置は不定となる。
このように本実施形態におけるプラズマ溶射装置1では、ワイヤWの先端部分はプラズマフレームFの中心部へワイヤWを安定して供給することができる。そして、一次ガス通路11から噴出される一次ガスが、電源4の陽極側に一次ワイヤ案内部材51を介して間接的に接続されたワイヤWと、電源4の陰極側に接続された陰極40との間に生じるアークによってプラズマ化されてプラズマフレームFとなり、ワイヤWを溶滴Dとして噴射する。この溶滴Dは、二次ガス通路21から二次ガスノズル20の前方へ噴射される二次ガスによってさらに微細化され、さらに加速されて被処理物T上に噴射され、溶射皮膜Sを形成する。
このとき、本実施形態におけるプラズマ溶射装置1では、一次ガス通路11と二次ガス通路21との間に配置されている三次ガス通路31から噴射される三次ガス流れの内側が、プラズマフレームFの熱を受けて高温のガス噴射Gを形成する。この高温のガス噴射Gにより、その外側に噴射される二次ガスの急激な絞り込みによってプラズマフレームFの外周部から発生するかく乱を抑えることで、プラズマフレームFのガス拡散を防止することができ、溶滴Dとなった粒子の表面の酸化が低減される。これにより、被処理物T上に酸化が少ない溶射皮膜Sを形成することが可能となっている。
また、三次ガスとして不活性ガスである窒素ガスやアルゴンガスなどを用いた場合には、上述のように二次ガスの急激な絞りこみによってプラズマフレームFの外周部から発生するかく乱を防止するとともに、プラズマフレームFの外周部にプラズマフレームFの熱を受けた高温の不活性ガス噴射が形成される。これにより、溶滴Dの粒子は、高温の不活性ガス噴射により粒子の成分変化が防止された状態で微細化され、加速されるために、二次ガスによる酸化から保護される。これにより、さらに酸化が少ない溶射皮膜Sを形成することが可能となる。
なお、本実施形態においては、一次ワイヤ通路51aおよび二次ワイヤ通路52aの両方をプラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有するものとしているが、いずれか一方のみをプラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有するものとすることも可能である。この場合、プラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有する一次ワイヤ通路または二次ワイヤ通路により、ワイヤWのゆがみ癖をプラズマフレームFの伸展方向に逃がして、ワイヤWの先端部分をプラズマフレームFの中心部へ供給することができる。
本発明のプラズマ溶射装置は、鋼構造物の表面に防錆用溶射皮膜を形成するための装置として有用である。
1 プラズマ溶射装置
2 プラズマ溶射トーチ
3 ガス供給源
4 電源
5 ワイヤリール
6 ワイヤ矯正機
7 ワイヤ供給機構
10 一次ガスノズル
11 一次ガス通路
12 ノズル口
20 二次ガスノズル
21 二次ガス通路
22 ノズル口
30 三次ガスノズル
31 三次ガス通路
40 陰極
50 ワイヤ通路
51 一次ワイヤ案内部材
51a 一次ワイヤ通路
52 二次ワイヤ案内部材
52a 二次ワイヤ通路

Claims (5)

  1. 陰極と、この陰極の外周に一次ガス通路を形成して前記陰極の先端部を覆う一次ガスノズルと、この一次ガスノズルの外側に配置されて二次ガス通路を形成する二次ガスノズルと、この二次ガスノズルのノズル口の近傍へ溶射用のワイヤを供給するワイヤ通路とを備え、前記ワイヤ通路より供給される前記ワイヤの先端と前記陰極との間に生じるアークにより前記一次ガスノズルから噴射する一次ガスをプラズマ化し、前記一次ガスノズルより噴射するプラズマフレームを形成して前記ワイヤの先端を溶滴とし、この溶滴を前記プラズマフレームと前記二次ガスノズルから噴射する二次ガスによって被処理物上に噴射するプラズマ溶射装置において、
    前記ワイヤ通路は、前記プラズマフレームの伸展方向に長い略長方形断面形状を有し、前記ワイヤに弾性限界を超えない範囲の曲がりを与えるものであるプラズマ溶射装置。
  2. 前記ワイヤ通路の略長方形断面形状は、短辺方向の幅がワイヤの直径より3%以上かつ10%未満の範囲で大きいことを特徴とする請求項1記載のプラズマ溶射装置。
  3. 前記ワイヤ通路は、前記二次ガスノズルのノズル口の近傍に形成されたワイヤ出口を有する一次ワイヤ通路と、この一次ワイヤ通路に対して所定の傾斜角で前記ワイヤを供給する二次ワイヤ通路とを有するものである請求項1または2に記載のプラズマ溶射装置。
  4. 前記所定の傾斜角は、1〜5°である請求項3記載のプラズマ溶射装置。
  5. 前記一次ワイヤ通路と前記二次ワイヤ通路とは、3〜10mmの隙間を隔てて配置されたものである請求項3または4に記載のプラズマ溶射装置。
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