JP5764864B2 - 溶射皮膜形成装置及びワイヤへの給電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融させた溶射材料を被溶射物に向けて噴射することにより溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置及びワイヤへの給電方法に関し、詳細には、コンタクトチップの構造に関する。
例えば、旋回する溶射ガンの中央に溶射材料となるワイヤを溶射の進行に合わせて送給し、その周囲をプラズマ発生部がワイヤに向かってプラズマを噴射することでワイヤを溶かし、溶滴となった溶射金属を被溶射物に吹き付けることで溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置が提案されている(例えば、特許文献1に記載)。
特許文献1に記載の溶射皮膜形成装置では、送給されるワイヤにコンタクトチップ(ワイヤ用電極)を接触させ、該コンタクトチップを介してワイヤに通電することでプラズマを発生させる構造を採用している。
特開2008−1922号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構造では、溶射の進行に合わせてワイヤの送り速度が可変されて該ワイヤが送給されるため、コンタクトチップ(電極)とワイヤの接触部が摺動及び電蝕で摩耗し、通電状態が不安定になる。
そこで、本発明は、溶射の進行に合わせて送給されるワイヤに対するコンタクトチップの安定した接触状態を維持して通電状態を安定化することができる溶射皮膜形成装置及びワイヤへの給電方法を提供することを目的とする。
本発明の溶射皮膜形成装置におけるコンタクトチップは、溶射ガンに対して螺合されるねじ部と、このねじ部を一体化した本体部と、ねじ部及び本体部の軸方向に貫通するワイヤ送給孔とを備え、軸芯を中心とする2つのチップ部品に分割されている。そして、これら2つのチップ部品を重ね合わせて前記溶射ガンに対してねじ部同士を螺合させて取り付けることによって、前記ワイヤ送給孔に送給される前記ワイヤがこれらチップ部品で挟まれて圧接されることを特徴とする。
本発明のワイヤへの給電方法は、前記コンタクトチップは、本体部と、その本体部の軸方向に貫通するワイヤ送給孔と、を備え、軸芯を中心とする2つのチップ部品に分割され、これら2つのチップ部品を重ね合わせて前記溶射ガンに対してねじ部同士を螺合させて取り付けることによって、前記ワイヤ送給孔に送給される前記ワイヤがこれらチップ部品で挟まれて圧接され、前記ワイヤ送給孔に前記2つのチップ部品に挟まれて圧接された状態で前記ワイヤを送給し、前記ワイヤに給電する。
本発明の溶射皮膜形成装置によれば、コンタクトチップに貫通して形成したワイヤ送給孔のうち入口部と出口部間の中間部をワイヤが接触する凹凸形状としたので、入口部から進入するワイヤが凹凸形状をなす凹凸部に接触し、コンタクトチップとワイヤとの安定した接触状態を維持し、通電状態を安定化させることができる。したがって、本発明の溶射皮膜形成装置を使用すれば、コンタクトチップの寿命を延ばすことができると共に溶射皮膜の品質を高めることが可能となる。
本発明のワイヤへの給電方法によれば、コンタクトチップに形成したワイヤ送給孔の入口部と出口部間の中間部に凹凸形状を形成し、その凹凸形状をなす部位にワイヤを接触させて給電するので、ワイヤがこの凹凸に接触し、コンタクトチップとワイヤとの安定した接触状態が維持され、通電状態を安定化させることができる。
図1は実施形態1の溶射皮膜形成装置の全体図である。 図2は実施形態1のコンタクトチップとそのコンタクトチップが取り付けられる溶射ガン先端部分を示す図である。 図3は実施形態1のコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。 図4は実施形態2のコンタクトチップの分解斜視図である。 図5は実施形態3のコンタクトチップを示し、(A)はそのコンタクトチップの断面図、(B)はそのコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。 図6は実施形態4のコンタクトチップを示し、(A)はそのコンタクトチップの断面図、(B)はそのコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。 図7は実施形態5のコンタクトチップを示し、(A)はそのコンタクトチップの断面図、(B)はそのコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「実施形態1」
図1は実施形態1の溶射皮膜形成装置の全体図、図2は実施形態1のコンタクトチップとそのコンタクトチップが取り付けられる溶射ガン先端部分を示す図、図3は実施形態1のコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。
溶射皮膜形成装置1は、図1に示すように、溶融金属を被溶射物に向けて噴射する溶射ガン2と、この溶射ガン2にワイヤ3を供給するワイヤ供給手段と、溶射ガン2にガス(プラズマガス)を供給するガス供給手段と、溶射ガン2にアトマイズエアーを供給するエアー供給手段と、プラズマを発生させるプラズマ発生手段と、を備えている。
溶射ガン2は、この溶射ガン2を旋回(回転)させるための主軸4の先端に取り付けられている。主軸4は、ハウジング5内に設けられたモータ6からの回転力をタイミングベルト7を介して伝達されることで、その先端に取り付けた溶射ガン2を回転させる。図1では、モータ6は、矢印Xで示す方向に溶射ガン2を回転させる。この溶射ガン2の中心には、前記した主軸4を軸方向に貫通して形成されたワーク送り孔8を通して溶射材料となるワイヤ3が送給されるようになっている。ワーク送り孔8は、ワイヤ3をガイドして送給するために、該ワイヤ3の直径よりも多少大きな直径を有した貫通孔として形成されている。
ワイヤ供給手段は、図示を省略したワイヤ収容部からローラ対などを備えるワイヤ送給装置によって、前記主軸4を通して溶射ガン2へと送給される。このワイヤ供給手段では、溶射の進行(溶射量の増減に応じて)に合わせて、前記ワイヤ3の送り速度を可変して前記溶射ガン2へワイヤ3を送給するようになっている。
ガス供給手段及びエアー供給手段は、プラズマガス(ガス)を供給するガス供給部9と、アトマイズエアーを供給するエアー供給部10と、ガスエアーの経路であるロータリージョイント11と、を有している。ガス供給部9から供給されたプラズマガスとエアー供給部10から供給されたアトマイズエアーは、前記主軸4に形成されたそれぞれの供給路(図示は省略する)を介して前記溶射ガン2に供給されるようになっている。
プラズマ発生手段は、電源部12と、この電源部12のプラス極と接続される一方の電極と、電源部12のマイナス極と接続される他方の電極13と、を有している。他方の電極13は、前記溶射ガン2に形成されたガス噴出孔(図示は省略する)の近傍に固定されている。一方の電極は、ワイヤ3を内部に接触させて送給させる導電性を有したコンタクトチップ15からなる。
溶射ガン2には、ガス供給部9からガス噴出孔へとプラズマガスを供給するためのガス供給路が形成されている。また、溶射ガン2には、エアー供給部10からエアー噴出孔へとアトマイズエアーを供給するためのエアー供給路が形成されている。エアー噴出孔は、ガス噴出孔を中心として取り囲むように複数形成されている。
コンタクトチップ15は、前記主軸4に形成されたワーク送り孔8と連通する貫通孔16とその貫通孔16の出口付近に形成された雌ねじ部17とを有したワイヤ供給用ガイド18に対して着脱自在に取り付けられている。かかるコンタクトチップ15は、前記ワイヤ供給用ガイド18の雌ねじ部17に螺合されるねじ部19と、このねじ部19を一体化した本体部20と、前記ねじ部19及び本体部20の軸方向に貫通するワイヤ送給孔21と、を備えている。
前記コンタクトチップ15は、図2及び図3に示すように、例えば導電性に優れた銅等からなる丸棒を削り出すことにより、ねじ部19と本体部20とを一体的に形成している。ねじ部19は、コンタクトチップ15の基端側に形成されており、前記溶射ガン2に設けられるワイヤ供給用ガイド18の雌ねじ部17と螺合する。本体部20は、基端側から先端側に行くに従って次第にその直径を小さくする截頭円錐形状に形成されている。
ワイヤ送給孔21は、入口部21A及び出口部21Bをストレート孔形状とし、これら入口部21A及び出口部21B間の中間部21Cを前記ワイヤ3が接触する凹凸形状としている。
前記ワイヤ送給孔21の入口部21A及び出口部21Bのストレート孔形状は、ワイヤ3の直径よりも多少大きな円形孔をなし、コンタクトチップ15の先端側及び基端側のそれぞれの端面15a、15bから所定長さを持って形成されている。前記ストレート孔形状の長さは、ワイヤ入り口からその内部へとワイヤ3を案内し得る長さとされると共に、ワイヤ出口からワイヤ3を真っ直ぐに外へ飛び出させる長さとされている。前記ワイヤ送給孔21の中間部21Cの凹凸形状は、山形状をなす凸部22と、この凸部22と逆形状をなすへこみとして形成される凹部23とが交互に連続するねじ形状とされている。
前記ワイヤ送給孔21は、例えば銅等からなる丸棒を旋盤等で切削加工することでねじ部19と本体部20とを前記した所定形状に形成した後、その中心にドリルにて貫通孔を形成し、さらに貫通孔にタップにてねじ部を形成し、その後、ドリルにて入口側及び出口側のねじ山を取り除いて形成される。
以上のように構成されたコンタクトチップ15は、前記ワイヤ供給用ガイド18の雌ねじ部17にねじ部19を螺合させることで溶射ガン2に取り付けられることにより、前記電源部12のプラス極と接続される。
次に、上述のように構成された溶射皮膜形成装置を使用して被溶射物に溶射皮膜を形成する方法並びにワイヤへの給電方法について説明する。
先ず、ガス供給部9からプラズマガスを主軸4を介して溶射ガン2のガス供給路へ供給する。同じく、エアー供給部10からアトマイズエアーを主軸4を介して溶射ガン2のエアー供給路へ供給する。すると、前記プラズマガスは、ガス噴出孔から外部へと噴射される。一方、アトマイズエアーは、前記ガス噴出孔より噴射されたプラズマガスを取り囲むようにして各エアー噴出孔から外部へと噴射される。
次に、ワイヤ供給手段によってワイヤ3を送給する。ワイヤ3は、主軸4のワーク送り孔8を介して溶射ガン2に設けたワイヤ供給用ガイド18の貫通孔16より前記コンタクトチップ15のワイヤ送給孔21へと送給される。
このワイヤ送給孔21に送給されたワイヤ3は、ストレート孔形状とされた入口部21Aに入り込む。この時、ワイヤ3は、入口部21Aがストレート孔形状であるため、引っ掛かることなくスムーズに入口部21Aからその孔奥へと入り込む。また、ワイヤ3は、ストレート孔形状により真っ直ぐ孔奥へと案内される。
そして、ワイヤ送給孔21の内部へと送給されたワイヤ3は、入口部21A奥の凹凸形状をなす中間部21Cへと送り込まれる。中間部21Cでは、孔内面がねじ形状をなす凸部22と凹部23とが交互に連続して形成されているため、これら凸部22と凹部23とによりワイヤ3が小刻みに湾曲する(蛇行する)。つまり、ワイヤ送給孔21の中間部21Cでは、ワイヤ3が複数の凸部22と接触することになる。ワイヤ3がコンタクトチップ15のワイヤ送給孔21内で接触することで、ワイヤ3自体が一方の電極(プラス極)になる。
ワイヤ送給孔21の出口部21Bでは、入口部21Aと同様、ストレート孔形状とされているため、ワイヤ3はこのストレート孔に沿って真っ直ぐ外へ飛び出る。つまり、ガス噴出孔の前方へワイヤ3が供給されることになる。
そして、コンタクトチップ15とワイヤ3との接触状態が維持された状態で、一方の電極となるコンタクトチップ15とガス噴出孔近傍に設けた他方の電極13間に電圧を印加して通電する。すると、これら電極間にプラズマが発生する。ガス噴出孔から噴射されるプラズマガスは、前記プラズマにより燃焼されて燃焼炎となる。
前記ワイヤ3は、この燃焼炎によって溶融されて溶融金属となる。溶融金属は、エアー噴出孔から噴射されるアトマイズエアーにより溶射フレームとなって被溶射物に向けて噴射され、被溶射物表面に溶射皮膜として形成される。前記被溶射物への溶射時には、モータ6を駆動して主軸4を回転させ、この主軸4の先端に取り付けた溶射ガン2を旋回させる。
前記ワイヤ3は、被溶射物への溶射の進行に合わせて送給されるようになっている。例えば、溶射量が多くなればワイヤ3をより多く溶射ガン2へ送給し、溶射量が少なくなればワイヤ3の送給量を減らす。このように、ワイヤ3の送給量変動が生じると、従来構造の如く溶射ガン2に固定したコンタクトチップ(電極)では、ワイヤ3との摺接や電蝕で摩耗して通電状態が不安定になる。
しかし、実施形態1では、ワイヤ3の送給量が変動しても、コンタクトチップ15のワイヤ送給孔21の内部に形成した凸部22と凹部23を連続させたねじ形状をなす凹凸形状とワイヤ3が接触するため、ワイヤ3とコンタクトチップ15との接触状態を安定化させることができる。したがって、実施形態1によれば、溶射の進行に合わせて送給されるワイヤ3に対するコンタクトチップ15の安定した接触状態を維持して通電状態を安定化でき、固定電極に対して電極寿命を延ばすことができる。
また、実施形態1では、ワイヤ送給孔21の入口部21A及び出口部21Bをストレート形状としているため、ワイヤ3の前記ワイヤ送給孔21への進入時の方向性と、ワイヤ3の前記ワイヤ送給孔21からの飛び出し時の方向性を確保することができる。
「実施形態2」
図4は実施形態2のコンタクトチップの分解斜視図である。実施形態2では、コンタクトチップ15を、軸芯を中心とする2つのチップ部品15A、15Bに分割し、これら2つのチップ部品15A、15Bを重ね合わせて前記ねじ部19を前記溶射ガン2に取り付けた時に、ワイヤ送給孔21に送給される前記ワイヤ3が挟み込まれて圧接されるように構成している。
なお、実施形態2のコンタクトチップ15は、2つのチップ部品15A、15Bに分割した点を除いては実施形態1のコンタクトチップ15と同一である。そのため、実施形態2では、実施形態1と同一部位には同一の符号付し、その説明は省略するものとする。
実施形態2のコンタクトチップ15は、銅等の丸棒から一体的に形成された実施形態1のコンタクトチップを、その中心に貫通するワイヤ送給孔21を軸芯として均等に2つに分割することにより形成される。2分割されたチップ部品15A、15Bは、重ね合わされたねじ部19を溶射ガン2のワイヤ供給用ガイド18の雌ねじ部17に螺合させた時に、ワイヤ送給孔21に送給されるワイヤ3を挟み込むように圧接する。ワイヤ3は、この時の圧接力でワイヤ送給孔21の中間部21Cに形成された凹凸形状をなす凸部22に押し付けられて接触する。もちろん、前記ワイヤ3を挟み込む圧力は、ワイヤ3の送給に支障を来すような過大な圧力ではなく、コンタクトチップ15との接触状態を維持しながらワイヤ送給孔21の入口から出口へと送給可能な圧力となっている。
実施形態2によれば、コンタクトチップ15を2分割し、ワイヤ送給孔21にワイヤ3を通してねじ部19をワイヤ供給用ガイド18の雌ねじ部17に螺合させて取り付けた時に、2分割させたチップ部品15A、15Bでワイヤ3を挟み込むため、これら2つのチップ部品15A、15Bがバネ機構として機能し、前記ワイヤ3とコンタクトチップ15との接触状態を安定化させることができる。
また、実施形態2によれば、コンタクトチップ15を2分割とする構造であるため、ワイヤ送給孔21の凹凸形状を、例えば放電加工等によって自由な形状に加工することが可能となり、ワイヤ3に対する接触状態及び電極摩耗に対する最も適切な凹凸形状となし得るように設計の自由度を持たすことができる。
「実施形態3」
図5は実施形態3のコンタクトチップを示し、(A)はそのコンタクトチップの断面図、(B)はそのコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。
実施形態3のコンタクトチップ15は、実施形態2と同様、2分割した構造のものであるが、ワイヤ送給孔21の形状を実施形態2とは異なる形状としている。そのため、実施形態3では、実施形態2と同一部位については同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。
この実施形態3のワイヤ送給孔21は、図5(A)に示すように、入口部21Aと出口部21Bをストレート孔形状としている点では実施形態2と同一であるが、中間部21Cの形状を波形形状としている。この波形形状は、実施形態1のねじのような細かな凸部22と凹部23を交互に連続させた凹凸形状ではなく、大きな山形状をなす凸部22とこの凸部22と逆形状をなす大きなへこみとして形成される凹部23とを交互に連続させた、いわゆるジグザグ形状とされている。
この実施形態3では、前記した形状をなすワイヤ送給孔21を有した2つのチップ部品15A、15Bを重ね合わせたねじ部19をワイヤ送給用ガイド18の雌ねじ部17に螺合させて取り付けた後、ワイヤ送給孔21にワイヤ3を送給すると、入口部21Aではストレート孔形状であるからワイヤ3は引っ掛かりなくスムーズに孔奥へと送り込まれる。
ワイヤ3は、ワイヤ送給孔21の中間部21Cでは、図5(B)に示すように波形形状をなす凸部22と凹部23とにより屈曲された状態となり、前記凸部22に押し付けられる。これにより、ワイヤ3とコンタクトチップ15との接触状態が維持される。そして、ワイヤ3は、ストレート孔形状の出口部21Bでは、この孔形状に沿って真っ直ぐに送給され、前記したガス噴出孔の前方に送られる。
このように実施形態3のコンタクトチップ15によれば、ワイヤ送給孔21の中間部21Cの凹凸形状を、ワイヤ3を屈曲させて送る波形形状としたので、溶射の進行に合わせて送給されるワイヤ3に対するコンタクトチップ15の安定した接触状態を維持して通電状態を安定化させることができる。
「実施形態4」
図6は実施形態4のコンタクトチップを示し、(A)はそのコンタクトチップの断面図、(B)はそのコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。
実施形態4のコンタクトチップ15は、実施形態3のワイヤ送給孔21の中間部21Cの凹凸形状の形状違いである。そのため、実施形態4では、実施形態3と同一部位については同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。
この実施形態4のワイヤ送給孔21は、図6(A)に示すように、入口部21Aと出口部21Bをストレート孔形状としている点では実施形態3と同一であるが、中間部21Cの形状を矩形形状としている。この矩形形状は、矩形をなす凸部22と、この凸部22の向かい側に矩形のへこみをなす凹部23との組み合わせを複数形成することにより形成されている。
この実施形態4では、前記した形状をなすワイヤ送給孔21を有した2つのチップ部品15A、15Bを重ね合わせたねじ部19をワイヤ送給用ガイド18の雌ねじ部17に螺合させて取り付けた後、ワイヤ送給孔21にワイヤ3を送給すると、入口部21Aではストレート孔形状であるからワイヤ3は引っ掛かりなくスムーズに孔奥へと送り込まれる。
ワイヤ3は、ワイヤ送給孔21の中間部21Cでは、図6(B)に示すように矩形形状をなす凸部22に押されてその向かい合う凹部23へと屈曲し、これら凸部22と接触する。これにより、ワイヤ3とコンタクトチップ15との接触状態が維持される。そして、ワイヤ3は、ストレート孔形状の出口部21Bでは、この孔形状に沿って真っ直ぐに送給され、前記したガス噴出孔の前方に送られる。
このように実施形態4のコンタクトチップ15によれば、ワイヤ送給孔21の中間部21Cの凹凸形状を、ワイヤ3を屈曲させて送る矩形形状としたので、溶射の進行に合わせて送給されるワイヤ3に対するコンタクトチップ15の安定した接触状態を維持して通電状態を安定化させることができる。
「実施形態5」
図7は実施形態5のコンタクトチップを示し、(A)はそのコンタクトチップの断面図、(B)はそのコンタクトチップのワイヤ送給孔にワイヤが送給された状態を示す断面図である。
実施形態5のコンタクトチップ15は、実施形態3のワイヤ送給孔21の中間部21Cの凹凸形状の形状違いである。そのため、実施形態5では、実施形態3と同一部位については同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。
この実施形態5のワイヤ送給孔21は、図7(A)に示すように、入口部21Aと出口部21Bをストレート孔形状としている点では実施形態3と同一であるが、中間部21Cの形状を湾曲形状としている。この湾曲形状は、実施形態3よりも大きな山形状をなす凸部22と凹部23を交互に連続させた、緩やかな波を打つような凹凸形状とされている。
この実施形態5では、前記した形状をなすワイヤ送給孔21を有した2つのチップ部品15A、15Bを重ね合わせたねじ部19をワイヤ送給用ガイド18の雌ねじ部17に螺合させて取り付けた後、ワイヤ送給孔21にワイヤ3を送給すると、入口部21Aではストレート孔形状であるからワイヤ3は引っ掛かりなくスムーズに孔奥へと送り込まれる。
ワイヤ3は、ワイヤ送給孔21の中間部21Cでは、図7(B)に示すように大きな湾曲をなす凸部22に押されてその向かい合う凹部23へと屈曲し、これら凸部22と接触する。これにより、ワイヤ3とコンタクトチップ15との接触状態が維持される。そして、ワイヤ3は、ストレート孔形状の出口部21Bでは、この孔形状に沿って真っ直ぐに送給され、前記したガス噴出孔の前方に送られる。
このように実施形態5のコンタクトチップ15によれば、ワイヤ送給孔21の中間部21Cの凹凸形状を、ワイヤ3を屈曲させて送る湾曲形状としたので、溶射の進行に合わせて送給されるワイヤ3に対するコンタクトチップ15の安定した接触状態を維持して通電状態を安定化させることができる。
本発明は、溶融させた溶射材料を被溶射物に向けて噴射することにより溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置に利用することができる。
1…溶射皮膜形成装置
2…溶射ガン
3…ワイヤ
4…主軸
9…ガス供給部
10…エアー供給部
13…電極(他方の電極)
15…コンタクトチップ(一方の電極)
17…雌ねじ部
18…ワイヤ供給用ガイド
19…ねじ部
20…本体部
21…ワイヤ送給孔
22…凸部
23…凹部

Claims (5)

  1. 溶射ガンに取り付けた一方の電極となるコンタクトチップ内に溶射材料となるワイヤを送給し、該コンタクトチップとガス噴出孔近傍に設けた他方の電極間にプラズマを発生させ、そのプラズマによりガス噴出孔から噴射されるガスを燃焼させて前記ワイヤを溶融し、その溶融した溶融金属を被溶射物に向けて噴射して被溶射物表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置において、
    前記コンタクトチップは、本体部と、その本体部の軸方向に貫通するワイヤ送給孔と、を備え、軸芯を中心とする2つのチップ部品に分割され、これら2つのチップ部品を重ね合わせて前記溶射ガンに対してねじ部同士を螺合させて取り付けることによって、前記ワイヤ送給孔に送給される前記ワイヤがこれらチップ部品で挟まれて圧接される
    ことを特徴とする溶射皮膜形成装置。
  2. 前記ワイヤ送給孔は、入口部及び出口部をストレート孔形状とし、これら入口部と出口部間の中間部を前記ワイヤが接触する凹凸形状とし、
    前記凹凸形状は、前記ワイヤを屈曲させて送る、山形状をなす凸部と該凸部と逆形状をなすへこみとして形成される凹部とを交互に連続させた、ジグザグ形状の波形形状とされた
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜形成装置。
  3. 前記ワイヤ送給孔は、入口部及び出口部をストレート孔形状とし、これら入口部と出口部間の中間部を前記ワイヤが接触する凹凸形状とし、
    該凹凸形状は、前記ワイヤを屈曲させて送る矩形形状とされ、
    該矩形形状は、矩形をなす凸部と、該凸部の向かい側に矩形のへこみをなす凹部との組み合わせを複数形成することにより形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜形成装置。
  4. 溶射ガンに取り付けた一方の電極となるコンタクトチップ内に溶射材料となるワイヤを送給し、該コンタクトチップとガス噴出孔近傍に設けた他方の電極間にプラズマを発生させ、そのプラズマによりガス噴出孔から噴射されるガスを燃焼させて前記ワイヤを溶融し、その溶融した溶融金属を被溶射物に向けて噴射して被溶射物表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置におけるワイヤへの給電方法において、
    前記コンタクトチップは、本体部と、その本体部の軸方向に貫通するワイヤ送給孔と、を備え、軸芯を中心とする2つのチップ部品に分割され、これら2つのチップ部品を重ね合わせて前記溶射ガンに対してねじ部同士を螺合させて取り付けることによって、前記ワイヤ送給孔に送給される前記ワイヤがこれらチップ部品で挟まれて圧接され、
    前記ワイヤ送給孔に前記2つのチップ部品に挟まれて圧接された状態で前記ワイヤを送給し、前記ワイヤに給電する
    ことを特徴とするワイヤへの給電方法。
  5. 前記コンタクトチップの本体部軸方向に貫通するワイヤ送給孔を、入口部及び出口部をストレート孔形状とし、これら入口部と出口部間の中間部を凹凸形状とし、該凹凸形状は、前記ワイヤを屈曲させて送る、山形状をなす凸部と該凸部と逆形状をなすへこみとして形成される凹部とを交互に連続させた、ジグザグ形状の波形形状とされ、前記ワイヤ送給孔に前記ワイヤを送給し、該ワイヤを凹凸形状をなす部位に接触させて該ワイヤに給電する
    ことを特徴とする請求項4に記載のワイヤへの給電方法。
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