JP5511827B2 - 超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法に関する。
吸水性ポリマーの製造は、例えば、"Modern Superabsorbent Polymer Technology"F.L.Buchholz and A.T.Graham,Wiley−VCH,1998又はUllmann’s Encyclopedia Industrial Chemistry,6th ed.vol.35 pp73−103にまとめられている。好ましい製造方法は、溶液重合又はゲル重合である。この技術を使用する場合、通常、モノマー混合物を製造し、それを非連続的に中和し、次いで重合反応器内に移送し、次いで非連続的に又は連続的に重合して、撹拌重合の場合に微粉砕されるポリマーゲルを形成する。続いてポリマーゲルを乾燥させ、粉砕し、篩にかけ、場合によって表面処理を適用する。
連続重合の方法は、例えば、WO−A−01/38402、WO−A−03/004237、WO−A−03/022896及びWO−A−01/16197に記載されている。
溶液重合又はゲル重合がフリーラジカル重合法であるので、この方法は酸素の存在に影響されやすい。フリーラジカル重合において、酸素は、重合反応を抑制することが公知である。とりわけ、連続重合法において、酸素の存在は、抑制及び連鎖停止反応のため重合の制御された開始及び進行を困難にするので、多くの問題を生じ得る。従って、酸素の存在下における連続重合反応において、ラジカル重合を制御することは非常に困難であり、従って最終的な超吸収性ポリマーの所望の性質を制御することは非常に困難である。更に、モノマー溶液が酸素で飽和し、モノマー溶液を反応器内に供給することにより、重合法に望ましくない多量の溶存酸素が導入されることは公知である。
従って、先行技術において、フリーラジカル重合反応の開始前にモノマー溶液から溶存酸素を除去するための多くの試みがあった。更に、不活性雰囲気中においてフリーラジカル重合反応を行うための対策がとられた。
US−A−4,656,232は、モノマー水溶液及び不活性ガスを各々連続流の形態で重合部位の方へ送出させ、2つの流れ又は液のいずれかを他の流れの中にノズルを通じて平行に噴出させ、それによりモノマー水溶液と不活性ガスとの間に強制的接触を生じさせ、モノマー水溶液が重合部位に達する前にモノマー水溶液から溶存酸素の実質的な除去を行うことによって超吸収性樹脂を製造するためのα,β−エチレン性不飽和モノマーの重合のための方法を開示している。次いで、溶存酸素が除去されたモノマー水溶液を重合開始剤と混合し、次いで不活性ガスの雰囲気中における重合に供する。不活性ガスは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、メタン及びエタンによって例示される。その方法を実施することによって、モノマー水溶液中における溶存酸素の濃度を7ppm〜0.1ppmに低下させることができる。
WO−A−01/38402は、超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法に関する。この方法において、モノマー溶液を通じて並流的に又は向流的に不活性ガスを導くことによって反応器内にモノマー溶液を移送する前に溶存酸素をモノマー溶液から除去し、それによって、液相と気相との間における適切な混合をバルブ、静的若しくは動的ミキサにより又は気泡塔により達成することができる。このことによって不活性化されたモノマー溶液は、反応器を通じて不活性ガス流と一緒に導かれる。従って、WO−A−01/38402は、前記方法の2つの異なるステージにおける不活性ガスの使用を開示している。第1に溶存酸素を、不活性ガス流を適用することによってモノマー溶液から除去し、次いで、第2にモノマー溶液を、不活性ガス流と一緒に反応器を通じて導く。好ましい不活性ガスは、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素、六フッ化硫黄又はこれらのガスの混合物等の貴ガスである。反応器内で不活性ガス流を生成することに関してのみ、反応器、即ち混合混練機中における化学反応によって部分的に又は完全に不活性ガスを生成する可能性が開示されている。しかし、WO−A−01/38402において、モノマー溶液を不活性化する場合における不活性ガスとしての、並びに反応器を通じた不活性ガス流のための窒素の使用が用いられる。これは、WO−A−01/38402における実施例からも明らかである。
WO−A−03/022896は、実施例を特に参照して、気泡塔を生じる窒素流とのモノマー混合物の脱酸素化を開示している。モノマー溶液の所望の中和度を調整するための中和剤としての炭酸塩の使用が開示されているだけである。
EP−B−688340は、実施例を参照して、ビーカー内で、従って周囲雰囲気下でモノマー混合物を製造することによって超吸収性ポリマーを製造するための方法を開示している。撹拌しながら水における炭酸ナトリウムの溶液を加えることによって中和を行う。従って、中和されたモノマー溶液を製造する場合、その水溶液を溶存酸素で更に飽和させる。実施例において、溶存酸素を除去するために、モノマー混合物に窒素を1時間散布する。従って、炭酸塩が、溶存酸素の除去に対するいかなる影響もなしに単に中和目的のためだけに使用される。
EP−A−827753から、迅速な吸水が可能な吸水性樹脂の製造方法が公知である。その方法の目的は、迅速な吸水を得るためにスポンジ様ゲルを製造することである。これは、発泡体、即ち、分散した不活性ガス泡を含有するモノマー溶液を重合させることによって達成される。任意の成分として明細書の一般的な部分において記載されているが、その参照における全ての実施例は、発泡体を安定させるためにモノマー水溶液中における乳化剤を含む。更に、実施例において、最初にモノマー溶液を脱酸素し、次いで不活性ガス、とりわけ窒素泡を形成する。従って、重合に供された発泡体中における不活性ガス泡は実質的に酸素を含まず、このことは、分散した不活性ガス泡の存在下で重合を行うという教示に一致している。分散した不活性ガス泡中における酸素の存在は、抑制及び連鎖停止に関連した上記の問題を生じる。
上記で考察された先行技術の参照の教示によれば、フリーラジカル重合反応の開始前にモノマー水溶液を脱酸素する。このことにより、好ましく完全な脱酸素化を確保するためにかなりの努力が為されてきた。先行技術の教示によれば、不活性ガスと水性モノマー混合物との間において均質混合を確保するために複雑な混合装置が必要である。類似の教示は、US5,314,420において開示されている。
モノマー混合物の完全な脱酸素化の別の問題は、あらゆる抑制剤の欠如のため、ラジカル重合反応の制御された開始の前に、例えば移送ライン内においてモノマー混合物の中の重合の早期開始を回避することが困難であることである。その問題は、重合反応の早期開始が移送ライン又はオフガスラインの汚染(fowling)及び閉塞をもたらす反応器内へのモノマー溶液の投入前におけるゲルの形成をもたらすので、特に連続的重合法において顕著である。とりわけ、連続的方法において、これは流速に影響を及ぼし、洗浄の目的で全方法を定期的に中断されなければならない。
WO−A−2007/028748は、この問題について言及し、モノマー溶液中に0.001〜0.016質量%の重合抑制剤を含ませ、モノマー溶液の不活性化のために使用される少なくとも50体積%の不活性ガスを重合反応器内に不活性化されたモノマー溶液と一緒に移送することを示唆している。重合抑制剤として、ヒドロキノン半エーテル及びトコフェロールが開示されている。更に、モノマー混合物の不活性化のために使用された不活性ガスの量が先行技術からの公知の量と比較して著しく低下することがWO−A−2007/028748に開示されている。
WO−A−2007/028748において提案された対策の機能理論として、以下に説明する。少量の不活性ガスのため、モノマー溶液は、先行技術と比較して依然としてより多くの溶存酸素を含有し、それは、重合反応器内への投入前に前記抑制剤と一緒にモノマー溶液の抑制の増大をもたらす。更に、気相中の酸素分圧は相対的に高いので、重合反応器へのモノマー溶液の輸送の間の酸素が抑制目的のために依然として存在し、大きい界面面積のため、消費された溶存酸素を気相から液相中への拡散によって補充してモノマー溶液の輸送の間の十分な抑制を確保することができる。反応器内において、重合反応の間の気相から液相への酸素の拡散は、著しく減少した界面のため減少する。しかし、これは、反応器内で、従って上で考察したように短所を有するフリーラジカル重合反応の間に、加えられた重合抑制剤と一緒に酸素が依然として存在することを明らかに示す。従って、先行技術の参考文献の内のほとんどは、重合の間のあらゆる望ましくない抑制又は連鎖停止反応によって反応器へのモノマー混合物の移送の間に重合反応の早期開始の問題が生じることを回避するために、反応器内へのモノマー溶液の導入前にモノマー溶液からできるだけ完全に酸素を除去することを教示している。WO−A−2007/028748において、この問題は、重合抑制剤を加えること及びモノマー混合物の不完全な不活性化によって解決されるが、この技術は、重合抑制剤と同様に著しい量の酸素が反応器内において重合の間に更に存在するという短所を有する。
従って、反応器内へモノマー混合物を投入する前の重合の早期開始をあまりに多量の酸素又は他の抑制剤を反応混合物中に導入することによって重合反応に悪影響を及ぼすことなく、最小限に抑えられるか又は回避される超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法の必要性が依然としてある。本発明の別の目的によれば、この目標は、経済的な方法において複雑なデバイスなしで達成されることになる。
この問題は、以下の工程:
(a)溶存酸素を含有する酸性液体水性モノマー混合物を提供する工程であって、それによって、超吸収性ポリマーを重合後に提供するようにモノマーが選択される工程、
(b)前記水性モノマー混合物を反応器に連続的に供給する工程、
(c)反応器内への投入の前に炭酸塩又は炭酸水素塩源を前記水性モノマー混合物中に導入する工程であって、それによって二酸化炭素及び前記溶存酸素の少なくとも一部を含む気相を形成し、前記気相が液相中に分散している工程、
(d)反応器内への投入の直前又は直後に気体/液体混合物を少なくとも部分的な相分離に供し、分離された気相を少なくとも部分的に除去する工程、
(e)反応器内で液相をフリーラジカル重合に供して超吸収性ポリマーを得る工程、及び
(f)反応器から超吸収性ポリマーを連続的に除去する工程、
を含む超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法によって解決される。
本発明者らは、驚くべきことに、反応器内への投入前に水性モノマー混合物中における炭酸塩又は炭酸水素塩源を導入することによって、モノマー水溶液が、不活性ガス流を用いる先行技術からの公知の方法と比較して反応器内への投入前に更により効果的に脱酸素され得ることを発見した。更に、いかなる特定の機器又は機械エネルギーの導入なしで炭酸塩又は炭酸水素塩源を用いることによって、分散した気相が液相の中において形成され、それによって気相が二酸化炭素及び溶存酸素の実質的に全てを含むので、反応器の外側の重合反応の早期開始さえ、最終的に分散した気相中の酸素の存在のため十分に抑制される。従って、移送ライン又はオフガスラインの閉塞及び汚染は、いかなる重合抑制剤を更に加えることがない場合でさえ最小限に抑えられる。反応器内への投入及び分離された気相の少なくとも部分的除去の後の気液相分離のため、反応器内での反応混合物の酸素含有量は著しく低下し、従って、重合反応に対する酸素を抑制する効果及び生成物の質を損なう効果が回避される。
モノマー混合物への炭酸塩又は炭酸水素塩源の添加と反応器内への混合物の投入との間の短い時間差のため、二酸化炭素のin situにおける形成がモノマー混合物の脱酸素化に対するあらゆる顕著な影響を有することは予見できなかった。一般に、反応器内への投入前の炭酸塩又は炭酸水素塩源の添加後におけるあらゆる移送ラインにおけるモノマー混合物の滞留時間は30秒未満、通常20秒未満であるが、依然として10秒未満の滞留時間でさえ、効果的な脱酸素化を十分可能にする。
従って、上記の定義された目標は、いかなる複雑なデバイスを適用することなく経済的方法において達成されたが、それは、当該技術分野において周知であるように、水性モノマー混合物が移送ラインを介して反応器に移送され得、炭酸塩又は炭酸水素塩源、好ましくは炭酸塩又は炭酸水素塩源の水溶液が、通常のポートによって移送ラインに注入され得るからである。
例えば移送ラインの中でモノマー混合物中に不活性ガス流を更に注入すること、又は反応器内で不活性ガス流を用いることが可能であるにもかかわらず、炭酸塩又は炭酸水素塩源によるモノマー混合物の脱酸素化は非常に効果的であるので、反応器内でのモノマー混合物又は不活性ガス流のいずれか又は両方の中への不活性ガスの更なる導入が回避され得る。本発明による方法を用いる場合、反応器内のモノマー混合物又は不活性ガスへの更なる不活性ガスの導入の効果は、いずれにしろわずかである。
本発明は、フリーラジカル重合法において超吸収性ポリマーを製造するための適切なモノマー混合物の重合を含む。本発明の方法によって製造される超吸収性ポリマーは、水膨潤性の及び軽度に架橋したポリマーであり、大量の液を吸収し得る公知の親水性ポリマーから選択され得る。好ましい吸水性ポリマーは、カルボキシル部分を含有する吸水性ポリマーである。好ましくは、吸水性ポリマー100g当たり少なくとも約0.01当量のカルボキシル基が存在する。好ましいカルボキシル含有吸水性ポリマーの中には、デンプン−アクリル酸又はポリビニルアルコールグラフトコポリマーの部分的に中和された生成物、アクリルアミドコポリマーの加水分解物の架橋生成物、ポリアクリル酸の部分的に中和された生成物及び部分的に中和されたポリアクリル酸の架橋生成物がある。
本発明の一実施形態によれば、モノマー混合物は、少なくとも1種のエチレン性不飽和酸と共有結合性架橋剤として機能する少なくとも2個のエチレン性不飽和基を担持する少なくとも1種のモノマーとを含む。適切なα,β−エチレン性不飽和酸としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸が挙げられる。これらの酸を酸性形態で用いることができるが、α,β−エチレン性不飽和酸を、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩としてそれらの少なくとも部分的に中和された形態で用いることがより好ましい。
好ましい不飽和酸としては、アルカリ金属又はアンモニウム塩等のそれらのそれぞれの塩の形態におけるアクリル酸及びメタアクリル酸が挙げられる。例えば、メチルメタアクリレート、メチルアクリレート、アクリルアミド若しくはメタクリルアミド又はポリエチレングリコールメチルエーテルの(メタ)アクリレート等の酸性モノマーのアルキルエステル等、場合によって微量の他の水溶性不飽和モノマーが、モノマー混合物中において存在し得る。モノマーは、モノマー水溶液の総質量に対して好ましくは10質量%〜80質量%の範囲に及ぶ量で水溶液中において用いられる。好ましくは、モノマーの量は、モノマー水溶液の総質量に対して15質量%〜60質量%の範囲に及ぶ。更に、例えばポリビニルアルコール、デンプン及び水溶性又は水膨潤性セルロースエーテル等のある種のグラフトポリマーを用いて、前記生成物を製造することができる。かかるグラフトポリマーは、用いられる場合、α,β−エチレン性不飽和モノマーに対して最高約10質量%の量で使用される。
吸水性ポリマーは、好ましくは、それを水不溶性及び水膨潤性にするように軽度に共有結合架橋される。所望の架橋構造は、分子単位中において少なくとも2個の重合性二重結合を有する架橋剤をモノマー混合物中に含ませることによって得られ得る。架橋剤は、水溶性ポリマーを共有結合架橋するために有効な量で用いられる。架橋剤の好ましい量は、それぞれ所望の対圧力吸収性(AAP)、荷重下吸収性(AUL)である吸収された液を保持する所望の程度の吸収能力及び所望の強度によって決定される。架橋剤は、有利には、使用されるα,β−エチレン性不飽和モノマー100質量部につき0.0005〜5質量部の範囲に及ぶ量で使用される。より好ましくは、その量は、100質量部のα,β−エチレン性不飽和モノマーにつき0.1質量部〜1質量部の範囲に及ぶ。通常、100部のモノマーにつき約5質量部超の量の架橋剤が使用される場合、ポリマーは、あまりに高い架橋密度を有し、低下した吸収能力及び増加したAULを示す。架橋剤が100部のモノマーにつき0.0005質量部未満の量で使用される場合、ポリマーは、あまりに低い架橋密度を通常有し、吸収すべき液と接触する際、粘着性になり、より低い初期吸収速度を示す。
共有結合架橋剤がα,β−エチレン性不飽和モノマーの水溶液中において好ましくは可溶である場合、かかる溶液中において架橋剤を単に分散させることができる。適切な分散剤の例としては、カルボキシメチルセルロース懸濁助剤、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコールが挙げられる。かかる分散剤は、有利には、α,β−エチレン性不飽和モノマーの総質量に対して0.0005と0.1質量%との間の濃度で提供される。
適切な共有結合架橋剤としては、CH2=CHCO−、CH2=C(CH3)CO−及びCH2=CH−CH2−から成る群から選択される2〜4個の基を1個の分子中に有する化合物が挙げられる。例示的な共有結合架橋剤としては、ジアリルアミン;トリアリルアミン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールのジアクリレート及びジメタクリレート;トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールのトリアクリレート及びトリメタクリレート;ペンタエリスリトールのテトラ−アクリレート及びテトラメタクリレート;アリルメタクリレート;及びテトラアリルオキシエタン;並びに3〜30個のエチレンオキシド単位を有するトリメチロールプロパン又はペンタエリスリトールの高度にエトキシル化された誘導体のアクリレート、例えば、ペンタエリスリトールの高度にエトキシル化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ−アクリレート及びテトラメタクリレート、並びにアリルメタクリレートが挙げられる。共有結合架橋剤の混合物が用いられ得る。
重合は、重合前に中和されていない又は完全に若しくは部分的に中和された酸性モノマーを用いて実施され得る。中和は、酸性モノマー中に存在する酸性基の10%〜95%を中和するのに十分な量の塩基をモノマー水溶液に接触させることによって都合よく達成される。好ましくは、塩基の量は、酸性モノマー中に存在する酸性基の40%〜85%、最も好ましくは55%〜80%を中和するのに十分である。
モノマーの酸性基を中和するために有用な適切な化合物としては、重合法に対する有害な効果を有することなく酸性基を十分に中和するそれらの塩基が挙げられる。かかる化合物の例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及び炭酸水素塩が挙げられる。
従来のビニル添加重合開始剤が水溶性モノマー及び架橋剤の重合において使用され得る。重合を開始するのにモノマー溶液中で十分に可溶なフリーラジカル重合開始剤が好ましい。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び他のアルカリ金属過硫酸塩等の水溶性過硫酸塩、過酸化水素、並びに2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)塩酸塩等の水溶性アゾ化合物が用いられ得る。酸化成分として用いられ得る過酸化水素又は過硫酸ナトリウム等のいわゆるレドックス開始剤系は、亜硫酸塩、アミン又はアスコルビン酸等の還元物質と組み合わせられ得る。用いられる開始剤の量は、α,β−エチレン性不飽和モノマーの総質量に対して0.01質量%〜1質量%、好ましくは0.01質量%〜0.5質量%の範囲に及ぶことができる。
更に、超吸収性ポリマーの微粒子を製造方法中にリサイクルすることが可能であり、好ましくもある。微粒子として、製品仕様によって定義される通りの所望の適用にはあまりに小さいそれらの粒子が考えられる。故に、この望ましくない生成分率が粒状ポリマーから除去される。微粒子の分率は、EDANA Standard Test Method WSP 220.2(5)を用いて篩にかけることによって決定され得る。微粒子超吸収性ポリマーを加熱するための流動層を適用することによって微粒子を生成することもできる。熱風流によって、最高約300μmの直径を有する粒子が水簸され得る。300μm未満又は200μm未満の粒径を有するポリマー粒子が本発明による微粒子として定義される。
微粒子は、本発明による方法のあらゆるステージにリサイクルされ得るが、以下でより詳細に考察されるように、微粒子をモノマー混合物中にリサイクルすることが特に好ましい。更に、以下で考察されるように、前記方法の間の適切なポイントにおいて他の適切な添加剤をモノマー混合物に加えることができる。他の添加剤は、例えば、アルカリ金属塩素酸塩、ポリエチレングリコール、ジエチレントリアミン五酢酸の五ナトリウム塩の水溶液(Versenex 80)、水不溶性有機又は無機粉末、例えばシリカ又は酸化亜鉛等の水不溶性金属酸化物、界面活性剤、分散助剤、銀塩等の臭気を制御するための剤又は他の加工助剤から選択され得る。
限定されることを望むものではないが、本発明は、超吸収性ポリマーの製造のための最も好ましいエチレン性不飽和酸としてのアクリル酸に関してより詳細に考察される。しかし、当業者は、異なるモノマー又はモノマーの混合物を用いて同じ方法を行うことができることを理解する。
本発明の好ましい実施形態によれば、液体水性モノマー混合物は、好ましくは、統合された緩衝容器を有する循環ラインにおいて連続的に製造されるモノマー水溶液である。幾つかの製造ラインは、モノマー溶液を製造するためのこの系から出ることができる。循環ラインの上流側において、脱イオン水による、又は好ましくはプロセス水による50%〜約20%への焼灼剤(水酸化ナトリウム水溶液)の希釈のための及びVersenex 80等の添加剤の添加のための統合された熱交換器を有するインライン混合系が提供される。
モノマー溶液の循環は、ポンプによって強制される。ポンプは、モノマー溶液を緩衝容器の底面から吸引し、循環ライン及び少なくとも1つの統合熱交換器を介してそれを容器の頂部側に運搬する。容器の排出ポイントと循環ポンプとの間に、最初に希釈された焼灼剤が流れ方向で循環ラインに注入され、その後、総必要量のアクリル酸の少なくとも一部が注入される。好ましくは、緩衝容器中におけるモノマー溶液が、アクリル酸のアクリル酸ダイマー及びオリゴマーをアクリル酸及びβ−ヒドロキシプロピオン酸に分解させる少なくともpH8を有するように、総必要量のアクリル酸の70%以下がこのポイントにおいて注入される。重合前におけるモノマー溶液中における不飽和酸、とりわけアクリル酸の全体の中和度(DN)は、50%〜85%、より好ましくは65%と75%との間である。使用されたアクリル酸が低ダイマー濃度を有する場合、所望の中和度のために必要とされるアクリル酸の70%超又は全てでも、前記方法のこのポイントにおいて供給することができる。
アクリル酸添加ポイントと熱交換器との間の循環ラインにおけるモノマー溶液は、最高80℃の温度に達することができる。熱交換器は、4℃〜40℃で残りの循環ラインにおける及び緩衝容器中における溶液の温度を制御する。グリコール−水系による又は他の冷却媒体によるいずれかの冷却水によって熱交換器を作動させることができる。
緩衝容器及び循環ラインは、適切な型のステンレス鋼から成る。生成物側面上における表面には、場合によって、適切な被膜(Teflon、PTFE、カムレジスト(cam−resist)等)が後不動態化されるか又は提供される。場合によって、容器及びラインは、PE又はPP等の適切なプラスチックから成る。
連続的に作動された重合法のためのモノマー溶液の量は、最後の熱交換器の後で焼灼剤の注入の前の流れ方向においてモノマー製造系の循環ラインから連続的に取られ、反応器に移送される。このポイントにおいて、一般に、溶存酸素を含有するモノマー溶液が溶存酸素で飽和する。移送ラインは、循環ラインと同一の材料及び構成であり得る。移送されたモノマー溶液は、好ましくは約4℃〜35℃の温度を有し、本発明の一実施形態において反応器へのその移送速度は、循環ラインの流速の5%〜50%の分率に等しい。
このポイントにおいてモノマー溶液中のエチレン性不飽和酸、例えばアクリル酸の依然として不明の可能性がある分率は、好ましくは総必要量の約30%である。残りのモノマー、架橋剤、過酸化水素、過硫酸ナトリウム及び場合によって共開始剤等の必要な開始剤の少なくとも一部、並びに場合によって更なる必要な添加剤が適切な位置で移送ラインに注入され得る。唯一の重要な要件は、水性モノマー混合物への炭酸塩又は炭酸水素塩源の添加前に、酸性液体水性モノマー混合物を得るためにモノマー溶液のpHを不明の分率の不飽和酸、例えばアクリル酸の添加によって調整するべきであることである。
レドックス開始系が使用される場合、過酸化水素等の開始系の酸化成分は流れの方向における移送ラインの早期のポイントで加えられ、アスコルビン酸又はその塩等の開始系の還元成分は移送ラインのちょうど最後で、即ちモノマー混合物が反応器に入るポイントの直前で加えられる。場合によって、還元成分を直接反応器に加えることもできる。しかし、移送ラインにおけるより良好な均質化のため、反応器内への投入の直前の移送ラインのちょうど最後で還元成分を加えることが好ましい。
本発明の好ましい一実施形態によれば、添加の順序は、以下の順序であってよい。モノマー溶液が循環ラインから回収された後、前述したように、所望の中和度を達成するため及び酸性液体水性モノマー混合物を得るため、例えばアクリル酸の残りの量を加える。次いで、架橋剤を加え、その後、場合によって、例えば塩素酸ナトリウムを加え、その後過酸化水素及び/又は過硫酸ナトリウム等のレドックス開始系の酸化成分を加える。その後、場合によって、上記定義の通りの超吸収性ポリマーの微粒子を加え、その後炭酸塩又は炭酸水素塩源を導入する。最後に、反応器内への投入の直前の移送ラインの最後で、アスコルビン酸等のレドックス開始剤の還元成分を注入する。選択的に、還元成分をモノマー混合物の投入ポイントに近接した位置で、それが反応器内におけるモノマー混合物と共に均質化するように反応器に直接注入する。本発明の好ましい一実施形態によれば、移送ラインは、モノマー溶液中における加えられた成分の均質分布を得るために少なくとも1つの、好ましくは幾つかのインラインミキサを備える。インラインミキサは、乱流を提供するための適切なサイズの偏心配置された穿孔を有する少なくとも1つの円板の形態であることができる。好ましくは、それらの円板の内の幾つかは、均質のモノマー溶液が達成されるように孔が互い違いに配列されるように直列に挿入される。
微粒子がモノマー溶液に加えられる場合、前記方法にリサイクルすべき微粒子の部分は、反応塊中におけるエチレン性不飽和酸、例えばアクリル酸の質量に対して2質量%〜20質量%、好ましくは5質量%〜18質量%である。モノマー溶液中への微粒子のリサイクルの利点は、分散した微粒子を含有するモノマー溶液の重合によって得られたポリマーマトリックス中において粒子が統合され、堅固に結合するようになるということである。特に、粉砕、篩にかけること及びポリマー後処理等の下流における方法の作動において、かかるリサイクルされた微粒子はポリマー生成物からもはや分離しない。しかし、この技術の短所は、重合の間に存在する微粒子が、ポリマーへのグラフトによって、又は微粒子の表面に吸着され、従ってモノマー溶液中に運ばれる酸素のために最終生成物の質を低下させる可能性があり、除去することが困難であることである。微粒子の小さい粒径のため、従って高い比表面積になるため、空気、従ってポリマー微粒子に吸着した、従ってモノマー溶液中に同伴する酸素の量はかなりのものである。それが、上記で考察された利点にもかかわらず微粒子が好ましくはモノマー溶液中に事前に導入されなかった理由である。例えば、WO03/022896は、モノマー混合物にではなく第1の反応性領域中にポリマー微粒子をリサイクルすることを開示している。
しかし、微粒子の添加によるモノマー溶液中への酸素の同伴の問題は、本発明によって解決された。流れ方向での移送ラインにおけるポリマー微粒子の注入後に炭酸塩又は炭酸水素塩源が水性モノマー混合物中に導入される場合、モノマー混合物中に溶解した酸素だけでなく微粒子の組込みによってモノマー混合物中に同伴した酸素もモノマー混合物から効果的に除去することができる。上記で定義された範囲内の量のポリマー微粒子を添加し、その後炭酸塩又は炭酸水素塩源を導入した後でさえ、相分離後における移送ラインの最後での反応器内への投入ポイントの直前におけるモノマー混合物中における酸素濃度が0.3ppm以下であることは、本発明の驚くべき結果である。従って、本発明は、水性モノマー混合物への炭酸塩又は炭酸水素塩源の導入前にポリマー微粒子を加える方法において特に効果的である。
炭酸塩又は炭酸水素塩源として、あらゆる適切な材料が用いられ得る。アルカリ金属炭酸塩若しくは炭酸水素塩又はこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。得られた超吸収性ポリマーのそれぞれの中和度を達成するために得られた超吸収性ポリマーの酸性官能性の1%〜15%、好ましくは2%〜10%、より好ましくは2%〜7%の総中和化が炭酸塩又は炭酸水素塩源によって行われる場合、十分な脱酸素化が達成される。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、炭酸塩又は炭酸水素塩源は、以下で考察されるように、本発明の方法において得られる炭酸塩又は炭酸水素塩を含有するスクラバー水溶液の少なくとも一部である。
酸性モノマー混合物との接触の際、炭酸塩は、エチレン性不飽和酸、例えばアクリル酸の更なる部分を中和し、それによって二酸化炭素ガスが放出される。モノマー混合物の温度及び移送ラインにおける圧力に応じて、このガスの少しの部分は溶液中に溶解するが、大部分は、非常に均質に分布した小さい気泡を形成することによって液相から分離する。モノマー混合物中に溶解し且つ微粒子が加えられる場合に微粒子の添加によって同伴する酸素は気相中に移動し、このことによって除去される。気泡のin situでの形成及び液体水性相中における気泡の均質な分散のため、モノマー混合物からの酸素の除去は、更なる酸素が微粒子の添加によって同伴するかどうかにかかわりなく非常に効果的である。
上記のように、モノマー混合物の製造及び移送ラインへの様々な成分の添加を行うことによって、移送系の中におけるモノマー溶液の早期重合は効果的に回避され得る。
重合は更なる抑制剤によって通常防止され、商業的に入手可能なアクリル酸は約200ppmのヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)によって一般に安定化される。しかし、MEHQが存在する場合であっても、例えばモノマー溶液中における鉄等の微量の金属イオンによって、剪断力によって、特に開始剤の作用によって引き起こされるモノマー溶液の望ましくない早期重合が起きる可能性がある。このことは、モノマー溶液製造系中における汚染及び反応器への移送ラインの即時の閉塞さえ引き起こし得る。このことは、本発明によって効果的に回避され得る。前述したように、炭酸塩又は炭酸水素塩源の組み込みの前のモノマー混合物は酸素を含有し、好ましくは酸素で飽和する。より完全な飽和は、例えば、好ましくは0.5m3/時〜15m3/時の適切な速度で緩衝容器のモノマー溶液中に底弁を通じて連続的に空気を供給することによって達成され得る。モノマー混合物中における酸素の存在のため、本発明の方法のモノマー混合物製造セクションの中のあらゆる早期重合が効果的に回避され得る。
前述したように、炭酸塩又は炭酸水素塩源の組み込みによるモノマー混合物の非常に効果的な脱酸素化のため、酸素でのモノマー混合物の事前の飽和は、重合法に対する負の効果を有さない。更に、モノマー混合物中に事前に溶解した酸素が水性モノマー混合物中における微分散した気泡の中に依然としてあるので、重合は、炭酸塩又は炭酸水素塩源の組み込みと反応器内への投入との間の残りの滞留時間で十分に抑制される。
本発明の連続的方法のための反応器として、先行技術から公知の通りの超吸収性ポリマーの連続的溶液及びゲル重合のためのあらゆる適切な反応器が用いられ得る。所望の時間枠の中で反応器を通じて反応塊を混合、混練及び送付し得る反応器が特に好ましい。連続混練機及び押出機が特に好ましい。容器の軸に沿って容器の内容物を運搬するために少なくとも部分的に機能する2つ以上のスクリュー又は混練軸を含むそれらの反応器が本発明の目的のために特に有利である。好ましい一実施形態において、軸の内の一方は混練軸としての役割を果たし、他方は洗浄軸としての役割を果たす。2つの軸の回転速度は、その速度が両軸について同じであり得るが異なってよい。好ましくは、これらの軸は逆方向で回転し、軸の半径は重複する。好ましい実施形態において、2つの軸は互いに少なくとも実質的に平行である。しかし、2つ超の軸を有する容器、同じ方向で回転する軸を有する容器、軸の半径が重複しない容器、軸が少なくとも実質的に平行でない容器又はこれらのあらゆる組み合わせを適用することも可能である。適切な反応器は、例えば、List AG社(CH−4422 Alsdorf,Switzerland)から入手可能であり、とりわけ、Opposite−Rotating−Processor(ORP)のConti−Version、Discoterm Conti(DTP)、Co−Rotating Processor(CRP)及び(AP)、並びにCRK型の加工機が適切である。適切な混練機反応器は、Buss AG社(Hohenrainstrasse 10,4133 Pratteln(Switzerland))から入手可能である。他の適切な反応器は、DE−OS3432690に記載されている反応器である。また、重合が連続的に行われる無端コンベヤベルトを有するベルト反応器を開示しているDE−OS3544770において記載されている通りの装置も重合には特に好ましい。
本発明によれば、重要な特徴は、気相が水性モノマー混合物中において均質に分布する気液混合物が、反応器に入る直前又は反応器に入る直後に分離されることである。第1の実施形態について、気相は、例えばサイクロン型デバイス等、気液相分離に適切なあらゆるデバイスによって液相から分離され得る。気液分離のために適用されるあらゆるデバイス又は構成は、気泡がモノマー混合物を従来のゲル化の状態にすることを可能にする必要がある。
しかし、好ましくは、本発明により使用されるモノマー混合物が分散した気相の泡を安定化させ得る界面活性剤を含有しないので、モノマー混合物が反応器に入る際に相分離が起こる。次いで、分離した気相は、例えば排気系を介して反応器から少なくとも部分的に除去される。
本発明者らは、ここで驚くべきことに、反応器内における移送ライン間の圧力差が反応器内の圧力がモノマー供給ライン中の圧力より低いように提供され得る場合に気液相分離のための任意の更なるデバイスなしで特に迅速な相分離が反応器内へのモノマー混合物の投入の際に直ちに達成されることを実現した。好ましくは、移送ラインの圧力は、圧力弁の助けにより大気圧より上に維持され、反応器内における圧力は、大気圧又は準大気圧である。圧力差は、好ましくは0.5bar〜5barであり、反応器内における圧力は、500mbar〜1,100mbarの絶対圧である。より好ましくは、1〜3barの圧力差であり、600〜850mbarの絶対圧の反応器内における圧力である。
更に、不活性ガス供給流は、重合反応器からの酸素含有気相の除去を容易にするために反応器内におけるヘッド空間に導入され得る。しかし、既に前述したように、かかる不活性ガス供給流は、本発明によって必要でなく、重合反応及び生成物の質の制御に支障を来たすことなく省略され得る。供給流のための適切な不活性ガスは、先行技術から公知の不活性ガス、例えば、窒素、二酸化炭素又はアルゴン等の貴ガスであり、それによって窒素が特に好ましい。更に、前述のように、反応器内の圧力は、以下で考察されるように酸素含有気相の除去を容易にするだけでなく更なる効果がある軽真空を反応器に適用することによって準大気圧とすることができる。
本発明の方法における好ましい実施形態によれば、反応器は、少なくとも3つの領域を包含して使用され、ここで第1の領域は開始領域であり、第2の領域はゲル相領域であり、第3の領域は粒状化領域であり、それによってモノマー混合物が開始領域に供給される。上で考察されたように、とりわけ2つの軸を有する連続混練機を使用する場合、溶液が反応器の1つの領域に供給されるように移送ラインの入口接続部が反応器の供給端において設置され、それは、2つの軸の間の中央の反応器の内側にあってこの領域中における反応塊と均質に混合される。移送ラインと反応器との間の示された圧力差が用いられ且つ反応器が準大気圧力下で作動される上記で考察された通りの好ましい実施形態を適用する場合、以下で考察されるように、気相が液相から反応器内への投入の際に分離し、真空系及び排気系を介して更なる加工に誘導される。
反応器には、総反応器体積の1リットルにつき0.5kg/時〜5kg/時、好ましくは1.2kg/時〜3.5kg/時の速度でモノマー溶液が連続的に装入され得る。反応器に供給されたモノマー混合物は、通常4℃〜35℃の温度を有する。経済的理由のため、温度は、好ましくは20℃超である。これは、溶液を冷却するためのエネルギーを節約し、重合の間の反応塊の温度は、他の工程によって確実に制御され得る。
以下のオプションを用いて、系の中への総エネルギー投入量を制御することができる。従って型を選択し、モノマー溶液中におけるモノマーの濃度を調整することによって生成された総重合熱を制御するオプションがある。モノマー供給材料の温度を上記で与えられる通りの温度範囲の中で提供することができ、蒸気を反応器の開始領域中に注入することができ、最後に反応器の外被及び軸を介した加熱のオプションがある。これは、開始及び重合の速度があまりに大きく低下し、それによって十分なモノマー転化に必要とされる反応器内におけるあまりに長い滞留時間をもたらすように、モノマー供給材料が反応器内における開始領域をあまりに大きく冷却する場合、必要とされ得る。
外被及び軸を介して冷却することによって反応塊からエネルギーを除去することができ、反応塊中に存在する水の部分の蒸発によって非常に効率的な冷却が達成される。最も効率的な冷却は、反応器内における減圧下での蒸発によって達成される。従って、準大気圧力下での反応器の作動は、任意の更なる相分離デバイスなしでの反応器内へのモノマー混合物の投入の際の気相の迅速且つ安全な分離の上記で考察された効果に加えて、効率的な温度制御の利益を有する。系のエネルギーのかなりの部分は、反応器から排出された際にゲルによって除去することもできる。その量は、ゲル及びその温度の熱容量に依存する。
モノマー濃度は、反応温度を制御するためには通常使用されない。経済的理由のため、溶解性の限界によって通常与えられる最も高い可能なレベルに濃度を上げることが望ましい。従って、温度制御のため、全ての他のオプションが残っている。最も好ましくは、反応器の様々な領域中における所望の温度が好ましくは指定されるオプションの組み合わせが適用される。好ましくは、反応器の第1の領域中における反応塊は50℃〜100℃、好ましくは65℃〜90℃の温度を有し、第2の領域中においては、65℃〜110℃、好ましくは80℃〜100℃の温度(ピーク温度)であり、及び最終領域中においては、100℃未満、好ましくは95℃未満の温度である。様々な領域中におけるこれらの温度は、温度が個別に調整され得る幾つかのセグメントに反応器の外被及び軸が分けられるということによって確実に調整され得る。これは、反応器の開始領域及び最終領域の温度制御を可能にする。第2の領域中におけるどこかに出現するピーク温度は、所望の温度に対して対応する圧力の下での蒸発によって好ましくは確実に制御される。
反応器の軸は、好ましくは、作動限界値の約50%の速度で作動される。混練器具によって生成される剪断力は、30%以下の分率の6mm超のゲル粒子を含有する3mm〜5mmの質量平均ゲル粒径を有する易流動性ゲルが得られるようにヒドロゲルの十分な粒状化を可能にする。
十分な転化が起きるまで反応塊は反応器内にとどまることが必要であり、ゲルは所望の程度にサイジングされ、更なる温度制御は必要でない。このポイントにおいて、転化は、少なくとも90%、より好ましくは95%、最も好ましい99%超の程度に達した。これは、3分間〜40分間、より好ましくは4分間〜20分間の流量に応じて滞留時間に相関する。総反応器体積1リットル当たり0.5kg/時〜5kg/時のモノマー溶液の流量が可能である。
ゲルは、反応器の供給又は開始領域に対して反対の端に位置する反応器の最終領域から排出される。反応器の好ましい実施形態を用いて、洗浄軸の側面におけるハウジング中の開口部を通じて、調節し得る堰の上の洗浄軸によってゲルが反応器から拭き取られる。
反応器と前記方法の下流における次のユニットとの間にポリマーゲル用緩衝液格納部を有することが、スムーズな製造条件のために好ましい。所望の量の緩衝材料を維持することに加えて、容器は、99%超、更により好ましくは99.5%超の転化率へのポリマーゲルの更なる転化を可能にするための保持タンクとしても役立つ。それは、添加剤がポリマーに装入され、混入され得る更なる場所を更に提供する。その容器の設計は、それが適切な撹拌のための及びゲルの所望の温度を維持するための器具を提供する限り重要でない。好ましくは、格納部は、所望の温度でゲルを維持するために断熱され、実質的なプラグ流れを可能にし、及びポリマーゲルが連続的且つ確実に装入され、排出されるように設計される。格納部は、水平に又は垂直に配置された容器、単一の若しくは多数のスクリューコンベヤ又は移動ベルトであり得る。格納部は、上流及び下流における多重製造ライン法に役立つことができる。幾つかのゲル乾燥機に1つの緩衝容器からゲルが与えられる場合、ゲル流れを適切に分割するために適切な数の接合部が設置される。
得られたポリマーを、当該技術分野において周知の工程を用いて、典型的には事前にサイジングし、乾燥させる。適切な乾燥工程としては、流動層乾燥機、回転乾燥機、強制空気オーブン、通過循環排気乾燥機及びベルト乾燥機が挙げられる。幾つかの例において、乾燥は、2つ以上のステージにおいて出現する(即ちマルチステージ乾燥)。乾燥の完了後、ポリマーを更にサイジングして、好ましくは2mm未満、より好ましい1mm未満の重量平均直径を有する粒子を形成する。好ましくは、最終ポリマー生成物は、少なくとも300μmの重量平均粒径を有する。
乾燥及びサイジングの後、通常、超吸収性ポリマーは、例えば、超吸収性ポリマーの意図された商業的使用のために許容され得ないあまりに小さい粒径を有する粒子を除去するために篩にかけることによって分級される。
これらの微粒子は本発明の方法のあらゆるポイントにリサイクルされ得るが、前述したように、これらの微粒子がモノマー混合物にリサイクルされ得る場合、それは本発明の方法の特定の利点である。
更に、乾燥粒子は、先行技術において公知であるように、生成物の性質を改善するために熱処理又は表面処理され得ることが望ましい。例えば、乾燥粒子は、WO93/05080及び/又はUS5,629,377において説明されている手法に従って熱処理され得る。かかる熱処理は、好ましくは、少なくとも170℃、より好ましくは少なくとも180℃、最も好ましくは少なくとも190℃の温度で実施される。かかる熱処理は、好ましくは、250℃未満、より好ましくは240℃未満の温度で実施される。熱処理の方法は重要でない。例えば、強制空気オーブン、流動層加熱器、パドル乾燥機及び加熱スクリューコンベヤが成功して用いられ得る。所望により、加熱されたポリマーは、取扱いの容易さのために再加湿され得る。ポリマー粒子の吸収性を改善する方法は、ポリマー粒子を表面架橋することであり得る。表面架橋のための手法は、当該技術分野において周知であり、例えばUS4,734,478及びUS4,466,983において記載されている。これらの手法は、ポリマー粒子のモジュラス及び/又は荷重下吸収量を増加させることができる。アルミニウム塩又はシリカ等の添加剤の組み込みによって表面改質を達成することもできる。
上で考察されたように、本発明の好ましい実施形態により、反応器を準大気圧力下で作動させ、温度制御が水の蒸発を適用する場合、前記方法において凝縮物が生成される。重合反応によって生成される凝縮物の総体積は、方法の条件に依存する。これらの条件は、最終エネルギーバランスを決定し、故に温度制御系中において蒸発が有する部分を決定する。系中における総エネルギー量は、エネルギーを加えるか又はエネルギーを系から除去するエネルギーの流れのバランスである。エネルギーの流れを加えることは、重合及び供給の流れ(それらの温度に依存する)、反応器内への外被からの熱伝達、混合エネルギーの散逸及び場合によって蒸気注入である。エネルギーを除去する流れは、その所定の熱容量に従い、ゲル排出温度に応じて排出されるゲルのエネルギー、反応器から外被への熱伝達及び蒸発によって消費されたエネルギーである。上記で考察された好ましい条件下で、蒸発させるべき水の量は、反応塊中に存在する水に対して約8%〜18%である。それを反応器から除去し、別々に処理することができるか、又はそれを凝縮させ、反応器内におけるゲルに戻すか若しくはゲルが乾燥するまで方法の下流の工程の内のいずれかに戻すことができる。選択的に、それを、方法の適切な上流の工程の内のいずれかに、好ましくはレドックス開始剤の還元成分と一緒に反応器の第1の領域に又はモノマー溶液の製造のためのユニットにリサイクルすることができる。
経済的理由のため、ゲルの固形物含有量を最大にし、故に凝縮物の蒸発の必要性を生じさせないためにゲルから蒸発した水の留分を除去することが一方で好ましい。しかし、凝縮物の少なくとも一部をゲルにリサイクルすることはその粘着性を低下させ、従って流動挙動を改善することが分かった。
一方で、ゲル流動挙動を改善することが必要でない限りモノマー溶液又はその製造用ユニットに凝縮物をリサイクルすることが望ましい。しかし、本発明の前は、凝縮物中における可能な不純物のため、方法の上流部分への凝縮物のリサイクルが方法の安定性及び生成物の質に対する負の影響を有する可能性があると考えられた。驚くべきことに、本発明者らは、上記のように配合の水の対応する留分を置き換えて凝縮物をリサイクルすることは、いずれの望ましくない影響も示さなかったことを見出した。
別のオプションは、スクラバーのために使用すべき焼灼剤を希釈するための凝縮物流を適用することである。凝縮物は、0.5質量%〜2質量%の濃度で主成分としてアクリル酸を含有する。更に、酸性酸及びプロピオン酸等の微量の他の有機酸がある。以下で考察されるように、適用される場合、MEHQ等の抑制剤、並びにその誘導体及び分解生成物が存在し得、また、前記酸と機器の金属表面との接触から又は他の源から生じ得る微量の金属イオン、即ちFeイオンも存在し得る。
更に、本発明の方法の進行において生成されるあらゆる排気流は、プラントの放出物を所要の基準に制限するために大気へのそれらの放出の前に処理する必要がある。かかる排気流は、モノマー溶液を脱酸素するために使用された不活性ガス流、反応器からの排気流、ゲルサイジングからの排気流及びゲル乾燥の操作から生じる主要なガス流である。貯蔵タンク、特にアクリル酸タンクからの排気流、及び、場合によって、生成物後処理法からのガス流は、精製用スクラバーにも導かれる。
一実施形態によれば、スクラバーは、ラシヒリング等の充填材料がパックされた垂直カラムを含み、希釈された焼灼剤は、カラムのパッキング上に上部から噴霧され、スクラバーの底部の領域中にパッキング材料を通じて流れ落ちる。精製のため、排気流はカラムの底部に供給され、カラムの上部へのその途中でガス流はパッキングによって微細に分けられ、不純物は水性相によって回収される。
新たに製造される場合にスクラバーに適用されるスクラバー水は、排気流から全微量のアクリル酸及び他の不純物を確実に除去することができるために最高約5質量%の水酸化ナトリウムを含む。
しかし、最初に供給された水酸化ナトリウムの一部は、スクラバー内で、希釈された焼灼剤と排気流中における二酸化炭素との接触から生じる炭酸塩又は炭酸水素塩に転化される。故に、スクラバーから除去されたスクラバー水は、幾らかの残留焼灼剤、4質量%〜10質量%の炭酸塩又は炭酸水素塩、及び塩基に加えて基本的に凝縮物と同じ成分を含有するが、通常はより高い濃度で含有する。スクラバー溶液の総固形物含有量は、約10質量%である。その部分は、ゲル乾燥機から排気流によって運び入れられた超吸収性微粒子塵から成る。最も重要な不純物としては、カルシウムイオン及び鉄イオン、酢酸及びギ酸、その抑制剤及び誘導体、並びに更に炭酸塩及び他の不純物が考えられる。
スクラバー水をリサイクルする更なる懸念は、方法工程にリサイクルされる場合に最終生成物を変色させ得るその茶色の色である。
しかし、それでも、凝縮物並びにスクラバー水が方法にリサイクルされて戻され得る場合、価値がある原料、即ちアクリル酸及び超吸収性ポリマー塵を保存し、これらの水性流の別々の廃棄を省略することが望ましい。
ここで驚くべきことに、スクラバー水が本発明による炭酸塩又は炭酸水素塩源としてのモノマー混合物に少なくとも部分的にリサイクルされ得るということが分かった。前述したように、スクラバー水は、4質量%〜10質量%の炭酸塩及び/又は炭酸水素塩を含有し、故に炭酸塩又は炭酸水素塩のための源として十分に適している。驚くべきことに、方法の安定性及び/又は生成物の質におそらく悪影響を与えると考えられた多くの更なる不純物にもかかわらず、かかる悪影響を検出することはできなかった。
従って、好ましい実施形態として、本発明は、価値がある材料を含有する全ての方法の流れが方法の安定性及び生成物の質を危うくすることなく方法に効果的にリサイクルされ得る超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法を提供するものである。
従って、好ましい実施形態によれば、本発明は、以下の手順:
(a)溶存酸素を含有する酸性液体水性モノマー混合物を提供する工程であって、それによって、超吸収性ポリマーを重合後に提供するようにモノマーが選択される工程、
(b)前記水性モノマー混合物を反応器に連続的に供給する工程、
(c)反応器内への投入の前に炭酸塩又は炭酸水素塩源を前記水性モノマー混合物中に導入する工程であって、それによって二酸化炭素及び前記溶存酸素の少なくとも一部を含む気相を形成し、前記気相が液相中に分散している工程、
(d)反応器内への投入の直前又は直後に気体/液体混合物を少なくとも部分的な相分離に供し、分離された気相を少なくとも部分的に除去する工程、
(e)反応器内における液相をフリーラジカル重合に供して超吸収性ポリマーを得る工程、
(f)反応器から超吸収性ポリマーを連続的に除去する工程、
(g)少なくとも1種の二酸化炭素含有オフガス流を反応器から回収する工程、
(h)前記二酸化炭素含有オフガス流を排気の前にスクラバー内で塩基性水溶液を用いたスクラビングに供し、それによって炭酸塩又は炭酸水素塩含有スクラバー水溶液を形成する工程、
(i)超吸収性ポリマーを乾燥させる工程、
(j)乾燥した超吸収性ポリマーを粉砕及び分級して、それによって300μm未満の粒径を有する微粒子を除去する工程、
(k)炭酸塩又は炭酸水素塩源の導入前にモノマー混合物に前記微粒子をリサイクルする工程を含み、それによって、(h)において得られた炭酸塩又は炭酸水素塩含有スクラバー水溶液の少なくとも一部が(c)における炭酸塩又は炭酸水素塩源として導入される、超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法に関する。
好ましくは、スクラビングに供される二酸化炭素含有オフガス流は、工程(d)において反応から除去されたガス流を含む。
更に、前述したように、モノマー混合物の脱酸素化のための炭酸塩又は炭酸水素塩源の使用は、モノマー混合物の脱酸素化のために又は反応器内における不活性ガス流として使用される更なる不活性ガスの量を著しく低下させることができる。実際、両方とも、全体として省略することさえできる。従って、本発明の方法によって、早期重合並びに移送ラインの汚染及び閉塞等の関連した問題は、抑制又は望ましくない連鎖停止によって重合反応が悪影響を受けないことを確保すると同時に回避され得る。これは、任意の更なる複雑なデバイスや更なる添加剤の添加なしで達成され得る。更に、このことにより、方法において使用される不活性ガスの量を著しく低下させることができるか又は全体として省略することさえでき、このことにより全方法の経済性が改善される。更に、上記の好ましい実施形態によれば、価値がある生成物を含有する方法の流れは、更に方法の全体的経済性を改善する方法の安定性又は生成物の質に悪影響を与えることなく方法に効果的にリサイクルされ得る。
ここで本発明を以下の実施例を参照して更に詳細に示す。
実施例
実施例及び表において報告される生成物パラメータを以下のように測定する。
CRC(遠心分離保持能力)
EDANA、標準試験:WSP241.2(05)
遠心分離後の食塩溶液中における液保持能力の重量決定
AAP(AUP)対圧力吸収性(圧力下吸収量)
EDANA、標準試験:WSP242.2(05)
圧力下吸収量の重量決定
抽出物
EDANA、標準試験:WSP270.2(05)
電位差滴定による抽出可能ポリマー含有量の決定
Res.AA(残留アクリル酸)
EDANA、標準試験: WSP210.2(04)
超吸収材料中における残留モノマーの量の決定−ポリアクリレート超吸収性粉末
モノマー溶液中における酸素
モノマー溶液中に溶解した酸素の決定のために電気化学的方法を用いる。
機器及び材料
− マイクロプロセッサ酸素濃度計Oxi 2000型
− 金陰極及び銀陽極を有する膜で覆われた電気化学センサ(WTW Trioxmatic 203)
− キャリブレーションセルWTW PE/OXI OxiCal
− 磁気撹拌棒、センサ棒用密着器具、容器を通じた窒素流のための器具、排気ガス流用器具及びモノマー溶液の装入用器具を備えた4つ口250mlガラス容器、
− 磁気撹拌器
− ホースポンプ
− 適切なサイズ及び長さのPE−ホース
手法
キャリブレーションセルWTW PE/OXI OxiCalを用いて水蒸気で飽和した空気中においてセンサのキャリブレーションを行った。WTWによって提供されたユーザマニュアルにおいて記載されているように厳密にそれを行った。モノマー溶液中における酸素濃度を測定するため、モノマー溶液に適切であり、機器の供給業者と協力して開発されたプログラムを選択した(PROG#6)。
モノマー溶液中における酸素濃度の決定:
あらゆる測定の前に、Microprocessor Oximeterのスイッチを入れ、WTWによって推奨されるように、少なくとも30分間、適切な分極のためのモードによってStandに維持する。
a)実験室規模での決定:
膜で覆われたセンサ及び磁気棒を担持する適切な開口部を備え、磁気撹拌器の上に配置された250mlガラス反応器内に、測定すべきモノマー溶液を配置する。
b)製造規模での決定:
反応器へのモノマー溶液移送ラインの供給端の近くのスタンドのボトムプレート上に磁気撹拌器を配置し、上記の通りの4つ口250mlガラス容器を撹拌機の上部のスタンド上に固定した。スクラバー水を注入し、緊密に密閉するポイントの後の移送ラインにPE−ホースを一端と共に挿入した。ホースの他端をホースポンプに固定し、別のホースでポンプとガラス容器とを結ぶ。ガラス容器を通して25l/時の窒素流を10分間吹きつけ、容器中において無酸素雰囲気を提供する。その後、モノマー溶液を容器中にポンピングし、プラント反応器における条件をシミュレートするために窒素流を維持する。
両方の場合(実験室又はプラント試料)において、キャリブレートされたセンサを、モノマー溶液の表面に対してそれぞれ約45°の角度のガラス容器へのガラス反応器に固定し、撹拌機のスイッチを入れ、センサへの必要なアプローチ流を保証するが溶液中における気泡を形成する容器のヘッド空間からの気体を防止する速度に設定する。「PROG」ボタンを押した後、酸素濃度を測定し、ppm(mg/l)で表示する。値を、それが安定した後で得るが、それには何秒かかかる可能性がある。
二酸化炭素の存在下では電解質溶液の緩衝能力は短期間の曝露に十分であるが、長期間の曝露の間では二酸化炭素は酸性の範囲内にpH値をシフトさせ、値の増大につながる。この理由のため、WTWによって与えられた以下の手法に従って各測定の後で完全にセンサを再生させる。即ち、センサの電解質溶液を交換し、陰極及び陽極を洗浄し、膜を新しいものに交換した。
ゲル−流動−指数(GFI)
超吸収性ゲル流動挙動の評価のために、それを反応器又は押出機から排出する際にこの方法を用いる。流動特性をゲル流動指数(GFI)として決定する。それは、篩塔に組み立てた一組の適切な篩を通じてゲル粒状体の流動を定量する。
機器及び材料
− 20cmの直径並びに25mm、20mm、16mm、10mm及び8mmのメッシュサイズを有する篩
− 篩塔を担持するためのプラスチックトレイ(長さ30cm、幅25cm、高さ5cm)
− 2リットルのプラスチック袋
− 輸送及び短期間の貯蔵の間の袋中の試料を採取し、それを所望の温度で維持するための断熱ボックス
− 500mlプラスチックビーカー
− 秤
手法
篩を積み重ねて篩塔を形成し、プラスチックトレイ内にそれを配置する(下記の図を参照)。
試料が分析を必要とする源から採取したゲル試料をプラスチック袋中に配置し、それを、測定まで所望の温度で維持するための断熱ボックス中に直ちに入れる。プラスチック袋中の試料から200gの部分を慎重にプラスチックビーカー中に秤量し、篩塔の上部の篩上に広げる。ゲルに触れないようにするか、押さないように、且つゲルの天然の重量流動挙動に影響を及ぼさないために篩にいかなる振動も与えないように注意しなければならない。
Figure 0005511827
ゲル試料を篩に2分間通して、その後、篩上のゲルの部分を秤量することによって決定する。
計算
トレイ中におけるそれぞれ様々な篩上のゲル部分の質量を以下の式:
i weighed=Wi・αi/Wtot・100
[式中、Wiは、篩上のゲルの質量を表し、αiは、篩の関連の重み係数を表し、ここで前記係数は、25mm篩については0であり、20mm篩については0.2であり、16mm篩については0.4であり、10mm篩については0.6であり、8mm篩については0.8であり、トレイ中におけるゲル質量については1,0であり、及びWtotは、計量した総ゲル質量を表す]に投入して篩上の秤量した質量(Wi weighed)を得る。
最後に秤量部分を合計することによってゲル流動指数を得る。
GFI=ΣWi weighed
正確さのために、前記手法を繰り返し、報告されたGFIは2つの測定値の平均を表す。
実施例1(250mlガラス反応器内における脱酸素化(参照例))
86.67gの99.8%活性アクリル、60.55gの50%活性NaOH、77.7gの水、分子中に平均して15EO単位を有する0.23gの高エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(HE−TMPTA)及び0.87gのPEG600を混合することによってモノマー溶液を調製した。その中で微粒子は分散しなかった。モノマー溶液を、磁気撹拌棒と3つの開口部を有する蓋とを備えた250mlガラス反応器内に充填した。1つの開口部は、酸素測定のためのモノマー溶液中に挿入された膜で覆われた電気化学センサを担持した。1つの開口部はガス一方向弁を備え、ガス放出のために用いた。第3のバルブを通して、モノマー溶液の中程度の撹拌下で22.9gの炭酸ナトリウム20%の水溶液を加え、最終中和度を70%のレベルとした。炭酸塩溶液(Na2CO3)の添加の直後に、活発な反応によって非常に微細な気泡の形態におけるCO2の放出が始まった。モノマー溶液中における酸素濃度は、表1に記載されているように減少し、低下したレベルに少なくとも15分間とどまった。0.05gのH22の35%活性溶液、1.3gの10%活性Na228及び0.34gの1%活性アスコルビン酸溶液の添加は、直ちに重合を開始させ、反応塊を3分間以内で115℃のピーク温度に加熱させた。
Figure 0005511827
実施例2(参照例)
86.67gの99.8%活性のアクリル及び68.79gの49%活性NaOHを使用し、炭酸塩溶液の代わりに34.67gのスクラバー水を加えたことを除いて、実施例1を繰り返した。スクラバー水中における炭酸塩の存在のため、調製されたモノマー溶液とのその接触は、以前の実施例におけるものと同じCO2放出との反応を示した。混合物中における酸素濃度は、表2において示されるように減少した。実施例1と同様に、0.05gのH2235%の活性溶液、1.3gの10%活性Na228及び0.34gの1%活性アスコルビン酸溶液の添加は、直ちに重合を開始させ、反応塊を3分間以内で115℃のピーク温度に加熱させた。
Figure 0005511827
参照例1及び2は、バッチ法に関連し、従って本発明による実施例ではないが、モノマー混合物の脱酸素化のための炭酸塩又は炭酸水素塩源を使用する有効性及び炭酸塩源としてのスクラバー水の有用性を示す。両実施例において、複雑で難しい配置を用いるUS4,656,232において報告されているものと同程度に低い酸素濃度が得られる。
実施例3(比較)
モノマー溶液の調製単位に2050.7kg/時の99.8%活性アクリル酸、70%の程度にアクリル酸を中和するための3322.8kg/時の水酸化ナトリウムの24%水溶液及び337.9kg/時の水を供給してモノマー溶液を連続的に生成した。また、3.8kg/時の40.2%活性Versenex80(Dow Chemical Companyの商標;750ppm b.o.AA)、14.8kg/時のHE−TMPTA(7200ppm b.o.AA)及び12.3kg/時のPEG600(6000ppm b.o.AA)をも連続的に加えた。28℃の温度を有するこのモノマー溶液を、5742.3kg/時間の供給速度でモノマー調製単位から2スクリュー反応器(List ORP4000)に連続的に移送した。混練軸の回転速度を洗浄軸の内の4つに対して16rpmに設定した。供給流中に、1.37kg/時の30%活性過酸化水素溶液(200ppm b.o.AA)、69.7kg/時(1700ppm活性b.o.AA)の5%活性過硫酸ナトリウム水溶液、245.7kg/時の超吸収性微粒子(9%b.o.AA)及び約13.5kg/時の窒素流を連続的に注入した。モノマー溶液のための入口の隣に位置する反応器への入口を通して、30.76kg/時のアスコルビン酸の1%水溶液(150ppm活性b.o.AA)をも連続的に加えた。更に、70kg/時間の蒸気を、反応器の底部の価値物を通して反応器の供給領域(領域1;反応器の領域はWO03/022896に記載されている。)中に注入し、供給領域の上部の更なる入口を通して410.1kg/時のスクラバー水(20%b.o.AA)を加えた。反応混合物は、結局42%の総固形物含有量を有し、スクラバー水の添加のために72%の中和度を有することになった。
分離した気相は、投入後に反応器のヘッド空間中においてモノマー溶液を形成し、ガス流を排気系に導き、凝縮器及び真空系を通過した。ヘッド空間中における迅速なガス交換のために、250m3/時の更なる窒素流をヘッド空間にわたって取り除いた。重合は、反応器内において生じ、反応器内における圧力は、約96〜98℃の(凝縮器の下のドーム中における蒸気において測定される通りの)ピーク温度に相関する1075mbarの絶対圧でそれ自体調整した。
モノマー溶液の試料を空気の排除下で反応器への供給ポイントで採取し、気相分離後、モノマー溶液中におけるO2濃度を2.7ppmであると測定した。
蒸発した水を反応器の上の凝縮器において凝縮し、反応器の領域3中における排出端の近くのゲル上に還流した。自由流動粒状ゲルを反応器から保持タンク中に連続的に排出し、そこで95〜96℃の温度で約1時間とどめ、幅6mの隙間を有するダイプレートを通じて切り刻み、それを円形に配置し、乾燥機の第1の領域中において190℃及び第2の領域中において210℃の気流中においてそれぞれ約10分間、ベルト乾燥機上で約20分間乾燥させた。
乾燥後、ポリマーをロールミル中において粉砕し、篩にかけて、150〜850mの粒径を有する粒状ポリマーを得た。
生成の運動の間、スクラバー(図2)を連続的に作動させた。ステンレス鋼製のスクラバーは60m3の総容積を有し、その10m3/時をパックされたプロピレンで充填した。作動中、モノマー溶液からの揮発性物質を含有する窒素から本質的に成る反応器からの約260m3/時の排気流、生成したポリマーゲルを連続的に乾燥させるベルト乾燥機から得られた3000m3/時の乾燥用空気及び真空系の水封ポンプからの60kg/時の水をスクラバーに供給した。反応器に装入すべき410.1kg/時のスクラバー水をスクラバーの底部から連続的に除去した。回収した体積を、モル塩基でスクラバー内での液体が5%焼灼剤の塩基性度(bascity)に相当する塩基性度(NaOH及び炭酸塩)を維持するような速度で焼灼剤及びDI水で置き換えた。スクラバー内のスクラバー液を50m3/時の速度で連続的に循環させた。循環させた流れをパッキングにわたって均質に分布させ、そこからそれをパッキングを通じて底部に少しずつ流し、このことによって上方に流動するガス流との均質混合を生じた。
実施例4
移送ラインにおけるモノマー溶液にスクラバー水を連続的に注入し、移送ラインへの窒素の注入を8kg/時に低下させたことを除いて、実施例3を繰り返した。モノマー溶液の試料を反応器への供給ポイントで採取し、ガス相分離後にモノマー溶液中におけるO2濃度は0.1ppmであると測定された。
実施例5
移送ラインにおけるモノマー溶液への窒素の注入及び更なるスウィープガス流を完全に省略したことを除いて実施例4を繰り返した。モノマー溶液の試料を反応器への供給ポイントで採取し、ガス相分離後にモノマー溶液中におけるO2濃度は0.3ppmであると測定された。
それらの結果は、スクラバー水が好ましい助けとなる適切な脱酸素化の重要性を実証する。脱酸素化のための更なる窒素を減少させることができるか、又は完全に省略することさえできる。AAP及び抽出物に関する生成物の質は改善し、ゲル流動性(押出後)(GFI)は増大する。低下した粘着性のため、ゲルは、より均質な乾燥をもたらすベルト乾燥機上でより一様な層を形成することができる。
実施例6
反応器のヘッド空間にわたる更なる窒素スウィープ流を100m3/時と設定したことを除いて実施例5を繰り返した。モノマー溶液の試料を反応器への供給ポイントで採取し、ガス相分離後にモノマー溶液中におけるO2濃度は0.2ppmであると測定された。
実施例7
凝縮物の40%を凝縮器の後で分離し、スクラバー内に供給して、等量のプロセス水をそこで置き換えたことを除いて実施例6を繰り返した。HE−TMPTA濃度を6700ppm b.o.AAに低下させ、反応器内における圧力も960mbarに低下させた。
反応器系からの凝縮物の回収は、わずかにGFIを低下させるが、生成物の質に負の影響を及ぼさない。960mbarへの反応器内における圧力の低下は、ピーク温度を約90〜92℃に低下させ、質の改善に寄与する。
実施例8
凝縮物の100%を凝縮器の後で分離し、スクラバー内に供給して、等量のプロセス水をそこで置き換えたことを除いて実施例7を繰り返した。押出し、乾燥機に供給したポリマーゲルは49.7%の固形物含有量を有する。
反応器系から凝縮物の100%を排出し、スクラバーにそれを供給することも、生成物の質の損失なしに可能である。ゲル流動性はある程度犠牲になるが、依然として効率的にゲルを乾燥することができる。
実施例9
スウィープガス流を停止させ、反応器内における圧力を750mbarに更に低下させたことを除いて実施例8を繰り返した。これにより、ピーク温度を約85℃で制御した。
もう一度、ピーク温度の制御が良好な生成物性能を得るための対策であることを実証した。反応器内における真空は、モノマー溶液の脱酸素化の改善にも有益であり、反応器のヘッド空間中における酸素の除去を増進する。
Figure 0005511827

Claims (15)

  1. (a)溶存酸素を含有する酸性液体水性モノマー混合物を提供する工程であって、それによって、超吸収性ポリマーを重合後に提供するようにモノマーが選択される工程、
    (b)前記水性モノマー混合物を反応器に連続的に供給する工程、
    (c)反応器内への投入の前に炭酸塩又は炭酸水素塩源を前記水性モノマー混合物中に導入する工程であって、それによって二酸化炭素及び前記溶存酸素の少なくとも一部を含む気相を形成し、前記気相が液相中に分散している工程、
    (d)反応器内への投入の直前又は直後に気体/液体混合物を少なくとも部分的な相分離に供し、分離された気相を少なくとも部分的に除去する工程、
    (e)反応器内で液相をフリーラジカル重合に供して超吸収性ポリマーを得る工程、及び
    (f)反応器から超吸収性ポリマーを連続的に除去する工程
    を含む超吸収性ポリマーの製造のための連続的方法。
  2. 水性モノマー混合物が移送ラインを介して反応器に供給され、工程(d)における相分離が、0.5〜5barの、移送ラインと反応器との間の圧力差を調整することによって実施される、請求項1に記載の方法。
  3. フリーラジカル重合がレドックス開始剤によって開始され、開始剤の酸化成分が、工程(a)におけるモノマー混合物に加えられ、開始剤の還元成分が、反応器内へのモノマー混合物の投入前に工程(c)の後でモノマー混合物に加えられるか、又はモノマー混合物の投入ポイントに近接した位置で直接反応器に加えられる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記反応器が少なくとも3つの領域を包含し、ここで第1の領域が開始領域であり、第2の領域がゲル相領域であり、第3の領域が粒状化領域であり、モノマー混合物は開始領域に供給される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記反応器が、連続混練機及び押出機又はベルト反応器から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. − 追加的な不活性ガスが工程(a)、(b)及び(c)のいずれにおいても導入されないか、又は
    − 更なる不活性ガスが反応器内に導入されないか、又は
    − 更なる不活性ガスがプロセスのいずれのポイントにおいても導入されない
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 300μm未満の粒径を有する超吸収性ポリマーの微粒子が、炭酸塩又は炭酸水素塩源の導入前にモノマー混合物に加えられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記モノマー混合物が、少なくとも1種のエチレン性不飽和酸と少なくとも2個のエチレン性不飽和基を担持する少なくとも1種のモノマーとを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記1種又は複数種のエチレン性不飽和酸が少なくとも部分的に中和される、請求項8に記載の方法。
  10. 得られた超吸収性ポリマーの酸性官能性の1〜15%の総中和をもたらすための量で炭酸塩又は炭酸水素塩源を導入して、得られた超吸収性ポリマーのそれぞれの中和度を達成する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記反応器から回収される少なくとも1種の二酸化炭素含有オフガス流を、排気前にスクラバー内で塩基性水溶液を用いたスクラビングに供し、それによって炭酸塩又は炭酸水素塩含有スクラバー水溶液を形成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 炭酸塩又は炭酸水素塩源が、アルカリ金属炭酸塩若しくは炭酸水素塩又はそれらの混合物の水溶液である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 炭酸塩又は炭酸水素塩源が、前記炭酸塩又は炭酸水素塩含有スクラバー水溶液の少なくとも一部である、請求項11に記載の方法。
  14. (g)少なくとも1種の二酸化炭素含有オフガス流を反応器から回収する工程、
    (h)前記二酸化炭素含有オフガス流を排気の前にスクラバー内で塩基性水溶液を用いたスクラビングに供し、それによって炭酸塩又は炭酸水素塩含有スクラバー水溶液を形成する工程、
    (i)超吸収性ポリマーを乾燥させる工程、
    (j)乾燥した超吸収性ポリマーを粉砕及び分級して、それによって300μm未満の粒径を有する微粒子を除去する工程、
    (k)炭酸塩又は炭酸水素塩源の導入前にモノマー混合物に前記微粒子をリサイクルする工程を更に含み、それによって、(h)において得られた炭酸塩又は炭酸水素塩含有スクラバー水溶液の少なくとも一部を(c)における炭酸塩又は炭酸水素塩源として導入する、請求項1に記載の方法。
  15. 得られた超吸収性ポリマーが、表面の後架橋、熱処理及び/又は添加剤によって表面改質される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
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