JP5510483B2 - 重合性液晶組成物およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、重合性液晶組成物およびその用途に関し、より詳しくは、室温付近で特定の領域の波長の光を反射する重合性液晶組成物、該組成物からなる重合体および該重合体の用途に関する。
コレステリック液晶分子は、その液晶状態で螺旋構造を有する。そのため、コレステリック液晶相に光を照射すると、液晶分子の螺旋の回転方向の向きとピッチの長さに対応した特定の波長領域の円偏光の光を反射する。たとえば、可視光を照射した場合、液晶のピッチの長さに対応した青、緑、黄、赤の波長の光を選択的に反射する。これらの色調は、光の吸収により色を呈する顔料や染料とは異なり、また、見る角度により色調が変わる視角依存性を有する。さらに、コレステリック液晶のピッチの長さは、温度や化合物の種類により制御することができるため、可視光だけではなく、近赤外や紫外領域の光も選択的に反射することができる。
こうしたコレステリック液晶の特性を利用して、広い波長域内でさまざまな波長の光を選択的に反射する材料が提供されている。例えば、液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インク、化粧品、偽造防止用印刷物および装飾品などである。また、液晶表示素子やホログラフィー素子などの光学素子における偏光板、補償板、カラーフィルタなどの光学フィルムなどにも提案されている。既存の材料であるコレステリック液晶顔料については、フレーク状のコレステリック液晶ポリマーや、マイクロカプセル化されたコレステリック液晶が使用されている。これらの用途としては自動車用の塗料や化粧料などがある。
特表2000−505485号公報(特許文献1)には、フレーク状に加工された顔料として、光学活性な基を有するカイラル重合性メソゲン化合物、非カイラル重合性メソゲン化合物および光開始剤などを含む混合物の重合体が記載されている。特許文献1では、カイラル重合性メソゲン化合物の種類や混合物中の含有量を変えることにより、コレステリックの螺旋のピッチを調整し、所望する色調の顔料を得ている。
また、特開平8−24625号公報(特許文献2)には、マイクロカプセル化された液晶材料が記載されている。これは、サーモトロピックなコレステリック液晶性を有するグルタミン酸γ−エステルの共重合体が、エポキシ樹脂とアミンとを構成成分とする膜で覆われた構造を有する。グルタミン酸γ−エステル共重合体は凝集性が高く、固化するには、溶融後にずり応力をかけ配向させる必要があるが、特許文献2では、マイクロカプセル化により凝集を回避でき固定化の操作性を向上させている。
このようなフレーク状またはマイクロカプセル化された液晶材料は、塗料、インク成分または化粧料などの色材として利用されている。しかし、色材として用いるためのフレーク状の顔料は、支持体上にコレステリックポリマー層を形成して剥離した後、ポリマー層を粉砕することにより製造されている。マイクロカプセルは、コレステリック液晶材料に樹脂被膜を形成することにより製造されている。さらに、それらを一旦溶剤に分散させ、対象物に塗布して固定化させるといった多段階の工程が必要となる。
これに対して、特表平10−508882号公報(特許文献3)では、重合性液晶モノマーとキラル液晶性モノマーまたはキラル非液晶性モノマーとを含む組成物を、支持体上に直接あるいは溶剤に溶かし比較的低温度で塗布し、エネルギー線により硬化している。特許文献3では、ネマチック相域が90℃以上である3環の液晶性化合物の混合物とキラルなモノマーとを含む組成物が実施例中に使用されている。また、組成物の各成分を混合する際、ジクロロメタンで溶解後、一旦70℃まで加熱処理を行っている。塗装や印刷処理を比較的低温な室温付近で行うためには、色材となるコレステリック材料が、室温付近で安定にコレステリック液晶相を呈することが好ましい。
このような材料として、特開昭59−109505号公報(特許文献4)には、コレステロール誘導体である重合性液晶モノマーの2〜3成分からなる組成物が記載されている。このなかで、例えば、実施例7に示されている化合物Vaと化合物Veとの1:1混合物は、広い温度範囲でコレステリック相を呈しており、室温付近の10℃〜32℃の間で光硬化により、青、緑、オレンジというコレステリック色の固定を実現している。しかしながら、特許文献4の方法では、目的とする重合体を得るために硬化時に材料の温度を5℃間隔で制御する必要があり、一定温度の室温で、赤、緑、青のような特定の反射色を呈する重合体は得られていない。
特表2000−505485号公報 特開平8−24625号公報 特表平10−508882号公報 特開昭59−109505号公報
本発明の第一の課題は、室温付近でコレステリック相を示す重合性液晶組成物を提供することである。第二の課題は、組成物の組成を変えることで、赤〜緑〜青〜紫の広範囲にわたるコレステリック反射帯域の反射色を制御することである。第三の課題は、コレステリック液晶の対象となる基材上に、コレステリック液晶相を呈する塗膜を直接形成し固定化することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、2種以上の特定の重合性液晶化合物を含む組成物を、対象となる基材の表面に塗布し、熱および/または光により硬化させることにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成させたものであり、具体的には、以下の構成が挙げられる。
[1] 下記式(1)および(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種(ただし、下記式(1)におけるmが10である化合物と、下記式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物との2種のみからなる組み合わせを除く。)を含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、mは5または10である。)
Figure 0005510483
(式中、nは3、4、6、7、8または9であり、Rは水素またはメチルである。)
[2] 下記式(3)、(4)および(10)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする前記項[1]に記載の重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、pは5または10である。)
Figure 0005510483
(式中、qは2、4または6であり、Rは水素またはメチルである。)
Figure 0005510483
(式中、tは2、3または4であり、Rは水素またはメチルである。)
[3] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物とを含有することを特徴とする前記項[1]に記載の重合性液晶組成物。
[4] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(1)におけるmが10である化合物と、前記式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物とを含有することを特徴とする前記項[1]に記載の重合性液晶組成物。
[5] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(2)におけるnが4であり、かつ、Rが水素である化合物とを含有することを特徴とする前記項[1]に記載の重合性液晶組成物。
[6] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(1)におけるmが10である化合物とを含有することを特徴とする前記項[1]に記載の重合性液晶組成物。
[7] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物と、前記式(4)におけるqが2であり、かつ、Rが水素である化合物とを含有することを特徴とする前記項[2]に記載の重合性液晶組成物。
[8] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(1)におけるmが10である化合物と、前記式(4)におけるqが2であり、かつ、Rがメチルである化合物とを含有することを特徴とする前記項[2]に記載の重合性液晶組成物。
[9] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(2)におけるnが3である化合物と、前記式(10)におけるtが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[2]に記載の重合性液晶組成物。
[10] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(2)におけるnが3である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする前記項[2]に記載の重合性液晶組成物。
[11] 前記式(1)におけるmが5である化合物と、前記式(2)におけるnが3である化合物と、前記式(10)におけるtが4である化合物とを含有することを特徴とする前記項[2]に記載の重合性液晶組成物。
[12] 下記式(5)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(6)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、rは3〜9の整数であり、Rは水素またはメチルである。)
Figure 0005510483
(式中、qは2、4または6である。)
[13] 下記式(10)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする前記項[12]に記載の重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、tは2、3または4であり、Rは水素またはメチルである。)
[14] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(6)におけるqが2である化合物と、前記式(10)におけるtが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[13]に記載の重合性液晶組成物。
[15] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(6)におけるqが4である化合物と、前記式(10)におけるtが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[13]に記載の重合性液晶組成物。
[16] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(6)におけるqが2である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする前記項[13]に記載の重合性液晶組成物。
[17] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(6)におけるqが4である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする前記項[13]に記載の重合性液晶組成物。
[18] 下記式(7)および(8)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする前記項[12]に記載の重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、Rは水素またはメチルである。)
Figure 0005510483
(式中、qは2、4または6である。)
[19] 前記式(5)におけるrが5であり、かつ、Rが水素である化合物と、前記式(6)におけるqが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[12]に記載の重合性液晶組成物。
[20] 下記式(9)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(8)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、多官能(メタ)アクリルモノマーおよび(メタ)アクリルオリゴマーからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、sは3〜10の整数であり、Rは水素またはメチルである。)
Figure 0005510483
(式中、qは2、4または6である。)
[21] 下記式(5)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(10)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、rは3〜9の整数であり、Rは水素またはメチルである。)
Figure 0005510483
(式中、tは2、3または4であり、Rは水素またはメチルである。)
[22] 前記式(5)におけるrが3である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする前記項[21]に記載の重合性液晶組成物。
[23] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(10)におけるtが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[21]に記載の重合性液晶組成物。
[24] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする前記項[21]に記載の重合性液晶組成物。
[25] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(10)におけるtが4である化合物とを含有することを特徴とする項[21]に記載の重合性液晶組成物。
[26] 下記式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする前記項[21]に記載の重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、qは2、4または6であり、Rは水素またはメチルである。)
[27] 前記式(5)におけるrが3である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物と、前記式(4)におけるqが4である化合物とを含有することを特徴とする前記項[26]に記載の重合性液晶組成物。
[28] 前記式(5)におけるrが5である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物と、前記式(4)におけるqが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[26]に記載の重合性液晶組成物。
[29] 下記式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(10)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
Figure 0005510483
(式中、qは2、4または6であり、Rは水素またはメチルである。)
Figure 0005510483
(式中、tは2、3または4であり、Rは水素またはメチルである。)
[30] 前記式(4)におけるqが2である化合物と、前記式(10)におけるtが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[29]に記載の重合性液晶組成物。
[31] 前記式(4)におけるqが2である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする前記項[29]に記載の重合性液晶組成物。
[32] 前記式(4)におけるqが4である化合物と、前記式(10)におけるtが2である化合物とを含有することを特徴とする前記項[29]に記載の重合性液晶組成物。
[33] 前記式(4)におけるqが4である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする項[29]に記載の重合性液晶組成物。
[34] 非液晶性の重合性化合物をさらに含有することを特徴とする前記項[1]〜[19]、[21]〜[33]のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
[35] 前記非液晶性の重合性化合物が、単官能(メタ)アクリルモノマー、多官能(メタ)アクリルモノマーおよび(メタ)アクリルオリゴマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記項[34]に記載の重合性液晶組成物。
[36] 前記項[1]〜[35]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を含むことを特徴とする化粧料。
[37] 前記項[1]〜[35]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を含むことを特徴とする印刷用インク。
[38] 前記項[1]〜[35]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を含むことを特徴とするUV硬化型印刷用インク。
[39] 前記項[1]〜[35]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を重合させることによって得られることを特徴とする重合体。
[40] コレステリック液晶相を呈することを特徴とする前記項[39]に記載の重合体。
[41] 前記項[39]または[40]に記載の重合体を含有することを特徴とする膜。
[42] 前記項[39]または[40]に記載の重合体を含有することを特徴とするフィルム。
[43] 前記項[39]または[40]に記載の重合体を含有することを特徴とする化粧料。
[44] 前記項[39]または[40]に記載の重合体を含有することを特徴とする色材。
[45] 液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インク、化粧品、偽造防止用印刷物、装飾品、玩具および光学フィルムから選ばれる用途への、前記項[39]または[40]に記載の重合体の使用。
本発明によれば、室温付近でコレステリック相を呈し、組成を変えることで、赤〜緑〜青〜紫の広範囲にわたるコレステリック反射帯域の反射色を制御することができるとともに、直接目的物に塗布して塗膜を形成し固定化することが可能である重合性液晶組成物が得られる。したがって、重合物であるコレステリック重合体をフレーク状に粉砕したり、コレステリック液晶をマイクロカプセル化し、それらを溶剤等と再度混合し、塗布するといった多段階の操作を必要としない。
以下、本発明に係る重合性液晶組成物、該組成物からなる重合体およびその用途について、詳細に説明する。なお、以下においては、式(1)で表される重合性液晶化合物を「化合物(1)」と称することがあり、他の式で表される化合物についても同様に簡略化して称することがある。「液晶性」の意味は、液晶相を有することだけに限定されない。それ自体は液晶相を有さなくても、他の液晶化合物と混同したときに、液晶組成物の成分として使用できる特性も、「液晶性」の意味に含まれる。
〔重合性液晶組成物〕
本発明に係る重合性液晶組成物としては、
第一の態様として、化合物(1)および化合物(2)からなる群より選ばれる少なくとも2種の単官能液晶性アクリレート化合物を必須成分として含有する組成物(以下「組成物(I)」ともいう。);
第二の態様として、化合物(5)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(6)から選ばれる少なくとも1種とを含有する組成物(以下「組成物(II)」ともいう。);
第三の態様として、化合物(9)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(8)から選ばれる少なくとも1種と、多官能(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルオリゴマーからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する組成物(以下「組成物(III)」ともいう。);
第四の態様として、化合物(5)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(10)から選ばれる少なくとも1種とを含有する組成物(以下「組成物(IV)」ともいう。);
第五の態様として、化合物(4)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(10)から選ばれる少なくとも1種とを含有する組成物(以下「組成物(V)」ともいう。)
が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は、室温付近(10〜40℃程度)で広いコレステリック液晶相域を有し、各構成成分の組成比や組成物を硬化する際の温度を変えることで、コレステリック相が反射する光の波長領域を制御することができ、所望の色や目的に応じた波長の光を反射する重合体の形成が可能である。
<組成物(I)>
本発明の組成物(I)は、化合物(1)および化合物(2)からなる群より選ばれる少なくとも2種の単官能液晶性アクリレート化合物を必須成分として含有する。ただし、上記式(1)におけるmが10である化合物と、上記式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物との2種のみからなる組み合わせは除く。したがって、上記式(1)におけるmが10である化合物と、上記式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物と、さらに化合物(1)および(2)から選ばれる少なくとも1種の他の化合物(例えば、上記式(1)におけるmが5である化合物)とからなる組み合わせは、本発明の組成物(I)に属する。
本発明の組成物(I)は、上記化合物(1)および(2)の他に、化合物(3)、化合物(4)および化合物(10)からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有してもよい。また、本発明の組成物(I)は、上記化合物(1)〜(4)以外の重合性化合物(以下「他の重合性化合物」ともいう。)、非重合性成分および有機溶媒などを含有してもよい。
本発明の組成物(I)の好ましい態様としては、たとえば、
式(1)におけるmが5である化合物と、式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(1)におけるmが10である化合物と、式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(2)におけるnが4であり、かつ、Rが水素である化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(1)におけるmが10である化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物と、式(4)におけるqが2であり、かつ、Rが水素である化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(1)におけるmが10である化合物と、式(4)におけるqが2であり、かつ、Rがメチルである化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(2)におけるnが3である化合物と、式(10)におけるtが2である化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(2)におけるnが3である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物との組み合わせ;
式(1)におけるmが5である化合物と、式(2)におけるnが3である化合物と、式(10)におけるtが4である化合物との組み合わせ
などが挙げられる。
化合物(1)および(2)の重合前の特性としては、両者ともに光学活性を有する化合物であり、大きなHTP(ヘリカルツイストパワー)ならびに他の重合性液晶化合物、組成物および溶媒に対する良好な相溶性を有し、目的に応じた螺旋ピッチを発現することができる。化合物(1)は、室温付近でコレステリック液晶相を呈し、単独では、緑から青(紫)が主体の反射色を示す。化合物(2)は、単独では室温付近で結晶化しやすい。
本発明の組成物(I)では、必須成分として化合物(1)および(2)から選ばれる2種以上を混合し、その構成成分の組み合わせや組成比あるいは硬化時の温度を変えることで、室温付近での比較的広い温度領域でコレステリク相を呈する組成物が得られる。
本発明の組成物(I)における化合物(1)および(2)から選ばれる各成分の含有量は、必須成分の合計100重量%に対して、通常、それぞれ2重量%以上、好ましくは5重量%以上である。
また、本発明の組成物(I)が化合物(1)および化合物(2)を各々1種以上含む場合、必須成分の合計100重量%に対して、化合物(1)の含有量は、好ましくは40〜98重量%、より好ましくは50〜95重量%であり、化合物(2)の含有量は、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
化合物(1)および(2)は、たとえば、下記合成スキームに従って合成することができる。
Figure 0005510483
上記合成スキームにおいて、ヒドロキシ基を有するカルボン酸誘導体[a]は、GB2070596B2の実施例に記載されているラクトン類の加水分解の方法、あるいはGB2085881Aに記載されているハロゲン化脂肪族カルボン酸誘導体の加水分解により合成することができる。また、−OCOCH=CH2を有するカルボン酸誘導体[b]は、Tetrahedron 60(51), 11765-11770, (2004) に記載されている方法に従って合成することができる。最終物であるコレステロールエステルの誘導体[d]の生成法は、Journal of Fluorine Chemistry 109(2), 205-208, (2001) に開示されている。
上記合成スキームを例示して説明する。γ−ブチロラクトンやε−カプロラクトンなどのラクトン類、あるいは11−ブロモウンデカン酸などのハロゲン化脂肪酸をアルカリ水溶液で加水分解することにより化合物[a]を得る。得られた化合物[a]をアクリル化して化合物[b]を得た後、化合物[b]とコレステロール[c]とをエステル化反応させることにより、化合物(1)等に相当する化合物[d]を合成することができる。
化合物(3)、(4)および(10)は、化合物(1)および(2)と同様に光学活性な化合物であり、大きなHTP(ヘリカルツイストパワー)を有する。
本発明の組成物(I)が、化合物(3)、(4)および(10)から選ばれる少なくとも1種を含有することにより、室温での組成物の結晶化を防ぐこと、特定の温度での反射色を調整すること、あるいは、より広い温度領域で赤、オレンジ、緑、青(紫)の反射色を呈するコレステリック相を発現することができる。特に化合物(10)は、室温での組成物の結晶化を防ぐという点で、その効果が高い。
本発明の組成物(I)において、上記化合物(3)、(4)および(10)から選ばれる成分の含有量は、上記化合物(1)〜(4)および(10)の合計100重量%に対して、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
化合物(3)は、化合物(1)、(2)と同様の方法で合成することができる。また、化合物(4)は、下記合成スキームに従って合成することができる。
Figure 0005510483
上記合成スキームに示すように、2−(クロロカルボニルオキシ)アルキルアクリレート[e]とコレステロール[f]とを反応させることにより、カルボナート誘導体[g]を合成することができる。
化合物(10)は、下記合成スキームに従って合成することができる。
Figure 0005510483
上記合成スキームに示すように、2−(クロロカルボニルオキシ)アルキルエーテルアクリレート[h]とコレステロール[i]とを反応させることにより、カルボナート誘導体[j]を合成することができる。
<組成物(II)>
本発明の組成物(II)は、化合物(5)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(6)から選ばれる少なくとも1種とを含有する。本発明の組成物(II)は、上記化合物(5)および(6)の他に、化合物(10)からなる群より選ばれる少なくとも1種、あるいは化合物(7)および化合物(8)からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有してもよい。また、本発明の組成物(II)は、上記化合物(5)〜(8)および(10)以外の重合性化合物(他の重合性化合物)、非重合性成分および有機溶媒などを含有してもよい。
本発明の組成物(II)の好ましい態様としては、たとえば、
式(5)におけるrが5である化合物と、式(6)におけるqが2である化合物と、式(10)におけるtが2である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5である化合物と、式(6)におけるqが4である化合物と、式(10)におけるtが2である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5である化合物と、式(6)におけるqが2である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5である化合物と、式(6)におけるqが4である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5であり、かつ、Rが水素である化合物と、式(6)におけるqが2である化合物との組み合わせ
などが挙げられる。
化合物(5)および(7)の性質および合成方法は、上記化合物(1)〜(3)で示したとおりであり、また、化合物(6)および(8)の性質および合成方法は、上記化合物(4)で示したとおりである。
本発明の組成物(II)では、必須成分として化合物(5)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(6)から選ばれる少なくとも1種とを混合し、その構成成分の組み合わせや組成比あるいは硬化時の温度を変えることで、室温付近での比較的広い温度領域でコレステリク相を呈する組成物が得られる。
本発明の組成物(II)において、必須成分の合計100重量%に対して、化合物(5)の含有量は、通常、2〜98重量%、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは60〜95重量%であり、化合物(6)の含有量は、通常、2〜98重量%、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
本発明の組成物(II)が、化合物(10)からなる群より選ばれる少なくとも1種、あるいは化合物(7)および(8)から選ばれる少なくとも1種を含有することにより、室温での組成物の結晶化を防ぐこと、特定の温度での反射色を調整すること、あるいは、より広い温度領域で赤、オレンジ、緑、青(紫)の反射色を呈するコレステリック相を発現することができる。特に化合物(10)は、室温での組成物の結晶化を防ぐという点で、その効果が高い。
本発明の組成物(II)において、上記化合物(10)から選ばれる成分の含有量は、上記化合物(5)、(6)および(10)の合計100重量%に対して、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。また、上記化合物(7)および(8)から選ばれる成分の含有量は、上記化合物(5)〜(8)の合計100重量%に対して、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
<組成物(III)>
本発明の組成物(III)は、化合物(9)から選ばれる少なくとも1種(以下「第一成分」ともいう。)と、化合物(8)から選ばれる少なくとも1種(以下「第二成分」ともいう。)と、多官能(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルオリゴマーからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下「第三成分」ともいう。)とを含有する。
本発明の組成物(III)は、上記第一成分、第二成分および第三成分以外の重合性化合物(他の重合性化合物)、非重合性成分および有機溶媒などを含有してもよい。化合物(9)の性質および合成方法は、上記化合物(1)〜(3)で示したとおりである。
本発明の組成物(III)では、必須成分として、第一成分と第二成分と第三成分とを混合し、その構成成分の組み合わせや組成比あるいは硬化時の温度を変えることで、室温付近での比較的広い温度領域でコレステリック相を呈する組成物が得られる。
本発明の組成物(III)において、必須成分の合計100重量%に対して、第一成分の含有量は、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは60〜98重量%であり、第二成分の含有量は、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%であり、第三成分の含有量は、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜15重量%である。
<組成物(IV)>
本発明の組成物(IV)は、化合物(5)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(10)から選ばれる少なくとも1種とを含有する。本発明の組成物(IV)は、上記化合物(5)および(10)の他に、化合物(4)からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有してもよい。また、本発明の組成物(IV)は、上記化合物(4)、(5)および(10)以外の重合性化合物(他の重合性化合物)、非重合性成分および有機溶媒などを含有してもよい。
本発明の組成物(IV)の好ましい態様としては、たとえば、
式(5)におけるrが3である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5である化合物と、式(10)におけるtが2である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5である化合物と、式(10)におけるtが4である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが3である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物と、式(4)におけるqが4である化合物との組み合わせ;
式(5)におけるrが5である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物と、式(4)におけるqが2である化合物との組み合わせ
などが挙げられる。
本発明の組成物(IV)では、必須成分として化合物(5)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(10)から選ばれる少なくとも1種とを混合し、その構成成分の組み合わせや組成比あるいは硬化時の温度を変えることで、室温付近での比較的広い温度領域でコレステリク相を呈する組成物が得られる。
本発明の組成物(IV)において、必須成分の合計100重量%に対して、化合物(5)の含有量は、通常、2〜98重量%、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは60〜95重量%であり、化合物(10)の含有量は、通常、2〜98重量%、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
本発明の組成物(IV)が、化合物(4)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することにより、特定の温度での反射色を調整すること、あるいは、より広い温度領域で赤、オレンジ、緑、青(紫)の反射色を呈するコレステリック相を発現することができる。
本発明の組成物(IV)において、上記化合物(4)から選ばれる成分の含有量は、上記化合物(4)、(5)および(10)の合計100重量%に対して、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
<組成物(V)>
本発明の組成物(V)は、化合物(4)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(10)から選ばれる少なくとも1種とを含有する。本発明の組成物(V)は、上記化合物(4)および(10)以外の重合性化合物(他の重合性化合物)、非重合性成分および有機溶媒などを含有してもよい。
本発明の組成物(V)の好ましい態様としては、たとえば、
式(4)におけるqが2である化合物と、式(10)におけるtが2である化合物との組み合わせ;
式(4)におけるqが2である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物との組み合わせ;
式(4)におけるqが4である化合物と、式(10)におけるtが2である化合物との組み合わせ;
式(4)におけるqが4である化合物と、式(10)におけるtが3である化合物との組み合わせ
などが挙げられる。
本発明の組成物(V)では、必須成分として化合物(4)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(10)から選ばれる少なくとも1種とを混合し、その構成成分の組み合わせや組成比あるいは硬化時の温度を変えることで、室温付近での比較的広い温度領域でコレステリク相を呈する組成物が得られる。特に、化合物(10)は室温での結晶化を防ぐという点で、その効果が高い。
本発明の組成物(V)において、必須成分の合計100重量%に対して、化合物(4)の含有量は、通常、5〜70重量%、好ましくは20〜60重量%であり、化合物(10)の含有量は、通常、30〜95重量%、好ましくは40〜80重量%である。
<他の重合性化合物>
本発明の重合性液晶組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の重合性化合物を含有してもよい。他の重合性化合物は、液晶性であっても非液晶性であってもよい。
液晶性を有する他の重合性化合物としては、公知の重合性液晶化合物を使用することができ、たとえば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005510483
上記液晶性を有する他の重合性化合物は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の組成物における上記液晶性を有する他の重合性化合物の含有量は、必須成分の合計100重量%に対して、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは2〜15重量%である。液晶性を有する他の重合性化合物の含有量が前記範囲内であることにより、コレステリック相の出現温度を室温以上にも調整することができる。
上記非液晶性の他の重合性化合物としては、バインダとして塗料に用いられる系を使用することができる。このようなバインダとしては、モノマー剤、ポリマーバインダおよびそれらの混合物などがある。
上記モノマー剤は、重合可能な基(以下「架橋可能な基」ともいう。)を有する化合物である。架橋可能な基としては、例えば、アクリル、メタクリル、αハロゲン化アクリル、ビニル、ビニルエーテル、オキシラン、オキセタン、シアネートおよびイソシアネート基などが挙げられる。これらの中では、アクリル、メタクリル、ビニルエーテル基が好ましい。また、上記モノマー剤は、1個の架橋可能な基を有する化合物であっても、複数の架橋可能な基を有する化合物であってもよい。
1個の架橋可能な基を有するモノマー剤としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル、スチレン、アクリルニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、β―ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、アジニディニルメタクリレートなどが挙げられる。
2個の架橋可能な基を有するモノマー剤としては、たとえば、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラプロピレングリコールのアクリレート、ジビニルエーテルもしくはジメタクリレートなどが挙げられる。
3個の架橋可能な基を有するモノマー剤としては、たとえば、トリメチロールプロパン、1〜20のエチレンオキシド構成単位を有するエトキシル化トリメチロールプロパン、1〜20のプロピレンオキシド構成単位を有するプロポキシル化トリメチロールプロパンおよびエチレンオキシド構成単位とプロピレンオキシド構成単位との合計が1〜20であるエトキシ化・プロポキシ化トリメチロールプロパンのトリアクリレート、トリビニルエーテルもしくはトリメタクリレート;グリセリンエポキシトリアクリレートなど、1〜20のエチレンオキシド構成単位を有するエトキシル化グリセリン、1〜20のプロピレンオキシド構成単位を有するプロポキシル化グリセリンのトリアクリレート、トリビニルエーテルもしくはトリアクリレートなどが挙げられる。
4個の架橋可能な基を有するモノマー剤としては、たとえば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1〜20のエチレンオキシド構成単位を有するエトキシル化ビス−テトラメチロールプロパン、1〜20のプロピレンオキシド構成単位を有するプロポキシル化ビス−トリメチロールプロパンおよびエチレンオキシド構成単位とプロピレンオキシド構成単位との合計が1〜20であるエトキシ化・プロポキシ化ビストリメチロールプロパンのトリアクリレート、トリビニルエーテルもしくはトリメタクリレートなどが挙げられる。
5個の架橋可能な基を有するモノマー剤としては、たとえば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、1〜20のエチレンオキシド構成単位を有するエトキシル化ジぺンタエリスリトールペンタア クリレート、1〜20のプロピレンオキシド構成単位を有するプロポキシル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびエチレンオキシド構成単位とプロピレンオキシド構成単位との合計が1〜20であるエトキシ化・プロポキシ化ジペンタエリスリトールのペンタアクリレート、ペンタビニルエーテルもしくはペンタトリメタクリレートなどが挙げられる。
上記ポリマーバインダとしては、(メタ)アクリルオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシオリゴマーなどが挙げられる。
上記非液晶性の他の重合性化合物としては、単官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび(メタ)アクリルオリゴマーがより好ましい。なお、本発明の組成物(III)における第三成分としては、上記多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび(メタ)アクリルオリゴマーを用いることができ、この場合、これらは他の重合性化合物には属さない。
上記非液晶性の他の重合性化合物は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の組成物において、非液晶性の他の重合性化合物の含有量は、重合性液晶化合物の構造やそれらの組成比などによって変わるが、必須成分の合計100重量%に対して、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。非液晶性のその他の重合性化合物の含有量が前記範囲であることにより、組成物の液晶相が相分離せずに保たれる。
<非重合性成分>
本発明の重合性液晶組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、非重合性成分を配合してもよい。非重合性成分は、液晶性であっても非液晶性であってもよく、たとえば、非重合性の液晶化合物、体質顔料、着色剤、分散剤、重合開始剤、増感剤、重合防止剤、酸素阻害剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、接着助剤、密着促進剤、保存安定剤、消泡剤、凝集防止剤などが挙げられる。
非重合性の液晶化合物としては、たとえば、液晶性化合物のデータベースであるリクリスト(LiqCryst, LCI Publisher GmbH, Hamburg, Germany)等に記載されている。非重合性の液晶化合物は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塗料などに一般的に添加される体質顔料としては、たとえば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化チタン、マイカ、セリサイト、タルクなどが挙げられる。これらの体質顔料は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤としては、一般的に樹脂に添加される有機顔料が挙げられ、より具体的には、溶性アゾ、不溶性アゾ、ポリアゾ、フタロシアニン、アンスラキノン、チオインジゴ、ペリレン、ペリノン、ジオキサジン、キナクリドン、イソインドリノン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、アンスラキノン、ペリノン、キノフタロン、アゾ、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中では、溶性アゾ、不溶性アゾ、ポリアゾ、フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、キナクリドン、カーボンブラックが好ましい。
分散剤としては、慣用されている低分子または高分子の分散剤を用いることができる。例えば、低分子の分散剤としてはステアリン酸など挙げられ、高分子の分散剤としては、スルホネート基、ホスフェート基、ホスホネート基またはカルボキシル基を含有するポリウレタン、カルボキシ基含有ビニルクロリドポリマー、ポリイミンポリエステルおよびポリエーテルアクリレートなどが挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物を光ラジカル重合する際に、慣用の光重合開始剤を含有してもよい。これらの開始剤の最大吸収波長は、紫外、近紫外または可視光域であり、室温での組成物への照射によって、あるいは照射と同時に加熱を行うことによって重合体を製造してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製品の2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(イルガキュア651)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(イルガキュア184)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(ダロキュア1173)、イルガキュア500、イルガキュア1000、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガキュア295)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オン(イルガキュア907)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(イルガキュア369)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(イルガキュア379)、イルガキュア1800、イルガキュア1850、ダロキュア4265、ダロキュア1116、イルガキュア784、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819)、イルガキュア784、1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)] (イルガキュアOXE01)、エタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム) (イルガキュアOXE02)、2-ヒロドキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン(イルガキュア127)、イルガキュア754などが挙げられる。
光重合開始剤としては、その他にも、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アゾイソブチルニトリル、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサンソン、メチルフェニルグリオキシレート、3,3’,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物、2,2−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、アセトフエノンジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
上記重合開始剤は、ラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲の量で用いられることが好ましい。
本発明の組成物は、上記重合開始剤とともに増感剤を含有してもよい。増感剤としては、例えば、3−位および/または7−位に置換基を有するクマリン類、フラボン類、ジベンザルアセトン類、ジベンザルシクロヘキサン類、カルコン類、キサンテン類、チオキサンテン類、ポルヒリン類、アクリジン類などが挙げられる。
本発明の組成物は、対象基材への塗布性を向上させるために、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの界面活性剤を含有してもよい。具体的には、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;
エフトップEF301、エフトップEF303、エフトップEF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、メガファックF172、メガファックF173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、フロラードFC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、サーフロンSC−101、サーフロンSC−102、サーフロンSC−103、サーフロンSC−104、サーフロンSC−105、サーフロンSC−106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤;
オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.57、ポリフローNo.95(共栄社化学(株)製)などが挙げられる。これらの界面活性剤は、重合体に対して5重量部以下となる量で用いられる。
本発明の重合性液晶組成物は、塗布対象となる基材への密着性を向上させるために、密着促進剤を含有してもよい。密着促進剤としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3−t−ブチルー5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類などが挙げられる。
凝集防止剤としては、たとえば、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
<有機溶媒>
本発明の組成物は、組成物を希釈するため、あるいは塗布性を向上させるために、有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒としては、直鎖もしくは分岐鎖のエステル、特に酢酸エステル、環状エーテル、環状エステル、アルコール、ラクトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ケトン、アミド、N−アルキルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。上記有機溶媒は、1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
〔重合体〕
本発明に係る重合体は、上述した本発明の重合性液晶組成物を重合することにより得られ、組成物のコレステリック液晶相が固定化され、所望の色や目的に応じた波長の光を反射する。組成物の重合反応は、加熱による熱重合でもよく、光照射による光重合でもよく、両者を組み合わせた方法で行ってもよい。
光重合に用いられる好ましい光の種類は、紫外線、可視光線、赤外線などであり、電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が用いられる。波長の範囲は150〜500nm、好ましくは250〜450nm、特に好ましくは300〜400nmである。光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが挙げられ、超高圧水銀ランプが好ましい。
光源からの光はそのまま組成物に照射してもよく、フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。照射エネルギー密度は2〜5000mJ/cm2、好ましくは10〜3000mJ/cm2、特に好ましくは100〜2000mJ/cm2の範囲である。照度は0.1〜5000mW/cm2、好ましくは1〜2000mW/cm2の範囲である。
本発明の重合体は、本発明の重合性液晶組成物を対象となる基材の表面に直接塗布した後、重合することにより得ることができる。そのため、コレステリック重合体をフレーク状に粉砕したり、コレステリック液晶をマイクロカプセル化し、それらを溶媒等と再度混合して対象物に塗布するといった多段階の操作を行う必要がない。重合体の形状は、特に限定されず、膜状(フィルム状)であっても、板状などであってもよく、また、重合体は成形されてもよい。
また、本発明の組成物は、構成成分の組み合わせや組成比あるいは組成物の硬化温度を変更することにより、コレステリック相が反射する光の波長領域を赤〜緑〜青〜紫の広範囲に制御することができる。したがって、硬化時の温度条件を厳密に制御することなく、所望の色や目的に応じた波長の光を反射する重合体を得ることができる。
〔用途〕
本発明の重合性液晶組成物の用途としては、たとえば、化粧料、印刷用インク、UV硬化型印刷用インクなどが挙げれる。
本発明の重合体の用途としては、フィルム、化粧料、色材一般、たとえば、液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インクなどが挙げられる。また、化粧品(例えば、口紅、リップクリーム、リップグロス、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、頬紅、液状ファンデーション,ネイルカラー)、偽造防止用印刷物、装飾品、玩具、あるいは、液晶表示素子やホログラフィー素子などの光学素子における偏光板、補償板、カラーフィルターなどの光学フィルムに使用することもできる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<合成例1>
下記式で表される化合物(式(1)におけるmが5である化合物)の合成を以下のようにして行った。
Figure 0005510483
(第1段階)
水867gに水酸化ナトリウム173gを溶解させた後、原料のε−カプロラクトン150gを滴下し室温で5時間撹拌した。6Nの塩酸で中和した後、酢酸エチルで抽出後、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。テトラヒドロフラン(THF)とヘプタンの混合溶媒から再結晶し、1−ヒドロキシへキサン酸106.47gを得た。1H−NMR(CDCl3;δ ppm):3.68(t,2H),2.38(t,2H),1.57−1.72(m,4H),1.39−1.47(m,2H)。
(第2段階)
1−ヒドロキシへキサン酸1067g、N,N−ジメチルアニリン109g、BHT0.9gおよびジオキサン1,000mLの混合物に、アクリル酸クロリド80gを室温で滴下し、続いて60℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、酢酸エチルを加えて撹拌した。分液した後、酢酸エチル層を1N塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、6−アクリロイルオキシヘキサン酸の濃縮物(148.56g)を得た。1H−NMR(CDCl3;δ ppm):6.38(dd,1H),6.14(dd,1H),5.83(dd,1H),4.16(t,2H),2.38(t,2H),1.64−1.73(m,4H),1.40−1.47(m,2H)。
(第3段階)
6−アクリロイルオキシヘキサン酸70g、コレステロール121g、4−ジメチルアミノピリジン19gおよびジクロロメタン1500mLの混合物に、氷冷下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド19gのジクロロメタン80mL溶液を滴下した。室温で18時間撹拌した後、不溶物をろ過し取り除いた。ろ液に水を加え、1N塩酸、2N水酸化ナトリウム水溶液、および水の順で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をセライトでろ過し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=9/1)で分取した後、ジエチルエーテルとエタノールの混合溶媒から再結晶し、6−アクリロイルオキシヘキサン酸コレステロールエステル100.35gを得た。融点:45.3−45.8℃。1H−NMR(CDCl3;δ ppm):6.41(dd,2H),6.12(dd,2H),5.37(d,1H),4.59−4.63(m,1H),4.15(t,2H),2.29(t,2H),0.6−1.96(m,47H)。
なお、以下の実施例で用いた化合物の内、上記式(1)〜(3)、(5)、(7)および(9)で表される化合物は、上記と同様の方法で合成した。
〔実施例A1〕
合成例1で得られた化合物(式(1)におけるmが5である化合物)91重量%と、上記式(2)におけるnが3であり、かつ、Rが水素である化合物9重量%とからなる組成物を調製した。この組成物は、22℃で緑色の選択反射を呈した。この組成物1gと重合開始剤としてイルガキュアー651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.01gとを混合し、これをトルエンに溶解させた後、硝子基板上に塗布した。塗布後、120℃に設定したオーブン中で3分間熱処理して溶媒を除去し、塗膜を形成した。次いで、この塗膜に、高圧水銀灯(70mW/cm2)によって紫外線を30秒間照射した。照射後、この組成物は重合しており、重合前の組成物を硝子基板に塗布した時と同じ緑色の選択反射を示した。結果を表1に示す。
〔実施例A2〜A8〕
表1に示す組成を有する組成物を調製したこと以外は実施例A1と同様にして重合体を製造し、反射色を調べた。結果を表1に示す。
Figure 0005510483
〔実施例B1〜B4〕
表2に示す組成を有する組成物を調製したこと以外は実施例A1と同様にして重合体を製造し、反射色を調べた。結果を表2に示す。
〔実施例C1〕
表2に示す組成を有する組成物を調製したこと以外は実施例A1と同様にして重合体を製造し、反射色を調べた。結果を表2に示す。
Figure 0005510483
〔実施例D1〜D5〕
表3に示す組成物を調製したこと以外は実施例A1と同様にして重合体を製造し、反射色を調べた。結果を表3に示す。
Figure 0005510483
〔参考例E1、実施E2〕
表4に示す組成物を調製したこと以外は実施例A1と同様にして重合体を製造し、反射色を調べた。結果を表4に示す。なお、第三成分としてトリメチロールプロパントリアクリラートを用いた。
Figure 0005510483
〔実施例F1〜F13〕
表5に示す組成物を調製したこと以外は実施例A1と同様にして重合体を製造し、反射色を調べた。結果を表5に示す。
Figure 0005510483
〔比較例1〜11〕
比較例として、特開昭59−109505号公報に記載されている実施例の結果を表6に示す。
Figure 0005510483
表6に示すように、比較例1〜7では、本件化合物と同様な単官能アクリレートからなる組成物のコレステリック反射帯域の反射色の温度依存性が示されている。特に比較例1については、−15℃〜68℃の広い温度範囲で、赤〜紫の反射色を呈するコレステリック相が維持されていることがわかる。
しかしながら、室温付近で示す反射色の色は限られている。すなわち、この比較例1の組成物を用いた固有の反射色を持つフィルムも作成されているが、10℃、18℃、23℃、32℃といった間隔で組成物の温度を変え、反射色の制御を行っている。このように、特開昭59−109505号公報には、本件発明で示したような一定温度の室温で、赤、緑、青のような特定の反射色を呈する重合体を得るという記述はない。
また、他の比較例2,3,4,6については、比較的低温度、室温以下の温度で赤やオレンジを呈している。比較例5および7では、コレステリック相域の温度幅が10〜15℃の範囲である。これらはともに、室温で安定した赤〜青(紫)の反射色を呈しているとはいえない。本件発明の特徴は、ある一定の室温で、組成物の組成を変えることで、赤〜青(紫)の広範囲で反射色を有する重合性液晶組成物とその重合体を提供することである。
また、比較例10については、成分比1:1の組成物は室温付近で反射色を呈さない。実施例9のように組成比を変えたものは常温で固有の反射色を示す。しかしながら、この2成分系のみでは、室温付近で赤〜青(紫)という広い範囲の反射色を有する組成物を得ることはできない。

Claims (18)

  1. 下記式(5)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(6)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
    Figure 0005510483
    (式中、rはであり、Rは水素またはメチルである。)
    Figure 0005510483
    (式中、qは2または4である。)
  2. 前記式(5)におけるRが水素である化合物と、前記式(6)におけるqが2である化合物とを含有することを特徴とする請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  3. 下記式(5)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(10)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
    Figure 0005510483
    (式中、rはであり、Rは水素またはメチルである。)
    Figure 0005510483
    (式中、tは2または3であり、Rは水素またはメチルである。)
  4. 記式(10)におけるtが3であることを特徴とする請求項に記載の重合性液晶組成物。
  5. 下記式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする請求項に記載の重合性液晶組成物。
    Figure 0005510483
    (式中、qは2または4であり、Rは水素またはメチルである。)
  6. 記式(10)におけるtが3であ、前記式(4)におけるqが2であることを特徴とする請求項に記載の重合性液晶組成物。
  7. 下記式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記式(10)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
    Figure 0005510483
    (式中、qは2または4であり、Rは水素またはメチルである。)
    Figure 0005510483
    (式中、tは2または3であり、Rは水素またはメチルである。)
  8. 前記式(4)におけるqが4である化合物と、前記式(10)におけるtが3である化合物とを含有することを特徴とする請求項に記載の重合性液晶組成物。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の重合性液晶組成物を含むことを特徴とする化粧料。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の重合性液晶組成物を含むことを特徴とする印刷用インク。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の重合性液晶組成物を含むことを特徴とするUV硬化型印刷用インク。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の重合性液晶組成物を重合させることによって得られることを特徴とする重合体。
  13. コレステリック液晶相を呈することを特徴とする請求項12に記載の重合体。
  14. 請求項12または13に記載の重合体を含有することを特徴とする膜。
  15. 請求項12または13に記載の重合体を含有することを特徴とするフィルム。
  16. 請求項12または13に記載の重合体を含有することを特徴とする化粧料。
  17. 請求項12または13に記載の重合体を含有することを特徴とする色材。
  18. 液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インク、化粧品、偽造防止用印刷物、装飾品、玩具および光学フィルムから選ばれる用途への、請求項12または13に記載の重合体の使用。
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