JP7354891B2 - 光硬化型インク - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性に優れ、硬化後の硬化物から光重合開始剤が溶出することのない光硬化型インクに関する。
紫外線や電子線等の活性エネルギー線により硬化する活性光線硬化型組成物は、プラスチック、紙、ガラス、木工及び無機材料等に使用される塗料、コーティング剤、接着剤、印刷インク、インク受容層、印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途において実用化されている。これらの中でも、光硬化型インクは、速乾性に優れる点、及びインク吸収性の乏しい材料への記録が可能な点で注目されている。
光硬化型インクを硬化するための光源としては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等が使用されるが、省エネルギー化や設備小型化等の観点からLEDランプを使用するケースが増えている。
しかしながらLEDランプは、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等と異なり、光源から放射される光の波長(例えば、中心波長領域が350~410nmの波長域)が単一波長であることから硬化しにくい場合があり、LEDランプを使用した場合でも硬化性に優れた光硬化型インクが求められている。
このような問題を解決する光硬化型インクとして、特許文献1や特許文献2には、光重合開始剤としてチオキサントン化合物と、α―ヒドロキシアセトフェノン化合物、α-アミノアルキルフェノン化合物及びアシルホスフィンオキサイド化合物等の光重合開始剤を組合わせた光硬化型インクが提案されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の光硬化型インクでは、チオキサントン化合物として2-イソプロピルチオキサントン(ITX)や2,4-ジエチルチオキサントン(DETX)が硬化物中に低分子化合物として残存するため、硬化物中から外部に溶出することがある。よって、これらの光硬化型インクを食品包装材料向けのインキとして使用した場合は、食品に印刷物の臭気が付着する問題や、外観不良を引き起こすという問題があった。
また、光硬化型インクは、インクジェット方式等により被印刷体に吐出されるため、その特性上、インクの粘度に大きな制限があり、粘度を低くするために一般的に単官能モノマーが反応性希釈剤として使用されている(例えば特許文献3を参照)。
しかしながら、単官能モノマーの配合割合が多いと硬化性が悪く、硬化後の表面にベタつきが生じたり、硬化物の架橋密度が小さくなるため、硬化物の強度が低下するという問題があった。
特開2012-236885号公報 特開2011-80054号公報 特開2018-177904号公報
本発明は、前記従来の課題を鑑みてなされたものであって、硬化性に優れ、硬化後の硬化物から光重合開始剤が溶出することのない光硬化型インクを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、(a)光重合開始剤、及び(b)ラジカル重合性化合物を含む光硬化型インクであり、前記(a)光重合開始剤が、下記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドであることを特徴とする光硬化型インクである。

(一般式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立してメチル基又はエチル基を表し、Rは炭素数1~6のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは独立した置換基であって、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又は塩素原子を表し、nは0~2の整数を表す。)
本発明によれば、硬化性に優れ、硬化後の硬化物から光重合開始剤が溶出することのない光硬化型インクを提供することができる。
[光硬化型インク]
本発明の光硬化型インクは、(a)光重合開始剤、及び(b)ラジカル重合性化合物を含む光硬化型インクであり、前記(a)光重合開始剤が、下記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドであることを特徴とするものである。

(一般式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立してメチル基又はエチル基を表し、Rは炭素数1~6のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは独立した置換基であって、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又は塩素原子を表し、nは0~2の整数を表す。)
本発明の光硬化型インクは、前記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドを光重合開始剤として含むため、LED光源等のランプから放射される波長領域(例えば、中心波長領域が350~410nm)の光を効率よく吸収し、分子内の過酸化結合の開裂によりラジカル(酸素ラジカル)を発生する。酸素ラジカルは、α―ヒドロキシアセトフェノン誘導体等から生じる炭素ラジカルやアシルホスフィンオキサイド誘導体等から生じるリンラジカルと比較して水素引抜能が高いため、結合解離エネルギーの大きな炭素-水素結合からも水素原子を引き抜くことができる。よって、ラジカル重合性化合物の重合に加え、水素引抜反応によってポリマー主鎖中に炭素ラジカルを生成させて、その炭素ラジカル同士が再結合することによって、架橋構造を形成するため、単官能モノマーの配合割合が多い場合であっても硬化性に優れる。
また、分子間水素引き抜き型の開始剤であるITXやDETX等に対し、チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドは、分子内開裂型の光重合開始剤であることから、光重合開始剤は塗膜中のポリマーと共有結合を形成し塗膜中に保持されるため、光硬化型インクを硬化した後も硬化物から光重合開始剤が溶出しにくい。
以下、本発明について詳細に説明する。
<(a)光重合開始剤>
本発明に用いる(a)光重合開始剤は、下記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドである。

(一般式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立してメチル基又はエチル基を表し、Rは炭素数1~6のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは独立した置換基であって、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又は塩素原子を表し、nは0~2の整数を表す。)
前記一般式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立してメチル基又はエチル基を表す。本発明においては、前記チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドの分解温度を高くし、光硬化型インクの保存安定性を向上させる観点から、R、R、R及びRは、いずれもメチル基であることが好ましい。
前記一般式(1)中、Rは、炭素数が1~6のアルキル基、又はフェニル基である。前記アルキル基は、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、フェニル基が挙げられる。これらの中でも、前記チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドの合成容易性の観点から、Rは炭素数1~4のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、及びプロピル基から選ばれる1種であることがより好ましい。前記チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドの分解温度を高くし、光硬化型インクの保存安定性を向上させる観点、更にランプの光に対する感度を向上させる観点から、Rはメチル基、エチル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
すなわち、前記一般式(1)におけるR、R、R、R及びRは、いずれもメチル基であることが好ましい。
前記一般式(1)中、チオキサントン骨格に対するジアルキルペルオキシドの置換位置は、特に限定されないが、ランプの光に対する感度が高い点から、チオキサントン骨格の2位、3位、又は4位に置換されていることが好ましく、合成が容易である観点から、チオキサントン骨格の2位又は3位に置換されていることがより好ましい。
前記一般式(1)中、Rは独立した置換基であって、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又は塩素原子を表す。これらの置換基は、使用するランプの発光波長に対して、これら置換基にかかるプッシュ・プル効果より、前記チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドの光の吸収特性を調整することができ、ランプの光を効率よく吸収することができる。
前記一般式(1)中、nは0~2の整数を表すが、中でも、前記チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドを容易に合成する観点から、nは0~1の整数が好ましく、0がより好ましい。
前記一般式(1)中、nが1~2の整数の場合、前記Rの置換位置は、特に限定されないが、ランプの光に対する感度を向上させる観点から、チオキサントン骨格の6位又は7位に置換されていることが好ましく、前記チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドを容易に合成する観点から、チオキサントン骨格の7位に置換されていることがより好ましい。
前記Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基等のアルコキシ基;塩素原子等が挙げられる。これらの中でも、ランプの光に対する感度を向上させる観点から、Rはメトキシ基、エトキシ基であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドとしては、例えば下記式で表される化合物1~9が挙げられ、中でも、化合物1、化合物2、化合物3、化合物7、化合物8が好ましく、化合物1~3がより好ましい。
なお、本発明に用いるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドは、下記化合物1~9で表される化合物に限定されるものではない。




光硬化型インク中の(a)光重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましく、0.5~15質量部であることがより好ましく、1~12質量部であることが更に好ましい。(b)ラジカル重合性化合物100質量部に対する(a)光重合開始剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化反応が進行しやすくなるため好ましい。また、(a)光重合開始剤の含有量が20質量部以下であると、(b)ラジカル重合性化合物との溶解性が向上するため、光硬化型インクの印刷時に(a)重合開始剤の結晶が析出しにくくなり、印刷物表面が平滑になる。また、(a)光重合開始剤の分解残渣が少なくなるため、印刷物の塗膜の強度が向上する。
〔(a)光重合開始剤の製造方法〕
前記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドの製造方法としては、例えば、下記反応式のように、イソアルキル基置換チオキサントン誘導体とヒドロペルオキシドとを、金属錯体の存在下で反応させる工程(以下、工程(A)とも称す)を含む方法が挙げられる。なお、反応後には、余剰の原料等を減圧留去(除去)する工程や、精製工程を含んでも良い。

(上記反応式において、R、R、R、R、R、R及びnは前記一般式(1)と同じである。)
前記工程(A)において、前記イソアルキル基置換チオキサントン誘導体は、市販品を利用できる。なお、市販品がない場合、例えば、J.Chem.Soc.99,645(1911)に記載のように、2,2’-ジチオ二安息香酸を芳香族化合物と硫酸中で反応させることにより合成することができる。
前記工程(A)において、イソアルキル基置換チオキサントン誘導体1.0モルに対して反応させるヒドロペルオキシドの量は、目的物の収率性を向上させる観点から、0.8モル以上であることが好ましく、1.0モル以上であることがより好ましく、そして、10.0モル以下であることが好ましく、6.0モル以下であることがより好ましい。なお、ヒドロペルオキシドは、市販品を利用でき、市販品がない場合、特開昭58-72557号公報等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。
前記工程(A)において、金属錯体は、第4及び第5周期の遷移金属の中から選ばれる金属の金属錯体を用いることができる。金属錯体の金属としては、例えば、銅、コバルト、マンガン、鉄、クロム、亜鉛等であり、配位子としては、例えば、臭素、塩素等のハロゲン、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、ナフテン酸、オクテン酸、グルコン酸等の有機酸、シアン、アセチルアセトナート等が挙げられる。
ヒドロペルオキシド1.0モルに対して使用する金属錯体の量は、目的物の収率性を向上させる観点から、0.0001モル以上であることが好ましく、0.001モル以上であることがより好ましく、そして、1.0モル以下であることが好ましく、0.1モル以下であることがより好ましい。
前記工程(A)において、反応温度は、目的物の収率性を向上させる観点から、0℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、そして、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。反応時間は、原料や反応温度等によって異なるので一概には決定できないが、通常、目的物の収率を向上させる観点から、1時間~80時間が好ましい。
前記工程(A)において、有機溶媒を使用することが好ましく、有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等を使用することができる。前記有機溶媒は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量は、通常、原料の合計量100質量部に対して50~1,000質量部程度である。反応終了後は、有機溶媒は工程(A)の後に留去することで、チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドを取り出してもよく、取り扱い性の向上や熱分解時の危険性を低減させるため、チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシド誘導体を有機溶媒の希釈品として使用してもよい。
前記工程(A)は、常圧、加圧、減圧下の何れの条件下でも実施できるが、窒素等の不活性ガス雰囲気で実施することが好ましい。
前記精製工程としては、余剰の原料や副生物を除去するために、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化水素、硫酸、塩化ナトリウム等の電解質水溶液や、イオン交換水を用いて洗浄し、目的物を精製する工程が挙げられる。
<他の重合開始剤>
本発明の光硬化型インクは、前記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシド以外の重合開始剤(以下、他の重合開始剤とも称す)を含有することができる。吸収帯の異なる2種類以上の重合開始剤を使用することで、例えば、高圧水銀ランプ等の複数の波長の光が放射されるランプに対し、光硬化型インクの高感度化を図ることができる。特に、含有する顔料の種類や、光硬化型インクにより形成する膜厚によって、光硬化型インクの表面硬化性や深部硬化性等が変化するため、他の重合開始剤を用いることにより、表面硬化性や深部硬化性を改善することが可能になる。
前記他の重合開始剤としては、公知のものが使用でき、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオフェノン、4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒロドキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)-2-メチルプロパン-1-オン等のα―ヒドロキシアセトフェノン誘導体;2-メチル-4’-メチルチオ-2-モルホリノプロピオフェノン、2-ベンジル-2-(N,N-ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン等のα―アミノアセトフェノン誘導体;ジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、エチル(メシチルカルボニル)フェニルホスフィナート等のアシルホスフィンオキサイド誘導体;1-[4-(フェニルチオ)フェニル]オクタン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)、1-[({1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エチリデン}アミノ)オキシ]エタノン、等のオキシムエステル誘導体;2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)1,3,5-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のハロメチルトリアジン誘導体;2,2-ジメトキシ-2-フエニルアセトフエノン等のベンジルケタール誘導体;4-(4-メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;3-ベンゾイルー7-ジエチルアミノクマリン、3,3‘-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)等のクマリン誘導体;2-(2-クロロフェニル)-1-[2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニル-1,3-ジアゾール-2-イル]-4,5-ジフェニルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;3,3‘、4,4’-テトラキス(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;カンファーキノン等が挙げられる。これらの中でも、α―ヒドロキシアセトフェノン誘導体、α―アミノアセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、及びベンゾフェノン誘導体から選ばれる1種以上が好ましい。他の重合開始剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
なお、光硬化型インクが前記他の重合開始剤を含む場合、他の重合開始剤の含有量に特に制限はないが、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
<(b)ラジカル重合性化合物>
本発明の(b)ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を好ましく用いることができる。(b)ラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、イタコン酸エステル類、桂皮酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルケトン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、N-置換マレイミド類、N-ビニル化合物類、不飽和ニトリル類、オレフィン類等が挙げられる。これらの中でも、反応性が高い(メタ)アクリル酸エステル類を含むことが好ましい。(b)ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類は、単官能化合物及び多官能化合物を使用することができる。単官能化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ-ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ-ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ-ト、2―エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と脂環族アルコールとのエステル化合物;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有するモノマー;メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等の鎖状又は環状のエーテル結合を有するモノマー等;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等の窒素原子を有するモノマー;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー;リン酸2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル等のリン原子を有するモノマー;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のケイ素原子を有するモノマー;2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有するモノマー;(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、マレイン酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有するモノマー等が挙げられる。
ラジカル重合性化合物全量中の単官能化合物の含有量に特に制限はないが、10~99質量%であることが好ましく、20~98質量%であることがより好ましく、30~95質量%であることが更に好ましい。
前記多官能化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、9,9-ビス(4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)フェニル)フルオレン等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物;ビス(4-(メタ)アクリロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-(メタ)アクリロイルチオフェニル)スルフィド、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸ジルコニウム、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
本発明のラジカル重合性化合物は、一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いてもよい。
ラジカル重合性化合物全量中の多官能化合物の含有量は、1~90質量%であることが好ましく、2~80質量%であることがより好ましく、5~70質量%であることが更に好ましい。
ラジカル重合性化合物全量中の多官能化合物の含有量が1質量%以上であると、塗膜強度や耐溶剤性が向上するため好ましく、また、多官能化合物の含有量が90質量%より少ないと光硬化型インクの粘度が高くなりすぎず、印刷時の吐出性が良好になり、また、ノズルの目詰まりを抑制することができる。
本発明の光硬化型インク中の前記ラジカル重合性化合物の合計含有量は、40~99質量%であることが好ましく、50~98質量%であることがより好ましく、60~97質量%であることが更に好ましい。
<顔料>
本発明の光硬化型インクは更に顔料を含有してもよい。本発明に用いる顔料としては、従来光硬化型インクに使用されている顔料、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料又は有彩色の有機顔料が挙げられる。これらはただ一種のみ用いても、又は色相及び濃度の調整等を目的とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合した系でもかまわない。顔料等の着色剤の配合割合は、当該着色剤の種類、及び光硬化型インクの色味に応じて任意に設定できる。
光硬化型インク中の顔料の含有量は、0.5~20質量%であることが好ましく、0.8~10質量%であることがより好ましい。ラジカル重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、表面硬化性及び深部硬化性と着色の両立を図ることができる。
<分散剤>
光硬化型インクは、顔料の分散安定性を向上させることを目的として、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、例えば高分子系分散剤、界面活性剤等の種々の分散剤が、いずれも使用可能である。
光硬化型インク中の分散剤の含有量に特に制限はないが、0.01~10質量%であることが好ましく、0.1~5質量%であることがより好ましい。
<溶剤>
光硬化型インクは、粘度や塗装性、硬化膜の平滑性を向上させるために、更に溶媒を含有してもよい。前記溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒、カルビトール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、ラクトン系溶媒、不飽和炭化水素系溶媒、セロソルブアセテート系溶媒、カルビトールアセテート系溶媒やプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。溶媒は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
光硬化型インク中の溶剤の含有量に特に制限はないが、0.1~50質量%であることが好ましく、5~30質量%であることがより好ましい。
<その他の添加剤>
その他の添加剤としては、例えば、増感剤(9,10-ジブトキシアントラセン、アクリジン、カンファーキノン等)、重合禁止剤(p-メトキシフェノール、ヒドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、フェノチアジン等)、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、表面調整剤、界面活性剤、消泡剤等が挙げられる。その他の添加剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
<光硬化型インクの調製方法>
光硬化型インクを調製する方法としては、例えば、収納容器内に前記(a)光重合開始剤、前記(b)ラジカル重合性化合物、必要に応じて、前記その他の成分を投入し、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドグラインドミル、ボールミル、アトライターミル、2本ロールミル、3本ロールミル等を用いて、常法に従って溶解又は分散させればよい。また、必要に応じて、メッシュ又はメンブレンフィルター等を通してろ過してもよい。
なお、光硬化型インクの調製において、前記(a)光重合開始剤は、光硬化型インクに最初から添加しておいてもよいが、光硬化型インクを比較的長時間保存する場合には、使用直前に(a)光重合開始剤を(b)ラジカル重合性化合物を含む組成物中に溶解又は分散させてもよい。
<硬化物の製造方法>
本発明の光硬化型インクを用いた硬化物の製造方法としては、例えば、本発明の光硬化型インクを被印刷体に塗布後、当該光硬化型インクに対して活性エネルギー線を照射する工程、及び当該光硬化型インクを加熱する工程のいずれかの工程を含む方法が挙げられる。また、前記活性エネルギー線を照射する工程と前記加熱する工程との両方を含む工程、すなわち、デュアルキュア工程により硬化物を製造してもよい。
被印刷体に光硬化型インクを付着させる方法としては、例えば、スピンコート法、バーコート法、スプレーコート法、ディップコート法、フローコート法、スリットコート法、ドクターブレードコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法等の種々の方法が挙げられる。これらの中でも、高解像度の高精細画像の記録が可能な点から、インクジェット方式が好ましい。すなわち、本発明の光硬化型インクはインクジェット用インクとして用いることが好ましい。
被印刷体は、例えば、紙、ガラス、シリコンウエハ、金属、プラスチック等のフィルムやシート、及び立体形状の成形品等が挙げられ、基板の形状が制限されることは無い。
上記の光硬化型インクに対して活性エネルギー線を照射する工程においては、電子線、紫外線、可視光線、放射線等の活性エネルギー線の照射により、(a)重合開始剤を分解させて、(b)ラジカル重合性化合物を重合させることができ、これにより硬化物を得ることができる。
活性エネルギー線は、その波長が250~450nmの光であることが好ましく、硬化を迅速に行う観点から、350~410nmの光であることがより好ましい。
前記光の照射の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線無電極ランプ、LEDランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、太陽光、YAGレーザー等の固体レーザー、半導体レーザー、アルゴンレーザー等のガスレーザー等を使用することができる。なかでも、省エネルギー、小型、低発熱である点からLEDランプが好ましい。
前記活性エネルギー線の露光量は、活性エネルギー線の波長や強度、光硬化型インクの組成に応じて適宜設定することができる。一例として、UV-A領域での露光量は、10~5,000mJ/cmであることが好ましく、30~3,000mJ/cmであることがより好ましい。また、前記光硬化性インクに顔料等の遮光成分を含有する場合は、UV-A領域での露光量は、100~50,000mJ/cmであることが好ましく、500~20,000mJ/cmであることがより好ましい。
上記の光硬化型インクを加熱する工程は、熱により(a)光重合開始剤を分解させて、(b)ラジカル重合性化合物を重合させることで、硬化物を得ることができるものである。
前記光硬化型インクを加熱する工程において、加熱する手法は、例えば、加熱、通風加熱等が挙げられる。加熱の方式としては、特に制限されることはないが、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線照射、電磁波照射等が挙げられる。また、通風加熱の方式としては、例えば、送風式乾燥オーブン等が挙げられる。
前記光硬化型インクを加熱する工程において、加熱温度は高いほど、(a)光重合開始剤の分解速度は加速される。しかし、分解速度が速すぎると、(b)ラジカル重合性化合物の分解残渣が多くなる傾向を有する。一方、加熱温度は低いほど、(a)光重合開始剤の分解速度は遅いため、硬化に長時間を必要とする。よって、加熱温度と加熱時間は、前記光硬化型インクの組成により適宜設定すべきである。一例として、加熱温度は、50~230℃であることが好ましく、100~200℃であることがより好ましい。また、前記光硬化型インクに、前記硬化促進剤を配合する場合には、その種類や配合量により、加熱温度は室温から160℃の間で任意に調整することができる。一方、加熱時間は1~180分であることが好ましく、5~120分であることが更に好ましい。
前記硬化物の製造方法として、前記デュアルキュア工程を適用する場合、光硬化型インクに対して活性エネルギー線を照射する工程の後に、加熱する工程を行うことが好ましい。この順序で行う場合、光硬化型インクが着色顔料を高濃度に含んでいても深部まで光が届くため効率よく硬化を行うことできる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)チオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドの合成
[合成例1:化合物1の合成]
200mL四つ口フラスコに、ベンゼン30mL、2-イソプロピルチオキサントン6.10g(24.0mmol)、塩化銅(I)0.0238g(0.24mmol)を入れ、室温下で撹拌した。69質量%tert-ブチルヒドロペルオキシド水溶液15.7g(120mmol)を徐々に加えた。窒素気流下で65℃に加温し、60時間反応させた。反応液を冷却し、酢酸エチル20mLを添加した後に、水相を分液した。油相を5質量%塩酸、5質量%水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、油相を減圧下で濃縮し、粗体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、2.55g(収率31%)の化合物1を得た。得られた化合物1のEI-MS及びH-NMRによる分析結果を表1に示す。
<光硬化型インクの調製>
表2に示す配合にしたがって、ラジカル重合性化合物、顔料、分散剤を混合撹拌した後、光重合開始剤を添加して更によく撹拌し、実施例1~8及び比較例1~3の光硬化型インクを調製した。得られた光硬化型インクについて下記方法にしたがって評価した。
[評価]
<硬化性評価>
上記で調製した光硬化型インクを、インクジェット吐出装置により易接着処理が施されたPETフィルム(コスモシャインA4300、東洋紡(株)製)上に印刷した。次いで、波長385nmのLEDランプ(UniJet E110III、ウシオ電機(株)製)を用い、照度5.5W/cm,ラインスピード6m/minで光照射を行った。印刷物の表面を触診し、光硬化型インクが手につかなくなるまでの照射回数を硬化性として評価した。その結果を表2に示す。
<溶出性評価>
上記で調製した光硬化型インクを、インクジェット吐出装置により易接着処理が施されたPETフィルム(コスモシャインA4300、東洋紡(株)製)上に印刷した。次いで、高圧水銀ランプ(アイグラフィック製)を用い、露光量2,000mJ/cmで光照射を行った。
光照射後の硬化物40cmを5mm程度の大きさに細かく裁断し、2.5gのアセトン溶剤中に40℃、24時間浸漬させて硬化膜中に残存する光重合開始剤を抽出した。
光重合開始剤の抽出量は、液体クロマトグラフィーによる内部標準法で定量した。光重合開始剤の添加量に対し、光重合開始剤の抽出量が5質量%以下の場合を「〇」、溶出量が5質量%より多い場合を「×」とした。その結果を表2に示す。
表2に記載の化合物は以下のとおりである。
MAPO:ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(IGM製)
ITX:2-イソプロピルチオキサントン
ECA:エチルカルビトールアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)
VEEA:アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル((株)日本触媒製)
MA100:カーボンブラック(三菱ケミカル(株)製)
Re:Kyaset Red G(日本化薬(株)製)
Ye:Kayaset Yellow 3170(日本化薬(株)製)
Bl:Kayaset Blue A2R(日本化薬(株)製)
BYK-9076:高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩(ビックケミー・ジャパン製)
表2の結果より明らかなように、本発明の光硬化型インクは、高い硬化性を示し、更に硬化後の硬化膜から光重合開始剤が溶出しないことが分かる。

Claims (7)

  1. (a)光重合開始剤、及び(b)ラジカル重合性化合物を含む光硬化型インクであり、前記(a)光重合開始剤が、下記一般式(1)で表されるチオキサントン骨格を有するジアルキルペルオキシドであることを特徴とする光硬化型インク。

    (一般式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立してメチル基又はエチル基を表し、Rは炭素数1~6のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rは独立した置換基であって、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又は塩素原子を表し、nは0~2の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)におけるR、R、R、R4及びRがいずれもメチル基である、請求項1に記載の光硬化型インク。
  3. 前記一般式(1)におけるnが0である、請求項1又は2に記載の光硬化型インク。
  4. 前記ラジカル重合性化合物全量中、単官能化合物の含有量が10~99質量%である請求項1~3のいずれかに記載の光硬化型インク。
  5. 更に、顔料を含む請求項1~4のいずれかに記載の光硬化型インク。
  6. 更に、α―ヒドロキシアセトフェノン誘導体、α―アミノアセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、及びベンゾフェノン誘導体から選ばれる1種以上を含む請求項1~5のいずれかに記載の光硬化型インク。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の光硬化型インクを用いたインクジェット用インク。
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