JP5508156B2 - 非円形コイルの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

非円形コイルの製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、線材を円形に巻回してなる円形コイルを成形して円形と異なる別の形状を成す非円形コイルを得る非円形コイルの製造装置及びその製造方法に関するものである。
従来、携帯電話機のような小型装置に用いられるスピーカにあっては、長円形又は長方形の形状を成す小型のものが好んで用いられている。このような長円形又は長方形の形状のスピーカには、円環断面を有する円形コイルではなく、長方形又は長円形又は楕円形等の断面を有する非円形コイルが用いられる。このような非円形コイルの製造方法として、断面が長方形又は長円形又は楕円形等の所望の形状を有する巻芯にコイル用の線材を巻付け、その巻芯に巻付けられた線材からなるコイルをその巻芯から取り外すことにより、所望の断面形状を有する非円形コイルを得ることが知られている。
しかし、長方形又は長円形又は楕円形等の断面を有する巻芯にノズルの先端から繰り出される線材を巻付けると、その線材は巻芯の外周における接線上に存在することになり、巻芯の断面が円形でないのでその線材はそれを繰り出すノズルの先端と巻芯との間で揺動することになる。このため、その線材の揺動が激しくなるようなことを防止する必要から、高速でその線材を巻芯に巻付けることができずに、その巻線時間を短縮することが困難であった。
この点を解消するために、断面円形の巻芯に線材を巻付けて円環断面を有する円形コイルを得、その後その円形コイルを円環断面と異なる別の断面を有する非円形コイルに変形させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、断面円形の巻芯に線材を巻付けることは、断面が非円形の巻芯に線材を巻付ける場合に比較して、ノズルの先端から繰り出された線材がそのノズルの先端と巻芯との間で揺動するようなことはないので、比較的高速で線材をその巻芯に巻付けることができる。そして、そのように得られた円形コイルをその後変形させて非円形コイルを得ることになるけれども、その変形の最中に次の円形コイルのための巻線を行うことにより、そのコイルの製造時間を著しく短縮することが期待されている。
特表2008−511150号公報
しかし、断面円形の巻芯に線材を巻付けて円形コイルを得る工程と、そのように得られた円形コイルをその後変形させて非円形コイルを得る工程とを別に行うと、得られた非円形コイルにおける引出し線の引出し位置が定まらず、その引出し位置にばらつきが生じるという未だ解決すべき課題が残存していた。
即ち、巻線機を用いて断面円形の巻芯に線材を巻付けると、その線材からなる円形コイルから引出される引出し線を巻芯に対して常に一定の場所から引出すことができる。次にこの円形コイルを変形させることになるけれども、その円形コイルは断面が円形であるので円周方向の位置を定めるのが困難であり、引出し線が円形コイルの周囲の何れの位置にあってもその円形コイルを変形させることが可能になる。このため、円形コイルにおける引出し線の位置を定めることなくその円形コイルを変形させると、得られた非円形コイル、具体的には長方形又は長円形又は楕円形等の断面を有するコイルの引出し線はその周囲の何れかの位置から引出され、複数の非円形コイルを製造した場合に、それら複数の非円形コイルにおける引出し線が全てにおいて同じ場所から引出されるようなことはない。
特に、近年では、このような非円形コイルを用いた製品の組み立て工程は、専門の作業員を配置することなく機械を用いた自動化において行われる傾向にあり、引出し線の引出し位置がばらついた非円形コイルでは、そのような自動化されたラインにおいてその後の組み立てが困難になる問題点があった。
この点を解消するためには、円形コイルを変形させる際に、引出し線の位置を正確に位置決めした後にその円形コイルを変形させることが求められるけれども、この引出し線の位置決めを作業員の目視に頼ったのではその引出し位置を一定に保つことに限界があり、また、専門の作業員を配置する必要から得られた非円形コイルの単価を押し上げる不具合があった。
本発明の目的は、引出し線が所定位置から引出された非円形コイルを常に得ることができる非円形コイルの製造装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、線材を円形に巻回して所定の位置から引出し線が引出された円形コイルを得る巻線機と、円形コイルの内側に進入させた少なくとも一対の拡開部材の間隔を拡げて円形コイルを非円形コイルに成形する成形機と、円形コイルを巻線機から成形機に搬送する搬送手段とを備えた非円形コイルの製造装置である。
その特徴ある構成は、搬送手段は引出し線を所定の位置に維持しつつ円形コイルを外周囲から把持する少なくとも一対の把持片を備え、把持片は拡開部材の間隔が拡げられるとき円形コイルを構成する線材を拡開部材とともに挟持可能に構成されたところにある。
円形コイルの外周面に接触する接触面に一端が開口するエア孔が一対の把持片のいずれか一方又は双方に形成され、エア孔の一端から吸引するエアにより把持片に円形コイルを吸着させるエア吸引器がエア孔の他端に接続されることが好ましく、非円形コイルを構成する線材の絶縁皮膜を溶融固着する熱風機を設けることが更に好ましい。そして、拡開部材の移動方向に交差しかつ非円形コイルの外側から接触部材を非円形コイルに接触させる接触機構が設けられ、巻線機が筒状のボビンに線材を巻回可能に構成することもできる。
本発明における非円形コイルの製造方法は、線材を円形に巻回して所定の位置から引出し線が引出された円形コイルを得た後、円形コイルの内側に進入させた少なくとも一対の拡開部材の間隔を拡げて円形コイルを非円形コイルに成形する方法の改良である。
その特徴ある点は、円形コイルの引出し線を所定の位置に維持しつつ円形コイルを外周囲から少なくとも一対の把持片により把持し、円形コイルの内側に進入させた拡開部材の間隔を拡げるとき円形コイルを構成する線材を拡開部材と把持片により挟持するところにある。
この非円形コイルの製造方法では、把持片の円形コイルの外周面に接触する接触面に開口するエア孔を介してエアを吸引し、把持片に円形コイルを吸着させることが好ましく、円形コイルの内側に進入させた一対の拡開部材の間隔を拡げて円形コイルを非円形コイルに成形するときに線材に熱風を吹き付けて線材の絶縁皮膜を溶融固着することが更に好ましい。そして、一対の拡開部材の間隔を拡げて円形コイルを非円形コイルに成形するとき又はその後、拡開部材の移動方向に交差しかつ非円形コイルの外側から接触部材を非円形コイルに接触させることもでき、筒状のボビンに線材が巻回されてそのボビンの周囲に円形コイルが形成されるようにすることもできる。
本発明における非円形コイルの製造装置及びその製造方法では、円形コイルの引出し線を所定の位置に維持しつつ円形コイルを一対の把持片により把持し、成形のために円形コイルの内側に進入させた拡開部材の間隔を拡げるとき、その円形コイルを構成する線材を拡開部材と把持片により挟持するので、その成形時においてその把持片に対して線材が移動することはない。ここで、線材を円形に巻回する巻線機では、所定の位置から引出し線が引出された円形コイルが得られ、一対の把持片は円形コイルの引出し線を所定の位置に維持しつつ円形コイルを把持するので、その円形コイルが成形されて非円形コイルとなった場合であっても、把持片に対して線材が移動することはなく、その把持片を基準とした非円形コイルの引出し線の位置は変化しない。よって、本発明の非円形コイルの製造装置及びその製造方法では、引出し線が所定位置から引出された非円形コイルを常に得ることができる。
そして、把持片に円形コイルを吸着させれば、把持片により円形コイルを確実に把持することができ、円形コイル又は非円形コイルを構成する線材に熱風を吹き付けて線材の絶縁皮膜を溶融固着すれば、それらの形状がその後崩れるようなことを回避することができる。そして、拡開部材の移動方向に交差しかつ非円形コイルの外側から接触部材を非円形コイルに接触させるようにすれば、線材を真っ直ぐに揃えることができ、筒状のボビンがある場合には、その線材をボビンに沿わせて円形コイル又は非円形コイルを構成する線材がそのボビンから剥離するような事態を回避することができる。
本発明実施形態における非円形コイルの製造装置を示す上面図である。 その製造装置の正面図である。 図1のC−C線拡大断面図である。 その巻線機により円形コイルが巻回された状態を示す拡大斜視図である。 図1のA−A線拡大断面図である。 図1のB−B線拡大断面図である。 その成形装置の拡開部材近傍の拡大図である。 その把持片により把持された円形コイルの内側に拡開部材が進入した状態を示す下面図である。 その拡開部材の間隔を拡げて円形コイルが非円形コイルに成形された状態を示す図8に対応する下面図である。 その搬送手段の構造を示す拡大図である。 図10のD−D線断面図である。 その把持片により円形コイルを把持した状態を示す図11に対応する断面図である。 その接触機構の上面図である。 その接触機構の側面図である。 拡開部材が拡げられた状態を示す正面図である。 非円形コイルに接触部材が接触した状態を示す下面図である。 非円形コイルに接触部材が接触した状態を示す側面図である。 拡開部材が拡げられると同時に非円形コイルに接触部材が接触した状態を示す図16に対応する下面図である。 円形コイルとそれが成形されて得られた非円形コイルを示す斜視図である。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に、本発明における非円形コイルの製造装置10を示す。各図において、互いに直交するX、Y及びZの3軸を設定し、X軸が略水平前後方向、Y軸が略水平横方向、Z軸が鉛直方向に延びるものとし、この製造装置10の構成について説明する。この非円形コイルの製造装置10は、円形コイル11を得る巻線機20と、その円形コイル11を非円形コイル12(図19)に成形する成形機30と、円形コイル11を巻線機20から成形機30に搬送する搬送手段60とを備える。
図3に示すように、巻線機20は、線材13を円形に巻回して所定の位置から引出し線13a,13bが引出された円形コイル11を得るものであって、基台10aに設けられた巻線用モータ21と、巻線用モータ21によりZ軸を回転中心として回転する回転柱22と、その回転柱22の上端に水平に設けられた円盤23と、その円盤23の中心に回転柱22と同軸に立設されて、その回転柱22とともに回転する巻軸24とを備える。図4に示すように、この実施の形態における円形コイル11は紙製ボビン14に線材13を巻回することにより作られ、巻軸24はこの紙製ボビン14が嵌入可能な断面円形に形成された上部における小径部24aと、その小径部24aの下部に同軸に連続する大径部24bとを有し、この巻線機20はこの巻軸24により筒状の紙製ボビン14に線材13を巻回可能に構成される。
図3に戻って、この巻線機20は、その線材13を先端から繰り出すノズル26を有し、このノズル26を移動させる移動機構27(図1)が設けられる。図1に示すように、この実施の形態における移動機構27は、3軸方向の駆動部27a,27b,27cを組み合わせてなり、前後方向駆動部27aと、左右方向駆動部27bと、上下方向駆動部27cとを具備する。これらの駆動部27a,27b,27cは、駆動方向X,Y,Zに沿って略同一の駆動機構とされる。左右方向駆動部27bは基台10aにY軸方向に沿って固定され、Z軸方向に延びる上下方向駆動部27cが左右方向駆動部27bに対して左右方向移動可能に配される。上下方向駆動部27cにはX軸方向に伸びる前後方向駆動部27aが上下方向駆動部27cに対して上下方向移動可能に配される。そして、前後方向駆動部27aにノズル26が前後方向駆動部27aに対して前後方向に移動可能に設けられる。これらの駆動部27a,27b,27cの組み合わせによりこのノズル移動機構27は、そのノズル26を3軸方向の任意の方向に移動可能に構成される。
図3に示すように、巻線用モータ21は回転柱22とともに巻軸24を回転させることにより、その小径部24aに嵌入された紙製ボビン14(図4)にノズル26の先端から繰り出される線材13を巻回可能に構成され、ノズル移動機構27はその巻回時にノズル26をZ軸方向に往復移動させて線材13をボビンに整列巻きさせるように構成される。図4に示すように、巻軸24の大径部24bの上縁には紙製ボビン14に巻回された線材13の巻始めと巻き終わりが進入する凹溝24cが小径部24aの接線方向に伸びて形成される。図3に戻って、この凹溝24cの延長上に位置する円盤23の周囲には一方の引出し線13aとなるその巻き初めの線材13を把持する把持具28と、他方の引出し線13bとなる巻き終わりの線材13を把持する把持具29が設けられる。この凹溝24c及び把持具28,29により、この巻線機20は筒状の紙製ボビン14に線材13を円形に巻回して、所定の位置から引出し線13a,13bが引出された円形コイル11を得るように構成される。
図5及び図6に示すように、成形機30は、円形コイル11の内側に進入させた少なくとも一対の拡開部材31,31の間隔を拡げて円形コイル11を非円形コイル12に成形するものであり、この実施の形態では、一対の拡開部材31,31が設けられた成形機30を示す。成形機30は巻線機20のX軸方向に所定の間隔を空けて設けられ、基台10aに立設された取付板32と、その取付板32のY軸方向における前面にZ軸方向に沿って立設された上下方向ガイド33と、その上下方向ガイド33に平行に配され表面に雄ねじが配される上下方向回転軸34(図5)と、その上下方向回転軸34に螺合され上下方向ガイド33に沿って移動可能な上下方向移動板35と、その上下方向回転軸34を回転駆動する上下用モータ36とが配される。そして、上下方向移動板35は、上下方向回転軸34に配された雄ねじの範囲によって、Z軸駆動方向の移動範囲が設定される。
図7に示すように、上下方向移動板35には、その下部にX軸方向に移動可能な一対の前後移動部材41,41が互いに対向するように設けられる。一対の前後移動部材41,41の両側には、その一対の前後移動部材41,41を挟むようにストッパ板42がそれぞれ設けられ、ストッパ板42と前後移動部材41との間にはその一対の前後移動部材41,41を互いに近づけるように付勢する拡開用スプリング43が介装される。また、一対の前後移動部材41,41の間には下方に向かった先細りの上下可動部材44が設けられる。また、上下方向移動板35の上部にはその上下可動部材44を上下動させる昇降用モータ45が回転軸45aを下方に突出させて取付けられ、その回転軸45aの下端には雌ねじ部材46が取付けられる。上下可動部材44にはその雌ねじ部材46に螺合する雄ねじ44aがZ軸方向に伸びて回転不能に取付けられ、昇降用モータ45が駆動して雌ねじ部材46が回転すると雄ねじ44aが上下動してその上下可動部材44を昇降させるように構成される。
その上下可動部材44をX軸方向の両側から挟む一対の前後移動部材41,41は、その上下可動部材44が下方に向かって先細りであるので、その上下可動部材44が実線矢印で示すように下降するとその一対の前後移動部材41,41は拡開用スプリング43の付勢力に抗して互いの間隔を拡げ、その上下可動部材44が破線矢印で示すように上昇するとその一対の前後移動部材41,41は拡開用スプリング43の付勢力により互いの間隔を縮めるように構成される。そして、この一対の前後移動部材41,41に一対の拡開部材31,31が取付けられ、上下可動部材44が下降するとその一対の前後移動部材41,41とともに一対の拡開部材31,31も互いの間隔を拡げ、その上下可動部材44が上昇するとその一対の前後移動部材41,41とともに一対の拡開部材31,31も互いの間隔が縮まるように構成される。
図8に示すように、この実施の形態における一対の拡開部材31,31はそれぞれ半円状の断面を有し、円弧状部分を互いに外側に向けるように前後移動部材41に取付けられる。この一対の拡開部材31,31は、互いの間隔が縮まった状態でその双方が円形コイル11の内側に進入可能な大きさに構成され、一対の拡開部材31,31の間隔を拡げると、円形コイル11を内側からX軸方向に押し拡げ、図9に示すように、半円状をなす円弧部12aと、その円弧部12aの端部をそれぞれ連結する直線部12bとからなる長円状断面を有する非円形コイル12にその円形コイル11を成形するように構成される。
図1、図2、図6及び図10に示すように、搬送手段60は巻線機20で得られた円形コイル11をその巻線機20から成形機30に搬送するものであって、基台10aに平行に支柱61aを介してその基台10aから浮き上がらせた状態でX軸方向に伸びて設けられた搬送用レール61と、その搬送用レール61に平行に配され表面に雄ねじが配される搬送用回転軸62と、その搬送用回転軸62に螺合されその搬送用レール61に沿って移動可能な搬送用移動台63(図6)と、搬送用レール61の端部に設けられその搬送用回転軸62を回転駆動する搬送用モータ64とを備える。搬送用レール61は巻線機20と成形機30に対してY軸方向にずれて設けられ、巻線機20と成形機30を連結するに足りる長さに形成される。そして、搬送用移動台63は、搬送用レール61の全長に亘って設けられた搬送用回転軸62の範囲によって、巻線機20と成形機30を連結する範囲で移動可能に構成される。
図6及び図10に示すように、搬送用移動台63には支持台66が取付けられ、支持台66は水平な上フランジ66aと、その上フランジ66aの下方に上フランジ66aと平行に設けられた下フランジ66bと、その上フランジ66aの一端縁と下フランジ66bの一端縁を連結して搬送用移動台63に取付けられる連結部66cとを有する。支持台66の上フランジ66aと下フランジ66bにはZ軸方向に伸びる一対のロッド67,67がX軸方向に間隔を空けて上下動可能に設けられる。上フランジ66aと下フランジ66bの間のロッド67には操作部材68が取付けられ、その操作部材68に螺合する操作用雄ねじ69が一対のロッド67,67の間にそのロッド67と平行に設けられる。上フランジ66aには、その操作用雄ねじ69を回転させる操作用モータ71が設けられ、操作用モータ71が駆動して操作用雄ねじ69が回転すると操作部材68がロッド67とともに上下動するように構成される。
図10及び図11に示すように、一対のロッド67,67の下端には、X軸方向に移動可能な一対の前後可動部材72a,72aを有する搬送用エアシリンダ72が設けられる。一対の前後可動部材72a,72aのそれぞれにはX軸方向に移動可能なスライダ73aを有するスライダ部材73が更に設けられ、それらのスライダ73aに円形コイル11を外周囲から把持する把持片74がX軸方向に並んで設けられる。この一対の把持片74,74は、巻線機20において得られた円形コイル11における引出し線13a,13bを所定の位置に維持しつつその円形コイル11を外周囲から把持するものであって、互いに対向して円形コイル11の外周に接触する接触面74aはその円形コイル11の外径に応じた円弧状に形成される。この搬送用エアシリンダ72は、図11に示すように一対の前後可動部材72a,72aの互いの間隔を拡げると、その一対の前後可動部材72a,72aとともに一対の把持片74,74も互いの間隔を拡げ、図12に示すように一対の前後可動部材72a,72aの互いの間隔を狭めると、その一対の前後可動部材72a,72aとともに一対の把持片74,74も互いに狭め、その間に円形コイル11が存在する場合にはその円形コイル11を外周囲から把持するように構成される。
前後可動部材72aとスライダ73aとの間にはそのスライダ73aとともに一対の把持片74,74を互いに近づけるように付勢する把持用スプリング76が設けられる。この把持用スプリング76は、一対の前後可動部材72a,72aとともに一対の把持片74,74の互いの間隔を狭め、円形コイル11を外周囲から把持する一対の把持片74,74がその付勢力に抗して押し拡げられることを許容するものである。このため、図8に示すように、一対の把持片74,74が外周囲から把持する円形コイル11の内側に一対の拡開部材31,31を進入させ、図9に示すようにその一対の拡開部材31,31の間隔を拡げてその円形コイル11を内側からX軸方向に押し拡げると、把持用スプリング76(図12)の付勢力に抗して一対の把持片74,74もその円形コイル11の外周面に接触した状態で互いに押し拡げられることになる。よって、この把持片74は拡開部材31の間隔が拡げられるとき円形コイル11を構成する線材13をその拡開部材31とともに挟持するものとして構成される。
図8及び図9に示すように、一対の把持片74,74の双方には、円形コイル11の外周面に接触する円弧状の接触面74aに一端が開口するエア孔77が形成される。このエア孔77は把持片74のそれぞれにX軸方向に伸びて3本Y軸方向に並んで形成され、その3本のエア孔77の他端にはY軸方向に延びる雌ねじ穴78がその3本のエア孔77を連通させるように形成される。図11及び図12に示すように、この雌ねじ穴78にはエア継手79が螺着され、エア継手79にはこれら複数のエア孔77に連通するエアチューブの一端が接続される。このエアチューブの他端には、このエアチューブを介してそれら複数のエア孔77の一端からエアを吸引する図示しないエア吸引器が接続される。そして、図示しないエア吸引器は、それら複数のエア孔77の一端から吸引するエアにより把持片74に円形コイル11を吸着させるように構成される。
図1及び図2に戻って、巻線機20と成形機30の間の基台10aには熱風機81が設けられ、その熱風機81には熱風を吹き出す2本のエアノズル81a,81bがY軸方向に移動可能に設けられる。2本のエアノズルの一方81aは、実線矢印で示すように熱風機81から突出してその吹き出し端を巻線機20の円形コイル11に臨む第1位置と、破線矢印で示すように熱風機81に没入してその円形コイル11からY軸方向に離間した第2位置の間を移動可能に構成される。2本のエアノズルの他方81bは、実線矢印で示すように熱風機81から突出してその吹き出し端を成形機30の一対の拡開部材31,31により成形された非円形コイル12に臨む第1位置と、破線矢印で示すように熱風機81に没入してその非円形コイル12からY軸方向に離間した第2位置の間を移動可能に構成される。そして、2本のエアノズル81a,81bは通常第2位置にあるけれども、円形コイル11及び非円形コイル12を構成する線材13の絶縁皮膜が加熱により溶融し冷却して固着するようなものである場合に、その巻線時又は成形時に熱風機81は必要に応じて第2位置から第1位置にそれらのエアノズル81a,81bを移動して熱風を吹き出し、円形コイル11及び非円形コイル12の線材13の絶縁皮膜を溶融固着可能に構成される。
また、成形機30の近傍には、成形機30における拡開部材31の移動方向に交差しかつ非円形コイル12の外側から接触部材86をその非円形コイル12に接触させる接触機構85が設けられる。この接触機構85は、図5、図13及び図14に示すように、基台10aに脚部材87を介してその基台10aの上面と平行に設けられたテーブル88と、そのテーブル88に直線運動ガイドレール89を介してX軸方向に移動可能に設けられたと水平板91と、その水平板91をX軸方向に往復移動させる押圧用シリンダ92を備える。押圧用シリンダ92は、その出没軸92aが突出してX軸方向に移動した水平板91の突出端が成形機30における一対の拡開部材31,31の下方に位置し、その出没軸92aが没入してX軸方向に逆に移動した水平板91の突出端がその成形機30から離れるように構成される。
図1に示すように、巻線機20の巻軸24と搬送手段60における一対の把持片74,74と成形機30における一対の拡開部材31,31はX軸方向に伸びる直線E上に設けられる。図5、図13及び図14に戻って、接触機構85における押圧用シリンダ92の出没軸92aが突出してX軸方向に移動した水平板91の突出端には成形機30における一対の拡開部材31,31をY軸方向から挟む2台の可動台93,93がY軸方向に移動可能に設けられ、その2台の可動台93,93をそれぞれ移動させる2台のミニシリンダ94,94がその水平板91に更に設けられる。
2台の可動台93,93には非円形コイル12の外側から接触する接触部材86がY軸方向に移動可能に取付けられ、その接触部材86からX軸方向にずれて回転軸96aを互いに向かい合わせるようにマイクロメータ96が2台の可動台93,93にそれぞれ取付けられる。マイクロメータ96の回転軸96aはその先端が接触部材86に枢支され、マイクロメータ96の回転軸96aを出没させることにより、接触部材86のY軸方向における位置を正確に調整できるように構成される。そして、ミニシリンダ94はその出没軸94aを突出させることにより拡開部材31の移動方向に交差しかつ非円形コイル12の外側から接触部材86をその非円形コイル12に接触させ(図16)、その接触させる量をマイクロメータ96により調整可能に構成される。一方、ミニシリンダ94は出没軸94aを没入させることにより接触部材86を非円形コイル12から離し、その状態で押圧用シリンダ92がその出没軸92aを没入させることによりその接触部材86とともに水平板91自体が成形機30から離間するように構成される。
ここで、図5及び図6における符号97は、非円形コイル12を一対の拡開部材31から引き抜くときに使用する取り出し用爪97であって、符号98は、取付板32に設けられその取り出し用爪97を取付板32の近傍からY軸方向に突出させて一対の拡開部材31の下方に位置させる取り出し用シリンダ98である。そして、符号99は、一対の拡開部材31から引き抜かれて落下した非円形コイル12を受け止めて本装置10の外部に排出するベルトコンベア99である。
次に、本発明における非円形コイルの製造方法について説明する。
本発明の非円形コイル12の製造方法は、線材13を円形に巻回して所定の位置から引出し線13a,13bが引出された円形コイル11を得る巻線工程と、その円形コイル11を巻線機20から成形機30に搬送する搬送工程と、成形機30においてその円形コイル11の内側に進入させた少なくとも一対の拡開部材31,31の間隔を拡げて円形コイル11を非円形コイル12に成形する成形行程とを有する。以下に各工程を詳説する。
<巻線工程>
この工程では、線材13を円形に巻回して所定の位置から引出し線13a,13bが引出された円形コイル11を得る。図3及び図4に示すようにこの巻線は巻線機20により行われ、その巻軸24に紙製ボビン14を嵌入し、ノズル26から繰り出された線材13の端部を巻き初めの線材13として円盤23の周囲に設けられた一方の把持具28に把持させる。そして、その巻き初めの線材13を大径部24bの上縁に形成された凹溝24cに案内した後、巻線用モータ21を駆動してその巻軸24を回転させ、これにより紙製ボビン14にノズル26の先端から繰り出される線材13を巻回させる。そして、この巻回時にノズル移動機構27によりノズル26をZ軸方向に往復移動させて線材13をその紙製ボビン14に整列巻きする。所定の回数線材13を巻回させた後には、ノズル26から繰り出された線材13を大径部24bの上縁に形成された凹溝24cに案内した後、巻き終わりの線材13として円盤23の周囲に設けられた他方の把持具29に把持させる。このように筒状の紙製ボビン14に線材13を巻回して紙製ボビン14の周囲に円形コイル11を形成する。
ここで、線材13の絶縁皮膜が加熱により溶融し冷却して固着するようなものである場合、熱風機81により円形コイル11に熱風を吹き付け、その線材13の絶縁皮膜を溶融固着させて線材13を相互に接着するとともに、紙製ボビン14にこの円形コイル11を接着して整列巻きされた線材13からなる円形コイル11の形状がその後に崩れるようなことを防止する。そして、巻き初めの線材13を把持具28から外すとともに、巻き終わりの線材13を把持具29の近傍で切断する。このようにして、その巻き初めの線材13と巻き終わりの線材13からなる引出し線13a,13bが凹溝24cに収容されて常に一定となる所定の位置から引出し線13a,13bが引出された図4に示す円形コイル11を得る。
<搬送工程>
この工程では、円形コイル11を巻線機20から成形機30に搬送する。この円形コイル11の搬送は搬送手段60により行われ、搬送用モータ64と操作用モータ71を駆動して搬送用エアシリンダ72をX軸及びZ軸に沿って移動させ、その搬送用エアシリンダ72を巻線機20の上方に位置させる。そして、搬送用エアシリンダ72の一対の前後可動部材72a,72aの互いの間隔を拡げた後にその搬送用エアシリンダ72を下降させ、図4及び図11に示すようにその一対の可動部材72a,72aに設けられた一対の把持片74,74を円形コイル11のX軸方向の両側に位置させる。そして、一対の前後可動部材72a,72aの互いの間隔を狭めることにより一対の把持片74,74を互いに狭める。そして、紙製ボビン14を潰さないように、一対の把持片74,74の円形コイル11の外周面に接触する接触面74aがその円形コイル11の外径より僅かに小さくなる程度まで一対の把持片74,74を互いに狭め、これにより、図12に示すようにX軸方向の両側からその間に存在する円形コイル11をその外周囲から把持する。このとき、円形コイル11の引出し線13a,13bは巻軸24における凹溝24cに収容されているので(図4)、この引出し線13a,13bを常に一定である所定の位置に維持しつつ一対の把持片74,74により円形コイル11を外周囲から把持することができる。
そして、この円形コイル11の把持に際して、図示しないエア吸引器は、一対の把持片74,74の円形コイル11の外周面に接触する接触面74aに一端が開口するエア孔77を介してエアを吸引し、円形コイル11を挟持した一対の把持片74,74にその円形コイル11を吸着させる。これにより、一対の把持片74,74における互いに対向する接触面74aがその円形コイル11の外径より僅かに小さくなる程度であっても、その円形コイル11を一対の把持片74,74により確実に把持させることができる。その後、操作用モータ71を駆動して搬送用エアシリンダ72を円形コイル11とともに上昇させ、一対の把持片74,74により把持した円形コイル11を巻軸24から引き抜く。そして、搬送用モータ64と操作用モータ71の双方を駆動して搬送用エアシリンダ72を円形コイル11とともに成形機30に向けて移動させ、その円形コイル11を成形機30における一対の拡開部材31,31の下方に位置させる。
<成形行程>
この行程では、成形機30においてその円形コイル11の内側に進入させた少なくとも一対の拡開部材31,31の間隔を拡げて円形コイル11を非円形コイル12に成形する。円形コイル11は成形機30における一対の拡開部材31,31の下方に位置しているので、円形コイル11の内側への一対の拡開部材31,31の進入は、図5及び図6に示す上下用モータ36により上下方向回転軸34を回転させて上下方向移動板35を下降させることにより行われる。このとき、図7に示す昇降用モータ45により上下可動部材44を上昇させて拡開用スプリング43の付勢力により一対の前後移動部材41,41の互いの間隔を縮めておく。一対の前後移動部材41,41の互いの間隔が縮まると一対の拡開部材31,31も互いの間隔が縮まり、互いの間隔が縮まった一対の拡開部材31,31が上下方向移動板35とともに下降すると、図8に示すようにその一対の拡開部材31,31はその双方が円形コイル11の内側に進入することになる。
次に、一対の拡開部材31,31の間隔を拡げて円形コイル11を非円形コイル12に成形する。これは昇降用モータ45により上下可動部材44を下降することにより行われ、上下可動部材44が下降すると一対の前後移動部材41,41は拡開用スプリング43の付勢力に抗して互いの間隔を拡げ、その一対の前後移動部材41,41とともに一対の拡開部材31,31も互いの間隔を拡げる。図9に示すように、一対の拡開部材31,31の間隔が拡がると、円形コイル11はその一対の拡開部材31,31により内側からX軸方向に押し拡げられ、その円形コイル11は、半円状をなす円弧部12aと、その円弧部12aの端部をそれぞれ連結する直線部12bとからなる長円状断面を有する非円形コイル12に成形される(図19)。
この円形コイル11の内側に進入させた拡開部材31の間隔を拡げるとき円形コイル11を構成する線材13を拡開部材31と把持片74により挟持する。この実施の形態における搬送手段60は、図11及び図12に示すように、前後可動部材72aとスライダ73aとの間にそのスライダ73aとともに一対の把持片74,74を互いに近づけるように付勢する把持用スプリング76が設けられる。このため、図9に示すように、円形コイル11の内側に進入した一対の拡開部材31,31が、その間隔を拡げてその円形コイル11を内側からX軸方向に押し拡げると、把持用スプリング76の付勢力に抗して一対の把持片74,74もその円形コイル11の外周面に接触した状態で互いに押し拡げられることになる。よって、この把持片74は拡開部材31の間隔を拡げるだけで、円形コイル11を構成する線材13を拡開部材31と挟持するものとなる。
ここで、この成形機30まで円形コイル11を搬送した一対の把持片74,74は、円形コイル11の引出し線13a,13bを常に所定の位置に維持しつつ円形コイル11を外周囲から把持しており、成形時にも円形コイル11を構成する線材13を拡開部材31とともに挟持するので、その把持片74に対して線材13が移動することはなく、この成形工程においてその把持片74を基準とした円形コイル11における引出し線13a,13bの位置が変化することはない。してみると、図9,図15及び図19に示すように、その円形コイル11が成形されて長円形の非円形コイル12となった場合であっても、その把持片74を基準とした引出し線13a,13bの位置は変化しない。このため、本発明の非円形コイル12の製造装置及びその製造方法では、引出し線13a,13bが所定位置から引出された非円形コイル12を常に得ることができることになる。
一対の拡開部材31,31の間隔を拡げて円形コイル11を非円形コイル12に成形するとき又はその後、拡開部材31の移動方向に交差しかつ非円形コイル12の外側から接触部材86を非円形コイル12に接触させる。この接触部材86の接触は図13及び図14に示す接触機構85により行われ、この実施の形態では、非円形コイル12に成形した後に接触部材86を接触させる場合を説明する。このため、一対の拡開部材31,31の間隔を拡げて円形コイル11を非円形コイル12に成形した後、搬送手段60における搬送用エアシリンダ72の一対の前後可動部材72a,72aの互いの間隔を一対の把持片74,74とともに拡げ、図11に示すように、その一対の把持片74,74における非円形コイル12の把持を解消する。このとき、エア吸引器を停止し、把持片74への非円形コイル12の吸着を解消させる。そして、円形コイル11を非円形コイル12に成形した一対の拡開部材31,31の間隔を維持しつつ上下用モータ36により上下方向回転軸34を回転させて上下方向移動板35をその非円形コイル12とともに上昇させる。そして、非円形コイル12の把持を解消した一対の把持片74,74は巻線機20に向かって移動し、その巻線機20により作られる次の円形コイル11を把持する準備に入る。
一対の拡開部材31,31とともに非円形コイル12を上昇させた後には、接触機構85における押圧用シリンダ92の出没軸92aを突出させて水平板91を移動させ、その移動した水平板91の突出端を一対の拡開部材31,31の下方に位置させる。すると水平板91の突出端に設けられた2台の可動台93,93が成形機30における一対の拡開部材31,31をY軸方向から挟む。そして、ミニシリンダ94の出没軸92aを突出させることにより、図16に示すように、拡開部材31の移動方向に交差しかつ非円形コイル12の外側から接触部材86をその非円形コイル12に接触させる。ここで、その接触させる量はマイクロメータ96(図13及び図14)により予め調整しておく。
ここで、線材13の絶縁皮膜が加熱により溶融し冷却して固着するようなものである場合、熱風機81により円形コイル11を非円形コイル12に成形する際及びその非円形コイル12に接触部材86を接触させる際に、その非円形コイル12に熱風を吹き付け、その線材13の絶縁皮膜を再度溶融固着させて非円形コイル12を構成する線材13を再び相互に接着するとともに、紙製ボビン14にこの非円形コイル12を接着する。このように、接触部材86を非円形コイル12に接触させることにより、その非円形コイル12における直線部12bの線材13を真っ直ぐに揃えることができ、その真っ直ぐに揃えられた線材13同士を互いに接着して非円形コイル12における直線部12bが湾曲するような事態を防止することができる。このため、接触部材86は、非円形コイル12における直線部12bを内側に湾曲させるようなことはない。
そして、この接触部材86を接触させる量はマイクロメータ96により調整できるので、その接触させる量を調整することにより所望の形状を有する直線部12bを得ることができる。また、この非円形コイル12が紙製ボビン14に巻回された線材13から成る場合には、その真っ直ぐに揃えられた線材13からなる非円形コイル12をその紙製ボビン14に接着することができるので、成形により生じる紙製ボビン14と非円形コイル12との間のずれを解消することができ、その非円形コイル12が紙製ボビン14から剥離することを防止することができる。これにより、非円形コイル12の形状がその後に崩れるようなことは防止され、その巻き初めの線材13と巻き終わりの線材13からなる引出し線13a,13bが常に一定となる所定の位置から引出された図19(b)に示すような非円形コイル12を得る。
得られた非円形コイル12は、その後一対の拡開部材31,31(図5及び図6)とともに下降し、その一対の拡開部材31,31の間隔を狭めてこの成形機30から取り外す。このとき、取り出し用シリンダ98により下降した非円形コイル12に向けて取り出し用爪97を移動させ、その取り出し用爪97を非円形コイル12の上側に位置させる。この状態で一対の拡開部材31,31の間隔を狭めてこの一対の拡開部材31,31を更に上昇させる。このとき、非円形コイル12が一対の拡開部材31,31に引っ掛かっていたとしても、その非円形コイル12は、取り出し用爪97に接触して一対の拡開部材31,31とともに上昇することは防止される。これにより、非円形コイル12を一対の拡開部材31から確実に引き抜くことができる。そして、一対の拡開部材31から引き抜かれて落下した非円形コイル12はベルトコンベア99により受け止められて本装置10の外部に排出され、取り出し用シリンダ98は取り出し用爪97を再び取付板32の近傍にまで引き戻す。これにより単一の非円形コイル12の一連の製造を終了し、次の非円形コイルの製造が開始される。
なお、上述した実施の形態では、非円形コイル12に成形した後に接触部材86をその非円形コイル12に接触させる場合を説明したけれども、図18に示すように、円形コイル11を非円形コイル12に成形すると同時に接触部材86をその非円形コイル12に接触させるようにしても良い。この場合であっても、接触部材86はその非円形コイル12を紙製ボビン14に接触させて接着し、その非円形コイル12が紙製ボビン14から剥離することを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、紙製ボビン14に線材13を巻回することにより円形コイル11を得る巻線機20を説明したが、円形コイル11は、紙製ボビン14に巻回された線材13から成るものに限られず、紙製ボビン14を用いない、いわゆるボビンレスコイルであっても良い。また、ボビン14を用いる場合であっても、そのボビン14は紙製のものに限定されるものではなく、樹脂製のボビンや非磁性薄膜から成るようなボビンであっても良い。ここで、樹脂製ボビンとしては、例えばポリイミドフィルム(商標名;カプトン)から成る樹脂製ボビン14が好適である。
10 非円形コイルの製造装置
11 円形コイル
12 非円形コイル
13 線材
13a,13b引出し線
14 紙製ボビン
20 巻線機
30 成形機
31 拡開部材
60 搬送手段
74 把持片
74a 接触面
77 エア孔
81 熱風機
85 接触機構
86 接触部材

Claims (10)

  1. 線材(13)を円形に巻回して所定の位置から引出し線(13a,13b)が引出された円形コイル(11)を得る巻線機(20)と、
    前記円形コイル(11)の内側に進入させた少なくとも一対の拡開部材(31,31)の間隔を拡げて前記円形コイル(11)を非円形コイル(12)に成形する成形機(30)と、
    前記円形コイル(11)を前記巻線機(20)から前記成形機(30)に搬送する搬送手段(60)と
    を備えた非円形コイルの製造装置であって、
    前記搬送手段(60)は前記引出し線(13a,13b)を所定の位置に維持しつつ前記円形コイル(11)を外周囲から把持する少なくとも一対の把持片(74,74)を備え、
    前記把持片(74)は前記拡開部材(31)の間隔が拡げられるとき前記円形コイル(11)を構成する前記線材(13)を前記拡開部材(31)とともに挟持可能に構成された
    ことを特徴とする非円形コイルの製造装置。
  2. 円形コイル(11)の外周面に接触する接触面(74a)に一端が開口するエア孔(77)が一対の把持片(74,74)のいずれか一方又は双方に形成され、前記エア孔(77)の一端から吸引するエアにより前記把持片(74)に前記円形コイル(11)を吸着させるエア吸引器が前記エア孔(77)の他端に接続された請求項1記載の非円形コイルの製造装置。
  3. 非円形コイル(12)を構成する線材(13)の絶縁皮膜を溶融固着する熱風機(81)が設けられた請求項1又は2記載の非円形コイルの製造装置。
  4. 拡開部材(31)の移動方向に交差しかつ非円形コイル(12)の外側から接触部材(86)を前記非円形コイル(12)に接触させる接触機構(85)が設けられた請求項3記載の非円形コイルの製造装置。
  5. 巻線機(20)が筒状のボビン(14)に線材(13)を巻回可能に構成された請求項4記載の非円形コイルの製造装置。
  6. 線材(13)を円形に巻回して所定の位置から引出し線(13a,13b)が引出された円形コイル(11)を得た後、前記円形コイル(11)の内側に進入させた少なくとも一対の拡開部材(31,31)の間隔を拡げて前記円形コイル(11)を非円形コイル(12)に成形する非円形コイルの製造方法において、
    前記円形コイル(11)の前記引出し線(13a,13b)を所定の位置に維持しつつ前記円形コイル(11)を外周囲から少なくとも一対の把持片(74,74)により把持し、
    前記円形コイル(11)の内側に進入させた前記拡開部材(31)の間隔を拡げるとき前記円形コイル(11)を構成する前記線材(13)を前記拡開部材(31)と前記把持片(74)により挟持する
    ことを特徴とする非円形コイルの製造方法。
  7. 把持片(74)の円形コイル(11)の外周面に接触する接触面(74a)に開口するエア孔(77)を介してエアを吸引し、前記把持片(74)に前記円形コイル(11)を吸着させる請求項6記載の非円形コイルの製造方法。
  8. 円形コイル(11)の内側に進入させた一対の拡開部材(31,31)の間隔を拡げて前記円形コイル(11)を非円形コイル(12)に成形するときに線材(13)に熱風を吹き付けて前記線材(13)の絶縁皮膜を溶融固着する請求項6又は7記載の非円形コイルの製造方法。
  9. 一対の拡開部材(31,31)の間隔を拡げて円形コイル(11)を非円形コイル(12)に成形するとき又はその後、前記拡開部材(31)の移動方向に交差しかつ前記非円形コイル(12)の外側から接触部材(86)を前記非円形コイル(12)に接触させる請求項8記載の非円形コイルの製造方法。
  10. 筒状のボビン(14)に線材(13)が巻回されて前記ボビン(14)の周囲に円形コイル(11)が形成される請求項9記載の非円形コイルの製造方法。
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