JP5924788B2 - ガラス母材の延伸装置 - Google Patents
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Description
延伸炉は、主に加熱炉1、送り機構2、引取機構3の3つの機構からなっており、送り機構2には、吊り下げ接続部4を介してガラス母材5が吊り下げられ、ガラス母材5の下部は、引取ダミー6及び引取チャック7を介して引取機構3に連結されている。引取チャック7には、鉛直上向き及び下向きへの荷重を測定するための荷重計が備えられている。
ガラス母材5は、送り機構2によって加熱炉1内に送り込まれ、加熱軟化される。ガラス母材の下部は引取機構3によって引取られ、より細径のガラスロッド10となる。このとき、送り機構2の下降速度V1に比べて、引取機構3の下降速度V2は大きく設定される。ガラスロッドの外径を一定に保つために、V1とV2は適切に調整される。
そのため、このようなガラス母材の延伸後半にガラスロッドの曲がりが大きくなる問題に関して、有効な解決策が求められていた。
調芯機構は、ベース板15上にエアシリンダ駆動のスライドテーブル16と複数のガイドローラー17が取り付けられており、ガイドローラー17を閉じる前もしくは閉じる途中にガラスロッド10の軸芯に、調芯ガイド装置14のガイド中心を合わせるための機構である。
ガラスロッド10の中心位置は延伸ごとに毎回ずれるため、調芯機構が無い場合、複数のガイドローラー17の中心へ向けてガラスロッドを押しつけることになり、ガラスロッド10に曲がりが生じるが、調芯機構があると、ガラスロッド10の位置を動かすこと無く、ガラスロッド10の軸芯に向けて各ガイドローラー17を閉じることができ、ガイドローラー17を閉じることによって曲がりを発生させることがない。
引取機構3に下向きの荷重がかかっている図2のBの領域では、前述したように引取チャック7を中心としてロッドが倒れる方向の力が発生する可能性がある。この倒れを抑制するため、引取機構3に下向きの荷重が掛かる手前もしくは下向きの荷重がかかった直後に、調芯ガイド装置14を作動させ、ガイドローラー17をガラスロッド10の軸芯に向けて調芯しつつ移動させて、ガラスロッド10の軸芯に調芯ガイド装置14のガイド中心を合わせ、その位置で固定することで、その後、ガラスロッド10が倒れないようにガイドし、ガラスロッド10の曲がりを防止することができる。
これによって、スライドテーブル16のポジションにかかわらず、3個のガイドローラー17の中心、即ち調芯ガイド装置のガイド中心は一定に保たれる。
先ず、第一の形態について図5(側面図)を用いて説明する。なお、本図は簡略化して、図4で示した同期ワイヤ及びガイドプーリーの図示は省略しているが、各ガイドローラー17は同期して動作する。また、ガイドローラー17の個数についてもわかりやすく対面2個で図示されているが、実際には3個もしくはそれ以上の個数となっている。
架台20に取り付けられたガス吹出/吸着ブロック21上にはベース板15が載置され、図4で説明したように、ベース板15上にスライドテーブル16及びカーボン製のガイドローラー17が取り付けられている。なお、ガス吹出/吸着ブロック21にはガス出入ポート22が設けられている。
続けて、自動調芯された位置で全てのガイドローラー17を固定するため、図5(d)のように、ガス吹出/吸着ブロック21内部のガスをガス出入ポート22から真空排気する。これにより、ベース板15がガス吹出/吸着ブロック21に真空吸着され、固定されて水平方向へ動くことがなくなる。
これによりガラスロッド10が倒れることなく延伸を続けることができ、曲りの少ないガラスロッド10を安定して得ることができる。
架台20上に水平位置調整機構としての電動XYテーブル23が取り付けられ、電動XYテーブル23上にはベース板15が固定されており、図4で説明したように、ベース板15上にスライドテーブル16及びカーボン製のガイドローラー17が取り付けられている。
さらに、架台20にはロッド位置認識装置24が取り付けられており、ガラスロッドの水平位置を測定することができる。ロッド位置認識装置24としては、カメラと画像処理装置の組み合わせや、レーザー外径測定器、レーザー測距計といった、対象物の水平方向位置を測定できる装置をX方向・Y方向にそれぞれ1組、計2組を組み合わせたものが用いられる。なお、図6では簡単のため、Y方向用のロッド位置認識装置24のみが図示されている。
図3、図4及び図5に示した装置を用い、直胴部長さ約2000mm, 外径約180mmのガラス母材を、長さ約2530mm, 外径160mmのガラスロッドに延伸した。延伸後半において、引取機構に下向きに荷重が掛かりはじめたところでスライドテーブルを同期動作させてガラスロッドの軸芯に調芯ガイド装置のガイド中心を合わせ、この位置で調芯機構を固定した。
延伸したガラスロッド20本の曲がり量(BOW値)を測定したところ、平均0.55mm/m、最大値で1.02mm/mであった。
なお、BOW値は図7に示すように、ガラスロッド両端からそれぞれ50mmの位置をローラーで支持して回転させた時の振れ回りの最大値G[mm]をローラー間隔L[mm]で除した値として定義される。
図3、図4及び図6に示した装置を用い、直胴部長さ約2000mm, 外径約180mmのガラス母材を、長さ約2530mm, 外径160mmのガラスロッドに延伸した。延伸後半において、引取機構に下向きに荷重がかかりはじめたところでスライドテーブルを同期動作させてガラスロッドの軸芯に調芯ガイド装置のガイド中心を合わせ、この位置で調芯機構を固定した。
このようにして延伸したガラスロッド20本の曲がり量(BOW値)を測定したところ、平均0.59mm/m、最大値で0.98mm/mであった。
図3、図4及び図5に示した装置を用い、直胴部長さ約2000mm, 外径約180mmのガラス母材を、長さ約2530mm, 外径160mmのガラスロッドに延伸した。延伸後半において、引取機構に下向きに荷重がかかりはじめても調芯ガイド装置は作動させずに、その状態で最後まで延伸を行った。
このようにして延伸したガラスロッド20本の曲がり量(BOW値)を測定したところ、平均1.58mm/m、最大値で3.26mm/mとなり、実施例1,2より大きな曲がり量となった。
2.送り機構、
3.引取機構、
4.吊り下げ接続部、
5.ガラス母材、
6.引取ダミー、
7.引取チャック、
8.トップチャンバ、
9.炉出口部ガスシール、
10.ガラスロッド、
11.ネックダウン、
12.波打ち、
13.延伸終了部、
14.調芯ガイド装置、
15.ベース板、
16.スライドテーブル、
17.ガイドローラー、
18.ガイドプーリー、
19.同期ワイヤ、
20.架台、
21.ガス吹出/吸着ブロック、
22.ガス出入ポート、
23.電動XYテーブル(水平位置調整機構)、
24.ロッド位置認識装置。
Claims (8)
- 棒状のガラス母材を延伸し、より細径のガラスロッドを製造するガラス母材延伸装置であって、加熱炉、ガラス母材送り機構及びガラスロッド引取チャックを備え、該引取チャックと前記加熱炉との間に調芯ガイド装置を備え、該調芯ガイド装置のガイド中心を移動させてガラスロッドの軸芯に合わせる調芯機構及び固定機構を有することを特徴とするガラス母材の延伸装置。
- 前記調芯ガイド装置が、そのガイド中心をガラスロッドの軸芯に合わせる調芯機構と、調芯位置で固定する固定機構を有する請求項1に記載のガラス母材の延伸装置。
- 前記調芯機構が、ガラスロッドに当接・離間自在の複数のガイドローラーを有し、各ガイドローラーが同期して作動し、ガラスロッドの軸芯に向けて該調芯機構のガイド中心を移動させるように構成されている請求項1又は2に記載のガラス母材の延伸装置。
- 前記延伸装置が、前記引取チャックに掛かる鉛直方向の荷重を測定する荷重計を有する請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス母材の延伸装置。
- 前記調芯ガイド装置が、前記調芯機構を浮上させる浮上機構及び真空吸着方式により固定する固定機構を有する請求項1又は2に記載のガラス母材の延伸装置。
- 前記調芯ガイド装置が、ガラスロッドの水平位置調整機構及びロッド位置認識装置を有する請求項1,2もしくは5のいずれかに記載のガラス母材の延伸装置。
- 前記水平位置調整機構が、電動XYテーブルである請求項6に記載のガラス母材の延伸装置。
- 前記ロッド位置認識装置が、カメラと画像処理装置の組み合わせ、あるいはレーザー外径測定器、もしくはレーザー測距計である請求項6に記載のガラス母材の延伸装置。
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