JP5507964B2 - 棚受用ダボ - Google Patents

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Description

本発明は、収納棚の棚板を取り付ける棚受用ダボに関するものである。
従来から、収納棚の収納部の内側面に取り付けられて棚板を受ける棚受用ダボとして、例えば特許文献1により示されたものが知られている。
この特許文献1に示された棚受用ダボは、断面略逆L字形状をしたものであり、側方の面にダボ突起部が突設され、このダボ突起部を収納部の内側面に穿設されたダボ孔に嵌入することで取り付けられる。収納部の内側面に取り付けられた状態の棚受用ダボは、側方の面が収納部の内側面に面状に当接しており、この当接面と直交した上面(当接した部分から収納部内方に臨んだ先端部までの面)が棚板を載置する棚板載置部となっている。
このような棚受用ダボが取り付けられる収納棚として、例えば特許文献2に示されたものが挙げられる。
この特許文献2に示された収納棚は、前面に開口を有する収納部が収納体に設けられており、この収納部の開口下縁に枢支された扉体により該収納部の開口が開閉自在に閉塞されるようになっている。この扉体と収納部の内側面とはステー部材により連結されている。
このステー部材は例えば次のように動作する。ステー部材は、扉体を閉じると、収納部の内側面に接続された部分を中心として回動しながら、同時に中間部分で折りたたまれ、その中間部分が収納部の内側面に沿って移動する。一方、扉体を開くと、収納部の内側面の接続部分を中心として回動しながら、同時に折りたたまれた中間部が伸張してゆき、扉体が開ききった状態で直線状となる。
収納部の内側面には、互いに対向するようにして上記構成の棚受用ダボが取り付けられており、この棚受用ダボに架設するようにして棚板が設置される。
棚受用ダボの棚板載置部に棚板を載設するに当たり、通常、棚板は、収納部の対向する内側面間の略全長に亙る長さのものが用いられるため、両側端面が収納部の対向する内側面にそれぞれ当接(又は近接対向)するようにして設置される。
特開平8−126530号公報 特開平8−135058号公報
ところで、このような棚受用ダボを用いた収納棚に上記のような棚板が設置されると、ステー部材の移動範囲と棚板とが重なることがあるため、この場合、ステー部材と棚板とが干渉してしまうおそれがあるものとなる。
ここで、棚板におけるステー部材の移動範囲と棚板との重なる部分を切り欠くことで、この問題を回避することが考えられる。
ところが、このようにステー部材との干渉を避けるように棚板の一部に切り欠きを形成する場合、既に形成された棚板に追加的に加工を施す必要があるため、棚板を生産するに当たり、単に矩形状の棚板を成形する場合と比較して生産性が悪いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納部の内側面と収納部を閉塞する扉体とを連結するステー部材を有する収納棚に取り付けられたとしても、棚板に追加的に複雑な加工を施さずに棚板とステー部材との干渉を防ぐことができる棚受用ダボを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の棚受用ダボは以下の構成を有する。
すなわち、請求項1に係る本発明の棚受用ダボ4は、収納部2の内側面3と棚板11の側端面との間に位置して、これらの間に隙間を形成する隙間形成部40と、隙間形成部40の一側面に設けられ、前記内側面3に形成されたダボ穴12に嵌入するダボ突起部41と、隙間形成部40の他側面に設けられ、棚板11の側端部が保持される棚板保持部68とを備えている。棚板保持部68は、棚板11が載置される棚板載置部42と、棚板載置部42よりも上方に位置する隙間形成部40の他側面からなり、上記棚板11の側端面近接対向する棚板対向面43と、棚板載置部42に載置された棚板11の上面よりも上方に設けられると共に該棚板11の上面に当接又は近接対向する抜け止め突部44と有している棚板対向面43の上部で且つ抜け止め突部44の下方に隣接する箇所には、棚板11の側端面側に突出し且つ抜け止め突部44よりも突出長さの小さい膨出部45が設けられている。この膨出部45は、棚板11の厚み方向における中心位置よりも上側に当接し、これにより膨出部45の下方における棚板11の側端面と棚板対向面43との間に隙間を形成するものである。
このような棚受用ダボ4を用いると、棚板載置部42に載置された棚板11は、その側端部が棚板対向面43に当接又は近接対向し、収納部2の内側面3との間に隙間形成部40を介在した状態で設置される。これにより、棚板11の側端面と収納部2の内側面3との間にスペース9が形成される。一方、収納棚の扉体7を開閉させると、収納部2の内側面3と扉体7とを相互に連結するステー部材8が変形しながら移動するが、上記のように棚受用ダボ4により棚板11の側端面と収納部2の内側面3との間にスペース9が形成されており、このスペース9内でステー部材8が変形・移動するため、棚板11とステー部材8とが干渉してしまうのが防止される。しかもこのスペース9は、棚受用ダボ4の隙間形成部40を収納部2の内側面と棚板11との間に介在させるだけで形成できるため、棚板11に追加的に複雑な加工を施さなくても形成され、棚板11の生産性が損なわれにくくなる。
また、このような棚受用ダボ4を用いると、棚板載置部42に載置された棚板11が下方から上方へ力を受けても、棚板11の上面に抜け止め突部44が当接して、上方への移動が規制される。これにより、例えば、収納棚が上下に振動しても棚板11が上下にバタつかないようにでき、また、不意に棚板11に対して下方から上方に衝撃を与えてしまったとしても、棚板11が浮き上がってはずれてしまうのが防止される。
また、収納部2の対向する内側面3の少なくとも一方に本発明の棚受用ダボ4を取り付け、棚板11の一方の側端面を棚受用ダボ4の膨出部45にあてがい、他方の側端部を上方から下方に向けて回動させると、膨出部45が棚板11の側端面側に向けて突出しているため、膨出部45は、棚板11の回動時の支点となって、棚板11の設置を容易にさせる。
しかも棚受用ダボ4を用いると、棚板対向面43と棚板11の側端面との対向部分の大部分を隙間としつつ、膨出部45のみを棚板11の側端面に当接することが可能となるため、棚板11の設置しやすさを向上させつつ、棚板11の左右方向のガタつきを防ぐことが可能となる。
また、本発明の棚受用ダボ4のダボ突起部41が、上下に並設された複数の突起41a,41bからなるのが好ましい。
棚受用ダボ4を設置するに当たって、複数の突起41a,41bをそれぞれダボ穴12に嵌入すれば、棚受用ダボ4が取り付け面上で回転してしまうのを防ぐことができる。
本願発明によれば、収納部の内側面と収納部を閉塞する扉体とを連結するステー部材を有する収納部に本発明の棚受用ダボが取り付けられることで、棚板に追加的に複雑な加工を施さずに棚板とステー部材との干渉を防ぐことができる。
本発明の一実施形態の棚受用ダボを説明するための図であり(a)は上面図であり(b)は正面図であり(c)は側面図である。 図1中のA部分の詳細図である。 本実施形態の収納棚の全体斜視図である。 同上の下収納体本体の分解斜視図である。 同上の下収納体の斜視図である。 同上の収納部の要部斜視図である。 同上の嵌込みダボの斜視図である。 同上の嵌込みダボの設置状態を説明する要部断面図である。 同上の棚板を取り付ける直前の状態を示す斜視図である。 同上のステー部材の斜視図である。 他の実施形態を説明するための要部正面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
本実施形態の棚受用ダボは、図1に示されており、収納棚の収納部の内側面に取り外し自在に取り付けられている。
本実施形態の収納棚は、図3に示されるように、収納棚の主体を構成する収納体1と、収納体1に設けられ前面が開口部となる収納部2と、収納部2の開口部の開口下縁部5に沿った回動中心部6を有し該開口を閉塞する扉体7と、収納部2の内側面3と扉体7とを相互に連結するステー部材8(図5等参照)とを備えている。
収納体1は、図3に示されるように、上収納体47と中央収納体48と下収納体49とが上から順に連結されて構成されている。上収納体47は、前面が開口した箱状の上収納体本体50aで主体が構成されており、上収納体本体50aの内部を縦板50bと横板50cとで区画して形成された複数の収納部50dを有している。中央収納体48は、前面が開口した箱状の収納部51を有しており、この収納部51には例えば薄型テレビが収納される。下収納体49は、前面が開口した箱状の下収納体本体52で主体が構成されており、下収納体本体52の内部を中仕切り板53で区画して形成された複数の収納部2を有している。
この下収納体本体52は、図4に示されるように、矩形状の地板56の長手方向の両端部から対向する一対の側板54が立設されると共に、地板56の中央から側板54に平行な中仕切り板53が立設され、これら側板54及び中仕切り板53の後端に裏板55が立設され、側板54及び中仕切り板53及び裏板55の上端に天板57が載設されて構成されている。この側板54と中仕切り板53と地板56と天板57と裏板55とに囲まれる部分がそれぞれ収納部2となっており、図5などに示されるように、本実施形態の下収納体49における収納部2は、左右に2つ並設されている。
下収納体本体52の各収納部2には対向する内側面3(つまり側板54及び中仕切り板53)に複数のダボ穴12が穿設されている。このダボ穴12は、上下方向に所定の間隔ごとに複数設けられており、後述の棚受用ダボ4のダボ突起部41が嵌入する。複数のダボ穴12のうち、所望のダボ穴12を選択することで、所望の高さに棚受用ダボ4を取り付けることができる。
この収納部2の対向する内側面3間には、棚受用ダボ4を介して棚板11が取り外し自在に架設されている。図5に示されるように、収納部2の対向する内側面3のうち一方の内側面3にステー部材8が取り付けられており、図6のように、そのステー部材8が取り付けられた側の内側面3に棚受用ダボ4としてのステー用ダボ59が取り付けられている。他方、このステー用ダボ59が取り付けられた内側面3に対向する内側面3には、ステー部材8が取り付けられておらず、棚受用ダボ4としての嵌込みダボ58が取り付けられている。このステー用ダボ59が位置する側の棚板11の側端面には、収納部2の内側面3との間に、後述のステー部材8を挿通可能とするスペース9が形成されている(図5参照)。
ステー用ダボ59(棚受用ダボ4)は、図1に示されるように、収納部2の内側面3と棚板11の端面との間に位置する隙間形成部40と、収納部2の内側面3に穿設されたダボ穴12に嵌入するダボ突起部41と、棚板11の側端部が保持される棚板保持部68とを備え、これらが一体となった構成となっている。ステー用ダボ59の下部は、下方ほど厚みを薄くするような側面視略逆三角形状となっており、正面視では下方ほどダボ突起部41が設けられた面に近づくようになっている。このステー用ダボ59の大部分(詳しくはダボ突起部41以外)は、例えばポリプロピレン等の硬質樹脂材料で形成されている。
隙間形成部40は、収納部2の内側面3と棚板11の側端面との間に位置することで前記内側面3と棚板11の側端面との間に隙間(スペース9)を形成するための部分であり、ステー用ダボ59の上部を構成している。この隙間形成部40の左右方向の長さbは、ステー部材8が回動しても棚板11に干渉しないような(つまりステー部材8の回動を許容する幅を有する)スペース9を、棚板11の側端面と収納部2の内側面3との間に形成できる寸法となっており、具体的には30mm程度の寸法となっている。
ダボ突起部41は、隙間形成部40における収納部2の内側面3に面状に当接する鉛直な面(以下、内側面当接部66という)に設けられており、上下に並設された複数の突起41a,41b(本実施形態においては2つの突起)から構成されている。ダボ突起部41の2つの突起のうち上方の突起41aは、棚板載置部42に載置された棚板11と略同高さに位置しており、特に、棚板11の厚み方向の略中央と略同じ高さ位置に形成されている。なお、本実施形態のダボ突起部41はカーボンスチール又はステンレス等の金属類、あるいは硬質樹脂材料等により構成されている。
棚板保持部68は、棚板11の側端部が載置される棚板載置部42と、棚板対向面43と、棚板対向面43の上端に突設された抜け止め突部44とを備えている。
棚板載置部42は、隙間形成部40における内側面当接部66とは反対側の面から突設されており、棚板11が載置可能な水平面を有している。棚板対向面43は、隙間形成部40の棚板載置部42側の面であって棚板載置部42よりも上方に位置する部位からなり、棚板載置部42の水平面に対して略直交している。抜け止め突部44は、棚板載置部42に載置された棚板11の上面よりも上方に設けられ、下面が棚板11の上面と当接又は近接対向するようになっている。また、抜け止め突部44の上角部は先端ほど下方に位置する傾斜面60(又は凸曲面)となっている。この傾斜面60により、抜け止め突部44に棚板11の端部が上方から当接しても、棚板11を下方に押し込むことで抜け止め突部44を容易に弾性変形させることができ、棚板11を所定の位置に設置することも可能となる。
また、棚板対向面43は、隙間形成部40の棚板対向面43の上部で且つ抜け止め突部44の下方(本実施形態では、抜け止め突部44に隣接している)に、抜け止め突部44よりも突出長さの小さい膨出部45を有している。この膨出部45は、棚板11の端面にほぼ当接するようになっており、棚板11の側端面に当接すると膨出部45の下方に隙間46が形成されるようになっている。また膨出部45は、図2に示されるように、棚板対向面43から突出した部分が断面アーチ状となっており、表面が円弧面となっている。またこの膨出部45は棚板対向面43に対して直角な方向に弾性変形可能となっている。
嵌込みダボ58(棚受用ダボ4)は、図7及び図8に示されるように、収納部2の内側面3に取り付けられる取付体13と、棚板11の側端部を支持する支持体15とからなる。支持体15は一体成形された合成樹脂成形品からなり、支持体15の材料としては例えばポリプロピレンが挙げられる。支持体15の収納部2の内側面3側の側面は鉛直な当接面22となっている。
支持体15は、棚板11の側端部に形成された嵌込溝16に嵌め込まれる嵌込部17、嵌込部17の下方に位置する蓋部18、及び嵌込部17と蓋部18を接続する接続部20とで構成されている。
嵌込部17は、上方程漸次前後幅が小さくなるように傾斜したテーパー面を有している。また、嵌込部17の当接面22には内側面3側に開口する円形の保持穴23が形成されている。保持穴23には丸棒からなる取付体13の一端側が保持されており、取付体13の他端側は、嵌込部17から内側面3側に突出する嵌入部27となっている。嵌め込みダボ58を取り付けるには、この嵌入部27を収納部2の内側面3に設けられたダボ穴12に嵌入するようして行なう。なお、取付体13の材料としては金属、合成樹脂、木材等が用いられる。
蓋部18はその外縁部が嵌込部17よりも外側に突出した鍔状に形成され、底面視で嵌込溝16の下開口よりも大きくなっている。
このような構成の棚受用ダボ4には、図9等に示されるように、棚板11が取り外し自在に載設される。
棚板11は、平面視矩形状の板材にて構成されており、その長手方向の寸法が収納部2の対向する内側面3間の寸法よりも小さく形成されている。詳しくは、ステー用ダボ59により形成される棚板11の側端面と収納部2の内側面3との間のスペース9分だけ、棚板11の長手方向の寸法が収納部2の内側面3間の寸法よりも小さく形成される。また、棚板11の前端面は、収納部2の前端面と略面一となるように形成されている。本実施形態の棚板11の嵌込みダボ58側の側端部には、嵌込みダボ58の嵌込部17が嵌め込まれる嵌込溝16が形成されている。
収納部2の対向する内側面3のうち、ステー部材8が取り付けられている側の内側面3には2つのステー用ダボ59が前後方向に離間して取り付けられ、その他方に2つの嵌込みダボ58が前後方向に離間して取り付けられる。前側のステー用ダボ59と前側の嵌込みダボ58は、その前端が収納部2の開口の前端面から後方に入った部位に位置しており、前方に空所を有している。棚受用ダボ4はすべて同高さ位置となるように取り付けられており、具体的には、同じ高さに設けられた各部のダボ穴12に、ステー用ダボ59のダボ突起部41の上方の突起41aと、嵌込みダボ58の丸棒からなる取付体13とがそれぞれ取り付けられる。
棚受用ダボ4がそれぞれ取り付けられた状態で棚板11を設置する。以下においては、正面視左側に嵌込みダボ58が取り付けられると共に、正面視右側にステー用ダボ59が取り付けられた設置状態に応じて取り付け方法を説明する。
図9に示されるように、棚板11を左端を上に且つ右端を下になるように傾斜させた状態のまま、棚板11の右端の奥部を棚板保持部68(詳しくは、棚板載置部42と棚板対向面43と抜け止め突部44に囲まれた部分)に差し込む。そして、この棚板11の傾斜状態を保ったまま、前方から後方に向けてスライド移動させる(図9に示された状態)。このとき、棚板11の側端面はステー用ダボ59の膨出部45と当接している。次に、この棚板11の側端面とステー用ダボ59の膨出部45との当接部分を中心として、棚板11の左側の端部を上方から下方に向けて回動させる。このとき、膨出部45は断面アーチ状となっているため、棚板11のスムーズな回動を得ることができる。棚板11を上記のように回動させると、回動側(上下に移動する側)の端部が嵌込みダボ58の嵌込部17に当接するが、そのまま下方に押し込むことで、棚板11の嵌込溝16に嵌込みダボ58の嵌込部17が嵌め込まれ、これにより棚受用ダボ4への棚板11の設置が完了する。
このようにステー用ダボ59により取り付けられた部分において、棚板載置部42に載置された棚板11は、その側端部が棚板対向面43に当接又は近接対向し、収納部2の内側面3との間に隙間形成部40を介在した状態で設置される。これにより、棚板11の側端面の略全長部分と収納部2の内側面3との間にスペース9が形成された状態を保ったまま、棚板11の左右方向への移動が規制され、左右方向にガタつくのが防止される。その上、ステー用ダボ59が取り付けられた部分において、この棚板載置部42に載置された棚板11が下方から上方へ力を受けても、棚板11の上面に抜け止め突部44が当接して、上方への移動が規制される。これにより、例えば、収納棚が上下に振動しても棚板11が上下にバタつかないようにでき、また、不意に棚板11に対して下方から上方に衝撃を与えてしまったとしても、棚板11が浮き上がってはずれてしまうのが防止される。
しかもステー用ダボ59のダボ突起部41は上下に並設された複数の突起41a,41bにて構成されているため、棚受用ダボ4を設置するに当たって、複数の突起41a,41bをそれぞれダボ穴12に嵌入すれば、棚受用ダボ4が取り付け面上で回転してしまうのを防ぐことができる。
他方、棚板11が取り付けられた状態の嵌込みダボ58は、嵌込部17が前後方向に圧縮された状態となるため、棚板11を嵌込部17に対して強固に固定することができる。また、図8に示されるように、蓋部18によって嵌込溝16及びこれに嵌め込まれた嵌込部17が下方から覆われるため、棚板11を下側から見たときに嵌込溝16や嵌込部17が露出せず、見栄えが良い。
このような構成の収納部2には、その前面の開口下縁部5に扉体7が開閉自在に取り付けられている。
扉体7は、図5に示されるように、正面視矩形状の板材で構成されており、左右に並設される収納部2にそれぞれ取り付けられている。また扉体7は、収納部2の開口下縁部5に蝶番61を介して取り付けられており、収納部2の開口下縁部5を回動中心部6として回動自在とされている。この扉体7の内面であって長手方向の一方の端部で且つ短手方向の略中央には、ステー部材8の一端と連結するステー連結部62が取り付けられている。このステー連結部62に連結されたステー部材8を介して扉体7と収納部2の内側面3とが連結されている。
ステー部材8は、一般的に用いられる周知のステー部材8が取り付けられている。例えば図10に示されるステー部材8は、棚板11の下方で且つ収納部2の内側面3に固設される取付部63と、取付部63に回動自在に軸支されると共に中央部64で折りたたみ可能となった腕部65とを有しており、この腕部65の取付部63とは反対側の先端が前記ステー連結部62に回動自在に連結される。取付部63は、ビス等の固着具を介して収納部2の内側面3に固設されるようになっており、腕部65を回動自在に支承する。本実施形態の取付部63は、収納部2の内側面3のダボ穴12を利用して取り付けられている。腕部65は、中央部64で下方側に突屈するように折り畳み可能となっており、扉体7を閉塞すると、ステー連結部62に連結した先端側が腕部65の中央部64を中心として上方に移動しながら、折屈した中央部64が取付部63を中心として下方に移動するような構造となっている。このステー部材8は、収納部2の内側面3に沿った動きをし、扉体7が閉じられた状態でステー連結部62に連結された先端が棚板11の上方に位置する。
ここで、上述したように収納部2の内側面3と棚板11の側端面の全長部分との間には、スペース9が形成されているため、扉体7の開閉動作に伴ってステー部材8が動作したとしても、このスペース9の範囲内でステー部材8が移動する。特に、本実施形態のステー部材8は、前側の棚受用ダボ4よりも前方のスペース9内で移動する。つまり、収納棚の扉体7を開閉させると、収納部2の内側面3と扉体7とを相互に連結するステー部材8が変形しながら移動するが、棚受用ダボ4により棚板11の端面の全長部分と収納部2の内側面3との間にスペース9が形成されており、このスペース9内でステー部材8が移動するため、棚板11とステー部材8とが干渉してしまうのが防止される。
しかも、このようにステー用ダボ59により形成されたスペース9は、棚板11に追加的に複雑な加工を施さなくても形成することができるため、生産性を低下させない。
また、棚受用ダボ4としてのステー用ダボ59により形成されたスペース9は、棚板11の端面全長に亙って形成されるため、例えば、棚板11上に載置された電気機器の配線を該スペース9に挿通して、収納部2の奥側において配線することも可能である。
次に、他の実施形態について図11に基づいて説明する。なお、本実施形態は図1乃至図10に示された実施形態と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本実施形態の収納棚は、収納部2の対向する両内側面3にステー部材8が取り付けられると共に、収納部2の対向する両内側面3に棚受用ダボ4としてステー用ダボ59が取り付けられている。
このような収納棚において、取り付けられたステー用ダボ59に棚板11を設置するには、棚板11を略水平状態に保ったまま、棚板11の後端をステー用ダボ59の棚板保持部68(詳しくは、棚板載置部42と棚板対向面43と抜け止め突部44とで囲まれた部分)に向けて、前方から後方に向けてスライド移動させる。
このような構成によれば、棚板11をスライド移動させるに当たり、棚板11の側端面と棚板対向面43との接触する部分を膨出部45の頂部のみとすることができる。この結果、ステー用ダボ59と棚板11の側端面との間の摩擦抵抗が、棚板11の側端面と棚板対向面43とが面状に当接する場合に比べて大きく低減するので、設置しやすいものとなる。
さらにこのステー用ダボ59を用いると、棚板対向面43と棚板11の端面とを近接対向させて棚板対向面43と棚板11の端面との間に僅かに隙間を形成し、棚板11の設置しやすさを向上させても、膨出部45を棚板11の側端部に当接することが可能となる。このため、棚板11の設置しやすさを向上させつつ、棚板11の左右方向のガタつきを防ぐことが可能となる。
なお、上記各実施形態における扉体7は、収納部2の開口下縁部5に沿った回動中心部6を有していたが、本発明の扉体7は、収納部2の開口上縁部に沿った回動中心部6を有し、その回動中心部6を中心として収納部2の開口部を開閉自在に設けられたものであってもよい。
また、上記各実施形態におけるステー部材8は、中央部64で折り畳まれるように折屈するような構成となっていたが、本発明のステー部材8は、例えば外筒の中に内筒がスライド自在に挿入され伸縮自在とされた構成のものであってもよく、従来周知のステー部材を適宜使用することが可能である。
2 収納部
3 内側面
4 棚受用ダボ
11 棚板
12 ダボ穴
40 隙間形成部
41 ダボ突起部
41a 突起
41b 突起
42 棚板載置部
43 棚板対向面
44 抜け止め突部
45 膨出部
59 ステー用ダボ
66 内側面当接部
68 棚板保持部

Claims (2)

  1. 収納部の内側面と棚板の側端面との間に位置して、これらの間に隙間を形成する隙間形成部と、
    前記隙間形成部の一側面に設けられ、前記内側面に形成されたダボ穴に嵌入するダボ突起部と、
    前記隙間形成部の他側面に設けられ、棚板の側端部が保持される棚板保持部と
    を備え、
    前記棚板保持部は、
    棚板が載置される棚板載置部と、
    棚板載置部よりも上方に位置する隙間形成部の他側面からなり、上記棚板の側端面近接対向する棚板対向面と
    前記棚板載置部に載置された棚板の上面よりも上方に設けられると共に該棚板の上面に当接又は近接対向する抜け止め突部と
    を有しており、
    前記棚板対向面の上部で且つ前記抜け止め突部の下方に隣接する箇所には、前記棚板の側端面側に突出し且つ抜け止め突部よりも突出長さの小さい膨出部が設けられ、
    この膨出部は、前記棚板の厚み方向における中心位置よりも上側に当接し、これにより膨出部の下方における前記棚板の側端面と前記棚板対向面との間に隙間を形成するものである
    ことを特徴とする棚受用ダボ。
  2. 前記ダボ突起部が、上下に並設された複数の突起からなる請求項1記載の棚受用ダボ
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