JP5507107B2 - 澱粉分解物、該澱粉分解物を含有する食品添加剤、飲食物、薬剤、及び澱粉分解物製造方法 - Google Patents

澱粉分解物、該澱粉分解物を含有する食品添加剤、飲食物、薬剤、及び澱粉分解物製造方法 Download PDF

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本発明は、澱粉分解物に関する。より詳しくは、澱粉を分解して得られる澱粉分解物であって、オリゴ糖の高分子成分とデキストリンの低分子成分(グルコース重合度8〜19)を高含有することを特徴とする澱粉分解物、該澱粉分解物を含有する飲食物、及び該澱粉分解物の製造方法に関する。
澱粉分解物は、澱粉から酸や酵素を用いて製造され、様々な分野で利用されている。例えば、食品分野においては、甘味料、味質調整、浸透圧調整、保湿剤、粉末化基材などの用途に利用されている。医療分野においては、経腸栄養剤の炭水化物源や薬剤の賦形剤などの用途に利用され、中には澱粉分解物自体に整腸効果、血糖調節効果、中性脂肪低下効果などの生理作用を有するものもある。また、化粧品分野においては、化粧品を固形化する際の結合剤やクリーム状の化粧品の粘度調整などの用途に利用されている。
澱粉を分解して得られるものには、オリゴ糖、デキストリンなどと称されるものがあり、それぞれ工業的な製品が製造されている。学術的にオリゴ糖はグルコース重合度2〜10の糖類と定義されるが、一般的なオリゴ糖製品は、オリゴ糖を主成分として、オリゴ糖よりもグルコース重合度の低いまたは高い糖類も一部含んだものである。一方、デキストリンは広義では澱粉からマルトースまでの分解中間生成物を示すと定義されるが、一般的なデキストリン製品は、澱粉をオリゴ糖より軽度に分解して得られるもので、そのグルコース重合度はオリゴ糖以上のものとして区別され、その性質も異なるものである。以下、本発明において、「オリゴ糖」「デキストリン」とは、それぞれ一般的に「オリゴ糖製品」「デキストリン製品」と呼ばれるものを指すものとする。
オリゴ糖は、甘味度が高く、低粘度であり、独特の風味を有さないため、甘味料、味質調整などに用いられる。また、浸透圧・吸湿性が高いことから、保湿剤や浸透圧調整などにも用いられる。例えば、特許文献1には、タピオカ加工澱粉とグルコース重合度が3以上の糖類を主成分とするマルトオリゴ糖を含有する餅種和菓子が開示されている。
デキストリンは、甘味度が低く、飲食物の甘味を大きく変化させることがないため、飲食物の増量剤や炭水化物源等として、多くの飲食物に用いられる。また、特に高分子のデキストリンは吸湿性が低く、安定性、保存性、安全性などの特性において優れていることから、医療分野においても薬剤の賦形剤、錠剤、カプセル等に用いられている。例えば、特許文献2には、デキストリンが、錠剤組成物の賦形剤として用いられることが開示されている。
上述のようなオリゴ糖、デキストリンの性質は一般的には分解度の指標となるDE(dextrose equivalent)値に深く起因している。「DE(dextrose equivalent)」とは、デキストロース当量とも称され、還元糖をグルコースとして測定し、その全固形分に対する割合(数式1参照)を示す値である。このDE値は、澱粉の加水分解の程度(分解度)、即ち糖化の進行の程度を示す指標である。
一般にDE値は、澱粉の分解度が低い(構成糖の重合度が高い)ほど低く、分解度が高い(重合度が低い)ほど高くなる。そして、糖質の物性との関連では、DE値が高いほど、甘味度、浸透圧、吸湿性が高く、逆に粘度は低くなること、また、DE値が低いほど甘味度、浸透圧、吸湿性が低く、粘度は高くなること、などが知られている。
このようなDE値の相違における糖質の物性は、前述したオリゴ糖、デキストリンの長所とともに、以下のような問題点とも関連している。例えば、オリゴ糖においては、吸湿性が高いため粉末として使いづらい、甘味度が高いため多量に配合すると飲食物の味を大きく変化させてしまうといった問題点がある。また、デキストリンにおいては、オリゴ糖と比較して吸湿性や甘味度は低いものの、独特の風味を有しているため使用用途や使用量が制限される、粘度が高いため使用時の作業性(例えば加工時のハンドリング、粉末化基材とする場合の噴霧効率、浸透圧調整剤の粘度適性など)が悪いといった問題点がある。
Figure 0005507107
特開2002−335868号公報 特開2006−052167号公報
オリゴ糖、デキストリンの長所となる性質を備えて、かつ、前記問題点を解決できる、低粘度・低甘味・低浸透圧・低吸湿性といった特性を全て兼ね備え、デキストリン特有の風味が少なく、さらに工業生産可能で利用性にも優れた澱粉分解物は未だ知られていなかった。そして、このような飲食物、医薬品、化粧品等に使用する際の適用性に深く関わる基本的物性は、澱粉分解物の分解度(DE値)と相関するとされ、澱粉分解物のDE値を変化させずに、基本的物性のみを操作することは、通常は困難であった。
そこで、本発明は、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べ、低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示し、デキストリン特有の風味が少ない新規な澱粉分解物を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、上記目的を解決するために、澱粉分解物の特定含有成分について鋭意研究を行った。その結果、本願発明者らは、工業的な製品として製造できる糖組成物として、オリゴ糖の中でもごく高分子の成分とデキストリンの低分子成分からなる成分を高含有することを特徴とする新規な澱粉分解物を開発し、該澱粉分解物が、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べ、低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示し、デキストリン特有の風味も少ないことを突き止めた。
本発明では、まず、澱粉または澱粉分解中間物に枝切り酵素および枝作り酵素を作用させて得られる、グルコース重合度(DP)8〜19の含量が40%以上かつ、グルコース重合度(DP)20以上の含量が20%以下の澱粉分解物(バチルス・サーキュランス由来のαーグルコシル転移酵素を用いて得られる澱粉分解物およびアルスロバクター・グロビホルミス由来のαーグルコシル転移酵素を用いて得られる澱粉分解物を除く)を提供する。該澱粉分解物は、オリゴ糖の高分子成分とデキストリンの低分子成分、即ち、グルコース重合度(DP)8〜19の成分を多く含有するため、オリゴ糖とデキストリンの優れた性質を併せ持つ。
本発明に係る澱粉分解物は、その組成自体が新規であって、その収得の方法については特に限定されない。例えば、澱粉分解工程として一般的な酸や酵素を用いた加水分解工程(糖化工程)に所定の工夫を施すことによって得ることができる。
また、本願発明者らは、本発明に係る澱粉分解物を効率良く得る方法として、澱粉に、少なくとも枝切り酵素と枝作り酵素を作用させる方法を見出した。枝切り酵素は、澱粉の分岐鎖の分解に関与する酵素であり、枝作り酵素は、澱粉の分岐鎖の合成に用いる酵素である。従って、両者は通常、組み合わせて用いられることはない。しかし、本願発明者らは、発想を大きく転換し、全く逆の作用を示す両酵素を組み合わせて用いることにより、効率良く本発明に係る澱粉分解物を製造することに成功した。
即ち、本発明では、澱粉分解物を製造する方法であって、澱粉または澱粉を軽度に分解して得られる澱粉分解中間物(例えば、液化液など)に枝切り酵素および枝作り酵素を作用させる工程、澱粉または澱粉分解中間物に枝切り酵素を作用させた後に枝作り酵素を作用させる工程、または、澱粉または澱粉分解中間物に枝作り酵素を作用させた後に枝切り酵素を作用させる工程、を含む澱粉分解物製造方法を提供する。前記枝切り酵素は、特に限定されないが、例えば、イソアミラーゼ(Isoamylase,glycogen 6-glucanohydrolase)を用いることができる。
本発明に係る澱粉分解物は、オリゴ糖とデキストリンの優れた性質を併せ持っているため、食品添加剤、飲食物、薬剤に適用することが可能である。
ここで、本発明で使用する技術用語を説明する。「枝切り酵素(debranching enzyme)」とは、澱粉の分岐点であるα-1,6-グルコシド結合を加水分解する反応を触媒する酵素の総称である。例えば、「イソアミラーゼ(Isoamylase,glycogen 6-glucanohydrolase)」、「プルラナーゼ(Pullulanase,pullulan 6-gulucan hydorolase)」「アミロ-1,6-グルコシダーゼ/4-αグルカノトランスフェラーゼ(amino-1,6-glucosidase/4-α glucanaotransferase)」が知られている。なお、これらの枝切り酵素を、目的に応じて組み合わせて用いてもよい。
「枝作り酵素(branching enzyme)」とは、α-1,4-グルコシド結合でつながった直鎖グルカンに作用して、α-1,6-グルコシド結合を作る働きを持った酵素の総称である。動物や細菌などに存在しているが、馬鈴薯、イネ種実、トウモロコシ種実などの植物から精製することも可能である。
本発明に係る澱粉分解物は、オリゴ糖の高分子成分とデキストリンの低分子成分(グルコース重合度(DP8〜19)を多く含有するため、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べ、低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示す。また、DP20以上の含有量が少ないため、飲食物等の風味を損なう恐れのあるデキストリン特有の風味が低減される。そのため、従来、オリゴ糖の適用が難しい用途や、デキストリンの適用が難しい用途などにも広く適用が可能になる。
実施例1、2、参考例3、実施例4、5、及び比較例1〜6の澱粉分解物について、DEと固有粘度の相関関係を示す図面代用グラフである。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<澱粉分解物について>
本発明に係る澱粉分解物は、澱粉原料、例えば、コーンスターチなどの澱粉(地上系澱粉)、馬鈴薯、タピオカ、甘藷などのような地下茎または根由来の澱粉(地下系澱粉)、あるいはこれらの加工澱粉などを分解(糖化)することによって得られるものである。使用する澱粉原料は、特に限定されず、あらゆる澱粉原料を用いることができる。
本発明に係る澱粉分解物の組成特性としては、グルコース重合度(以下「DP」と称する)8〜19の含量が32%以上、かつ、DP20以上の含量が30%以下である。該澱粉分解物は、オリゴ糖の高分子成分とデキストリンの低分子成分(DP8〜19)を多く含有するため、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べ、低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示す。また、DP20以上の含有量が少ないため、飲食物等の風味を損なう恐れのあるデキストリン特有の風味が低減される。
そのため、例えば、甘味度の高いオリゴ糖が使用できない食品添加物や飲食物、及び薬剤にも用いることができる。また、デキストリン特有の風味が強いために、デキストリンの使用が難しかった飲食物等にも、飲食物等の風味を損なうことなく用いることができる。
更に、本発明に係る澱粉分解物は、吸湿性の低さを保ちつつ、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べて粘度が低い。そのため、粉末化基材にも好適に用いることができる。また、低浸透圧を示すため、浸透圧調整剤としても好適に用いることができる。
本発明に係る澱粉分解物は、DP8〜19の含量が32%以上であれば、その含量は特に限定されないが、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。DP8〜19の含量が増加するほど、より低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示すようになるからである。
また、本発明に係る澱粉分解物は、DP20以上の含量が30%以下であれば、その含量は特に限定されないが、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。DP20以上の含量が少なくなるほど、デキストリン特有の風味がより低減されるからである。
<澱粉分解物を含む食品添加剤について>
本発明に係る澱粉分解物は、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べ、低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示し、デキストリン特有の風味が少ないため、食品添加剤に適用することが可能である。
前記食品添加剤の用途は、特に限定されないが、一例としては、ダイエット食品、糖尿病用食品、畜肉等の食品の増量剤、粉末化基材、味質調整剤、浸透圧調整剤として用いることが挙げられる。
<澱粉分解物を含む飲食物について>
本発明に係る澱粉分解物は、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べ、低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示し、またデキストリン特有の風味が少ないため、あらゆる飲食物に含有することが可能である。
本発明に係る澱粉分解物を含有することができる飲食物は、特に限定されず、例えば、ジュース、スポーツ飲料、お茶、コーヒー、紅茶などの飲料、醤油などの調味料、スープ類、クリーム類、各種乳製品類、アイスクリームなどの冷菓、各種粉末食品(飲料を含む)、保存用食品、冷凍食品、パン類、菓子類などの加工食品など、あらゆる飲食物に含有することができる。また、保健機能食品(特定保健機能食品、栄養機能食品、飲料を含む)や、いわゆる健康食品(飲料を含む)、濃厚栄養剤、流動食、乳児・幼児食にも含有することができる。
さらに、本発明に係る澱粉分解物は、牛、馬、豚などの家畜用哺乳類、鶏、ウズラなどの家禽類、爬虫類、鳥類あるいは小型哺乳類などのペット類、養殖魚類などの飼料にも含有することが可能である。
<澱粉分解物を含む薬剤について>
本発明に係る澱粉分解物は、同一のDE値を示す既存の澱粉分解物に比べ、低粘度、低甘味、低浸透圧、低吸湿性を示し、デキストリン特有の風味が少ないため、あらゆる薬剤に適用することが可能である。
薬剤への適用方法は、特に限定されないが、例えば、散剤、顆粒剤などの剤形成形のための粉末化基材、さらに錠剤のための賦形剤、経腸栄養剤等の炭水化物源などに適用することが可能である。
<澱粉分解物の製造方法について>
本発明に係る澱粉分解物は、その組成自体が新規であって、その収得の方法については特に限定されることはない。例えば、澱粉分解工程として一般的な酸や酵素を用いた加水分解工程(糖化工程)に所定の工夫を施すことによって得ることができる。
本発明に係る澱粉分解物を効率的に得る方法として、澱粉または澱粉分解中間物に、少なくとも枝切り酵素と枝作り酵素を作用させる方法がある。枝切り酵素は、澱粉の分岐鎖の分解に関与する酵素であり、枝作り酵素は、澱粉の分岐鎖の合成に用いる酵素である。従って、両者は通常、一緒に用いられることはない。しかし、全く逆の作用を示す両酵素を組み合わせて用いることにより、本発明に係る澱粉分解物を確実に製造することができる。
本発明に係る澱粉分解物製造方法は、澱粉に枝切り酵素を作用させる工程と、澱粉に枝作り酵素を作用させる工程、を少なくとも含む方法であるが、両工程の順序は特に限定されない。例えば、澱粉に枝切り酵素を作用させた後に、枝作り酵素を作用させても、その逆を行ってもよい。更には、澱粉に枝切り酵素と枝作り酵素を同時に作用させてもよい。
前記枝切り酵素は、特に限定されない。例えば、プルラナーゼ(Pullulanase,pullulan 6-gulucan hydorolase)、アミロ-1,6-グルコシダーゼ/4-αグルカノトランスフェラーゼ(amino-1,6-glucosidase/4-α glucanaotransferase)を挙げることができ、より好適な一例としては、イソアミラーゼ(Isoamylase,glycogen 6-glucanohydrolase)を用いることができる。
また、前記枝作り酵素も特に限定されない。例えば、動物や細菌などから精製したもの、又は、馬鈴薯、イネ種実、トウモロコシ種実などの植物から精製したもの等を用いることができる。
以下、本発明に係わる代表的な実施例について、比較例と対照しながら説明する。
<澱粉分解物の調製>
まず、以下の実施例1、2、参考例3、実施例4、5、及び比較例1〜6の澱粉分解物を調製した。
(実施例1)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した30重量%コーンスターチスラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼ(ターマミル(登録商標)、ノボザイムズ ジャパン株式会社製、以下同じ)を加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。
次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEの測定は、「澱粉糖関連工業分析法」(澱粉糖技術部会編)の氷点降下度からの算出度に従って算出した(以下同じ)。DEが10になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止した。これを澱粉分解中間物となる糖液とした。
反応停止後の糖液を、pH5.8に調整し、枝切り酵素(イソアミラーゼ:合同酒精株式会社製)、及び枝作り酵素(馬鈴薯由来枝作り酵素を公知の方法(Eur. J. Biochem. 59, p615-625(1975))で精製したもの、以下同じ)を添加し、35℃にて12時間作用させた。(酵素添加量は図1に記載、以下同じ。)
前記で得た澱粉分解物の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液を、スプレードライヤーで粉末化し、実施例1の澱粉分解物を得た。
(実施例2)
35重量%塩酸でpH2に調整した30重量%ワキシーコーンスターチスラリーを、温度条件130℃で、DE8まで分解した。反応停止後の糖液を、pH4.2、45℃に調整し、枝切り酵素(イソアミラーゼ:シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を24時間作用させた後、煮沸して反応を停止した。これを澱粉分解中間物となる糖液とした。次いでpH5.8、35℃に調整し、枝作り酵素(実施例1に同じ)を添加し、20時間作用させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液を、スプレードライヤーで粉末化し、実施例2の澱粉分解物を得た。
参考例3)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した30重量%コーンスターチスラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼを加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEが16になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止し、澱粉分解中間物となる糖液とした。
反応停止後の糖液を、pH4.2、45℃に調整し、枝切り酵素(イソアミラーゼ:シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を添加し20時間作用させた後、煮沸して反応を停止した。次いで枝作り酵素(実施例1に同じ)を添加し、35℃にて48時間作用させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液を、スプレードライヤーで粉末化し、参考例3の澱粉分解物を得た。
(実施例4)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した30重量%コーンスターチスラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼを加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEが24になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止し、澱粉分解中間物となる糖液とした。
次いで、pH5.8、60℃に調整し、枝切り酵素(イソアミラーゼ:合同酒精株式会社製)、及び枝作り酵素(実施例1に同じ)を添加し、72時間作用させた。この澱粉分解物の溶液を、精製処理・濃縮し50重量%の溶液とした。この溶液を60℃に加熱し、DOWEX PT90332−1(Na型)を充填し、70℃に加熱したカラムを装着したオルガノ製の擬似移動式連続液体クロマトグラフィーにかけ、低分子を除去した。分画された澱粉分解物の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液を、スプレードライヤーで粉末化し、実施例4の澱粉分解物を得た。
(実施例5)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した30重量%タピオカ粉末スラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼを加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEが10になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止し、澱粉分解中間物となる糖液とした。
反応停止後の糖液を、pH5.8に調整し、枝切り酵素(イソアミラーゼ:合同酒精株式会社製)、及び枝作り酵素(実施例1に同じ)を添加し、40℃にて72時間作用させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭・イオン精製処理後、濃度50重量%まで濃縮した。その後、対固形分4%のラネーニッケル触媒の存在下で、水素圧50kg/cm、温度110℃にて反応時間90分で還元した。得られた澱粉分解質の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液をスプレードライヤーで粉末化し、実施例5の澱粉分解物を得た。
(比較例1)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した30重量%コーンスターチスラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼを加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEが23になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例1の澱粉分解物を得た。
(比較例2)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した30重量%コーンスターチスラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼを加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEが17になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例2の澱粉分解物を得た。
(比較例3)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した30重量%コーンスターチスラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼを加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEが13になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止した。この澱粉分解物の溶液をスプレードライヤーで粉末化し、比較例3の澱粉分解物を得た。
(比較例4)
35重量%塩酸でpH2に調整した30重量%コーンスターチスラリーを、温度条件130℃で、DE23まで分解した。分解後、水酸化ナトリウムで中和した。この澱粉分解質の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液を、スプレードライヤーで粉末化し、比較例4の澱粉分解物を得た。
(比較例5)
10重量%炭酸カルシウムでpH5.8に調整した24重量%コーンスターチスラリーに、対固形分0.2%のαアミラーゼを加え、温度110℃の下、ジェットクッカーで液化した。次に、αアミラーゼを対固形分0.1%添加し、経時的にDEを測定した。DEが7になった時点で、pH4になるよう塩酸で調整し、煮沸により反応を停止した。
反応停止後の糖液を、pH5.8に調整し、公知の方法により調整した麦芽のαアミラーゼ(「澱粉科学」第24巻、p42、1977)、及びプルラナーゼ(株式会社林原生物化学研究所製)を添加し、55℃にて48時間作用させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液を、スプレードライヤーで粉末化し、比較例5の澱粉分解物を得た。
(比較例6)
35重量%塩酸でpH2に調整した30重量%コーンスターチスラリーを、温度条件130℃で、DE13まで分解した。反応停止後の糖液を、pH5.8、35℃に調整し、枝作り酵素(実施例1に同じ)を添加し、72時間作用させた。この澱粉分解物の溶液を、活性炭・イオン精製処理・濃縮した。該濃縮液を、スプレードライヤーで粉末化し、比較例6の澱粉分解物を得た。
以上実施例1、2、参考例3、実施例4、5、及び比較例1〜6の澱粉分解物の作製概要を表1にまとめた。
Figure 0005507107
<枝切り酵素の酵素活性の測定>
ワキシーコーンスターチに枝切り酵素を作用させ,切断された直鎖の糖鎖をヨウ素溶液による呈色反応(波長610nmの吸光度)で測定して、吸光度の増加量から酵素活性を求めた。
具体的には、十分高濃度の酵素試料に対して、pH6.0の50mM酢酸緩衝液(20mM塩化カルシウム含)で希釈して酵素溶液を調整する。正確に測定するために、酵素活性量が後述の15〜25Unit/mLに入るようにした。また、加熱失活した酵素溶液をブランク溶液とした。
試験管に各々45±0.5℃に加温したpH6.0の50mM酢酸緩衝液(20mM塩化カルシウム含)0.1mLと0.5%リントナー可溶化ワキシーコーンスターチ溶液(基質溶液)0.35mLを正確に量りとり、それに、酵素溶液、または、ブランク溶液0.1mLを正確に加え、直ちに振り混ぜた。45±0.5℃で正確に15分間反応させた後,0.1Mヨウ化カリウム-0.01Mヨウ素-0.08N塩酸混合溶液0.5mLを加え反応を停止した。室温で正確に15分間放置した後、水を10mL加え十分に混合した。水を対照とし、610nmにおける吸光度を測定する。枝切り酵素活性量1Unitは、上記の条件で試験するとき、610nmにおける吸光度(ブランクとの差)を1分間に0.01増加させる酵素活性量とした。
<枝作り酵素の酵素活性の測定>
基質溶液として、0.1M酢酸 緩衝液(pH5.2)にアミロース(Sigma社製, A0512)を0.1重量%溶解したアミロース溶液を用いた。
50μLの基質液に50μLの酵素液を添加し、30℃で30分間反応させた後、ヨウ素-ヨウ化カリウム溶液(0.39mMヨウ素-6mMヨウ化カリウム-3.8mM塩酸混合用液)を2ml加え反応を停止させた。ブランク溶液として、酵素液の代わりに水を添加したものを調製した。 反応停止から15分後に660nmの吸光度を測定する。枝作り酵素の酵素活性量1単位は、上記の条件で試験する時、660nmの吸光度を1分間に1%低下させる酵素活性量とした。
<各指標項目の測定>
上記で作製した実施例1、2、参考例3、実施例4、5、及び比較例1〜6の澱粉分解物について、DP8〜19の含量、DP20以上の含量、DE、甘味度、固有粘度、浸透圧をそれぞれ測定した。それぞれの測定方法を以下、説明する。
DP測定は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)で、次の表2に示す条件設定の下で行った。各DPの含有量は、検出されたピークの面積比率により求めた。
Figure 0005507107
DEの測定は、「澱粉糖関連工業分析法」(澱粉糖技術部会編)の氷点降下度からの算出度に従って算出した。
「甘味度」の算出は、Pauliの全系列法(澱粉糖技術会報、第14号、1956、p44)に準じて行った。即ち、20℃で、10w/v%スクロースの甘味度を100として求めた。
「固有粘度」の測定は、GPCで以下の条件設定の下で行った。Shodex OHpak SB-806(昭和電工株式会社製)を用いて、50mg/mL糖質溶液100μLをこのカラムに供して、表3の条件で分析した。
Figure 0005507107
「浸透圧」は、浸透圧計(フィスケ社)を用いて測定した。
測定結果を表4に示す。表4に示す通り、枝切酵素と枝作り酵素を用いて作製した実施例1、2、参考例3、実施例4、5の澱粉分解物は、全てDP8〜19の含量が32%以上であり、かつ、DP20以上の含量が25%以下であった。
Figure 0005507107
また、DEと固有粘度の相関関係を図3に示す。図3の符号Xで示す領域が実施例領域であり、符号Yで示す領域は比較例領域である。図3に示す通り、同一のDE値を示す澱粉分解物は、実施例が比較例に比べて、低い固有粘度を示していることが分かる。
例えば、同一のDE値を示す実施例1、5の固有粘度(0.023)と、比較例1、4の固有粘度(0.030、0.027)とを比較すると、実施例1、5の固有粘度の方が、明らかに低い値を示している。また、同一のDE値を示す実施例2、参考例3の固有粘度(0.023、0.024)と、比較例2の固有粘度(0.032)とを比較すると、実施例2、参考例3の固有粘度の方が、明らかに低い値を示している。
また、本発明の澱粉分解物に各同一量の水を加えて攪拌すると低粘度となることが観察された。以上より、本発明に係る澱粉分解物は、同一のDE値を示す澱粉分解物に比べ、低粘度であることが分かった。
<用途試験:甘味度・後味の評価>
本試験では、本発明に係る澱粉分解物について、パネラーによる実際の甘味度・後味の官能評価を行った。
実施例1、2、参考例3、実施例4、5、比較例1〜6の澱粉分解物を10重量%含有する糖液を作製し、10人のパネラーにより後味についての官能評価を行った。本試験における評価方法は、表5の通りである。また、甘味度については表6、総合評価については表7の通りに評価を行った。
Figure 0005507107
Figure 0005507107
Figure 0005507107
結果を表8に示す。表8に示す通り、本発明に係る澱粉分解物は、全て総合評価で○以上がついた。後味とDP20以上の含量を比較すると、DP20以上の含量が高くなるにつれ、後味が悪くなることが分かる。比較例5の澱粉分解物は、DP20以上の含量が少ないため後味は良いが、その分甘味度が高い値を示し、総合評価は×となった。
Figure 0005507107
以上より、後味はDPの値に依存すること、及び、DP8〜19の含量とDP20以上の含量の両方が、本発明に係る澱粉分解物の範囲に入らない場合には、甘味度と後味のバランスが悪くなることが分かった。
<用途試験:飲料に用いた場合の味・香り・コク味の評価>
本試験では、本発明に係る澱粉分解物を飲料(ココア)に用いた場合の味・香り・コク味についての評価を行った。
表9に示す基本配合に従い、各試験区を添加したココアを瓶に詰めた。ココア瓶を120℃で10分間、オートクレーブ処理で殺菌した。基本配合中の砂糖の50重量%を、実施例若しくは比較例の澱粉分解物に置き換えて、それぞれの味・香り・コク味をそれぞれ好ましいと感じるか否かについて、10人のパネラーにより官能評価を行った。本試験における評価方法は、表10の通りである。また、総合評価は、上述の表7と同様に行った。
Figure 0005507107
Figure 0005507107
結果を表11に示す。表11に示すように、本発明に係る澱粉分解物は、飲食物であるココア飲料に配合した場合にも、味・香り・コク味の全てにおいて、良好であることが分かった。
Figure 0005507107
<用途試験:粉末化基材特性に関する評価>
本試験では、本発明に係る澱粉分解物の粉末化基材への適性を評価した。具体的には、実施例1、2、参考例3、実施例4、5、比較例1〜6の澱粉分解物の甘味・固有粘度・吸湿性をそれぞれ測定した。本試験における固有粘度の評価方法を表12、吸湿性の評価方法を表13に示す。また、甘味度は上述の表6、総合評価は表7と同様に行った。
Figure 0005507107
Figure 0005507107
結果を表14に示す。表14に示す通り、本発明に係る澱粉分解物の甘味度・固有粘度・吸湿性の評価は、全て良好であった。澱粉分解物を粉末化基材へ適用するには、甘味度・固有粘度・吸湿性が低いことが望まれる。従って、本試験より、本発明に係る澱粉分解物は、粉末化基材に大変適することが分かった。
Figure 0005507107
<用途試験:醤油の粉末化>
本試験では、本発明に係る澱粉分解物を、醤油の粉末化に利用した場合の適性を評価した。
本試験では、実施例2、比較例2、及び比較例3を用いた。表15に示す配合に従い、澱粉分解物、醤油、水で、スプレー供給液を調整した。具体的には、醤油と澱粉分解物の割合比率が1:5、スプレー供給液の粘度が、20℃において100±5mPa.sになるように調整した。尚、粘度は固形分55重量%に調製したスプレー供給液をレオメーターAR1000(ティー・エイ・インスツルメント社製)にて40℃の条件下で測定した。
Figure 0005507107
作製した粉末醤油を、RH92%、温度25℃で12時間保存した後の粉末の状態を評価した。本試験における評価方法を表16に、評価結果を表17に示す。
Figure 0005507107
Figure 0005507107
また、粉末醤油20gを30℃に保温した水100mLに溶解し、味・香りについて、10人のパネラーが、実施例2を用いた粉末醤油と、比較例2、及び3を用いた粉末醤油とを比較して、官能評価を行った。本試験における評価基準を表18に、評価結果を表19に示す。
Figure 0005507107
Figure 0005507107
本試験においては、実施例2の澱粉分解物を用いた場合の方が、比較例2、3の澱粉分解物を用いた場合に比べ、スプレー供給液を効率良く噴霧することができた。また、表17、14に示す通り、本発明に係る澱粉分解物を醤油の粉末化に用いた場合、吸湿性・味・香りの全てに関して良好であることが分かった。従って、本発明に係る澱粉分解物は、醤油の粉末化における粉末化基材として大変適することが分かった。
<用途試験:浸透圧調整剤>
本試験では、本発明に係る澱粉分解物の浸透圧調整剤への適性を評価した。具体的には、実施例1、2、参考例3、実施例4、5、比較例1〜6の澱粉分解物の甘味・固有粘度・浸透圧をそれぞれ測定した。本試験における浸透圧の評価方法を表20に示す。また、総合評価は、上述の表7と同様に行った。
Figure 0005507107
結果を表21に示す。表21に示す通り、本発明に係る澱粉分解物の甘味度・固有粘度・浸透圧の評価は、全て良好であった。澱粉分解物を浸透圧調整剤へ適用するには、甘味度・固有粘度・浸透圧が低いことが望まれる。従って、本試験より、本発明に係る澱粉分解物は、浸透圧調整剤に大変適することが分かった。
Figure 0005507107
<用途試験:スポーツ飲料>
本試験では、本発明に係る澱粉分解物を、スポーツ飲料に利用した場合の適性を評価した。
本試験では、実施例2、比較例2、及び比較例3を用いた。表22に示す配合に従い、スポーツ飲料を調整した。本粉末スポーツ飲料50gを1Lの水に溶解し、浸透圧を測定した。浸透圧は、全て230mOsm/Lであった。
Figure 0005507107
また、上記で調整したスポーツ飲料の味質・後味・のどごしについて、10人のパネラーが、実施例2を用いたスポーツ飲料と、比較例2、及び3を用いたスポーツ飲料とを比較して、官能評価を行った。本試験における評価基準は、上述の表18と同様である。結果を表23に示す。
Figure 0005507107
表23に示す通り、本発明に係る澱粉分解物を用いたスポーツ飲料は、味質・後味・のどごしの全てにおいて、良好であることが分かった。従って、本発明に係る澱粉分解物は、スポーツ飲料の浸透圧調整剤として大変適することが分かった。
<用途試験:流動食>
本試験では、本発明に係る澱粉分解物を、流動食に利用した場合の適性を評価した。
本試験では、実施例4、及び比較例2を用いた。表24に示す配合で混合し、5000mLに定容して、流動食を調整した。調整した流動食について、味質・嚥下しやすさについて、10人のパネラーが、実施例4を用いた流動食と、比較例2を用いた流動食とを比較して、官能評価を行った。本試験における評価基準を表25に示す。
Figure 0005507107
Figure 0005507107
結果を表26に示す。表26に示す通り、本発明に係る澱粉分解物を用いた流動食は、味質・嚥下しやすさの両方において、良好であることが分かった。従って、本発明に係る澱粉分解物は、流動食の炭水化物源として大変適することが分かった。
Figure 0005507107
本発明は、食品分野、医薬品分野などの一般に澱粉分解物を使用する用途で広範な利用が可能である。例えば、食品分野では、畜肉・魚肉加工品、液状および粉末状のタレ類・調味料類・飲料類、その他粉末食品類、乾燥食品類、小麦粉加工品類、菓子類、流動食類、栄養補助食品類、健康食品類(機能性食品類)、各種加工食品類とそれらの冷凍食品類、冷蔵食品類などの添加物あるいは配合組成物として利用できる。医薬品分野では、粉末製剤、顆粒製剤、打錠製剤、液状製剤などの賦形剤や炭水化物源等として用いることができる。

Claims (6)

  1. 澱粉または澱粉分解中間物に枝切り酵素および枝作り酵素を作用させて得られる、グルコース重合度(DP)8〜19の含量が40%以上かつ、グルコース重合度(DP)20以上の含量が20%以下の澱粉分解物(バチルス・サーキュランス由来のαーグルコシル転移酵素を用いて得られる澱粉分解物およびアルスロバクター・グロビホルミス由来のαーグルコシル転移酵素を用いて得られる澱粉分解物を除く)
  2. 前記枝切り酵素は、イソアミラーゼ(Isoamylase,glycogen 6-glucanohydrolase)であることを特徴とする請求項1記載の澱粉分解物。
  3. 請求項1または2項に記載の澱粉分解物を少なくとも含む食品添加剤。
  4. 請求項1または2項に記載の澱粉分解物を少なくとも含む飲食物。
  5. 請求項1または2項に記載の澱粉分解物を少なくとも含む薬剤。
  6. 澱粉分解物を製造する方法であって、
    澱粉または澱粉分解中間物に枝切り酵素および枝作り酵素を作用させる工程、
    澱粉または澱粉分解中間物に枝切り酵素を作用させた後に枝作り酵素を作用させる工程、
    または、
    澱粉または澱粉分解中間物に枝作り酵素を作用させた後に枝切り酵素を作用させる工程、
    を含む、請求項1または2に記載の澱粉分解物製造方法。
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