JP5506939B2 - 空調システム及び空調方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空調システム及び空調方法に関し、更に詳しくは、空間を空調するための空調システム及び空調方法に関する。
近年の地球温暖化や、世界規模で進行する経済産業の発展にともない、CO排出量の削減、或いはエネルギー消費量の削減を目的とする取り組みが重要視されている。このような背景から、オフィスビルや大型店舗などで消費されるエネルギーを削減し、省エネ化を推進するための技術が種々提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載された空気調和装置は、空調対象となる空間を区分して、複数の小領域を規定する。次に、小領域それぞれの輻射温度を計測し、小領域相互間の温度差に基づいて空調空気の吐出量を決定する。そして、輻射温度の高い領域に向かって空調空気が流れるように、空調空気の吐出方向を決定する。
また、特許文献2に記載された空気調和装置は、超音波センサ等を用いて、空気調和装置の設置位置から、当該空気調和装置を包囲する壁面までの距離を計測して、空調対象となる部屋の形状を推定する。そして、部屋の形状と、空調空気の吐出口の位置とを勘案して、空調空気の吐出方向と吐出角度を決定する。
特許第4337427号公報 特許第2723470号公報
特許文献1及び2に記載の空気調和装置を用いることで、空間の内部を満遍なく空調することが可能となる。しかしながら、これらの装置は、空間内の人の分布に関係なく空調を行うため、人がいない空間の空調制御に、無駄なエネルギーが消費されるという不都合がある。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、空間の空調を行う際に、当該空間に存在する人の位置を考慮して空調を行うことにより、空間内部に存在する人の周囲に快適な環境を形成しつつ、エネルギーの消費量を削減することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る空調システムは、空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する複数の吐出口と、記憶手段に記憶されるユーザの作業領域に関する情報に基づいて、吐出口に割り当てられた空調領域に対するユーザの作業領域の割合を算出する割合算出手段と、割合算出手段によって算出された作業領域の割合に応じた空調空気の吐出量を吐出口ごとに算出する吐出量算出手段と、吐出量算出手段による算出結果に基づいて、吐出口それぞれから吐出される空調空気の吐出量を調整する吐出量調整手段と、を有し、吐出量算出手段は、空調領域に対する作業領域の割合が零である場合には、吐出量を零とする
本発明の第2の観点に係る空調システムは、空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する吐出方向の角度を、水平方向から鉛直方向までの間で多段階に可変な複数の第1空調装置と、第1空調装置の設置位置からの距離に基づいて、第1空調装置の空調領域を複数の小領域に区分し、記憶手段に記憶されるユーザの作業領域に関する情報に基づいて、ユーザの作業領域を最も多く含む小領域を特定する特定手段と、特定手段に特定された小領域に向かって、空調空気を吐出するときの吐出方向の角度を算出する角度算出手段と、角度算出手段の算出結果に基づいて、吐出方向の角度を調整する角度調整手段と、を有する。
本発明の第の観点に係る空調方法は、空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する複数の吐出口に割り当てられた空調領域に対するユーザの作業領域の割合を、記憶手段に記憶されるユーザの作業領域に関する情報に基づいて算出する割合算出工程と、割合算出工程において算出された作業領域の割合に応じた空調空気の吐出量を吐出口ごとに算出する吐出量算出工程と、吐出口それぞれから、算出された吐出量の空調空気を吐出する吐出工程と、を含み、吐出量算出工程では、空調領域に対する作業領域の割合が零である場合には、吐出量が零と算出される
本発明の第4の観点に係る空調方法は、空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する吐出方向の角度を、水平方向から鉛直方向までの間で多段階に可変な空調装置を用いて、空間の空調を行うための空調方法であって、空調装置の設置位置からの距離に基づいて、空調装置の空調領域を複数の小領域に区分する工程と、記憶手段に記憶されるユーザの作業領域に関する情報に基づいて、ユーザの作業領域を最も多く含む小領域を特定する工程と、特定された小領域に向かって、空調空気を吐出するときの吐出方向の角度を算出する工程と、吐出方向の角度を、算出された角度に調整する工程と、を含む。
本発明によれば、ユーザの作業領域を考慮して、各吐出口から吐出される空調空気の吐出量及び吐出方向が決定される。これにより、ユーザ周囲の空調を優先的に行うとともに、ユーザが存在しないと考えられる領域への空調をセーブすることができる。したがって、空間内部に存在するユーザの周囲に快適な環境を形成しつつ、エネルギーの消費量を削減することが可能となる。
第1の実施形態に係る空調システムのブロック図である。 表示ユニットに表示される画面の一例を示す図である。 空調装置機種情報に関するデータテーブルを示す図である。 空調装置位置情報に関するデータテーブルを示す図である。 座席位置情報に関するデータテーブルを示す図である。 空調装置のブロック図である。 空調空気の吐出量を調整する手順を説明するためのフローチャートである。 空調空気の吐出量を調整する手順を説明するための図(その1)である。 空調空気の吐出量を調整する手順を説明するための図(その2)である。 空調空気の吐出量の調整が終了した後に、表示ユニットに表示される画面を示す図である。 空調空気の吐出方向を調整する手順を説明するためのフローチャートである。 空調空気の吐出方向を調整する手順を説明するための図である。 吐出口と空調領域との位置関係を示す図である。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る空調システム10のブロック図である。空調システム10は、例えばテナントやオフィスなど、複数のユーザがデスクワーク等を行う空間の空調を行うシステムである。
図1に示されるように、空調システム10は、管理装置20と、この管理装置20にネットワーク50を介して接続された8台の空調装置30を有している。
管理装置20は、通信ユニット21、制御ユニット22、表示ユニット23、入力ユニット24、及び記憶ユニット25を有している。
通信ユニット21は、例えば空調制御専用の通信インタフェース、シリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェース等を含んで構成されている。管理装置20は、通信ユニット21を介してネットワーク50に接続される。
表示ユニット23は、LCD(Liquid Crystal Display)或いはCRT(Cathode Ray Tube)などを含んで構成されている。この表示ユニット23は、制御ユニット22の処理結果や、空調装置30の運転状況などを表示する。
図2は、表示ユニット23に表示されるグラフィック画面の一例を示す図である。このグラフィック画面は、空間100のフロア100aの画像と、空間100に配置された机101、キャビネット102、及び複合機103を示す画像と、この画像に重ねて表示される8つのアイコン30i〜30iから構成されている。アイコン30i〜30iそれぞれは、空調装置30〜30を表し、これらのアイコン30i〜30iが表示される位置は、空間100における空調装置30〜30の位置に対応している。また、アイコン30i〜30iは、例えば空調空気の吐出量や、空調装置30〜30の運転状態に応じて、表示色が変わるようになっている。
入力ユニット24は、キーボードや、タッチパネル等を含んで構成されている。オペレータの指示は、この入力ユニット24を介して、制御ユニット22へ通知される。
記憶ユニット25は、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この記憶ユニット25には、空調装置30に関する空調装置接続情報25a、空調装置運転情報25b、空調装置機種情報25c、平面図情報25d、空調装置位置情報25e、及び座席位置情報25fが記憶されている。
空調装置接続情報25aには、管理装置20の管理対象となる空調装置30それぞれのアドレス番号に関する情報や、空調装置30がグループ化されている場合には当該空調装置30が属するグループに関する情報が含まれている。この空調装置接続情報25aは、空調システム10の立ち上げの際に、空調システム10の管理者等によって入力される。
空調装置運転情報25bには、空調装置30それぞれの出力、冷房或いは暖房などの運転モード、設定温度、空調装置30周囲の温度、空調空気の吐出量及び吐出方向などに関する情報が含まれている。この空調装置運転情報25bは、制御ユニット22が、通信ユニット21を介して、空調装置30と通信を行うことによって順次更新される。
空調装置機種情報25cは、例えば図3に示されるデータテーブルを参照するとわかるように、空調装置30それぞれの空調空気の吐出方向の数、空調空気の吐出量の切替段数、及びスイング機能の有無を含む情報である。なお、吐出量の切替段数は、例えば切替段が4である場合には、吐出量を4段階に調整することが可能であることを示す数値である。
この空調装置機種情報25cは、管理装置20が、ネットワーク50を介して、各空調装置30から受信することにより取得される。なお、空調システム10の管理者は、この空調装置機種情報25cを、入力ユニット24を介して入力することができる。
平面図情報25dは、空間100を構成するフロア100aの画像データである。この画像データは、例えば、電子データ化された空間100の配置図などであり、空調システム10の管理者によって入力される。この画像データは、図2を参照するとわかるように、表示ユニット23に表示される。
空調装置位置情報25eは、例えば図4に示されるデータテーブルを参照するとわかるように、空間100における空調装置30それぞれの位置を示す情報である。なお、空調装置30の位置は、空調装置30の中心位置をいうものとする。図2に示されるアイコン30iそれぞれは、この空調装置位置情報25eに基づいて、画面上に配置される。
空調装置30の位置は、図2を参照するとわかるように、空間100を構成するフロア100aの左下のコーナーを原点とするXY座標系における位置座標で規定される。この位置座標のX座標は、図4のデータテーブルに示されるように、原点からX軸に平行な方向への距離と等価であり、Y座標は、原点からY軸に平行な方向への距離と等価である。図2に示される画面上のアイコン30iの位置は、この空調装置位置情報25eによって規定される。
座席位置情報25fは、例えば図5に示されるデータテーブルを参照するとわかるように、12卓の机101によって構成される作業領域A1〜A4それぞれの位置及び大きさを示す情報である。なお、作業領域A1〜A4の位置は、作業領域A1〜A4の左下のコーナーの位置をいうものとする。図2に示される作業領域A1〜A4の位置は、座席位置情報25fによって規定される。
作業領域A1〜A4の位置は、図2を参照するとわかるように、空間100を構成するフロア100aの左下のコーナーを原点とするXY座標系における位置座標で規定される。この位置座標のX座標は、図5のデータテーブルに示されるように、原点からX軸に平行な方向への距離と等価であり、Y座標は、原点からY軸に平行な方向への距離と等価である。また、作業領域A1〜A4の大きさは、X軸に平行な方向の大きさ(横幅)と、Y軸に平行な方向の大きさ(奥行き)とで規定される。図2に示される画面上の作業領域A1〜A4は、この座席位置情報25fによって位置と大きさが規定される。
制御ユニット22は、CPU、CPUの作業領域となるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。この制御ユニット22は、記憶ユニット25に保存された情報に基づいて、空調装置30それぞれの出力、運転モード、空調空気の吐出量、空調空気の吐出方向などを算出する。そして、算出結果を通信ユニット21へ出力する。これにより、算出結果が、通信ユニット21を介して、各空調装置30へ出力される。また、制御ユニット22は、空調装置30の運転状況などの情報を、通信ユニット21を介して受信し、表示ユニット23へ出力する。これにより、表示ユニット23を介して、各空調装置30の監視が可能になる。
なお、図1には図示されていないが、空調システム10は、空間100と外気との間で熱交換を行う熱交換器(室外機)なども有している。
図1に戻り、空調装置30それぞれは、空間100へ調和した空気を吐出する装置である。これらの空調装置30は、空間100の天井に配置され、調和した空調空気を4方向へ吐出する。例えば、図2を参照するとわかるように、空調装置30は、2行4列のマトリクス状に配置され、空調空気をX軸方向及びY軸方向へ吐出する。
図6は、空調装置30のブロック図である。図6に示されるように、空調装置30は、通信ユニット31、制御ユニット32、吐出量切替装置33、吐出方向切替装置34、及び記憶ユニット35を有している。
通信ユニット31は、例えば空調制御専用の通信インタフェース、シリアルインタフェースまたはLANインタフェース等を含んで構成されている。空調装置30は、通信ユニット31を介してネットワーク50に接続されている。
吐出量切替装置33は、制御ユニット32からの指示に基づいて、空調空気の吐出量を多段階に調整する。本実施形態では、吐出量切替装置33は、空調空気の吐出量を、強、中、弱、微風の4段階に調整したうえで、空間100に空調空気を吐出する。
吐出方向切替装置34は、空調空気の吐出方向を上下方向に切り替えるルーバーを有している。そして、制御ユニット32からの指示に基づいて、空調空気の吐出方向を、上下方向に多段階に調整する
記憶ユニット35は、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この記憶ユニット35には、空調装置30それぞれの仕様に関する吐出口形状情報35a、吐出量段数情報35b、及び吐出方向段数情報35cが記憶されている。
吐出口形状情報35aは、吐出口の数と、吐出口の形状とを識別するための情報である。
吐出量段数情報35bは、空調空気の最大の吐出量と、この最大の吐出量をいくつの段階で調整することができるかを判断するための情報である。この吐出量段数情報35bによって、例えば、空調装置30が、空調空気の吐出量を強、中、弱の3段階に切り替えることが可能であるか、又は強、中、弱、微風の4段階に切り替えることが可能であるか等を判断することができる。
吐出方向段数情報35cは、空調空気の吐出方向をいくつの段階で調整することができるかを判断するための情報である。この吐出方向段数情報35cによって、例えば、空調装置30が、空調空気の吐出方向を上下方向に例えば15度ずつ6段階で切り替えることが可能であるか、22.5度ずつ4段階で切り替えることが可能であるか、又は30度ずつ3段階に切り替えることが可能であるか等を判断することができる。なお、1段あたりの角度は、比例的に算出する必要はなく、例えば1段目は10度、2段目は15度、3段目は35度といったように、各段の角度が機種に応じて予め規定されていることとしてもよい。
制御ユニット32は、CPU、CPUの作業領域となるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。この制御ユニット32は、必要に応じて通信ユニット31を介して、空調装置30と通信を行う。また、不図示のセンサを介して取得した空調装置30の周囲温度に関する情報を、通信ユニット31へ出力する。通信ユニット31に出力された情報は、管理装置20へ送信される。
次に、上述のように構成された空調システム10における空調装置30それぞれの吐出量の調整手順について説明する。管理装置20の制御ユニット22は、起動されると同時に記憶ユニット25に保存されたプログラムを読み込み実行する。次に、例えば入力ユニット24を介して、ユーザからの運転指令を受信すると、図7に示されるフローチャートで表される処理を実行する。
最初のステップS201では、制御ユニット22は、カウンタ値nをリセットする。
次のステップS202では、制御ユニット22は、カウンタ値nをインクリメントする。
次のステップS203では、制御ユニット22は、通信ユニット21を介して、空調装置30の吐出口形状情報を取得する。
次のステップS204では、制御ユニット22は、通信ユニット21を介して、空調装置30の吐出量段数情報を取得する。
次のステップS205では、制御ユニット22は、取得した吐出口形状情報35aと、吐出量段数情報35bに基づいて、空調装置30の吐出口それぞれに対応した空調領域を規定する。
具体的には、まず制御ユニット22は、空調装置30の吐出口形状情報35aに基づいて、空調装置30全体の空調領域を規定する。例えば、空調装置30が、異なる方向を向いた4つの吐出口を有し、吐出口それぞれの形状が、空調装置30の縁に沿った長方形である場合は、例えば図8に示されるように、空調装置30を中心とする円形の空調領域Rが特定される。この空調領域Rの半径は、空調装置30から吐出された空調空気の最大到達距離に応じて決定される。
次に、制御ユニット22は、円形の空調領域Rを、それぞれの吐出口の配置位置に基づいて分割する。例えば、空調装置30が異なる方向を向く4つの吐出口を有している場合は、空調領域Rを、吐出口の位置に応じて4つの扇状の空調領域R1〜R4に分割する。これにより、空調装置30の吐出口それぞれに割り当てられた空調領域R1〜R4が規定される。制御ユニット22は、空調領域R1〜R4を規定すると、次のステップS206へ移行する。
ステップS206では、制御ユニット22は、記憶ユニット25に記憶された空調装置30の空調装置位置情報25eを読み出す。
次のステップS207では、制御ユニット22は、記憶ユニット25に記憶された座席位置情報25fを読み出す。
次のステップS208では、制御ユニット22は、空調領域R1〜R4それぞれに占める作業領域A1〜A4の割合を算出する。例えば図8に示されるように、空調領域R1に、作業領域A1が含まれる場合は、制御ユニット22は、空調装置位置情報25eに含まれる空調装置30の位置と、座席位置情報25fに含まれる作業領域A1の位置情報(XY座標)と、横幅及び奥行きに関する情報とに基づいて、空調領域R1に占める作業領域A1の割合を算出する。同様に、制御ユニット22は、空調領域R2〜R3に占める作業領域の割合を算出する。
次のステップS209では、制御ユニット22は、空調領域R1〜R4に占める作業領域の割合に応じて、空調装置30が備える吐出口からの空調空気の吐出量を決定する。例えば作業領域の割合が60%以上である場合には、吐出量を強レベル(最大)に決定する。また、割合が40%以上で60%未満である場合には、吐出量を中レベルに決定する。また、割合が20%以上で40%未満である場合には、吐出量を小レベルに決定する。また、割合が5%以上で20%未満である場合には、吐出量を微風レベルに決定する。また、割合が5%未満である場合には、吐出量を零と決定する。
図8に示されるように、空調領域R1に占める作業領域A1の割合は、65%程度である。したがって、空調領域R1に対応する吐出口からの空調空気の吐出量のレベルは強レベルと決定される。また、空調領域R2に占める作業領域A2の割合は、30%程度である。したがって、空調領域R2に対応する吐出口からの空調空気の吐出量のレベルは小レベルと決定される。また、空調領域R3に占める作業領域の割合は、0%である。したがって、空調領域R3に対応する吐出口からの空調空気の吐出量は零と決定される。また、空調領域R4に占める作業領域A1の割合は10%程度である。したがって、空調領域R4に対応する吐出口からの空調空気の吐出量のレベルは微風レベルと決定される。
次のステップS210では、制御ユニット22は、通信ユニット21を介して、空調装置30へ各吐出口からの吐出量に関する情報を出力する。空調装置30の制御ユニット32は、吐出量に関する情報を受信すると、吐出量切替装置33に、各吐出口からの空調空気の吐出量を通知する。これにより、吐出量切替装置33によって、各吐出口からの吐出量が調整される。
図9は、空調装置30からの空調空気の吐出量を模式的に示す図である。例えば図9の矢印の長さに示されるように、空調装置30が備える吐出口から吐出される空調空気の吐出量は、各吐出口に割り当てられた空調領域R1〜R2に占める作業領域の割合に応じて決定される。
次のステップS211では、制御ユニット22は、カウンタ値nが8以上であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合は、制御ユニット22は、ステップS202に戻る。そして、ステップS211での判断が肯定されるまで、ステップS202〜ステップS211までの処理を繰り返し実行する。これにより、順次空調装置30〜30の吐出口から吐出される空調空気の吐出量が調整される。
一方、ステップS211での判断が肯定された場合は(ステップS211:Yes)、制御ユニット22は、吐出量を調整するための処理を終了する。
図10は、吐出量の調整が終了した後に、表示ユニット23に表示される画面を示す図である。図10の矢印に示されるように、各空調装置30〜30の吐出口からは、空調装置30〜30の各吐出口に割り当てられた空調領域R1〜R4に占める作業領域A1〜A4の割合に応じて規定された量の空調空気が、それぞれ吐出される。
以上説明したように、本実施形態では、空調装置30〜30が備える吐出口それぞれに割り当てられた空調領域R1〜R4に占める作業領域A1〜A4の割合に応じて、各空調装置30〜30の吐出口から吐出される空調空気の吐出量が調整される。これにより、机101からなる作業領域A1〜A4の空調が重点的に行われ、キャビネット102及び複合機103などが設置されたスペースや通路への空調が制限される。したがって、空間100の内部で作業するユーザの周囲に快適な環境を形成しつつ、空間100の空調に要するエネルギーの消費量を削減することが可能となる。
本実施形態では、空調領域R1〜R4それぞれに占める作業領域A1〜A4の割合に応じて、対応する吐出口から吐出される空調空気の吐出量が決定される。このため、作業領域やその近傍の温度を計測するための温度センサや、空調装置30から作業領域までの距離を計測する距離センサ等を用いることなく、空間100の空調を効率的に行うことができる。このため、装置の低コスト化を図ることが可能となる。
本実施形態では、空調領域R1〜R4それぞれに占める作業領域A1〜A4の割合に応じて、対応する吐出口から吐出される空調空気の吐出量が決定される。このため、机101のレイアウトを変更したとしても、レイアウト変更後に、空調領域に占める作業領域の割合が再度算出され、各吐出口について適切な吐出量が再度決定される。このため、空間100のレイアウトの変更に柔軟に対応する空調を実現することができる。
なお、本実施形態では、管理装置20の制御ユニット22が、強、中、弱、微風の4段階に、吐出量を決定した。これに限らず、管理装置20の制御ユニット22が、空調領域R1〜R4における作業領域A1〜A4の割合に応じた吐出量X(L/s)を算出し、これを空調装置30に出力することとしてもよい。この場合、空調装置30の制御ユニット32は、吐出量Xに相当する段に応じた吐出量を設定する。
本実施形態では、空調装置30の吐出口に割り当てられた空調領域における作業領域の割合に応じて、吐出口からの吐出量を決定した。具体的には、作業領域の割合が60%以上である場合には、吐出量を強レベル(最大)に決定した。また、割合が40%以上で60%未満である場合には、吐出量を中レベルに決定した。また、割合が20%以上で40%未満である場合には、吐出量を小レベルに決定した。また、割合が5%以上で20%未満である場合には、吐出量を微風レベルに決定した。また、割合が5%未満である場合には、吐出量を零と決定した。
上記割合の範囲は一例であり、例えば作業領域の占める大きさに応じて、最適な範囲を決めることで、空調システム10の運転の効率化を図るとともに、ユーザの快適性を確保することができる。例えば、作業領域が、本実施形態における作業領域A1〜A4に比べて小さい場合は、空調領域における作業領域の割合が低くなる。また、作業領域が、本実施形態における作業領域A1〜A4に比べて大きい場合は、空調領域における作業領域の割合が高くなる。このため、これらの作業領域の面積や、フロア100aにおける作業領域の割合を勘案して、管理装置20の制御ユニット22が、上記割合の範囲を決めることとしてもよい。これにより、空調システム10の運転の効率化を図るとともに、ユーザの快適性を確保することができる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態に係る空調システム10について説明する。なお、第1の実施形態と同一又は同等の構成については、同等の符号を用いるとともに、その説明を省略又は簡略する。
本実施形態に係る空調システム10は、空調領域に占める作業領域の割合に応じてルーバーの角度を調整することにより、空調空気の吐出方向を調整する点で、第1の実施形態に係る空調システム10と相違している。
以下、本実施形態に係る吐出方向の調整手順について説明する。管理装置20の制御ユニット22は、起動されると同時に記憶ユニット25に保存されたプログラムを読み込み実行する。次に、例えば入力ユニット24を介して、ユーザからの運転指令を受信すると、図11に示されるフローチャートで表される処理を実行する。
最初のステップS301では、制御ユニット22は、カウンタ値nをリセットする。
次のステップS302では、制御ユニット22は、カウンタ値nをインクリメントする。
次のステップS303では、制御ユニット22は、通信ユニット21を介して、空調装置30の吐出口形状情報を取得する。
次のステップS304では、制御ユニット22は、通信ユニット21を介して、空調装置30の吐出方向段数情報を取得する。
次のステップS305では、制御ユニット22は、取得した吐出口形状情報35aと、吐出方向段数情報35cに基づいて、空調装置30の吐出口それぞれに対応した空調領域を規定する。
具体的には、まず制御ユニット22は、空調装置30の吐出口形状情報35aに基づいて、空調装置30全体の空調領域を規定する。例えば、空調装置30が、異なる方向を向いた4つの吐出口を有し、吐出口それぞれの形状が、空調装置30の縁に沿った長方形である場合は、例えば図12に示されるように、空調装置30を中心とする円形の空調領域Rが特定される。なお、空調領域Rの半径は、空調装置30から吐出された空調空気の最大到達距離に応じて決定される。
次に、制御ユニット22は、円形の空調領域Rを、それぞれの吐出口の配置位置に基づいて分割する。例えば、空調装置30が異なる方向を向く4つの吐出口を有している場合は、空調領域Rを、吐出口の位置に応じて4つの扇状の空調領域R1〜R4に分割する。これにより、空調装置30の吐出口それぞれに割り当てられた空調領域R1〜R4が規定される。
次に、制御ユニット22は、各空調領域R1〜R4を、それぞれ吐出方向の切替段数に応じて分割する。例えば、空調装置30が、吐出方向を上下に4段階に調整することが可能な機能を持っている場合には、空調装置30からの距離に応じて空調領域R1を4等分する。これにより、図12に示されるように、中心角が等しい扇状の4つの空調領域r1〜r4が規定される。
制御ユニット22は、空調領域R2〜R4についても、上述の処理を実行する。これにより、空調領域R2〜R4それぞれが分割され、各空調領域R2〜R4に扇状の4つの空調領域r1〜r4が規定される。制御ユニット22は、空調領域R1〜R4それぞれについて空調領域r1〜r4を規定すると、次のステップS306へ移行する。
ステップS306では、制御ユニット22は、記憶ユニット25に記憶された空調装置30の空調装置位置情報25eを読み出す。
次のステップS307では、制御ユニット22は、記憶ユニット25に記憶された座席位置情報25fを読み出す。
次のステップS308では、制御ユニット22は、空調領域R1〜R4それぞれに占める作業領域A1〜A4の割合を、空調領域r1〜r4ごとに算出する。例えば図12に示されるように、空調領域R1に作業領域A1,A2が含まれる場合は、制御ユニット22は、空調装置位置情報25eに含まれる空調装置30の位置と、座席位置情報25fに含まれる作業領域A1,A2の位置情報(XY座標)と、横幅及び奥行きに関する情報とに基づいて、空調領域R1に占める作業領域A1,A2の割合を、空調領域r1〜r4ごとに算出する。同様に、制御ユニット22は、空調領域R2〜R3に占める作業領域の割合を、空調領域r1〜r4ごとに算出する。
次のステップS309では、制御ユニット22は、空調領域R1を構成する空調領域r1〜r4それぞれに占める作業領域の割合に応じて、空調領域R1に対応する吐出口から吐出される空調空気の吐出方向を決定する。
図13は、点Pで示される吐出口と、空調領域r1〜r4との位置関係を示す図である。例えば、図13に示されるように、空調装置30が、吐出方向を矢印a〜dに示されるように、4段階に調整することができる場合には、制御ユニット22は、空調領域r1での作業領域の割合が最も高い場合には、吐出方向を矢印aに示される方向に決定する。また、空調領域r2での作業領域の割合が最も高い場合には、吐出方向を矢印bに示される方向に決定する。また、空調領域r3での作業領域の割合が最も高い場合には、吐出方向を矢印cに示される方向に決定する。また、空調領域r4での作業領域の割合が最も高い場合には、吐出方向を矢印dに示される方向に決定する。制御ユニット22は、空調領域R2〜R4に対応する吐出口からの空調空気の吐出方向についても、上述の手順で決定する。
なお、空調領域に作業領域が含まれない場合や、空調領域r1〜r4相互間で、作業領域の割合が同等である場合には、ルーバーをスイングさせることで、吐出方向を矢印aに示される方向から、矢印dに示される方向まで順次切り替えることが考えられる。
次のステップS310では、制御ユニット22は、通信ユニット21を介して、空調装置30へ各吐出口から吐出される空調空気の吐出方向に関する情報を出力する。空調装置30の制御ユニット32は、吐出方向に関する情報を受信すると、吐出方向切替装置34に、空調空気の吐出方向を通知する。これにより、吐出方向切替装置34によって、各吐出口での吐出方向が調整される。
次のステップS311では、制御ユニット22は、カウンタ値nが8以上であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合は(ステップS311:No)、制御ユニット22は、ステップS302に戻る。そして、ステップS311での判断が肯定されるまで、ステップS302〜ステップS311までの処理を繰り返し実行する。これにより、順次空調装置30〜30が備える吐出口から吐出される空調空気の吐出方向が調整される。
一方、ステップS311での判断が肯定された場合は(ステップS311:Yes)、制御ユニット22は、吐出量を調整するための処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、空調装置30〜30が備える吐出口それぞれに割り当てられた空調領域に占める作業領域A1〜A4の割合に応じて、各空調装置30〜30の吐出口から吐出される空調空気の吐出方向が調整される。これにより、机101からなる作業領域A1〜A4の空調が重点的に行われ、キャビネット102及び複合機103などが設置されたスペースや、通路への空調が制限される。したがって、空間100の内部で作業するユーザの周囲に快適な環境を形成しつつ、空間100の空調に要するエネルギーの消費量を削減することが可能となる。
本実施形態では、人のいる作業領域に優先的に口調空気が吐出される。このため、ユーザの体感温度が低下し、空調装置の設定温度が高めに維持されることとなる。これにより、空間100の空調に要するエネルギーの消費量を削減することが可能となる。
本実施形態では、空調領域R1〜R4それぞれに占める作業領域A1〜A4の割合に応じて、対応する吐出口から吐出される空調空気の吐出方向が決定される。このため、机101のレイアウトを変更したとしても、レイアウト変更後に、空調領域に占める作業領域の割合が再度算出され、各吐出口について適切な吐出方向が再度決定される。このため、空間100のレイアウトの変更に柔軟に対応する空調を実現することができる。
なお、本実施形態では、空調領域R1〜R4が、空調装置30からの距離に応じて、4つの空調領域r1〜r4に区分される場合について説明した。これに限らず、空調装置30とフロア100aとの距離を考慮して、空調領域R1〜R4を区分することとしてもよい。例えば、空調領域r1〜r4それぞれの面積が相互に等しくなるように、空調領域R1〜R4を複数の領域に区分してもよい。
本実施形態では、空調領域R1〜R4が吐出方向の段数に応じて4つの空調領域r1〜r4に区分される場合について説明した。これに限らず、空調領域R1〜R4は、2つ又は3つ、或いは5つ以上の空調領域に区分されることとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。例えば上記実施形態では、第1の実施形態で、吐出量を調整する場合を説明し、第2の実施形態で、吐出方向を調整する場合を説明した。これに限らず、空調システム10は、吐出量を調整する機能、及び吐出方向を調整する機能の双方を有していてもよい。
この場合には、吐出方向に応じて、吐出量を調整することとしてもよい。例えば、空調空気の吐出方向が調整されることで、空調空気が空調領域に至るまでの経路長が変わる。この場合には、当該経路の長さに比例するように、吐出量を増加させることが考えられる。これにより、空調装置30からの距離にかかわらずユーザの周囲に快適な環境を形成することが可能となる。また、空間100を温度ムラを生じさせることなく、効率的に空調することが可能となる。
また、空調装置30の吐出量或いは吐出方向の段数は、例えば空調装置30の制御ユニット32が実行するプログラムのパラメータにより規定されている場合や、空調装置30に設けられたディップスイッチ等で規定されている場合が考えられる。
上記実施形態では、画面に表示されるアイコン30iや、作業領域A1〜A4それぞれは、空調装置位置情報25e、座席位置情報25fに基づいて配置された。これに限らず、アイコン30iや、作業領域A1〜A4それぞれは、例えば空調システム10の管理者等によって配置されることとしてもよい。
上記実施形態では、作業領域A1〜A4が机101によって規定されている場合について説明した。これに限らず、空調システム10の管理者が、別途作業領域を設定してもよい。
上記実施形態では、空間100のフロア100aの画像を、管理者が入力することとした。これに限らず、フロアの配置図を、管理装置20がスキャナ等を介して取り込むこととしてもよい。この場合には配置図に、作業領域A1〜A4を示すマークや、空調装置30を示すマークを書き込んでおくことで、空調装置位置情報25eや、座席位置情報25fと同等の情報を得ることができる。これにより、空調システム10の初期設定を容易に行うことが可能となる。
上記実施形態では、空調装置30が、4方向へ空調空気を吐出することが可能な装置であるものとして説明を行った。これに限らず、空調装置30は、3方向、2方向、或いは1方向へ空調空気を吐出するものであってもよく、5方向以上の方向へ、空調空気を吐出するものであってもよい。例えば、空間100の壁近傍に配置される空調装置30が、1方向にのみ空調空気を吐出する空調装置である場合にも、本発明を適用することができる。
上記実施形態では、すべての空調装置30が、空調空気の吐出量及び吐出方向を制御することができるものとして説明を行った。これに限らず、空調システム10は、空調空気の吐出量又は吐出方向を調整することができない空調装置を含んでいてもよい。この場合は、空間100から、当該空調装置の空調領域を除外した領域に、空調空気の吐出量及び吐出方向を制御することが可能な空調装置30の空調領域を規定して、この空調領域に占める作業領域の割合に応じて、空調空気の吐出量及び吐出方向を調整すればよい。これにより、空調空気の吐出量又は吐出方向を調整することができない空調装置の空調領域以外の領域が、空調装置30によって効率よく空調されるので、結果的に、ユーザの周囲に快適な環境を形成しつつ、空間100の空調に要するエネルギーの消費量を削減することが可能となる。
上記実施形態では、空調システム10が、8台の空調装置30を有している場合について説明した。これに限らず、空調システム10は、7台以下、或いは9台以上の空調装置30を有していてもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本出願は、2010年9月17日に出願された、日本国特許出願2010−210120号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2010−210120号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照して取り込むものとする。
本発明の空調システム及び空調方法は、ユーザが作業等を行う空間の空調を行うのに適している。
10 空調システム
20 管理装置
21 通信ユニット
22 制御ユニット
23 表示ユニット
24 入力ユニット
25 記憶ユニット
25a 空調装置接続情報
25b 空調装置運転情報
25c 空調装置機種情報
25d 平面図情報
25e 空調装置位置情報
25f 座席位置情報
30 空調装置
30i アイコン
31 通信ユニット
32 制御ユニット
33 吐出量切替装置
34 吐出方向切替装置
35 記憶ユニット
35a 吐出口形状情報
35b 吐出量段数情報
35c 吐出方向段数情報
50 ネットワーク
100 空間
100a フロア
101 机
102 キャビネット
103 複合機
A1〜A4 作業領域
R,R1〜R4,r1〜r4 空調領域

Claims (10)

  1. 空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する複数の吐出口と、
    記憶手段に記憶されるユーザの作業領域に関する情報に基づいて、前記吐出口に割り当てられた空調領域に対するユーザの前記作業領域の割合を算出する割合算出手段と、
    前記割合算出手段によって算出された前記作業領域の割合に応じ前記空調空気の吐出量を前記吐出口ごとに算出する吐出量算出手段と、
    前記吐出量算出手段による算出結果に基づいて、前記吐出口それぞれから吐出される前記空調空気の吐出量を調整する吐出量調整手段と、
    を有し、
    前記吐出量算出手段は、前記空調領域に対する前記作業領域の割合が零である場合には、前記吐出量を零とする空調システム。
  2. 前記空間に分散配置され、前記吐出口と前記吐出量調整手段とを有する複数の第1空調装置を備える請求項に記載の空調システム。
  3. 前記吐出量算出手段は、前記空間における前記第1空調装置の位置情報と、前記空間における前記作業領域の位置情報とに基づいて、前記空調空気の吐出量を算出する請求項に記載の空調システム。
  4. 前記吐出量算出手段は、前記空調空気の吐出量が不変の第2空調装置が、前記空間に配置されている場合に、前記第2空調装置の空調領域を除外した領域を、前記第1空調装置の空調領域として、前記空調空気の吐出量を算出する請求項に記載の空調システム。
  5. 空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する吐出方向の角度を、水平方向から鉛直方向までの間で多段階に可変な複数の第1空調装置と、
    前記第1空調装置の設置位置からの距離に基づいて、前記第1空調装置の空調領域を複数の小領域に区分し、記憶手段に記憶されるユーザの作業領域に関する情報に基づいて、ユーザの前記作業領域を最も多く含む小領域を特定する特定手段と、
    前記特定手段に特定された前記小領域に向かって、前記空調空気を吐出するときの前記吐出方向の角度を算出する角度算出手段と、
    前記角度算出手段の算出結果に基づいて、前記吐出方向の角度を調整する角度調整手段と、
    を有する空調システム。
  6. 前記特定手段に特定された前記小領域と前記第1空調装置との距離に応じた量の空調空気を吐出する吐出手段を備える請求項に記載の空調システム。
  7. 前記特定手段は、前記空調空気の吐出量が不変の第2空調装置が、前記空間に配置されている場合に、前記第2空調装置の空調領域を除外した領域を、前記第1空調装置の空調領域として、前記小領域を特定する請求項5又は6に記載の空調システム。
  8. 前記空間のフロアの画像に写る机の位置から、前記作業領域を特定する作業領域特定手段を有する請求項1から7のいずれか一項に記載の空調システム。
  9. 空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する複数の吐出口に割り当てられた空調領域に対するユーザの作業領域の割合を、記憶手段に記憶されるユーザの前記作業領域に関する情報に基づいて算出する割合算出工程と、
    前記割合算出工程において算出された前記作業領域の割合に応じ前記空調空気の吐出量を前記吐出口ごとに算出する吐出量算出工程と
    記吐出口それぞれから、算出された吐出量の前記空調空気を吐出する吐出工程と、を含み、
    前記吐出量算出工程では、前記空調領域に対する前記作業領域の割合が零である場合には、前記吐出量が零と算出される空調方法。
  10. 空調対象となる空間に分散配置され、空調空気を吐出する吐出方向の角度を、水平方向から鉛直方向までの間で多段階に可変な空調装置を用いて、前記空間の空調を行うための空調方法であって、
    前記空調装置の設置位置からの距離に基づいて、前記空調装置の空調領域を複数の小領域に区分する工程と、
    記憶手段に記憶されるユーザの作業領域に関する情報に基づいて、ユーザの前記作業領域を最も多く含む小領域を特定する工程と、
    特定された前記小領域に向かって、前記空調空気を吐出するときの前記吐出方向の角度を算出する工程と
    記吐出方向の角度を、算出された角度に調整する工程と、を含む空調方法。
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