JP5506744B2 - 座屈拘束ブレース - Google Patents

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    • E04H9/02Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate withstanding earthquake or sinking of ground
    • E04H9/021Bearing, supporting or connecting constructions specially adapted for such buildings
    • E04H9/0237Structural braces with damping devices

Description

本発明は、座屈拘束ブレースに関し、さらに詳しくは、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造等の構造物に組み込まれて地震等による振動エネルギーを吸収する際に軸材が座屈しないように構成された座屈拘束ブレースに関するものである。
従来より、鉄骨構造等の構造物にブレースを組み込み、地震等による振動エネルギーをブレースに吸収させて、地震等による構造物の倒壊を防ぐことが行われている。この種のブレースとしては、地震等による振動エネルギーを吸収する際に軸材が座屈しないように構成された座屈拘束ブレースが知られている。
例えば特許文献1には、建築構造物に設置されて地震発生時の振動エネルギーを吸収する軸力管と、この軸力管の外周を覆って軸力管を座屈補剛する補剛管とを有する二重鋼管型ブレース材が開示されている。この軸力管は低降伏点鋼管で構成されており、軸力管の全範囲で振動エネルギーを吸収させるようにしている。
また、特許文献2には、棒状の鋼材からなる芯材と、この芯材の外周に沿って設けられて前記芯材の座屈を拘束する拘束材とからなり、棒状の鋼材の長さ方向の中間を、熱間加工により断面寸法を小さくした座屈拘束ブレースが開示されている。このブレースでは、芯材の断面寸法を小さくした部分で振動エネルギーを吸収させるようにしている。
特開2008−223415号公報 特開2009−138411号公報
しかしながら、特許文献1のように、軸力管の全範囲で振動エネルギーを吸収させる構成では、振動エネルギーの吸収部位が明確でなく、さらに、振動エネルギーの吸収効果が十分でない場合があった。
一方、特許文献2のように、芯材の一部分で振動エネルギーを吸収させる場合には、次のような問題があった。
すなわち、例えば特許文献2のように、熱間加工により芯材の一部分の断面寸法を小さくする方法では、芯材が大径になると加工が困難になるため、例えば中層ビルや高層ビルなどでの鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に組み込む大径のブレースには適用しにくい。また、特許文献2の構成では、地震後のブレースの取り替えに際し、芯材の断面寸法を小さくした部分のみを取り替えることはできず、ブレース全体を取り替えることになるため、コストが増大する。
また、複数の部材を溶接により接合することによって、芯材の断面積を異ならせる、あるいは、芯材の一部を塑性変形しやすい材料にすることも考えられるが、この場合には、溶接による熱影響で芯材を傷める、あるいは、溶接継目によるブレースの耐力低下のおそれがある。これらの構成の場合にも、地震後のブレースの取り替えに際し、ブレース全体を取り替えることになるため、コストが増大する。
本発明が解決しようとする課題は、振動エネルギーの吸収能力に優れるとともに、加工による性状劣化を回避し、さらに、中層または高層の鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に適用可能な座屈拘束ブレースを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る座屈拘束ブレースは、軸材と、前記軸材の外周を覆って前記軸材の座屈を拘束する拘束材と、を備えた座屈拘束ブレースであって、前記軸材は、棒状または管状の一対の鋼材と前記一対の鋼材よりも断面積の小さい棒状鋼材とが前記一対の鋼材で前記棒状鋼材を挟むように同軸に螺合されたものから構成され、前記棒状部材は取り替え可能であるとともに、前記棒状鋼材の弾塑性変形により前記軸材の軸方向の引張力および圧縮力を吸収させるようにしたことを要旨とするものである。
この際、前記棒状鋼材の外径は、30mm以上であることが好ましい。そして、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいては、軸材の棒状鋼材と拘束材との間の隙間に隙間材が配置されていることが好ましい。そして、本発明に係る座屈拘束ブレースは、中層または高層の鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に好適に用いられる。
本発明に係る座屈拘束ブレースによれば、軸材が棒状または管状の一対の鋼材とこの一対の鋼材よりも断面積の小さい棒状鋼材とにより構成されているため、この棒状鋼材で効果的に振動エネルギーを吸収できる。したがって、振動エネルギーの吸収能力に優れる。そして、一対の鋼材と棒状鋼材とが別部材で構成されているとともに螺合により接合されているため、溶接などの加工による性状劣化を回避できるとともに、大径のものにも対応できるため、中層または高層の鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に適用できる。
この際、軸材の棒状鋼材と拘束材との間の隙間に隙間材が配置されていると、棒状鋼材が変形したときに隙間材が緩衝材となり、棒状鋼材に生じる応力を分散させて1箇所に応力が集中しないようにすることができる。これにより、棒状鋼材が変形した時の耐力が安定するため、振動エネルギーを吸収するという軸材の機能を、軸材の変形時においても安定して維持することができる。
本発明の一実施形態に係る座屈拘束ブレースの内部構造を示した図である。 図1に示す座屈拘束ブレースの軸材を一部拡大して表した分解図である。 図1に示す座屈拘束ブレースの内部構造を一部拡大して表した図である。 図1に示す座屈拘束ブレースが適用された建築構造物の一例を示した図である。 棒状部材の変形例の一例を示した図である。 一対の鋼材が管状の鋼材よりなる変形例の一例を示した図である。 ピン継手を有する変形例の一例を示した図である。 軸材の棒状鋼材と拘束材との間の隙間に隙間材が配置された座屈拘束ブレースの変形例の一例を示した図である。 隙間材が配置された座屈拘束ブレースと隙間材が配置されていない座屈拘束ブレースの変形時における作用効果の違いを説明する図である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る座屈拘束ブレースの内部構造を示したものである。図1に示すように、座屈拘束ブレース10は、軸材12と、軸材12の外周を覆って軸材12の座屈を拘束する拘束材14と、を備えている。
図2は、図1に示す軸材12の一部を拡大して表した分解図である。図2に示すように、軸材12は、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18とを備えている。一対の鋼材16a,16bで棒状鋼材18を挟むようにして一対の鋼材16a,16bおよび棒状鋼材18は同軸に配置されており、一対の鋼材16a,16bにより軸材12の両端部が形成され、棒状部材により軸材12の中間部が形成されている。
一対の鋼材16a,16bは、それぞれ棒状の鋼材により構成されている。これら棒状の鋼材は、断面が丸形状の丸鋼とされている。一対の鋼材16a,16bは、棒状鋼材18に接する一端側に、それぞれ雌ねじ20a,20bが螺刻形成されている。一対の鋼材16a,16bの直径(外径)としては、特に限定されるものではないが、中層ビルや高層ビルなどでの鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に適用できるなどの観点から、40mm以上であることが好ましい。より好ましくは、40〜250mmの範囲内である。
一対の鋼材16a,16bの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般的な構造用圧延鋼材、一般的な建築構造用圧延鋼材などを挙げることができる。より具体的には、例えば一般的な構造用圧延鋼材としては、SS400、SM490A、SM490B、一般的な建築構造用圧延鋼材としては、SN400B、SN400C、SN490B、SN490Cなどを挙げることができる。
棒状鋼材18は、断面が丸形状の丸鋼とされている。棒状鋼材18の両端部には、一対の鋼材16a,16bの一端側に形成された雌ねじ20a,20bと螺合する雄ねじ22a,22bが螺刻形成されている。この棒状鋼材18は、一対の鋼材16a,16bよりも断面積が小さくされている。そして、一対の鋼材16a,16bの直径(外径)よりも棒状鋼材18の直径(外径)が小さくされている。これにより、意図的に、一対の鋼材16a,16bよりも先に棒状鋼材18が弾塑性変形するようにされている。なお、断面積とは、軸方向に直交する方向の断面の面積である。以下の記載においても同様である。
棒状鋼材18の雄ねじ22a,22bと一対の鋼材16a,16bの雌ねじ20a,20bとが螺合されることにより、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18とが同軸に螺合された軸材12とされる。この軸材12においては、一対の鋼材16a,16bの雌ねじ20a,20bが形成されている雌ねじ部26a,26bの断面積が棒状鋼材18の中間部24の断面積よりも大きくなるように構成されており、棒状鋼材18の中間部24が弾塑性変形する前に一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18との間の螺合部分が弾塑性変形しないようにされている。
棒状鋼材18の強度と一対の鋼材16a,16bの強度が同程度の場合には、棒状鋼材18の断面積は、一対の鋼材16a,16bよりも先に棒状鋼材18が弾塑性変形しやすいように、例えば、一対の鋼材16a,16bの断面積の1/1.2以下であることが好ましい。
また、棒状鋼材18の直径としては、中層ビルや高層ビルなどでの鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に適用できるなどの観点から、30mm以上であることが好ましい。より好ましくは、30〜150mmの範囲内である。なお、棒状鋼材18の直径は、中間部24における直径である。
この中間部24の長さは、棒状鋼材18が弾塑性変形するように、例えば、軸材12全体の長さの1/7以上であることが好ましい。また、棒状鋼材18が弾塑性変形するよりも座屈しやすくなるのを抑えるなどの観点から、例えば、軸材12全体の長さの1/1.5以下であることが好ましい。
棒状鋼材18の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般的な構造用圧延鋼材、一般的な建築構造用圧延鋼材、これらの鋼材よりも降伏点の低い低降伏点鋼材などを挙げることができる。より具体的には、例えば一般的な構造用圧延鋼材としては、SS400、SM490A、SM490B、一般的な建築構造用圧延鋼材としては、SN400B、SN400C、SN490B、SN490C、SNR400B、SNR490B、低降伏点鋼材としては、LY100、LY225などを挙げることができる。棒状鋼材18の材料としては、一対の鋼材16a,16bの材料と同種の材料であっても良いし、異種の材料であっても良い。
このような構成の軸材12は、拘束材14により覆われている。図3は、図1に示す座屈拘束ブレース10の内部構造を一部拡大して表した図である。図3に示すように、拘束材14は、鋼管で構成されており、軸材12の一対の鋼材16a,16bの外径よりも大きい内径を有し、軸方向全体にわたって軸材12の外周を覆っている。拘束材14が軸材12の一対の鋼材16a,16bを覆っている部分では、拘束材14と一対の鋼材16a,16bとが接触するか、あるいは、拘束材14と一対の鋼材16a,16bとの間に少しの間隔があけられている。好ましくは、拘束材14と一対の鋼材16a,16bとの間に、1mm程度の間隔があけられていると良い。これに対し、拘束材14が軸材12の棒状鋼材18を覆っている部分では、一対の鋼材16a,16bよりも棒状鋼材18の断面積が小さいことから、必然的に、拘束材14と棒状鋼材18との間には、拘束材14と一対の鋼材16a,16bとの間よりも大きい間隔があけられている。仮に、拘束材14と一対の鋼材16a,16bとの間に隙間がないか、その隙間が非常に小さい場合であっても、拘束材14と棒状鋼材18との間には確実に隙間が形成(確保)されるため、棒状鋼材18の弾塑性変形に必要な領域が確保されている。
一対の鋼材16a,16bの棒状鋼材18に接する一端側に対して他端側(外側)には、座屈拘束ブレース10を建築構造物に取り付けるための接合部材28a,28bを備えている。接合部材28a,28bは、断面十字型の鋼材で構成されている。この一端側は、一対の鋼材16a,16bの他端側に接合される部分であり、端部から軸方向外側に向かって一対の鋼材16a,16bの他端側が挿入可能となる切り込みが形成されており、この切り込みに一対の鋼材16a,16bの他端側が挿入され、さらに、接合部材28a,28bの一端側と一対の鋼材16a,16bの他端側とが溶接等により接合されている。断面十字型の接合部材28a,28bの各片には、それぞれ、ボルトを挿通するためのボルト穴30a,30bが形成されている。
図4は、本発明の一実施形態に係る座屈拘束ブレース10が適用された建築構造物の一例を示した図である。図4に示すように、柱42および梁44からなる建築構造物40の架構体の一方の片隅とその対角位置の片隅とにそれぞれ断面十字型の鋼材よりなるガセット46a,46bが設けられ、座屈拘束ブレース10は、両ガセット46a,46b間に架設されている。断面十字型のガセット46a,46bの各片には、接合部材28a,28bと同様、それぞれ、ボルトを挿通するためのボルト穴(図示せず)が形成されている。接合部材28a,28bとガセット46a,46bとの間は、プレート48a,48bを用いてボルト50a,50bにより接合されている。これにより、座屈拘束ブレース10はガセット46a,46bに取り付けられている。
このように構成された座屈拘束ブレース10によれば、例えば図4に示したような建築構造物40の架構体に架設された状態において、地震等により建築構造物40に水平力が作用し、軸材12の軸方向に引張および圧縮の繰返し軸力がかかったときに、一対の鋼材16a,16bよりも断面積の小さい棒状鋼材18が弾塑性変形することにより軸材12の軸方向の引張力および圧縮力を吸収させるようにしているため、効果的に振動エネルギーを吸収できる。この際、軸材12が座屈しようとした場合には、軸材12の外側に配置された拘束材14によりその座屈が抑えられる。したがって、座屈拘束ブレース10は優れたエネルギー吸収効率を示し、架構体の破壊が抑えられ、建築構造物40の安全性が維持される。
そして、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18とが別部材で構成されているとともに螺合により接合されているため、溶接などの加工により軸材12を構成する場合と異なり、加工による性状劣化が生じるおそれがない。そのため、加工による性状劣化を回避できる。さらに、棒状鋼材18の中間部位を熱間加工することにより減厚加工部を形成する場合と異なり、例えば中層または高層の鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に適用可能な大径のブレースを構成することができる。このように、座屈拘束ブレース10は、中層の鉄骨構造、高層の鉄骨構造、中層の鉄筋コンクリート構造、高層の鉄筋コンクリート構造などに適用できる。
また、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18とが別部材で構成されているとともに螺合により接合されているため、棒状鋼材18は取り替え可能である。そのため、地震等により棒状鋼材18が弾塑性変形した後には、棒状鋼材18を取り替えるだけで、座屈拘束ブレース10を再生できる。したがって、地震後の取り替えが容易であるとともに、これまでの座屈拘束ブレース10に比べて低コストに抑えることができる。
また、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18とが別部材で構成されているとともに螺合により接合されているため、軸材12に取り付けられたボルト接合部材28a,28bを軸に対して時計回りあるいは反時計回りに順逆回転させると、棒状鋼材18に対して一対の鋼材16a,16bが離隔あるいは接近し、座屈拘束ブレース10全体が伸び、あるいは、縮むことができる。すなわち、ボルト接合部材28a,28bを軸に対して回転させることによって容易に座屈拘束ブレース10の長さを調整することができる。したがって、例えば座屈拘束ブレース10を建築構造物40の架構体に取り付ける際に生じる施工誤差による長さ調整の問題を解決することができる。なお、ボルト接合部材28a,28bを回動させることにより座屈拘束ブレース10全体を伸縮自在にするには、例えば、一対の鋼材16a,16bの他端側に溶接等によりボルト接合部材28bが接合されるとともに、拘束材14の少なくとも一方側の端部とボルト接合部材28aとの接合が切れていれば良い。
また、図1に示すように、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18との螺合部をナット32を用いて固定することができる。この場合には、ナット32により固定されていない他端側のボルト接合部材28bを回動させることにより、座屈拘束ブレース10全体を伸縮自在にできる。この際、一方側の螺合部がナット32により固定されているので、軸材12は回動しやすくなっている。
また、座屈拘束ブレース10においては、一対の鋼材16a,16bよりも棒状鋼材18の断面積を小さくすることで棒状鋼材18の弾塑性変形に必要な領域(隙間)を確保することから、棒状鋼材18の弾塑性変形に必要な隙間を形成することを目的とした拘束材14の内周面の切削加工を省略することができる。これにより、単に作業工程が短縮できるだけでなく、切削加工による座屈拘束ブレース10の性状劣化を抑えることができる。
座屈拘束ブレース10においては、棒状鋼材18の両端部の雄ねじ22a,22bは、左右逆ねじ構造であっても良いし、互いに同じ方向のねじ構造であっても良い。また、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18との螺合部はナット32で固定されていなくても良いし、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18との両螺合部がナット32でそれぞれ固定されていても良い。
また、座屈拘束ブレース10において、一対の鋼材16a,16bとして一般的な構造用圧延鋼材あるいは一般的な建築構造用圧延鋼材を用い、棒状鋼材18として低降伏点鋼材を用いる場合には、棒状鋼材18の材料が一対の鋼材16a,16bの材料よりも降伏しやすいので、材料の観点からも、一対の鋼材16a,16bよりも先に棒状鋼材18を弾塑性変形させることができる。したがって、この場合には、さらに、一対の鋼材16a,16bよりも先に棒状鋼材18が弾塑性変形しやすくなる。
本発明の座屈拘束ブレースにおいては、棒状鋼材18の中間部24の断面積を変えることにより、容易に耐力を調整できる。図5は、棒状鋼材18の変形例の一例を示した図である。図5に示すように、例えば、図1に示す棒状鋼材18よりも中間部24の断面積をさらに小さくすることにより、耐力を小さくできる。このように、棒状鋼材18の中間部24の断面積を変えて耐力を調整することにより、種々の建築構造物に適用できる。中間部24の断面積を調整する方法としては、例えば、切削などの方法を挙げることができる。また、もともと中間部の断面積が異なる複数種類の棒状鋼材18を用意しておき、要求される耐力に応じてこれらを使い分けるようにしても良い。
また、本発明の座屈拘束ブレースにおいては、図6に示すように、一対の鋼材としては、棒状の鋼材に代えて、管状の鋼材34a,34bを用いても良い。管状の鋼材34a,34bの場合には、棒状鋼材18に接する一端側の内周面に棒状鋼材18の雄ねじ22a,22bが螺合される雌ねじ20a,20bが螺刻形成されることから、管状の鋼材34a,34bの内径が棒状鋼材18の雄ねじ22a,22bが形成されている部分の外径よりも小さくなるように、例えば厚肉の鋼管であることが好ましい。管状の鋼材34a,34bの厚さは、棒状鋼材18の中間部24の断面積よりも管状の鋼材34a,34bの雌ねじ20a,20bが形成されている雌ねじ部26a,26bの断面積が大きくなるように設定することが好ましい。管状の鋼材34a,34bの雌ねじ20a,20bと棒状鋼材18の雄ねじ22a,22bとが螺合されることにより、管状の鋼材34a,34bと棒状鋼材18とが同軸に螺合された軸材12とされる。
管状の鋼材34a,34bの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、一般的な建築構造用炭素鋼鋼管、一般的な機械構造用炭素鋼鋼管などを挙げることができる。建築構造用炭素鋼鋼管としては、STKN400B、STKN490Bなどを挙げることができる。機械構造用鋼材としては、STKM−13Aなどを挙げることができる。
また、本発明の座屈拘束ブレースにおいては、図7に示すように、ボルト接合部材に代えて、ピン継手36a,36bを用いても良い。この場合、ピン継手36a,36bに形成されたピンジョイントの穴38a,38bを介してピン接合により座屈拘束ブレースはガセットに取り付けられる。また、本発明の座屈拘束ブレースにおいて、接合部材28a,28bは、断面十字型の鋼材ではなく、接断面平型の鋼材で構成されていても良い。
また、本発明の座屈拘束ブレースにおいては、拘束材14は、棒状鋼材18が弾塑性変形する際に座屈するのを抑えるものであるから、少なくとも棒状鋼材18が配置されている領域を覆っていれば良い。そのため、例えば、一対の鋼材16a,16bと棒状鋼材18との間の螺合部分まで拘束材14が棒状鋼材18を覆っているものであっても良い。
また、本発明の座屈拘束ブレースにおいては、図8に示すように、軸材12の棒状鋼材18と拘束材14との間の隙間に隙間材52を配置することができる。隙間材52がない構成においては、図9(b)に示すように、軸材12の棒状鋼材18に生じる応力が1箇所に集中する場合がある。このように応力集中が起きると、棒状鋼材18の変形時に軸材12の耐力が安定しない場合がある。このため、棒状鋼材18の変形が生じはじめた後においては、軸材12が振動エネルギーを吸収する機能を維持することができない場合がある。これに対し、隙間材52がある構成においては、図9(a)に示すように、隙間材52は、軸材12の棒状鋼材18が変形したときに緩衝材となり、棒状鋼材18に生じる応力を分散させて1箇所に応力が集中しないようにすることができる。これにより、棒状鋼材18の変形時において軸材12の耐力が安定するため、棒状鋼材18の変形が生じはじめた後においても、一定の間、振動エネルギーを吸収するという軸材12の機能を安定して維持することができる。
隙間材52は、軸材12の棒状鋼材18と拘束材14との間の隙間の全長(軸方向)を埋めるように設けられても良いし、隙間の全長のうちの一部を埋めるように設けられても良い。また、隙間材52は、軸材12の棒状鋼材18と拘束材14との間の隙間の全周を埋めるように設けられても良いし、隙間の全周のうちの一部を埋めるように設けられても良い。さらに、隙間材52は、軸材12の棒状鋼材18と拘束材14との間の隙間の全長および全周の両方向を埋めるように設けられても良いし、隙間の全長の一部および全周の一部を埋めるように設けられても良い。
隙間材52の材料としては、特に限定されるものではなく、ゴム材料、樹脂材料、金属材料、セラミック材料などの各種材料を挙げることができる。これらのうちでは、例えば緩衝作用に優れるなどの理由から、ゴム材料や樹脂材料などが好ましいものとして挙げられる。ゴム材料は、天然ゴムや、ウレタンゴムなどの合成ゴムなどを挙げることができる。また、金属材料やセラミック材料などの場合には、例えば緩衝作用に優れるなどの理由から、隙間材52は軸材12の棒状鋼材18や拘束材14よりも軟らかいことが好ましい。
本発明の座屈拘束ブレースは、中層の鉄骨構造、高層の鉄骨構造、中層の鉄筋コンクリート構造、高層の鉄筋コンクリート構造などの建築構造物に好適に適用できる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
10 座屈拘束ブレース
12 軸材
14 拘束材
16a,16b 一対の鋼材
18 棒状鋼材

Claims (3)

  1. 軸材と、前記軸材の外周を覆って前記軸材の座屈を拘束する拘束材と、を備えた座屈拘束ブレースであって、
    前記軸材は、棒状または管状の一対の鋼材と前記一対の鋼材よりも断面積の小さい棒状鋼材とが前記一対の鋼材で前記棒状鋼材を挟むように同軸に螺合されたものから構成され、前記棒状部材は取り替え可能であるとともに、前記棒状鋼材の弾塑性変形により前記軸材の軸方向の引張力および圧縮力を吸収させるようにしたことを特徴とする座屈拘束ブレース。
  2. 前記軸材の棒状鋼材と前記拘束材との間の隙間には隙間材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  3. 中層または高層の鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の座屈拘束ブレース。
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