以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するものであり、図1及び図2に示すように、水平方向一側(図1における左側)に配置された第1処理装置10Aと、水平方向他側(図1における右側)に配置された第2処理装置10Bとを備えている。第1処理装置10Aと第2処理装置10Bは、分割可能に接続されている。
第2処理装置10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像処理基板13が設けられている。なお、画像処理基板13は、具体的には、後述するように、第2処理装置10Bの上部を構成する電源装置303の第2筐体304に収容されている。
一方、第1処理装置10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかを付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
また、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16(画像形成部の一例)が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。各トナーカートリッジ14と画像形成ユニット16との間には、露光ユニット40が設けられている。
画像形成ユニット16毎に設けられた露光ユニット40は、前述した画像処理基板13によって画像処理を施された画像データを画像処理基板13から受け取り、この画像データに応じて変調した露光光L(図3参照)を後述の感光体18(図3参照)へ照射するように構成されている。
各画像形成ユニット16は、図3に示すように、一方向(図3における時計回り方向)に回転駆動される感光体18を備えている。各露光ユニット40から各感光体18へ露光光Lが照射されることにより、各感光体18には静電潜像が形成される。
各感光体18の周囲には、感光体18を帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、露光ユニット40によって感光体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置22と、転写後の感光体18に残留する現像剤を除去する除去部材としてのブレード24と、転写後の感光体18に光を照射して除電を行う除電装置26が設けられている。
スコロトロン帯電器20、現像装置22、ブレード24、除電装置26は、感光体18の表面と対向して、感光体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを感光体18に供給する現像ロール22Bを含んで構成されている。現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
図1に示すように、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各感光体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各感光体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写部材としての一次転写ロール36とを含んで構成されている。
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の感光体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、感光体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
中間転写ベルト34を挟んだ駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
転写部32の下方には、用紙等の記録媒体が収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
各記録媒体収容部48は、第1処理装置10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1処理装置10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
第1処理装置10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1処理装置10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを一枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される構成となっている。
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1処理装置10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1処理装置10Aに隣接して配置される記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込むようになっている。
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2処理装置10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1処理装置10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2処理装置10Bに設けられている。
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pの表面に転写されたトナー画像を記録媒体Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
図1に示すように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。搬送ベルト108は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された記録媒体Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
冷却ユニット110は、記録媒体Pの熱を吸収する吸収装置112と、記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図1における下側)に配置されている。
吸収装置112は、記録媒体Pと接触し、記録媒体Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2処理装置10Bの裏側(図1に示す紙面奥側)に配置されている。
記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、記録媒体Pを吸収ベルト116へ押し付けながら記録媒体Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
冷却ユニット110の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
矯正装置140の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する検出装置180が設けられている。
検出装置180では、光源から記録媒体Pへ出射され、記録媒体Pによって上方に反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出素子で検出することにより、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するようになっている。
検出装置180の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2処理装置10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
一方、両面に画像を形成させる場合は、検出装置180から送出された記録媒体Pは、検出装置180の下流側に設けられた反転経路202に搬送されるようになっている。
反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐パス202Aと、分岐パス202Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1処理装置10A側に向けて搬送する用紙搬送パス202Bと、用紙搬送パス202Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス202Cが設けられている。
この構成により、反転パス202Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1処理装置10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像処理基板13で画像処理が施された画像データが、各露光ユニット40に送られる。各露光ユニット40では、画像データに応じて各露光光Lを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各感光体18に露光し、静電潜像が形成される。
図3に示すように、感光体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
図1に示すように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体28に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2処理装置10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
湾曲が矯正された記録媒体Pは、検出装置180によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、検出装置180を通過後に、記録媒体Pが反転経路202で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光ユニット40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザーの選択により、追加部品として第1処理装置10Aに装着可能に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色及び第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
(本実施形態に係る第2処理装置10Bの構成)
次に、本実施形態に係る第2処理装置10Bの構成について説明する。図4は、本実施形態に係る第2処理装置10Bの構成を示す斜視図である。
なお、以下では、図中における矢印F方向を第2処理装置10Bの前方とし、その反対側(矢印B方向)を第2処理装置10Bの後方とし、第2処理装置10Bの前方側に向かって右側(矢印R方向)を、第2処理装置10Bの右側とし、第2処理装置10Bの前方側に向かって左側(矢印L方向)を、第2処理装置10Bの左側として説明する。なお、第2処理装置10Bにおけるこれらの方向は、説明の便宜上定めたものであるから、第2処理装置10Bにおける左右方向及び前後方向は、この方向に限られるものではない。
第2処理装置10Bの前方側は、画像形成装置10の各種の操作を行うようにされた側、例えば、画像形成装置10を操作するための操作部15(図2参照)が配置された側であり、第1処理装置10Aにおける記録媒体収容部48(図1参照)が引き出される側である。
本実施形態に係る第2処理装置10Bは、図4に示すように、第2処理装置本体(画像形成装置本体の一例)を構成する第1筐体302と、直方体形状に形成された第2筐体304を備える電源装置303と、を備えて構成されている。なお、図4では、第1筐体302の内部に配置された構成部品を省略すると共に、一部の外装カバーを外した状態で第2処理装置10Bが図示されている。
第2筐体304には、画像形成装置10の各部に供給される電力を、その各部で必要とされる電力に調整するための電源回路基板23(図1及び図9参照)及び上述の画像処理基板13(図1及び図8参照)が収容されている。
この第2筐体304は、第1筐体302の上面302A(図5参照)に載せられて、固定部材の一例としてのブラケット312によって第1筐体302に固定されている。なお、第2筐体304は、ブラケット312による固定がなされていない状態においては、第1筐体302の上面302Aに載せた状態で第1筐体302の上面302Aに沿ってスライド移動可能とされる。
一方、第1筐体302は、第2筐体304が載る領域が上方へ突出する突出部305が形成された直方体形状に形成されている。
ところで、画像形成装置10を出荷する際には、第2処理装置10Bは、図5及び図6に示すように、第1筐体302と電源装置303とが別々に包装材450によって包装され、図7に示すように、別々に分離された状態で梱包され、設置先へ配送される。そして、画像形成装置10の設置先にて第2処理装置10Bが組み立てられる。この組み立ては、電源装置303の第2筐体304を第1筐体302に載せてから、第2筐体304を第1筐体302に対して位置決めし、第2筐体304が第1筐体302に固定されることで行われる。
第2筐体304には、図8及び図9に示すように、設置先で第2筐体304を第1筐体302に載せる際に、作業者が手で持つ持ち部310が複数形成されている。
具体的には、図8に示すように、持ち部310は、第2筐体304の右側面側の上下方向中央部に形成され、第2筐体304の前面側においては、底板304A及び上下方向中央部に形成されている。また、図9に示すように、持ち部310は、第2筐体304の左側面側の上下方向中央部に形成され、第2筐体304の後面側においては、底板304A及び上下方向中央部に形成されている。持ち部310は、作業者の手が差し入れられるようになっていると共に、作業者の手が接触する角部が丸められている。なお、第2筐体304の重さ(質量)は、例えば、55kg以上とされており、複数の作業者によって持ち上げられる程度の重さとなっている。
また、第2筐体304の右側面及び左側面に配置されたフレーム314には、図8及び図9に示すように、リフト410(図10参照)の吊下部410Aの先端が挿入される一対の挿入孔316がそれぞれ形成されている。これにより、第2筐体304には、図10に示すように、リフト410によって吊り下げられて、第1筐体302に載せられるように構成される。なお、リフト410による第2筐体304の持ち上げ作業は、例えば、画像形成装置10の出荷前の工場内で行われる。
ここで、第2筐体304を第1筐体302に対して位置決めするための位置決め構造を説明する。図11〜図17は、位置決め構造を説明するための説明図である。なお、説明の便宜上、図11〜図13において、第2筐体304は底板304Aのみを図示している。
第2筐体304の底面を構成する底板304Aには、図11、図12及び図13に示すように、第2筐体304を第1筐体302に対して位置決めするための一対の位置決め孔306が形成されている。
一対の位置決め孔306は、図13に示すように、一方が底板304Aの前方側に形成され、他方が底板304Aの後方側に形成されている。また、一対の位置決め孔306は、全体として前方側に偏って形成されている。すなわち、第2筐体304の前端から前方側の位置決め孔306までの距離よりも、第2筐体304の後端から後方側の位置決め孔306までの距離のほうが長くなっている。
各位置決め孔306は、左右方向に沿って延びており、左右方向に長さを有して形成されている。各位置決め孔306の長さ方向の一端側(図13における左部)には、ピン308に前後から接触してピン308の前後方向の移動を規制する規制部(位置決め部の一例)306Aが形成されている。
規制部306Aの右側には、規制部306Aにピン308を導くための導入部306Bが形成されている。導入部306Bは、規制部306Aよりも前後方向の幅が広くされると共に、規制部306Aとの連結部分において、前後方向の幅が導入部306Bに向けて徐々に狭くなっている。
一方、第1筐体302の上面302Aには、図14に示すように、その上面302Aから位置決め孔306に挿入可能に上方へ突出する突出部の一例としての一対のピン308が形成されている。一対のピン308は、位置決め孔306に対応して、一方が上面302Aの前方側に形成され、他方が上面302Aの後方側に形成されている。また、一対のピン308は、上面302Aの左右方向中央よりも左側に形成されている。
これにより、図15に示すように、第1筐体302の上面302Aに対して左側にずれた状態で、その上面302Aに第2筐体304を載せることにより、図11に示すように、一対のピン308が位置決め孔306に挿入されるようになっている。ピン308が位置決め孔306の導入部306Bに挿入された後、第2筐体304を右側へスライド移動させると、ピン308が、位置決め孔306内の位置決め位置、すなわち規制部306Aへ案内され、図12に示すように、規制部306Aによって案内方向と交差する前後方向の移動が規制されて第2筐体304が位置決めされるようになっている。
このように、規制部306Aよりも幅が広い導入部306Bにピン308が挿入されるようになっているので導入部306Bが規制部306Aと同じ幅で形成されている場合に比べて、第2筐体304を搭載する際の第2筐体304の位置ずれが許容されるので、搭載作業が容易になる。また、操作者が第1筐体302の左側に立って第2筐体304を持ち上げ、操作者から見て奥側(第1筐体302の右側)へ第2筐体304を押すようにして位置決めをする際、ピン308が操作者からみて手前側に形成されるので、第2筐体304を持ち上げた状態でも、ピン308が中央や奥側にある場合に比べてピン308を発見しやすい。よって、ピン308が中央や奥側にある場合に比べて、第2筐体304を第1筐体302に搭載する際の搭載作業が容易になる。
また、ピン308は、図16(A)に示すように、位置決め孔306に挿入されずに第2筐体304の底板304Aに接触した場合に、ピン308から接触圧が作用する底板304Aが上方へ弾性変形する共に、底板304Aの周縁部318が第1筐体302の上面302Aに沿った姿勢を維持する高さとされている。すなわち、第2筐体304の底板304Aは、ピン308に接触して変形しても、その変形が塑性域に達せず、弾性域内での変形に抑えられるようになっている。
(本実施形態に係る第2処理装置10Bの作用)
次に、本実施形態に係る第2処理装置10Bの作用として、第2処理装置10Bの組み立て作業を説明する。
第2処理装置10Bを組み立てる場合には、まず、作業者が持ち部310に手を差し入れて第2筐体304を持ち上げ、または、リフト410(図10参照)を用いて第2筐体304を持ち上げ、図15に示すように、第1筐体302の上面302Aに対して左側にずれた状態で、第2筐体304を第1筐体302の上面302Aに載せる。
これにより、第1筐体302のピン308が、第2筐体304に形成された位置決め孔306の導入部306Bに挿入される。
次に、導入部306Bにピン308が挿入された状態で、第2筐体304を右側へ第1筐体302の上面302Aに沿ってスライド移動させると、ピン308が位置決め孔306の規制部306Aに導かれる。
ピン308が規制部306A(位置決め位置)に位置すると、第2筐体304は前後方向の移動が規制されて位置決めされる。そして、ブラケット312を介して、第2筐体304と第1筐体302とを固定し、第2処理装置10Bが組み立てられる。
ここで、第2筐体304を第1筐体302の上面302Aに載せた際に、ピン308が位置決め孔306に挿入されずに第2筐体304の底板304Aに接触した場合には、図16(A)に示すように、ピン308からの接触圧が作用する底板304Aが上方へ弾性変形する共に、底板304Aの周縁部318が第1筐体302の上面302Aに沿った姿勢を維持する。
すなわち、第2筐体304の底板304Aが第1筐体302の上面302Aに対して傾かず、第1筐体302の上面302Aに沿って第2筐体304がスライド移動可能な状態が維持される。
そして、作業者が、ピン308が位置決め孔306の導入部306Bに挿入される位置をさぐりながら、第2筐体304を第1筐体302の上面302Aに沿ってスライド移動させることで、図16(B)に示すように、底板304Aが復原して、ピン308が位置決め孔306の導入部306Bに挿入される。
このように、第2筐体304を第1筐体302に載せた際に、必ずしもピン308が位置決め孔306に挿入されなくても、その非挿入状態から、さらに第2筐体304を第1筐体302に対してスライド移動させることで、ピン308が位置決め孔306に挿入されるので、ピン308が位置決め孔306に挿入される挿入状況を目視する必要がなくなる。
これに対して、図16に示すように、例えば、ピン308が位置決め孔306に挿入されずに第2筐体304の底板304Aに接触した場合に、第2筐体304の底板304Aが第1筐体302の上面302Aに対して傾いてしまう構成では、ピン308への負荷が大きいためピン308が破損しやすく、また、ピン308が第2筐体304の底板304Aに引っ掛かり、第2筐体304を第1筐体302の上面302Aに沿ってスライド移動させることができない。
また、ピン308が第2筐体304の底板304Aに接触して、底板304Aが上方へ塑性変形する場合では、底板304Aに形成された位置決め孔306も変形したり、位置決め孔306のピン308に対する向きが変わったりすることとなり、ピン308の移動を規制することができなくなる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。