JP5504197B2 - エンジンのブリーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのブリーザ装置に関し、詳しくは、分離オイルがブローバイガスで再ミスト化するのを抑制することができるエンジンのブリーザ装置に関する。
従来、エンジンのブリーザ装置として、シリンダヘッドにシリンダヘッドカバーを組み付け、シリンダヘッドカバーの天上壁に沿ってブリーザ室を設け、ブリーザ室の長手方向の一端部にブリーザ室の入口を設け、他端部にブリーザ室の出口を設け、ブリーザ室の天上壁から垂壁を下向きに突設させ、この垂壁はブリーザ室の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べ、ブリーザ室の底壁から立壁を上向きに突設させ、この立壁はブリーザ室の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べ、垂壁と立壁とはブリーザ室の長手方向に交互に並べ、ブリーザ室の長手方向に沿うブリーザ室の横壁と垂壁の横端部との間にそれぞれ横壁沿いの隙間を形成し、ブリーザ室の入口から出口に向かうブローバイガスを、垂壁と立壁と横壁との案内で、横壁沿いの隙間を介して横向きに反転させながら蛇行させるとともに、立壁の上端部をブリーザ室の天上壁から離間させ、立壁の上端部とブリーザ室の天上壁との間に、天井壁沿いの隙間を形成し、ブローバイガスを、立壁と天井壁と垂壁との案内で、天井壁沿いの隙間を介して、立向きに反転させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この種のブリーザ装置によれば、オイルミストを含んだブローバイガスが、反転の際、ブリーザ室の横壁と天井壁に衝突し、この横壁と天井壁でオイルミストが凝集してブローバイガスからオイル分離される利点がある。
しかし、この従来技術では、垂壁の下端部をブリーザ室の底壁と離間させ、垂壁の下端部とブリーザ室の底壁との間に、底壁沿いの隙間を形成し、ブローバイガスを、垂壁と底壁と立壁との案内で、底壁沿いの隙間を介して、立向きに反転させるようにしたため、問題がある。
特開2005-337123号公報(図1、図2参照)
《問題》 分離オイルがブローバイガスで再ミスト化するおそれがある。
ブローバイガスを、垂壁と底壁と立壁との案内で、底壁沿いの隙間を介して、立向きに反転させるようにしたため、このブローバイガスで底壁に溜まった分離オイルが持ち上げられ、再ミスト化するおそれがある。
本発明の課題は、分離オイルがブローバイガスで再ミスト化するのを抑制することができるエンジンのブリーザ装置を提供することにある。
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図2(A)(B)に例示するように、シリンダヘッド(1)にシリンダヘッドカバー(2)を組み付け、シリンダヘッドカバー(2)の天上壁(3)に沿ってブリーザ室(4)を設け、ブリーザ室(4)の長手方向の一端部にブリーザ室(4)の入口(5)を設け、他端部にブリーザ室(4)の出口(6)を設け、ブリーザ室(4)の天上壁(3)から垂壁(7)を下向きに突設させ、この垂壁(7)はブリーザ室(4)の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べ、ブリーザ室(4)の底壁(8)から立壁(9)を上向きに突設させ、この立壁(9)はブリーザ室(4)の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べ、
図2(A)(B)に例示するように、垂壁(7)と立壁(9)とはブリーザ室(4)の長手方向に交互に並べ、ブリーザ室(4)の長手方向に沿うブリーザ室(4)の横壁(10)と垂壁(7)の横端部との間にそれぞれ横壁(10)沿いの反転用隙間(11)を形成し、隣合う垂壁(7)(7)の間に横向きの立壁(9)を内設した横向き通路(16)を形成し、隣合う横向き通路(16)(16)を反転用隙間(11)で連通させ、ブリーザ室(4)の入口(5)から出口(6)に向かうブローバイガス(12)を、垂壁(7)と立壁(9)と横壁(10)との案内で、横向き通路(16)と横壁(10)沿いの反転用隙間(11)を介して横向きに反転させながら蛇行させるとともに、立壁(9)の上端部をブリーザ室(4)の天上壁(3)から離間させ、立壁(9)の上端部とブリーザ室(4)の天上壁(3)との間に、天井壁(3)沿いの隙間(13)を形成し、ブローバイガス(12)を、立壁(9)と天井壁と垂壁(7)との案内で、天井壁(3)沿いの隙間(13)を介して、立向きに反転させるようにした、エンジンのブリーザ装置において、
図1(B)に例示するように、垂壁(7)の下端部(7a)をブリーザ室(4)の底壁(8)に接当させ、
図1(A)に例示するように、隣合う横向き通路(16)(16)のうち、上流側の横向き通路(16)の通路終端部(16a)と、下流側の横向き通路(16)の通路始端部(16b)と、これら通路終端部(16a)と通路始端部(16b)との間の反転用隙間(11)とに沿う、横壁(10)のブリーザ室(4)側の面(10a)を、上側から見て蛇行する湾曲状の凹凸面(10b)で形成した、ことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 分離オイルがブローバイガスで再ミスト化するのを抑制することができる。
図1(B)に例示するように、垂壁(7)の下端部(7a)をブリーザ室(4)の底壁(8)に接当させたので、垂壁(7)の底壁(8)沿いの隙間がなくなり、ブローバイガス(12)で底壁(8)に溜まった分離オイルが持ち上げられることがなく、分離オイルがブローバイガス(12)で再ミスト化するのを抑制することができる
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ブリーザ室のオイル分離機能が高い。
図1(A)に例示するように、垂壁(7)の一方の横端部はブリーザ室(4)の一方の横壁(10)に隙間なく連結した連結部(14)とし、他方の横端部にのみ横壁(10)沿いの隙間(11)を設け、横壁(10)沿いの隙間(11)が、隣合う垂壁(7)では、逆側の横壁(10)に沿って配置されるようにしたので、横壁(10)沿いの隙間(11)を介して横向きに反転したブローバイガス(12)の下流側への短絡が、連結部(14)で阻止され、ブリーザ室(4)のオイル分離機能が高い。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ブリーザ室のオイル分離機能が高まる。
図1(A)(B)に例示するように、垂壁(7)と立壁(9)との間で、ブリーザ室(4)の底壁(8)に吸油材(15)を設けたので、ブローバイガス(12)に含まれるオイルミストは、ブリーザ室(4)の横壁(10)と天井壁(3)への衝突で分離される他、吸油材(15)にも吸収され、ブリーザ室(4)のオイル分離機能が高まる。
本発明の実施形態に係るエンジンのブリーザ装置の要部を説明する図で、図1(A)は要部拡大横断平面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンのブリーザ装置を説明する図で、図2(A)は横断平面図、図2(B)は図2(A)のB−B線断面図である。
図1〜図2は本発明の実施形態に係るエンジンのブリーザ装置を説明する図であり、この実施形態では、立形多気筒ディーゼルエンジンのブリーザ装置について説明する。
図2(A)(B)に示すように、シリンダヘッド(1)にシリンダヘッドカバー(2)を組み付け、シリンダヘッドカバー(2)の天上壁(3)に沿ってブリーザ室(4)を設け、ブリーザ室(4)の長手方向の一端部にブリーザ室(4)の入口(5)を設け、他端部にブリーザ室(4)の出口(6)を設け、ブリーザ室(4)の天上壁(3)から垂壁(7)を下向きに突設させ、この垂壁(7)はブリーザ室(4)の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べ、ブリーザ室(4)の底壁(8)から立壁(9)を上向きに突設させ、この立壁(9)はブリーザ室(4)の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べている。
図2(A)(B)に示すように、ブリーザ室(4)は左右対称形状で左右に一対設けられ、一方のブリーザ室(4)は、シリンダヘッドカバー(2)の一端側からシリンダヘッドカバー(2)の中央部まで形成され、他方のブリーザ室(4)は、シリンダヘッドカバー(2)の他端側からシリンダヘッドカバー(2)の中央部まで形成され、両ブリーザ室(4)で出口(6)を共有している。
図1(A)(B)に示すように、垂壁(7)と立壁(9)とはブリーザ室(4)の長手方向に交互に並べ、ブリーザ室(4)の長手方向に沿うブリーザ室(4)の横壁(10)と垂壁(7)の横端部との間にそれぞれ横壁(10)沿いの反転用隙間(11)を形成し、隣合う垂壁(7)(7)の間に横向きの立壁(9)を内設した横向き通路(16)を形成し、隣合う横向き通路(16)(16)を反転用隙間(11)で連通させ、ブリーザ室(4)の入口(5)から出口(6)に向かうブローバイガス(12)を、垂壁(7)と立壁(9)と横壁(10)との案内で、横向き通路(16)と横壁(10)沿いの反転用隙間(11)を介して横向きに反転させながら蛇行させるとともに、立壁(9)の上端部をブリーザ室(4)の天上壁(3)から離間させ、立壁(9)の上端部とブリーザ室(4)の天上壁(3)との間に、天井壁(3)沿いの隙間(13)を形成し、ブローバイガス(12)を、立壁(9)と天井壁と垂壁(7)との案内で、天井壁(3)沿いの隙間(13)を介して、立向きに反転させるようにしている。
図1(B)に示すように、垂壁(7)の下端部(7a)をブリーザ室(4)の底壁(8)に接当させている。
図1(A)に示すように、隣合う横向き通路(16)(16)のうち、上流側の横向き通路(16)の通路終端部(16a)と、下流側の横向き通路(16)の通路始端部(16b)と、これら通路終端部(16a)と通路始端部(16b)との間の反転用隙間(11)とに沿う、横壁(10)のブリーザ室(4)側の面(10a)を、上側から見て蛇行する湾曲状の凹凸面(10b)で形成している。
図1(A)に示すように、垂壁(7)の一方の横端部はブリーザ室(4)の一方の横壁(10)に隙間なく連結した連結部(14)とし、他方の横端部にのみ横壁(10)沿いの隙間(11)を設け、横壁(10)沿いの隙間(11)が、隣合う垂壁(7)では、逆側の横壁(10)に沿って配置されるようにしている。
図1(A)(B)に示すように、垂壁(7)と立壁(9)との間で、ブリーザ室(4)の底壁(8)に吸油材(15)を設けている。
吸油材(15)はフェルト製の平板で、底板(15)に貼り付け、吸油材(15)を貼り付けた底板(15)にはオイル落下孔(図外)を設け、吸油材(15)に吸収されたオイルがオイル落下孔から落下するようになっている。
詳しくは、図1(B)に示すように、垂壁(7)と立壁(9)の並ぶ方向を吸油材(15)幅方向として、吸油材(15)を幅寸法よりも高さ寸法が短い倒伏状平板にして、垂壁(7)と立壁(9)との間でブリーザ室(4)の底壁(8)に貼り付け、吸油材(15)を貼り付けたブリーザ室(4)の底壁(8)にオイル落下孔を設けている。
(1) シリンダヘッド
(2) シリンダヘッドカバー
(3) 天上壁
(4) ブリーザ室
(5) 入口
(6) 出口
(7) 垂壁
(7a) 下端部
(8) 底壁
(9) 立壁
(10) 横壁
(10a) 面
(10b) 凹凸面
(11) 横壁沿いの隙間
(12) ブローバイガス
(13) 天井壁沿いの隙間
(14) 連結部
(15) 吸油材
(16) 横向き通路
(16a) 終端部
(16b) 始端部

Claims (3)

  1. シリンダヘッド(1)にシリンダヘッドカバー(2)を組み付け、シリンダヘッドカバー(2)の天上壁(3)に沿ってブリーザ室(4)を設け、ブリーザ室(4)の長手方向の一端部にブリーザ室(4)の入口(5)を設け、他端部にブリーザ室(4)の出口(6)を設け、ブリーザ室(4)の天上壁(3)から垂壁(7)を下向きに突設させ、この垂壁(7)はブリーザ室(4)の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べ、ブリーザ室(4)の底壁(8)から立壁(9)を上向きに突設させ、この立壁(9)はブリーザ室(4)の長手方向と交差する姿勢で、長手方向に複数枚並べ、
    垂壁(7)と立壁(9)とはブリーザ室(4)の長手方向に交互に並べ、ブリーザ室(4)の長手方向に沿うブリーザ室(4)の横壁(10)と垂壁(7)の横端部との間にそれぞれ横壁(10)沿いの反転用隙間(11)を形成し、隣合う垂壁(7)(7)の間に横向きの立壁(9)を内設した横向き通路(16)を形成し、隣合う横向き通路(16)(16)を反転用隙間(11)で連通させ、ブリーザ室(4)の入口(5)から出口(6)に向かうブローバイガス(12)を、垂壁(7)と立壁(9)と横壁(10)との案内で、横向き通路(16)と横壁(10)沿いの反転用隙間(11)を介して横向きに反転させながら蛇行させるとともに、立壁(9)の上端部をブリーザ室(4)の天上壁(3)から離間させ、立壁(9)の上端部とブリーザ室(4)の天上壁(3)との間に、天井壁(3)沿いの隙間(13)を形成し、ブローバイガス(12)を、立壁(9)と天井壁と垂壁(7)との案内で、天井壁(3)沿いの隙間(13)を介して、立向きに反転させるようにした、エンジンのブリーザ装置において、
    垂壁(7)の下端部(7a)をブリーザ室(4)の底壁(8)に接当させ、
    隣合う横向き通路(16)(16)のうち、上流側の横向き通路(16)の通路終端部(16a)と、下流側の横向き通路(16)の通路始端部(16b)と、これら通路終端部(16a)と通路始端部(16b)との間の反転用隙間(11)とに沿う、横壁(10)のブリーザ室(4)側の面(10a)を、上側から見て蛇行する湾曲状の凹凸面(10b)で形成した、ことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  2. 請求項1に記載したエンジンのブリーザ装置において、
    垂壁(7)の一方の横端部はブリーザ室(4)の一方の横壁(10)に隙間なく連結した連結部(14)とし、
    他方の横端部にのみ横壁(10)沿いの隙間(11)を設け、
    横壁(10)沿いの隙間(11)が、隣合う垂壁(7)では、逆側の横壁(10)に沿って配置されるようにした、ことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載したエンジンのブリーザ装置において、
    垂壁(7)と立壁(9)との間で、ブリーザ室(4)の底壁(8)に吸油材(15)を設け、
    垂壁(7)と立壁(9)の並ぶ方向を吸油材(15)幅方向として、吸油材(15)を幅寸法よりも高さ寸法が短い倒伏状平板にして、垂壁(7)と立壁(9)との間でブリーザ室(4)の底壁(8)に貼り付け、吸油材(15)を貼り付けたブリーザ室(4)の底壁(8)にオイル落下孔を設けた、ことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
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