JP5503987B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、経血やおりものなどを吸収するための生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品、詳しくは下着への固定に際し、下着のクロッチ部分に巻き付けるようにして使用されるウイング状フラップと、これよりも臀部側に位置するヒップホールド用フラップとにそれぞれズレ止め用の粘着剤層が形成された吸収性物品に関する。
従来より、生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート、失禁パッドなどの吸収性物品としては、ポリエチレンシートまたはポリエチレンラミネート不織布などからなる不透液性裏面シートと、不織布または透孔性プラスチックシートなどからなる透液性表面シートとの間に綿状パルプなどからなる吸収体を介在させたものが知られている。
この種の吸収性物品としては、装着状態でのズレ止めを図るために、例えば前記吸収体の非肌当接面側(不透液性裏面シートの外面)に1または複数条の粘着剤層を形成し、かつナプキン本体の長手方向両側縁部から外方に延在するウイング状フラップを一体的に設け、このウイング状フラップの非肌当接面側に粘着剤層を形成し、さらに前記ウイング状フラップより後側部分に前記吸収体よりも外方に位置する一対のヒップホールド用フラップを一体的に設け、このヒップホールド用フラップの非肌当接面側に粘着剤層を形成したものがある。そして、この吸収性物品の個装状態では、各粘着剤層を一体的に覆う剥離紙が配設されるようになっている。
前記吸収性物品を下着に固定する際には、下着をズリ降ろした状態で、各粘着剤層を一体的に覆う前記剥離紙を全て取り除いた後、吸収性物品を下着の適正な位置に固定し、側方に突出する前記ウイング状フラップを折返し線で折返し、下着のクロッチ部分を巻き込むようにしながら下着の股間部外面に接着するようにする。
ところが、このように剥離紙を全て取り除いてから下着に取付けようとすると、前記ウイング状フラップ及びヒップホールド用フラップには吸収体が介在していないため、取付作業中のめくれや折れ曲がりが生じやすく、このフラップ部分に形成される粘着剤層が、前記本体用粘着剤層等にくっついてしまい、これを無理に剥がそうとするとフラップ部分が破れるなどの問題が生じていた。
このため、近年では、下記特許文献1〜3に記載されるように、下着への固定に際し、剥離紙を全て取り去らずに一部残しておく構成が採られている。
すなわち、下記特許文献1では、吸収体の裏面側の本体ズレ止め粘着剤層と、ウイング状フラップの裏面側のウイングズレ止め粘着剤層と、ヒップホールド用フラップの裏面側のヒップズレ止め粘着剤層とが形成されるとともに、これら粘着剤層を剥離可能に覆う剥離紙とを含む吸収性物品であって、前記剥離紙は、本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層を一体的に覆う第1剥離紙と、前記ヒップズレ止め粘着剤層を夫々覆う第2剥離紙とから構成された吸収性物品が開示されている。この吸収性物品をショーツへ装着するには、先ず、ショーツをズリ降ろした状態で、前記第1剥離紙を剥がし前記本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層を露出させた状態でショーツへ固定する。そして、ショーツを引き上げて着用した状態で、前記第2剥離紙を剥がしてヒップズレ止め粘着剤層をショーツへ固定するという手順で行われる。
下記特許文献2では、本体粘着剤層が設けられるとともに、一対のウイング部及び一対の後部フラップ部が、本体の長手方向の両側部において本体の肌当接面側に折り返されるとともに、各ウイング部の裏面シート側の面には、それぞれをショーツ等の装着具の非肌対向面に固定するためのウイング部粘着部が設けられ、さらに各後部フラップ部の裏面シート側の面には、それぞれをショーツ等の装着具の肌対向面に固定するための後部フラップ部粘着部が設けられた生理用ナプキンにおいて、第2シート部が前記本体粘着剤層の一部を覆うとともに、ナプキン後端から肌当接面側に折り返されて、その延出部分が前記ウイング部粘着部及び後部フラップ部粘着部を一体的に覆う包装構造における生理用ナプキンについて、前記第2シート部の延出部分がウイング部粘着部及び後部フラップ部粘着部を被覆した状態のまま、ナプキンをショーツ等の装着具の肌対向面に配置し、その後、延出部分を両粘着部から剥離した後、さらに該第2シート部の延出部分を引っ張って前記本体粘着剤層から剥離するようにした吸収性物品の包装構造が開示されている。
また、下記特許文献3では、本体のおよそ前半分に、前方粘着層と翼部粘着層とが形成され、これらの粘着層を覆うことができる大きさの前方保護シートが配設されるとともに、本体のおよそ後半分に、本体の長さ方向の中心線近傍で幅方向において離間する二条の後方粘着域と、それら後方粘着域の両側で長さ方向に離間する二対の補助後方粘着域とが形成され、これらの粘着層を覆うことができる大きさの後方保護シートが配設された生理用ナプキンにおいて、前記前方保護シートのみを剥がした状態で着用ショーツに取付けた後、前記後方保護シートを後方に引っ張って後方部分を着用ショーツに貼付するようにした生理用ナプキンの梱包装体が開示されている。
特開2009−77842号公報 特開2007−54601号公報 特開2007−75137号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の吸収性物品では、ヒップズレ止め粘着剤層については、ショーツを引き上げた後、第2剥離紙を剥がしてショーツへ固定できるため、ショーツの伸びに対応できるものの、本体ズレ止め粘着剤層の後側部分については、ショーツをズリ降ろした状態で固定するため、その後ショーツを引き上げた際にショーツの伸びに対応できていなかった。
また、上記特許文献1〜3記載の吸収性物品では、ショーツを引き上げた後、吸収性物品に残しておいた剥離紙を剥がす際に、吸収性物品の裏面側に向かって引っ張るように引き剥がす必要があるため、剥離紙の剥離時に吸収性物品の後側部分やヒップホールド部が身体の表面から浮き上がり、この部分に隙間やシワが生じてフィット性が損なわれる場合があった。
さらに、上記特許文献1〜3記載の吸収性物品では、吸収性物品に残しておいた剥離紙を剥がす際、ショーツの中で手を丸めて剥離紙を人差し指と親指で摘むようにする必要があるため、手の丸みによってショーツがさらに引き伸ばされ、通常使用する状態より過度に引っ張られた状態で粘着剤層に接着する場合があり、この点でもフィット性が損なわれる場合があった。
そこで本発明の主たる課題は、後側のフィット性を損なうことなくショーツに固定するとともに、ズレ止め粘着剤層同士が貼り付くことなく、スムーズな装着を可能とした吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性の表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の両側部に夫々、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップが形成されるとともに、これより後側の前記本体部分の両側部に夫々、装着時に下着の臀部内側に固定されるヒップホールド用フラップが形成され、かつ前記吸収体の裏面側の本体ズレ止め粘着剤層と前記ウイング状フラップの裏面側のウイングズレ止め粘着剤層と前記ヒップホールド用フラップの裏面側のヒップズレ止め粘着剤層とが形成されるとともに、これら本体ズレ止め粘着剤層、ウイングズレ止め粘着剤層及びヒップズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う剥離紙とを含む吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、個装状態で前記ヒップホールド用フラップが前記裏面シート側に折り畳まれて個装シートによって個装され、
前記剥離紙は、前記吸収性物品の前側に形成される本体ズレ止め粘着剤層及び前記ウイングズレ止め粘着剤層を一体的に覆う前側用剥離紙と、前記吸収性物品の個装状態で、夫々の前記ヒップズレ止め粘着剤層及びこの領域に対向する本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う左右一対の後側用剥離紙とから構成され、
前記後側用剥離紙は、前記吸収性物品の前後方向に開口を有する筒状に形成され、その外周面に剥離処理が施されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、各粘着剤層を剥離可能に覆う剥離紙は、吸収性物品の前側に形成される本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層を一体的に覆う前側用剥離紙と、前記吸収性物品の個装状態で、夫々のヒップズレ止め粘着剤層及びこの領域に対向する本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う左右一対の後側用剥離紙とから構成されている。そして前記後側用剥離紙は、吸収性物品の前後方向に開口を有する筒状に形成され、その外周面に剥離処理が施されたものとしている。すなわち、前記後側用剥離紙は、筒状に形成された外周面に剥離処理が施されることによって、ヒップホールド用フラップを裏面シート側に折り畳んだ個装状態の吸収性物品に対して、一方側の外面でヒップズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆い、他方側の外面で本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆っている。
従って、本発明に係る吸収性物品を装着する場合、ショーツをズリ降ろした状態で、前側用剥離紙のみを取り除き、本体ズレ止め粘着剤層の前側部分及びウイングズレ止め粘着剤層を露出させ、この前側部分を先行的にショーツに固定することができる。その後、ショーツを引き上げ、ウエスト開口部の背中側からショーツの中に手を入れて、前記後側用剥離紙を剥がすようにする。このとき、後側用剥離紙が吸収性物品の前後方向に開口を有する筒状に形成されているため、この開口から後側用剥離紙の内部に手の指を挿入し、そのまま手を外側に移動させれば、裏面シート側に折り畳まれたヒップホールド用フラップが展開すると同時に、後側用剥離紙が本体ズレ止め粘着剤層及びヒップズレ止め粘着剤層から剥離し、ショーツに固定できるようになる。
このように、前記開口から手の指を挿入し外側に移動させることによって後側用剥離紙を剥がすので、吸収体の後側やヒップホールド用フラップを身体側に押さえ付けながら剥離させることができ、吸収性物品の浮きや隙間、シワの発生が防止できるとともに、これに伴う後側のフィット性の低下が防止できるようになる。
また、本発明は従来のものと同様にショーツの中に手を入れて剥離紙を剥がす作業を伴うものであるが、本発明の場合、後側用剥離紙の開口に指を挿入しそのまま外側に移動させるだけなので、手を入れることによるショーツの伸びは手のひらの厚み分だけで済み、従来のように剥離紙を摘むために手を丸めることなどによる過度のショーツの伸びが防止でき、臀部に自然にフィットした状態のショーツに対し吸収性物品が固定されるため、後側のフィット性が損なわれることがなくなる。
さらに前述の通り、後側部分はショーツを引き上げた後にズレ止め粘着剤層を固定するようにしているため、ショーツの伸びなどによる隙間やシワの発生が無くなるとともに、ズレ止め粘着剤層同士の貼り付きなどが無くなり、スムーズな装着が可能となる。
請求項2に係る本発明として、前記前側用剥離紙は前記個装シートに接合されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前側用剥離紙を個装シートに接合しておくことにより、個装状態の吸収性物品から個装シートを開封することにより、同時に前側用剥離紙を取り除くことができ、剥離作業が簡略化できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記後側用剥離紙には、幅方向の一方端又は両端で、蛇腹状に折り返した蛇腹部が形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明は、筒状の開口から手の指を挿入しやすくするため、後側用剥離紙に、幅方向の一方端又は両端で蛇腹状に折り返した蛇腹部を形成するようにしたものである。
請求項4に係る本発明として、前記後側用剥離紙は、片面に剥離処理が施された1枚のシート材を、前記剥離処理面を外側にして幅方向に半分に折り返し、その端縁部を接合することにより筒状に形成されたものを配設している請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明は、後側用剥離紙の第1の態様を規定したものであり、片面に剥離処理が施された1枚のシート材を、前記剥離処理面を外側にして幅方向に半分に折り返し、その端縁部を接合することにより筒状に形成した後側用剥離紙を配設するようにしたものである。
かかる後側用剥離紙では、一方側の側縁だけに接合部が形成され、他方側の側縁は折返し状態とされているため、この折返し側の側縁を内側にして左右一対で配置した場合には、開口から手の指を挿入して外側に移動した際、後側用剥離紙が滑らかに回転するように移動し、中心側から外側に向かって徐々に剥離紙が剥がされるようになり、吸収性物品の浮きやズレがより確実に防止できるようになる。
請求項5に係る本発明として、前記後側用剥離紙は、片面に剥離処理が施された2枚のシート材を、夫々前記剥離処理面を外側にして重ね合わせ、その両端部を接合することにより筒状に形成されたものを配設している請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項5記載の発明は、後側用剥離紙の第2の態様を規定したものであり、後側用剥離紙を2枚のシート材から構成したものである。これにより、例えば一方面側のシート材を伸縮性のあるフィルム素材で構成し他方面側のシート材をコシのある紙で構成することにより手の指を挿入しやすくするなど、2枚のシート材を異なる素材によって形成することができるようになる。
請求項6に係る本発明として、透液性の表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の両側部に夫々、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップが形成されるとともに、これより後側の前記本体部分の両側部に夫々、装着時に下着の臀部内側に固定されるヒップホールド用フラップが形成され、かつ前記吸収体の裏面側の本体ズレ止め粘着剤層と前記ウイング状フラップの裏面側のウイングズレ止め粘着剤層と前記ヒップホールド用フラップの裏面側のヒップズレ止め粘着剤層とが形成されるとともに、これら本体ズレ止め粘着剤層、ウイングズレ止め粘着剤層及びヒップズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う剥離紙とを含む吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、個装状態で前記ヒップホールド用フラップが前記裏面シート側に折り畳まれて個装シートによって個装され、
前記剥離紙は、前記吸収性物品の前側に形成される本体ズレ止め粘着剤層及び前記ウイングズレ止め粘着剤層を一体的に覆う前側用剥離紙と、前記吸収性物品の個装状態で、夫々の前記ヒップズレ止め粘着剤層及びこの領域に対向する本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う後側用剥離紙とから構成され、
前記後側用剥離紙は、片面に剥離処理が施されるとともに、中央部の縦方向に亘って易引裂線が形成された1枚のシート材を、前記剥離処理面を外側にして両側から折返し、この折返し側端縁部を夫々シート材に接合することにより、左右に夫々、吸収性物品の前後方向に開口を有する筒状に形成され、その外周面に剥離処理が施されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項6記載の発明は、後側用剥離紙の第3の態様を規定したものであり、後側用剥離紙を連続的且つその中央部で引裂き可能に設け、後側用剥離紙を剥離するときに、前記易引裂線から引き裂いて使用できるようにしたものである。左右一対で後側用剥離紙を配設するものと比較して、後側用剥離紙間の中間部においても連続的に剥離紙によって覆われるため、本体ズレ止め粘着剤層が吸収性物品の幅方向中央部に形成される場合でも粘着剤層の露出が防止できるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、後側のフィット性を損なうことなくショーツに固定するとともに、ズレ止め粘着剤層同士が貼り付くことなく、スムーズな装着を可能とした吸収性物品が提供できるようになる。
本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。 その裏面図である。 図1のIII−III線矢視図である。 図1のIV−IV線矢視図である。 生理用ナプキン1の装着状態を示すショーツ斜視図である。 生理用ナプキン1の個装要領を示す手順図である。 生理用ナプキン1の個装状態を示す斜視図である。 後側用剥離紙31の斜視図である。 (A)〜(C)は生理用ナプキン1の装着要領を示す手順図である。 後側用剥離紙31の他の形態例を示す断面図である。 後側用剥離紙31の他の形態例を示す断面図である。 後側用剥離紙31の製作工程を示す手順図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔生理用ナプキン1の基本構造〕
本発明に係る生理用ナプキン1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性の裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性の表面シート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも体液排出部を含むように前後方向に所定の区間内において表面側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSとから主に構成され、かつ前記吸収体4の周囲においては、その上下端縁部では前記裏面シート2と表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記裏面シート2と、前記立体ギャザーBSを形成しているサイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、これら裏面シート2とサイド不織布7とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されるとともに、これよりも臀部側に位置する部分にヒップホールド用フラップW、Wが形成され、かつ前記吸収体4の裏面側の本体ズレ止め粘着剤層11と各ウイング状フラップW、Wの裏面側のウイングズレ止め粘着剤層12、12と各ヒップホールド用フラップW、Wの裏面側のヒップズレ止め粘着剤層13、13とが形成されるとともに、これら本体ズレ止め粘着剤層11、ウイングズレ止め粘着剤層12及びヒップズレ止め粘着剤層13が剥離紙によって剥離可能に覆われている。
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記裏面シート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記吸収体4が配設される前記裏面シート2の非使用面側(外面)には、図2に示されるように、1または複数条の本体ズレ止め粘着剤層11が形成されるとともに、前記ウイング状フラップW、Wを形成する前記裏面シート2の非使用面側(外面)には、それぞれウイングズレ止め粘着剤層12、12が形成され、前記ヒップホールド用フラップW、Wを形成する前記裏面シート2の非使用面側(外面)には、それぞれヒップズレ止め粘着剤層13、13が形成され、身体への装着時に生理用ナプキン1を下着に固定するようになっている。前記裏面シート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。
次いで、前記表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。前記表面シート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等(以下、まとめて体液という。)が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
前記吸収体4は、上層吸収体4Aと下層吸収体4Bとが積層された構造とされる。前記下層吸収体4Bは、吸収体配置領域の外縁を画成する平面形状を有し、前記上層吸収体4Aは、幅方向中央部にナプキン長手方向に細長く区画される領域に、使用面側に高い吸収体の中高部6を形成するために配置される。この中高部6の厚みは、厚くし過ぎると吸収体4の剛性が上がり身体への密着性が低下するため3〜25mm、好ましくは5〜18mmとするのが好ましい。前記上層吸収体4Aの周縁に沿ってその近傍外側部位置には周方向に閉合するエンボス8が付与されているとともに、エンボス9,10がそれぞれ形成されている。前記エンボス8は上層吸収体4Aの位置ズレを防止するとともに、中高部6をきっちりと画成するために付与されたエンボスである。
前記上層吸収体4Aは、少なくともパルプ繊維と合成繊維とを含むとともに、前記パルプ繊維:合成繊維との比率を重量換算で80〜20:20〜80、好ましくは40〜60:60〜40で混合したものが望ましい。
前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記上層吸収体4Aは高吸水性樹脂を含有することができる。前記高吸収性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。配合量は上層吸収体4Aが下層吸収体4B側への浸透を促進する必要上、配合量を多くすると所謂ゲルブロッキング現象が起きるため、パルプ繊維及び合成繊維の合計重量に対して重量換算で1〜10%の割合で配合するのが望ましい。なお、高吸水性樹脂含有率が50%を超える場合にはパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、シート強度が低下し破れや割れ等が発生し易くなるため望ましくない。
前記パルプ繊維は、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
一方、前記下層吸収体4Bは合成繊維を含有せず、パルプ繊維単独、或いはパルプ繊維と高吸水性樹脂との混合体とすることができる。下層吸収体4Bは透過性が重視されず、上層吸収体4Aから浸透した体液を内部に保留し外部に滲み出さないように保持することが望ましいため合成繊維を含有しないようにする方がむしろ望ましい。また、高吸収性樹脂の含有率は、体液を吸収し保水するために、下層吸収体4Bを構成する繊維の全体重量に対して1〜20重量%の割合で配合するのが望ましい。
一方、前記透液性表面シート3の幅寸法は、図示例では、図3および図4の横断面図に示されるように、吸収体4の幅よりも若干長めとされ、吸収体4を覆うだけに止まり、前記立体ギャザーBSは前記透液性表面シート3とは別のサイド不織布7、具体的には経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いて構成されている。かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくはゴワ付き感を無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を10〜23g/mとして作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
前記サイド不織布7は、図3および図4に示されるように、幅方向中間部より外側部分を吸収体4の内側位置から吸収体側縁を若干越えて不透液性裏面シート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって接着し、これら前記サイド不織布7と不透液性裏面シート2との積層シート部分により、ほぼ体液排出部に相当する吸収体側部位置に左右一対のウイング状フラップW、Wを形成するとともに、これより臀部側位置にヒップホールド用フラップW、Wを形成している。これらウイング状フラップW、Wおよびヒップホールド用フラップW、Wの外面側にはそれぞれ粘着剤層12…,13…を備え、ショーツに対する装着時に、図5に示されるように、前記ウイング状フラップW、Wを折返し線RL近傍位置にて反対側に折り返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて止着するとともに、ヒップホールド用フラップW、Wをショーツの内面に止着するようになっている。
一方、前記サイド不織布7の内方側部分はほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された糸状弾性伸縮部材19が配設されるとともに、前記糸状弾性伸縮部材19の上側部位に複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材20,20が両端または長手方向の適宜の位置が固定された状態で配設されている。この二重シート部分は前後端部では図4に示されるように、断面Z状に折り畳んで積層された状態で吸収体4側に接着されることによって、図3に示されるように、前記糸状弾性伸縮部材19配設部位を屈曲点として、断面く字状に内側に開口を向けたポケットP、Pを形成しながら表面側に起立する立体ギャザーBS、BSが形成されている。
〔生理用ナプキン1の個装状態〕
ここで、前記生理用ナプキン1の個装状態について図6及び図7に基づいて説明する。前記ヒップホールド用フラップW、Wを裏面シート2側に折り畳むとともに、前記ウイング状フラップW、Wを表面シート3側に折り畳んで、個装シートSによって個装されている。なお、図6(A)ではズレ止め粘着剤層11〜13を割愛して、個装シートSと前側用剥離紙30との接合部14を表示し、図6(B)〜(D)では前記接合部14を割愛して、ズレ止め粘着剤層11〜13を表示している。
具体的な個装手順としては、図6(A)に示されるように、前記剥離紙が取り付けられた生理用ナプキン1のヒップホールド用フラップW、Wを裏面シート2側に折り畳む(背折りする)とともに、前記ウイング状フラップW、Wを表面シート3側に折り畳んで(腹折りして)、個装シートSの上面に配置する。
そして、図6(A)に示されるように、ナプキン1の後端部分を折畳み線Lにて個装シートSとともに表面側に折り畳み、同図6(B)に示されるように、ナプキン中央部の折畳み線Lにて個装シートSとともに表面側に折り畳む。その後、同図6(C)に示されるように、ナプキン1の前端部分を折畳み線Lにて個装シートSとともに折り畳み、短手側縁に設けてあるタグテープTを個装シートSの外面に剥離可能に接着し、折り畳み形状を保持する(同図6(D))。しかる後、図7に示されるように個装シートSの開口した側縁部分Sa、Saをエンボス圧着、加熱融着、接着剤等、適宜の封鎖手段の単独または組合せによって封鎖し、個装された製品状態の包装生理用ナプキンNが完成する。
〔剥離紙の基本構造〕
次に、裏面シート2の外面側に形成される各粘着剤層11、12、13を剥離可能に覆う剥離紙について説明する。
前記剥離紙は、図2に示されるように、生理用ナプキン1の前側部分に形成される粘着剤層を覆う前側用剥離紙30と、その後側部分に形成される粘着剤層を覆う後側用剥離紙31とから構成されている。
前記前側用剥離紙30は、前記本体ズレ止め粘着剤層11のうちナプキン前側に形成される前側本体ズレ止め粘着剤層11F及びウイングズレ止め粘着剤層12を一体的に覆うものである。また、前記後側用剥離紙31は、生理用ナプキン1の個装状態で、夫々のヒップズレ止め粘着剤層13及び前記本体ズレ止め粘着剤層11のうちナプキン後側に形成されるとともに、ヒップホールド用フラップWを裏面側に折り返したときに前記ヒップズレ止め粘着剤層13が位置する領域に対向する領域に形成される後側本体ズレ止め粘着剤層11Bを剥離可能に覆うものである。ここで、ナプキン後側の後側本体ズレ止め粘着剤層11Bとは、本体ズレ止め粘着剤層11のうち、同図2に示されるように、少なくとも個装時にヒップホールド用フラップWを折り線RBにて裏面側に折り返したときにこのヒップホールド用フラップと重なる領域(仮想線F)よりナプキン後側に形成される粘着剤層のことであり、前側本体ズレ止め粘着剤層11Fとは、それよりナプキン前側に形成される粘着剤層のことである。
前記前側用剥離紙30は、同図2に示されるように、ナプキン中央部を長手方向に沿って縦長に配置される第1前側用剥離紙30Aと、各ウイング状フラップW、Wに形成されるウイングズレ止め粘着剤層12、12に跨るように横長に配置される第2前側用剥離紙30Bとが、その重なり部分で固着されて一体とされ、略十字形とされたものである。前記前側用剥離紙30は、図6(A)に示されるように、適宜の位置に形成される接合部14にて前記個装シートSに接合されるようにすることが好ましい。これにより、個装状態から開封することによって、同時に前側用剥離紙30を取り除くことができ、剥離紙30の剥離作業が不要となる。
一方、前記後側用剥離紙31は、図2及び図8に示されるように、生理用ナプキン1の前後方向に開口31a、31aを有する筒状に形成され、その外周面に剥離処理が施されている。このように後側用剥離紙31を筒状に形成するには、ナプキン後側部分の展開状態でヒップズレ止め粘着剤層13及び後側本体ズレ止め粘着剤層11Bを覆うシート材を配設しておくとともに、このシート材のナプキン幅方向の両端縁に沿ってホットメルト接着剤などを塗布しておき、個装のためヒップホールド用フラップWを背折りすることにより前記シート材が折り返されて筒状に形成されるようにすることができる。
前記剥離紙30、31は、粘着剤層11、12、13に設けられた接着剤を保護する役割を成し、ナプキン1使用時には剥離紙30、31を剥がすことによって粘着剤が塗布された粘着剤層11、12、13を露出させ、ショーツに止着させることで固定する。剥離紙30、31としては、剥離紙基材に剥離剤を塗布したものが好ましく用いられる。剥離紙基材としては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ポリビニルアルコール等のフィルムあるいは不織布や紙及びこれらの複合材料を用いることができる。特に本発明では、後述するように、前記後側用剥離紙31は、ショーツを引き上げて着用した状態で剥離するため、少なくとも後側用剥離紙31としては、肌に当たっても痛くないように柔らかい素材を用いることが好ましく、紙よりもフィルム素材が好ましい。一方、前記剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、イソシアネート系等のものが好ましく用いられる。特に、シリコーン樹脂系のものを剥離紙基材に塗布して加熱乾燥するか、スプレーで吹きつけによって薄い被膜を形成させる等して用いるのが好ましい。
また、前記剥離紙30、31は、粘着剤層11〜13から剥がした後、静電気で手にまとわりつくのを防止するために静電気防止処理が施してあることが好ましい。前記静電気防止処理以外の方法としては、例えば、剥離紙30、31に粘着部が設けられていて、粘着剤層から剥がした後、この粘着部を包装シート等に接着できるようにすることで手へのまとわりつきを防止することもできる。
さらに前記剥離紙30、31は、剥離後トイレに流せる水分解性の素材によって構成すると、廃棄処理が簡便となる。
〔生理用ナプキン1の装着要領〕
次に、上記生理用ナプキン1の装着要領について、図9に基づいて説明する。
図9(A)に示されるように、ショーツをズリ降ろした状態で、個装生理用ナプキンNを開封し、前側用剥離紙30のみを取り除き、ナプキン前側の本体ズレ止め粘着剤層11F及びウイングズレ止め粘着剤層12、12を露出させる。このとき、後側用剥離紙31、31は、ナプキン1に配設されたままである。
そして図9(B)に示されるように、この状態のナプキン1のウイング状フラップW、Wをショーツのクロッチ部分に合わせながら、前側部分の本体ズレ止め粘着剤層11F及びウイングズレ止め粘着剤層12、12をショーツに固定する。このように、ウイング状フラップW、Wをショーツのクロッチ部分に位置合わせしながら装着できるので、1回の装着作業できっちりと位置決めすることができる。また、この固定作業の間、ヒップズレ止め粘着剤層13、13及び後側部分の本体ズレ止め粘着剤層11Bは後側用剥離紙31に覆われたままなので、ヒップズレ止め粘着剤層13が他の粘着剤層11、12に接着したり、ヒップホールド用フラップが折れ曲がって粘着剤層13同士が接着したりする事態が回避できる。
その後、同図9(C)に示されるように、ショーツを引き上げて着用した状態で、ウエスト開口部の背中側からショーツの中に手を入れて、後側用剥離紙31を取り除く。このとき、後側用剥離紙31が生理用ナプキン1の前後方向に開口31aを有する筒状に形成されているため、この開口31aから後側用剥離紙31の内部に手の指を挿入し、そのまま手を外側に移動させれば、背折りされたヒップホールド用フラップWが展開すると同時に、後側用剥離紙31が本体ズレ止め粘着剤層11B及びヒップズレ止め粘着剤層13から剥離し、ショーツに固定できるようになる。
このように、本生理用ナプキン1では、開口31aから手の指を挿入し外側に移動させることによって後側用剥離紙31を取り除くようにしてあるので、吸収体4の後側部分やヒップホールド用フラップWを身体側に押さえ付けながら剥離紙を取り除くことができ、生理用ナプキン1の浮き、隙間やシワの発生が防止できるとともに、これに伴う後側部分のフィット性の低下が防止できるようになる。
また、本生理用ナプキン1は従来のものと同様にショーツの中に手を入れて剥離紙を剥がす作業を行うものであるが、本生理用ナプキン1の場合、後側用剥離紙31の開口31aに指を挿入し、そのまま外側に移動させるだけなので、手を入れることによるショーツの伸びは手のひらの厚み分だけで済み、従来のように剥離紙を摘むために手を丸めることなどによる過度のショーツの伸びが防止でき、臀部に自然にフィットした状態のショーツに対し生理用ナプキン1が固定されるようになる。
〔後側用剥離紙31の形態例〕
前述したように前記後側用剥離紙31の第1形態例としては、図8に示されるように、片面に剥離処理が施された1枚のシート材を、前記剥離処理面を外側にして幅方向に半分に折り返し、その端縁部をホットメルト接着剤などの接合手段によって接合した接合部32とすることにより短手縁に開口31a、31aを有する筒状としたものとすることができる。
かかる後側用剥離紙31は、生理用ナプキン1の後側に左右一対で配設されている。このとき、図2に示されるように、前記接合部32が内側となるように左右一対で配置することが好ましい。これにより、開口31aから手の指を挿入して外側に移動した際、折り返し側が外側となるため、後側用剥離紙31が滑らかに回転するように移動し、中心側から外側に向かって徐々に剥離紙が剥がされるようになり、ナプキン1の浮きやズレがより確実に防止できるようになる。
前記開口31aは、装着時の利便性を考慮して、手の指が1本乃至2本入る程度の大きさで形成されることが望ましい。
図10に示されるように、前記後側用剥離紙31には、前記接合部32に沿って、折り返した一方側シート材の端縁部分を蛇腹状に折り返した蛇腹部33とすることが好ましい。これによって、後側用剥離紙31の開口31aを広く形成することができ、手の指が挿入しやすくなる。前記蛇腹部33としては、図10(A)の1つ折り、(B)の折り返し、(C)の2つ折りなど種々の形態とすることができる。なお、同図10(A)、(B)の形態では、外面の剥離処理面が接合部32に面するため、この部分には剥離処理を施さないようにする。前記蛇腹部33は、折り返し側に設けてもよいし、接合側及び折り返し側の両方に設けてもよい。また、接合部32に対し両方の折り返し端縁に設けるようにしてもよい。
前記後側用剥離紙31の第2形態例としては、図11に示されるように、片面に剥離処理が施された2枚のシート材を、夫々前記剥離処理面を外側にして重ね合わせ、その両端部をホットメルト接着剤などの接合手段によって接合した接合部32とすることにより短手縁に開口31a、31aを有する筒状に形成されるものとすることができる。かかる後側用剥離紙31は、生理用ナプキン1の後側に左右一対で配設されている。
前記2枚のシート材は、同一の素材で形成してもよいし、異なる素材で形成してもよい。異なる素材で形成する場合、一方側を伸縮性のあるフィルム素材で構成し、他方側をコシのある紙で構成することにより、開口31aから手の指を挿入する際、一方側のフィルム素材だけが変形して容易に挿入できるようになる。なお、本形態例においても、上記蛇腹部33を形成することができる。
前記後側用剥離紙31の第3形態例としては、図12に示されるように、片面に剥離処理が施されるとともに、中央部の縦方向に亘って易引裂線34が形成された1枚のシート材を、前記剥離処理面を外側にして両側から夫々折り返し(同図12(A))、この折り返し側端縁部を夫々前記接合部32、32によってシート材に接合することにより、左右に夫々筒状部分が形成されたもの(同図12(B))とすることができる。本形態例では、両側の筒状部分の中間部に剥離紙が配設されるため、本体ズレ止め粘着剤層11Bの露出が完全に防止できる。なお、本形態例においても、上記蛇腹部33を形成することができる。
前記易引裂線34としては、ミシン目、溝形線など種々の形態で施すことができる。また前記易引裂線34は、同図12(A)、(B)の直線状、(C)のジグザグ状など種々の形状で形成することができる。
1…生理用ナプキン、2…裏面シート、3…表面シート、4…吸収体、4A…上層吸収体、4B…下層吸収体、5…クレープ紙、6…中高部、7…サイド不織布、8〜10…エンボス、11…本体ズレ止め粘着剤層、12…ウイングズレ止め粘着剤層、13…ヒップズレ止め粘着剤層、30…前側用剥離紙、31…後側用剥離紙、31a…開口、32…接合部、33…蛇腹部、34…易引裂線、BS…立体ギャザー、S…個装シート、W…ウイング状フラップ、W…ヒップホールド用フラップ

Claims (6)

  1. 透液性の表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の両側部に夫々、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップが形成されるとともに、これより後側の前記本体部分の両側部に夫々、装着時に下着の臀部内側に固定されるヒップホールド用フラップが形成され、かつ前記吸収体の裏面側の本体ズレ止め粘着剤層と前記ウイング状フラップの裏面側のウイングズレ止め粘着剤層と前記ヒップホールド用フラップの裏面側のヒップズレ止め粘着剤層とが形成されるとともに、これら本体ズレ止め粘着剤層、ウイングズレ止め粘着剤層及びヒップズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う剥離紙とを含む吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、個装状態で前記ヒップホールド用フラップが前記裏面シート側に折り畳まれて個装シートによって個装され、
    前記剥離紙は、前記吸収性物品の前側に形成される本体ズレ止め粘着剤層及び前記ウイングズレ止め粘着剤層を一体的に覆う前側用剥離紙と、前記吸収性物品の個装状態で、夫々の前記ヒップズレ止め粘着剤層及びこの領域に対向する本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う左右一対の後側用剥離紙とから構成され、
    前記後側用剥離紙は、前記吸収性物品の前後方向に開口を有する筒状に形成され、その外周面に剥離処理が施されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記前側用剥離紙は前記個装シートに接合されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記後側用剥離紙には、幅方向の一方端又は両端で、蛇腹状に折り返した蛇腹部が形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記後側用剥離紙は、片面に剥離処理が施された1枚のシート材を、前記剥離処理面を外側にして幅方向に半分に折り返し、その端縁部を接合することにより筒状に形成されたものを配設している請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記後側用剥離紙は、片面に剥離処理が施された2枚のシート材を、夫々前記剥離処理面を外側にして重ね合わせ、その両端部を接合することにより筒状に形成されたものを配設している請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品。
  6. 透液性の表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の両側部に夫々、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップが形成されるとともに、これより後側の前記本体部分の両側部に夫々、装着時に下着の臀部内側に固定されるヒップホールド用フラップが形成され、かつ前記吸収体の裏面側の本体ズレ止め粘着剤層と前記ウイング状フラップの裏面側のウイングズレ止め粘着剤層と前記ヒップホールド用フラップの裏面側のヒップズレ止め粘着剤層とが形成されるとともに、これら本体ズレ止め粘着剤層、ウイングズレ止め粘着剤層及びヒップズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う剥離紙とを含む吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、個装状態で前記ヒップホールド用フラップが前記裏面シート側に折り畳まれて個装シートによって個装され、
    前記剥離紙は、前記吸収性物品の前側に形成される本体ズレ止め粘着剤層及び前記ウイングズレ止め粘着剤層を一体的に覆う前側用剥離紙と、前記吸収性物品の個装状態で、夫々の前記ヒップズレ止め粘着剤層及びこの領域に対向する本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆う後側用剥離紙とから構成され、
    前記後側用剥離紙は、片面に剥離処理が施されるとともに、中央部の縦方向に亘って易引裂線が形成された1枚のシート材を、前記剥離処理面を外側にして両側から折返し、この折返し側端縁部を夫々シート材に接合することにより、左右に夫々、吸収性物品の前後方向に開口を有する筒状に形成され、その外周面に剥離処理が施されていることを特徴とする吸収性物品。
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