JP5503984B2 - 携帯端末 - Google Patents

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本発明は、アンテナを備える携帯端末に関する。
携帯電話機等の携帯端末は、筐体と、この筐体の内部に設けられたアンテナとを備える(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−35361号公報
このような携帯電話機では、アンテナから放射される電波に起因する人体への影響をできるだけ低減させたいという要望がある。
そこで本発明は、アンテナから放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることのできる携帯端末を提供することを目的とする。
本発明の携帯端末は、筐体と、前記筐体に設けられ、所定の波長に共振するアンテナと、キー操作部と、前記キー操作部に対応して配置されるキーフレームと、を有し、前記キーフレームは、前記所定の波長に対応する長さに形成される第1の部分と、該第1の部分と接続される第2の部分と、前記第1の部分と第2の部分との接続部分であり、前記第1の部分よりも高いインピーダンスを有する高インピーダンス部とからなる、ことを特徴とする。
また、前記キーフレームは、基準電位に電気的に接続されることが好ましい。
また、前記アンテナは、複数の波長に共振可能に構成され、前記キーフレームは、複数の接続箇所で前記基準電位に電気的に接続可能に構成され、前記アンテナにより共振される波長に応じて、前記キーフレームと前記基準電位との接続箇所を変更する制御部を有することが好ましい。
また、前記キーフレームは、コンデンサ及びインダクタのうち少なくとも一方を介して前記基準電位に電気的に接続されることが好ましい。
また、前記キーフレームは、前記筐体の正面側の内面と、前記アンテナとの間に配置されることが好ましい。
また、前記アンテナは、筐体ダイポールであることが好ましい。
また、前記キーフレームは、前記筐体ダイポールのエレメントが配置されている筐体に設けられることが好ましい。
本発明によれば、アンテナから放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。
携帯端末の一実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。 操作部側筐体に配置される操作部の分解斜視図である。 携帯電話機の概略構成を示す模式図である。 導電部の第2の構成例について説明するための概略平面図である。 キーフレームの平面図である。 キーフレームと基準電位との接続箇所を説明するための図である。 切替部を介して基準電位と接続されたキーフレームについて説明するための図である。 インダクタを介して基準電位に接続されたキーフレームについて説明するための図である。 筐体ダイポールの構成について説明するための図である。
以下、本発明を実施するための好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の携帯端末の一実施形態に係る携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、携帯端末の一実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
携帯電話機1は、筐体としての操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結するヒンジ機構4とを備える。
操作部側筐体2は、前面10に、操作部11(キー操作部)とマイク12とを備える。操作部側筐体2の前面10は、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。
操作部11は、各種設定機能や辞書機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、数字や文字を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15とから構成されている。
マイク12は、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声を入力するために用いられる。
表示部側筐体3は、前面20に、表示部21とスピーカ22とを備える。表示部側筐体3の前面20は、携帯電話機1を折り畳んだ状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。
表示部21は、通話の相手側の電話番号やメールアドレス、及びメールの内容等の各種情報(文字情報や画像情報)を表示する。スピーカ22は、通話の相手側の音声を出力する。
ヒンジ機構4は、操作部側筐体2(第1筐体)と表示部側筐体3(第2筐体)とが相対的に動くようにこれらを連結している。携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開いた状態(開状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(閉状態)にしたりできる。
なお、図1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機1を挙げているが、携帯電話機としては、特にこれに限らない。すなわち、操作部側筐体と表示部側筐体とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式や、操作部側筐体と表示部側筐体とを2軸ヒンジを介して連結したもの、さらには、操作部側筐体と表示部側筐体とが1つの筐体に配置されたもの(いわゆる、ストレートタイプ、フリップタイプ)であってもよい。
図2は、操作部側筐体2に配置される操作部11の分解斜視図である。
操作部側筐体2は、フロントケース2aと、キー構造部40と、キー基板50と、バッテリリッド2cを備えたリアケース2bと、第1のケース部材30と、バッテリ81とを備える。
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、リアケース2bの外面には、第1のケース部材30が連結されている。この第1のケース部材30は、リアケース2bに対して相対移動可能に連結される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キー構造部40と、フレキシブルプリント基板90を有するキー基板50とが挟まれるようにして内蔵される。
フロントケース2aには、携帯電話装置1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3の表示部21と対向する内側面に、キー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの操作面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの操作面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの操作面が露出される。この露出した機能設定操作キー部材13b、入力操作キー部材14b及び決定操作キー部材15bの操作面を押し下げるように操作することで、対応するキースイッチ51、52、53それぞれに設けられるメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
キー構造部40は、操作部材40Aと、補強部材としてのキーフレーム40Bと、シート部材としてのキーシート40Cとから構成される。
操作部材40Aは、複数のキー操作部材により構成される。具体的に、操作部材40Aは、機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材14bと、決定操作キー部材15bとにより構成される。操作部材40Aを構成する各操作キー部材それぞれは、キーフレーム40Bを挟んでキーシート40Cに接着される。キーシート40Cに接着された各操作キー部材それぞれにおける押圧面は、上述の通り、キー孔13a、14a、15aそれぞれから外部に露出して配置される。
キーフレーム40Bは、孔部14cが複数形成された金属性の板状部材である。キーフレーム40Bは、入力操作キー部材14bの操作による回路基板(不図示)等への悪影響を防ぐための補強部材である。また、キーフレーム40Bは導電性の部材であり、入力操作キー部材14bにおける静電気を逃がすための部材としても機能する。さらに、キーフレーム40Bは、基準電位に接続されており、導電部61として機能する。キーフレーム40Bに形成される複数の孔部14cには、キーシート40Cに形成される凸部14dが嵌合するように配置される。そして、この凸部14dに入力操作キー部材14bが接着される。
キーシート40Cは、例えば、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、複数の凸部14dが形成される。複数の凸部14dは、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。この複数の凸部14dそれぞれは、キースイッチ52に対応する位置に形成される。
キー基板50は、キーシート40C側の面に配置される複数のキースイッチ51、52、53を有する。複数のキースイッチ51、52、53、それぞれは、各操作部材40Aに対応する位置に配置される。キー基板50に配置されるキースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する構造になっている。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(不図示)に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通するように構成される。
このように構成される携帯電話機1は、アンテナ60を有し、このアンテナ60から放射される電波に関し、人体影響への影響を低減する機能を有する。なおアンテナからの電波による人体影響を示す基準の一例としては、SAR(Specific Absorption Rate:比吸収率)が知られている。SARは、所定の質量の生体組織が所定の時間に吸収するエネルギ量のことであり、値が大きくなるほど生体組織に大きな影響を与える。
また、上記の基準には、電話発信を行う時など携帯電話機を人体頭部のそばで使用する場合に、局所SARが用いられる。局所SARとは、電波にさらされたことによって任意の生体組織10グラムが任意の6分間に吸収したエネルギを10グラムで除し、さらに6分で除した値のことである。そして、携帯電話機は、無線設備規則第14条の2第1項に規定されるように、アンテナから放射される電波の人体頭部における比吸収率(局所SAR)が許容値(2W/kg)以下になっていなければならない。
以下に、携帯電話機1に係る上記機能を発揮するための構成と動作について詳述する。
まず、本実施形態に係る携帯電話機1の上記機能を発揮するための構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、携帯電話機1の概略構成を示す模式図である。
図3に示すように、携帯電話機1は、操作部側筐体2の内部に、アンテナ60と、アンテナ60に雪像されるRF回路部62と、導電部61とを備える。
アンテナ60は、操作部側筐体2(筐体)に設けられ、所定の波長λに共振する。例えば、アンテナ60から放射される電波の周波数が800[MHz]〜900[MHz]の場合、所定の波長λは、0.375[m]〜0.333[m]となる。また、アンテナ60から放射される電波の周波数が2[GHz]の場合、所定の波長λは、0.15[m]となる。
RF回路部62は、アンテナ60によって信号を送信するために信号の変調処理を行い、またアンテナ60によって受信した信号の復調処理を行う。
導電部61は、操作部側筐体2(筐体)に設けられ、アンテナ60に基板やシールドケースの基準電位67を介して電気的(高周波的に)に接続されたものである。したがって、アンテナ60により電波が送信される場合、又はアンテナ60により電波が受信される場合、導電部61には、電波に基づいて表面電流が誘起される。なお、導電部61とアンテナ60とは、直流的に接続されていてもよい。
また、導電部61は、所定の波長λに対応する長さLに形成される第1の部分611と、第1の部分611に設けられ、第1の部分611よりも高いインピーダンスを有する高インピーダンス部612とを有する。所定の波長λに対応する長さLは、下記の数1から得られる。
Figure 0005503984
なお、第1の部分611の長さLの、より好適な具体例としては、所定の波長λが0.375[m]〜0.333[m](周波数が800[MHz]〜900[MHz])の場合には約30[mm]〜40[mm]であり、所定の波長λが0.15[m](周波数が2[GHz])の場合には約10[mm]である。
高インピーダンス部612は、例えば、第1の部分611の両端に設けられている。高インピーダンス部612は、第1の部分611よりも高いインピーダンスを有するものであればよく、一例としては、抵抗やインダクタやコンデンサ等のインピーダンス素子から構成されていればよい。
このような構成の携帯電話機1では、アンテナ60を利用して、電波を送信又は電波を受信する場合に、導電部61に表面電流が誘起される。この場合、導電部61における第1の部分611を伝播する表面電流は、高インピーダンス部612により反射される。すなわち、高インピーダンス部612は、第1の部分611及び第2の部分613に対してインピーダンスが不整合となっている。これにより、第1の部分611において、高インピーダンス部612に向かう電流(ここでは、進行電流という。)と、高インピーダンス部612により反射された電流(ここでは、反射電流という。)とが互いに打ち消しあうので、表面電流は低減される。なお、アンテナ60から放射される電波が強い(電力が大きい)場合には、表面電流も大きくなる。したがって、携帯電話機1は、表面電流を低減することにより電波を弱くして、人体への影響を低減している。
以上説明したように、携帯電話機1は、導電部61により表面電流を小さくしているので、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。
また、導電部61は、第1の部分611に対して屈曲して接続される第2の部分613を有していてもよい。この場合、高インピーダンス部612は、第1の部分611と第2の部分613とが屈曲して接続される部分に必然的に形成されるため、構成の簡素化が図られる。
図4は、導電部61の第2の構成例について説明するための概略平面図である。
図4に一例を示すように、導電部61は、格子状に形成された導体から構成されていてもよい。すなわち、導電部61は、縦方向と横方向とのそれぞれに3個の単位格子614を並べた構成である。単位格子614は、縦方向の辺部614aと、この縦方向の辺部614aに対して屈曲して接続される横方向の辺部614bとから構成される。
この場合、第1の部分611は、単位格子614における縦方向の辺部614aである。第2の部分613は、単位格子614における屈曲して接続される部分となる、横方向の辺部614bである。高インピーダンス部612は、単位格子614における、縦方向の辺部614aと横方向の辺部614bとが接続される部分である。このため、高インピーダンス部612は、単位格子614当たり4つ存在する。
なお、導電部61は、図4では9個の単位格子614から形成されたものであるが、これに限定されることはなく、1つ以上の単位格子614から形成されたものであればよい。また、導電部61は、図4では縦方向及び横方向のそれぞれに3個の単位格子614が並べられたものであるが、これに限定されることはなく、縦方向及び横方向のそれぞれに任意の数の単位格子614を並べたものであってもよい。
このような構成の携帯電話機1では、アンテナ60を利用して、電波を送信又は電波を受信する場合に、導電部61に表面電流が誘起される。この場合、導体部61における各第1の部分611を伝播する表面電流は、高インピーダンス部612により反射される。例えば、図3における左下側の第1の部分611aを伝播する表面電流は、この第1の部分611aの両端に配置される高インピーダンス部612により反射される。さらに、左下側の第1の部分611aから左中側の第1の部分611bに伝播した表面電流は、この左中の第1の部分611bの両端に配置される高インピーダンス部612により反射される。同様に、左中側の第1の部分611bから左上側の第1の部分611cに伝播した表面電流は、この左上側の第1の部分611cの両端に配置される高インピーダンス部612により反射される。これにより、進行電流と反射電流とが互いに打ち消しあうので、表面電流は低減される。すなわち、EBG(Electromagnetic Band Gap)構造に代表されるように、導電部61を周期的な格子形状とすることにより、任意の周波数の電波の電力を減衰することが可能となる。したがって、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。
したがって、上記の導電部61を採用する携帯電話機1は、導電部61により表面電流を小さくしているので、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。
また、携帯電話機1は、第1の部分611と第2の部分613とを屈曲させて接続することにより高インピーダンス部612を構成するので、図2を参照して説明したようにインピーダンス素子を積極的に配置しなくても高インピーダンス部612を構成することができる。
なお、図4に示す導電部61は、第1の部分611と第2の部分613とが直角に接続する場合を例示している。しかしながら、本発明の導電部は、第1の部分と第2の部分とが直角に接続していなくともよい。すなわち、本発明の導電部は、第1の部分と第2の部分とが屈曲して接続していればよい。例えば、第1の部分と第2の部分とのなす角は、5°〜10°程度であってもよい。
また、上述のとおり、携帯電話機1は、操作部11に対応して配置されるキーフレーム40Bを有しているが、このキーフレーム40Bを、導電部61の一例として構成してもよい。キーフレーム40Bを導電部61の一例として構成すれば、携帯電話機1は、導電部61として新たな部品を追加することなく、既存の部品(キーフレーム40B)で、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。そたがって、新たな部品として導電部61を構成追加するために操作部側筐体2が厚くなり、さらに部品点数が多くなってコストが上昇するということを防ぐことができる。
この場合、キーフレーム40Bは、例えば、図5のような構成となる。
図5は、キーフレームの平面図である。ここで、図5(A)は、アンテナ60を利用して送受信される電波の周波数が800[MHz]〜900[MHz]の場合に用いることが好適なキーフレーム70の平面図である。また、図5(B)は、アンテナ60を利用して送受信される電波の周波数が2[GHz]の場合に用いることが好適なキーフレーム71の平面図である。
図5(A)に示すキーフレーム70は、アンテナ60の共振周波数が800[MHz]〜900[MHz]の場合、上述の数1により得られる長さである30〜40[mm]長を一辺701とする格子形状を形成する。図5(B)に示すように、アンテナ60の共振周波数が2[GHz]の場合の場合、上述の数1により得られる長さである10[mm]長を一辺711とする格子形状を形成する。これにより、導電部61の第2の構成例と同様の原理で、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。
また、キーフレーム71は、基準電位に電気的に接続される。この場合、例えば、キーフレーム71の長手方向の長さが、800[MHz]〜900[MHz]のときに数1に基づいて得られる長さである30〜40[mm]長の自然数倍に対応する長さであれば、キーフレーム71における基準電位との電気的な接続箇所712は、キーフレーム71の長手方向を介した位置にそれぞれ配置されるのが好ましい。
一方、フレーム71の短手方向の長さが、数GHzのときに数1に基づいて得られる長さである10[mm]長の自然数倍に対応する長さであれば、キーフレーム71における基準電位との電気的な接続箇所712は、キーフレーム71の短手方向を介した位置にそれぞれ配置されるのが好ましい。
図6は、キーフレーム71と基準電位との接続箇所712を説明するための図である。ここで、図6(A)は、所定の波長λに基づく周波数が800[MHz]〜900[MHz]の場合における、キーフレーム71と基準電位との接続箇所712を説明するための図である。また、図6(B)は、所定の波長λに基づく周波数が数GHzの場合における、キーフレーム71と基準電位との接続箇所712を説明するための図である。
アンテナ60を利用して送受信される電波の周波数が800[MHz]〜900[MHz]の場合、図6(A)に示すキーフレーム71には、長辺に沿う方向(長手方向:図6(A)に示す場合では上下方向)に定在波が生じる。これは、フレーム71の長手方向の長さが、800[MHz]〜900[MHz]のときに数1に基づいて得られる長さである30〜40[mm]長の自然数倍に対応する長さであることに起因する。
このため、図6(A)に示すように、キーフレーム71と基準電位との接続箇所712は、キーフレーム71における長辺に沿う方向を介した位置にそれぞれ配置されるのが好ましい。
一方、アンテナ60を利用して送受信される電波の周波数が数[GHz]、図6(B)に示すキーフレーム71には、短辺に沿う方向(長手方向に交差する方向:図6(B)に示す場合では左右方向)に定在波が生じる。これは、フレーム71の短手方向の長さが、数[GHz]のときに数1に基づいて得られる長さである30〜40[mm]長の自然数倍に対応する長さであることに起因する。このため、図6(B)に示すように、キーフレーム71と基準電位との接続箇所712は、キーフレーム71における短辺に沿う方向を介した位置にそれぞれ配置されるのが好ましい。
このようにすることで、キーフレーム71を有効活用しながら、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。
またこの場合、キーフレーム71における基準電位との電気的な接続箇所712が、キーフレーム71の長手方向を介した位置に配置され、又はキーフレーム71の長手方向に交差する方向を介した位置に配置されることを、所定の波長λに基づく周波数に応じて切り替える切替部63をさらに備えることが好ましい。
図7は、切替部63を介して基準電位と接続されたキーフレーム71について説明するための図である。
キーフレーム71は、長辺に沿う方向(長手方向)を介したそれぞれの位置において切替部63と接続されると共に、短辺に沿う方向(短手方向)を介したそれぞれの位置において切替部63と接続される。
切替部63は、基準電位に接続される。また、切替部63は、制御部64の制御にしたがってスイッチの接続先が切り替えられる。すなわち、制御部64の制御により切替部63が接点aに接続した場合(図7参照)、キーフレーム71と基準電位とが導通する箇所は、キーフレーム71における長辺に沿う方向を介した位置となる。また、制御部64の制御により切替部63が接点bに接続した場合、キーフレーム71と基準電位とが導通する箇所は、キーフレーム71における短辺に沿う方向を介した位置となる。
したがって、携帯電話機1は、例えば、数MHz〜数百MHzの電波と数GHzの電波とを切り替えて、選択された周波数帯の電波をアンテナ60により送受信させる場合でも、送受信する電波の周波数に基づいて切替部63を切り替えることにより、その周波数に適したキーフレーム71と基準電位との接続箇所712を選択するので、定在波方向の電流を減衰し、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響を、低減させることができる。
また、キーフレーム71は、コンデンサ及びインダクタ65のうち少なくとも一方を介して基準電位に電気的に接続されることが好ましい。
図8は、インダクタ65を介して基準電位に接続されたキーフレーム71について説明するための図である。
コンデンサ及びインダクタ65のうち少なくとも一方により、共振回路66が形成される。共振回路66は、キーフレーム71と基準電位との間に接続される。
キーフレーム71と基準電位との間に共振回路66が接続されることにより、共振回路66の共振周波数とアンテナ60により送受信される電波の周波数とが一致する場合、その電波に関しては、キーフレーム71が基準電位に接続されることになる。一例としては、アンテナ60により受信される電波(受信電波)の周波数が800[MHz]であり、アンテナ60により送信される電波(送信電波)の周波数が810[MHz]であり、共振回路66の共振周波数が810[MHz]である場合、送信電波に関しては、キーフレーム71が基準電位に接続されていることになる。このように、外部に電波を送信する場合には、キーフレーム71によって表面電流は低減される。一方、受信電波に関しては、共振回路66と共振しないので、キーフレーム71が基準電位に接続されていないことになる。このように、外部から電波を受信する場合には、キーフレーム71によって表面電流は低減されない。
したがって、携帯電話機1は、キーフレーム71と基準電位との間に共振回路66を接続することにより、人体に影響を与えうる電波に基づく表面電流を選択的に低減することができる。
また、導電部は、操作部側筐体2(筐体)の正面側内面と、アンテナ60との間に配置されることが好ましい(図2参照)。操作部側筐体2の正面側とは、操作部11が配置される側の前面10のことである。これにより、ユーザが携帯電話機1を使用する場合、人体頭部とアンテナ60との間に導電部61が配置される。
したがって、携帯電話機1は、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響をさらに低減させることができる。
させることができる。
また、アンテナ60が、2つの筐体にそれぞれ設けられた基板やシールドケースなどの導電体をダイポールアンテナのように動作させることで、高周波信号の送受信を行ういわゆる筐体ダイポールである場合、導電部61は、ダイポールアンテナにおけるエレメント5が配置されている筐体に設けられることが好ましい。
図9は、筐体ダイポールの構成について説明するための図である。筐体ダイポールのエレメント5は、操作部側筐体2に配置され、例えばキー基板50で構成される。また、筐体ダイポールのグランドは、表示部側筐体3に配置され、例えば、キー基板50と同等の形状や大きさを有する図示しないシールドケースで構成される。また、エレメント5には、操作部側筐体2に配置されている給電点6が接続される。給電点6は、グランドに接続される。そして、給電点6とグランドとは、RF回路部62に接続される。
このように、導電部61は、グランドに比べて人体への影響を与える傾向が強いエレメント5が配置されている操作部側筐体2に配置されるため、アンテナ60から放射される電波に起因する人体への影響は、好適に低減される。
なお、携帯電話機1では、表示部側筐体3に筐体ダイポールのエレメント5が配置され、操作部側筐体2に筐体ダイポールのグランドが配置されていてもよい。この場合、導電部61は、表示部側筐体3に配置される。
上述した実施形態では、本発明が携帯電話機1に適用される場合を例示して説明した。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されることはなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)を始めとする電波を放射する携帯端末にも適用することができる。
1 携帯電話機(携帯端末)
2 操作部側筐体(第1筐体)
3 表示部側筐体(第2筐体)
5 エレメント
11 操作部(キー操作部)
40B キーフレーム
60 アンテナ
61 導電部
611 第1の部分
612 高インピーダンス部
613 第2の部分
63 切替部
70 キーフレーム
701 第1の部分
71 キーフレーム
711 第1の部分
65 インダクタ
66 共振回路

Claims (7)

  1. 筐体と、
    前記筐体に設けられ、所定の波長に共振するアンテナと、
    キー操作部と、
    前記キー操作部に対応して配置されるキーフレームと、を有し、
    前記キーフレームは、前記所定の波長に対応する長さに形成される第1の部分と、該第1の部分と接続される第2の部分と、前記第1の部分と第2の部分との接続部分であり、前記第1の部分よりも高いインピーダンスを有する高インピーダンス部とからなる、携帯端末。
  2. 前記キーフレームは、基準電位に電気的に接続される請求項1に記載の携帯端末。
  3. 前記アンテナは、複数の波長に共振可能に構成され、
    前記キーフレームは、複数の接続箇所で前記基準電位に電気的に接続可能に構成され、
    前記アンテナにより共振される波長に応じて、前記キーフレームと前記基準電位との接続箇所を変更する制御部を有する請求項2に記載の携帯端末。
  4. 前記キーフレームは、コンデンサ及びインダクタのうち少なくとも一方を介して前記基準電位に電気的に接続される請求項2又は請求項3に記載の携帯端末。
  5. 前記キーフレームは、前記筐体の正面側の内面と、前記アンテナとの間に配置される請求項1に記載の携帯端末。
  6. 前記アンテナは、筐体ダイポールである請求項1に記載の携帯端末。
  7. 前記キーフレームは、前記筐体ダイポールのエレメントが配置されている筐体に設けられる請求項に記載の携帯端末。
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