JP2004120578A - 携帯無線機 - Google Patents
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Abstract
【課題】人体に近接されて使用される状況においても、効率良く通信を行うことを可能とする。
【解決手段】第1の筐体10に収容される第1の回路部12と、第2の筐体20に収容される第2の回路部22とを、接続部40によりヒンジ部30を介して電気的に接続する。ヒンジ部30内において接続部40は、ヒンジ部30の回転軸心Aを挟んで、ユーザの頭部が近接される表面とは反対側に配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の筐体10に収容される第1の回路部12と、第2の筐体20に収容される第2の回路部22とを、接続部40によりヒンジ部30を介して電気的に接続する。ヒンジ部30内において接続部40は、ヒンジ部30の回転軸心Aを挟んで、ユーザの頭部が近接される表面とは反対側に配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば折り畳み構造をなす携帯電話機や携帯情報端末に代表される携帯無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、折り畳み型の携帯電話機は、例えば受話用スピーカおよび表示器等が設けられる第1の筐体と、送話用マイクロホンおよびキーパッド等が設けられる第2の筐体とを、ヒンジを介して回動自在に接続するように構成されている。この種の携帯電話機は、待ち受け時には筐体を折り畳んで小型化することで良好な携帯性が得られ、また通信時には筐体を展開することで高い操作性と視認性を確保できる利点がある。
【0003】
ところで、この種の携帯電話機では、第1の筐体内に実装された回路と第2の筐体内に実装された回路との間を、ヒンジを介して電気的に接続する必要があり、この接続をフレキシブル基板を用いて行っている。
【0004】
そしてこのような回路間を接続するためのフレキシブル基板は、ヒンジ部の軸心を中心として螺旋状をなしてヒンジ部に収容することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−27066号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯無線機に用いるような小型のアンテナの場合には、高周波電流が、回路部へも漏洩し、そこから放射が行われることが知られている。このような回路部に存在する高周波電流と人体との相互作用は大きい。従って、携帯電話端末などのように人体が近接される状況においては、人体での電力の吸収が生じ、放射効率の劣化が生じてしまう問題がある。
【0007】
特に、前述のような従来の構成によると、回路間を接続するフレキシブルケーブルが人体に非常に接近している。この部分において高周波電流は漏洩し、人体との相互結合により、放射効率の劣化が生じることとなる。人体と高周波電流の相互結合量は距離に反比例する性質があるので、上記の放射効率の劣化は非常に大きな量となる。この結果、基地局までの距離が遠い場合や、地下街などで基地局が見通し外となる場合などのように電波条件が低下した状況では良好な通信を維持できない恐れがあった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、人体に近接されて使用される状況においても、効率良く通信を行うことを可能とする携帯無線機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明は第1に、第1の筐体と第2の筐体とをヒンジ部により回動自在に連結してなり、かつ前記第1の筐体と前記第2の筐体とを展開した状態では所定面が人体の所定部位に近接されて使用される携帯無線機において、前記第1の筐体に収容される第1の電気回路と、前記第2の筐体に収容される第2の電気回路と、前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とを前記ヒンジ部を介して電気的に接続する接続部材とを備え、かつ前記接続部材を前記ヒンジ部内では前記ヒンジ部の回転軸心を挟んで前記所定面とは反対側に配置することとした。
【0010】
このような手段を講じたことにより、電気回路は第1および第2の2つの電気回路に分割されて第1および第2の筐体にそれぞれ収容され、さらにこれら第1および第2の電気回路は、第1および第2の筐体を連結するヒンジ部を介して接続部材により電気的に接続される。そしてヒンジ部内において接続部材は、第1および第2の筐体を展開しての使用状態では人体の所定部位が近接する所定面に対してヒンジ部の回転軸心を挟んで反対側に位置する。従って、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置はヒンジ部内においては人体の所定部位から離れた位置となる。
【0011】
前記目的を達成するために本発明は第2に、筐体の所定面が人体の所定部位に近接されて使用される携帯無線機において、前記筐体に収容される第1および第2の電気回路と、前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とを電気的に接続する接続部材とを備え、かつ前記接続部材をその中間部が前記第1の電気回路および前記第2の電気回路への接続位置よりも前記所定面から離れて位置するように配置することとした。
【0012】
このような手段を講じたことにより、電気回路は第1および第2の2つの電気回路に分割されて筐体にそれぞれ収容され、さらにこれら第1および第2の電気回路は接続部材により電気的に接続される。そして筐体内にて接続部材は、その中間部が人体の所定部位が近接する所定面に対して第1および第2の電気回路への接続位置よりも所定面から離れて位置する。従って、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置は筐体内においては人体の所定部位から離れた位置となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態につき説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図である。図2は第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図である。なおこれら図1および図2は、主要な構成要素の位置関係を示している。また図1および図2において同一部分には同一符号を付して示す。
【0015】
この携帯無線機は、第1の筐体10、スピーカ11、第1の回路部12、第2の筐体20、マイクロホン21、第2の回路部22、アンテナ23、ヒンジ部30および接続部40を含んでいる。
【0016】
この携帯無線機は、第1の筐体10と第2の筐体20とをヒンジ部30により回動自在に連結されて携帯無線機本体が構成されている。これによりこの携帯無線機は、いわゆる折り畳みタイプをなす。なお、これら第1の筐体10、第2の筐体20およびヒンジ部30はそれぞれプラスチックなどのように、軽量でありながら頑丈であり、しかも無線通信にかかわる電波の減衰や反射の少ない材料から構成されている。
【0017】
第1の筐体10には、スピーカ11および第1の回路部12が設けられる。
【0018】
スピーカ11は、第1の筐体10に設けられている。スピーカ11は、出力する音声を第1の筐体10の表面(携帯無線機本体を閉じた状態で第2の筐体20と対向する面)の側に出力するように配置されている。そしてスピーカ11は、携帯無線機本体をハンドセットとして使用する際の受話部として機能する。
【0019】
第1の回路部12は、第1の筐体10の内部空間に収容される。第1の回路部12は、マイクロホン21で収集された音声の処理、スピーカ11から出力するための音声の処理、無線通信を行うための無線処理、あるいは図示しない表示部の表示内容の処理などといった携帯無線機における各種の機能を実現するための各種の処理を行う電気回路の一部を含む。
【0020】
第2の筐体20には、マイクロホン21、第2の回路部22およびアンテナ23が設けられている。
【0021】
マイクロホン21は、主として第2の筐体20の表面(携帯無線機本体を閉じた状態で第1の筐体10と対向する面)の側から到来する音声を受け、この音声に対応する電気信号を生成する。すなわちマイクロホン21は、携帯無線機本体をハンドセットとして使用する際の送話部として機能する。
【0022】
第2の回路部22は、第2の筐体20の内部空間に収容される。第2の回路部22は、上記電気回路の一部を含んでいる。
【0023】
アンテナ23は、第2の筐体20の背面側に突出した状態で設けられている。
【0024】
接続部40としては、例えばフレキシブル基板が使用される。接続部40は、ヒンジ部30を介して第1の筐体10の内部空間から第2の筐体20の内部空間に渡って配置されている。そして接続部40は、その両端が第1の回路部12および第2の回路部22にそれぞれ接続されて、第1の回路部12と第2の回路部22とを電気的に接続する。接続部40は、ヒンジ部30の内部では撓ませられ、かつヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心して配置されている。
【0025】
このような構成であるから、図3に示すように閉じた状態とすることで、全体の長さが短くなり、携帯性が向上する。ただしこの閉じた状態においては、携帯無線機本体をハンドセットとして使用しての通話が行われることは無いので、人体と高周波電流の相互結合の問題は生じない。
【0026】
図4は携帯無線機本体をハンドセットとして使用して通話が行われる際の使用状況を示す図である。
【0027】
この図4に示すような状態では、ユーザUの耳にスピーカ11が、またユーザUの口にマイクロホン21がそれぞれ近接される。従ってこの状態では、ヒンジ部30にユーザUの頭部が近接することとなる。このとき、スピーカ11およびマイクロホン21はともに第1および第2の筐体10,20の表面側に設けられているから、ユーザUの頭部は第1および第2の筐体10,20の表面に近接する。
【0028】
アンテナ23は第2の筐体20の背面側に突出して設けられているから、アンテナ23はユーザUの頭部から比較的離隔しており、アンテナ23に流れる高周波電流と人体との相互作用は小さい。
【0029】
ところが、アンテナ23に流れる高周波電流は、第1および第2の回路部12,22へ漏洩し、これら回路部12,22から接続部40へも流れる。しかし接続部40はヒンジ部30の内部においては、ヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心して配置されている。従って図4からも明らかなように、接続部40も頭部から離隔されている。
【0030】
ここで、電波の強度は放射源からの距離に応じて減衰することが知られている。電波の強度の減衰の仕方は、放射源からの距離に応じて3つの領域に分類される。
【0031】
一つ目の領域は、放射源からの距離が約0.3波長以下の領域である。この領域は、リアクティブ近傍界領域と呼ばれる。この領域においては、おおよそ、電波は距離の3乗に逆比例して急激に減衰する性質を有している。
【0032】
二つ目の領域は、放射源からの距離が約0.3波長〜約1波長の領域である。この領域は、フレネル領域と呼ばれる。この領域においては、おおよそ、電波は距離の2乗に逆比例して減衰する性質を有している。
【0033】
三つ目の領域は、放射源からの距離が約1波長以上の領域である。この領域は、遠方界領域と呼ばれる。この領域においては、おおよそ、電波は距離に反比例して緩やかに減衰する性質を有している。
【0034】
本実施形態によれば、ヒンジ部30の表面側の外周面と接続部40との間の離間距離Lは、ヒンジ部30の大きさにもよるが0.5cm前後を確保できるとするならば、接続部40とユーザUの頭部との離隔距離は一般的に約0.5〜2cm程度となる。使用する電波の周波数を数百〜数千MHzと考えれば、接続部40に対してユーザUの頭部の位置はリアクティブ近傍界領域内となる。従って、距離の3乗に反比例して電波は急激に減衰することとなるので、僅か0.5cm距離が離れただけでも電波は大幅に減衰する。この結果、接続部40に流れる高周波電流とユーザUの頭部との相互結合量は小さく抑えられる。
【0035】
このように、接続部40に流れる高周波電流とユーザUの頭部との相互結合量が小さく抑えられることで、電波の放射効率の劣化を低減することができ、放射効率の向上を図ることが可能となる。そしてこの結果、基地局までの距離が遠い場合や、地下街などで基地局が見通し外となる場合などのように電波条件が低下した状況でも良好な通信を維持することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
さて前述の第1実施形態では、接続部40を撓ませることでヒンジ部30の背面側に偏心させているが、この構造であると接続部40に用いる素材などによっては携帯無線機本体の開閉動作が繰り返されることにより位置が変化してしまう恐れがある。そして、接続部40がヒンジ部30の表面側に近づいてしまうと、アンテナ性能の劣化を来たしてしまう。
【0037】
そこでこの第2実施形態は、接続部40の位置を第1実施形態に示す状態に維持するための構造を第1実施形態の携帯無線機に追加して設けるものである。従って第2実施形態の携帯無線機は、第1実施形態の携帯無線機を基本構成として有するが、これについては図示および説明を省略する。
【0038】
図5乃至図10は第2実施形態におけるヒンジ部30の構成を示す図である。そしてこれらの各図において、(a)は斜視図を、(b)は側面図を示す。
【0039】
図5は第2実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図5に示すように第1実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材31が配置されている。抑え部材31は、断面形状が半円形である柱状に成型されている。
【0040】
図6は第2実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図6に示すように第2実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材32が配置されている。抑え部材32は、薄板状に成型されていて、最も広い面がヒンジ部30の表面側を向くような姿勢で配置されている。
【0041】
図7は第2実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図7に示すように第3実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材33が配置されている。抑え部材33は、薄板状に成型されていて、第2実施例の抑え部材32に対して90度傾けた姿勢で配置されている。
【0042】
図8は第2実施形態における第4実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図8に示すように第4実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材34が配置されている。抑え部材34は、円柱状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。
【0043】
図9は第2実施形態における第5実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図9に示すように第5実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材35a,35bが配置されている。抑え部材35a,35bは、平面形状が半円形をなす薄板状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿う方向に並べて配置されている。
【0044】
図10は第2実施形態における第6実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図10に示すように第6実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材36a,36b,36cが配置されている。抑え部材36a,36b,36cは、円柱状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿う方向に並べて配置されている。
【0045】
以上の各実施例とも、抑え部材の材料としては、プラスチック等の誘電体を用いる。
【0046】
かくして本実施形態によれば、携帯無線機本体の開閉動作などに伴って接続部40がヒンジ部30の表面側に移動しようとしても、その移動は抑え部材により阻止される。この結果、接続部40はヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心した状態に維持される。
【0047】
また本実施形態によれば、抑え部材の材料を誘電体としているので、抑え部材を配置することによってアンテナ性能の劣化が生じてしまうことがない。
【0048】
なお抑え部材の材料を金属材料とすることも考えられるが、この場合には、アンテナ性能が劣化するおそれがある。すなわち、金属材料を用いた場合には、接続部40から放射された電波が抑え部材に照射し、ここに電流が生じる。そして、この電流を波源として再び電波の放射が行われる。この場合に、抑え部材の全ての面に高周波電流が流れる。抑え部材は、ヒンジ部30の表面側の近くに配置されるため、ユーザUの頭部による抑え部材に流れる高周波電流の相互結合は大きくなる。この結果、アンテナ性能の劣化が生じるので、抑え部材の材料としては上述のように誘電体を用いることが望ましい。
【0049】
なお、上記の各実施例は、軽量化、製造コスト、あるいは携帯無線機の重心のバランスなどの諸条件を考慮して、適宜選択すれば良い。
【0050】
(第3の実施形態)
図11は第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図である。図12は第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図である。なおこれら図11および図12は、主要な構成要素の位置関係を示している。また図11および図12において互いに同一部分には同一符号を付して示す。さらに、図11および図12において図1および図2と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0051】
図11および図12に示すように第3実施形態の携帯無線機は、そのほとんどの構成が前記第1実施形態の携帯無線機と同様となっている。そして前記第1実施形態における接続部40に代えて接続部50を設けてなる点が異なっている。
【0052】
接続部50としては、例えばフレキシブル基板が使用される。接続部50は、ヒンジ部30を介して第1の筐体10の内部空間から第2の筐体20の内部空間に渡って配置されている。そして接続部50は、その両端が第1の回路部12および第2の回路部22にそれぞれ接続されて、第1の回路部12と第2の回路部22とを電気的に接続する。接続部50は、ヒンジ部30の内部では螺旋状に巻かれるとともに、その全体がヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心して配置されている。
【0053】
前記第1実施形態においては、接続部40の長さを長めに設定し、撓ませることが必要となっている。ここで、接続部40をより長くした方が自由度が向上し、ヒンジ部30の軸心からのオフセット量が多く取れることとなる。しかし、平面の接続部40の場合には、この長さが長すぎる場合には、余分な部分が生じることとなる。そして、この余分な部分が逆に表面側へ配置され、部分的に近接してしまう場合がある。接続部40とユーザUの頭部との距離はリアクティブ近傍界領域にあるので、部分的であっても近接する部分があると電波の吸収量が急激に増えてしまう。
【0054】
これに対して第3実施形態によれば、接続部40を長めに設定したとしても、螺旋部分の円の半径や巻数を調節することによって容易に余分な長さを調節することが可能となる。このため、接続部50の位置を容易に変えることが可能となり、また、その変化量の自由度も増加し、容易に、最適に、そして確実に、ヒンジ部30の軸心から偏心して配置することが可能となる。この結果、第3実施形態は、第1実施形態に比べて接続部50とユーザUの頭部との距離を確実に離隔する最適な状態を容易に構成することが可能となる。そして接続部50とユーザUの頭部との距離を隔離していることにより、第1実施形態において述べた効果を達成することが可能である。
【0055】
なお、螺旋構造部分における接続部50の巻数を増やすことによって、螺旋の円の半径が小さくなり、接続部50の大きさを小さくすることができる。その結果、接続部50とユーザUの頭部との離間距離を更に大きくすることが可能となる。
【0056】
(第4の実施形態)
さて前述の第3実施形態では、接続部50を撓ませることでヒンジ部30の背面側に偏心させているが、この構造であると接続部50に用いる素材などによっては携帯無線機本体の開閉動作が繰り返されることにより位置が変化してしまう恐れがある。そして、接続部50がヒンジ部30の表面側に近づいてしまうと、アンテナ性能の劣化を来たしてしまう。
【0057】
そこでこの第4実施形態は、接続部50の位置を第3実施形態に示す状態に維持するための構造を第3実施形態の携帯無線機に追加して設けるものである。従って第4実施形態の携帯無線機は、第3実施形態の携帯無線機を基本構成として有するが、これについては図示および説明を省略する。
【0058】
図13乃至図15は第4実施形態におけるヒンジ部30の構成を示す図である。そしてこれらの各図において、(a)は斜視図を、(b)は側面図を示す。
【0059】
図13は第4実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図13に示すように第1実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも背面側の位置に抑え部材37が配置されている。抑え部材31は、断面形状が円形である棒状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。そしてこの抑え部材37には、図示は省略しているが接続部50の螺旋構造が巻き付けられている。
【0060】
図14は第4実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図14に示すように第2実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも背面側の位置に抑え部材38が配置されている。抑え部材38は、断面形状が方形である棒状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。そしてこの抑え部材38には、図示は省略しているが接続部50の螺旋構造が巻き付けられている。
【0061】
図15は第4実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図15に示すように第3実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも背面側の位置に抑え部材39が配置されている。抑え部材39は断面形状が三角形である棒状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。そしてこの抑え部材39には、図示は省略しているが接続部50の螺旋構造が巻き付けられている。
【0062】
以上の各実施例とも、抑え部材の材料としては、プラスチック等の誘電体を用いる。
【0063】
かくして本実施形態によれば、携帯無線機本体の開閉動作などに伴って接続部50がヒンジ部30の表面側に移動しようとしても、その移動は抑え部材により阻止される。この結果、接続部50はヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心した状態に維持される。
【0064】
また本実施形態によれば、抑え部材の材料をプラスチック等の誘電体としているので、抑え部材を配置することによってアンテナ性能の劣化が生じてしまうことがない。
【0065】
ここで、抑え部材の材料として金属を用いることを考えると、接続部50に生じる高周波電流と空間的に結合し、抑え部材へも電流が生じることとなる。そして、この抑え部材からも電波が放射される。このときに、抑え部材が棒状をなすから、その長さによっては電流が共振し、非常に多くの電波が放射される場合も考えられる。したがって、抑え部材の材料としては金属を用いることは望ましくなく、上述のように誘電体を用いることが望ましい。
【0066】
(第5の実施形態)
図16は第5実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図である。なおこの図16は、主要な構成要素の位置関係を示している。
【0067】
図16に示すように第5実施形態の携帯無線機は、筐体60、アンテナ61、入出力部62、第1の回路部63、第2の回路部64および接続部65を含んでいる。
【0068】
この携帯無線機はウェアラブルタイプのものであって、例えば腕などのような人体の所定部位に装着されて使用される。このため筐体60は、装着先となる人体の部位の形状に応じて湾曲した形状をなしている。
【0069】
アンテナ61は、筐体60の端部から突出した状態で設けられている。
【0070】
入出力部62は、人体に装着された際に人体に接する側の面(背面)とは反対側の面(表面)に配置されている。入出力部62は、例えばスピーカー、マイクロホン、液晶表示部、キー入力部等のデバイスを備える。
【0071】
第1の回路部63および第2の回路部64は、いずれも筐体60の内部空間に収容される。これら第1および第2の回路部63,64はいずれも、携帯無線機における各種の機能を実現するための各種の処理を行う電気回路の一部を含む。これら第1および第2の回路部63,64は、湾曲した筐体60に収容するために2つに分割されているのである。
【0072】
接続部65としては、例えばフレキシブル基板が使用される。接続部65は筐体60の内部空間に配置されている。そして接続部65は、その両端が第1および第2の回路部63,64にそれぞれ接続されて、第1の回路部63と第2の回路部64とを電気的に接続する。接続部65は撓ませ、その中間部分を第1および第2の回路部63,64への接続位置よりも表面側にオフセットして配置されている。
【0073】
かくして第5実施形態では、通常の使用状態においては筐体60の背面側に人体が近接していることとなる。さて、アンテナ61に流れる高周波電流は、第1および第2の回路部63,64へ漏洩し、これら回路部63,64から接続部65へも流れる。しかし接続部65は、その中間部分が筐体60の表面側にオフセットして配置されている。従って、接続部65は人体から離隔されている。この結果、接続部65に流れる高周波電流と人体との相互結合量は小さく抑えられる。
【0074】
このように、接続部65に流れる高周波電流と人体との相互結合量が小さく抑えられることで、電波の放射効率の劣化を低減することができ、放射効率の向上を図ることが可能となる。そしてこの結果、基地局までの距離が遠い場合や、地下街などで基地局が見通し外となる場合などのように電波条件が低下した状況でも良好な通信を維持することができる。
【0075】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。例えば前記第1実施形態では、第1の回路部12と第2の回路部22との電気的な接続を例えば図17に示すように2つの接続部40a,40bにより行うようにするなど、複数の接続部を用いる場合にも、これらの接続部のそれぞれを前記第1実施形態における接続部40と同様に配置することで本発明の適用が可能である。図示はしないが、第2乃至第5実施形態でも同様である。そしてこのように複数の接続部を用いるようにすることで、ヒンジの形状や2つの回路部の間の空間における実装等に関しての自由度が増し、設計が容易となる。また、携帯無線機の形状にも自由度が増すために、様々な形状の携帯無線機を提供することが可能となる。
【0076】
また前記各実施形態は、アンテナの数や配置に拘らずに実現することが可能である。すなわち、複数のアンテナを用いてダイバーシチを行う携帯無線機に本発明を適用した場合でも、前記各実施形態と同様な効果が得られる。また、アンテナは、筐体表面から突出していても、筐体内部に内蔵されていても、あるいはヒンジ部の中に内蔵されていても構わない。
【0077】
また前記各実施形態では、ヒンジ部はプラスチックなどで構成されていることを前提としていたが、ヒンジ部の耐久性を増すために金属の棒などを用いて補強してあっても構わない。
【0078】
また前記各実施形態では、接続部としてはフラットケーブルなどのような別の種類のものを用いることも可能である。また接続部は、平面状でなくても、ビニル被覆を用いた柔軟な接続線の束などのようなものを用いることも可能である。
【0079】
また、前記第3実施形態や前記第5実施形態においても、前記第2実施形態に示したような抑え部材を用いることは効果的である。
【0080】
このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、第1および第2の筐体にそれぞれ収容した第1および第2の電気回路の間をヒンジ部を介して電気的に接続する接続部材を、第1および第2の筐体を展開しての使用状態では人体の所定部位が近接する所定面に対してヒンジ部の回転軸心を挟んで反対側に配置することとしたので、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置はヒンジ部内においては人体の所定部位から離れた位置となり、この結果、人体に近接されて使用される状況においても、効率良く通信を行うことが可能な携帯無線機となる。
【0082】
また別の本発明によれば、筐体にそれぞれ収容した第1および第2の電気回路の間を電気的に接続する接続部材を、その中間部が人体の所定部位が近接する所定面に対して第1および第2の電気回路への接続位置よりも所定面から離れるように配置したので、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置は筐体内においては人体の所定部位から離れた位置となり、この結果、人体に近接されて使用される状況においても、効率良く通信を行うことが可能な携帯無線機となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【図2】第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図。
【図3】第1実施形態に係る携帯無線機を閉じた状態の側面図。
【図4】携帯無線機本体をハンドセットとして使用して通話が行われる際の使用状況を示す図。
【図5】第2実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図6】第2実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図7】第2実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図8】第2実施形態における第4実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図9】第2実施形態における第5実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図10】第2実施形態における第6実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図11】第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【図12】第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図。
【図13】第4実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図14】第4実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図15】第4実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図16】第5実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【図17】第1実施形態の変形例に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
10…第1の筐体
11…スピーカ
12…第1の回路部
20…第2の筐体
21…マイクロホン
22…第2の回路部
23…アンテナ
30…ヒンジ部
31,32,33,34,35a,35b,36a,36b,36c,37,38,39…抑え部材
40,40a,40b,50…接続部
60…筐体
61…アンテナ
62…入出力部
63…第1の回路部
64…第2の回路部
65…接続部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば折り畳み構造をなす携帯電話機や携帯情報端末に代表される携帯無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、折り畳み型の携帯電話機は、例えば受話用スピーカおよび表示器等が設けられる第1の筐体と、送話用マイクロホンおよびキーパッド等が設けられる第2の筐体とを、ヒンジを介して回動自在に接続するように構成されている。この種の携帯電話機は、待ち受け時には筐体を折り畳んで小型化することで良好な携帯性が得られ、また通信時には筐体を展開することで高い操作性と視認性を確保できる利点がある。
【0003】
ところで、この種の携帯電話機では、第1の筐体内に実装された回路と第2の筐体内に実装された回路との間を、ヒンジを介して電気的に接続する必要があり、この接続をフレキシブル基板を用いて行っている。
【0004】
そしてこのような回路間を接続するためのフレキシブル基板は、ヒンジ部の軸心を中心として螺旋状をなしてヒンジ部に収容することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−27066号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯無線機に用いるような小型のアンテナの場合には、高周波電流が、回路部へも漏洩し、そこから放射が行われることが知られている。このような回路部に存在する高周波電流と人体との相互作用は大きい。従って、携帯電話端末などのように人体が近接される状況においては、人体での電力の吸収が生じ、放射効率の劣化が生じてしまう問題がある。
【0007】
特に、前述のような従来の構成によると、回路間を接続するフレキシブルケーブルが人体に非常に接近している。この部分において高周波電流は漏洩し、人体との相互結合により、放射効率の劣化が生じることとなる。人体と高周波電流の相互結合量は距離に反比例する性質があるので、上記の放射効率の劣化は非常に大きな量となる。この結果、基地局までの距離が遠い場合や、地下街などで基地局が見通し外となる場合などのように電波条件が低下した状況では良好な通信を維持できない恐れがあった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、人体に近接されて使用される状況においても、効率良く通信を行うことを可能とする携帯無線機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明は第1に、第1の筐体と第2の筐体とをヒンジ部により回動自在に連結してなり、かつ前記第1の筐体と前記第2の筐体とを展開した状態では所定面が人体の所定部位に近接されて使用される携帯無線機において、前記第1の筐体に収容される第1の電気回路と、前記第2の筐体に収容される第2の電気回路と、前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とを前記ヒンジ部を介して電気的に接続する接続部材とを備え、かつ前記接続部材を前記ヒンジ部内では前記ヒンジ部の回転軸心を挟んで前記所定面とは反対側に配置することとした。
【0010】
このような手段を講じたことにより、電気回路は第1および第2の2つの電気回路に分割されて第1および第2の筐体にそれぞれ収容され、さらにこれら第1および第2の電気回路は、第1および第2の筐体を連結するヒンジ部を介して接続部材により電気的に接続される。そしてヒンジ部内において接続部材は、第1および第2の筐体を展開しての使用状態では人体の所定部位が近接する所定面に対してヒンジ部の回転軸心を挟んで反対側に位置する。従って、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置はヒンジ部内においては人体の所定部位から離れた位置となる。
【0011】
前記目的を達成するために本発明は第2に、筐体の所定面が人体の所定部位に近接されて使用される携帯無線機において、前記筐体に収容される第1および第2の電気回路と、前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とを電気的に接続する接続部材とを備え、かつ前記接続部材をその中間部が前記第1の電気回路および前記第2の電気回路への接続位置よりも前記所定面から離れて位置するように配置することとした。
【0012】
このような手段を講じたことにより、電気回路は第1および第2の2つの電気回路に分割されて筐体にそれぞれ収容され、さらにこれら第1および第2の電気回路は接続部材により電気的に接続される。そして筐体内にて接続部材は、その中間部が人体の所定部位が近接する所定面に対して第1および第2の電気回路への接続位置よりも所定面から離れて位置する。従って、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置は筐体内においては人体の所定部位から離れた位置となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態につき説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図である。図2は第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図である。なおこれら図1および図2は、主要な構成要素の位置関係を示している。また図1および図2において同一部分には同一符号を付して示す。
【0015】
この携帯無線機は、第1の筐体10、スピーカ11、第1の回路部12、第2の筐体20、マイクロホン21、第2の回路部22、アンテナ23、ヒンジ部30および接続部40を含んでいる。
【0016】
この携帯無線機は、第1の筐体10と第2の筐体20とをヒンジ部30により回動自在に連結されて携帯無線機本体が構成されている。これによりこの携帯無線機は、いわゆる折り畳みタイプをなす。なお、これら第1の筐体10、第2の筐体20およびヒンジ部30はそれぞれプラスチックなどのように、軽量でありながら頑丈であり、しかも無線通信にかかわる電波の減衰や反射の少ない材料から構成されている。
【0017】
第1の筐体10には、スピーカ11および第1の回路部12が設けられる。
【0018】
スピーカ11は、第1の筐体10に設けられている。スピーカ11は、出力する音声を第1の筐体10の表面(携帯無線機本体を閉じた状態で第2の筐体20と対向する面)の側に出力するように配置されている。そしてスピーカ11は、携帯無線機本体をハンドセットとして使用する際の受話部として機能する。
【0019】
第1の回路部12は、第1の筐体10の内部空間に収容される。第1の回路部12は、マイクロホン21で収集された音声の処理、スピーカ11から出力するための音声の処理、無線通信を行うための無線処理、あるいは図示しない表示部の表示内容の処理などといった携帯無線機における各種の機能を実現するための各種の処理を行う電気回路の一部を含む。
【0020】
第2の筐体20には、マイクロホン21、第2の回路部22およびアンテナ23が設けられている。
【0021】
マイクロホン21は、主として第2の筐体20の表面(携帯無線機本体を閉じた状態で第1の筐体10と対向する面)の側から到来する音声を受け、この音声に対応する電気信号を生成する。すなわちマイクロホン21は、携帯無線機本体をハンドセットとして使用する際の送話部として機能する。
【0022】
第2の回路部22は、第2の筐体20の内部空間に収容される。第2の回路部22は、上記電気回路の一部を含んでいる。
【0023】
アンテナ23は、第2の筐体20の背面側に突出した状態で設けられている。
【0024】
接続部40としては、例えばフレキシブル基板が使用される。接続部40は、ヒンジ部30を介して第1の筐体10の内部空間から第2の筐体20の内部空間に渡って配置されている。そして接続部40は、その両端が第1の回路部12および第2の回路部22にそれぞれ接続されて、第1の回路部12と第2の回路部22とを電気的に接続する。接続部40は、ヒンジ部30の内部では撓ませられ、かつヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心して配置されている。
【0025】
このような構成であるから、図3に示すように閉じた状態とすることで、全体の長さが短くなり、携帯性が向上する。ただしこの閉じた状態においては、携帯無線機本体をハンドセットとして使用しての通話が行われることは無いので、人体と高周波電流の相互結合の問題は生じない。
【0026】
図4は携帯無線機本体をハンドセットとして使用して通話が行われる際の使用状況を示す図である。
【0027】
この図4に示すような状態では、ユーザUの耳にスピーカ11が、またユーザUの口にマイクロホン21がそれぞれ近接される。従ってこの状態では、ヒンジ部30にユーザUの頭部が近接することとなる。このとき、スピーカ11およびマイクロホン21はともに第1および第2の筐体10,20の表面側に設けられているから、ユーザUの頭部は第1および第2の筐体10,20の表面に近接する。
【0028】
アンテナ23は第2の筐体20の背面側に突出して設けられているから、アンテナ23はユーザUの頭部から比較的離隔しており、アンテナ23に流れる高周波電流と人体との相互作用は小さい。
【0029】
ところが、アンテナ23に流れる高周波電流は、第1および第2の回路部12,22へ漏洩し、これら回路部12,22から接続部40へも流れる。しかし接続部40はヒンジ部30の内部においては、ヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心して配置されている。従って図4からも明らかなように、接続部40も頭部から離隔されている。
【0030】
ここで、電波の強度は放射源からの距離に応じて減衰することが知られている。電波の強度の減衰の仕方は、放射源からの距離に応じて3つの領域に分類される。
【0031】
一つ目の領域は、放射源からの距離が約0.3波長以下の領域である。この領域は、リアクティブ近傍界領域と呼ばれる。この領域においては、おおよそ、電波は距離の3乗に逆比例して急激に減衰する性質を有している。
【0032】
二つ目の領域は、放射源からの距離が約0.3波長〜約1波長の領域である。この領域は、フレネル領域と呼ばれる。この領域においては、おおよそ、電波は距離の2乗に逆比例して減衰する性質を有している。
【0033】
三つ目の領域は、放射源からの距離が約1波長以上の領域である。この領域は、遠方界領域と呼ばれる。この領域においては、おおよそ、電波は距離に反比例して緩やかに減衰する性質を有している。
【0034】
本実施形態によれば、ヒンジ部30の表面側の外周面と接続部40との間の離間距離Lは、ヒンジ部30の大きさにもよるが0.5cm前後を確保できるとするならば、接続部40とユーザUの頭部との離隔距離は一般的に約0.5〜2cm程度となる。使用する電波の周波数を数百〜数千MHzと考えれば、接続部40に対してユーザUの頭部の位置はリアクティブ近傍界領域内となる。従って、距離の3乗に反比例して電波は急激に減衰することとなるので、僅か0.5cm距離が離れただけでも電波は大幅に減衰する。この結果、接続部40に流れる高周波電流とユーザUの頭部との相互結合量は小さく抑えられる。
【0035】
このように、接続部40に流れる高周波電流とユーザUの頭部との相互結合量が小さく抑えられることで、電波の放射効率の劣化を低減することができ、放射効率の向上を図ることが可能となる。そしてこの結果、基地局までの距離が遠い場合や、地下街などで基地局が見通し外となる場合などのように電波条件が低下した状況でも良好な通信を維持することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
さて前述の第1実施形態では、接続部40を撓ませることでヒンジ部30の背面側に偏心させているが、この構造であると接続部40に用いる素材などによっては携帯無線機本体の開閉動作が繰り返されることにより位置が変化してしまう恐れがある。そして、接続部40がヒンジ部30の表面側に近づいてしまうと、アンテナ性能の劣化を来たしてしまう。
【0037】
そこでこの第2実施形態は、接続部40の位置を第1実施形態に示す状態に維持するための構造を第1実施形態の携帯無線機に追加して設けるものである。従って第2実施形態の携帯無線機は、第1実施形態の携帯無線機を基本構成として有するが、これについては図示および説明を省略する。
【0038】
図5乃至図10は第2実施形態におけるヒンジ部30の構成を示す図である。そしてこれらの各図において、(a)は斜視図を、(b)は側面図を示す。
【0039】
図5は第2実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図5に示すように第1実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材31が配置されている。抑え部材31は、断面形状が半円形である柱状に成型されている。
【0040】
図6は第2実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図6に示すように第2実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材32が配置されている。抑え部材32は、薄板状に成型されていて、最も広い面がヒンジ部30の表面側を向くような姿勢で配置されている。
【0041】
図7は第2実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図7に示すように第3実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材33が配置されている。抑え部材33は、薄板状に成型されていて、第2実施例の抑え部材32に対して90度傾けた姿勢で配置されている。
【0042】
図8は第2実施形態における第4実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図8に示すように第4実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材34が配置されている。抑え部材34は、円柱状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。
【0043】
図9は第2実施形態における第5実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図9に示すように第5実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材35a,35bが配置されている。抑え部材35a,35bは、平面形状が半円形をなす薄板状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿う方向に並べて配置されている。
【0044】
図10は第2実施形態における第6実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図10に示すように第6実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも表面側の位置に抑え部材36a,36b,36cが配置されている。抑え部材36a,36b,36cは、円柱状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿う方向に並べて配置されている。
【0045】
以上の各実施例とも、抑え部材の材料としては、プラスチック等の誘電体を用いる。
【0046】
かくして本実施形態によれば、携帯無線機本体の開閉動作などに伴って接続部40がヒンジ部30の表面側に移動しようとしても、その移動は抑え部材により阻止される。この結果、接続部40はヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心した状態に維持される。
【0047】
また本実施形態によれば、抑え部材の材料を誘電体としているので、抑え部材を配置することによってアンテナ性能の劣化が生じてしまうことがない。
【0048】
なお抑え部材の材料を金属材料とすることも考えられるが、この場合には、アンテナ性能が劣化するおそれがある。すなわち、金属材料を用いた場合には、接続部40から放射された電波が抑え部材に照射し、ここに電流が生じる。そして、この電流を波源として再び電波の放射が行われる。この場合に、抑え部材の全ての面に高周波電流が流れる。抑え部材は、ヒンジ部30の表面側の近くに配置されるため、ユーザUの頭部による抑え部材に流れる高周波電流の相互結合は大きくなる。この結果、アンテナ性能の劣化が生じるので、抑え部材の材料としては上述のように誘電体を用いることが望ましい。
【0049】
なお、上記の各実施例は、軽量化、製造コスト、あるいは携帯無線機の重心のバランスなどの諸条件を考慮して、適宜選択すれば良い。
【0050】
(第3の実施形態)
図11は第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図である。図12は第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図である。なおこれら図11および図12は、主要な構成要素の位置関係を示している。また図11および図12において互いに同一部分には同一符号を付して示す。さらに、図11および図12において図1および図2と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0051】
図11および図12に示すように第3実施形態の携帯無線機は、そのほとんどの構成が前記第1実施形態の携帯無線機と同様となっている。そして前記第1実施形態における接続部40に代えて接続部50を設けてなる点が異なっている。
【0052】
接続部50としては、例えばフレキシブル基板が使用される。接続部50は、ヒンジ部30を介して第1の筐体10の内部空間から第2の筐体20の内部空間に渡って配置されている。そして接続部50は、その両端が第1の回路部12および第2の回路部22にそれぞれ接続されて、第1の回路部12と第2の回路部22とを電気的に接続する。接続部50は、ヒンジ部30の内部では螺旋状に巻かれるとともに、その全体がヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心して配置されている。
【0053】
前記第1実施形態においては、接続部40の長さを長めに設定し、撓ませることが必要となっている。ここで、接続部40をより長くした方が自由度が向上し、ヒンジ部30の軸心からのオフセット量が多く取れることとなる。しかし、平面の接続部40の場合には、この長さが長すぎる場合には、余分な部分が生じることとなる。そして、この余分な部分が逆に表面側へ配置され、部分的に近接してしまう場合がある。接続部40とユーザUの頭部との距離はリアクティブ近傍界領域にあるので、部分的であっても近接する部分があると電波の吸収量が急激に増えてしまう。
【0054】
これに対して第3実施形態によれば、接続部40を長めに設定したとしても、螺旋部分の円の半径や巻数を調節することによって容易に余分な長さを調節することが可能となる。このため、接続部50の位置を容易に変えることが可能となり、また、その変化量の自由度も増加し、容易に、最適に、そして確実に、ヒンジ部30の軸心から偏心して配置することが可能となる。この結果、第3実施形態は、第1実施形態に比べて接続部50とユーザUの頭部との距離を確実に離隔する最適な状態を容易に構成することが可能となる。そして接続部50とユーザUの頭部との距離を隔離していることにより、第1実施形態において述べた効果を達成することが可能である。
【0055】
なお、螺旋構造部分における接続部50の巻数を増やすことによって、螺旋の円の半径が小さくなり、接続部50の大きさを小さくすることができる。その結果、接続部50とユーザUの頭部との離間距離を更に大きくすることが可能となる。
【0056】
(第4の実施形態)
さて前述の第3実施形態では、接続部50を撓ませることでヒンジ部30の背面側に偏心させているが、この構造であると接続部50に用いる素材などによっては携帯無線機本体の開閉動作が繰り返されることにより位置が変化してしまう恐れがある。そして、接続部50がヒンジ部30の表面側に近づいてしまうと、アンテナ性能の劣化を来たしてしまう。
【0057】
そこでこの第4実施形態は、接続部50の位置を第3実施形態に示す状態に維持するための構造を第3実施形態の携帯無線機に追加して設けるものである。従って第4実施形態の携帯無線機は、第3実施形態の携帯無線機を基本構成として有するが、これについては図示および説明を省略する。
【0058】
図13乃至図15は第4実施形態におけるヒンジ部30の構成を示す図である。そしてこれらの各図において、(a)は斜視図を、(b)は側面図を示す。
【0059】
図13は第4実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図13に示すように第1実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも背面側の位置に抑え部材37が配置されている。抑え部材31は、断面形状が円形である棒状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。そしてこの抑え部材37には、図示は省略しているが接続部50の螺旋構造が巻き付けられている。
【0060】
図14は第4実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図14に示すように第2実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも背面側の位置に抑え部材38が配置されている。抑え部材38は、断面形状が方形である棒状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。そしてこの抑え部材38には、図示は省略しているが接続部50の螺旋構造が巻き付けられている。
【0061】
図15は第4実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図である。
この図15に示すように第3実施例のヒンジ部30は、内部の回転軸心よりも背面側の位置に抑え部材39が配置されている。抑え部材39は断面形状が三角形である棒状に成型されていて、ヒンジ部30の回転軸心に沿って配置されている。そしてこの抑え部材39には、図示は省略しているが接続部50の螺旋構造が巻き付けられている。
【0062】
以上の各実施例とも、抑え部材の材料としては、プラスチック等の誘電体を用いる。
【0063】
かくして本実施形態によれば、携帯無線機本体の開閉動作などに伴って接続部50がヒンジ部30の表面側に移動しようとしても、その移動は抑え部材により阻止される。この結果、接続部50はヒンジ部30の回転軸心Aよりも背面側に偏心した状態に維持される。
【0064】
また本実施形態によれば、抑え部材の材料をプラスチック等の誘電体としているので、抑え部材を配置することによってアンテナ性能の劣化が生じてしまうことがない。
【0065】
ここで、抑え部材の材料として金属を用いることを考えると、接続部50に生じる高周波電流と空間的に結合し、抑え部材へも電流が生じることとなる。そして、この抑え部材からも電波が放射される。このときに、抑え部材が棒状をなすから、その長さによっては電流が共振し、非常に多くの電波が放射される場合も考えられる。したがって、抑え部材の材料としては金属を用いることは望ましくなく、上述のように誘電体を用いることが望ましい。
【0066】
(第5の実施形態)
図16は第5実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図である。なおこの図16は、主要な構成要素の位置関係を示している。
【0067】
図16に示すように第5実施形態の携帯無線機は、筐体60、アンテナ61、入出力部62、第1の回路部63、第2の回路部64および接続部65を含んでいる。
【0068】
この携帯無線機はウェアラブルタイプのものであって、例えば腕などのような人体の所定部位に装着されて使用される。このため筐体60は、装着先となる人体の部位の形状に応じて湾曲した形状をなしている。
【0069】
アンテナ61は、筐体60の端部から突出した状態で設けられている。
【0070】
入出力部62は、人体に装着された際に人体に接する側の面(背面)とは反対側の面(表面)に配置されている。入出力部62は、例えばスピーカー、マイクロホン、液晶表示部、キー入力部等のデバイスを備える。
【0071】
第1の回路部63および第2の回路部64は、いずれも筐体60の内部空間に収容される。これら第1および第2の回路部63,64はいずれも、携帯無線機における各種の機能を実現するための各種の処理を行う電気回路の一部を含む。これら第1および第2の回路部63,64は、湾曲した筐体60に収容するために2つに分割されているのである。
【0072】
接続部65としては、例えばフレキシブル基板が使用される。接続部65は筐体60の内部空間に配置されている。そして接続部65は、その両端が第1および第2の回路部63,64にそれぞれ接続されて、第1の回路部63と第2の回路部64とを電気的に接続する。接続部65は撓ませ、その中間部分を第1および第2の回路部63,64への接続位置よりも表面側にオフセットして配置されている。
【0073】
かくして第5実施形態では、通常の使用状態においては筐体60の背面側に人体が近接していることとなる。さて、アンテナ61に流れる高周波電流は、第1および第2の回路部63,64へ漏洩し、これら回路部63,64から接続部65へも流れる。しかし接続部65は、その中間部分が筐体60の表面側にオフセットして配置されている。従って、接続部65は人体から離隔されている。この結果、接続部65に流れる高周波電流と人体との相互結合量は小さく抑えられる。
【0074】
このように、接続部65に流れる高周波電流と人体との相互結合量が小さく抑えられることで、電波の放射効率の劣化を低減することができ、放射効率の向上を図ることが可能となる。そしてこの結果、基地局までの距離が遠い場合や、地下街などで基地局が見通し外となる場合などのように電波条件が低下した状況でも良好な通信を維持することができる。
【0075】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。例えば前記第1実施形態では、第1の回路部12と第2の回路部22との電気的な接続を例えば図17に示すように2つの接続部40a,40bにより行うようにするなど、複数の接続部を用いる場合にも、これらの接続部のそれぞれを前記第1実施形態における接続部40と同様に配置することで本発明の適用が可能である。図示はしないが、第2乃至第5実施形態でも同様である。そしてこのように複数の接続部を用いるようにすることで、ヒンジの形状や2つの回路部の間の空間における実装等に関しての自由度が増し、設計が容易となる。また、携帯無線機の形状にも自由度が増すために、様々な形状の携帯無線機を提供することが可能となる。
【0076】
また前記各実施形態は、アンテナの数や配置に拘らずに実現することが可能である。すなわち、複数のアンテナを用いてダイバーシチを行う携帯無線機に本発明を適用した場合でも、前記各実施形態と同様な効果が得られる。また、アンテナは、筐体表面から突出していても、筐体内部に内蔵されていても、あるいはヒンジ部の中に内蔵されていても構わない。
【0077】
また前記各実施形態では、ヒンジ部はプラスチックなどで構成されていることを前提としていたが、ヒンジ部の耐久性を増すために金属の棒などを用いて補強してあっても構わない。
【0078】
また前記各実施形態では、接続部としてはフラットケーブルなどのような別の種類のものを用いることも可能である。また接続部は、平面状でなくても、ビニル被覆を用いた柔軟な接続線の束などのようなものを用いることも可能である。
【0079】
また、前記第3実施形態や前記第5実施形態においても、前記第2実施形態に示したような抑え部材を用いることは効果的である。
【0080】
このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、第1および第2の筐体にそれぞれ収容した第1および第2の電気回路の間をヒンジ部を介して電気的に接続する接続部材を、第1および第2の筐体を展開しての使用状態では人体の所定部位が近接する所定面に対してヒンジ部の回転軸心を挟んで反対側に配置することとしたので、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置はヒンジ部内においては人体の所定部位から離れた位置となり、この結果、人体に近接されて使用される状況においても、効率良く通信を行うことが可能な携帯無線機となる。
【0082】
また別の本発明によれば、筐体にそれぞれ収容した第1および第2の電気回路の間を電気的に接続する接続部材を、その中間部が人体の所定部位が近接する所定面に対して第1および第2の電気回路への接続位置よりも所定面から離れるように配置したので、第1および第2の電気回路に生じる高周波電流が接続部材に流れても、この高周波電流が流れる位置は筐体内においては人体の所定部位から離れた位置となり、この結果、人体に近接されて使用される状況においても、効率良く通信を行うことが可能な携帯無線機となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【図2】第1実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図。
【図3】第1実施形態に係る携帯無線機を閉じた状態の側面図。
【図4】携帯無線機本体をハンドセットとして使用して通話が行われる際の使用状況を示す図。
【図5】第2実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図6】第2実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図7】第2実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図8】第2実施形態における第4実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図9】第2実施形態における第5実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図10】第2実施形態における第6実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図11】第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【図12】第3実施形態に係る携帯無線機の構成を示す側面図。
【図13】第4実施形態における第1実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図14】第4実施形態における第2実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図15】第4実施形態における第3実施例でのヒンジ部30の構成を示す図。
【図16】第5実施形態に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【図17】第1実施形態の変形例に係る携帯無線機の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
10…第1の筐体
11…スピーカ
12…第1の回路部
20…第2の筐体
21…マイクロホン
22…第2の回路部
23…アンテナ
30…ヒンジ部
31,32,33,34,35a,35b,36a,36b,36c,37,38,39…抑え部材
40,40a,40b,50…接続部
60…筐体
61…アンテナ
62…入出力部
63…第1の回路部
64…第2の回路部
65…接続部
Claims (7)
- 第1の筐体と第2の筐体とをヒンジ部により回動自在に連結してなり、かつ前記第1の筐体と前記第2の筐体とを展開した状態では所定面が人体の所定部位に近接されて使用される携帯無線機において、
前記第1の筐体に収容される第1の電気回路と、
前記第2の筐体に収容される第2の電気回路と、
前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とを前記ヒンジ部を介して電気的に接続する接続部材とを備え、
かつ前記接続部材を前記ヒンジ部内では前記ヒンジ部の回転軸心を挟んで前記所定面とは反対側に配置したことを特徴とする携帯無線機。 - 前記接続部材は、フレキシブル基板を用いて構成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯無線機。
- 前記接続部材は、前記ヒンジ部内では螺旋状をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯無線機。
- 抑え部材を備え、
この抑え部材に前記接続部材を螺旋状をなすように巻き付けることを特徴とする請求項3に記載の携帯無線機。 - 筐体の所定面が人体の所定部位に近接されて使用される携帯無線機において、
前記筐体に収容される第1および第2の電気回路と、
前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とを電気的に接続する接続部材とを備え、
かつ前記接続部材をその中間部が前記第1の電気回路および前記第2の電気回路への接続位置よりも前記所定面から離れて位置するように配置したことを特徴とする携帯無線機。 - 前記接続部材の位置を規制する抑え部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3または請求項5のいずれかに記載の携帯無線機。
- 前記抑え部材は、誘電体よりなることを特徴とする請求項3または請求項5に記載の携帯無線機。
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