JP5503424B2 - 設定値管理方法および装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合に被空調空間に対して定められている温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ変更する設定値管理方法および装置に関するものである。
従来より、テナントなどの建物においては、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合、建物内の居住空間の快適さを損なわない範囲でエネルギー使用量の削減を図るようにしている(例えば、特許文献1、段落〔0002〕の記載参照)。
このために、テナントなどの建物においては、居住空間に対して定められている温度設定値を省エネルギー方向へ変更して、エネルギーの使用量を削減するということが行われる。例えば、冷房時であれば温度設定値を高めに変更し、暖房時であれば温度設定値を低めに変更する(特許文献2参照)。
特開2005−122482号公報 特開2008−286445号公報
しかしながら、建物内には被空調空間として様々な状況の部屋やゾーンがあるため、これら系統が異なる被空調空間に対して一度に温度設定値を変更したのでは、居住者にとって快適性を損ねる場合があった。すなわち、不快感を早く感じる人が多い被空調空間では、すぐにクレームが発生する。
このように、予測が困難な不本意な状況が想定されるため、使用エネルギー計画値を予め定める場合においても、その実績の効果に対する信頼性に疑問が生じ、計画の実践に支障が生じる。結果的に、快適性と省エネルギー実現というトレードオフの影響が想定できないと、使用エネルギー計画値を定めた省エネルギー施策は実施され難くなる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、テナントビルなどの各種の建物において、省エネルギーを実現しながら、系統が異なる被空調空間の快適性の犠牲を実質的に軽減することが可能な設定値管理方法および装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合に被空調空間に対して定められている温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ変更する設定値管理方法において、温熱環境の設定値の運用履歴を被空調空間の系統毎に記憶する運用履歴記憶ステップと、系統毎に温熱環境の基準設定値を記憶する基準設定値記憶ステップと、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回った場合、系統毎の基準設定値と温熱環境の設定値の運用履歴とに基づいて、系統毎の温熱環境の設定値を変更する際の優先順位を決定する優先順位決定ステップとを備え、優先順位決定ステップは、系統毎に基準設定値と温熱環境の設定値の運用履歴で最も頻度の高い設定値との偏差を求め、その偏差に基づいて系統毎の優先順位を決定することを特徴とする。なお、本発明は、設定値管理方法としてではなく、この方法を適用した設定値管理装置としても実現することができる。
この発明によれば、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回った場合、系統毎に基準設定値と温熱環境の設定値の運用履歴で最も頻度の高い設定値との偏差が求められ、その偏差に基づいて系統毎の優先順位が決定される。例えば、その偏差に基づいて、過去の運用がより快適性を犠牲にしている系統から優先順位が定められる。
本発明では、決定された系統毎の優先順位に従って、上位の系統からその温熱環境の設定値が省エネルギー方向へ変更されて行く。この場合、例えば、系統毎の温熱環境の設定値の運用履歴に基づいてその系統における温熱環境の設定値の制限値を設定し、上位の系統からその系統に対して設定された制限値まで、予め定められた緩和幅毎にその系統の温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ緩和して行き、上位の系統が制限値に到達したら次の系統についても同様にしてその系統の温熱環境の設定値の緩和を行うようにする。
また、本発明において、基準設定値は現在の温熱環境の設定値としてもよいし、予め定められた省エネルギー設定値としてもよい。また、本発明において、温熱環境の設定値は例えば温度設定値を指すが、温度設定値に限られるものではない。
また、本発明において、温熱環境の設定値の変更後、その温熱環境の実際値が変更された温熱環境の設定値に到達したら、予め定められた所定時間の経過を待って、変更された温熱環境の設定値を徐々に変更前の設定値の方向に戻して行くようにしてもよい。これにより、例えば、ある系統で、温熱環境の設定値が緩和され、その温熱環境の実際値が緩和された温熱環境の設定値に到達すると、所定時間の経過を待って、その緩和された温熱環境の設定値が徐々に緩和前の設定値の方向に戻されて行く。この場合、必ずしも完全に緩和前の設定値に戻さなくてもよい。
建物のエネルギー管理は、建物オーナが自前で省エネルギー施策を検討し実施することは少なく、多くの場合に建築業者や省エネルギー支援サービスを業務とするベンダー(ESCO業者など)が、省エネルギー施策を検討し、顧客に当たる建物オーナに提案する。この場合、省エネルギーを促進する(つまりエネルギー消費を抑制する)ためのパラメータ設定などが提案されるが、設定した抑制手段が省エネルギーの目標値をクリアするために十分に機能していたとしても、トレードオフとして快適性が想定以上に損なわれる可能性もあり、それがどの程度になるかは、その設定で通年を運用してみなければわからなかった。しかし、建物の省エネ検討や実施は、調査など含めて工数や経費が必要になるので、運用以前にベンダーと顧客が契約を結ばなければならない。したがって、契約し運用した後に、想定以上に快適性が損なわれている場合は、温度設定などを見直す必要が生じ、これによって省エネルギー効果が損なわれる場合にはベンダー側が不足分を補償するなど、事業リスクは避けられない。また、顧客にとっても、補償があればよいというものではなく、想定通りの効果に近づくことが、望ましい結果である。すなわち、顧客から見れば試行運用の以前に大きな投資の制約があり、投資リスクが伴うことになる。
このような事業構造を鑑みれば、単に省エネルギー施策が検討されるだけではなく、運用しながら快適性を可能な限り犠牲にしない方法を選択していける機能(状況対応機能)を付加することで、ベンダー側の事業リスク感を低減できると同時に、顧客側にとっても投資リスク感を低減することで、省エネルギー施策の実施が促進され易くなる。すなわち、契約の上でもベンダーと顧客の合意が得られ易くなり、省エネルギー施策の運用も促進されることになる。なお、建物利用者(あるいは建物オーナ)が自主的に省エネルギー施策を実施する場合においても、実施責任者側のリスク感や居住者側のリスク感が、同様に施策実施の支障になるので、上記の状況対応機能を付加することは有用である。
本発明では、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回った場合、系統毎の基準設定値と温熱環境の設定値の運用履歴とに基づいて、系統毎の温熱環境の設定値を変更する際の優先順位を決定することにより、比較的クレームが出る確率が少ない系統の被空調空間からその温熱環境の設定値の変更を行うようにすることが可能となる。この比較的クレームが出る確率が少ない系統を選択する機能が状況対応機能である。このような系統の温熱環境の設定値を、優先的に省エネルギー側に緩和することで、系統が異なる被空調空間の快適性の犠牲が実質的に軽減される。
また、省エネルギーのために一方的に温熱環境の設定値を緩和するのではなく、周期的に快適な状況を作り出すことによって、居住者の快適性をある程度確保し、継続的に省エネルギーを行っていく機能をさらに付加するとよい。温熱環境の設定値を緩和した場合、空調制御の特性上、ある一定時間は快適性に大きな支障を発生させずに、空調機の出力を大きく低減できる。例えば、冷房の場合、室内温度が設定値まで上昇するにはある程度の時間が掛かる。これにより省エネルギー効果が確保される。その後、室内温度が上昇し、実際に快適性が犠牲になり始める。この状態では居住者からクレームが発生する確率が高まり、省エネルギーとしての温度設定値の緩和を継続することが困難になる確率も高まる。建物管理者としては、居住者からのクレームに対応せざるを得ず、温度設定値を元に戻す場合が多い。そこで、居住者が不快と感じ始める頃に温度設定値を少しずつ戻して、再度快適な状態を作り、クレームを未然に防止するようにする。
これを実現するために、本発明では、温熱環境の設定値の変更後、その温熱環境の実際値が変更された温熱環境の設定値に到達したら、予め定められた所定時間の経過を待って、変更された温熱環境の設定値を徐々に変更前の設定値の方向に戻して行くようにする。
本発明によれば、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回った場合、系統毎の基準設定値と温熱環境の設定値の運用履歴とに基づいて、系統毎の温熱環境の設定値を変更する際の優先順位を決定するようにしたので、比較的クレームが出る確率が少ない系統の被空調空間からその温熱環境の設定値の変更を行うようにして、テナントビルなどの各種の建物において、省エネルギーを実現しながら、系統が異なる被空調空間の快適性の犠牲を実質的に軽減することが可能となる。
本発明に係る設定値管理方法の実施に用いるシステムの一例を示す構成図である。 このシステムにおける設定値管理装置での冷房時の温度設定値の運用履歴の作成例を示す図である。 このシステムにおける設定値管理装置での暖房時の温度設定値の運用履歴の作成例を示す図である。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第1例の冷房の場合の動作を説明するフローチャートである。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第1例の冷房の場合の各系統の運用履歴と各種設定値とを関連付けて示した図である。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第1例の暖房の場合の動作を説明するフローチャートである。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第1例の暖房の場合の各系統の運用履歴と各種設定値とを関連付けて示した図である。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第2例の冷房の場合の動作を説明するフローチャートである。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第2例の冷房の場合の各系統の運用履歴と各種設定値とを関連付けて示した図である。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第2例の暖房の場合の動作を説明するフローチャートである。 このシステムにおける設定値管理装置が有する省エネルギー機能の第2例の暖房の場合の各系統の運用履歴と各種設定値とを関連付けて示した図である。 温度設定値を周期的に緩和する場合の動作例を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係る設定値管理方法の実施に用いるシステムの一例を示す構成図である。
図1において、1−1〜1−4は被空調空間、AHU1〜AHU4は被空調空間1−1〜1−4に対して設けられた空調機、UT1〜UT4は被空調空間1−1〜1−4に対して設けられた室内温度調節器、S1〜S4は被空調空間1−1〜1−4に対して設けられた室内温度センサ、2は被空調空間1−1〜1−4における室内温度の設定値を管理する設定値管理装置である。
以下、被空調空間1−1の系統名を「AHU−1」、被空調空間1−2の系統名を「AHU−2」、被空調空間1−3の系統名を「AHU−3」、被空調空間1−4の系統名を「AHU−4」とする。
このシステムにおいて、設定値管理装置2には、室内温度調節器UT1〜UT4からの室内温度の調節値Δx1〜Δx4、室内温度センサS1〜S3からの室内温度の計測値tpv1〜tpv4、システム全体の現在のエネルギーの使用量PWrおよび予め定められた使用エネルギーの計画値PWpが与えられる。
設定値管理装置2は、室内温度調節器UT1〜UT4からの室内温度の調節値Δx1〜Δx4を入力とし、被空調空間1−1〜1−4に対する温度設定値を調節し、現在の温度設定値tsp1〜tsp4として空調機AHU1〜AHU4へ送る。
設定値管理装置2は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、本実施の形態特有の機能として系統毎の温度設定値の運用履歴の作成機能2Aおよびエネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回った場合の省エネルギー機能2Bを有している。
〔温度設定値の運用履歴の作成機能〕
図2に冷房時の温度設定値の運用履歴の作成例を示し、図3に暖房時の温度設定値の運用履歴の作成例を示す。設定値管理装置2は、系統毎に、例えば、1℃毎の温度幅の区分(温度帯)を定め、この区分に入った温度設定値の累積時間を温度設定値の運用履歴として作成する。この運用履歴は、メモリに格納され、所定時間毎に更新される。
この例は、過去1ヶ月間の運用履歴を示しており、図2に示した冷房時の温度設定値の運用履歴では、系統「AHU−1」について、22℃以上23℃未満であった累積時間が120時間、23℃以上24℃未満であった累積時間が400時間、24℃以上25℃未満であった累積時間が200時間として運用履歴テーブルTB1に書き込まれている。他の系統「AHU−2」,「AHU−3」,「AHU−4」についても、同様にして、その区分に入った温度設定値の累積時間が書き込まれている。
図3に示した暖房時の温度設定値の運用履歴では、系統「AHU−1」について、20℃以上21℃未満であった累積時間が120時間、21℃以上22℃未満であった累積時間が400時間、22℃以上23℃未満であった累積時間が200時間として、運用履歴テーブルTB2に書き込まれている。他の系統「AHU−2」,「AHU−3」,「AHU−4」についても、同様にして、その区分に入った温度設定値の累積時間が書き込まれている。
〔省エネルギー機能:第1例(基準設定値を現在の温度設定値とする)〕
設定値管理装置2が有する省エネルギー機能の第1例について説明する。この省エネルギー機能の第1例では、各系統の基準設定値を現在の温度設定値とする。なお、この省エネルギー機能の第1例では、各系統に対して温度設定値を省エネルギー方向へ緩和する場合の緩和幅を定めるが、この緩和幅は冷房の場合にはα=+1℃とし、暖房の場合にはβ=−1℃とする。
〔冷房の場合〕
冷房の場合のフローチャートを図4に示す。設定値管理装置2は、システム全体の現在のエネルギーの使用量PWrを監視し、このエネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWpを上回ると(ステップS101のYES)、以下に説明する省エネルギー動作を開始する。
〔制限温度値の決定〕
設定値管理装置2は、省エネルギー動作として、先ず、各系統の温度設定値の制限値(制限温度値)を決定する(ステップS102)。この場合、冷房時の温度設定値の運用履歴(図2)において、累積時間が書き込まれている区分(温度帯)中、最も高い温度帯の上限温度値を制限温度値とする。
この例では、図5に示すように、系統「AHU−1」の制限温度値が25℃未満(24℃〜の区分の上限温度値)とされ、系統「AHU−2」の制限温度値が26℃未満(25℃〜の区分の上限温度値)とされ、系統「AHU−3」の制限温度値が27℃未満(26℃〜の区分の上限温度値)とされ、系統「AHU−4」の制限温度値が28℃未満(27℃〜の区分の上限温度値)とされる。なお、この制限温度値は、運用履歴を用いないで、手入力で設定してもよい。
〔優先順位の決定〕
次に、設定値管理装置2は、各系統の現在の温度設定値を基準設定値とする(ステップS103)。この例では、系統「AHU−1」の現在の温度設定値tsp1が24℃、系統「AHU−2」の現在の温度設定値tsp2が25℃、系統「AHU−3」の現在の温度設定値tsp3が25℃、系統「AHU−4」の現在の温度設定値tsp4が25℃であるとする。この場合、系統「AHU−1」の基準設定値tr1は24℃とされ、系統「AHU−2」の基準設定値tr2は25℃とされ、系統「AHU−3」の基準設定値tr3は25℃とされ、系統「AHU−4」の基準設定値tr4は25℃とされる。
次に、設定値管理装置2は、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを下記(1)式によって求める(ステップS104)。なお、この例では、運用履歴中の累積時間の最も長い区分を最も頻度の高い区分とし、その区分(温度幅)の中央値を運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値とする。
Δt=基準設定値(現在の温度設定値)−運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値 ・・・・(1)
この場合、運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値は、系統「AHU−1」では23.5℃、系統「AHU−2」では24.5℃、系統「AHU−3」では25.5℃、系統「AHU−4」では26.5℃となる。したがって、系統「AHU−1」の偏差Δt1はΔt1=24−23.5=0.5、系統「AHU−2」の偏差Δt2はΔt2=25−24.5=0.5、系統「AHU−3」の偏差Δt3はΔt3=25−25.5=−0.5、系統「AHU−4」の偏差Δt4はΔt4=25−26.5=−1.5となる。
そして、設定値管理装置2は、この求めた系統毎の偏差Δtに基づいて、Δtの小さい方から順に優先順位をつける(ステップS105)。この例では、Δt1=0.5、Δt2=0.5、Δt3=−0.5、Δt4=−1.5として得られるので、系統「AHU−4」、系統「AHU−3」、系統「AHU−2」,「AHU−1」の順に優先順位がつけられる。この場合、系統「AHU−4」が優先順位第1位、系統「AHU−3」が優先順位第2位とされる。なお、系統「AHU−2」,「AHU−1」は同順位であるが、系統「AHU−2」が優先順位第3位、系統「AHU−1」が優先順位第4位とされるものとする。
〔優先順位に従う系統毎の温度設定値の変更〕
〔優先順位第1位の系統〕
次に、設定値管理装置2は、N=1とし(ステップS106)、優先順位N=1(第1位)の系統「AHU−4」の温度設定値tsp4を基準設定値tr4とし(ステップS108)、この温度設定値tsp4に緩和幅αを加算して、tsp4=tsp4+αとする(ステップS110)。この場合、基準設定値tr4は25℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅αは+1℃であるので、温度設定値tsp4は26℃とされる。
そして、この温度設定値tsp4を空調機AHU4に出力し(温度設定値tsp4の26℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS109)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS109のNO)、温度設定値tsp4にさらに緩和幅αを加算して(ステップS110)、温度設定値tsp4を27℃とする。
そして、この温度設定値tsp4を空調機AHU4に出力し(温度設定値tsp4の27℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS109)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS109のNO)、温度設定値tsp4にさらに緩和幅αを加算して(ステップS110)、温度設定値tsp4を28℃とする。
〔優先順位第2位の系統〕
ここで、温度設定値tsp4=28℃はステップS102で決定した系統「AHU−4」の制限温度値である28℃未満を上回っている(ステップS111のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp4の28℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=2(第2位)とし(ステップS112)、優先順位N=2の系統「AHU−3」の温度設定値tsp3を基準設定値tr3とし(ステップS108)、この温度設定値tsp3に緩和幅αを加算して、tsp3=tsp3+αとする(ステップS110)。この場合、基準設定値tr3は25℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅αは+1℃であるので、温度設定値tsp3は26℃とされる。
そして、この温度設定値tsp3を空調機AHU3に出力し(温度設定値tsp3の26℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS109)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS109のNO)、温度設定値tsp3にさらに緩和幅αを加算して(ステップS110)、温度設定値tsp3を27℃とする。
〔優先順位第3位の系統〕
ここで、温度設定値tsp4=27℃はステップS102で決定した系統「AHU−3」の制限温度値である27℃未満を上回っている(ステップS111のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp4の27℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=3(第3位)とし(ステップS112)、優先順位N=3の系統「AHU−2」の温度設定値tsp2を基準設定値tr2とし(ステップS108)、この温度設定値tsp2に緩和幅αを加算して、tsp2=tsp2+αとする(ステップS110)。この場合、基準設定値tr2は25℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅αは+1℃であるので、温度設定値tsp2は26℃とされる。
〔優先順位第4位の系統〕
ここで、温度設定値tsp2=26℃はステップS102で決定した系統「AHU−2」の制限温度値である26℃未満を上回っている(ステップS111のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp2の26℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=4(第4位)とし(ステップS112)、優先順位N=4の系統「AHU−1」の温度設定値tsp1を基準設定値tr1とし(ステップS108)、この温度設定値tsp1に緩和幅αを加算して、tsp1=tsp1+αとする(ステップS110)。この場合、基準設定値tr1は24℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅αは+1℃であるので、温度設定値tsp1は25℃とされる。
ここで、温度設定値tsp1=25℃はステップS102で決定した系統「AHU−1」の制限温度値である25℃未満を上回っている(ステップS111のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp1の25℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=5とする(ステップS112)。この場合、優先順位N=5は、最大優先順位Nmax(この例では、Nmax=4)を超えているので(ステップS107のYES)、一連の省エネルギー動作を終了する。
なお、上述した省エネルギー動作の過程において、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となった場合には(ステップS109のYES)、温度設定値の変更で対処することができたものとして、その時点で省エネルギー動作を終了する。
また、上述した例において、系統「AHU−1」,「AHU−2」では温度設定値の変更は行われないが、緩和幅αを加算した後の温度設定値がその系統の制限温度値を上回っていなければ、すなわち制限温度値を超えていなければ、系統「AHU−1」,「AHU−2」でも系統「AHU−3」,「AHU−4」と同様にして温度設定値の変更(緩和)が行われて行く。
このようにして、この省エネルギー機能の第1例では、冷房の場合、現在の温度設定値を基準設定値とし、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを求め、この偏差Δtの小さい方から順に優先順位をつけることにより、現在の温度設定値と比較して、過去の運用がより快適性を犠牲にしている系統から温度設定値の変更が行われて行くものとなり、すなわち比較的クレームが出る確率が少ない系統からその温度設定値の変更が行われて行くものとなり、省エネルギーを実現しながら、系統が異なる被空調空間の快適性の犠牲を実質的に軽減することができるようになる。なお、この例では偏差Δtの小さい方から順に優先順位をつけるようにしたが、偏差Δtの大きい方から順に優先順位をつけるようにすれば、より省エネを得やすくなる。
〔暖房の場合〕
暖房の場合のフローチャートを図6に示す。設定値管理装置2は、システム全体の現在のエネルギーの使用量PWrを監視し、このエネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWpを上回ると(ステップS201のYES)、以下に説明する省エネルギー動作を開始する。
〔制限温度値の決定〕
設定値管理装置2は、省エネルギー動作として、先ず、各系統の温度設定値の制限値(制限温度値)を決定する(ステップS202)。この場合、暖房時の温度設定値の運用履歴(図3)において、累積時間が書き込まれている区分(温度帯)中、最も低い温度帯の下限温度値を制限温度値とする。
この例では、図7に示すように、系統「AHU−1」の制限温度値が20℃(20℃〜の区分の下限温度値)とされ、系統「AHU−2」の制限温度値が21℃(21℃〜の区分の下限温度値)とされ、系統「AHU−3」の制限温度値が22℃(22℃〜の区分の下限温度値)とされ、系統「AHU−4」の制限温度値が23℃(23℃〜の区分の下限温度値)とされる。なお、この制限温度値は、運用履歴を用いないで、手入力で設定してもよい。
〔優先順位の決定〕
次に、設定値管理装置2は、各系統の現在の温度設定値を基準設定値とする(ステップS203)。この例では、系統「AHU−1」の現在の温度設定値tsp1が21℃、系統「AHU−2」の現在の温度設定値tsp2が23℃、系統「AHU−3」の現在の温度設定値tsp3が24℃、系統「AHU−4」の現在の温度設定値tsp4が23℃であるとする。この場合、系統「AHU−1」の基準設定値tr1は21℃とされ、系統「AHU−2」の基準設定値tr2は23℃とされ、系統「AHU−3」の基準設定値tr3は24℃とされ、系統「AHU−4」の基準設定値tr4は23℃とされる。
次に、設定値管理装置2は、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを下記(2)式によって求める(ステップS204)。なお、この例では、運用履歴中の累積時間の最も長い区分を最も頻度の高い区分とし、その区分(温度幅)の中央値を運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値とする。
Δt=基準設定値(現在の温度設定値)−運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値 ・・・・(2)
この場合、運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値は、系統「AHU−1」では21.5℃、系統「AHU−2」では22.5℃、系統「AHU−3」では23.5℃、系統「AHU−4」では24.5℃となる。したがって、系統「AHU−1」の偏差Δt1はΔt1=21−21.5=−0.5、系統「AHU−2」の偏差Δt2はΔt2=23−22.5=0.5、系統「AHU−3」の偏差Δt3はΔt3=24−23.5=0.5、系統「AHU−4」の偏差Δt4はΔt4=23−24.5=−1.5となる。
そして、設定値管理装置2は、この求めた系統毎の偏差Δtに基づいて、Δtの大きい方から順に優先順位をつける(ステップS205)。この例では、Δt1=−0.5、Δt2=0.5、Δt3=0.5、Δt4=−1.5として得られるので、系統「AHU−2」,系統「AHU−3」、系統「AHU−1」,「AHU−4」の順に優先順位がつけられる。この場合、系統「AHU−2」,「AHU−3」は同順位であるが、系統「AHU−2」が優先順位第1位、系統「AHU−3」が優先順位第2位とされるものとする。そして、系統「AHU−1」が優先順位第3位、系統「AHU−4」が優先順位第4位とされるものとする。
〔優先順位に従う系統毎の温度設定値の変更〕
〔優先順位第1位の系統〕
次に、設定値管理装置2は、N=1とし(ステップS206)、優先順位N=1(第1位)の系統「AHU−2」の温度設定値tsp2を基準設定値tr2とし(ステップS208)、この温度設定値tsp2に緩和幅βを加算して、tsp4=tsp4+βとする(ステップS210)。この場合、基準設定値tr2は23℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅βは−1℃であるので、温度設定値tsp4は22℃とされる。
そして、この温度設定値tsp2を空調機AHU2に出力し(温度設定値tsp2の22℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS209)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS209のNO)、温度設定値tsp2にさらに緩和幅βを加算して(ステップS210)、温度設定値tsp4を21℃とする。
そして、この温度設定値tsp2を空調機AHU2に出力し(温度設定値tsp2の21℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS209)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS209のNO)、温度設定値tsp4にさらに緩和幅βを加算して(ステップS210)、温度設定値tsp4を20℃とする。
〔優先順位第2位の系統〕
ここで、温度設定値tsp2=20℃はステップS202で決定した系統「AHU−2」の制限温度値である21℃を下回っている(ステップS211のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp2の20℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=2(第2位)とし(ステップS212)、優先順位N=2の系統「AHU−3」の温度設定値tsp3を基準設定値tr3とし(ステップS208)、この温度設定値tsp3に緩和幅βを加算して、tsp3=tsp3+βとする(ステップS210)。この場合、基準設定値tr3は24℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅βは−1℃であるので、温度設定値tsp3は23℃とされる。
そして、この温度設定値tsp3を空調機AHU3に出力し(温度設定値tsp3の23℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS209)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS209のNO)、温度設定値tsp3にさらに緩和幅βを加算して(ステップS210)、温度設定値tsp3を22℃とする。
そして、この温度設定値tsp3を空調機AHU3に出力し(温度設定値tsp3の22℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS209)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS209のNO)、温度設定値tsp3にさらに緩和幅βを加算して(ステップS210)、温度設定値tsp3を21℃とする。
〔優先順位第3位の系統〕
ここで、温度設定値tsp3=21℃はステップS202で決定した系統「AHU−3」の制限温度値である22℃を下回っている(ステップS211のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp3の22℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=3(第3位)とし(ステップS212)、優先順位N=3の系統「AHU−1」の温度設定値tsp1を基準設定値tr1とし(ステップS208)、この温度設定値tsp1に緩和幅βを加算して、tsp1=tsp1+βとする(ステップS210)。この場合、基準設定値tr1は21℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅βは−1℃であるので、温度設定値tsp1は20℃とされる。
そして、この温度設定値tsp1を空調機AHU1に出力し(温度設定値tsp1の20℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS209)。ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS209のNO)、温度設定値tsp1にさらに緩和幅βを加算して(ステップS210)、温度設定値tsp1を19℃とする。
〔優先順位第4位の系統〕
ここで、温度設定値tsp1=19℃はステップS202で決定した系統「AHU−2」の制限温度値である20℃を下回っている(ステップS211のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp1の19℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=4(第4位)とし(ステップS212)、優先順位N=4の系統「AHU−4」の温度設定値tsp4を基準設定値tr4とし(ステップS208)、この温度設定値tsp4に緩和幅βを加算して、tsp4=tsp4+βとする(ステップS210)。この場合、基準設定値tr4は23℃(現在の温度設定値)であり、緩和幅βは−1℃であるので、温度設定値tsp4は22℃とされる。
ここで、温度設定値tsp4=22℃はステップS202で決定した系統「AHU−1」の制限温度値である23℃を下回っている(ステップS211のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp4の22℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=5とする(ステップS212)。この場合、優先順位N=5は、最大優先順位Nmax(この例では、Nmax=4)を超えているので(ステップS207のYES)、一連の省エネルギー動作を終了する。
なお、上述した省エネルギー動作の過程において、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となった場合には(ステップS209のYES)、温度設定値の変更で対処することができたものとして、その時点で省エネルギー動作を終了する。
また、上述した例において、系統「AHU−4」では温度設定値の変更は行われないが、緩和幅βを加算した後の温度設定値がその系統の制限温度値を下回っていなければ、すなわち制限温度値を超えていなければ、系統「AHU−4」でも系統「AHU−1」,「AHU−2」,「AHU−3」と同様にして温度設定値の変更(緩和)が行われて行く。
このようにして、この省エネルギー機能の第1例では、暖房の場合、現在の温度設定値を基準設定値とし、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを求め、この偏差Δtの大きい方から順に優先順位をつけることにより、現在の温度設定値と比較して、過去の運用がより快適性を犠牲にしている系統から温度設定値の変更が行われて行くものとなり、すなわち比較的クレームが出る確率が少ない系統からその温度設定値の変更が行われて行くものとなり、省エネルギーを実現しながら、系統が異なる被空調空間の快適性の犠牲を実質的に軽減することができるようになる。なお、この例では偏差Δtの大きい方から順に優先順位をつけるようにしたが、偏差Δtの小さい方から順に優先順位をつけるようにすれば、より省エネを得やすくなる。
〔省エネルギー機能:第2例(基準設定値を省エネルギー設定値とする)〕
設定値管理装置2が有する省エネルギー機能の第2例について説明する。この省エネルギー機能の第2例では、各系統の基準設定値を予め定められる省エネルギー設定値とする。なお、この省エネルギー機能の第2例でも、各系統について温度設定値を省エネルギー方向へ緩和する場合の緩和幅を定め、この緩和幅を冷房の場合にはα=+1℃とし、暖房の場合にはβ=−1℃とする。また、この例において、各系統の省エネルギー設定値は冷房の場合は全て26℃として定められ、暖房の場合は全て20℃として定められているものとする。
〔冷房の場合〕
冷房の場合のフローチャートを図8に示す。設定値管理装置2は、システム全体の現在のエネルギーの使用量PWrを監視し、このエネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWpを上回ると(ステップS301のYES)、以下に説明する省エネルギー動作を開始する。
〔制限温度値の決定〕
設定値管理装置2は、省エネルギー動作として、先ず、各系統の温度設定値の制限値(制限温度値)を決定する(ステップS302)。この場合、冷房時の温度設定値の運用履歴(図2)において、累積時間が書き込まれている区分(温度帯)中、最も高い温度帯の上限温度値を制限温度値とする。
この例では、図9に示すように、系統「AHU−1」の制限温度値が25℃未満(24℃〜の区分の上限温度値)とされ、系統「AHU−2」の制限温度値が26℃未満(25℃〜の区分の上限温度値)とされ、系統「AHU−3」の制限温度値が27℃未満(26℃〜の区分の上限温度値)とされ、系統「AHU−4」の制限温度値が28℃未満(27℃〜の区分の上限温度値)とされる。なお、この制限温度値は、運用履歴を用いないで、手入力で設定してもよい。
〔優先順位の決定〕
次に、設定値管理装置2は、各系統の省エネルギーの設定値を基準設定値とする(ステップS303)。この例では、各系統の省エネルギーの設定値が26℃として定められているので、系統「AHU−1」の基準設定値tr1、系統「AHU−2」の基準設定値tr2、系統「AHU−3」の基準設定値tr3、系統「AHU−4」の基準設定値tr4は、何れも26℃とされる。
次に、設定値管理装置2は、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを下記(3)式によって求める(ステップS304)。なお、この例でも、運用履歴中の累積時間の最も長い区分を最も頻度の高い区分とし、その区分(温度幅)の中央値を運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値とする。
Δt=基準設定値(省エネルギーの設定値)−運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値 ・・・・(3)
この場合、運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値は、系統「AHU−1」では23.5℃、系統「AHU−2」では24.5℃、系統「AHU−3」では25.5℃、系統「AHU−4」では26.5℃となる。したがって、系統「AHU−1」の偏差Δt1はΔt1=26−23.5=2.5、系統「AHU−2」の偏差Δt2はΔt2=26−24.5=1.5、系統「AHU−3」の偏差Δt3はΔt3=26−25.5=0.5、系統「AHU−4」の偏差Δt4はΔt4=26−26.5=−0.5となる。
そして、設定値管理装置2は、この求めた系統毎の偏差Δtに基づいて、Δtの小さい方から順に優先順位をつける(ステップS305)。この例では、Δt1=2.5、Δt2=1.5、Δt3=0.5、Δt4=−0.5として得られるので、系統「AHU−4」、系統「AHU−3」、系統「AHU−2」、「AHU−1」の順に優先順位がつけられる。この場合、系統「AHU−4」が優先順位第1位、「AHU−3」が優先順位第2位、系統「AHU−2」が優先順位第3位、系統「AHU−4」が優先順位第4位とされる。
〔優先順位に従う系統毎の温度設定値の変更〕
〔優先順位第1位の系統〕
次に、設定値管理装置2は、N=1とし(ステップS306)、優先順位N=1(第1位)の系統「AHU−4」の温度設定値tsp4を基準設定値tr4とする(ステップS308)。そして、温度設定値tsp4を空調機AHU4に出力し(温度設定値tsp4の26℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS309)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS309のNO)、温度設定値tsp4が系統「AHU−4」の制限温度値を上回っているか否かをチェックし、上回っていればステップS314へ進み、上回っていなければステップS311へ進む。この場合、温度設定値tsp4は26℃、系統「AHU−4」の制限温度値は28℃未満であり、温度設定値tsp4は系統「AHU−4」の制限温度値を上回っていない。したがって、ステップS311へ進む。
ステップS311では、温度設定値tsp4に緩和幅αを加算して、温度設定値tsp4を27℃とする。そして、温度設定値tsp4が系統「AHU−4」の制限温度値を上回っていないことを確認のうえ(ステップS312)、温度設定値tsp4を空調機AHU4に出力し(温度設定値tsp4の27℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS313)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS313のNO)、温度設定値tsp4にさらに緩和幅αを加算して(ステップS311)、温度設定値tsp4を28℃とする。
〔優先順位第2位の系統〕
ここで、温度設定値tsp4=28℃は系統「AHU−4」の制限温度値である28℃未満を上回っている(ステップS312のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp4の28℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=2(第2位)とし(ステップS314)、優先順位N=2の系統「AHU−3」の温度設定値tsp3を基準設定値tr3とする(ステップS308)。そして、温度設定値tsp3を空調機AHU3に出力し(温度設定値tsp3の26℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS309)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS309のNO)、温度設定値tsp3が系統「AHU−3」の制限温度値を上回っているか否かをチェックし、上回っていればステップS314へ進み、上回っていなければステップS311へ進む。この場合、温度設定値tsp3は26℃、系統「AHU−3」の制限温度値は27℃未満であり、温度設定値tsp3は系統「AHU−3」の制限温度値を上回っていない。したがって、ステップS311へ進む。
ステップS311では、温度設定値tsp3に緩和幅αを加算して、温度設定値tsp3を27℃とする。そして、温度設定値tsp3が系統「AHU−3」の制限温度値を上回っているか否かをチェックする(ステップS312)。
〔優先順位第3位の系統〕
ここで、温度設定値tsp3=27℃は系統「AHU−3」の制限温度値である27℃未満を上回っている(ステップS312のYES)。このため、設定値管理装置2は、温度設定値tsp3の27℃への変更は行わずに、優先順位NをN+1=3(第3位)とし(ステップS314)、優先順位N=3の系統「AHU−2」の温度設定値tsp2を基準設定値tr2とする(ステップS308)。そして、温度設定値tsp2を空調機AHU2に出力し(温度設定値tsp2の26℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS309)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS309のNO)、温度設定値tsp2が系統「AHU−2」の制限温度値を上回っているか否かをチェックし、上回っていればステップS314へ進み、上回っていなければステップS311へ進む。この場合、温度設定値tsp2は26℃、系統「AHU−3」の制限温度値は26℃未満であり、温度設定値tsp2は系統「AHU−2」の制限温度値を上回っている。したがって、ステップS314へ進む。
これにより、設定値管理装置2は、優先順位NをN+1=4(第4位)とし(ステップS314)、優先順位N=4の系統「AHU−1」の温度設定値tsp1を基準設定値tr1とする(ステップS308)。そして、温度設定値tsp1を空調機AHU1に出力し(温度設定値tsp1の26℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS309)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS309のNO)、温度設定値tsp1が系統「AHU−1」の制限温度値を上回っているか否かをチェックし、上回っていればステップS314へ進み、上回っていなければステップS311へ進む。この場合、温度設定値tsp1は26℃、系統「AHU−1」の制限温度値は25℃未満であり、温度設定値tsp1は系統「AHU−1」の制限温度値を上回っている。したがって、ステップS314へ進む。
設定値管理装置2は、ステップS314において、優先順位NをN+1=5とする。この場合、優先順位N=5は、最大優先順位Nmax(この例では、Nmax=4)を超えているので(ステップS307のYES)、一連の省エネルギー動作を終了する。
なお、上述した省エネルギー動作の過程において、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となった場合には(ステップS309,S313のYES)、温度設定値の変更で対処することができたものとして、その時点で省エネルギー動作を終了する。
また、上述した例において、系統「AHU−1」,「AHU−2」では省エネルギー設定値がその系統の制限温度値を上回っているので、制限温度値に到達するまでの温度設定値の変更(緩和)は行われないが、省エネルギーの設定値が制限温度値を上回っていなければ、すなわち制限温度値を超えていなければ、系統「AHU−1」,「AHU−2」でも系統「AHU−3」,「AHU−4」と同様にして温度設定値の変更(緩和)が行われて行く。
このようにして、この省エネルギー機能の第2例では、冷房の場合、省エネルギー設定値を基準設定値とし、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを求め、この偏差Δtの小さい方から順に優先順位をつけることにより、省エネルギー設定値と比較して、過去の運用がより快適性を犠牲にしている系統から温度設定値の変更が行われて行くものとなり、すなわち比較的クレームが出る確率が少ない系統からその温度設定値の変更が行われて行くものとなり、省エネルギーを実現しながら、系統が異なる被空調空間の快適性の犠牲を実質的に軽減することができるようになる。なお、この例では偏差Δtの小さい方から順に優先順位をつけるようにしたが、偏差Δtの大きい方から順に優先順位をつけるようにすれば、より省エネを得やすくなる。
〔暖房の場合〕
暖房の場合のフローチャートを図10に示す。設定値管理装置2は、システム全体の現在のエネルギーの使用量PWrを監視し、このエネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWpを上回ると(ステップS401のYES)、以下に説明する省エネルギー動作を開始する。
〔制限温度値の決定〕
設定値管理装置2は、省エネルギー動作として、先ず、各系統の温度設定値の制限値(制限温度値)を決定する(ステップS402)。この場合、暖房時の温度設定値の運用履歴(図3)において、累積時間が書き込まれている区分(温度帯)中、最も低い温度帯の下限温度値を制限温度値とする。
この例では、図11に示すように、系統「AHU−1」の制限温度値が20℃(20℃〜の区分の下限温度値)とされ、系統「AHU−2」の制限温度値が21℃(21℃〜の区分の下限温度値)とされ、系統「AHU−3」の制限温度値が22℃(22℃〜の区分の下限温度値)とされ、系統「AHU−4」の制限温度値が23℃(23℃〜の区分の下限温度値)とされる。なお、この制限温度値は、運用履歴を用いないで、手入力で設定してもよい。
〔優先順位の決定〕
次に、設定値管理装置2は、各系統の省エネルギーの設定値を基準設定値とする(ステップS403)。この例では、各系統の省エネルギーの設定値が20℃として定められているので、系統「AHU−1」の基準設定値tr1、系統「AHU−2」の基準設定値tr2、系統「AHU−3」の基準設定値tr3、系統「AHU−4」の基準設定値tr4は、何れも20℃とされる。
次に、設定値管理装置2は、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを下記(4)式によって求める(ステップS404)。なお、この例でも、運用履歴中の累積時間の最も長い区分を最も頻度の高い区分とし、その区分(温度幅)の中央値を運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値とする。
Δt=基準設定値(省エネルギーの設定値)−運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値 ・・・・(4)
この場合、運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値は、系統「AHU−1」では21.5℃、系統「AHU−2」では22.5℃、系統「AHU−3」では23.5℃、系統「AHU−4」では24.5℃となる。したがって、系統「AHU−1」の偏差Δt1はΔt1=20−21.5=−1.5、系統「AHU−2」の偏差Δt2はΔt2=20−22.5=−2.5、系統「AHU−3」の偏差Δt3はΔt3=20−23.5=−3.5、系統「AHU−4」の偏差Δt4はΔt4=20−24.5=−4.5となる。
そして、設定値管理装置2は、この求めた系統毎の偏差Δtに基づいて、Δtの大きい方から順に優先順位をつける(ステップS405)。この例では、Δt1=−1.5、Δt2=−2.5、Δt3=−3.5、Δt4=−4.5として得られるので、系統「AHU−1」、系統「AHU−2」、系統「AHU−3」、「AHU−4」の順に優先順位がつけられる。この場合、系統「AHU−1」が優先順位第1位、「AHU−2」が優先順位第2位、系統「AHU−3」が優先順位第3位、系統「AHU−4」が優先順位第4位とされる。
〔優先順位に従う系統毎の温度設定値の変更〕
〔優先順位第1位の系統〕
次に、設定値管理装置2は、N=1とし(ステップS406)、優先順位N=1(第1位)の系統「AHU−1」の温度設定値tsp1を基準設定値tr1とする(ステップS408)。そして、温度設定値tsp1を空調機AHU1に出力し(温度設定値tsp1の20℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS409)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS409のNO)、温度設定値tsp1が系統「AHU−1」の制限温度値を下回っているか否かをチェックし、下回っていればステップS414へ進み、下回っていなければステップS311へ進む。この場合、温度設定値tsp1は20℃、系統「AHU−1」の制限温度値は20℃であり、温度設定値tsp1は系統「AHU−1」の制限温度値を下回っていない。したがって、ステップS411へ進む。
ステップS411では、温度設定値tsp4に緩和幅βを加算して、温度設定値tsp1を19℃とする。そして、温度設定値tsp1が系統「AHU−1」の制限温度値を下回っているか否かをチェックし、下回っていればステップS314へ進み、下回っていなければステップS413へ進む。この場合、この場合、温度設定値tsp1は19℃、系統「AHU−1」の制限温度値は20℃であり、温度設定値tsp1は系統「AHU−1」の制限温度値を下回っている。したがって、ステップS414へ進む。
〔優先順位第2位の系統〕
これにより、設定値管理装置2は、優先順位NをN+1=2(第2位)とし(ステップS414)、優先順位N=2の系統「AHU−2」の温度設定値tsp2を基準設定値tr2とする(ステップS408)。そして、温度設定値tsp2を空調機AHU2に出力し(温度設定値tsp2の20℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS409)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS409のNO)、温度設定値tsp2が系統「AHU−2」の制限温度値を下回っているか否かをチェックし、下回っていればステップS414へ進み、下回っていなければステップS411へ進む。この場合、温度設定値tsp2は20℃、系統「AHU−2」の制限温度値は21℃であり、温度設定値tsp2は系統「AHU−2」の制限温度値を下回っている。したがって、ステップS414へ進む。
〔優先順位第3位の系統〕
これにより、設定値管理装置2は、優先順位NをN+1=3(第3位)とし(ステップS414)、優先順位N=3の系統「AHU−3」の温度設定値tsp3を基準設定値tr3とする(ステップS408)。そして、温度設定値tsp3を空調機AHU3に出力し(温度設定値tsp3の20℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS409)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS409のNO)、温度設定値tsp3が系統「AHU−3」の制限温度値を下回っているか否かをチェックし、下回っていればステップS414へ進み、下回っていなければステップS411へ進む。この場合、温度設定値tsp3は20℃、系統「AHU−3」の制限温度値は22℃であり、温度設定値tsp3は系統「AHU−3」の制限温度値を下回っている。したがって、ステップS414へ進む。
〔優先順位第4位の系統〕
これにより、設定値管理装置2は、優先順位NをN+1=4(第4位)とし(ステップS414)、優先順位N=4の系統「AHU−4」の温度設定値tsp4を基準設定値tr3とする(ステップS408)。そして、温度設定値tsp4を空調機AHU4に出力し(温度設定値tsp4の20℃への変更を行い)、所定の効果時間を待って、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となったか否かを確認する(ステップS409)。
ここで、エネルギーの使用量PWrがまだ使用エネルギーの計画値PWpを上回っていれば(ステップS409のNO)、温度設定値tsp4が系統「AHU−4」の制限温度値を下回っているか否かをチェックし、下回っていればステップS414へ進み、下回っていなければステップS411へ進む。この場合、温度設定値tsp4は20℃、系統「AHU−4」の制限温度値は23℃であり、温度設定値tsp4は系統「AHU−4」の制限温度値を下回っている。したがって、ステップS414へ進む。
設定値管理装置2は、ステップS414において、優先順位NをN+1=5とする。この場合、優先順位N=5は、最大優先順位Nmax(この例では、Nmax=4)を超えているので(ステップS407のYES)、一連の省エネルギー動作を終了する。
なお、上述した省エネルギー動作の過程において、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下となった場合には(ステップS409,S413のYES)、温度設定値の変更で対処することができたものとして、その時点で省エネルギー動作を終了する。
また、上述した例において、系統「AHU−2」,「AHU−3」,「AHU−4」では省エネルギー設定値がその系統の制限温度値を下回っているので、制限温度値に到達するまでの温度設定値の変更(緩和)は行われないが、省エネルギーの設定値が制限温度値を下回っていなければ、すなわち制限温度値を超えていなければ、系統「AHU−2」,「AHU−3」,「AHU−4」でも系統「AHU−1」と同様にして温度設定値の変更(緩和)が行われて行く。
このようにして、この省エネルギー機能の第2例では、暖房の場合、省エネルギー設定値を基準設定値とし、各系統について基準設定値と運用履歴上で最も頻度の高い温度設定値との偏差Δtを求め、この偏差Δtの大きい方から順に優先順位をつけることにより、省エネルギー設定値と比較して、過去の運用がより快適性を犠牲にしている系統から温度設定値の変更が行われて行くものとなり、すなわち比較的クレームが出る確率が少ない系統からその温度設定値の変更が行われて行くものとなり、省エネルギーを実現しながら、系統が異なる被空調空間の快適性の犠牲を実質的に軽減することができるようになる。なお、この例では偏差Δtの大きい方から順に優先順位をつけるようにしたが、偏差Δtの小さい方から順に優先順位をつけるようにすれば、より省エネを得やすくなる。
〔温度設定値の周期的な緩和〕
上述した実施の形態では、例えば省エネルギー機能の第1例の冷房の場合を例にとると、優先順位第1位の系統「AHU−4」の温度設定値tsp4を緩和して行く場合、先ず、現在の温度設定値25℃に緩和幅α(+1℃)を加算することにより、温度設定値tsp4が26℃に変更(緩和)される。
ここで、一方的に温度設定値を25℃から26℃に緩和するようにしてもよいが、一度緩和した後、少し時間をおいて元に戻すという動作を繰り返し、周期的に快適な状況を作り出すことによって、居住者の快適性をある程度確保しながら、省エネルギーを行って行くようにしてもよい。
この場合、系統「AHU−4」における温度設定値tsp4の25℃から26℃への変更後(図12に示すt1点)、室内温度の計測値tpv4を監視し、この室内温度の計測値tpv4が変更された温度設定値26℃に到達したら(図12に示すt2点)、予め定められた所定時間TAの経過を待って(図12に示すt3点)、変更された温度設定値26℃を徐々に変更前の設定値25℃に戻して行く。
そして、温度設定値tsp4が変更前の設定値25℃に達したら(図12に示すt4点)、予め定められた所定時間TBの間、その変更前の設定値25℃を維持する。そして、再び、温度設定値tsp4を25℃から26℃へ変更し(図12に示すt5点)、以下同様の動作を繰り返す。
この動作中、所定の効果時間を待っても、エネルギーの使用量PWrが使用エネルギーの計画値PWp以下とならなければ、温度設定値tsp4を26℃から27℃へ変更し、そこでも同様の動作を繰り返す。
なお、この例では、変更前の設定値に復帰させるようにしたが、完全に変更前の設定値に復帰させなくてもよく、例えば、変更前の設定値と変更前の設定値との間の中間値に復帰させるなどとしてもよい。
また、この例では、系統「AHU−4」の温度設定値tsp4を緩和して行く場合を例にとって説明したが、他の系統でも同様の動作を繰り返すようにする。また、省エネルギー機能の第1例の冷房の場合を例にとって説明したが、省エネルギー機能の第1例の暖房の場合でも、また省エネルギー機能の第2例の冷房や暖房の場合でも、同様の動作を行わせるようにする。
また、この温度設定値の周期的な緩和は、緩和幅を設けずに温度設定値を変更する場合であっても、適用することが可能である。
本発明の設定値管理方法および装置は、エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合に被空調空間に対して定められている温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ変更する設定値管理方法および装置として、テナントビルなどの各種の建物における省エネルギー施策を実施する場合に利用することが可能である。
1−1〜1−4…被空調空間、AHU1〜AHU4…空調機、UT1〜UT4…室内温度調節器、S1〜S4…室内温度センサ、2…設定値管理装置、2A…温度設定値の運用履歴の作成機能、2B…省エネルギー機能、TB1…運用履歴テーブル(冷房時)、TB2…運用履歴テーブル(暖房時)。

Claims (10)

  1. エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合に被空調空間に対して定められている温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ変更する設定値管理方法において、
    前記温熱環境の設定値の運用履歴を前記被空調空間の系統毎に記憶する運用履歴記憶ステップと、
    前記系統毎に前記温熱環境の基準設定値を記憶する基準設定値記憶ステップと、
    前記エネルギー使用量が前記使用エネルギー計画値を上回った場合、前記系統毎の基準設定値と温熱環境の設定値の運用履歴とに基づいて、前記系統毎の温熱環境の設定値を変更する際の優先順位を決定する優先順位決定ステップとを備え、
    前記優先順位決定ステップは、
    前記系統毎に前記基準設定値と前記温熱環境の設定値の運用履歴で最も頻度の高い設定値との偏差を求め、その偏差に基づいて前記系統毎の優先順位を決定する
    ことを特徴とする設定値管理方法。
  2. エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合に被空調空間に対して定められている温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ変更する設定値管理方法において、
    前記温熱環境の設定値の運用履歴を前記被空調空間の系統毎に記憶する運用履歴記憶ステップと、
    前記系統毎に前記温熱環境の基準設定値を記憶する基準設定値記憶ステップと、
    前記エネルギー使用量が前記使用エネルギー計画値を上回った場合、前記系統毎の基準設定値と温熱環境の設定値の運用履歴とに基づいて、前記系統毎の温熱環境の設定値を変更する際の優先順位を決定する優先順位決定ステップと
    前記系統毎の温熱環境の設定値の運用履歴に基づいてその系統における温熱環境の設定値の制限値を設定する制限値設定ステップと、
    前記決定された系統毎の優先順位に従って、上位の系統からその系統に対して設定された前記制限値まで、予め定められた緩和幅毎にその系統の温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ緩和して行き、上位の系統が制限値に到達したら次の系統についても同様にしてその系統の温熱環境の設定値の緩和を行う温熱環境設定値緩和ステップと
    を備えることを特徴とする設定値管理方法。
  3. 請求項1又は2に記載された設定値管理方法において、
    前記基準設定値は、現在の温熱環境の設定値である
    ことを特徴とする設定値管理方法。
  4. 請求項1又は2に記載された設定値管理方法において、
    前記基準設定値は、予め定められた省エネルギー設定値である
    ことを特徴とする設定値管理方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載された設定値管理方法において、
    前記温熱環境の設定値の変更後、その温熱環境の実際値が変更された温熱環境の設定値に到達したら、予め定められた所定時間の経過を待って、変更された温熱環境の設定値を徐々に変更前の設定値の方向に戻して行く設定値復帰ステップ
    を備えることを特徴とする設定値管理方法。
  6. エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合に被空調空間に対して定められている温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ変更する設定値管理装置において、
    前記温熱環境の設定値の運用履歴を前記被空調空間の系統毎に記憶する運用履歴記憶手段と、
    前記系統毎に前記温熱環境の基準設定値を記憶する基準設定値記憶手段と、
    前記エネルギー使用量が前記使用エネルギー計画値を上回った場合、前記系統毎の基準設定値と前記系統毎の温熱環境の設定値の運用履歴とに基づいて、前記系統毎の温熱環境の設定値を変更する際の優先順位を決定する優先順位決定手段とを備え、
    前記優先順位決定手段は、
    前記系統毎に前記基準設定値と前記温熱環境の設定値の運用履歴で最も頻度の高い設定値との偏差を求め、その偏差に基づいて前記系統毎の優先順位を決定する
    ことを特徴とする設定値管理装置
  7. エネルギー使用量が使用エネルギー計画値を上回る場合に被空調空間に対して定められている温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ変更する設定値管理装置において、
    前記温熱環境の設定値の運用履歴を前記被空調空間の系統毎に記憶する運用履歴記憶手段と、
    前記系統毎に前記温熱環境の基準設定値を記憶する基準設定値記憶手段と、
    前記エネルギー使用量が前記使用エネルギー計画値を上回った場合、前記系統毎の基準設定値と前記系統毎の温熱環境の設定値の運用履歴とに基づいて、前記系統毎の温熱環境の設定値を変更する際の優先順位を決定する優先順位決定手段と
    前記系統毎の温熱環境の設定値の運用履歴に基づいてその系統における温熱環境の設定値の制限値を設定する制限値設定手段と、
    前記決定された系統毎の優先順位に従って、上位の系統からその系統に対して設定された前記制限値まで予め定められた緩和幅毎にその系統の温熱環境の設定値を省エネルギー方向へ緩和して行き、上位の系統が制限値に到達したら次の系統についても同様にしてその系統の温熱環境の設定値の緩和を行う温熱環境設定値緩和手段と
    を備えることを特徴とする設定値管理装置。
  8. 請求項7に記載された設定値管理装置において、
    前記基準設定値は、現在の温熱環境の設定値である
    ことを特徴とする設定値管理装置。
  9. 請求項7に記載された設定値管理装置において、
    前記基準設定値は、予め定められた省エネルギー設定値である
    ことを特徴とする設定値管理装置。
  10. 請求項6〜9の何れか1項に記載された設定値管理装置において、
    前記温熱環境の設定値の変更後、その温熱環境の実際値が変更された温熱環境の設定値に到達したら、予め定められた所定時間の経過を待って、変更された温熱環境の設定値を徐々に変更前の設定値の方向に戻して行く設定値復帰手段
    を備えることを特徴とする設定値管理装置。
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