JP5502456B2 - 像振れ補正装置及び撮像ユニット - Google Patents
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Description
しかしながら、この装置においては、第1可動部材と第2可動部材が光軸方向に配列された二段構成となっているため光軸方向において装置の大型化を招くと共に、第2駆動装置は第2可動部材だけを駆動するものの、第1駆動装置は第1可動部材だけでなく第2可動部材及び第2案内軸も一緒に駆動する必要があるため、第1可動部材だけを駆動する場合に比べてより大きな駆動力を発生しなければならず、第1駆動装置の大型化を招く。また、第1駆動装置の駆動負荷と第2駆動装置の駆動負荷が異なるため、レンズを光軸に垂直な平面内で位置決めするための駆動制御が容易ではなく、全体としても構造が複雑であり組付け作業も容易ではない。
しかしながら、この装置においては、可動部材が、光軸方向に伸長する4本の弾性支持部材(ワイヤ)を用いてベースに支持され、さらに可動部材の前方において他の部材によりコイルを保持する固定枠が支持されているため、光軸方向において装置の大型化を招くと共に、4本の弾性支持部材の連結部がリンク状ではなくリジッドに連結されているため、可動部材(レンズ)が光軸に垂直な平面方向に移動させられるだけでなく光軸に対して傾斜する虞がある。
また、ベースと可動部材は連結されていても、コイルを保持する固定枠は一体的に連結されていないため、像振れ補正装置としてモジュール化することができず、取り扱いが不便であると共に、一つの部材(例えばベース)を基準として、可動部材の第1磁石及び第2磁石と固定枠の第1コイル及び第2コイルをそれぞれ位置合わせすることができず、装置の組付け作業が面倒である。さらに、第1駆動手段(の第1磁石及び第1ヨーク)と第2駆動手段(の第2磁石及び第2ヨーク)が、レンズに対して可動部材の片側にのみ配置されているため、第1駆動手段及び第2駆動手段は、レンズに対して対称的にではなく可動部材の一方側にのみ駆動力を及ぼすことになり、可動部材の傾斜すなわちレンズの傾斜を助長する傾向にあり、全体として構造が複雑であり組付け作業も容易ではない。
この装置においては、可動部材とベースの間に3つの転動するボールを介在させているため、光軸方向において装置を薄型化することはできるものの、可動部材が3つのボールに接触して常時支持されるように規制するべくコイルスプリングにより付勢力を及ぼしており、コイルスプリングの付勢力は可動部材を駆動する際に抵抗力すなわち駆動負荷として作用するため、駆動手段としては、コイルスプリングの付勢力に対抗し得るだけの駆動力を発生させる必要があり、又、組付け作業も容易ではない。
この装置においては、可動部材を中心位置に復帰させる復帰手段として、アシストバネを採用しているため、アシストバネの配設スペースが必要になり、装置の大径化、大型化等を招くと共に、アシストバネを引張りつつ組み付けるため組付け作業も容易ではない。
この構成によれば、可動保持部材は、規制機構によりベースに対して光軸方向に離れる(浮き上がる)のを規制されつつ、支持機構より光軸に垂直な平面内で移動自在に支持されており、駆動手段によりベースに対して上記平面内で二次元的に移動させられ、手振れ等による像振れを高精度に補正することができる。また、復帰手段により、休止状態においては所定の休止位置に復帰させられるようになっている。
ここで、規制機構が、ベース及び可動保持部材の一方に設けられた雄型係合部と、ベース及び可動保持部材の他方に設けられてスナップフィットにより雄型係合部に係合する雌型係合部とにより構成され、スナップフィットは、可動保持部材がベースから光軸方向に離れるのを規制すると共に可動保持部材がベースに対して上記平面内で二次元的に移動するのを許容するように形成されている、すなわち、付勢バネ等によるのではなく、スナップフィットによる係合関係により、可動保持部材がベースに対して光軸方向に離れるのを規制されつつ光軸に垂直な平面内で二次元的に移動するのを許容されている。
したがって、従来のようにバネの付勢力等が駆動負荷(抵抗力)として作用しないため、部品点数を削減しつつ、構造の簡素化、組立の容易化等を達成できる。すなわち、掛止片の弾性変形(スナップフィット)を利用して可動保持部材をベースに容易に組み付けて、ベースに対して可動保持部材を上記平面内で移動自在に支持しつつベースから光軸方向に離脱するのを規制することができる。
また、可動保持部材は、凹部に配置された球体と当接面との関係により移動自在に支持された状態で、ベースに対して光軸に垂直な平面内で二次元的に移動させられ、手振れ等による像振れを高精度に補正することができ、又、球体が凹部に配置され当接面が当接するように、可動保持部材がベースに対向して配置されつつ、掛止片が突起にスナップフィットにより係合されて組み付けられることで、可動保持部材をベースに対して移動自在に組み込むことができる。
この構成によれば、掛止片を弾性変形させつつその開口に突起を嵌め込むことで、可動保持部材をベースに外れないようにかつ可動保持部材がベースに対して平面内で移動可能に組み付けることができる。ここで、少なくとも3つの突起と各々の突起に対応する少なくとも3つの掛止片を含むため、構造の簡素化を図りつつ、可動保持部材がベースに対して安定して移動できるように組み付けることができる。また、掛止片をスナップフィットにより突起に係合させる際に、突起の傾斜面が掛止片を弾性変形するようにガイドするため、スナップフィットを円滑に行うことができる。
この構成によれば、第1駆動機構(第1駆動磁石、第1コイル)と第2駆動機構(第2駆動磁石、第2コイル)により可動保持部材を光軸に垂直な平面内で移動させることができ、又、第1復帰磁石と第1駆動磁石との磁気的吸引作用及び第2復帰磁石と第2駆動磁石との磁気的吸引作用により、可動保持部材(レンズ)は所定の休止位置(例えば、ベースの開口部の中心にレンズの光軸が一致する位置)に自動的に復帰(例えば、センタリング)させられて安定して保持される。したがって、駆動時にイニシャライズ等の駆動制御が不要であり、又、休止状態において可動保持部材のガタツキ等を防止することができる。このように、駆動手段の駆動磁石を、復帰磁石と磁気的に相互作用させる磁石として兼用するため、構造の簡素化、装置の小型化等を達成することができる。
この構成によれば、撮像用の複数のレンズが光軸方向に配置された構成において、上記の像振れ補正装置を含むことで、可動保持部材に保持される補正用のレンズが適宜駆動されて、手振れ等による像振れを円滑にかつ高精度に補正することができ、撮像素子により良好な撮影画像を得ることができる。
この像振れ補正装置を組み込んだカメラユニットUは、図1に示すように、扁平で小型の携帯情報端末機PHに搭載されている。携帯情報端末機PHは、略矩形で扁平な輪郭をなす筐体PH1、筐体PH1の表面に配置された種々の情報を表示する液晶パネル等の表示部PH2及び操作ボタンPH3、表示部PH2の反対側の表面に形成された撮影窓PH4等を備えている。そして、カメラユニットUは、図1に示すように、撮影窓PH4から進入する被写体光の光軸L1に対して垂直な方向に延在するように筐体PH1の内部に収容されている。
レンズG1は、図2及び図3に示すように、光軸L1,L2方向においてプリズム20の後方に配置され、ユニットケース10の保持部12に固定されている。
レンズG5は、図2及び図3に示すように、光軸L2方向において可動レンズ群(像振れ補正装置M)の後方に配置され、ユニットケース10の保持部13に固定されている。
フィルタ30は、赤外線カットフィルタあるいはローパスフィルタ等であり、図2及び図3に示すように、光軸L2方向においてレンズG5の後方に配置され、ユニットケース10の保持部14に固定されている。
CCD40は、図2及び図3に示すように、光軸L2方向においてフィルタ30の後方に配置されて、ユニットケース10の保持部15に固定されている。
制御ユニットは、ユニットケース10に固定されたマイクロコンピュータであり、演算処理を行うと共に種々の信号を処理して指令信号を発する制御部、駆動ユニット50のモータ54を駆動するモータ駆動回路、CCD40を駆動するCCD駆動回路、像振れ補正装置Mに含まれる第1コイル121及び第2コイル131を駆動する駆動回路、像振れ補正装置Mに含まれる可動保持部材110の位置を検出する第1磁気センサ171及び第2磁気センサ172に接続される位置検出回路、角速度センサに接続される角速度検出回路等を備えている。
そして、像振れ補正装置Mは、図4ないし図8に示すように、ベース100、可動保持部材110、駆動手段としての(第1コイル121,第1駆動磁石122を含む)第1駆動機構120、駆動手段としての(第2コイル131,第2駆動磁石132を含む)第2駆動機構130、駆動手段に含まれるヨーク141,142、可動保持部材110を光軸L2に垂直な平面内で移動自在に支持する支持機構としての3つの球体150、可動保持部材110がベース100から光軸L2方向に離れるのを規制する規制機構(ベース100に設けられた雄型係合部としての1つの幅広い突起105及び2つの幅狭い突起106、可動保持部材110に設けられた雌型係合部としての1つの幅広い掛止片115及び2つの幅狭い掛止片116)、復帰手段としての第1復帰磁石161及び第2復帰磁石162、位置検出手段としての第1磁気センサ171及び第2磁気センサ172、電気的な接続を行うフレキシブル配線板180等を備えている。
嵌合凹部100b,100c,100dと嵌合凹部100e,100f,100gとは、図10及び図11に示すように、直線S1に対して線対称となるように形成されている。すなわち、第1コイル121,第1復帰磁石161,及び第1磁気センサ171と第2コイル131,第2復帰磁石162,及び第2磁気センサ172は、ベース100上において、直線S1に対して線対称に配置される。
傾斜面105aは、光軸L2方向の前方側から可動保持部材110の掛止片115をスナップフィットにより組み付ける際に、掛止片115の先端(傾斜面115b)を当接させつつ直線S1方向外向きに容易に弾性変形させるようにガイドするものである。
直立面105bは、掛止片115が突起105に係合させられた後、可動保持部材110がベース100から光軸L2方向に離れるのを規制しつつ、掛止片115の開口115aの内縁部に接触し又は微小隙間をおいて非接触の状態で、可動保持部材110がベース100に対して光軸L2に垂直な平面内で移動するのを許容するように形成されている。
2つの突起106は、図10及び図11に示すように、それぞれ、可動保持部材110の掛止片116を係合させるように、直線S1方向の他方側の縁部領域から直線S1方向(光軸L2に垂直な方向)に突出するようにかつ直線S2方向に幅狭く形成されている。そして、突起106は、光軸L2方向の前方側に傾斜面106a及び背面側に直立面106bを画定している。
傾斜面106aは、光軸L2方向の前方側から可動保持部材110の掛止片116をスナップフィットにより組み付ける際に、掛止片116の先端(傾斜面116b)を当接させつつ直線S1方向外向きに容易に弾性変形させるようにガイドするものである。
直立面106bは、掛止片116が突起106に係合させられた後、可動保持部材110がベース100から光軸L2方向に離れるのを規制しつつ、掛止片116の開口116aの内縁部に接触し又は微小隙間をおいて非接触の状態で、可動保持部材110がベース100に対して光軸L2に垂直な平面内で移動するのを許容するように形成されている。
3つの当接面114は、レンズG2,G3,G4の光軸L2がベース100の開口部100aの中心C1と一致する状態で、図13に示すように、光軸L2方向において3つの(凹部104に配置された)球体150と対向するように配置され、可動保持部材110が光軸L2に垂直な平面(直線S1,S2を含む平面)内において二次元的に移動する範囲において、ベース100の対応する凹部104に挿入された球体150に接触した状態から逸脱しないように、所定の面積をなす平面状に形成されている。
開口115aは、図8及び図14に示すように、スナップフィットにより掛止片115が突起105に係合させられた後、可動保持部材110がベース100から光軸L2方向に離れるのを規制しつつ、直立面105bと接触し又は微小隙間をおいて非接触の状態で、可動保持部材110がベース100に対して光軸L2に垂直な平面内で移動するのを許容するように形成されている。
そして、規制片115は、図15に示すように、光軸L2方向の前方から近づけられてその先端(の傾斜面115b)が突起105の傾斜面105aに当接すると、傾斜面105aにガイドされつつ直線S1方向外向きに弾性変形して、その開口115aに突起105を受け入れるようになっている。
2つの掛止片116は、可動保持部材110がベース100から光軸L2方向に離れるのを規制する規制機構の一部をなすものであり、図12ないし図14、図16に示すように、それぞれベース100の突起106を係合させるように、直線S1方向の他方側の縁部領域から直線S2方向に幅狭い状態で直線S1方向に弾性変形可能に片持ち梁状に光軸L2方向に突出すると共に略矩形状の開口116a及び先端の傾斜面116b(図14参照)を画定するフック状に形成されている。
開口116aは、図8及び図14に示すように、スナップフィットにより掛止片116が突起106に係合させられた後、可動保持部材110がベース100から光軸L2方向に離れるのを規制しつつ、直立面106bと接触し又は微小隙間をおいて非接触の状態で、可動保持部材110がベース100に対して光軸L2に垂直な平面内で移動するのを許容するように形成されている。
そして、規制片116は、図14及び図16に示すように、光軸L2方向の前方から近づけられてその先端(の傾斜面116b)が突起106の傾斜面106aに当接すると、傾斜面106aにガイドされつつ直線S1方向外向きに弾性変形して、その開口116aに突起106を受け入れるようになっている。
また、直立面105b,106bと開口115a,116aの内縁部とは接触するように形成されてもよいが、ベース100に設けられた第1復帰磁石161及び第2復帰磁石162と可動保持部材110に設けられた第1駆動磁石122及び第2駆動磁石132が相互に磁気的吸引力を生じて、可動保持部材110がベース100から容易に離れないように保持されるため、光軸L2に垂直な平面内で可動保持部材110が円滑に移動し得るように、直立面105b,106bと開口115a,116aの内縁部との間に微小隙間Gを設けるのが好ましい。
すなわち、この規制機構によれば、付勢バネ等によるのではなく、掛止片115,116の弾性変形(スナップフィットによる係合関係)を利用して可動保持部材110をベース100に容易に組み付けて、ベース100に対して可動保持部材110を光軸L2に垂直な平面内で移動自在に支持しつつベース100から光軸L2方向に離脱するのを規制する。したがって、従来のようにバネの付勢力等が駆動負荷(抵抗力)として作用しないため、部品点数を削減しつつ、構造の簡素化、組立の容易化等を達成できる。
第1コイル121は、図10に示すように、光軸L2方向から視て、直線S3の方向に長軸及び直線S4´の方向に短軸をもつ略楕円環状をなすように形成されて、ベース100の嵌合凹部100bに嵌合されて固定されている。
そして、第1コイル121は、その長軸が直線S2に対して45度の傾斜角度をなす(その長軸が直線S3と平行になる)ように配置されている。
第1駆動磁石122は、図9、図13に示すように、直線S3を通る面を境にN極とS極とに着磁された矩形形状に形成されて、可動保持部材110の嵌合孔112に嵌合されて固定されている。
そして、第1駆動機構120は、第1コイル121に対する通電をオン/オフすることにより、光軸L2に垂直な第1方向すなわち直線S4´の方向に電磁駆動力を発生するようになっている。
第2コイル131は、図10に示すように、光軸L2方向から視て、直線S4の方向に長軸及び直線S3´の方向に短軸をもつ略楕円環状をなすように形成されて、ベース100の嵌合凹部100eに嵌合されて固定されている。
そして、第2コイル131は、その長軸が直線S2に対して45度の傾斜角度をなす(その長軸が直線S4と平行になる)ように配置されている。
第2駆動磁石132は、図9、図13に示すように、直線S4を通る面を境にN極とS極とに着磁された矩形形状に形成されて、可動保持部材110の嵌合孔113に嵌合されて固定されている。
そして、第2駆動機構130は、第2コイル131に対する通電をオン/オフすることにより、光軸L2に垂直な第2方向すなわち直線S3´の方向に電磁駆動力を発生するようになっている。
また、第1コイル121及び第2コイル131は、各々の長軸が直線S2に対して所定の傾斜角度(略45度)をなすように配置されているため、可動保持部材110を直線S2の方向に長尺な形状とした場合に、第1コイル121及び第2コイル131を傾斜させることで、直線S1の方向において可動保持部材110の寸法を小さくすることができ、光軸L2に垂直な方向(直線S1の方向)における装置の小型化及び薄型化等を達成できる。
ヨーク142は、図4、図5、図9、図12に示すように、略矩形の板状に形成されて、接着剤等を用いて、可動保持部材110の嵌合孔112,113に嵌合され固着されている。
このように、駆動手段の一部に含まれるヨーク141,142を設けることにより、第1駆動機構120及び第2駆動機構130により生じる磁力線が外部に漏れ出るのを抑制することができ、磁気効率を高めることができる。
すなわち、2つの第1復帰磁石161は、第1コイル121の長軸と略平行になるように、直線S2に対して45度の傾斜角度をなし、直線S3上に配列されている。
そして、第1復帰磁石161は、第1駆動磁石122と対向して磁路を形成して磁気的作用を及ぼし、第1コイル121に非通電の休止状態で、可動保持部材110を所定の休止位置(ここでは、レンズG2,G3,G4の光軸L2がベース100の開口部100aの中心C1に一致する位置)に復帰させると共に安定した保持力を発生するようになっている。
すなわち、2つの第2復帰磁石162は、第2コイル131の長軸と略平行になるように、直線S2に対して45度の傾斜角度をなし、直線S4上に配列されている。
そして、第2復帰磁石162は、第2駆動磁石132と対向して磁路を形成して磁気的作用を及ぼし、第2コイル131に非通電の休止状態で、可動保持部材110を所定の休止位置(ここでは、レンズG2,G3,G4の光軸L2がベース100の開口部100aの中心C1に一致する位置)に復帰させると共に安定した保持力を発生するようになっている。
また、2つの第1復帰磁石161の配列方向と第1コイル121の長軸とが略平行になるように配置され、かつ、2つの第2復帰磁石162の配列方向と第2コイル131の長軸とが略平行になるように配置されているため、駆動時(第1コイル121及び第2コイル131への通電時)において、復帰磁石161,162の磁力と駆動磁石122,132の磁力の相互作用により可動保持部材110が光軸L2回りに回転するのを抑制する力が働き、又、復帰磁石161,162がそれぞれ着磁境界線の方向に配列されているため可動保持部材110の回転を抑制する大きなモーメントが得られ、可動保持部材110を光軸L2に垂直な平面内で素早く移動させて所望の位置に高精度に位置決めすることができる。
そして、第1磁気センサ171は、可動保持部材110に固定された第1駆動磁石122との間で磁気回路を形成し、可動保持部材110がベース100に対して相対的に移動することによって生じる磁束密度の変化を検出し、又、第2磁気センサ172は、可動保持部材110に固定された第2駆動磁石132との間で磁気回路を形成し、可動保持部材110がベース100に対して相対的に移動することによって生じる磁束密度の変化を検出することで、可動保持部材110の位置を検出するようになっている。
そして、フレキシブル配線板180は、図9に示すように、ベース100の背面に接するように配置されて、第1コイル121の引出し線が接続部181に接続され、第2コイル131の引出し線が接続部182に接続され、第1磁気センサ171の端子が接続部183に接続され、第2磁気センサ172の端子が接続部184に接続されて、ヨーク141により、接続部181,182の領域が屈曲させられつつ挟み込まれて固定されるようになっている。
このように、フレキシブル配線板180は、光軸L2に垂直な平面方向に移動しないベース100に対して、可動保持部材110が対向する側と反対側に隣接して配置され固定されているため、光軸L2に垂直な平面方向に移動させる必要がなく、可動保持部材110が移動する平面方向にフレキシブル配線板180を撓ませて配置する必要がない。
したがって、光軸L2に垂直な平面方向におけるフレキシブル配線板180の配置スペースを狭くでき、それ故に、装置を小型化でき、耐久性を向上させることができる。
すると、掛止片115,116の先端(の傾斜面115b、116b)が突起105,106の傾斜面105a,106aに当接してそれぞれガイドされ、直線S1方向外向きに弾性変形して、突起105が掛止片115の開口115a内に入り込み、突起106が掛止片116の開口116a内に入り込む。
これにより、可動保持部材110は、ベース100に対向して配置され、ベース100から光軸L2方向に離れることなく、光軸L2に垂直な平面内で移動自在に支持された状態となる。
尚、この状態で、ベース100に固定された第1復帰磁石161と可動保持部材110に固定された第1駆動磁石122が磁気的に吸引し、又、ベース100に固定された第2復帰磁石162と可動保持部材110に固定された第2駆動磁石132が磁気的に吸引するため、可動保持部材110は、磁気的吸引力によっても、ベース100から離れないように規制されている。
先ず、第1コイル121及び第2コイル131に通電しない休止状態において、可動保持部材110は、図17(a)に示すように、復帰手段(第1復帰磁石161及び第2復帰磁石162)の復帰作用により、そのレンズG2,G3,G4の光軸L2がベース100の開口部100aの中心C1と一致する休止位置に復帰(センタリング)されて保持されている。
そして、図17(a)に示す休止状態から、一例として可動保持部材110(レンズG2,G3,G4)を上方にシフトさせる場合は、第1駆動機構120に第1方向(直線S4´の方向)の斜め上向きに駆動力を発生させ、又、第2駆動機構130に第2方向(直線S3´の方向)の斜め上向きに駆動力を発生させる。これにより、可動保持部材110は、図17(b)に示すように、直線S1の方向の上向きに移動させられる。
また、図17(a)に示す休止状態から、一例として可動保持部材110(レンズG2,G3,G4)を下方にシフトさせる場合は、第1駆動機構120に第1方向(直線S4´の方向)の斜め下向きに駆動力を発生させ、又、第2駆動機構130に第2方向(直線S3´の方向)の斜め下向きに駆動力を発生させる。これにより、可動保持部材110は、図17(c)に示すように、直線S1の方向の下向きに移動させられる。
また、図18(a)に示す休止状態から、一例として可動保持部材110(レンズG2,G3,G4)を右側にシフトさせる場合は、第1駆動機構120に第1方向(直線S4´の方向)の斜め上向きに駆動力を発生させ、又、第2駆動機構130に第2方向(直線S3´の方向)の斜め下向きに駆動力を発生させる。これにより、可動保持部材110は、図18(c)に示すように、直線S2の方向の右向きに移動させられる。
ここで、第1コイル121の長軸と2つの第1復帰磁石161の配列方向とが同一方向に伸長するように配列され、又、第2コイル131の長軸と2つの第2復帰磁石162の配列方向とが同一方向に伸長するように配列されているため、駆動時(コイル121,131への通電時)において、可動保持部材110が光軸L2回りに回転する挙動を抑制することができ、可動保持部材110を光軸L2に垂直な平面内で素早く移動させて所望の位置に高精度に位置決めすることができる。
上記実施形態においては、雄型係合部として3つの突起105,106と雌型係合部としての3つの掛止片115,116を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、直線S2方向の長さを適宜変更し又は全て同一長さとした4つ以上の突起と4つ以上の掛止片を採用してもよく、又、雄型係合部(突起)及び雌型係合部(掛止片)をそれぞれベース及び可動保持部材の長手方向(直線S2方向)の両側に設けてもよい。
上記実施形態においては、位置検出手段として、ホール素子からなる第1磁気センサ171及び第2磁気センサ172を示したが、これに限定されるものではなく、その他の磁気センサを採用してもよい。
上記実施形態においては、ベース100にコイル121,131が固定され、可動保持部材110に駆動磁石122,132が固定された構成において、本発明の規制機構を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、逆に、ベースに駆動磁石が固定され、可動保持部材にコイル及び復帰磁石が固定された構成において、本発明の規制機構を採用してもよい。
これによれば、撮像用の複数のレンズが光軸方向に配置された構成において、上記の像振れ補正装置を含むことで、可動保持部材110に保持される補正用のレンズG2,G3,G4が適宜駆動されて、手振れ等による像振れを円滑にかつ高精度に補正することができる。すなわち、撮像用の複数のレンズに加えて、上記の像振れ補正機能を追加した撮像ユニットを提供することができる。
PH 携帯情報端末機
PH1 筐体
PH2 表示部
PH3 操作ボタン
PH4 撮影窓
U カメラユニット
10 ユニットケース(筐体)
11 突出部
12,13,14,15 保持部
20 プリズム
G1,G2,G3,G4,G5 レンズ
30 フィルタ
40 CCD
50 駆動ユニット
51 ガイドシャフト
52 回り止めシャフト
53 リードスクリュー
54 モータ
55 ナット
56 コイルスプリング
M 像振れ補正装置
B ネジ
S1,S2,S3,S4 直線
S3´ 直線(第2方向)
S4´ 直線(第1方向)
100 ベース
100a 開口部
C1 開口部の中心
100b,100c,100d,100e,100f,100g 嵌合凹部
101 被ガイド部
102 被規制部
103 U字状係合部
104 凹部(支持機構)
105 突起(雄型係合部、規制機構)
105a 傾斜面
105b 直立面
106 突起(雄型係合部、規制機構)
106a 傾斜面
106b 直立面
107 掛止部
108 ネジ穴
109 位置決めピン
110 可動保持部材
110a 保持部
111 延出部
112,113 嵌合孔
114 当接面(支持機構)
115 掛止片(雌型係合部、規制機構)
115a 開口
115b 傾斜面
116 掛止片(雌型係合部、規制機構)
116a 開口
116b 傾斜面
120 第1駆動機構(駆動手段)
121 第1コイル
122 第1駆動磁石
130 第2駆動機構(駆動手段)
131 第2コイル
132 第2駆動磁石
141 ヨーク
141a 開口部
141b 屈曲部
141c ネジ孔
141d 位置決め孔
142 ヨーク
150 球体(支持機構)
161 第1復帰磁石(復帰手段)
162 第2復帰磁石(復帰手段)
171 第1磁気センサ(位置検出手段)
172 第2磁気センサ(位置検出手段)
180 フレキシブル配線板
181,182,183,184 接続部
Claims (4)
- 開口部を有するベースと、レンズを保持する可動保持部材と、前記可動保持部材をレンズの光軸に垂直な平面内で移動自在に支持する支持機構と、前記可動保持部材が前記ベースから光軸方向に離れるのを規制する規制機構と、前記可動保持部材を前記平面内で駆動する駆動手段と、前記可動保持部材の位置を検出する位置検出手段と、休止状態において前記可動保持部材を所定の休止位置に復帰させる復帰手段と、を備え、
前記支持機構は、前記ベース及び可動保持部材の一方に設けられた少なくとも3つの凹部と、前記少なくとも3つの凹部に転動自在に配置され前記光軸方向に突出する少なくとも3つの球体と、前記ベース及び可動保持部材の他方に設けられて前記球体に当接する少なくとも3つの当接面を含み、
前記規制機構は、前記ベース及び可動保持部材の一方に設けられた雄型係合部と、前記ベース及び可動保持部材の他方に設けられてスナップフィットにより前記雄型係合部に係合する雌型係合部を含み、
前記スナップフィットは、前記可動保持部材が前記ベースから光軸方向に離れるのを規制すると共に前記可動保持部材が前記ベースに対して前記平面内で二次元的に移動するのを許容するように形成されている、
ことを特徴とする像振れ補正装置。 - 前記雄型係合部は、前記光軸に垂直な方向に突出する少なくとも3つの突起であり、
前記雌型係合部は、前記突起の突出方向に弾性変形可能に形成されてスナップフィットにより前記突起を受け入れると共に前記平面内での相対的な移動を許容し得る開口を画定するフック状の少なくとも3つの掛止片であり、
前記突起は、前記掛止片をスナップフィットにより係合させる際に、前記掛止片の弾性変形をガイドする傾斜面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。 - 前記駆動手段は、前記平面内の第1方向に駆動する第1駆動機構と、前記平面内の第2方向に駆動する第2駆動機構を含み、
前記第1駆動機構は、前記ベース及び可動保持部材の一方に固定された第1コイルと、前記第1コイルに対向する位置において前記ベース及び可動保持部材の他方に固定された第1駆動磁石を含み、
前記第2駆動機構は、前記ベース及び可動保持部材の一方に固定された第2コイルと、前記第2コイルに対向する位置において前記ベース及び可動保持部材の他方に固定された第2駆動磁石を含み、
前記復帰手段は、前記第1駆動磁石と対向して休止位置に復帰させる磁力を発生するべく前記ベース及び可動保持部材の一方に固定された第1復帰磁石と、前記第2駆動磁石と対向して休止位置に復帰させる磁力を発生するべく前記ベース及び可動保持部材の一方に固定された第2復帰磁石を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の像振れ補正装置。 - 請求項1ないし3いずれか一つに記載の像振れ補正装置と、撮像用の複数のレンズと、撮像素子と、筐体と、を含む、
ことを特徴とする撮像ユニット。
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