JP5501121B2 - 通信システム、送信装置、受信装置、送信方法、プロセッサ - Google Patents
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Description
本発明は、移動通信技術に関する。
<THP>
送信装置が、受信装置の受ける干渉をあらかじめ除去したうえで、信号を送信する技術の一つとして、Tomlinson Harashima Precoding (THP)が注目されている。THPは、送受信両装置がModulo(モジュロ、剰余)演算を行うことで、良好な伝送特性を維持しつつ、送信電力を抑圧できるという特徴を持つ(下記非特許文献1参照)。
送信装置が、受信装置の受ける干渉をあらかじめ除去したうえで、信号を送信する技術の一つとして、Tomlinson Harashima Precoding (THP)が注目されている。THPは、送受信両装置がModulo(モジュロ、剰余)演算を行うことで、良好な伝送特性を維持しつつ、送信電力を抑圧できるという特徴を持つ(下記非特許文献1参照)。
<MU-MIMO THP>
THPは、ダウンリンク (Downlink: DL)のMulti-User Multi Input Multi Output (MU-MIMO)に応用されており、DL MU-MIMO THPと呼ばれている。DL MU-MIMO THPは、基地局 (Base Station: BS) が、同一時刻・同一周波数で複数の端末 (Mobile Station: MS) に信号を送信するときに発生するユーザ間干渉(Multi User Interference: MUI) を、THPを用いて電力効率良く除去し、複数のMSに対して信号を送信する技術である(下記非特許文献1参照)。
THPは、ダウンリンク (Downlink: DL)のMulti-User Multi Input Multi Output (MU-MIMO)に応用されており、DL MU-MIMO THPと呼ばれている。DL MU-MIMO THPは、基地局 (Base Station: BS) が、同一時刻・同一周波数で複数の端末 (Mobile Station: MS) に信号を送信するときに発生するユーザ間干渉(Multi User Interference: MUI) を、THPを用いて電力効率良く除去し、複数のMSに対して信号を送信する技術である(下記非特許文献1参照)。
<Lattice Reduction Aided THP>
また、DL MU-MIMO THPの中で、Lattice Redcution Aided THP(LRATHP)という技術がある(下記非特許文献2参照)。LRATHPは、THPに加え、格子基底縮小(Lattice Reduction: LR)という処理を行うことで、電力効率を高めた技術である。
また、DL MU-MIMO THPの中で、Lattice Redcution Aided THP(LRATHP)という技術がある(下記非特許文献2参照)。LRATHPは、THPに加え、格子基底縮小(Lattice Reduction: LR)という処理を行うことで、電力効率を高めた技術である。
<LLL-algorithm>
LRATHPでは、LLL-algorithmというアルゴリズムを用いてLRを行っている(下記非特許文献2及び3参照)。LLL-algorithmは、送信アンテナ数nとすると、計算量のオーダがo(n4)より多くなり、非常に計算量が多い(下記非特許文献3参照)。また、LLL-algorithmは、ある収束条件を満たすまで、演算を繰り返すという収束アルゴリズムであるため、処理時間が不確定である。LRATHPに、LLL-algorithmを組み込んだとき、伝搬路状態によっては、処理遅延時間が非常に長くなってしまう。
LRATHPでは、LLL-algorithmというアルゴリズムを用いてLRを行っている(下記非特許文献2及び3参照)。LLL-algorithmは、送信アンテナ数nとすると、計算量のオーダがo(n4)より多くなり、非常に計算量が多い(下記非特許文献3参照)。また、LLL-algorithmは、ある収束条件を満たすまで、演算を繰り返すという収束アルゴリズムであるため、処理時間が不確定である。LRATHPに、LLL-algorithmを組み込んだとき、伝搬路状態によっては、処理遅延時間が非常に長くなってしまう。
<SQRD>
SU(Single-User)-MIMOなどで用いられる行列分解アルゴリズムの一つに、ソート付きQR分解(Sorted QR dectomposition: SQRD)というアルゴリズムがある(下記非特許文献4参照)。通常のQR分解は、行列Xをユニタリ行列Qと上三角行列Rの積に分解する。すなわち
X=QR (0-1)
と表すことができる。一方、ソート付きQR分解は、
XΠ=QR (0-2)
と表すことができる。ここで、Πは置換行列である。このソート付きQR分解は、行列Xの列を適切に入れ替えることによって(つまり、置換行列Πを適切に選択することによって)、Rの対角成分を、2乗ノルムが左上から順に概ね小さくなるように並べるQR分解を行うアルゴリズムである。ここで2乗ノルムとは、スカラーにおいては、絶対値の2乗、ベクトルにおいては、各成分の絶対値の2乗の和を表す。
SU(Single-User)-MIMOなどで用いられる行列分解アルゴリズムの一つに、ソート付きQR分解(Sorted QR dectomposition: SQRD)というアルゴリズムがある(下記非特許文献4参照)。通常のQR分解は、行列Xをユニタリ行列Qと上三角行列Rの積に分解する。すなわち
X=QR (0-1)
と表すことができる。一方、ソート付きQR分解は、
XΠ=QR (0-2)
と表すことができる。ここで、Πは置換行列である。このソート付きQR分解は、行列Xの列を適切に入れ替えることによって(つまり、置換行列Πを適切に選択することによって)、Rの対角成分を、2乗ノルムが左上から順に概ね小さくなるように並べるQR分解を行うアルゴリズムである。ここで2乗ノルムとは、スカラーにおいては、絶対値の2乗、ベクトルにおいては、各成分の絶対値の2乗の和を表す。
<SU-MIMO>
また、下記非特許文献5は、SU-MIMOにおける受信装置において、上記LLL-algorithmを用いる方法を示している。この方法では、伝搬路を表す行列に対してLLL-algorithmを用いた信号検出を用いることで、フルダイバーシチを得ることかできる。ここで、この方法は、QPSKや 16QAM 又は64QAM等のQAMの場合、候補信号点が格子状に広がることを利用している。
また、下記非特許文献5は、SU-MIMOにおける受信装置において、上記LLL-algorithmを用いる方法を示している。この方法では、伝搬路を表す行列に対してLLL-algorithmを用いた信号検出を用いることで、フルダイバーシチを得ることかできる。ここで、この方法は、QPSKや 16QAM 又は64QAM等のQAMの場合、候補信号点が格子状に広がることを利用している。
中野他, 信学技報, vol. 109, no. 440, RCS2009-293, pp. 203-208, March 2010.
F. Liu他, Proceedings of ICC 2007, pp. 2598 - 2603, June 2007.
Math. Ann. vol. 261, pp. 515-534, 1982.
IEEE Electronics Letters, vol. 37, no. 22, pp. 1348-1350, Oct. 2001.
IEEE Conf. on Commun., vol. 2, pp. 798-802, June. 2004.
LRATHPでは、送信処理で行うLLL-algorighmの計算量が非常に多いという問題点があった。また、LLL-algorithmはSU-MIMOにおける信号検出にも用いられたときにおいても、計算量の多さが問題となっていた。
そこで、本発明は、LRATHPの送信処理や、SU-MIMOの信号検出で用いられる、LLL-algorithmに代えて、より計算量が少ないLRを行うことにより、誤り率特性を保ちながら、計算量を削減することを目的とする。
本発明の一観点によれば、複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置であって、伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、前記ユニモジュラ行列に基づいて生成した前記信号を送信する送信部と、を有することを特徴とする送信装置が提供される。
前記第1の置換行列は、前記伝搬路状態より求めた行列に対して右から乗算すると、前記第1のユニタリ行列と前記第1の上三角行列の積に等しいことが好ましい。
前記第1のソート付きQR分解部は、前記第1の上三角行列の2乗ノルムが左上ほど小さくなる傾向をもって並ぶように前記第1の置換行列を生成することが好ましい。
前記送信装置は、前記伝搬路状態より求めた行列に右から前記ユニモジュラ行列を乗算することで、等価伝搬路状態より求めた行列を算出する等価伝搬路算出部を有することが好ましい。前記送信装置は、前記等価伝搬路状態より求めた行列を第2のユニタリ行列と第2の上三角行列に分解する第2のソート付きQR分解部、を有することが好ましい。
前記第2の置換行列は、前記等価伝搬路状態より求めた行列に対してを右から乗算すると、前記第2のユニタリ行列と前記第2の上三角行列の積に等しいことが好ましい。前記第2のソート付きQR分解部は、前記第2の上三角行列の対角成分の2乗ノルムが左上ほど小さくなる傾向をもって並ぶように前記第2の置換行列を生成することが好ましい。
前記伝搬路状態より求めた行列は、送信装置の各アンテナと各受信装置間の伝搬路の利得を各要素に持つ伝搬路行列を実数で表した行列の転置行列であることが好ましい。
また、前記伝搬路状態より求めた行列は、送信装置の各アンテナと各受信装置間の伝搬路の利得を各要素に持つ伝搬路行列Hcと、空間多重する端末の雑音分散の和を当該送信装置の送信電力で除算した値であるξと、多重する受信装置の数nと、n行n列の単位行列I_nを用いて、{HcH(HcHcH+ξ*I_n)-1}-1と表される行列を実数で表した行列の転置行列であることが好ましい。
前記伝搬路状態より求めた行列は、送信装置の各アンテナと各受信装置間の伝搬路の利得を各要素に持つ伝搬路行列Hcと、多重する受信装置の数nと、n行n列の単位行列I_nと、受信SNRの逆数であるηを用いて、n行2n列の[Hc η*I_n]と表される行列を実数で表した行列の転置行列であることが好ましい。
また、本発明は、複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置で使用されるプロセッサであって、伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を生成し、前記信号を送信する送信部と、を有することを特徴とするプロセッサである。
本発明の他の観点によれば、複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置で使用される送信方法であって、伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解するステップと、前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出するステップと、前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するステップと、前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を生成し、前記信号を送信するステップと、を有することを特徴とする送信方法が提供される。
また、本発明は、複数の受信装置と、前記複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置からなる通信システムであって、前記送信装置は、伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を生成し、前記信号を送信する送信部と、を有することを特徴とする通信システムである。
本発明は、同一周波数・同一時刻に送信された異なる複数の信号を受信する受信装置であって、前記受信装置は、伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を検出する信号検出部と、を有することを特徴とする受信装置である。
本発明によれば、LLL-algorithmを用いるLRATHPとほぼ同等の特性を実現しながら、計算量を大幅に削減することができる。
<第1の実施形態>
本実施形態は、LLL-algorithmを用いたLRATHPとほぼ同等の誤り率特性を保ちつつ、計算量を大幅に削減したLRATHPを提供することを目的とする。
本実施形態は、LLL-algorithmを用いたLRATHPとほぼ同等の誤り率特性を保ちつつ、計算量を大幅に削減したLRATHPを提供することを目的とする。
(本実施形態の構成)
図1に本実施形態における基地局(BS)の構成図を示す。
符号部1−1〜nは、各移動局(MS)宛の情報ビットを誤り訂正符号化し、各MS宛の符号化ビットを変調部3−1〜nに入力する。変調部3−1〜nは、入力された各MS宛の符号化ビットを変調し、各MS宛のデータ信号(変調信号)を生成する。各MS宛のデータ信号を生成した変調部3−1〜nは、固有信号構成部5にデータ信号を入力する。またDRS生成部7は、各MS宛の固有参照信号(Dedicated Reference Signals: DRS) を生成して、固有信号構成部5にDRSを入力する。固有信号構成部5は、変調信号とDRSを用いて、各MS宛の固有信号を構成する。
図1に本実施形態における基地局(BS)の構成図を示す。
符号部1−1〜nは、各移動局(MS)宛の情報ビットを誤り訂正符号化し、各MS宛の符号化ビットを変調部3−1〜nに入力する。変調部3−1〜nは、入力された各MS宛の符号化ビットを変調し、各MS宛のデータ信号(変調信号)を生成する。各MS宛のデータ信号を生成した変調部3−1〜nは、固有信号構成部5にデータ信号を入力する。またDRS生成部7は、各MS宛の固有参照信号(Dedicated Reference Signals: DRS) を生成して、固有信号構成部5にDRSを入力する。固有信号構成部5は、変調信号とDRSを用いて、各MS宛の固有信号を構成する。
受信部11−1〜nは、アンテナ(1〜n)を介して、各MSから送信される伝搬路状態情報を含む信号を受信し、伝搬路状態情報を含む信号をダウンコンバージョンしてベースバンドデジタル信号を生成後、ガードインターバル(Guard Interval: GI)除去部15−1〜nに、当該ベースバンドデジタル信号を入力する。GI除去部15−1〜nは、ベースバンドデジタル信号からGIを除去し、FFT部17−1〜nに入力する。FFT部17−1〜nはGIが除去されたベースバンドデジタル信号に対してFFTを行い、周波数領域の信号を算出した後、当該周波数領域の信号を伝搬路状態情報取得部21(図1)に入力する。伝搬路状態情報取得部21は当該ベースバンドデジタル信号から伝搬路状態情報を取得し、フィルタ算出部23に入力する。
フィルタ算出部23は、伝搬路状態情報に基づいて線形フィルタ、干渉係数、ユニモジュラ行列及び置換行列を算出し、プレコーディング部25に入力する。プレコーディング部25は、各MS宛の固有信号を用いてプレコーディングを行い、各アンテナから送信する信号を生成し、フレーム構成部27に入力する。フィルタ算出部23及びプレコーディング部25の詳細な動作は後述する。
CRS生成部31は、各アンテナに対応する共通参照信号(Common Reference Signals: CRS)を生成して、フレーム構成部27に入力する。フレーム構成部27は、プレコーディング部25から入力された各アンテナから送信する信号若しくは各アンテナに対応するCRS又はその両方を用いて、各アンテナで送信するフレームを生成し、各アンテナに対応するIFFT部33−1〜nに入力する。IFFT部33−1〜nは、入力されたフレームに対して、IFFTを行い、ベースバンドデジタル信号を生成して、GI挿入部35−1〜nにベースバンドデジタル信号を入力する。GI挿入部35−1〜nは、ベースバンドデジタル信号に対し、GIを付加し、GIが付加された信号を送信部37−1〜nに入力する。送信部37−1〜nは、入力された信号に対してデジタル/アナログ変換を行い、アップコンバージョンし、搬送波周波数の信号を生成して、アンテナを介してMSに当該搬送波周波数の信号を送信する。
図2に、本実施形態における固有信号の構成の一例を示す。固有信号は、MSの数だけ(n個とする。)存在し、それぞれが、各MSに固有のDRSとデータ信号で構成されている。図2は、同一周波数で送信する固有信号を、時間をそろえて図示している。BSは、各MS宛のDRS(DRS-MS1, DRS-MS2, ...,DRS-MSn)を、お互いに異なる時間に送信し、DRSとデータ信号を同時に送信しない。また、BSは、全MS宛のデータ信号を全て同時に送信する。図2では、全MS宛のDRSを送信した後にデータ信号を送信しているが、データ信号を送る時刻とDRSを送信する時刻は、入れ替えても良いし、信号(図2で「データ信号」「DRS-MS1」など長方形で示した各部分。)毎に交互に配置しても良いし、どのような順番でもよい。
図3に、本実施形態におけるフレームの構成の一例を示す。フレームは、BSのアンテナ数n(=MSの数)個存在し、それぞれが、各アンテナで送信するフレームである。図3は、図2と同様に同一周波数で送信するフレームを、時間をそろえて図示している。各MS宛のCRS(CRS-Tx1, CRS-Tx2, ...,CRS-Txn)は、お互いに異なる時間に送信し、CRSと固有信号を同時に送信しない。また、固有信号は、全て同時に送信する。また、図3の中の固有信号は、図2でMS毎に示した固有信号に対してプレコーディングを施した信号である。図3では、アンテナに対応するCRSを送信した後に固有信号を送信しているが、固有信号を送る時刻とCRSを送信する時刻は、入れ替えても良いし、信号毎に交互にしても良いし、どのような順番でもよい。また、CRSだけ又は固有信号だけから構成されるフレームも存在してもよい。
図4に本実施形態におけるフィルタ算出部23の構成図を示す。また、図5にフィルタ算出部の動作を示したフローチャート図を示す。
伝搬路状態情報が示す伝搬路を行列Hcとおく。Hcは、送信アンテナ数をnとおくと、n×n行列となり、第(i,j)成分はi番目のMSとBSのj番目のアンテナとの伝搬路の複素利得を示す。またHcを実数行列として表したのが、Hであり、
H=[Re(Hc) -Im(Hc); Im(Hc) Re(Hc)] (1-1)
を満たす。なお、式(1-1)の右辺は、第1行から第n行が[Re(Hc) -Im(Hc)]と表され、第n+1行から第2n行が[Im(Hc) Re(Hc)]と表される2n行2n列の実数行列である。ここで、Re(α)を行列αの各要素の実部を取り出す関数とし、Im(α)を行列αの各要素の虚部を取り出す関数とする。
H=[Re(Hc) -Im(Hc); Im(Hc) Re(Hc)] (1-1)
を満たす。なお、式(1-1)の右辺は、第1行から第n行が[Re(Hc) -Im(Hc)]と表され、第n+1行から第2n行が[Im(Hc) Re(Hc)]と表される2n行2n列の実数行列である。ここで、Re(α)を行列αの各要素の実部を取り出す関数とし、Im(α)を行列αの各要素の虚部を取り出す関数とする。
(ステップS1)ソート付きQR分解部41が、HTに対してソート付きQR分解を行う。ここで、Tは行列の転置を表す。ソート付きQR分解によって、
HTΠ_I=Q_IR_I (1-2)
を満たす直交行列Q_I、上三角行列R_I、及び置換行列Π_Iを算出する。ここでQ_Iは直交行列であるが、直交行列は全要素が実数で構成されるユニタリ行列である。また、ソート付きQR分解とは、R_Iの対角成分の2乗ノルムが左上ほど小さくなる傾向をもって並ぶようにQR分解する方法である。図17にソート付きQR分解の手順を示した。
HTΠ_I=Q_IR_I (1-2)
を満たす直交行列Q_I、上三角行列R_I、及び置換行列Π_Iを算出する。ここでQ_Iは直交行列であるが、直交行列は全要素が実数で構成されるユニタリ行列である。また、ソート付きQR分解とは、R_Iの対角成分の2乗ノルムが左上ほど小さくなる傾向をもって並ぶようにQR分解する方法である。図17にソート付きQR分解の手順を示した。
以下、図17の手順を順に説明する。(行列Xの(i,k)成分をX(i,k)と表し、行列Xの(i,k),(i+1,k),...,(m,k)成分を取り出したベクトルをX(i:m,k)と表している。また、X(i:m,k:h)はi行目からm行目かつk列目からh列目を行列Xから取り出した(m-i+1)行(h-k+1)列の行列とする。以下、同様の方法を用いて行列の各成分等を表す。)
(0行目)ソート付きQR分解部41にHTが入力される。
(1行目)R_Iを2n行2n列のゼロ行列とし、Q_IをHTと等しい行列とし、Π_Iを2n行2n列の単位行列とする。
(2行目)以下の(3行目)〜(11行目)の処理を整数kに対して1,2,3,4,…,2nの値をそれぞれ代入して繰り返す。
(3行目)3行目の処理「argmin_(m=i,…,2n)||Q_I(:,m)||2」はQ_Iのi〜2n列の中で2乗ノルム(各成分の2乗の和)が最も小さい列の番号をkiに代入する処理を示す。
(4行目)Q_Iのki列目とi列目を入れ替える。
(5行目)R_Iのki列目とi列目を入れ替える。
(6行目)Π_Iのki列目とi列目を入れ替える。
(7行目)R_Iのi行i列成分であるR_I(i,i)にQ_Iのi列の2乗ノルムである
||Q_I(:,i)||2
を代入する。
(8行目)以下の(9行目)と(10行目)の処理を整数mに対してi+1,2,3,4,…,2nの値をそれぞれ代入して繰り返す。
(9行目)R_Iのi行m列成分であるR_I(i,m)にQ_Iのi列目の転置とQ_Iのm列目を乗算した値を代入する。
(10目)Q_Iのm列目から、R_I(i,m)倍したQ_Iのi列目を、減算する。
(11目)8行目に述べたように(9行目)〜(10行目)の操作をm=i+1から順に2nになるまで、2n-i回繰り返す。
(12目)2行目に述べたように(3行目)〜(11行目)の操作をk=1から順に2nになるまで、2n回繰り返す。
(13目)Q_IとR_IとΠ_Iを出力する。
(1行目)R_Iを2n行2n列のゼロ行列とし、Q_IをHTと等しい行列とし、Π_Iを2n行2n列の単位行列とする。
(2行目)以下の(3行目)〜(11行目)の処理を整数kに対して1,2,3,4,…,2nの値をそれぞれ代入して繰り返す。
(3行目)3行目の処理「argmin_(m=i,…,2n)||Q_I(:,m)||2」はQ_Iのi〜2n列の中で2乗ノルム(各成分の2乗の和)が最も小さい列の番号をkiに代入する処理を示す。
(4行目)Q_Iのki列目とi列目を入れ替える。
(5行目)R_Iのki列目とi列目を入れ替える。
(6行目)Π_Iのki列目とi列目を入れ替える。
(7行目)R_Iのi行i列成分であるR_I(i,i)にQ_Iのi列の2乗ノルムである
||Q_I(:,i)||2
を代入する。
(8行目)以下の(9行目)と(10行目)の処理を整数mに対してi+1,2,3,4,…,2nの値をそれぞれ代入して繰り返す。
(9行目)R_Iのi行m列成分であるR_I(i,m)にQ_Iのi列目の転置とQ_Iのm列目を乗算した値を代入する。
(10目)Q_Iのm列目から、R_I(i,m)倍したQ_Iのi列目を、減算する。
(11目)8行目に述べたように(9行目)〜(10行目)の操作をm=i+1から順に2nになるまで、2n-i回繰り返す。
(12目)2行目に述べたように(3行目)〜(11行目)の操作をk=1から順に2nになるまで、2n回繰り返す。
(13目)Q_IとR_IとΠ_Iを出力する。
図17のようにHTにソート付きQR分解を施す方式をZF(Zero Forcing)方式と呼ぶ。また、Hcの代わりに、(HcHcH+ξ*I)Hc-H (= {HcH(HcHcH+ξ*I)-1}-1 )を用いても良いし、n×2n行列[Hc η*I_n]を用いても良い。この2つの方式をMinimum Mean Squared Error(MMSE)方式と呼ぶ。
ここで、また、-1を行列の逆行列とし、Hは行列のエルミート共役とし、-Hを行列のエルミート共役の逆行列とする。また、ξは、n個のMSの雑音分散の和をBSの1サブキャリア1OFDMシンボルに割り当てられた送信電力で除算した値である。またηは受信SNRの逆数である。また、ソート付きQR分解部1101は、ソート結果を示す置換行列Π_Iをユニモジュラ行列演算部に入力し、直交行列Q_Iと上三角行列R_Iを直交化整数算出部43に入力する。
(ステップS2)直交化整数算出部43が、上三角行列R_Iを用いて直交化整数行列Mを算出する。直交化整数行列Mは、図6に示す手順で算出する。
以下、図6に示す手順を順に説明する。
(0行目)直交化整数算出部43に上三角行列R_I(第1の上三角行列)が入力される。
(1行目)行列Mの初期値として2n×2nの単位行列I_2nを代入し、行列R_Lの初期値としてR_Iを代入する。
(2行目)以下の(3行目)〜(7行目)の処理を整数kに対して2,3,4,…,2nの値をそれぞれ代入して繰り返す。
(3行目)以下の(4行目)〜(6行目)の処理を整数iに対してk-1,k-2,…1の値をそれぞれ代入して繰り返す。
(4行目)整数μに「R_L(i,k)/R_L(i,i)」を代入する。(また「α」はαに最も近い整数を求める関数とする。)(5行目)4行目で算出した整数μを用いて、
R_L(1:i,k) = R_L(1:i,k) - μR_L(1:i,i) (1-2-1)
を計算する。ここでR_Lの第1〜i-1列のi行目〜2n行目は全て0である。これはR_Iが上三角行列であり、R_Lは直交化整数算出部43における処理においても常に上三角行列であるからである。そのため式(1-2-1)は、R_Lのj列目をR_L_jと書くとすると下記の式と等価になる。
R_L_k = R_L_k - μR_L_i (1-2-2)
すなわち、式(1-2-1)及び式(1-2-2)は、上三角行列R_Lのi行目の整数(-μ)倍を、上三角行列R_Lのk行目に加算している。また、iは1〜k-1間の整数であり、式(1-2-2)では、上三角行列R_Lの左側にあるi列目の(−μ)倍を右側にあるk列目に加算している。
(6行目)行列Mにおいて、k行目に整数(-μ)倍したi行目を加算する。
(7行目)3行目に述べたように(4行目)〜(6行目)の操作をi=k-1から順に1になるまで、k-1回繰り返す。
(8行目)2行目に述べたように(3行目)〜(7行目)の操作をk=2から順に2nになるまで、2n-1回繰り返す。
(9行目)最終的に上三角行列R_L(第2の上三角行列)と整数行列M(直交化整数行列)を出力する。
また入力R_Iと出力R_IとMは、R_IM=R_Lという関係を持つ。
(0行目)直交化整数算出部43に上三角行列R_I(第1の上三角行列)が入力される。
(1行目)行列Mの初期値として2n×2nの単位行列I_2nを代入し、行列R_Lの初期値としてR_Iを代入する。
(2行目)以下の(3行目)〜(7行目)の処理を整数kに対して2,3,4,…,2nの値をそれぞれ代入して繰り返す。
(3行目)以下の(4行目)〜(6行目)の処理を整数iに対してk-1,k-2,…1の値をそれぞれ代入して繰り返す。
(4行目)整数μに「R_L(i,k)/R_L(i,i)」を代入する。(また「α」はαに最も近い整数を求める関数とする。)(5行目)4行目で算出した整数μを用いて、
R_L(1:i,k) = R_L(1:i,k) - μR_L(1:i,i) (1-2-1)
を計算する。ここでR_Lの第1〜i-1列のi行目〜2n行目は全て0である。これはR_Iが上三角行列であり、R_Lは直交化整数算出部43における処理においても常に上三角行列であるからである。そのため式(1-2-1)は、R_Lのj列目をR_L_jと書くとすると下記の式と等価になる。
R_L_k = R_L_k - μR_L_i (1-2-2)
すなわち、式(1-2-1)及び式(1-2-2)は、上三角行列R_Lのi行目の整数(-μ)倍を、上三角行列R_Lのk行目に加算している。また、iは1〜k-1間の整数であり、式(1-2-2)では、上三角行列R_Lの左側にあるi列目の(−μ)倍を右側にあるk列目に加算している。
(6行目)行列Mにおいて、k行目に整数(-μ)倍したi行目を加算する。
(7行目)3行目に述べたように(4行目)〜(6行目)の操作をi=k-1から順に1になるまで、k-1回繰り返す。
(8行目)2行目に述べたように(3行目)〜(7行目)の操作をk=2から順に2nになるまで、2n-1回繰り返す。
(9行目)最終的に上三角行列R_L(第2の上三角行列)と整数行列M(直交化整数行列)を出力する。
また入力R_Iと出力R_IとMは、R_IM=R_Lという関係を持つ。
(ステップS3)ユニモジュラ行列演算部45が、上三角行列Mと置換行列Π_Iを乗算し、ユニモジュラ行列D(D=Π_I×M)を生成して、等価伝搬路算出部47にDを入力する。またDTをプレコーディング部25に入力する。
(ステップS4)等価伝搬路算出部47は、等価伝搬路の転置行列GT( = HT×D)を算出してソート付きQR分解部51に入力する。
(ステップS5)ソート付きQR分解部51は、等価伝搬路GTに対してソート付きQR分解を行う。
図17の手順においてHTを入力として用いた代わりに、GTを用いてソート付きQR分解を行う。またQ_IとR_IとΠ_Iを出力する代わりに、ソート付きQR分解部51では、QとRとΠを出力する。
図17の手順においてHTを入力として用いた代わりに、GTを用いてソート付きQR分解を行う。またQ_IとR_IとΠ_Iを出力する代わりに、ソート付きQR分解部51では、QとRとΠを出力する。
各行列は下式の関係を持つ。
GTΠ=QR (1-3)
GTΠ=QR (1-3)
ソート付きQR分解部51は、置換行列の転置ΠTをプレコーディング部25に入力し、直交行列Qと上三角行列Rを線形フィルタ算出部53と干渉係数算出部55に入力する。
(ステップS6)線形フィルタ算出部53は、入力された上三角行列の非対角成分を全て0にした対角行列Aを用いて、線形フィルタP(P=QA-1)を算出し、Pをプレコーディング部25に入力する。ここで電力の正規化を行う場合は、Pに対して電力正規化整数gを乗算したgPをプレコーディング部25に入力する。
(ステップS7)干渉係数算出部55は、行列Aを用いて、干渉係数F(F=RTA-1-I)を算出し、Fをプレコーディング部25に入力する。
図7に本実施形態におけるプレコーディング部の構成図を示す。また、図8にプレコーディング部25の動作を示したフローチャート図を示す。
伝搬路状態情報が示す伝搬路を行列Hcとおく。固有信号をscとおく。scは複素数を各成分に持つn次元ベクトルである。またsは、scを2n次元の実数ベクトルに変換したベクトルであり、
s=[Re(sc)T Im(sc)T]T (1-4)
と表すことができる。
s=[Re(sc)T Im(sc)T]T (1-4)
と表すことができる。
(ステップS101)ユニモジュラ行列乗算部61が、sに対してユニモジュラ行列DTを乗算して得たベクトル(=DTs)をオーダリング部62に入力する。
(ステップS102)オーダリング部62が、入力されたベクトルDTsに対して置換行列ΠTを乗算する。乗算して得たベクトルをu(u=ΠTDTs)とおく。uは、sと同様2n次元実数ベクトルである。uの第k成分をu_kとおく。
尚、置換行列ΠTを乗算することは、ベクトルDTsの各次元を入れかえることと等価である。そのため、置換行列を乗算せずとも、置換行列が示す入れ替え順を検出し、その順番に従ってDTsの各次元を入れ替えてもよい。また、ソート付きQR分解部51も置換行列以外の入れ替え順を示す方法を用いて、オーダリング部62に入れ替え順を通知してもよい。
u_1をModulo演算部63−1に入力し、残りのu_2〜u_2nをそれぞれ対応する干渉減算部71−2〜干渉減算部71−2nに入力する。
(ステップS103)Modulo演算部63−1は入力された信号u_1に対して下式(1-5)で示されるModulo演算を施してv_1 ( = mod(u_1) )を算出し、v_1を干渉算出部65と線形フィルタ乗算部73に入力する。
mod(α)=α-floor((α+τ/2)/τ)τ (1-5)
ここでfloor(β)は、βを超えない最大の整数を表す関数である。また、τは、変調信号の平均電力を1に正規化した場合、変調方式に応じて、あらかじめ送受信側で既知な所定の値となる。例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)ではτ=2√2、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)では、τ=8/√10、64QAMではτ=16/√42とすることが望ましいが、これらの値と異なる値を用いても良い。
(ステップS104−2)干渉算出部65は、v_1と干渉係数Fの2行目の第1成分F(2,1)を用いて、干渉成分f_2を下式(1-6)で算出し、干渉減算部71-kに入力する。
f_2=F(2,1)v_1 (1-6)
(ステップS105−2)干渉減算部71−2は、u_2から干渉成分f_2を減算したu_2-f_2をModulo演算部63−2に入力する。
(ステップS106−2)Modulo演算部63−2は入力された信号u_2-f_2に対して式(1-5)で示されるModulo演算を施し、v_2を算出し、v_2を干渉算出部65と線形フィルタ乗算部73に入力する。
以降、ステップS104−2〜ステップS106−2を、v_2nを算出するまで繰り返す。ここでは、一般化して、v_k(k=1,...k-1)を算出する場合について説明する。
(ステップS104−k)干渉算出部65は、v_1〜v_(k-1)と、干渉係数Fのk行目の第1〜(k-1)成分F(k,1:k-1)を用いて、干渉成分f_kを下式(1-7)で算出する。
f_k=F(k,1:k-1)×(v_1, v_2, ..., v_(k-1) )T (1-7)
(ステップS105−k)干渉減算部71−kは、u_kから干渉成分f_kを減算したu_k-f_kをModulo演算部71−kに入力する。
(ステップS106−k)Modulo演算部71−kは、入力された信号u_k-f_kに対して式(1-5)で示されるModulo演算を施し、v_kを算出し、v_kを干渉算出部65と線形フィルタ乗算部73に入力する。ここでk=2nのときは、v_2nを干渉算出部65には入力せずに線形フィルタ乗算部73にのみ入力する。
(ステップS107)線形フィルタ乗算部73は、Modulo演算部63−1〜63−2nから入力されたv(=(v_1, v_2, ...,v_2n)T)に対して線形フィルタPを乗算して得た信号xを、複素数で表される信号xcに変換し、xcをフレーム構成部27に入力する。ここで信号xは2n次元の実数ベクトルで表される。また、xcは、k番目の成分xc_kがアンテナkで送信する信号を表す。xc_kの実部(In-phase channel: I-ch)にx_kを代入し、xc_kの虚部(Qudrature channel: Q-ch)にx_(k+n)を代入する。
図9に、本実施形態におけるMSの構成図を示す。本実施形態では、n個のMSを多重するが、当該n個のMSは全て図9の構成を持つ。
MSの受信部101は、BSが送信した信号を、アンテナATを介して受信し、ダウンコンバージョンして、ベースバンドデジタル信号を生成後、GI除去部103に、当該ベースバンドデジタル信号を入力する。GI除去部103は、受信部101に入力されたベースバンドデジタル信号からGIを除去し、FFT部105に入力する。FFT部105は、GIが除去されたベースバンドデジタル信号に対してFFTを行い、周波数領域の信号を算出した後、当該周波数領域の信号を信号分離部107に入力する。
信号分離部107は、ベースバンドデジタル信号から、BSの各アンテナに対応するCRSを分離してCRS用伝搬路推定部113に入力する。また、信号分離部107は、DRSを分離してDRS用伝搬路推定部111に入力し、データ信号を分離して伝搬路補償部109に入力する。
CRS用伝搬路推定部113は、受信したCRSに基づいて、BSから当該MSへの伝搬路状態を推定し、推定した伝搬路状態を示す情報を伝搬路状態情報生成部115に入力する。伝搬路状態情報生成部115は、伝搬路状態に基づいて伝搬路状態情報を含む信号を生成し、IFFT部117に入力する。
IFFT部117は、伝搬路状態情報生成部115から入力された信号に対してIFFTを行い、ベースバンドデジタル信号を作成して、GI挿入部121にベースバンドデジタル信号を入力する。GI挿入部121は、ベースバンドデジタル信号に対してGIを付加し、GIが付加された信号を送信部123に入力する。送信部123は、入力された伝搬路状態信号に対してデジタル/アナログ変換を行った後、アップコンバージョンして搬送波周波数の無線信号を生成して、アンテナATを介してBSにCRSを送信する。
DRS用伝搬路推定部111は、入力されたDRSに基づいて伝搬路を推定して、伝搬路状態を示す情報を伝搬路補償部109に入力する。また、DRS用伝搬路補償部109は、伝搬路状態を示す情報を用いて、データ信号を伝搬路補償して、Modulo演算部131に入力する。Modulo演算部131は、データ信号に対してModulo演算を施し、Modulo演算を施されたデータ信号を復調部133に入力する。復調部133は、Modulo演算を施されたデータ信号を復調して、復調結果を復号部135に入力する。復号部135は入力された復調結果を用いて復号を行って情報ビットを出力する。
(従来例と本実施例の比較)
本実施形態は、BSにおける計算量を従来例から大幅に削減しつつも、ほぼ従来例と変わらない特性を実現していることを以下に示す。
本実施形態は、BSにおける計算量を従来例から大幅に削減しつつも、ほぼ従来例と変わらない特性を実現していることを以下に示す。
図10を用いて、非特許文献2に記載のLRATHP(従来例)で用いられるLLL-Algorithmについて説明する。図10の構成は、図4の破線部分に相当し、QR分解部81、直交化整数算出部83、収束判定部85、ベクトルスワッピング部87、及びギブンズ回転部89を有する。
QR分解部81は、伝搬路行列Hの転置行列HTに対してQR分解を施して直交行列Q_Iと上三角行列R_Iに分解し、R_Iを直交化整数算出部83に、Q_Iをギブンズ回転部89に入力する。
次に、直交化整数算出部83は、本実施の形態に係る直交化整数算出部の手順ステップS2(図5)の第4行目〜第10行目の処理、すなわち図11に示す処理を行う。
図11に示す手順を順に説明する。
(0行目)直交化整数算出部83に上三角行列R_Iが入力される。ただし、整数kが定義され、k>1のときは直交化整数算出部83自身で生成したR_L及び行列Mが入力される。kは、初回以降はk>1となるので、言いかえれば、(0行目)は、初回のみ上三角行列R_Iを入力し、以降はR_LとMを入力することを意味する。
(1行目)行列Mの初期値として2n×2nの単位行列I_2nを代入し、行列R_Lの初期値としてR_Iを代入する。ただし、k>1のときは(1行目)の処理は行わない。
(2行目)整数kに初期値として2を代入する。ただし、k>1のときは(2行目)の処理は行わない。
(3行目)整数iにk-1を代入する。以下の(4行目)〜(8行目)の処理をi=k-1,k-2,…1の値をそれぞれ代入して繰り返す。
(4行目)整数μに「R_L(i,k)/R_L(i,i)」を代入する。
(5行目)整数μが0でない場合、(6行目)から(7行目)を実行する。
(6行目)4行目で算出した整数μに対して、
R_L(1:i,k) = R_L(1:i,k) - μR_L(1:i,i) (1-8)
を行う。
(7行目)行列Mにおいて、k行目に整数(-μ)倍したi行目を加算する。
(8行目)(5行目)の条件分岐部分の終わりを示す。
(9行目)(3行目)に述べたように(4行目)〜(8行目)の操作をi=k-1から順に1になるまで繰り返す。
(10行目)最終的に上三角行列R_Lと整数行列Mと整数kを出力する。
(0行目)直交化整数算出部83に上三角行列R_Iが入力される。ただし、整数kが定義され、k>1のときは直交化整数算出部83自身で生成したR_L及び行列Mが入力される。kは、初回以降はk>1となるので、言いかえれば、(0行目)は、初回のみ上三角行列R_Iを入力し、以降はR_LとMを入力することを意味する。
(1行目)行列Mの初期値として2n×2nの単位行列I_2nを代入し、行列R_Lの初期値としてR_Iを代入する。ただし、k>1のときは(1行目)の処理は行わない。
(2行目)整数kに初期値として2を代入する。ただし、k>1のときは(2行目)の処理は行わない。
(3行目)整数iにk-1を代入する。以下の(4行目)〜(8行目)の処理をi=k-1,k-2,…1の値をそれぞれ代入して繰り返す。
(4行目)整数μに「R_L(i,k)/R_L(i,i)」を代入する。
(5行目)整数μが0でない場合、(6行目)から(7行目)を実行する。
(6行目)4行目で算出した整数μに対して、
R_L(1:i,k) = R_L(1:i,k) - μR_L(1:i,i) (1-8)
を行う。
(7行目)行列Mにおいて、k行目に整数(-μ)倍したi行目を加算する。
(8行目)(5行目)の条件分岐部分の終わりを示す。
(9行目)(3行目)に述べたように(4行目)〜(8行目)の操作をi=k-1から順に1になるまで繰り返す。
(10行目)最終的に上三角行列R_Lと整数行列Mと整数kを出力する。
直交化整数算出部83は、上三角行列R_L、直交化整数M、整数kを収束判定部85に入力する。
収束判定部85は、上三角行列R_L、直交化整数M、整数kに基づいて図12に示す収束判定を行う。ここで、δは、3/4が最適な値であるが、非特許文献3によれば1/4<δ<1を満たせば良い。
図12に示す手順を順に説明する。
(0行目)上三角行列R_L、直交化整数M、整数kが収束判定部に入力される。
(1行目)R_Lがδ×R_L(k-1,k-1)2 > R_L(k,k)2+R_L(k-1,k)2を満たすか判定する。
(2行目)(1行目)の不等号を満たすならk=max{k-1,2}として、ベクトルスワッピング部にR_LとMとkを入力する。
(3行目) (1行目)の不等号を満たさず、かつk<2nならk=k+1として、直交化整数算出部にR_LとMとkを入力する。
(4行目) (1行目)の不等号を満たさず、かつk=2nなら、R_LとMを出力する。(この4行目のMは本実施形態のユニモジュラ行列Dに対応する。)
ベクトルスワッピング部87は、図13で表されるような、上三角行列R_L、直交化整数Mのk-1列目とk列目を入れ替える操作を行う。
(0行目)上三角行列R_L、直交化整数M、整数kが収束判定部に入力される。
(1行目)R_Lがδ×R_L(k-1,k-1)2 > R_L(k,k)2+R_L(k-1,k)2を満たすか判定する。
(2行目)(1行目)の不等号を満たすならk=max{k-1,2}として、ベクトルスワッピング部にR_LとMとkを入力する。
(3行目) (1行目)の不等号を満たさず、かつk<2nならk=k+1として、直交化整数算出部にR_LとMとkを入力する。
(4行目) (1行目)の不等号を満たさず、かつk=2nなら、R_LとMを出力する。(この4行目のMは本実施形態のユニモジュラ行列Dに対応する。)
ベクトルスワッピング部87は、図13で表されるような、上三角行列R_L、直交化整数Mのk-1列目とk列目を入れ替える操作を行う。
図13に示す手順を順に説明する。
(0行目)上三角行列R_L、直交化整数M、整数kをベクトルスワッピング部に入力する。
(1行目)行列Mのk-1行目とk行目を入れ替える。
(2行目) 行列R_Lのk-1行目とk行目を入れ替える。
(3行目) 上三角行列R_Lと整数行列Mと整数kを出力する。
(0行目)上三角行列R_L、直交化整数M、整数kをベクトルスワッピング部に入力する。
(1行目)行列Mのk-1行目とk行目を入れ替える。
(2行目) 行列R_Lのk-1行目とk行目を入れ替える。
(3行目) 上三角行列R_Lと整数行列Mと整数kを出力する。
ベクトルスワッピング部87は、上記アルゴリズムで算出した上三角行列R_L、直交化整数M、整数kをギブンズ回転部89に入力する。
ギブンズ回転部89は、図14に記載したアルゴリズムで上三角行列R_L、及び整数kを新たに算出する。
図14に示す手順を順に説明する。
(0行目)直交行列Q_I、上三角行列R_L、直交化整数M、整数kをギブンズ回転部に入力する。
(1行目)k>1でなければQ_L=Q_Iとする。
(2行目)ギブンズ回転子Θを下式で算出する。
(3行目) 行列R_Lのk-1行目とk行目に対して、
R_L(k-1:k,k-1:2n)=ΘR_L(k-1:k,k-1:2n) (1-10)
に従って、ギブンズ回転子を乗算する。
(4行目) 行列Q_Lに対して、
Q_L(1:2n,k-1:k)= Q_L(1:2n,k-1:k)ΘT (1-11)
に従って、ギブンズ回転子を乗算する。
(5行目) 直交行列Q_Lと上三角行列R_Lと直交化整数Mと整数kを出力する。
(0行目)直交行列Q_I、上三角行列R_L、直交化整数M、整数kをギブンズ回転部に入力する。
(1行目)k>1でなければQ_L=Q_Iとする。
(2行目)ギブンズ回転子Θを下式で算出する。
R_L(k-1:k,k-1:2n)=ΘR_L(k-1:k,k-1:2n) (1-10)
に従って、ギブンズ回転子を乗算する。
(4行目) 行列Q_Lに対して、
Q_L(1:2n,k-1:k)= Q_L(1:2n,k-1:k)ΘT (1-11)
に従って、ギブンズ回転子を乗算する。
(5行目) 直交行列Q_Lと上三角行列R_Lと直交化整数Mと整数kを出力する。
ギブンズ回転部は、上三角行列R_L、及び整数kを直交化整数算出部83に入力する。直交行列Q_Lはギブンズ回転部89内で記憶しておく。
また、図10に示した構成部分から最終的に出力されるユニモジュラ行列は、収束判定部85の(4行目)の処理において出力される行列Mである。図4では、ユニモジュラ行列をDとおき、直交化整数行列をMとおいた。図10では、直交化整数算出部83において、繰り返し直交化整数行列の算出を行うが、その最後の直交化整数行列M自体をユニモジュラ行列Dとする。
本実施形態(図4)の直交化整数算出部43は、k=2〜2nまで2n−1回、図10に示した直交化整数算出部83の処理(処理Aとおく。)を行うことと等価である。
例えば、8つの送信アンテナを基地局が有し、8端末を多重する構成(8×8の構成)では、本実施の形態では、実部と虚部とを併せて15回処理Aを行う。このとき、本実施形態では、いかなる伝搬路状態であっても処理Aの回数は等しく15回である。
一方、従来例においては、収束判定部85で収束するまで処理Aを繰り返すため、最低でも処理Aを15回行い、さらに収束するまで処理A、ベクトルスワッピング部87、及びギブンズ回転部89における処理を繰り返す必要がある。この繰り返し処理の回数を計算機シミュレーションによって求めると、上記8×8の構成で、ZF規範を用いた場合、平均107.0回、処理Aを行い、平均45.4回ベクトルスワッピング部87、及びギブンズ回転部89による処理を行っている。また、この繰り返し回数は、伝搬路状態によって異なり、107.0回以上行う場合がある。つまり、LLL-Algorithmの演算に要する最大処理遅延時間は、さらに長くなる。このように、平均的な演算時間及び最大処理遅延時間の両観点からみても本実施形態は、従来例と比較して、計算量を大幅に削減できる。
次に、本実施形態と従来例の特性を比較する。
図15は、一例として、8×8の構成で、64QAM、ZF規範の無符号化の場合のビット誤り率特性を示したものである。このように、従来例(LLL-algorithmを用いるLRATHP)と本実施例とは、ビット誤り率特性においてほとんど相違が無いことがわかる。
図15は、一例として、8×8の構成で、64QAM、ZF規範の無符号化の場合のビット誤り率特性を示したものである。このように、従来例(LLL-algorithmを用いるLRATHP)と本実施例とは、ビット誤り率特性においてほとんど相違が無いことがわかる。
従来例では、直交化整数算出部83による直交化整数算出とベクトルスワッピングという列の入れ替えを同時並行で行い、収束条件を満たすまで繰り返し行う。列を並び替えるベクトルスワッピングを行うと直交化整数算出を、並びかえられた列についてやり直す必要があるため、無駄になる演算が多かった。本実施例は、あらかじめソート付きQR分解部41で全ての列を直交化に適した順番に入れ替えてから、列の入れ替えを行わずに一度に全次元の直交化を行うことで従来例と比較して大幅に演算量を削減している。
また、本実施形態は、等価伝搬路Gを算出後に、再びソート付きQR分解を、Hと異なる等価伝搬路Gに対して行っている。ソート付きQR分解部51によって、等価伝搬路Gに対して最適な干渉除去順に並び換えているため、さらに電力効率を向上することができる。このように、本実施形態は、BSにおける計算量を従来例から大幅に削減しつつも、従来例とほぼ同等の特性を実現できる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態は、DL MU-MIMOに関するものであったが、本発明の要素部分であるフィルタ算出部は、BSが同時に同一周波数で、一つのMS宛に異なる複数の信号を空間多重して送信する通信システム(Single-User MIMO(SU-MIMO))に対しても用いることができる。
第1の実施形態は、DL MU-MIMOに関するものであったが、本発明の要素部分であるフィルタ算出部は、BSが同時に同一周波数で、一つのMS宛に異なる複数の信号を空間多重して送信する通信システム(Single-User MIMO(SU-MIMO))に対しても用いることができる。
図16(a)、(b)に、本実施形態におけるBS及びMSの構成図を示す。符号部1−1〜nは、送信する信号それぞれに対して誤り訂正符号化を施して、符号化ビットを各々対応する変調部3−1〜nに入力する。変調部3−1〜nは、符号化ビットに対して変調を施して、データ信号(変調信号)をRS挿入部151に入力する。RS挿入部151は、データ信号に対してReference Signals(RS)を挿入して、送信信号を生成する。送信部37−1〜nは、入力された信号に対してデジタル/アナログ変換を行い、アップコンバージョンし、搬送波周波数の信号を生成して、各アンテナ(1〜n)を介してMSに当該搬送波周波数の信号を送信する。MSは、BSが送信した信号を、アンテナ(1〜n)を介して受信し(受信部101−1〜n)、ダウンコンバージョンして、ベースバンドデジタル信号を生成後、信号分離部107に当該ベースバンドデジタル信号を入力する。信号分離部107は、当該信号をRSとデータ信号に分離し、RSを伝搬路推定部137に、データ信号を信号検出部141に入力する。伝搬路推定部137はRSに基づいて伝搬路推定を行い、推定した伝搬路行列Hcをフィルタ算出部139に入力する。フィルタ算出部139は第1実施形態におけるフィルタ算出部と同じ動作を行う。ただし、第1実施形態では、伝搬路行列を実数で表した行列Hの転置行列に対して、ソート付きQR分解等を施したが、本実施例においては、転置を取らずに行列Hに対して同様の処理を行う。フィルタ算出部139によってHは、
H = QRΠTD-1 (2-1)
に分解される。ここで、BSのアンテナ数(=MSのアンテナ数=空間多重された信号数)をnとおくと、Qは2n行2n列の直交行列、Rは2n行2n列の上三角行列、Πは2n行2n列の置換行列、Dは2n行2n列のユニモジュラ行列である。フィルタ算出部139は、これら4つの行列を信号検出部141に入力する。
H = QRΠTD-1 (2-1)
に分解される。ここで、BSのアンテナ数(=MSのアンテナ数=空間多重された信号数)をnとおくと、Qは2n行2n列の直交行列、Rは2n行2n列の上三角行列、Πは2n行2n列の置換行列、Dは2n行2n列のユニモジュラ行列である。フィルタ算出部139は、これら4つの行列を信号検出部141に入力する。
信号検出部141は、これらの4行列と受信信号ycを用いて、信号を検出する。まず受信信号ycと所望信号の候補信号点vcを実数として表したものをそれぞれyとvとおく。候補信号点に対してΠTD-1を乗算したΠTD-1vをzと置く。また受信信号に対してQTを乗算したQTyをwとおく。すると、候補信号を適切に選択すれば下記の式が成立する。
w = Rz+QTn (2-2)
ここで、nは各アンテナで加わる雑音を実数ベクトルとして表したものである。変調方式がQPSKや16QAM又は64QAM等のQAMの場合、候補信号点vは、格子状に広がっており、vをユニモジュラ変換したzも格子状に広がっている。ユニモジュラ行列を乗算することによってvよりもzの方が格子の直交性が高くなり、信号分離性能が向上する。この後、候補信号点をzであるとして、非特許文献4に記載される逐次的な信号検出方法を用いて、Rzがwに最も近くなるような候補信号点z_nearを算出する。ここでRが上三角行列であるため、z_1(zの第1成分)から順に検出していくと、干渉の影響なしに信号検出できる。その後、z_nearに対してΠDを乗算することで、v_near = ΠDz_nearを算出する。信号検出部141は、v_nearに対応するビット(符号化ビット)を復号部135−1〜nに入力する。復号部135−1〜nは、入力されたビットを用いて復号を施して、復号した情報ビットを出力する。
本実施の形態は、LLL-algorithmに代えて、第1の実施形態で示したフィルタ算出部による格子基底縮小を用いることにより、特性劣化を抑えつつ計算量を削減することができる。
<全実施形態共通事項>
なお、上記実施形態では、一例として、送信データストリーム数及び受信データストリーム数とBS及びMSの物理的なアンテナ数が一致する場合について記載しているが、必ずしも一致する必要はない。送信データストリーム数よりもBSのアンテナやMSのアンテナが多くても本発明は実施可能である。各送信信号又は受信信号に対して別途、フィルタを乗算することにより、送信データストリーム数及び受信データストリーム数が、仮想的にアンテナ数と一致するものとして扱うことができるからである。
なお、上記実施形態では、一例として、送信データストリーム数及び受信データストリーム数とBS及びMSの物理的なアンテナ数が一致する場合について記載しているが、必ずしも一致する必要はない。送信データストリーム数よりもBSのアンテナやMSのアンテナが多くても本発明は実施可能である。各送信信号又は受信信号に対して別途、フィルタを乗算することにより、送信データストリーム数及び受信データストリーム数が、仮想的にアンテナ数と一致するものとして扱うことができるからである。
本発明に関わる移動局装置および基地局装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
本発明は、通信装置に利用可能である。
1…符号部、3…変調部、5…固有信号構成部、7…DRS生成部、11…受信部、15…GI除去部、17…FFT部、21…伝搬路状態情報取得部、23…フィルタ算出部、25…プレコーディング部、27…フレーム構成部、31…CRS生成部、33…IFFT部、35…GI挿入部、37…送信部、41…ソート付きQR分解部、43…直交整数算出部、45…ユニモジュラ行列演算部、47…等価伝搬路算出部、51…ソート付きQR分解部、53…線形フィルタ算出部、55…干渉係数算出部、61…ユニモジュラ行列乗算部、62…オーダリング部、63…Modulo演算部、65…干渉算出部、71…干渉減算部、73…線形フィルタ乗算部、81…QR分解部、83…直交化整数算出部、85…収束判定部、87…ベクトルスワッピング部、89…ギブンズ回転部、101…受信部、103…GI除去部、105…FFT部、107…信号分離部、109…伝搬路補償部、111…DRS用伝搬路推定部、113…CRS用伝搬路推定部、115…伝搬路状態情報生成部、117…IFFT部、121…GI挿入部、123…送信部、131…Modulo演算部、133…復調部、135…復号部。
Claims (14)
- 複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置であって、
伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、
前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、
前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、
前記ユニモジュラ行列に基づいて生成した前記信号を送信する送信部と、
を有することを特徴とする送信装置。 - 前記第1の置換行列は、
前記伝搬路状態より求めた行列に対して右から乗算すると、前記第1のユニタリ行列と前記第1の上三角行列の積に等しいことを
特徴とする請求項1に記載の送信装置。 - 前記第1のソート付きQR分解部は、
前記第1の上三角行列の2乗ノルムが左上ほど小さくなる傾向をもって並ぶように前記第1の置換行列を生成することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の送信装置。 - 前記送信装置は、
前記伝搬路状態より求めた行列に右から前記ユニモジュラ行列を乗算することで、等価伝搬路状態より求めた行列を算出する等価伝搬路算出部を有する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の送信装置。 - 前記送信装置は、
前記等価伝搬路状態より求めた行列を第2のユニタリ行列と第2の上三角行列に分解する第2のソート付きQR分解部、
を有することを特徴とする請求項4に記載の送信装置。 - 前記第2の置換行列は、
前記等価伝搬路状態より求めた行列に対して右から乗算すると、前記第2のユニタリ行列と前記第2の上三角行列の積に等しいことを特徴とする請求項5に記載の送信装置。 - 前記第2のソート付きQR分解部は、
前記第2の上三角行列の対角成分の2乗ノルムが左上ほど小さくなる傾向をもって並ぶように前記第2の置換行列を生成することを特徴とする請求項5又は6に記載の送信装置。 - 前記伝搬路状態より求めた行列は、送信装置の各アンテナと各受信装置間の伝搬路の利得を各要素に持つ伝搬路行列を実数で表した行列の転置行列であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の送信装置。
- 前記伝搬路状態より求めた行列は、送信装置の各アンテナと各受信装置間の伝搬路の利得を各要素に持つ伝搬路行列Hcと、
空間多重する端末の雑音分散の和を当該送信装置の送信電力で除算した値であるξと、多重する受信装置の数nと、n行n列の単位行列I_nを用いて、
{HcH(HcHcH+ξ*I_n)-1}-1
と表される行列を実数で表した行列の転置行列であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の送信装置。 - 前記伝搬路状態より求めた行列は、送信装置の各アンテナと各受信装置間の伝搬路の利得を各要素に持つ伝搬路行列Hcと、多重する受信装置の数nと、n行n列の単位行列I_nと、受信SNRの逆数であるηを用いて、n行2n列の
[Hc η*I_n]
と表される行列を実数で表した行列の転置行列であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の送信装置。 - 複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置で使用されるプロセッサであって、
伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、
前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、
前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、
前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を生成し、前記信号を送信する送信部と、
を有することを特徴とするプロセッサ。 - 複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置で使用される送信方法であって、
伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解するステップと、
前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出するステップと、
前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するステップと、
前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を生成し、前記信号を送信するステップと、
を有することを特徴とする送信方法。 - 複数の受信装置と、前記複数の受信装置に対して同一周波数・同一時刻にそれぞれ異なる信号を送信する送信装置からなる通信システムであって、
前記送信装置は、
伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、
前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、
前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、
前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を生成し、前記信号を送信する送信部と、
を有することを特徴とする通信システム。 - 同一周波数・同一時刻に送信された異なる複数の信号を受信する受信装置であって、
前記受信装置は、
伝搬路状態より求めた行列を第1のユニタリ行列、第1の上三角行列、及び第1の置換行列に分解する第1のソート付きQR分解部と、
前記第1の上三角行列の少なくとも1つの第1の列の整数倍を、前記上三角行列の前記第1の列の右側にある少なくとも1つの第2の列に加算することで、第2の上三角行列を算出し、前記整数に基づいて直交化整数行列を算出する直交化整数算出部と、
前記第1の置換行列と前記直交化整数行列に基づいてユニモジュラ行列を算出するユニモジュラ行列算出部と、
前記ユニモジュラ行列に基づいて前記信号を検出する信号検出部と、
を有することを特徴とする受信装置。
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