JP5235932B2 - 信号検出方法、信号検出プログラム、信号検出回路、及び無線局 - Google Patents

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本発明は、無線通信システムにおける信号検出に係り、特に、複数の送信側アンテナと複数の受信側アンテナによって構築されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルに基づいた、MIMO通信システムにおける信号検出方法、信号検出プログラム、信号検出回路、及び無線局に関する。
ここでは、背景・簡易モデル、従来技術と非特許文献の3つの部分に分けて、従来技術について説明する。
(背景・簡易モデル)
無線通信においては、限られた周波数資源を用いて大容量化を図るための周波数利用効率の向上が必須となっている。周波数利用効率や、情報伝送レートを向上させる技術として、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナとを用いて、MIMOチャネルを構築し、そのMIMOチャネルに基づいたMIMO通信システムが提案されている。MIMO通信システムの数学モデルは、次式(1)に表される。
Figure 0005235932
ここでは、sは、空間送信信号である。xは、空間受信信号である。nは、雑音成分、あるいは干渉成分、あるいはそれらの合成した成分を表している。Hは、MIMOチャネルのチャネル応答行列である。MIMO通信システムは、1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとを有する通信システムに比べ、周波数利用効率、あるいは伝送速度が大幅向上することが証明されたため、その実用化が大変期待されている。しかし、MIMO通信システムの優れた特徴を生かすには、MIMO受信機での信号検出処理が大変複雑になり、実装が困難になるという課題がある。
(従来技術:Non−LRA MIMO信号検出技術)
図6(a)、(b)は、従来技術によるMIMO通信システムの構成を示すブロック図である。図6(a)、(b)においては、上記数式(1)に基づいて簡略化している。チャネル符号器1は、情報送信ビットから符号化送信ビットを生成する。時空周波数マッパ2は、符号送信ビットに基づいて空間送信信号を生成する。次に、空間送信信号は、MIMOチャネル3を通り、さらに雑音干渉成分が足される。次に、時空周波数デマッパ4が、空間受信信号に対して信頼度情報が含まれる、符号送信ビットの軟判定値を生成する。
符号送信ビットの軟判定値を生成する時空間周波数デマッパ3として、LE(Linear Equalization)MIMO信号検出法、DFE(Decision Feedback Equalization)MIMO信号検出法(DFE法は、SIC(Successive Inteference Cancellation)法と呼ばれることもある)、APP(A Posteriori Probability)MIMO信号検出法、さらには、それらの方法の組合せなどの従来技術がある。そして、チャネル復号器5は、符号化送信ビットの軟判定値から、情報送信ビットの推定値を生成する。
図6(a)では、本発明技術が関連するLRA(Lattice Reduction Aided)MIMO信号検出方式との違いを明確に示すため、上記従来技術をNon−LRA MIMO信号検出器4−1としている。
(LRA MIMO信号検出技術)
格子縮小(Lattice Reduction:LR)処理では、ある行列、例えば、MIMOチャネル応答行列Hに対して、変換行列TとMIMOチャネル応答行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、Hに比べて高くなるように変換行列Tを計算する。ここで、変換行列Tは、行列式(Determinant)がdet(T)=±1の行列である。そして、LRA MIMO信号検出技術では、元のMIMOチャネル応答行列Hの代わりに、格子縮小処理で得られた縮小チャネル行列HTに基づいて、信号検出を行い、送信ビットの軟判定値を生成する。
縮小チャネル行列HTが持つ高い直交性は、雑音干渉成分の増幅を抑え、優れた受信特性が得られる。図6(b)には、上記LRA MIMO信号検出方式の基本的な考え方を示している。変換した空間送信信号T−1sが格子縮小処理で得られた縮小チャネル行列HTを通過していると見なす。LRA MIMO信号検出器4−2では、格子縮小処理器4−3による縮小チャネル行列HTに基づいて、MIMO信号検出を行い、送信ビットの軟判定値を生成する。格子縮小処理器4−3での格子縮小処理によって得られた変換システムモデルは、数式(2)に示している。ここでは、システムモデルに応じて、複素数、あるいは実数の格子縮小処理のいずれを適用してもよい。
Figure 0005235932
(従来技術によるLRA技術)
非特許文献1では、格子縮小(LR)処理をMIMOの信号検出に取入れることを提案し、その場合のMIMO信号検出技術をLRA MIMO信号検出技術と言う。非特許文献2では、格子縮小処理を受信側MIMO信号検出器、及び送信側MIMOプリコーティングへ取入れることを提案している。さらに、格子縮小処理として、LLL(Lenstra Lenstra Lovasz Lattice Reduction)方法を適用することによって、LRA技術を任意空間次元のMIMOシステムへの拡張を可能にしている。
また、非特許文献3では、格子縮小処理として、さらに、MMSE(Minimum Mean Squared Error)規範を適用している。非特許文献4では、LRA MIMO信号検出技術において、格子縮小処理として、LLLアルゴリズムの代わりに、Seyenアルゴリズムを適用している。さらに、非特許文献5では、LRA MIMO信号検出技術は、狭帯域MIMOシステムのみならず、広帯域MIMO−OFDMシステムへの適用も有効であることを示している。
(従来技術によるLRA)
LRA MIMO信号検出技術では、格子縮小(LR)処理を行う必要がある。格子縮小処理は、一般的に反復的な手法によって実現される。その代表的な方法としては、非特許文献6で提案されているLLL方法、非特許文献7でLLL方法にさらにDeep Insertion条件を適用した方法、非特許文献8でLLL方法にSiegel条件を適用した方法などがある。
以後、非特許文献7〜8の方法、及び他のLLL方法に基づいた改良方法は、すべて変形LLL方法と言う。非特許文献9では、様々な変形LLL方法の演算量の比較を行う。さらに、非特許文献10では、基底(Dual Basis)を用いて格子縮小処理を行うSeyen方法がある。
H. Yao and G.W. Wornell, "Lattice Reduction Aided Detectors for MIMO Communications ", Proc. IEEE Globecom, pp. 424-428, Nov. 2002. C. Windpassinger and R. Fischer , "Low Complexity Near Maximum Likelihood Detection and Precoding for MIMO Systems using Lattice Reduction", Proc. IEEE Information Theory Workshop, Paris, pp. 346-349, March 2003. D. Wubben, R. Bohnke, V. Kuhn and K. Kammeyer ,"MMSE-Based Lattice Reduction for Near-ML Detection of MIMO Systems", Proc. ITG Workshop on Smart Antenna, pp. 106-113, March 2004. D. Seethaler, G. Matz, and F. Hlawatsch ,"Low-Complexity MIMO Detection using Seysen’s Lattice Reduction Algorithm", Proc IEEE ICASSP, Honolulu, HI, USA, pp. III-53 - III-56, Apr. 2007. I. Berenguer, J. Adeane, I. Wassell and X. Wang, "Lattice Reduction Aided Receivers for MIMO-OFDM in Spatial Multiplexing systems", Proc. IEEE PIMRC, pp. 1517-1521, Sept. 2004. A. K. Lenstra, H. W. Lenstra, and L. Lov´asz , "Factoring Polynomials with Rational Coefficients ", Mathematische Annalen, vol. 261, pp. 515-534, 1982. C. P. Schnorr and M. Euchner, "Lattice Basis Reduction: Improved Practical Algorithms and Solving Subset Sum Problems", Math. Programming, vol. 66, no. 2, pp. 181-191 Sept. 1994. I. V. L. Clarkson, "Approximation of Linear Forms by Lattice Points with Applications to Signal Processing.", Australian National Univesity PhD Thesis, Jan. 1997. M. Sandell, A. Lillie, D. McNamara, V. Ponnampalam, and D. Milford, "Complexity study of lattice reduction for MIMO detection", Proc. IEEE WCNC, pp. 1089-1093, March. 2007. M. Seysen, "Simultaneous Reduction of a Lattice Basis and its Reciprocal Basis", Combinatorica, vol. 13, pp. 363-376, 1993.
しかしながら、上記従来技術による、格子縮小を取り入れたLRA MIMO信号検出技術では、チャネル応答に対して格子縮小処理を行い、変換行列を生成する際に、格子縮小処理という反復処理が所用する反復回数が多いため、所用信号処理時間が長く、所用演算量が大きく、所用記憶容量が大きくなるという問題がある。
また、所用信号処理時間、所用演算量、所用記憶容量などが大きいため、所用回路規模も大きくなるという問題がある。また、所要消費電力は、所要演算量、所用回路規模や、動作クロック周波数などに比例するため、所用消費電力も大きくなり、バッテリによって動作する無線端末の動作時間の長持ちが困難であるという問題がある。
さらに、従来技術では、無線送受信機、特に、無線携帯端末においては、小型化・軽量化が望ましいが、所要回路規模、及び所要消費電力が大きいため、それによって実装された装置の小型化・軽量化が困難であるという問題がある。
このように、従来技術によるハードウェアでの経済的な実装は極めて困難である。従って、従来技術を実装した無線装置における製造コストが高くなり、大量生産に適さない。また、上記課題は、MIMOシステムの送信アンテナ数T、受信アンテナ数R、OFDMのサブキャリア数Nの増加に伴い、さらに著しくなる。
従って、LRA MIMO信号検出技術を実用化するためには、格子縮小処理を行う反復アルゴリズムの反復回数を減らし、処理負荷を軽減する必要がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、反復アルゴリズムの反復回数を減らすことができる信号検出方法、信号検出プログラム、信号検出回路、及び無線局を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、通信システムにおける信号検出方法であって、受信した受信信号に基づいて前記通信システムのチャネル応答行列Hを取得するチャネル応答行列取得ステップと、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対して、前置ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定し、該選定された順番で、前記各応答ベクトルに対して前記前置ベクトル縮小処理を行い、前置処理チャネル行列Hを生成する前置処理ステップと、前記前置処理ステップによって生成された前記前置処理チャネル行列Hに対して、変換行列Tと前記前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前記前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、予め定められた反復終了条件が満たされるまで、反復ステップで反復して、前記縮小チャネル行列HTを計算する反復格子縮小方法を用いた反復格子縮小ステップと、前記反復格子縮小ステップによって得られた前記縮小チャネル行列HTに基づいて、信号検出を行い、各送信ビットの軟判定値を算出する軟判定ステップとを含み、前記反復格子縮小ステップは、各反復ステップkにおいて、その反復ステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する際に、前回の反復ステップ(k−1)で得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定するベクトル順番選定ステップと、前記ベクトル順番選定ステップで選定したベクトルに対して、ベクトル縮小処理を行うベクトル縮小ステップと、前記ベクトル縮小ステップによってベクトル縮小処理を行ったベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスを更新するインデックス更新ステップとを実行することを特徴とする信号検出方法である。
本発明は、上記の発明において、前記前置処理ステップと、前記反復格子縮小ステップの各反復ステップでの処理とを、前記チャネル応答行列Hに対して適用する方法として、前記チャネル応答行列Hそのものに対して適用する方法、または前記チャネル応答のQR分解に対して適用する方法の何れかを適用することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記反復格子縮小ステップは、LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法、あるいは該LLL法を変形した変形LLL法を採用した前記反復格子縮小方法を用い、前記反復格子縮小方法を用いる縮小条件として、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件のいずれかを適用することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記前置処理ステップは、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対する順番を選定することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記反復格子縮小ステップは、予め定められた最大反復回数、または予め定められた最大処理時間に達した場合、あるいは、前記反復格子縮小方法によって得られた中間縮小行列のすべてのベクトルが、前記縮小条件を満たした場合、前記反復終了条件が満たされたとして反復処理を終了することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、通信システムにおける通信装置のコンピュータに実行される信号検出プログラムであって、受信した受信信号に基づいて前記通信システムのチャネル応答行列Hを取得するチャネル応答行列取得機能、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対して、前置ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定し、該選定された順番で、前記各応答ベクトルに対して前記前置ベクトル縮小処理を行い、前置処理チャネル行列Hを生成する前置処理機能、前記前置処理機能によって生成された前記前置処理チャネル行列Hに対して、変換行列Tと前記前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前記前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、予め定められた反復終了条件が満たされるまで、反復ステップで反復して、前記縮小チャネル行列HTを計算する反復格子縮小方法を用いた反復格子縮小機能、前記反復格子縮小機能によって得られた前記縮小チャネル行列HTに基づいて、信号検出を行い、各送信ビットの軟判定値を算出する軟判定機能を実行させ、前記反復格子縮小機能の各反復ステップkにおいて、その反復ステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する際に、前回の反復ステップ(k−1)で得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定するベクトル順番選定機能、前記ベクトル順番選定機能で選定したベクトルに対して、ベクトル縮小処理を行うベクトル縮小機能、前記ベクトル縮小機能によってベクトル縮小処理を行ったベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスを更新するインデックス更新機能を実行させることを特徴とする信号検出プログラムである。
本発明は、上記の発明において、前記前置処理機能と、前記反復格子縮小機能の各反復ステップでの処理とを、前記チャネル応答行列Hに対して適用する方法として、前記チャネル応答行列Hそのものに対して適用する方法、または前記チャネル応答のQR分解に対して適用する方法の何れかを適用することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記反復格子縮小機能は、LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法、あるいは該LLL法を変形した変形LLL法を採用した前記反復格子縮小方法を用い、前記反復格子縮小方法を用いる縮小条件として、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件のいずれかを適用することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記前置処理機能は、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対する順番を選定することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記反復格子縮小機能は、予め定められた最大反復回数、または予め定められた最大処理時間に達した場合、あるいは、前記反復格子縮小方法によって得られた中間縮小行列のすべてのベクトルが、前記縮小条件を満たした場合、前記反復終了条件が満たされたとして反復処理を終了することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、通信システムにおける信号検出回路であって、受信した受信信号に基づいて前記通信システムのチャネル応答行列Hを取得するチャネル応答行列取得手段と、前記チャネル応答行列取得手段により取得されたチャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対して、前置ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定し、該選定された順番で、前記各応答ベクトルに対して前記前置ベクトル縮小処理を行い、前置処理チャネル行列Hを生成する前置処理手段と、前記前置処理手段によって生成された前記前置処理チャネル行列Hに対して、変換行列Tと前記前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前記前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、予め定められた反復終了条件が満たされるまで、反復ステップで反復して、前記縮小チャネル行列HTを計算する反復格子縮小方法を用いた反復格子縮小手段と、前記反復格子縮小手段によって得られた前記縮小チャネル行列HTに基づいて、信号検出を行い、各送信ビットの軟判定値を算出する軟判定手段とを備え、前記反復格子縮小手段は、前回の反復ステップ(k−1)で得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定するベクトル順番選定手段と、前記ベクトル順番選定手段で選定したベクトルに対して、ベクトル縮小処理を行うベクトル縮小手段と、前記ベクトル縮小手段によってベクトル縮小処理を行ったベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスを更新するインデックス更新手段とを備え、各反復ステップkにおいて、その反復ステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する際に、前記ベクトル順番選定手段、前記ベクトル縮小手段、及び前記インデックス更新手段による処理を実行させる、
ことを特徴とする信号検出回路である。
本発明は、上記の発明において、前記前置処理手段、及び前記反復格子縮小手段は、前記チャネル応答行列Hに対して適用する方法として、前記チャネル応答行列Hそのものに対して適用する方法、または前記チャネル応答のQR分解に対して適用する方法の何れかを適用することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記反復格子縮小手段は、LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法、あるいは該LLL法を変形した変形LLL法を採用した前記反復格子縮小方法を用い、前記反復格子縮小方法を用いる縮小条件として、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件のいずれかを適用することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記前置処理手段は、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対する順番を選定することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記反復格子縮小手段は、予め定められた最大反復回数、または予め定められた最大処理時間に達した場合、あるいは、前記反復格子縮小方法によって得られた中間縮小行列のすべてのベクトルが、前記縮小条件を満たした場合、前記反復終了条件が満たされたとして反復処理を終了することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、請求項6から10のいずれかに記載の信号検出プログラムを実行し、あるいは、請求項11から15のいずれかに記載の信号検出回路を含み、前記通信システムとして、MIMO技術とマルチキャリア変調技術OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)若しくはOFDMA(Orthgonal Frequency Division Multiple Access)の組合せ、あるいは、MIMO技術とアクセス技術IDM(Interleaved Division Multiplexing)若しくはIDMA(Interleaved Division Multiple Access)とを組合せの少なくともいずれかを組合せた通信方式を適用することを特徴とする無線局である。
この発明によれば、反復アルゴリズムの反復回数を減らすことができる。
一般化したMIMO通信システムモデルを示すブロック図である。 本発明の実施形態による信号検出方法の流れを説明するためのフローチャートである。 図1に示すMIMO通信システムの送信アンテナを8本、受信アンテナを8本とし、1000個の8行8列の複素数MIMOチャネル行列を生成して得られた統計結果である。 LLLアルゴリズムを完了させるために必要な反復回数の累積分布(CDF:Cumulative Distribution Function)を示す統計結果である。 本実施形態によるMIMO通信システムにおける、MIMO送信機の送信アンテナとMIMO受信機の受信アンテナの地理的配置を示す概念図である。 従来技術によるMIMO通信システムの構成を示すブロック図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、本実施形態の説明において使用する変数、定数及び記号を示す。
[A]R,T:AはR行T列の行列
:行列Aのj番目列ベクトル
i,j:行列Aのi行j列要素
:行列Aの複素共役転置
:行列Aの転置
:行列Aの擬似逆行列
I:単位行列I
||a||:ベクトルaのノルム
a:スカラー(つまり1×1行列)a
a*:スカラーaの複素共役
|a|:スカラーaの絶対値
Σ:累加演算
本実施形態の説明において使用する略語を示す。
MIMO Multiple Input Multiple Output
H MIMO Channel Matrix
TX Transmitter
RX Receiver
BB Baseband
PB Passband
STF Space Time Frequency
LE Linear Equalization
DFE Decision Feedback Equalization
SIC Successive Interference Cancellation
APP A Posteriori Probability
LR Lattice Reduction
LRA Lattice Reduction Aided
LLL Lenstra Lenstra Lovasz Lattice Reduction
T Unimodular (Complex) Integer Lattice Basis Transformation Matrix
MMSE Minimum Mean Squared Error
ZF Zero Forcing
BER Bit Error Rate
SNR Signal to Noise Ratio
QPSK Quadrature Phase Shift Keying
QAM Quadrature Amplitude Modulation
図1は、一般化したMIMO通信システムモデルを示すブロック図である。MIMO送信機10は、N個の送信アンテナ15、MIMO受信機30は、N個の受信アンテナ31を有する。MIMO送信機10では、まず、情報送信ビットをチャネル符号器(Channel Encoder)11に入力し、その出力として符号化送信ビットを生成する。チャネル符号器11では、符号化だけではなく、符号化した符号ビットのインタリーブを含まれてもよい。符号化送信信号を時空周波数マッパ(Space Time Frequency Mapper)12に入力し、その出力として空間送信信号(以後、送信信号という)を生成する。
次に、空間送信信号を波形変調器(Waveform Modulator)13に入力し、その出力として波形送信信号を生成する。最後に、波形送信信号をパスバンド変換器(Passband Convertor)14に入力し、その出力としてパスバンド送信信号を生成し、それらを複数の送信アンテナ15を介して送信する。パスバンド送信信号は、無線MIMOチャネル(Wireless MIMO Channel)20を通った後、MIMO受信機30で受信される。
MIMO受信機30では、まず、複数の受信アンテ31ナによってパスバンド受信信号を受け取り、それらをベースバンド変換器(Baseband Convertor)32に入力し、その出力として波形受信信号を生成する。次に、波形受信信号を波形復調器(Waveform Demodulator)33に入力し、その出力として空間受信信号(以下、受信信号という)を生成する。
次に、空間受信信号を時空周波数デマッパ(Space Time Frequency Demapper)34に入力し、その出力として符号化送信ビットの軟判定値を生成する。最後に、符号化送信ビットの軟判定値をチャネル復号器(Channel Decoder)35に入力し、その出力として情報送信ビットの推定値を生成する。チャネル復号器35では、復号化だけではなく、送信ビットの推定値のデインタリーブを含まれてもよい。ここで、必要ならば、MIMO送信機10とMIMO受信機30との間の周波数、時間、サンプリングタイミングなどの同期が正常に取れているとする。
MIMO通信システムの数学モデルは、次式(3)で表される。
Figure 0005235932
ここでは、空間送信信号s[t,f]は、N×1のベクトルである。送信機が送信した1番目からN番目までの空間送信信号が含まれる。空間受信信号x[t,f]は、N×1のベクトルである。受信機が受信した1番目からN番目までの空間受信信号が含まれる。n[t,f]は、雑音成分、あるいは干渉成分、あるいはそれらの合成した成分を表し、N×1のベクトルである。受信機が受けた1番目からN番目までの雑音干渉成分が含まれる。
ここで、図1の無線MIMOチャネルを含めて、MIMO送信機10の波形信号変調器13からMIMO受信機30の波形信号復調器33までの区間を1つの等価MIMOチャネル(以下、MIMOチャネルという)40である。MIMOチャネル40は、無線伝搬路のみではなく、空間送信信号s[t,f]から空間受信信号x[t,f]までの区間におけるすべての影響がこのMIMOチャネル40のチャネル伝達関数(チャネル応答行列)H[t,f]に含まれると考えてもよい。MIMOチャネル40のチャネル伝達関数H[t,f]は、N×Nの行列であり、空間送受信伝達係数が含まれる。
図1では、簡略のために、送信アンテナ4本、受信アンテナ4本のMIMOチャネルを示しているが、本発明は、任意の送信アンテナ本数、及び任意の受信アンテナ本数を有するMIMO通信システムへの適用が可能である。さらに、x,s,H,nの中に含まれる各要素は、実数、あるいは複素数である。ここで、受信機では、このMIMOチャネル伝達関数H[t,f]を何らかの方法(例えば、受信機でのチャネル推定、あるいは送信機からのチャネル情報フィードバック)によって所有しているとする。空間軸の他に、tとfは、各々、時間軸インデックス、及び周波数軸インデックスを表す。
本発明は、任意の時間、及び周波数ポイントにおける空間信号に適用可能なため、以下では、時間軸インデックス、及び周波数軸インデックスを省略した数式(2)に基づいて説明する。ここからの説明は、数式(1)のシステム数学モデルに基づいて行うが、本発明は、MIMO通信システムにおける信号検出への適用に限定するものではない。例えば、数式(2)は、CDMAシステムにおけるマルチユーザ検出(Multi-user Detection)や、シンボル間干渉(Inter Symbol Interference)システムにおける信号検出のシステムモデルを表すこともできるため、発明は、それらのシステムへの適用も可能である。
次に、本発明で解決する課題、及び目的を明確にするために、LR技術の内容、従来技術における課題について詳細に説明する。
(従来のLR技術の詳細)
ここでは、従来技術による反復格子縮小方法の詳細について説明する。従来技術による反復格子縮小方法では、チャネル行列Hに対して、変換行列Tとチャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、チャネル行列Hに比べて高くなるように、格子縮小処理を行う。各反復ステップkにおいては、そのステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算し、主に以下の3つの処理を行う。
(1)前回の反復ステップで得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル縮小を行う処理。
(2)ベクトル縮小を適用したベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスiを更新する処理。
(3)もし、縮小条件が満たしていなければ、ベクトル順番選定を行う処理。
上記(1)〜(3)を一回実行する。ここで、ベクトル縮小とは1番目からi−1番目までのベクトルの線形組合せを、i番目ベクトルから減算する処理である。そして、縮小条件の確認とは、縮小条件を満たせば、現在縮小したベクトルiより次のベクトルへと、縮小条件が満たさなければ、現在縮小したベクトルiより前のベクトルへと、ベクトルインデックスiを更新する。さらに、ベクトル順番選定(ベクトル順番並び替えとも言われる)は、上記縮小条件が満たさない場合のみ実行される。そのベクトル順番選定の方法としては、現在ベクトル縮小を施したベクトルより前のベクトルを選ぶことになる。
(従来技術によるLRの課題の詳細)
反復格子縮小処理の各反復ステップでは、行列のある1つのベクトルを選んで(ベクトル順番選定)縮小処理を行う。そして、行列のすべてのベクトルが縮小条件を満たすまで、反復ステップを繰り返す。各反復ステップでのベクトル順番選定は、反復格子縮小方法の収束スピード、つまり、必要な反復回数を大きく左右する。従来技術では、この各反復ステップでのベクトル順番選定を縮小条件が満たさない場合のみ行い、十分なベクトル順番選定ではない。また、ベクトル順番選定を行う順序としても、ベクトル縮小の前ではなく、その後に行っているため、効果的なベクトル順番選定が困難である。
更に、ベクトル順番選定の方法としては、現在ベクトル縮小を施したベクトルより前のベクトルを選ぶことに限定しており、現在ベクトル縮小を施したベクトルより先のベクトルを考慮していない。このように、各反復ステップでのベクトル順番選定が最適化されていないので、従来技術の反復格子縮小方法は、所用反復回数が多く、所用処理時間が長く、所用信号処理量が大きくなるなどの課題がある。
一方、この格子縮小処理は、LRA MIMO信号検出を行う前提条件であり、格子縮小処理の所用反復回数、所用処理時間、所用信号処理量が大きくなると、LRA MIMO信号検出技術の実用化も困難になる。従って、LRA MIMO信号検出技術を実用化するためには、格子縮小処理を行う反復格子縮小方法の反復回数を減らし、処理負荷を軽減する必要がある。本発明は、反復手法の反復回数を著しく減らすことができる。従って、本発明によるLRA MIMO信号検出技術を実装したMIMO通信システムは、少ない処理負荷によって優れた受信特性を実現できる。
次に、本発明の信号検出方法について説明する。
(反復格子縮小方法適用する前の前置処理)
まず、反復格子縮小方法を適用する前に、チャネル行列Hに対して、前置処理を行い、次に行う反復格子縮小処理に適切な初期状態を提供することによって、必要な反復回数を削減する。その前置処理においては、
(A1)上記チャネル応答の各応答ベクトルに対して、前置ベクトル順番選定を行う処理と、
(A2)前置ベクトル順番選定で選んだベクトルに対して、前置ベクトル縮小を行う処理とを含む。さらに、前置ベクトル順番選定については、選定方法として、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前置ベクトル順番選定を行う。数学的には、次式(4)、(5)、(6)で表される。
Figure 0005235932
Figure 0005235932
Figure 0005235932
ここで、iは、対応する行列のベクトル番号、つまり、ベクトルインデックスである。Si−1は、1番目からi−1番目までのベクトルによって張られるサブベクトル空間であり、数式(6)の左辺は、Si−1の直交補空間である。数式(5)の左辺は、j番目のベクトルの直交補空間(数式(6)の左辺)上の直交射影である。表示の簡単化のため、以下では、数式(5)の左辺をその右辺のπi−1(h)で表す。
前置ベクトル順番選定の選定方法としては、数式(4)に示しているように、サブベクトル空間Si−1の外にあるi番目からN番目までのN−i+1個のベクトルの間に、直交補空間(数式(6)の左辺)上の直交射影が最小となるベクトルを選んで、i番目ベクトルとする。そして、ベクトル順番選定で選んだベクトル、つまり、i番目ベクトルに対しては、前置ベクトル縮小、つまり、1番目からi−1番目までのベクトルの線形組合せを、i番目ベクトルから減算する。上記前置処理を行うことにより、チャネル行列の各ベクトルが適切に初期化され、次に行う反復格子縮小処理に適切な初期状態を提供することになる。その結果、反復格子縮小処理のランダム性が落ち、収束がより早くなり、必要な反復回数が少なくなる。
(反復格子縮小方法の各反復ステップkにおける中間縮小チャネル計算)
次に、前置処理で得た前置処理チャネル行列Hに対して、反復格子縮小方法を用いて、変換行列Tと前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、格子縮小処理を行う。各反復ステップkにおいては、そのステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する。その計算においては、以下の3つの処理を実行することによって、反復格子縮小方法の必要な反復回数を削減する。その3つの処理とは、
(B1)前回の反復ステップ(k−1)で得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル順番選定を行う処理と、
(B2)ベクトル順番選定で選んだベクトルに対して、ベクトル縮小を行う処理と、
(B3)ベクトル縮小を適用したベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスiを更新する処理と、
である。
ここで、反復格子縮小方法としては、LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法あるいは変形した変形LLL法を用いる。それらの方法が適用する縮小条件としては、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件などがある。さらに、LLL方法、あるいは変形LLL方法を用いた場合には、各反復ステップにおいては、従来技術によるベクトル縮小の後に行うベクトル順番選定を行わずに、上記のように、ベクトル縮小を適用する前にベクトル順番選定を行う。さらに、ベクトル順番選定の方法としては、前置ベクトル順番選定と同じく、数式(4)のように、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、ベクトル順番選定を行う。
このように、本発明による中間縮小チャネル計算では、毎回、ベクトル縮小処理の前に、どのベクトルに対して縮小処理を行うべきかのベクトル順番選定を事前に行っている。このベクトル順番選定によって、反復処理の処理順番が最適化されるため、反復処理の収束スピードが早くなり、必要な反復回数が少なくなる。等価的に、本発明の技術と従来技術とが同じ反復回数を経た場合には、本発明の技術によって得られた中間縮小チャネルの直交性の方が高くなる。
(反復格子縮小方法の各反復ステップkにおける反復終了条件)
上述した手段を適用することによって、必要な反復回数の削減が不十分な場合では、反復終了条件を用いて強制的に反復を終了させる。反復終了条件としては、最大反復回数、あるいは最大処理時間など、反復格子縮小処理に物理的な上限を与えるものを用いる。但し、物理的な処理上限を超えなくても、反復方法によって得られた中間縮小行列のすべてのベクトルが、反復格子縮小方法に含まれる既存の縮小条件、例えば、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件などを満たせば、反復を止め格子縮小を終了する。反復格子縮小処理に上限を設けると、必要な最大反復回数や、最大処理時間が予測でき、反復格子縮小方法のランダム性が落ち、実装がより実現し易くなる。
上記前置ベクトル順番選定、前置ベクトル縮小を含む前置処理と、ベクトル選定、ベクトル縮小、縮小条件確認ベクトルインデックス更新を含む反復格子縮小処理の各反復ステップとでの処理を、チャネル応答に対して適用する方法としては、上記チャネル応答そのものに対して適用する方法、及び上記チャネル応答のQR分解に対して適用する方法がある。また、チャネル応答のQR分解には、様々な方法があり、その中にGives回転法、Householder反射法、Gram Schmidt法がある。MIMOチャネル行列(チャネル応答行列)H=QRのQR分解、つまり、ユニタリー行列Qと三角行列Rに対して適用する場合では、発明技術の前置処理、及び各LLL反復処理では、正方(あるいは長方)行列であるMIMOチャネル行列(チャネル応答行列)Hの代わりに三角行列Rに対して、縮小処理を行う。
(実施形態)
図2は、本発明の実施形態による信号検出方法の流れを説明するためのフローチャートである。まず、ある時間軸インデックスt、及び周波数軸インデックスfにおいて、MIMOチャネル行列Hを取得する(ステップS1)。次に、反復格子縮小方法を適用する前に、チャネル行列Hに対して前置処理を行う(ステップS2)。その前置処理においては、(A1)チャネル応答の各応答ベクトルに対して、前置ベクトル順番選定を行う処理と、(A2)前置ベクトル順番選定で選んだベクトルに対して、前置ベクトル縮小を行う処理とが含まれる。さらに、前置ベクトル順番選定については、ここで選定方法として、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前置ベクトル順番選定を行う。
次に、前置処理で得た前置処理チャネル行列Hに対して、反復アルゴリズムを用いて、変換行列Tと前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、反復格子縮小処理を行う(ステップS3〜S7)。反復格子縮小方法としては、LLL、あるいは変形LLL方法を用いる。その反復格子縮小方法の実行については、まず、最初の反復ステップで、反復回数を記録する反復インデックスkを1と設定する(ステップS3)。つまり、k=1なる。反復回数が増すごとに、反復インデックスkを1だけインクリメントする(ステップS6)。つまり、k=k+1となる。反復インデックスkの更新は、反復が終了するまで続ける。
次に、反復方法の各反復ステップkにおいては、そのステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する(ステップS4)。その計算においては、以下の3つの処理、(B1)前回の反復ステップで得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル順番選定を行う処理と、(B2)ベクトル順番選定で選んだベクトルに対して、ベクトル縮小を行う処理と、(B3)ベクトル縮小を適用したベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスiを更新する処理とを実行する。さらに、ベクトル順番選定については、ここで選定方法として、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、ベクトル順番選定を行う。
次に、反復ステップkで中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)の計算が終えた後、設けられた反復終了条件をチェックする(ステップS5)。ここで、反復終了条件として最大反復回数kmaxを設ける方法を用いる。もし、反復回数kが最大反復回数kmaxと等しい、あるいは最大反復回数kmaxより小さければ、つまり、k≦kmaxであれば、反復終了条件を満たしていないとし、もし、反復回数kが最大反復回数kmaxより大きければ、つまり、k>kmaxであれば、反復終了条件を満たしているとする。
反復終了条件をチェックした結果として、終了条件を満たしていない場合には、「NO」としてステップS6へ進み、反復インデックスk=k+1と更新して、もう一度、ステップS4とステップS5の処理を繰り返す。反復終了条件をチェックした結果として、終了条件を満たしている場合には、「YES」として反復処理を終え、格子縮小処理で得た縮小チャネルに基づいて、MIMO信号検出を行い、送信ビットの軟判定値を出力する(ステップS7)。
ここで、本発明の前置ベクトル順番選定、前置ベクトル縮小を含む前置処理と、ベクトル選定、ベクトル縮小、縮小条件確認ベクトルインデックス更新を含む反復格子縮小処理の各反復ステップとでの処理を、チャネル応答に対して適用する方法としては、MIMOチャネル行列H=QRのQR分解、つまり、ユニタリー行列Qと三角行列Rに対して適用する。本発明の前置処理、及び各LLL反復処理では、正方(あるいは長方)行列Hの代わりに、三角行列Rに対して縮小処理を行う。
次に、本発明の定量的効果について説明する。
(本発明の定量的効果)
図3、及び図4は、図1に示すMIMO通信システムの送信アンテナを8本、受信アンテナを8本とし、1000個の8行8列の複素数MIMOチャネル行列を生成して得られた統計結果である。数式(3)で説明したように、MIMOチャネル行列(チャネル応答行列)Hは、任意の時間軸ポイントt、及び周波数軸ポイントfにおけるものである。例えば、OFDMを用いるMIMO通信システムにおいては、MIMOチャネル行列(チャネル応答行列)Hは、t番目のOFDM信号のf番目のOFDMサブキャリアにおけるMIMOチャネルを表してもよい。
本発明は、反復格子縮小方法として、LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法を用いた。また、発明の前置ベクトル順番選定、及びLLLの各反復ステップに導入した新たなベクトル順番選定方法としては、数式(4)のように、サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、ベクトル順番選定を行う。
さらに、本発明の反復終了条件としては、最大反復回数kmaxを設け、それ以上の反復処理を行わないように、格子縮小処理を強制終了させる。最後に、本発明の前置ベクトル順番選定、前置ベクトル縮小を含む前置処理と、ベクトル選定、ベクトル縮小、縮小条件確認ベクトルインデックス更新を含む反復格子縮小の各反復ステップとでの処理を、チャネル応答に対して適用する方法としては、チャネル行列H=QRのQR分解、つまり、ユニタリー行列Qと三角行列Rとに対して適用する。
本発明の前置処理、及び各LLL反復処理では、正方(あるいは長方)行列であるチャネル応答行列Hの代わりに、三角行列Rに対して縮小処理を行うため、所用演算量は約半分に低減できる。図3では、中間縮小チャネル行列HT(k)の最大条件数(縦軸)と、格子縮小を行う反復アルゴリズムLLLの反復回数k(横軸)との関係を示している。
図3の縦軸に示している中間縮小チャネル行列HT(k)の条件数は、MIMO信号検出技術の誤り率特性を示す指標と考えられている。条件数が大きければ、信号検出技術の誤り率特性が悪くなり、条件数が小さければ、信号検出の誤り率特性がよくなる。
図3では、従来技術として、非特許文献9で紹介された複素数LLLアルゴリズムを用いた。図3に示しているように、同じ反復回数においては、本発明の最大条件数は、従来技術に比べて著しく小さくなっている。これは、同じ反復回数を実行して得られた縮小チャネル行列HT(k)に基づいて、MIMO信号検出を行った場合では、本発明が従来技術に比べて誤り率特性が著しくよいことを意味する。
図4は、LLLアルゴリズムを完了させるために必要な反復回数の累積分布(CDF:Cumulative Distribution Function)を示す概念図である。本発明の最大反復回数をkmax=50とした。図4に示しているように、本発明において、必要な反復回数のCDF特性は、従来技術よりも左側にあり、そのカーブも急峻である。つまり、本発明を用いた場合には、格子縮小を行うのに必要な反復回数が大きく減ることを意味する。図4に示す横軸の30回反復を見ると、本発明では、1000個の8行8列の複素数MIMOチャネル行列の内の95%以上について、反復アルゴリズムを完了させたのに対して、従来技術では、その内の60%程度しか、反復アルゴリズムを完了していない。
(図1の一般化したMIMO通信システムモデルに対する補足)
図1では一般化したMIMO通信システムモデルを示したが、その一般化MIMOシステムの送信機および受信機はそれぞれ単一の無線局に属する必要はなく、複数の無線局によって送信機あるいは受信機を構成しても良い。図5は、本実施形態によるMIMO通信システムにおける、MIMO送信機とMIMO受信機の地理的配置を示す概念図である。まず、左上には、MIMO送信機TX、MIMO受信機RXの双方とも、複数のアンテナを備える単一無線局とした例を示している。また、左下には、MIMO送信機TXを複数あるいは1つのアンテナを備える複数の無線局TX1〜TXNとし、MIMO受信機RXを、複数のアンテナを備える単一無線局とした例を示している。
また、右上には、MIMO送信機TXを複数のアンテナを備える単一無線局とし、MIMO受信機RXを、複数あるいは1つのアンテナを備える複数の無線局RX1〜RXMとした例を示している。さらに、右下には、MIMO送信機TXを複数あるいは1つのアンテナを備える複数の無線局TX1〜TXNとし、MIMO受信機RXを、複数あるいは1つのアンテナを備える複数の無線局RX1〜RXMとした例を示している。本発明は、いずれの構成においても適用可能である。
上述した実施形態によれば、従来の格子縮小処理を取り入れたMIMO信号検出技術の優れた受信特性を維持しながら、以下の効果を奏する。
チャネル応答に対して格子縮小処理を行い、変換行列を生成する際に、格子縮小処理という反復処理が所用する反復回数を少なくすることができるため、所用信号処理時間が短くなり、所用演算量が小さくなり、所用記憶容量が小さくなる。
また、所用信号処理時間、所用演算量、所用記憶容量などが小さくなるため、所用回路規模も小さくすることが可能となる。また、所要消費電力は、所要演算量、所用回路規模や、動作クロック周波数などに比例するため、所用消費電力も小さくなり、バッテリによって動作する無線端末の動作時間を延ばすことが容易になる。
さらに、無線送受信機、特に、無線携帯端末においては、小型化・軽量化が望ましいが、所要回路規模および所要消費電力が小さくなるため、それによって実装された装置の小型化・軽量化が容易になる。
このように、発明によるハードウェアでの経済的な実装が容易になるので、無線装置における製造コストが安くなり、大量生産に適する。また、これら効果は、MIMOシステムの送信アンテナ数T、受信アンテナ数R、OFDMのサブキャリア数Nの増加に伴い、さらに著しくなる。
なお、本発明は、無線通信システムにおける信号検出への適用に限定するものではない。また、本発明は、MIMO通信システムにおける信号検出への適用に限定するものではない。
なお、本発明の実施形態に示した信号検出プログラム及び信号検出回路は、MIMO技術とマルチキャリア変調技術OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)若しくはOFDMA(Orthgonal Frequency Division Multiple Access)の組合せ、または、MIMO技術とアクセス技術IDM(Interleaved Division Multiplexing)若しくはIDMA(Interleaved Division Multiple Access)とを組合せの少なくともいずれかを組合せた通信方式を利用する通信システムの無線局に適用可能である。
10 MIMO送信機
11 チャネル符号器
12 時空周波数マッパ
13 波形変調器
14 パスバンド変換器
20 無線MIMOチャネル
30 MIMO受信機
31 ベースバンド変換器
32 波形信号復調器
33 時空周波数デマッパ
34 チャネル復号器

Claims (16)

  1. 通信システムにおける信号検出方法であって、
    受信した受信信号に基づいて前記通信システムのチャネル応答行列Hを取得するチャネル応答行列取得ステップと、
    前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対して、前置ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定し、該選定された順番で、前記各応答ベクトルに対して前記前置ベクトル縮小処理を行い、前置処理チャネル行列Hを生成する前置処理ステップと、
    前記前置処理ステップによって生成された前記前置処理チャネル行列Hに対して、変換行列Tと前記前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前記前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、予め定められた反復終了条件が満たされるまで、反復ステップで反復して、前記縮小チャネル行列HTを計算する反復格子縮小方法を用いた反復格子縮小ステップと、
    前記反復格子縮小ステップによって得られた前記縮小チャネル行列HTに基づいて、信号検出を行い、各送信ビットの軟判定値を算出する軟判定ステップと
    を含み、
    前記反復格子縮小ステップは、
    各反復ステップkにおいて、その反復ステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する際に、
    前回の反復ステップ(k−1)で得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定するベクトル順番選定ステップと、
    前記ベクトル順番選定ステップで選定したベクトルに対して、ベクトル縮小処理を行うベクトル縮小ステップと、
    前記ベクトル縮小ステップによってベクトル縮小処理を行ったベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスを更新するインデックス更新ステップと
    を実行する
    ことを特徴とする信号検出方法。
  2. 前記前置処理ステップと、前記反復格子縮小ステップの各反復ステップでの処理とを、前記チャネル応答行列Hに対して適用する方法として、前記チャネル応答行列Hそのものに対して適用する方法、または前記チャネル応答のQR分解に対して適用する方法の何れかを適用する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号検出方法。
  3. 前記反復格子縮小ステップは、
    LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法、あるいは該LLL法を変形した変形LLL法を採用した前記反復格子縮小方法を用い、
    前記反復格子縮小方法を用いる縮小条件として、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件のいずれかを適用する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の信号検出方法。
  4. 前記前置処理ステップは、
    サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対する順番を選定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の信号検出方法。
  5. 前記反復格子縮小ステップは、
    予め定められた最大反復回数、または予め定められた最大処理時間に達した場合、あるいは、前記反復格子縮小方法によって得られた中間縮小行列のすべてのベクトルが、前記縮小条件を満たした場合、前記反復終了条件が満たされたとして反復処理を終了する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の信号検出方法。
  6. 通信システムにおける通信装置のコンピュータに実行される信号検出プログラムであって、
    受信した受信信号に基づいて前記通信システムのチャネル応答行列Hを取得するチャネル応答行列取得機能、
    前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対して、前置ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定し、該選定された順番で、前記各応答ベクトルに対して前記前置ベクトル縮小処理を行い、前置処理チャネル行列Hを生成する前置処理機能、
    前記前置処理機能によって生成された前記前置処理チャネル行列Hに対して、変換行列Tと前記前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前記前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、予め定められた反復終了条件が満たされるまで、反復ステップで反復して、前記縮小チャネル行列HTを計算する反復格子縮小方法を用いた反復格子縮小機能、
    前記反復格子縮小機能によって得られた前記縮小チャネル行列HTに基づいて、信号検出を行い、各送信ビットの軟判定値を算出する軟判定機能
    を実行させ、
    前記反復格子縮小機能の各反復ステップkにおいて、その反復ステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する際に、
    前回の反復ステップ(k−1)で得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定するベクトル順番選定機能、
    前記ベクトル順番選定機能で選定したベクトルに対して、ベクトル縮小処理を行うベクトル縮小機能、
    前記ベクトル縮小機能によってベクトル縮小処理を行ったベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスを更新するインデックス更新機能
    を実行させることを特徴とする信号検出プログラム。
  7. 前記前置処理機能と、前記反復格子縮小機能の各反復ステップでの処理とを、前記チャネル応答行列Hに対して適用する方法として、前記チャネル応答行列Hそのものに対して適用する方法、または前記チャネル応答のQR分解に対して適用する方法の何れかを適用する
    ことを特徴とする請求項6に記載の信号検出プログラム。
  8. 前記反復格子縮小機能は、
    LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法、あるいは該LLL法を変形した変形LLL法を採用した前記反復格子縮小方法を用い、
    前記反復格子縮小方法を用いる縮小条件として、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件のいずれかを適用する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の信号検出プログラム。
  9. 前記前置処理機能は、
    サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対する順番を選定する
    ことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の信号検出プログラム。
  10. 前記反復格子縮小機能は、
    予め定められた最大反復回数、または予め定められた最大処理時間に達した場合、あるいは、前記反復格子縮小方法によって得られた中間縮小行列のすべてのベクトルが、前記縮小条件を満たした場合、前記反復終了条件が満たされたとして反復処理を終了する
    ことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の信号検出プログラム。
  11. 通信システムにおける信号検出回路であって、
    受信した受信信号に基づいて前記通信システムのチャネル応答行列Hを取得するチャネル応答行列取得手段と、
    前記チャネル応答行列取得手段により取得されたチャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対して、前置ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定し、該選定された順番で、前記各応答ベクトルに対して前記前置ベクトル縮小処理を行い、前置処理チャネル行列Hを生成する前置処理手段と、
    前記前置処理手段によって生成された前記前置処理チャネル行列Hに対して、変換行列Tと前記前置処理チャネル行列Hとの乗算である縮小チャネル行列HTの直交性が、前記前置処理チャネル行列Hに比べて高くなるように、予め定められた反復終了条件が満たされるまで、反復ステップで反復して、前記縮小チャネル行列HTを計算する反復格子縮小方法を用いた反復格子縮小手段と、
    前記反復格子縮小手段によって得られた前記縮小チャネル行列HTに基づいて、信号検出を行い、各送信ビットの軟判定値を算出する軟判定手段と
    を備え、
    前記反復格子縮小手段は、
    前回の反復ステップ(k−1)で得られた中間縮小チャネル行列HT(k−1)のベクトルiに対して、ベクトル縮小処理を行うべき順番を選定するベクトル順番選定手段と、
    前記ベクトル順番選定手段で選定したベクトルに対して、ベクトル縮小処理を行うベクトル縮小手段と、
    前記ベクトル縮小手段によってベクトル縮小処理を行ったベクトルに対して、縮小条件を確認して、ベクトルインデックスを更新するインデックス更新手段と
    を備え、各反復ステップkにおいて、その反復ステップkにおける中間縮小チャネル行列HT(k)、及び中間変換行列T(k)を計算する際に、前記ベクトル順番選定手段、前記ベクトル縮小手段、及び前記インデックス更新手段による処理を実行させる、
    ことを特徴とする信号検出回路。
  12. 前記前置処理手段、及び前記反復格子縮小手段は、
    前記チャネル応答行列Hに対して適用する方法として、前記チャネル応答行列Hそのものに対して適用する方法、または前記チャネル応答のQR分解に対して適用する方法の何れかを適用する
    ことを特徴とする請求項11に記載の信号検出回路。
  13. 前記反復格子縮小手段は、
    LLL(Lenstra Lenstra Lovasz)法、あるいは該LLL法を変形した変形LLL法を採用した前記反復格子縮小方法を用い、
    前記反復格子縮小方法を用いる縮小条件として、Hermite条件、Lovasz条件、Siegel条件、Deep Insertion条件のいずれかを適用する
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の信号検出回路。
  14. 前記前置処理手段は、
    サブベクトル空間の直交補空間上の直交射影が最小となるように、前記チャネル応答行列Hの各応答ベクトルに対する順番を選定する
    ことを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の信号検出回路。
  15. 前記反復格子縮小手段は、
    予め定められた最大反復回数、または予め定められた最大処理時間に達した場合、あるいは、前記反復格子縮小方法によって得られた中間縮小行列のすべてのベクトルが、前記縮小条件を満たした場合、前記反復終了条件が満たされたとして反復処理を終了する
    ことを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載の信号検出回路。
  16. 請求項6から10のいずれかに記載の信号検出プログラムを実行し、あるいは、請求項11から15のいずれかに記載の信号検出回路を含み、
    前記通信システムとして、MIMO技術とマルチキャリア変調技術OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)若しくはOFDMA(Orthgonal Frequency Division Multiple Access)の組合せ、あるいは、MIMO技術とアクセス技術IDM(Interleaved Division Multiplexing)若しくはIDMA(Interleaved Division Multiple Access)とを組合せの少なくともいずれかを組合せた通信方式を適用する
    ことを特徴とする無線局。
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