JP5499889B2 - スピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体、高分子化合物、レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents

スピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体、高分子化合物、レジスト材料及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、機能性材料の原料等として有用なスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体(モノマー、即ち重合性化合物)に関する。このスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体は、波長500nm以下、特に波長300nm以下の放射線、例えばKrFレーザー光、ArFレーザー光、F2レーザー光に対して優れた透明性を有し、酸の存在下脱離反応によりカルボン酸を生じ、解像性と現像特性に優れた感放射線レジスト材料のベース樹脂を製造するための重合体(ポリマー)の原料単量体として非常に有用である。
更に、本発明は、このスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体に由来する繰り返し単位を有する重合体(高分子化合物)、この高分子化合物を含むフォトレジスト材料、及びこのフォトレジスト材料を用いたパターン形成方法に関する。
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、次世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィーが有望視されている。中でもKrFレーザー光、ArFレーザー光、F2レーザー光を光源としたフォトリソグラフィーは、0.3μm以下の超微細加工に不可欠な技術としてその実現が切望されている。これらのレジスト材料のベース樹脂としては種々のアルカリ可溶性樹脂が用いられている。
KrFレジスト材料のベース樹脂としては、ポリヒドロキシスチレン樹脂が事実上の標準となっている。ArFレジスト材料用ベース樹脂では、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として用いるポリ(メタ)アクリレート樹脂やノルボルネン等の脂肪族環状オレフィンを重合単位として用いた樹脂が検討され、これらのうち、ポリ(メタ)アクリレートは重合の容易さから実用に供されている。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、特許文献1:特開平9−90637号公報に挙げられる酸不安定基を有する繰り返し単位(酸不安定単位)としてメチルアダマンチル(メタ)アクリレートと密着性基を有する繰り返し単位としてラクトン環を有する(メタ)アクリレートとの組み合せが提案されている。また、特許文献2:特開平9−73173号公報には、アルキルシクロアルキル型三級アルキル基を有する酸不安定基が開示されている。また、特許文献3:特開2000−327633号公報にはアルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタノール型三級アルキル基のエキソ異性体を有する酸不安定基が紹介されている。このものは、酸脱離性が高く、酸脱離における活性化エネルギーが低いために、高い解像性と低いポストエクスポージャーベーク(PEB)依存性を得ることができる。更に、エッチング耐性を強化させた密着性基として、特許文献4:特開2000−26446号公報、特許文献5:特開2000−159758号公報に挙げられるノルボルナンラクトンやオキサノルボルナンラクトンを有する(メタ)アクリレート単位が提案されている。これらの検討により、ArFレジストの解像性が大幅に向上してきた。また、特許文献6:特開2003−113213号公報では、酸不安定基単位、ラクトン単位に加え、光酸発生剤から露光によって発生する酸のレジスト膜中での拡散を制御する単位として、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する繰り返し単位を加えた三元ポリマーもレジスト材料のベース樹脂として実用化されている。
レジスト膜中での酸触媒脱離反応において、酸不安定単位の脱離反応性が高い場合、低温でも脱離反応が進行することから、ポストエクスポージャーベーク(PEB)温度を低くすることが可能になり、PEBプロセス中の酸の熱拡散を抑えることができる。更に酸不安定単位に適度な脂溶性を付与することで、対現像液溶解速度の露光量依存性コントラストを高めることができる。低酸拡散性及び高コントラストは解像性の向上、即ち微細パターンにおける露光余裕度(EL)や焦点深度(DOF)、マスク忠実性等の各種プロセスマージンの拡大に寄与する。また、パターンのラフネス(ラインアンドスペースパターンにおけるLine Edge RoughnessやLine Width Roughness、ホールパターンにおけるCircularityなど)を最小化するためにも有効である。また、高脱離反応性の酸不安定単位は、パターン寸法のPEB温度依存性を小さくし、ウエハー面上の異なる位置の間の僅かな熱履歴の違いを原因とした寸法のばらつきを抑制することが期待できる。以上のことから、適切な脂溶性を有する高脱離反応性酸不安定単位が強く求められている。
特開平9−90637号公報 特開平9−73173号公報 特開2000−327633号公報 特開2000−26446号公報 特開2000−159758号公報 特開2003−113213号公報
本発明は、高解像度でPEB温度依存性の小さいレジスト材料を与えるベース樹脂を得るのに有用なスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体、スピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体を用いた高分子化合物、その高分子化合物をベース樹脂として含有するレジスト材料及びそのレジスト材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ArFエキシマレーザー光等の高エネルギー線を光源としたフォトリソグラフィーにおいて、高解像性かつPEB温度依存性の小さいレジスト材料を実現するために種々検討した結果、レジストベース樹脂用の単量体として特定のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体が極めて有用であることを見出した。
即ち、本発明者らは、下記一般式(1)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体が容易に製造でき、更にこのスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体から得られた高分子化合物をベース樹脂として用いたレジスト材料が高いコントラストを有し、この高分子化合物がレジスト材料として精密な微細加工に極めて有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記一般式(1)、あるいは下記一般式(2)又は(3)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体を提供する。
Figure 0005499889

(式中、Zは重合性二重結合を有する1価の基を表す。Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。nは1又は2を表す。)
Figure 0005499889

(式中、Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。R5は水素原子、又はメチル基を表す。nは1又は2を表す。pは0又は1を表す。)
また、本発明は、下記一般式(1a)〜(3a)で表される、上記スピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体から得られる繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物を提供する。
Figure 0005499889

(式中、Zaは重合性二重結合を有する1価の基Zに由来し、重合によって生じる3価の基を表す。Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。R5は水素原子、又はメチル基を表す。nは1又は2を表す。pは0又は1を表す。)
更に、本発明は、上記高分子化合物をベース樹脂として含有すると共に、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物を含有することを特徴とするレジスト材料を提供する。
この場合、上記活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物が、下記一般式(4)で表されるスルホニウム塩化合物であることが好ましい。
Figure 0005499889

(式中、R6、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、又はそれぞれヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子を示す。R9はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基を示す。R10は水素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)
また、本発明は、上記レジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する。
本発明のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体は、機能性材料の原料等として有用であり、波長500nm以下、特に波長300nm以下の放射線に対して優れた透明性を有し、酸脱離反応における極めて高い反応性を有し、解像性の良好な感放射線レジスト材料のベース樹脂を製造するための単量体として非常に有用であり、本発明の高分子化合物は感放射線レジスト材料のベース樹脂として有用である。また、本発明のレジスト材料は高解像力を有し、露光余裕度や焦点深度、マスク忠実性において優れた性能を示し、ラフネスが小さいという特長を有する。更に、パターン寸法のPEB温度依存性が小さく、実生産における歩留まり向上に有効である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明では、以下の化学式において、化学構造上、エナンチオ異性体(Enantiomer)あるいはジアステレオ異性体(Diastereomer)が存在し得るものがあるが、特に記載がない限り、いずれの場合も各化学式はこれらの立体異性体のすべてを代表して表すものとする。また、これらの立体異性体は、単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
本発明のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体は、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 0005499889

(式中、Zは重合性二重結合を有する1価の基を表す。Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。nは1又は2を表す。)
Zは重合性二重結合を有する1価の基を表す。Zの具体例としては、ビニル基、エチニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、3,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル基、アリル基、1,3−ブタジエニル基、2−メチル−1−プロペニル基、5−ノルボルネン−2−イル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル基等の多重結合を含む基であるか、又は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α−トリフルオロメチルアクリル酸エステル、ビニルエーテル、アリルエーテル、ノルボルネン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセンなどを部分構造として含む基、例えばアクリロイルオキシメチル基、メタクリロイルオキシメチル基、α−トリフルオロメチルアクリロイルメチル基、1−(アクリロイルオキシ)エチル基、1−(メタクリロイルオキシ)エチル基、1−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)エチル基、2−(アクリロイルオキシ)エチル基、2−(メタクリロイルオキシ)エチル基、2−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)エチル基、3−(アクリロイルオキシ)プロピル基、3−(メタクリロイルオキシ)プロピル基、3−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)プロピル基、4−(アクリロイルオキシ)ブチル基、4−(メタクリロイルオキシ)ブチル基、3−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)ブチル基、2−ビニルオキシエチル基、2−ビニルオキシプロピル基、3−ビニルオキシプロピル基、2−アリルオキシエチル基、2−アリルオキシプロピル基、3−アリルオキシプロピル基、5−ノルボルネン−2−カルボニルオキシメチル基、2−(5−ノルボルネン−2−カルボニルオキシ)エチル基、5−ノルボルネン−2−イルメチル基、2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル基、5−アクリロイルオキシノルボルナン−2−カルボニルオキシメチル基、2−(5−アクリロイルオキシノルボルナン−2−カルボニルオキシ)エチル基、5−アクリロイルオキシノルボルナン−2−イルメチル基、2−(5−アクリロイルオキシノルボルナン−2−イル)エチル基、5−メタクリロイルオキシノルボルナン−2−カルボニルオキシメチル基、2−(5−メタクリロイルオキシノルボルナン−2−カルボニルオキシ)エチル基、5−メタクリロイルオキシノルボルナン−2−イルメチル基、2−(5−メタクリロイルオキシノルボルナン−2−イル)エチル基、5−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)ノルボルナン−2−カルボニルオキシメチル基、2−(5−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)ノルボルナン−2−カルボニルオキシ)エチル基、5−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)ノルボルナン−2−イルメチル基、2−(5−(α−トリフルオロメチルアクリロイルオキシ)ノルボルナン−2−イル)エチル基、(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−4−カルボニルオキシ)メチル基、2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−4−カルボニルオキシ)エチル基、(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボニルオキシ)メチル基、2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボニルオキシ)エチル基等である。
これらのうち特に好ましくは、ビニル基、イソプロペニル基、3,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル基又は5−ノルボルネン−2−イル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル基であり、これらの場合スピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体は、下記一般式(2)、(3)で表される。
Figure 0005499889

(式中、Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。R5は水素原子、又はメチル基を表す。nは1又は2を表す。pは0又は1を表す。)
Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。即ち、下記部分構造
Figure 0005499889

(式中、点線は結合手を表す。)
は、置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環、即ち、下記部分構造
Figure 0005499889

(式中、点線は結合手を表す。)
で表される環構造を表し、又は、これらを含む縮合環でもよい。これらの構造中の単数又は複数の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、水酸基(−OH)又はハロゲン原子に置換されていてもよく、これらの構造中の単数又は複数のメチレン基(−CH2−)がカルボニル基[−(C=O)−]又は酸素原子(−O−)等のヘテロ原子に置換されていてもよい。
2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルブチル基、メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、アダマンチルブチル基、メチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルブチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を例示できる。また、これらの基中に不飽和結合を含んでもよい。これらのうち、R2としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が特に好ましい。
3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4が炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基である場合の具体例としては、R2が炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基である場合の具体例と同様のものを例示できる。これらのうち水素原子、メチル基が特に好ましい。又は、R3、R4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成してもよく、又は、これらを含む縮合環でもよい。これらの構造中の単数又は複数の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、水酸基(−OH)又はハロゲン原子に置換されていてもよく、これらの構造中の単数又は複数のメチレン基(−CH2−)がカルボニル基又は酸素原子(−O−)等のヘテロ原子に置換されていてもよい。
本発明のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体として、具体的には以下のものを例示できるが、これらのものに限定されない。
Figure 0005499889

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
Figure 0005499889

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
Figure 0005499889

(式中、R5は水素原子又はメチル基を表す。pは0又は1を表す。)
Figure 0005499889

(式中、R5は水素原子又はメチル基を表す。pは0又は1を表す。)
本発明の一般式(1)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体の設計思想(Design concept)について述べる。
本発明のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体は高分子化合物の繰り返し単位として用いられ、また、この高分子化合物は後述する感放射線レジスト材料のベース樹脂として用いられる。レジスト膜中での酸触媒脱離反応において、酸の触媒により酸脱離性エステルからのオレフィンの脱離反応が起こり、カルボン酸が生成する(これがレジストの溶解コントラストを実現する現像液に対する溶解性の変化を引き起こす)。特許文献2:特開平9−73173号公報には、アルキルシクロアルキル型三級アルキル基を有する酸不安定基が開示されていて、スピロ環構造が例示されているが、その置換位置や様式に関する記載はない。本発明の一般式(1)、(2)、(3)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体では、スピロ環構造の特定の位置に性能向上のために必要な構造要素を配置することにより酸触媒脱離反応における高反応性を実現した。
レジスト膜中での酸触媒脱離反応の際、重合性エステルの結合する炭素原子上にカルボカチオンが生じ、生じたカルボカチオンからプロトンの脱離によりオレフィンが生じる。この反応において生成するカルボカチオンが安定なほど、酸触媒脱離反応の活性化エネルギーが低下し、高い反応性を有すると考えられる。本発明のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体では、重合性エステルの結合する炭素原子とスピロ環の四級炭素原子が直接結合しているのが最大の特徴であり、以下に述べる3つの点から高い反応性が実現されていると考えられる。
1)重合性エステルの結合する炭素原子(以下、1位の炭素原子と呼ぶ)に隣接する炭素原子、即ち、Xが結合する四級炭素原子(=スピロ炭素原子。以下、2位の炭素原子と呼ぶ)上にシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環等のアルキル置換があり、それらのアルキル基の電子供与効果(Electron donating effect)のために1位の炭素原子上のカチオンが安定化されると考えられる。また、1位の炭素原子に隣接するR3とR4が結合する炭素原子(以下、2’位の炭素原子と呼ぶ)にアルキル基の置換があってもよく、この場合には更なる1位の炭素原子上のカチオン安定化が期待される。
2)2位の炭素原子の(2’位に置換がある場合には2’位の炭素原子も含めた)アルキル置換により1位の炭素原子の周りが立体的に非常に混みあった(Sterically hindered)状態となっており、カチオン形成と引き続くオレフィン形成によりこの立体障害(Steric hindrance)が解消されることになり、生成系のエネルギーがより安定となり、反応がより進行し易くなっていると考えられる。立体障害の大きさを示す具体例を挙げると、実施例において後述するが、室温での配座間の平衡が抑制されており13C−NMRのシグナルのブロードニング(Broadening)が観察される。
3)1位の炭素原子上に生じたカルボカチオン中間体において、2位(又は2’位)のアルキル基の転移反応(1,2−アルキルシフト)が起こり、更に安定なカルボカチオンを生成できる場合があり、このカルボカチオン間の平衡はカチオンの安定化に寄与し、反応の活性化エネルギーを低下させると考えられる。具体例を挙げると、実施例において後述するが、例えば、6−メチルスピロ[4.5]デシルエステル化合物では以下の化学反応式に見られるカチオンの転移と結果として得られる複数のオレフィン形成が観察される。
Figure 0005499889
本発明の一般式(1)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体のうち、脱離反応性の調整のために適切な構造を選択することができる。例えば、重合性エステルの結合する脂環の員数(nが1であるか2であるか)と1位の炭素原子に結合する置換基R2の種類(水素原子であるか1価炭化水素基であるか、1価炭化水素基にあってはその種類)等の選択によりレジスト膜における適切な脱離反応性調節が実現できる。また、2位のスピロ炭素原子に結合する脂環の構造やR3とR4の種類等を選択することでレジスト膜における適切な酸拡散距離を調整することができる。
本発明の一般式(1)、(2)、(3)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体の製造方法について述べる。
典型的な限定されない例として、本発明の一般式(1)、(2)、(3)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体は、対応するアルコール化合物のアシル化反応で合成できる。対応するアルコール化合物はケトン化合物のアルキル化(又はR2が水素原子の場合は還元)で合成できる。
Figure 0005499889

(式中、Zは重合性二重結合を有する1価の基を表す。Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。R5は水素原子、又はメチル基を表す。nは1又は2を表す。pは0又は1を表す。)
エステル化反応としては、公知のエステルの製造方法、例えば、アシル化剤との反応、カルボン酸との反応、エステル交換反応を適用できる。アシル化剤を用いる反応では、好ましくは塩化メチレン、クロロフォルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどの非プロトン性極性溶媒類から選択して、単独あるいは2種類以上を混合しての溶媒中、原料のアルコール化合物と、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸ブロミド、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロリド、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸クロリド、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸クロリド、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボン酸クロリド、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−メチル−3−カルボン酸クロリド等の酸ハロゲン化物、又は、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水α−トリフルオロメチルアクリル酸、無水ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸、無水ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸、無水テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボン酸、無水テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−メチル−3−カルボン酸、アクリル酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、メタクリル酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、α−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−メチル−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、アクリル酸ピバル酸混合酸無水物、メタクリル酸ピバル酸混合酸無水物、α−トリフルオロメチルアクリル酸ピバル酸混合酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸ピバル酸混合酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸ピバル酸混合酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボン酸ピバル酸混合酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−メチル−3−カルボン酸ピバル酸混合酸無水物、アクリル酸p−ニトロ安息香酸混合酸無水物、メタクリル酸p−ニトロ安息香酸混合酸無水物、アクリル酸エチル炭酸混合酸無水物、メタクリル酸エチル炭酸混合酸無水物、アクリル酸p−ニトロフェニル、メタクリル酸p−ニトロフェニル、α−トリフルオロメチルアクリル酸p−ニトロフェニル、アクリル酸p−トルエンスルフォン酸混合酸無水物、メタクリル酸p−トルエンスルフォン酸混合酸無水物、α−トリフルオロメチルアクリル酸p−トルエンスルフォン酸混合酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸p−トルエンスルフォン酸混合酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸p−トルエンスルフォン酸混合酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボン酸p−トルエンスルフォン酸混合酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−メチル−3−カルボン酸p−トルエンスルフォン酸混合酸無水物等の酸無水物等のアシル化剤と、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基類を順次又は同時に加えて反応させる。酸無水物等のアシル化剤を用いる反応では塩基の代わりに塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸等の有機酸類から選ばれる酸触媒下に反応を行うこともできる。アシル化反応温度は用いるアシル化剤の種類や反応条件により適切な反応温度を選択できるが、一般的には−50℃から溶媒の沸点程度が好ましく、−20℃から室温程度が更に好ましい。アシル化剤の使用量は、構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルに対し1〜40モル、好ましくは1〜5モルの範囲である。
カルボン酸との反応は、対応するカルボン酸、即ち、アクリル酸、メタクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボン酸、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−メチル−3−カルボン酸のいずれかと原料のアルコール化合物からの脱水反応であり、酸触媒下に行うのが一般的である。カルボン酸の使用量は、構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルに対し1〜40モル、好ましくは1〜5モルの範囲である。酸触媒の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸等の有機酸類を例示でき、これらは単独又は混合して用いられる。酸触媒の使用量は、原料のアルコール化合物1モルに対し0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.05モルの触媒量である。溶媒としては上記エステル化剤との反応に挙げたものと同様のものを例示できるが、一般的には−50℃から溶媒の沸点程度が好ましい。へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類を含む溶媒を用いて、生じる水を共沸により系外に除去しながら反応を進行させるのもよい。この場合、常圧で溶媒の沸点で還流しながら水を留去してもよいが、減圧下に沸点より低い温度で水の留去を行ってもよい。
エステル交換反応では、対応するカルボン酸のエステル、即ち、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α−トリフルオロメチルアクリル酸エステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エステル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2−カルボン酸エステル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−カルボン酸エステル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−メチル−3−カルボン酸エステルのいずれかと原料のアルコール化合物とを触媒存在下に反応させ、生じるアルコールを除去することにより実施する。用いるカルボン酸エステルとしては第一級アルキルエステルが好ましく、特にメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステルが価格、反応の進行のし易さ等の点から好ましい。カルボン酸エステルの使用量は、構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルに対し1〜40モル、好ましくは1〜5モルの範囲である。触媒としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸等の有機酸類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基類、青酸ナトリウム、青酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸錫、酢酸アルミニウム、アセト酢酸アルミニウム、アルミナ等の塩類、三塩化アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化錫、四臭化錫、二塩化ジブチル錫、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫オキシド、四塩化チタン、四臭化チタン、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、酸化チタン(IV)等のルイス酸類を挙げることができ、これらは単独又は混合して用いられる。触媒の使用量は、原料のアルコール化合物1モルに対し0.001〜20モル、好ましくは0.01〜0.05モルの触媒量である。反応は無溶媒(反応試薬であるカルボン酸エステル自身を溶媒として用いてもよい)で行うことができ、余計な濃縮・溶媒回収等の操作を必要としないので好ましいが、目的物や反応試薬の重合を防ぐ等の目的で溶媒を補助的に用いることも可能である。この場合、溶媒として、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類の単独又は混合使用が好ましい。反応温度は用いるカルボン酸エステルの種類や反応条件により適切な反応温度を選択できるが、通常、加熱下に行われ、エステル交換反応で生じる低沸点のアルコール、即ち、メタノール、エタノール、1−プロパノール等の沸点付近で反応を行い、生じるアルコールを留去しながら行うのがよい結果を与える。減圧下に沸点より低い温度でアルコールの留去を行ってもよい。
上記アシル化の原料となる原料のアルコール化合物は、対応するケトン化合物への有機金属試薬の付加反応又は対応するケトン化合物の還元反応によって合成できる。付加反応に用いられる有機金属試薬としては、有機リチウム試薬、有機ナトリウム試薬、有機カリウム試薬、有機マグネシウム試薬(例えば、Grignard試薬)、有機亜鉛試薬、有機錫試薬、有機ホウ素試薬、有機珪素試薬等が挙げられる。このうち、有機リチウム試薬とGrignard試薬は特に好ましい。反応の溶媒として、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類の単独又は混合使用が好ましい。還元反応に用いられる還元試薬としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、水素化アルミニウム、ボラン、水素化ジイソブチルアルミニウム等の金属水素化物、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムなどの金属水素錯化合物又はそれらのアルキル、アルコキシ誘導体が挙げられる。反応の溶媒としては、有機金属試薬の付加反応で例示したものに加え、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類の単独又は混合使用が好ましい。
本発明の単量体及び合成中間体は必要に応じて、蒸留、晶析、再結晶、クロマトグラフィー等の常法に従って精製して用いることができる。
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1a)〜(3a)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体から得られる繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物である。
Figure 0005499889

(式中、Zaは重合性二重結合を有する1価の基Zに由来し、重合によって生じる3価の基を表す。Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。R5は水素原子、又はメチル基を表す。nは1又は2を表す。pは0又は1を表す。なお、X、R2〜R4の具体例は上述した通りである。)
また、本発明の高分子化合物には、上記繰り返し単位に加え、下記一般式(5a)〜(8a)で表される繰り返し単位をいずれか1種以上含有することができる。
Figure 0005499889

(式中、Zaは上記と同様である。R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Rxは酸不安定基を示す。Ryはラクトン構造を有する置換基を示す。Rzは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。)
ここで、Zaは上述したように重合性二重結合を有する1価の基Zに由来し、Zについては上述した通りで、その具体例も上述した通りであるが、Zとしては、好ましくはビニル基、イソプロペニル基、3,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル基又は5−ノルボルネン−2−イル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−イル基である。従って、例えば
Figure 0005499889

としては、下記式で表すことができる。
Figure 0005499889

(式中、R1、R5、pは上述した通りである。)
上記一般式(5a)で表される繰り返し単位を含有する重合体は、酸の作用で分解してカルボン酸を発生し、アルカリ可溶性となる重合体を与える。酸不安定基Rxとしては種々用いることができるが、具体的には下記一般式(L1)〜(L4)で表される基、炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
Figure 0005499889
ここで、破線は結合手を示す(以下、同様)。式中、RL01、RL02は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等が例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。
Figure 0005499889
L01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合には環の形成に関与するRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
L04は炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(L1)で表される基を示し、三級アルキル基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、2−シクロペンチルプロパン−2−イル基、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル基、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパン−2−イル基、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が例示でき、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が例示でき、オキソアルキル基としては、具体的には3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が例示できる。yは0〜6の整数である。
L05は炭素数1〜8の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、置換されていてもよいアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示でき、置換されていてもよいアリール基としては、具体的にはフェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等が例示できる。式(L3)において、mは0又は1、nは0、1、2、3のいずれかであり、2m+n=2又は3を満足する数である。
L06は炭素数1〜8の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、具体的にはRL05と同様のもの等が例示できる。RL07〜RL16はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の1価の炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示できる。RL07〜RL16は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよく(例えば、RL07とRL08、RL07とRL09、RL08とRL10、RL09とRL10、RL11とRL12、RL13とRL14等)、その場合には環の形成に関与する基は炭素数1〜15の2価の炭化水素基を示し、具体的には上記1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等が例示できる。また、RL07〜RL16は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、RL07とRL09、RL09とRL15、RL13とRL15等)。
上記式(L1)で表される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
Figure 0005499889
上記式(L1)で表される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
上記式(L2)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
上記式(L3)の酸不安定基としては、具体的には1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−n−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−n−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−シクロヘキシルシクロペンチル、1−(4−メトキシ−n−ブチル)シクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、3−メチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−エチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−メチル−1−シクロヘキセン−3−イル、3−エチル−1−シクロヘキセン−3−イル等が例示できる。
上記式(L4)の酸不安定基としては、下記式(L4−1)〜(L4−4)で表される基が特に好ましい。
Figure 0005499889
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)中、破線は結合位置及び結合方向を示す。RL41はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の1価炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在しえるが、前記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、これらの立体異性体のすべてを代表して表す。これらの立体異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
例えば、前記一般式(L4−3)は下記一般式(L4−3−1)、(L4−3−2)で表される基から選ばれる1種又は2種の混合物を代表して表すものとする。
Figure 0005499889

(式中、RL41は前述と同様である。)
また、上記一般式(L4−4)は下記一般式(L4−4−1)〜(L4−4−4)で表される基から選ばれる1種又は2種以上の混合物を代表して表すものとする。
Figure 0005499889

(式中、RL41は前述と同様である。)
上記一般式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)及び(L4−4−1)〜(L4−4−4)は、それらのエナンチオ異性体及びエナンチオ異性体混合物をも代表して示すものとする。
なお、(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)及び(L4−4−1)〜(L4−4−4)の結合方向がそれぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタン環に対してexo側であることによって、酸触媒脱離反応における高反応性が実現される(特開平12−336121号公報参照)。これらビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有する3級exo−アルキル基を置換基とする単量体の製造において、下記一般式(L4−1−endo)〜(L4−4−endo)で表されるendo−アルキル基で置換された単量体を含む場合があるが、良好な反応性の実現のためにはexo比率が50%以上であることが好ましく、exo比率が80%以上であることが更に好ましい。
Figure 0005499889

(式中、RL41は前述と同様である。)
上記式(L4)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できる。
Figure 0005499889
また、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、具体的にはRL04で挙げたものと同様のもの等が例示できる。
前記一般式(5a)で表される繰り返し単位の部分構造O−Rxとして、具体的には下記のものを例示できるが、これらに限定されない。
Figure 0005499889
Figure 0005499889
前記一般式(7a)で表される繰り返し単位の部分構造O−Ryとして、具体的には下記のものを例示できるが、これらに限定されない。
Figure 0005499889

(式中、Meはメチル基を示す。)
前記一般式(8a)で表される繰り返し単位の部分構造O−Rzとして、具体的には下記のものを例示できるが、これらに限定されない。
Figure 0005499889
本発明の高分子化合物は、上記以外に、炭素−炭素二重結合を含有する単量体から得られる繰り返し単位、例えば、メタクリル酸メチル、クロトン酸メチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル等の置換アクリル酸エステル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.177,10]ドデセン誘導体などの環状オレフィン類、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物及びイミド類、その他の単量体から得られる繰り返し単位を含んでいてもよい。
なお、本発明の高分子化合物の重量平均分子量はポリスチレン換算でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した場合、1,000〜500,000、好ましくは3,000〜100,000である。この範囲を外れると、エッチング耐性が極端に低下したり、露光前後の溶解速度差が確保できなくなって解像性が低下したりすることがある。
本発明の高分子化合物において、各単量体から得られる各繰り返し単位の好ましい含有割合は、例えば以下に示す範囲(モル%)とすることができるが、これに限定されるものではない。
(I)上記式(1)の単量体に基づく式(1a)(あるいは式(2)又は(3)の単量体に基づく式(2a)又は(3a))で表される構成単位を0モル%を超え100モル%以下、好ましくは2〜70モル%、より好ましくは5〜50モル%含有し、(II)上記式(5a)〜(8a)で表される構成単位の1種又は2種以上を0モル%以上、100モル%未満、好ましくは1〜95モル%、より好ましくは20〜80モル%含有し、必要に応じ、(III)その他の単量体に基づく構成単位の1種又は2種以上を0〜80モル%、好ましくは0〜70モル%、より好ましくは0〜50モル%含有することができる。
この場合、式(1a)(あるいは式(2a)又は(3a))と式(5a)の繰り返し単位の合計は1〜95モル%、特に20〜80モル%、式(6a)の繰り返し単位は0〜95モル%、特に0〜50モル%、式(7a)の繰り返し単位は0〜95モル%、特に20〜80モル%、式(8a)の繰り返し単位は0〜95モル%、特に0〜50モル%含有することが好ましい。
本発明の高分子化合物の製造は、上記一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物を第一の単量体に、重合性二重結合を含有する化合物を第二以降の単量体に用いた共重合反応により行う。共重合に用いる第一の単量体である本発明の単量体(1)、(2)又は(3)、及び第二以降の単量体は、オリゴマーや高分子量体の含量が10モル%以下、好ましくは3モル%以下、更に好ましくは1モル%以下であるものを用いることが好ましい。
本発明の高分子化合物を製造する共重合反応は種々例示することができるが、好ましくはラジカル重合、アニオン重合又は配位重合である。
ラジカル重合反応の反応条件は、(ア)溶剤としてベンゼン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール等のアルコール類、又はメチルイソブチルケトン等のケトン類を用い、(イ)重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、又は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物を用い、(ウ)反応温度を0〜100℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とするのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
アニオン重合反応の反応条件は、(ア)溶剤としてベンゼン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、又は液体アンモニアを用い、(イ)重合開始剤としてナトリウム、カリウム等の金属、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキル金属、ケチル、又はグリニャール反応剤を用い、(ウ)反応温度を−78℃〜0℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とし、(オ)停止剤としてメタノール等のプロトン供与性化合物、ヨウ化メチル等のハロゲン化物、その他求電子性物質を用いるのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
配位重合の反応条件は、(ア)溶剤としてn−ヘプタン、トルエン等の炭化水素類を用い、(イ)触媒としてチタン等の遷移金属とアルキルアルミニウムからなるチーグラー−ナッタ触媒、クロム及びニッケル化合物を金属酸化物に担持したフィリップス触媒、タングステン及びレニウム混合触媒に代表されるオレフィン−メタセシス混合触媒等を用い、(ウ)反応温度を0〜100℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とするのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
本発明の高分子化合物は、レジスト材料、特に化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして好適に用いられ、本発明は上記高分子化合物を含有するレジスト材料、とりわけ化学増幅ポジ型レジスト材料を提供する。この場合、レジスト材料としては、
(A)ベース樹脂として上記高分子化合物、
(B)酸発生剤、
(C)有機溶剤
必要により、
(D)含窒素有機化合物、
(E)界面活性剤
を含有するものが好ましい。
上記(A)成分のベース樹脂として、本発明の高分子化合物以外に、必要に応じて他の、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂を加えてもよい。例としては、i)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ii)ノルボルネン誘導体−無水マレイン酸の共重合体、iii)開環メタセシス重合体の水素添加物、iv)ビニルエーテル−無水マレイン酸−(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体などを挙げることができるが、これに限定されない。
このうち、開環メタセシス重合体の水素添加物の合成法は特開2003−66612号公報の実施例に具体的な記載がある。また、具体例としては以下の繰り返し単位を有するものを挙げることができるが、これに限定されない。
Figure 0005499889
Figure 0005499889
本発明の高分子化合物と別の高分子化合物との配合比率は、100:0〜10:90、特に100:0〜20:80の質量比の範囲内にあることが好ましい。本発明の高分子化合物の配合比がこれより少ないと、レジスト材料として好ましい性能が得られないことがある。上記の配合比率を適宜変えることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
なお、上記高分子化合物は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
本発明で使用される(B)成分の酸発生剤として光酸発生剤を添加する場合は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するが、これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
スルホニウム塩は、スルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、3−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、3,4−ジ−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジ−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジ−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニルジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(4−メチルフェニル)フェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム、トリス(フェニルメチル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル(2−ナフチル)スルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソプロピルチアシクロペンタニウム、2−オキソブチルチアシクロペンタニウム、2−オキソ−3,3−ジメチルブチルチアシクロペンタニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム、4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミド、パーフルオロ(1,3−プロピレンビススルホニル)イミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドが挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩は、ヨードニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、ヨードニウムカチオンとしてはジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等が挙げられ、スルホネートとしてはトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミド、パーフルオロ(1,3−プロピレンビススルホニル)イミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドが挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
N−スルホニルオキシジカルボキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボキシイミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシイミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
O−アリールスルホニルオキシム化合物あるいはO−アルキルスルホニルオキシム化合物(オキシムスルホネート)型光酸発生剤としてはトリフルオロメチル基のような電子吸引基で化合物の安定性を増した下記式(Ox−1)で示されるオキシムスルホネートが挙げられる。
Figure 0005499889

(上記式中、R401は置換又は非置換の炭素数1〜10のハロアルキルスルホニル又はハロベンゼンスルホニル基を表す。R402は炭素数1〜11のハロアルキル基を表す。Ar401は置換又は非置換の芳香族基又はヘテロ芳香族基を表す。)
具体的には、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ペンチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ブチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ペンチル)−4−ビフェニル、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ブチル)−4−ビフェニル、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)−4−ビフェニル等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
中でもより好ましく用いられるのは、下記一般式(4)で示される酸発生剤である。
Figure 0005499889

(式中、R6、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、又はそれぞれヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子を示す。R9はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基を示す。R10は水素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)
ここで、式中、R6、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、又はそれぞれヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子を示し、ヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基として具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エチルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基、及びこれらの基の任意の炭素−炭素結合間に−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−等のヘテロ原子団が挿入された基や、任意の水素原子が−OH、−NH2、−CHO、−CO2H等の官能基に置換された基を例示することができる。R9はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基を示し、具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005499889
より具体的には、以下のものが例示できる。
Figure 0005499889

(式中、R10は水素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)
Figure 0005499889

(式中、R10は水素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)
上記一般式(4)で示される酸発生剤のアニオン部分はエステル部位を有しているため、嵩の低いアシル基から嵩高いアシル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、アントラセンカルボニル基等の導入が容易であり、分子設計の幅を大きく持つことができ、溶剤溶解性や透過率の調整、更には発生酸の拡散制御も容易である。また、一般式(4)で示される酸発生剤から発生するスルホン酸は、パーフルオロアルカンスルホン酸と同様の強い酸性度を有しながら、フッ素含有率が少ないためにベース樹脂との相溶性が高く、分散性が良好で、ラフネスを低く抑えることが期待できる。特に、一般式(4)で示される酸発生剤を本発明の特定のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体を構成成分とするレジストベース樹脂と組み合わせることによって、ラフネスが極めて小さくなることを知見した。また、一般式(4)で示される酸発生剤はデバイス作製工程での塗布、露光前焼成、露光、露光後焼成、現像の工程に問題なく使用できる。更にはArF液浸露光の際の水への溶出も抑えることができるのみならず、ウエハー上に残る水の影響も少なく、欠陥も抑えることができる。デバイス作製後のレジスト廃液処理の際にはエステル部位がアルカリ加水分解されるため、より低分子量の低蓄積性の化合物へと変換が可能であるし、燃焼による廃棄の際もフッ素置換率が低いため、燃焼性が高く、環境負荷が小さいことが期待できる。
本発明の化学増幅型レジスト材料における(B)成分として添加する光酸発生剤の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲であればいずれでもよいが、レジスト材料中のベース樹脂100部(質量部、以下同様)に対し0.1〜40部、好ましくは2〜30部である。(B)成分の光酸発生剤の割合が多すぎる場合には、解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記(B)成分の光酸発生剤は、単独でも2種以上混合して用いることもできる。更に、露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
なお、光酸発生剤を2種以上混合して用い、一方の光酸発生剤がいわゆる弱酸を発生するオニウム塩である場合、酸拡散制御の機能を持たせることもできる。即ち、強酸(例えばフッ素置換されたスルホン酸)を発生する光酸発生剤と弱酸(例えばフッ素置換されていないスルホン酸もしくはカルボン酸)を発生するオニウム塩を混合して用いた場合、高エネルギー線照射により光酸発生剤から生じた強酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると塩交換により弱酸を放出し強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
ここで強酸を発生する光酸発生剤がオニウム塩である場合には上記のように高エネルギー線照射により生じた強酸が弱酸に交換することはできるが、高エネルギー線照射により生じた弱酸は未反応の強酸を発生するオニウム塩と衝突して塩交換を行うことはできない。これらはオニウムカチオンがより強酸のアニオンとイオン対を形成し易いとの現象に起因する。
また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物については、J. Photopolym. Sci. and Tech., 8. 43−44,45−46 (1995)、J. Photopolym. Sci. and Tech., 9. 29−30 (1996)において記載されている。
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル−2−メチル−2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル−2−(2−トシロキシエチル)−1,3−ジオキソラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100部に対し好ましくは2部以下(0〜2部)、より好ましくは1部以下(0〜1部)である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく、解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こることがある。
本発明で使用される(C)成分の有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100部に対して200〜5,000部、特に400〜3,000部が好適である。
更に、本発明のレジスト材料には、(D)成分として含窒素有機化合物を1種又は2種以上配合することができる。
含窒素有機化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。含窒素有機化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
このような含窒素有機化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例表される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例表される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、1−シクロヘキシルピロリドン等が例示される。イミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。カーバメート類としては、N−t−ブトキシカルボニル−N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、オキサゾリジノン等が例示される。
更に、下記一般式(B)−1で表される含窒素有機化合物が例示される。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(上記式中、nは1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X)−1、(X)−2又は(X)−3で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。)
Figure 0005499889

(上記式中、R300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。R303は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、又はラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
上記一般式(B)−1で表される化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンが例示される。
更に、下記一般式(B)−2に表される環状構造を持つ含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005499889

(上記式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基又はスルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
上記一般式(B)−2として具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル、2−メトキシ酢酸2−モルホリノエチル、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸2−モルホリノエチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸2−モルホリノエチル、ヘキサン酸2−モルホリノエチル、オクタン酸2−モルホリノエチル、デカン酸2−モルホリノエチル、ラウリン酸2−モルホリノエチル、ミリスチン酸2−モルホリノエチル、パルミチン酸2−モルホリノエチル、ステアリン酸2−モルホリノエチルが例示される。
更に、下記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005499889

(上記式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
上記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物として具体的には、3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
更に、下記一般式(B)−7で表されるイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005499889

(上記式中、R310は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基として水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、又はアセタール基を1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)
更に、下記一般式(B)−8で表されるベンズイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005499889

(上記式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。R315は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、又はシアノ基を一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、又はカーボネート基を一つ以上含んでいてもよい。)
更に、下記一般式(B)−9及び(B)−10で表される極性官能基を有する含窒素複素環化合物が例示される。
Figure 0005499889

(上記式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R322、R323は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R321とR323は結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。)
更に、下記一般式(B)−11〜(B)−14で表される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005499889

(上記式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2326、OR327又はシアノ基である。R326は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又はO(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。)
更に、下記一般式(B)−15で表される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005499889

(上記式中、R333は水素又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であって水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。)
なお、含窒素有機化合物の配合量はベース樹脂100部に対して0.001〜20部、特に0.01〜10部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果がなく、20部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤(E)を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「KH−10」、「KH−20」、「KH−30」、「KH−40」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「KH−20」、「KH−30」(いずれも旭硝子(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として、塗布膜上部に偏在し、表面の親水性・疎水性バランスを調整したり、撥水性を高めたり、あるいは塗布膜が水やその他の液体と触れた際に低分子成分の流出や流入を妨げる機能を有する高分子化合物を添加してもよい。なお、該高分子化合物の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができるが、好ましくはベース樹脂100部に対して15部以下、特に10部以下である。その下限は、その効果を発揮する点から1部以上とすることが好ましい。
ここで、塗布膜上部に偏在する高分子化合物としては、1種又は2種以上のフッ素含有単位からなる重合体、共重合体、及びフッ素含有単位とその他の単位からなる共重合体が好ましい。フッ素含有単位及びその他の単位として具体的には、以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005499889
上記塗布膜上部に偏在する高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは2,000〜20,000である。この範囲から外れる場合は、表面改質効果が十分でなかったり、現像欠陥を生じたりすることがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値を示す。
本発明のレジスト材料の基本的構成成分は、上記の重合体、酸発生剤、有機溶剤及び含窒素有機化合物であるが、上記成分以外に任意成分として必要に応じて更に、溶解阻止剤、酸性化合物、安定剤、色素などの他の成分を添加してもよい。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明のレジスト材料を使用したパターン形成は公知のリソグラフィー技術を利用して行うことができ、塗布、加熱処理(プリベーク)、露光、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク、PEB)、現像の各工程を経て達成される。必要に応じて、更にいくつかの工程を追加してもよい。
パターン形成を行う際には、先ず本発明のレジスト材料を集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜、Cr、CrO、CrON、MoSi等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.01〜2.0μmとなるように塗布し、ホットプレート上で50〜150℃、1〜10分間、好ましくは60〜140℃、1〜5分間プリベークする。レジストの薄膜化とともに被加工基板のエッチング選択比の関係から加工が厳しくなっており、レジストの下層にケイ素含有中間膜、その下に炭素密度が高くエッチング耐性が高い下層膜、その下に被加工基板を積層する三層プロセスが検討されている。酸素ガスや水素ガス、アンモニアガスなどを用いるケイ素含有中間膜と下層膜とのエッチング選択比は高く、ケイ素含有中間膜は薄膜化が可能である。単層レジストとケイ素含有中間層のエッチング選択比も比較的高く、単層レジストの薄膜化が可能となるのである。この場合、下層膜の形成方法としては塗布とベークによる方法とCVDによる方法とが挙げられる。塗布型の場合は、ノボラック樹脂や縮合環などを有するオレフィンを重合した樹脂が用いられ、CVD膜作製にはブタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン等のガスが用いられる。ケイ素含有中間層の場合も塗布型とCVD型が挙げられ、塗布型としてはシルセスキオキサン、かご状オリゴシルセスキオキサン等が挙げられ、CVD用としては各種シランガスが原料として挙げられる。ケイ素含有中間層は光吸収を持った反射防止機能を有していてもよく、フェニル基などの吸光基や、SiON膜であってもよい。ケイ素含有中間膜とフォトレジスト膜の間に有機膜を形成してもよく、この場合の有機膜は有機反射防止膜であってもよい。
フォトレジスト膜形成後に、純水リンス(ポストソーク)を行うことによって膜表面からの酸発生剤などの抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、保護膜を塗布してもよい。
次いで、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線等から選ばれる光源を用い、目的のパターンを形成するための所定のマスクを通して露光を行う。露光量は1〜200mJ/cm2程度が好ましく、特に10〜100mJ/cm2程度がより好ましい。次に、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージャーベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法を用いて現像することにより、基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明のレジスト材料は、好ましくは波長254〜193nmの遠紫外線、波長157nmの真空紫外線、電子線、軟X線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線、より好ましくは波長180〜200nmの範囲の高エネルギー線による微細パターンニングに適用することが可能である。
また、本発明のレジスト材料は、液浸リソグラフィーに適用することも可能である。ArF液浸リソグラフィーにおいては液浸溶媒として純水、又はアルカンなどの屈折率が1以上で露光波長に高透明の液体が用いられる。液浸リソグラフィーでは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に、純水やその他の液体を挿入する。これによってNAが1.0以上のレンズ設計が可能となり、より微細なパターン形成が可能になる。液浸リソグラフィーはArFリソグラフィーを45nmノードまで延命させるための重要な技術であり、開発が加速されている。液浸露光の場合は、レジスト膜上に残った水滴残りを除去するための露光後の純水リンス(ポストソーク)を行ってもよいし、レジスト膜からの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜を形成させてもよい。液浸リソグラフィーに用いられるレジスト保護膜としては、例えば、水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶媒に溶解させた材料が好ましい。
NA1.35レンズを使った水液浸リソグラフィーの最高NAで到達できる解像度は40〜38nmであり、32nmには到達できない。そこで更にNAを高めるための高屈折率材料の開発が行われている。レンズのNAの限界を決めるのは投影レンズ、液体、レジスト膜の中で最小の屈折率である。水液浸の場合、投影レンズ(合成石英で屈折率1.5)、レジスト膜(従来のメタクリレート系で屈折率1.7)に比べて水の屈折率が最も低く、水の屈折率によって投影レンズのNAが決まっていた。最近、屈折率1.65の高透明な液体が開発されてきている。この場合、合成石英による投影レンズの屈折率が最も低く、屈折率の高い投影レンズ材料を開発する必要がある。LUAG(Lu3Al512)は屈折率が2以上であり、最も期待される材料である。
本発明のレジストは高屈折率液体によるリソグラフィーに適用することも可能である。
更にArFリソグラフィーの延命技術として最近注目を浴びているのは1回目の露光と現像でパターンを形成し、2回目の露光で1回目のパターンの間にパターンを形成するダブルパターニングプロセスである(Proc. SPIE Vol. 5754 p1508 (2005))。ダブルパターニングの方法としては多くのプロセスが提案されている。例えば、1回目の露光と現像でラインとスペースが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にハードマスクをもう1層敷いて1回目の露光のスペース部分にフォトレジスト膜の露光と現像でラインパターンを形成してハードマスクをドライエッチングで加工して初めのパターンのピッチの半分のラインアンドスペースパターンを形成する方法である。また、1回目の露光と現像でスペースとラインが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクをドライエッチングで加工し、その上にフォトレジスト膜を塗布してハードマスクが残っている部分に2回目のスペースパターンを露光しハードマスクをドライエッチングで加工する。いずれも2回のドライエッチングでハードマスクを加工する。
前述の方法では、ハードマスクを2回敷く必要があり、後者の方法ではハードマスクが1層で済むが、ラインパターンに比べて解像が困難なトレンチパターンを形成する必要がある。後者の方法では、トレンチパターンの形成にネガ型レジスト材料を使う方法がある。これだとポジパターンでラインを形成するのと同じ高コントラストの光を用いることができるが、ポジ型レジスト材料に比べてネガ型レジスト材料の方が溶解コントラストが低いために、ポジ型レジスト材料でラインを形成する場合に比較してネガ型レジスト材料で同じ寸法のトレンチパターンを形成した場合を比較するとネガ型レジスト材料を使った方が解像性が低い。後者の方法で、ポジ型レジスト材料を用いて広いトレンチパターンを形成してから、基板を加熱してトレンチパターンをシュリンクさせるサーマルフロー法や、現像後のトレンチパターンの上に水溶性膜をコートしてから加熱してレジスト膜表面を架橋させることによってトレンチをシュリンクさせるRELACS法を適用させることも考えられるが、プロキシミティーバイアスが劣化するという欠点やプロセスが更に煩雑化し、スループットが低下する欠点が生じる。
前者、後者の方法においても、基板加工のエッチングは2回必要なため、スループットの低下と2回のエッチングによるパターンの変形や位置ずれが生じる問題がある。
エッチングを1回で済ませるために、1回目の露光でネガ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料を用いる方法がある。1回目の露光でポジ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料が溶解しない炭素数4以上の高級アルコールに溶解させたネガ型レジスト材料を用いる方法もある。これらの場合、解像性が低いネガ型レジスト材料を使う解像性の劣化が生じる。
1回目の露光の隣にハーフピッチだけずらした位置に2回目の露光を行うと、1回目の2回目のエネルギーが相殺されて、コントラストが0になる。レジスト膜上にコントラスト増強膜(CEL)を適用すると、レジスト膜に入射する光が非線形となり、1回目と2回目の光が相殺せず、ピッチが半分の像が形成される(Jpn. J. Appl. Phy. Vol. 33 (1994) p6874−6877)。また、レジストの酸発生剤として2光子吸収の酸発生剤を用いて非線形なコントラストを生み出すことによって同様の効果を生み出すことが期待される。
ダブルパターニングにおいて最もクリティカルな問題となるのは、1回目のパターンと2回目のパターンの合わせ精度である。位置ずれの大きさがラインの寸法のばらつきとなるために、例えば32nmのラインを10%の精度で形成しようとすると3.2nm以内の合わせ精度が必要となる。現状のスキャナーの合わせ精度が8nm程度であるので、大幅な精度の向上が必要である。
1回目のレジストパターンを形成した後に、何らかの方法でパターンをレジスト溶媒とアルカリ現像液に不溶化させ、2回目のレジストを塗布し、1回目のレジストパターンのスペース部分に2回目のレジストパターンを形成するレジストパターンフリージング技術が検討されている。この方法を用いれば、基板のエッチングが1回で済むために、スループットの向上とエッチングのハードマスクの応力緩和による位置ずれの問題が回避される。フリージングの技術として、1回目のレジストパターン上に膜を形成する方法や、光や熱によってレジストパターンを不溶化させる方法が検討されており、本発明のレジスト材料もこのようなプロセスに適用することが可能である。フリージングするための光は波長300nm以下が好ましく、より好ましくは波長200nm以下の波長193nmのArFエキシマ光、波長172nmのXe2エキシマ光、157nmのF2エキシマ光、146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光が好ましく、露光量は光の場合は露光量10mJ/cm2〜10J/cm2の範囲である。波長200nm以下、特には193nm、172nm、157nm、146nm、122nmのエキシマレーザーや、エキシマランプの照射は、光酸発生剤からの酸の発生だけでなく、光照射による架橋反応を促進させる。更に、フォトレジスト材料としてアンモニウム塩の熱酸発生剤をフォトレジスト材料のベース樹脂100部に対して0.001〜20部、好ましくは0.01〜10部添加しておいて、加熱によって酸を発生させることもできる。この場合、酸の発生と架橋反応は同時に進行する。加熱の条件は100〜300℃、特に130〜250℃の温度範囲で10〜300秒の範囲が好ましい。これにより、溶媒及びアルカリ現像液に不溶の架橋レジスト膜が形成される。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記例においてMeはメチル基を示す。
本発明の単量体を以下に示す処方で合成した。
[合成例1]メタクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)(Monomer1)の合成
Figure 0005499889
窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液1.28mol(金属マグネシウム31.1gとテトラヒドロフラン400mlとクロロメタンから調製した)にスピロ[4.5]デカン−6−オン(このものはシクロヘキサノンから文献:A. P. Krapcho, Synthesis, 1974, p.383とその引用文献と類似の方法で合成した)100gとテトラヒドロフラン200mlの混合物を60℃以下で滴下した。反応混合物を30分間還流した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物6−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オール93.3g(収率87%)を得た。
6−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オール
無色液体
沸点:55℃/6.7Pa
IR(film):ν=3614,3480,2937,2862,1464,1447,1375,1335,1321,1260,1202,1173,1153,1111,1084,1002,925,878cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.03(3H,s),1.09−1.21(3H,m),1.26−1.62(12H,m),1.85(1H,dt様,J=7,13Hz),3.83(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=21.91,22.24,24.20,25.55,25.79,32.39[broad(以下、brと略す)],33.84,35.20,37.97,49.62,71.77ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=71,108,121,135,150,168(M+)。
窒素雰囲気下40℃で撹拌しながら、6−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オール156.82g、トリエチルアミン183.8g、4−ジメチルアミノピリジン11g、アセトニトリル500mlの混合物に塩化メタクリロイル142.4gとアセトニトリル300mlの混合物を滴下した。40℃で4時間、50℃で20時間、更に60℃で5時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物メタクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)163g(収率74%)を得た。
メタクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)
無色液体
沸点:77℃/10.6Pa
IR(film):ν=2936,2864,1712,1637,1452,1399,1377,1328,1305,1186,1164,1147,1101,1009,935,905,813cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.23−1.30(2H,m),1.32−1.46(5H,m),1.43(3H,s),1.47−1.59(6H,m),1.74(1H,br),1.85(3H,br.s),1.91(1H,dt様,J=7,13Hz),2.21(1H,br),5.58(1H,quint様,J=2Hz),5.93(1H,s様)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=18.20,19.34,21.42,21・48,25.60,25.80,31.93,33.11(br),34.15(br),34.96,50.13,86.57,124.43,137.67,165.52ppm。
13C−NMRスペクトルにおいて一部の炭素原子のシグナルに幅の広いピーク(Broadening)が観察された。通常、配座(Conformation)間の平衡が十分に早い場合にはそれぞれの配座の存在確率に応じた平均的位置に鋭いピークを与えるので、このBroadeningは複数の配座間の平衡が立体障害により抑制されていることを示唆する。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,69,108,135,149,236(M+)。
上記NMRの測定サンプルを用いて、触媒量のトリフルオロメタンスルフォン酸を添加して40℃に加熱して脱離反応を進行させて生成するオレフィンの構造を1H−及び13C−NMRで解析したところ、以下のように同定された(カッコ内はその生成モル比)。1,2−アルキルシフトによる骨格転移したデカリン型オレフィンの生成が観察された。
Figure 0005499889
[合成例2]メタクリル酸6−(6−エチルスピロ[4.5]デシル)(Monomer2)の合成
Figure 0005499889
窒素雰囲気下−8℃で撹拌しながら、金属リチウム13.16gとテトラヒドロフラン270gの混合物に、スピロ[4.5]デカン−6−オン73.21gと臭化エチル103.3gとテトラヒドロフラン500gの混合物を0℃以下を保ちながら滴下した。氷冷下飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物6−エチルスピロ[4.5]デカン−6−オール71.1g(収率81%)を得た。
6−エチルスピロ[4.5]デカン−6−オール
無色液体
沸点:68℃/16Pa
IR(film):ν=3613,3481,2938,2863,1456,1370,1335,1270,1152,1135,1111,1027,1000,972,957,897,854,799,776cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.78(3H,t,J=7.3Hz),1.60−1.12(1H,m),1.15−1.67(16H,m),1.85(1H,dt様,7,13Hz),3.64(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=27.30,21.69,22.10,25.12,25.51,25.78,31.63(br),31.90,33.40,35.02,50.67,73.28ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=67,85,108,121,135,153,164,182(M+)。
窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、6−エチルスピロ[4.5]デカン−6−オール80.0gとテトラヒドロフラン300gの混合物に2.64M n−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液172mlを滴下した。50−60℃で2時間撹拌した後、10℃以下に冷却した。塩化メタクリロイル55gとテトラヒドロフラン220mlの混合物を滴下し、室温で終夜撹拌した。氷冷下飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物メタクリル酸6−(6−エチルスピロ[4.5]デシル)80.2g(収率73%)を得た。
メタクリル酸6−(6−エチルスピロ[4.5]デシル)
無色液体
沸点:83℃/20Pa
IR(film):ν=2939,2865,1713,1637,1451,1398,1377,1326,1298,1182,1144,1102,1035,1007,934,923,891,874,813cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.89(3H,t,J=7.3Hz),1.26−1.32(2H,m),1.34−1.44(5H,m),1.46−1.64(6H,m),1.67−1.75(1H,m),1.84−2.00(3H,m),1.85(3H,br.s),2.20−2.26(1H,m),5.58(1H,br.s),5.94(1H,br.s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=9.57,18.30,21.16,21.46,25.06,25.43,26.52,30.60,33.00(br),34.08(br),35.33,51.27,88.93,124.38,137.59,165.61ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,69,108,135,163,221,250(M+)。
上述の合成例1と同様にして、脱離により生成するオレフィンの構造を解析したところ、以下のように同定された(カッコ内はその生成モル比)。
Figure 0005499889
[合成例3]メタクリル酸1−(1−メチルスピロ[4.4]ノニル)(Monomer3)の合成
Figure 0005499889
窒素雰囲気下40℃で撹拌しながら、塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液1.6mol(金属マグネシウム39gとテトラヒドロフラン1,300mlとクロロメタンから調製した)に、トルエン1,300ml、次いでスピロ[4.4]ノナン−1−オン(このものはシクロペンタノンから文献:A. P. Krapcho, Synthesis, 1974, p.383とその引用文献と類似の方法で合成した)111gとトルエン1,300mlの混合物を滴下した。反応混合物を70℃で1.5時間撹拌した後、室温に戻し、20%塩酸を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物1−メチルスピロ[4.4]ノナン−1−オール103g(収率83%)を得た。
1−メチルスピロ[4.4]ノナン−1−オール
無色液体
沸点:57℃/180Pa
IR(film):ν=3446,2954,2869,1452,1375,1306,1232,1206,1122,1072,1054,1002,969,947,934,906,853cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.05(3H,s),1.10−1.23(2H,m),1.35−1.75(12H,m),3.94(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=18.68,22.94,24.62,24.96,31.75,34.02,37.18,39.09,56.03,79.47ppm。
窒素雰囲気下40℃で撹拌しながら、1−メチルスピロ[4.4]ノナン−1−オール88g、トリエチルアミン114g、4−ジメチルアミノピリジン6.9g、アセトニトリル300mlの混合物に塩化メタクリロイル88gとアセトニトリル200mlの混合物を滴下した。50℃で終夜撹拌した後室温に戻し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物メタクリル酸1−(1−メチルスピロ[4.4]ノニル)105g(収率84%)を得た。
メタクリル酸1−(1−メチルスピロ[4.4]ノニル)
無色液体
沸点:61℃/20Pa
IR(film):ν=2955,2872,1713,1637,1469,1448,1400,1331,1304,1268,1169,1144,1117,1076,1051,1007,934,901,870,814cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.23−1.28(1H,m),1.35−1.40(1H,m),1.40(3H,s),1.48−1.66(9H,m),1.76−1.82(1H,m),1.82(3H,br.s),1.86−1.92(1H,m),2.22−2.29(1H,m),5.56(1H,quint様,J=1.5Hz),5.91(1H,q,J=0.9Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=18.05,18.09,18.58,24.57,24.69,32.19,33.31,34.41,36.15,57.02,91.51,124.51,137.48,165.71ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,69,95,135,153,222(M+)。
上述の合成例1と同様にして、脱離により生成するオレフィンの構造を解析したところ、以下のように同定された(カッコ内はその生成モル比)。
Figure 0005499889
[合成例4]メタクリル酸1−(1−エチルスピロ[4.4]ノニル)(Monomer4)の合成
Figure 0005499889
窒素雰囲気下−10℃〜0℃で撹拌しながら、金属リチウム13.01gとテトラヒドロフラン340mlの混合物に、スピロ[4.4]ノナン−1−オン86.4gと臭化エチル102.2gとテトラヒドロフラン560mlの混合物を0℃以下を保ちながら滴下した。室温で終夜撹拌した後、氷冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、出発原料のスピロ[4.4]ノナン−1−オン53gと目的物1−エチルスピロ[4.4]ノナン−1−オール34.3g(消費した原料から収率84%)を得た。
1−エチルスピロ[4.4]ノナン−1−オール
無色液体
IR(film):ν=3484,2955,2870,1462,1450,1376,1311,1266,1199,1128,1076,1040,1028,1009,995,971,943,920,896,866cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.17−1.12(1H,m),1.19−1.25(1H,m),1.35(2H,q,J=7.3Hz),1.35−1.65(10H,m),1.65−1.74(2H,m),3.68(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=8.64,18.71,24.45,25.01,27.08,31.96,33.64,35.17,37.64,56.86,81.87ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=67,85,121,139,150,168(M+)。
窒素雰囲気下40℃で撹拌しながら、1−エチルスピロ[4.4]ノナン−1−オール19.9g、トリエチルアミン24g、4−ジメチルアミノピリジン1.44g、アセトニトリル50mlの混合物に塩化メタクリロイル21gとアセトニトリル20mlの混合物を滴下した。50℃で終夜撹拌した後室温に戻し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物メタクリル酸1−(1−エチルスピロ[4.4]ノニル)21.2g(収率76%)を得た。
メタクリル酸1−(1−エチルスピロ[4.4]ノニル)
無色液体
沸点:68℃/10.6Pa
IR(film):ν=2955,2873,1713,1451,1328,1301,1169,1116,935,814cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.82(3H,t,J=7.3Hz),1.21−1.29(1H,m),1.32−1.40(1H,m),1.49−1.66(9H,m)1.76−1.83(1H,m),1.84(3H,br.s),1.84−1.92(2H,m),2.40−2.12(1H,m),2.30−2.36(1H,m)5.56(1H,quint様,J=1.5Hz),5.93(1H,s様)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=8.97,18.11,18.75,23.83,24.20,25.13,33.08,33.40,34.66,37.80,57.53,94.65,124.40,137.37,165.59ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,69,95,121,149,167,179,207,236(M+)。
[合成例5]メタクリル酸1−(1−メチルスピロ[4.5]デシル)(Monomer5)の合成
Figure 0005499889
窒素雰囲気下40℃で撹拌しながら、塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液0.95mol(金属マグネシウム23gとテトラヒドロフラン500mlとクロロメタンから調製した)に、トルエン500ml、次いでスピロ[4.5]デカン−1−オン(このものはシクロペンタノンから文献:A. P. Krapcho, Synthesis, 1974, p.383とその引用文献と類似の方法で合成した)73gとトルエン1,300mlの混合物を滴下した。反応混合物を70℃で終夜撹拌した後、室温に戻し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物1−メチルスピロ[4.5]デカン−1−オール50.2g(収率63%)を得た。
1−メチルスピロ[4.5]デカン−1−オール
無色液体
沸点:68℃/146Pa
IR(D−ATR):ν=3446,2925,2853,1450,1375,1235,1142,1120,1089,1050,924,899,841cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.97−1.63(19H,m),3.82(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=18.70,22.11,22.56,23.07,26.15,29.95,31.14,31.28,38.30,47.20,80.55ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=43,71,94,108,121,135,153,168(M+)。
窒素雰囲気下40℃で撹拌しながら、1−メチルスピロ[4.5]デカン−1−オール37g、トリエチルアミン43.8g、4−ジメチルアミノピリジン2.6g、アセトニトリル100mlの混合物に塩化メタクリロイル34.5gとアセトニトリル50mlの混合物を滴下した。50℃で終夜撹拌した後室温に戻し、5%塩酸を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物メタクリル酸1−(1−メチルスピロ[4.5]デシル)47.4g(収率94%)を得た。
メタクリル酸1−(1−メチルスピロ[4.5]デシル)
無色液体
沸点:68℃/13Pa
IR(D−ATR):ν=2927,2856,1709,1637,1449,1376,1328,1303,1169,1148,1135,932,812cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.02−1.11(1H,m),1.16−1.38(5H,m),1.38(3H,s),1.48−1.63(7H,m),1.65−1.72(1H,m),1.83(3H,br.s),1.84−1.91(1H,m),2.30−2.36(1H,m),5.56(1H,t様,J=1.8Hz),5.91(1H,s様)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=17.24,18.19,18.43,22.29,22.73,25.89,29.71,30.07,30.36,33.18,48.84,92.77,124.52,137.66,165.69ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,69,107,149,167,236(M+)。
[合成例6]メタクリル酸(1’−エチル−5−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−イル)(Monomer6)の合成
Figure 0005499889
2−ジメチルアミノシクロペンタノン63gとシクロペンタジエン40gの混合物を油浴110℃で12時間加熱還流した。反応混合物を蒸留した沸点67℃/80Pa以下の画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的物exo−5−ノルボルネン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オン25.7g(収率39%)と少量の異性体endo−5−ノルボルネン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オンを得た。
exo−5−ノルボルネン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オン
無色液体
IR(film):ν=2962,2872,1727,1335,1159,933cm-1
1H−NMR(400MHz in CDCl3):δ=0.85(1H,dd,J=2.9,11.2Hz)1.24−1.31(1H,m),1.50−1.66(1H,m),1.70−1.95(4H,m),2.01(1H,dd,J=3.6,11.5Hz),2.14−2.42(2H,m),2.70(br.s),2.87(br.s),6.12(1H,dd,J=2.9,5.9Hz),6.26(1H,dd,J=2.9,5.4Hz)ppm。
endo−5−ノルボルネン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オン
無色液体
IR(film):ν=2962,2872,1731,1335,1166,1012cm-1
1H−NMR(400MHz in CDCl3):δ=1.42−2.38(10H,m),2.76(br.s),2.86(br.s),5.85(1H,dd,J=2.9,5.4Hz),6.24(1H,dd,J=2.9,5.4Hz)ppm。
exo−5−ノルボルネン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オン25.5g、テトラヒドロフラン70ml、5%パラジウム−炭素触媒量の混合物に15kg/cm2で水素添加した。触媒を濾別して減圧濃縮して目的物exo−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オン25.8g(定量的収率)を得た。
exo−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オン
無色液体
IR(film):ν=2951,2872,1732,1317,1155,1041cm-1
1H−NMR(400MHz in CDCl3):δ=0.91(1H,dd,J=2.9,11.7Hz),1.05−1.22(2H,m),1.32−1.65(3H,m),1.67−2.35(10H,m)ppm。
窒素雰囲気下−35℃で撹拌しながら、金属リチウム3.2gとテトラヒドロフラン150mlの混合物に、exo−5−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オン26g(但し、exoはノルボルナン環に対するケトンの相対的立体位置を表す。このものは2−ジメチルアミノシクロペンタノンとシクロペンタジエンとのDiels−Alder付加体を水素添加して合成した)と臭化エチル32.8gの混合物を0℃以下を保ちながら滴下した。5℃で終夜撹拌した後、氷冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的物1’−エチル−5−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オール20.8g(収率68%)を得た。
exo−1’−エチル−5−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オール(ジアステレオマー混合物)
無色液体
IR(film):ν=3479,2949,2870,1458,1296,1130,1105,968,887cm-1
1H−NMR(400MHz in CDCl3):δ=0.81−0.90(1H,m),0.93−1.00(3H,m),1.08−1.21(3H,m),1.24−1.43(2.3H,m),1.44−1.65(9.5H,m),1.64−1.73(1H,m),1.80−1.87(0.3H,m),1.96−2.06(1H,m),2.17−2.22(1.7H,m)ppm(H数は0.93−1.00に現れる二つの異性体のCH3のシグナルの合計積分値を3Hにした場合のおよその相対値)。
窒素雰囲気下5℃で撹拌しながら、exo−1’−エチル−5−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−オール(ジアステレオマー混合物)13.8g、塩化メタクリロイル13ml、4−ジメチルアミノピリジン触媒量、塩化メチレン120mlの混合物にトリエチルアミン21mlを滴下した。室温で終夜撹拌し、飽和塩化アンモニウムを加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧濃縮して目的物メタクリル酸exo−(1’−エチル−5−ノルボルナン−2−スピロ−1’−シクロペンタン−2’−イル)を得た。
[合成例7]メタクリル酸6−メチル−6−ジスピロ[4.1.4.3]テトラデシル(Monomer7)の合成
Figure 0005499889
窒素雰囲気下50℃で撹拌しながら、塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液0.43mol(金属マグネシウム10.45gとテトラヒドロフラン150mlとクロロメタンから調製した)にジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オン(このものはスピロ[4.5]デカン−6−オンから文献:A. P. Krapcho, Synthesis, 1974, p.383とその引用文献と類似の方法で合成した)44.3gとテトラヒドロフラン50mlの混合物を60℃以下で滴下した。室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物6−メチルジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オール46.3g(収率97%)を得た。
6−メチルジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オール
無色液体
沸点:86℃/13Pa
IR(film):ν=3625,3520,2948,2866,1444,1377,1305,1111,1090,944,902cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.06(3H,s),1.14−1.23(6H,m),1.28−1.55(12H,m),1.62−1.73(2H,br),1.79−1.86(2H,m),3.72(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=18.69,20.09(CH3,br),23.41(2C,br),24.57(2C),30.12(2C,br),33.86(2C),34.83(2C,br),51.40(2C),74.68ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=43,67,93,108,122,135,162,189,204,222(M+)。
窒素雰囲気下に氷冷下撹拌しながら、2.64M n−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液57.5mlとテトラヒドロフラン60mlの混合物に6−メチルジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オール32.8gを20℃以下で滴下した。滴下後50℃で2時間撹拌した後、再び氷冷して、メタクリル酸ピバル酸混合酸無水物27gとテトラヒドロフラン160mlの混合物を滴下した。室温で終夜撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的物メタクリル酸6−メチル−6−ジスピロ[4.1.4.3]テトラデシル18.8g(収率44%)を得た。
メタクリル酸6−メチル−6−ジスピロ[4.1.4.3]テトラデシル
無色液体
IR(D−ATR):ν=2939,2866,1709,1637,1455,1385,1320,1297,1170,1145,1124,931,807cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.21−1.28(2H,m),1.30−1.60(16H,m),1.60−1.68(2H,m),1.66(3H,s),1.85(3H,br.s),1.90−1.97(2H,m)5.55(1H,quint様,J=1.2Hz),5.91(1H,s様)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6,60℃):δ=16.52(CH3,br),18.10,18.22,23.92(4C,br),33.78(2C),33.83(2C,br),34.19(2C,br),52.38(2C),93.01,123.59,138.05,165.47ppm。
13C−NMRスペクトルにおいて室温での測定ではピークのBroadeningによるシグナルの消失(Missing Carbon)が見られたため、60℃に加温して測定した。加温下にあっても、複数の配座間の平衡が立体障害により抑制されていることによると考えられるシグナルのBroadeningが観察された。
上記NMRの測定サンプルを用いて、触媒量のトリフルオロメタンスルフォン酸を添加して40℃に加熱して脱離反応を進行させて生成するオレフィンの構造を1H−及び13C−NMRで解析したところ、以下のように同定された(カッコ内はその生成モル比)。1,2−アルキルシフトによる骨格転移したデカリン型オレフィンの生成が観察された。
Figure 0005499889
[合成例8]メタクリル酸6−ジスピロ[4.1.4.3]テトラデシル(Monomer8)の合成
Figure 0005499889
窒素雰囲気下氷水で冷却撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム14.5g、メタノール145g、25%水酸化ナトリウム水溶液0.3g、水8g、テトラヒドロフラン73gの混合物にジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オン80g、テトラヒドロフラン73gを加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した後、トルエン300mlを加え有機層を分取した。通常の洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧濃縮して目的物ジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オール81.0g(収率99%)を得た。このものは十分な純度を有しており、これ以上精製せずに次工程に用いた。
ジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オール
無色固体
IR(D−ATR):ν=3481,2926,2861,1449,1060cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.99−1.07(2H,m),1.08−1.21(4H,m),1.25−1.35(2H,m),1.38−1.57(10H,m),1.57−1.63(2H,m),1.70−1.79(2H,m),3.11(1H,d,J=5.9Hz)3.39(1H,OH,d,J=5.9Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=19.55,23.96(2C),24.93(2C),30.19(2C),36.14(2C),38.06(2C),47.98,77.92(2C)ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,55,67,79,94,108,121,147,190,208(M+)。
窒素雰囲気下40℃で撹拌しながら、ジスピロ[4.1.4.3]テトラデカン−6−オール5.0g、トリエチルアミン4.80g、4−ジメチルアミノピリジン0.29gとアセトニトリル25mlの混合物に、塩化メタクリロイル3.72gとアセトニトリル5mlの混合物を滴下した。反応混合物を40℃で終夜撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的物メタクリル酸6−ジスピロ[4.1.4.3]テトラデシル1.92g(収率29%)を得た。
メタクリル酸6−ジスピロ[4.1.4.3]テトラデシル
無色液体
IR(D−ATR):ν=2948,2865,1712,1452,1292,1161,935,810cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.25−1.55(22H,m),1.89(3H,s),4.77(1H,s),5.66(1H,quint様,J=1.5Hz),6.04(1H,s様)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6,60℃):δ=17.71,18.85,23.39(2C),23.55(2C),33.12(2C,br),34.31(2C,br),35.96(2C,br),47.10,81.65(2C),124.85,136.06,166.18ppm。
13C−NMRスペクトルにおいて室温での測定ではピークのBroadeningによるシグナルの消失(Missing Carbon)が見られたため、60℃に加温して測定した。加温下にあっても、複数の配座間の平衡が立体障害により抑制されていることによると考えられるシグナルのBroadeningが観察された。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,55,69,94,108,133,148,162,190,234,248,262,276(M+)。
[合成例9]アクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)の合成
Figure 0005499889
6−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オール100g、トリエチルアミン83g、トルエン250gの混合物に、アクリロイルクロリド69gのトルエン50g溶液を60℃にて1時間かけて滴下した。同温度にて6時間撹拌後、反応液を0℃に冷却し、水50g、飽和重曹水130gを滴下して反応を停止した。へキサン300gを加え、抽出、洗浄、乾燥を行い、濃縮し、蒸留精製をして目的物であるアクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)105gを得た(収率82%)。
アクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)
無色液体
沸点:69℃/20Pa
IR(D−ATR):ν=2937,2863,1718,1619,1449,1401,1377,1296,1283,1254,1209,1165,1148,1102,1047,1014,984,960,912,887,865,810cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.21−1.41(7H,m),1.43(3H,s),1.46−1.63(6H,m),1.78(1H,br),1.86−1.92(1H,m),2.17(1H,br),5.84(1H,dd,J=1.6,10.3Hz),6.04(1H,dd,J=10.1,17.4Hz),6.19(1H,dd,J=1.9,17.4Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=19.36,21.39,21.48,25.67,25.75,32.04,33.15,34.04,34.87,49.94,129.82,130.31,164.51ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=27,43,55,67,81,93,108,121,135,149,165,179,193,207,222,283(M+)。
[合成例10]5−ノルボルネン−2−カルボン酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)の合成
Figure 0005499889
アクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)50gに、ジシクロペンタジエン20gより発生させたシクロペンタジエンを30℃にて滴下した。70℃まで徐々に内温を上げ、12時間撹拌を行った。反応液を直接シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、目的物5−ノルボルネン−2−カルボン酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)54gのジアステレオマー混合物を得た(収率98%)。
5−ノルボルネン−2−カルボン酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル),エンド体の2つのジアステレオマーとエキソ体の2つのジアステレオマーの混合物,エンド体:エキソ体=85:15
無色液体
IR(D−ATR):ν=3061,2939,2864,1725,1570,1445,1376,1335,1296,1271,1252,1203,1165,1147,1132,1103,1063,1016,1000,954,922,904,887,866,838,815,778,759,711cm-1
本品はエンド体の2つのジアステレオマーとエキソ体の2つのジアステレオマーの混合物であり、1H−NMR、及び13C−NMRにおいて複雑なスペクトルを与えた。下記には主要異性体のスペクトルを示す。
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.20−1.45(13H,m),1.47−1.62(6H,m),1.63−1.84(2H,m),1.85−1.94(1H,m),1.95−2.26(1H,m),2.83(1H,br),2.90−2.99(1H,m),3.08(1H,br),5.90(1H,dd,J=4.6,10.0Hz),6.14−6.18(1H,m)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=19.25,21.35,21.44,21.49,21.55,25.72,25.80,25.83,28.17,28.20,32.02,32.22,33.15,33.36,33.83,34.10,34.88,34.94,41.88,43.84,43.93,45.17,45.30,49.02,49.23,49.89,49.92,85.67,85.76,132.15,132.30,137.49,137.54,172.60,172.66ppm。
主要異性体のGC−MSスペクトルを示す。
GC−MS(EI):(m/z)+=27,43,66,81,95,121,135,150,166,190,205,223,245,259,273,288,313,326(M+)。
[合成比較例1]メタクリル酸(8−メチル−8−スピロ[4.5]デシル)(Monomer9)の合成
Figure 0005499889
p−(4−クロロブチル)フェノール5.5gに25%水酸化ナトリウム水溶液4.8gを加え、撹拌した。混合物を減圧下徐々に加熱して水を除去(120℃,50Paまで)し、引き続き温度を180−200℃まで上げ、留分を取得、スピロ[4.5]デカ−6,9−ジエン−8−オン2.11g(収率47%)を得た。
スピロ[4.5]デカ−6,9−ジエン−8−オン
無色液体
IR(D−ATR):ν=2955,2868,1655,1621,1406,1254,1174,941,856cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.70−1.75(4H,m),1.84−1.90(4H,m),6.06−6.11(2H,m),7.04−7.08(2H,m)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=24.68(2C),37.24(2C),48.32,126.40(2C),155.72(2C),185.17ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=91,107,120,133,148(M+)。
スピロ[4.5]デカ−6,9−ジエン−8−オン12.8gと酢酸エチル50ml、10%パラジウム−炭素触媒量の混合物に12kg/cm2で水素添加した。触媒を濾別して減圧濃縮して目的物8−スピロ[4.5]デカノン13.5g(定量的収率)を得た。このものは十分な純度を有しており、これ以上精製せずに次工程に用いた。
8−スピロ[4.5]デカノン
無色液体
IR(D−ATR):ν=2946,2856,1714,1446,1336,1231,1143,962cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.48−1.56(4H,m),1.59−1.64(4H,m),1.66(4H,t,J=6.9Hz),2.24(4H,t,J=6.9Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6,60℃):δ=23.96(2C),36.64(2C),36.96(2C),38.55(2C),41.60,211.22ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=55,67,81,97,108,123,152(M+)。
8−スピロ[4.5]デカノンの別途合成
文献:Organic Syntheses, Collective Volume7, 473ページに記載の方法と類似の工程でシクロオクタンカルバルデヒドの代わりにシクロペンタンカルバルデヒド221.84gを用いて調製したピペリジンエナミンのメチルビニルケトンへのMichael付加、アルドール縮合による環化、脱水、加水分解し、減圧蒸留により精製してスピロ[4.5]デカ−6−エン−8−オン173.4g(収率54%)を得た。
スピロ[4.5]デカ−6−エン−8−オン
無色液体
IR(D−ATR):ν=2948,2861,1673,1447,1388,1228,1137,927,791cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.54−1.73(8H,m),1.81(2H,t,J=6.9Hz),2.31−2.35(3H,m),5.74(1H,d,J=9.6Hz),6.83(1H,d,J=10.1Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=24.03(2C),33.18,34.98,37.40(2C),43.76,126.05,159.64,198.73ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=53,66,79,94,108,122,150(M+)。
スピロ[4.5]デカ−6−エン−8−オン170gとテトラヒドロフラン400ml、10%パラジウム−炭素触媒量の混合物に10kg/cm2で水素添加した。触媒を濾別して減圧濃縮して目的物8−スピロ[4.5]デカノン187g(定量的収率)を得た。このものの分光学的な性質は上述のものと一致した。また、このものは十分な純度を有しており、これ以上精製せずに次工程に用いた。
窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液0.205mol(金属マグネシウム5.0gとテトラヒドロフラン100mlとクロロメタンから調製した。)に8−スピロ[4.5]デカノン13.4gとテトラヒドロフラン80mlの混合物を50℃以下で滴下した。室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧濃縮して目的物8−メチルスピロ[4.5]デカン−8−オール14.43g(収率99%)を得た。このものは十分な純度を有しており、これ以上精製せずに次工程に用いた。
8−メチルスピロ[4.5]デカン−8−オール
無色固体
IR(D−ATR):ν=3334,2918,2853,1443,1373,1268,1130,993,891cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.57(3H,s),1.13−1.18(2H,m),1.28−1.35(6H,m),1.36−1.41(2H,m),1.47−1.55(6H,m),3.94(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6,60℃):δ=23.51,23.88,29.23(br),33.44,35.60(2C,br),36.24,38.91(2C,br),41.33,67.17ppm。
窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、8−メチルスピロ[4.5]デカン−8−オール14.4g、トリエチルアミン13.5g、4−ジメチルアミノピリジン触媒量、アセトニトリル150mlとテトラヒドロフラン100mlの混合物に塩化メタクリロイル13.9gを滴下した。50℃で終夜撹拌した後室温に戻し、水を加えて反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物メタクリル酸(8−メチル−8−スピロ[4.5]デシル)17.0g(収率83%)を得た。
メタクリル酸(8−メチル−8−スピロ[4.5]デシル)
無色液体
沸点:78℃/9.3Pa
IR(D−ATR):ν=2933,2854,1711,1637,1445,1327,1306,1176,1148,935cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.26−1.31(2H,m),1.31−1.35(2H,m),1.38−1.44(4H,m),1.46(3H,s),1.47−1.61(6H,m),1.84−1.86(3H,t様,J=0.9Hz),2.05−2.10(2H,m),5.55−5.57(1H,m),5.93−5.95(1H,m)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6,60℃):δ=17.70,23.39,23.99,24.71,32.85,33.12,34.75(2C),39.87(2C)40.95,80.80,123.96,137.29,165.42ppm。
[合成比較例2]メタクリル酸(7−メチル−7−スピロ[4.5]デシル)(Monomer10)の合成
Figure 0005499889
文献:Organic Syntheses, Collective Volume5, 539ページに記載の方法と類似の工程でジヒドロレゾルシノールの代わりにスピロ[4.5]デカン−7,9−ジオン81.2gを用いエチルアルコールの代わりにイソブチルアルコールを用いて、対応するイソブチルエノールエーテルを調製しシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して9−イソブチルオキシスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−オン(収率56%)を得た。
9−イソブチルオキシスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−オン
無色液体
IR(D−ATR):ν=2954,2873,1655,1603,1471,1381,1362,1213,1146,1002,819cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.91(6H,d,J=6.4Hz),1.34−1.47(4H,m),1.56−1.63(4H,m),1.94(1H,nonet,J=6.4Hz),2.19(1H,s),2.36(1H,s),3.63(2H,d,J=6.4Hz),5.26(1H,s,OH)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=18.79(2C),23.60(2C),27.18,37.48(2C),40.67,42.89,48.67,74.13,101.54,176.34,197.82ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,57,69,84,96,109,125,138,151,167,222(M+)。
窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、水素化アルミニウムリチウム10.0gとテトラヒドロフラン400mlの混合物に9−イソブチルオキシスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−オン59gとテトラヒドロフラン150mlの混合物を滴下した。室温で終夜撹拌した後、氷冷し、水20ml、次いで10%硫酸400mlを滴下して反応を停止した。室温で1時間撹拌した後、通常の洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧濃縮して8−スピロ[4.5]デセン−7−オンと8−スピロ[4.5]デセン−7−ノールの混合物45.9gを得た。得られた混合物45.8gにテトラヒドロフラン50ml、10%パラジウム−炭素触媒量を加え、14kg/cm2で水素添加した。触媒を濾別して減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して、7−スピロ[4.5]デカノン30.85g(収率79%)と7−スピロ[4.5]デカノール8.92g(収率23%)を得た。
7−スピロ[4.5]デカノン
無色液体
IR(D−ATR):ν=2940,2870,1708,1444,1310,1226,1174,1020cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.27−1.41(4H,m),1.52−1.58(4H,m),1.58−1.62(2H,m),1.72−1.77(2H,m),2.17(2H,s),2.21(2H,t,J=6.4Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=23.18,23.69(2C),35.74,37.54(2C),40.52,46.93,52.49,210.62ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,55,67,81,94,109,123,137,152(M+)。
7−スピロ[4.5]デカノール
無色固体
IR(D−ATR):ν=3326,2925,2856,1449,1364,1091,1052,1019cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=0.96−1.10(3H,m),1.22−1.38(6H,m),1.47−1.61(6H,m),1.73−1.79(1H,m),3.35−3.33(1H,m),4.33(1H,OH,d,J=4.6Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=21.34,23.22,24.41,34.89,35.56,36.57,41.70,43.15,47.31,66.74ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41,55,67,79,94,107,121,138,154(M+)。
窒素雰囲気下−70℃で撹拌しながら、塩化オキサリル14.4gと塩化メチレン100mlの混合物にジメチルスルフォキシド12.0gを加え、10分間撹拌した。次いで、−55℃以下で7−スピロ[4.5]デカノール8.72gと塩化メチレン20mlの混合物を滴下し、−70℃で30分間撹拌した。更にトリエチルアミン50gを加えた後、撹拌しながら−5℃まで昇温した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、通常の洗浄・乾燥・濃縮の後処理操作の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して、7−スピロ[4.5]デカノン8.22g(収率96%)を得た。このものの分光学的な性質は上述のものと一致した。
窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液0.502mol(金属マグネシウム12.2gとテトラヒドロフラン500mlとクロロメタンから調製した)に7−スピロ[4.5]デカノン39.1gとテトラヒドロフラン100mlの混合物を滴下した。室温で終夜撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧濃縮して目的物7−メチルスピロ[4.5]デカン−7−オール42.3g(収率95%)を得た。このものは十分な純度を有しており、これ以上精製せずに次工程に用いた。
7−メチルスピロ[4.5]デカン−7−オール
無色固体
IR(D−ATR):ν=3382,2926,2865,1447,1371,1274,1168,1126,962,922cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.02−1.09(1H,m),1.05(3H,s),1.17−1.65(15H,m),3.76(1H,OH,s)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=19.46,22.94,24.02,31.58,36.50,36.93,39.22,41.32,42.24,49.77,68.55ppm。
窒素雰囲気下50℃で撹拌しながら、7−メチルスピロ[4.5]デカン−7−オール42.0g、トリエチルアミン40.2g、4−ジメチルアミノピリジン触媒量、アセトニトリル400mlとテトラヒドロフラン50mlの混合物に塩化メタクリロイル41.0gを滴下した。50℃で1時間、室温で終夜、更に50℃で1時間撹拌した後室温に戻し、水を加え反応を停止した。通常の抽出・洗浄・乾燥の後処理操作の後、減圧蒸留して目的物メタクリル酸7−メチル−7−スピロ[4.5]デシル43.7g(収率78%)を得た。
メタクリル酸7−メチル−7−スピロ[4.5]デシル
無色液体
沸点:95℃/73Pa
IR(D−ATR):ν=2929,2866,1709,1637,1447,1331,1306,1174,1153,935cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.01−1.08(1H,m),1.15−1.22(1H,m),1.24−1.35(3H,m),1.40−1.56(9H,m),1.42(3H,s),1.83(3H,d,J=1.4Hz),2.06−2.11(1H,m),2.16−2.21(1H,m),5.58(1H,dq様,J=0.9,1.4Hz),5.94(1H,q,J=0.9Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=18.15,18.82,22.11,23.97,26.41,34.94,35.16,37.02,41.94,42.02,45.08,81.67,124.62,137.51,165.88ppm。
本発明の高分子化合物を以下に示す処方で合成した。
[合成例9−1]ポリマー1の合成
窒素雰囲気下、メタクリル酸(6−メチル−6−スピロ[4.5]デシル)6.14g、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル5.12g、メタクリル酸4,8−ジオキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン−2−イル8.74g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.57gと2−メルカプトエタノール0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート22.09gとγ−ブチロラクトン18.97gに溶解させ、溶液を調製した。その溶液を窒素雰囲気下80℃で撹拌したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.28gとγ−ブチロラクトン5.39gに4時間かけて滴下した。滴下終了後80℃を保ったまま2時間撹拌し、室温まで冷却した後、重合液を320gのメタノールに滴下した。析出した固形物を濾別し、メタノール120gで二回洗浄した後、50℃で16時間真空乾燥して、下記式で示される白色粉末固体状の高分子化合物(Polymer1)が得られた。収量は17.19g、収率は86%であった。なお、Mwはポリスチレン換算でのGPCを用いて測定した重量平均分子量を表す。
Figure 0005499889
[合成例9−2〜29、合成比較例3−1〜10]ポリマー2〜39の合成
各単量体の種類、配合比を変えた以外は、上記[合成例9−1]と同様の手順により、下記に示す構造及び各単量体組成比の樹脂を製造した。
[合成例9−2]
Figure 0005499889
[合成例9−3]
Figure 0005499889
[合成例9−4]
Figure 0005499889
[合成例9−5]
Figure 0005499889
[合成例9−6]
Figure 0005499889
[合成例9−7]
Figure 0005499889
[合成例9−8]
Figure 0005499889
[合成例9−9]
Figure 0005499889
[合成例9−10]
Figure 0005499889
[合成例9−11]
Figure 0005499889
[合成例9−12]
Figure 0005499889
[合成例9−13]
Figure 0005499889
[合成例9−14]
Figure 0005499889
[合成例9−15]
Figure 0005499889
[合成例9−16]
Figure 0005499889
[合成例9−17]
Figure 0005499889
[合成例9−18]
Figure 0005499889
[合成例9−19]
Figure 0005499889
[合成例9−20]
Figure 0005499889
[合成例9−21]
Figure 0005499889
[合成例9−22]
Figure 0005499889
[合成例9−23]
Figure 0005499889
[合成例9−24]
Figure 0005499889
[合成例9−25]
Figure 0005499889
[合成例9−26]
Figure 0005499889
[合成例9−27]
Figure 0005499889
[合成例9−28]
Figure 0005499889
[合成例9−29]
Figure 0005499889
[合成比較例3−1]
Figure 0005499889
[合成比較例3−2]
Figure 0005499889
[合成比較例3−3]
Figure 0005499889
[合成比較例3−4]
Figure 0005499889
[合成比較例3−5]
Figure 0005499889
[合成比較例3−6]
Figure 0005499889
[合成比較例3−7]
Figure 0005499889
[合成比較例3−8]
Figure 0005499889
[合成比較例3−9]
Figure 0005499889
[合成比較例3−10]
Figure 0005499889
[実施例、比較例]
レジスト材料の調製
[実施例1−1〜35、比較例1−1〜11]
上記で製造した本発明の樹脂(ポリマー1〜29)及び比較例用の樹脂(ポリマー30〜39)をベース樹脂として用い、酸発生剤、塩基性化合物、及び溶剤1,2を表1に示す組成で添加し、混合溶解後にそれらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、本発明のレジスト材料(R−01〜35)及び比較例用のレジスト材料(R−36〜46)とした。なお、溶剤はすべて界面活性剤としてKH−20(旭硝子(株)製)を0.01質量%含むものを用いた。
Figure 0005499889
表1中、略号で示した酸発生剤は、それぞれ下記の通りである。
Figure 0005499889
また、表1中、略号で示した塩基性化合物及び溶剤1,2は、それぞれ下記の通りである。
Base−1:オクタン酸2−モルホリノエチル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
CyHO:シクロヘキサノン
レジスト材料の評価1 感度比較
[実施例2−1〜7、比較例2−1〜5]
実施例1で得られたレジスト材料(R−01〜35)及び比較例用のレジスト材料(R−36〜46)のうち、下記表2に記載のレジスト材料を、反射防止膜(日産化学工業(株)製、ARC29A、78nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、120℃、60秒間の熱処理を施して、厚さ150nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、NA=0.85)を用いてオープンフレーム露光し、120℃、60秒間の熱処理(PEB)を施した後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて30秒間パドル現像を行い、レジスト膜厚がゼロになる最低露光量(E0)を求めた。E0が小さいほど高感度であり、レジストベース樹脂が高反応性であると考えられる。
各レジストの評価結果を表2に示す。
Figure 0005499889
表2に記載の結果より、本発明のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体が高反応性であると考えられる。例えば、比較例2−1と実施例2−1の結果を比べると、Monomer1のもつスピロ環結合が酸脱離反応に大きく寄与していることが確かめられる。また、比較例2−2、比較例2−3と実施例2−1の結果から、スピロ環結合の位置が酸脱離反応点に隣接するMonomer1は、スピロ環結合の位置が酸脱離反応点から1炭素又は2炭素離れたMonomer9、Monomer10よりも高反応性であり、酸脱離反応にはスピロ環の結合位置により反応性に差があることが確かめられる。なお、比較例2−2、比較例2−3の結果で僅かに見られる反応性の差異については、スピロ環結合が酸脱離反応点と六員環上で1炭素隔てた位置にあるMonomer10では酸脱離反応に1,3−ジアキシアル相互作用の寄与などが考えられ、そのためMonomer9と比べて僅かに高い反応性を示すものと考えられる。
レジスト材料の評価2 パターン解像性能比較
[実施例3−1〜35、比較例3−1〜11]
本発明のレジスト材料(R−01〜35)及び比較用のレジスト材料(R−36〜46)を、反射防止膜(日産化学工業(株)製、ARC29A、90nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、100℃で60秒間の熱処理を施して、厚さ100nmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜上にレジスト保護膜材料(信越化学工業(株)製、SIOC−3、50nm)を回転塗布、熱処理(90℃、60秒間)し、これをArF液浸エキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、NA=1.30)を用いて6%ハーフトーン位相差マスクに描画された一定のパターンを転写露光し、60秒間の熱処理(PEB)を施した後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて30秒間パドル現像を行い、ラインアンドスペースパターンを形成した。PEBにおいては、各レジスト材料に最適化した温度を適用した。作製したパターン付きウエハーを上空SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、40nm1:1ラインアンドスペース転写パターンにおいてライン幅を測長し、ライン幅の露光量に対する依存性を調べた。40nmラインが形成される露光量を最適露光量(mJ/cm2)とし、次に、ライン幅が40nm±10%以内となる露光量幅を求め、露光量幅を最適露光量で割って百分率表示し、露光余裕度とした。値が大きいほど露光量変化による寸法変化が小さく、露光余裕度が良好である。また、マスク忠実性の尺度を得るため、該最適露光量において、マスクのライン幅に対するレジストに形成されたライン幅をプロットし、直線近似により傾きを算出し、これをマスクエラーエンハンスメントファクター(MEEF)とした。MEEF値が小さいほど、マスク忠実性が高く、マスクパターンの仕上がり誤差の影響を抑えることができるため、良好である。更にラフネスを比較するため、40nm1:1ラインアンドスペースのライン長2μm範囲において、等間隔で100点、ライン幅を測長した。次にこれら測長値の3σ値を算出し、Line Width Roughness(LWR)とした。LWR値が小さいほど、ラフネスが小さく、好ましい。
各レジスト材料の評価結果を表3に示す。
Figure 0005499889
表3に記載の結果より、本発明のレジスト材料が、ArFエキシマレーザー露光において、解像性能に優れることが確認された。例えば、比較例3−1、比較例3−2、比較例3−3、比較例3−4と実施例3−1、実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4、実施例3−5、実施例3−6の結果を比較すると、酸脱離性単量体におけるスピロ環構造の有無やスピロ環結合位置の違いにより解像性能に差が生じること、また、本発明の酸発生剤と組み合わせることで更に解像性が向上することが確かめられる。
レジスト材料の評価3 PEB温度依存性
[実施例4−1〜3、比較例4−1〜3]
上記実施例3−1〜35、比較例3−1〜11の40nmの1:1のラインアンドスペース評価条件にて、最適露光量におけるライン幅のPEB温度依存性を調べた。
実施例1で得られたレジスト材料(R−01〜35)及び比較例用のレジスト材料(R−36〜46)のうち、表4に記載のレジスト材料を、レジスト毎に選んだ表4に記載の最適PEB温度±4℃範囲で2℃刻みにPEB温度を変化させ、PEB温度に対しライン幅をプロットし、直線近似式の最小二乗法フィッテングを行い、その傾き(nm/℃)を比較した。傾きが小さいほどPEB温度依存性が小さく、ウエハー面上の熱履歴の違いを原因とした寸法変化が抑制されることから好ましい。
評価結果を表4に示す。
Figure 0005499889
表4に記載の結果より、本発明のレジスト材料のPEB温度依存性が小さいことが確認された。

Claims (6)

  1. 下記一般式(2)又は(3)で表されるスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体。
    Figure 0005499889

    (式中、Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。R5は水素原子、又はメチル基を表す。nは1又は2を表す。pは0又は1を表す。)
  2. 下記一般式(a)又は(3a)で表される、請求項に記載のスピロ環構造を有する酸脱離性エステル型単量体から得られる繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物。
    Figure 0005499889

    (式中、Xはこれが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、シクロヘキサン環、又はノルボルナン環を形成する2価の基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、又は、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に置換又は非置換のシクロペンタン環、又はシクロヘキサン環を形成する2価の基を表す。R5は水素原子、又はメチル基を表す。nは1又は2を表す。pは0又は1を表す。)
  3. 更に、下記一般式(5a)〜(8a)で表される繰り返し単位のいずれか1種以上を含有する請求項2に記載の高分子化合物。
    Figure 0005499889

    (式中、Zaは下記式
    Figure 0005499889

    で表される。R 1 は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し、R 5 は水素原子、又はメチル基であり、pは0又は1を表す。R 11 及びR 12 はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Rxは酸不安定基を示す。Ryはラクトン構造を有する置換基を示す。Rzは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。)
  4. 請求項2又は3に記載の高分子化合物をベース樹脂として含有すると共に、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物を含有することを特徴とするレジスト材料。
  5. 活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物が、下記一般式(4)で表されるスルホニウム塩化合物であることを特徴とする請求項4に記載のレジスト材料。
    Figure 0005499889

    (式中、R6、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、又はそれぞれヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子を示す。R9はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基を示す。R10は水素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)
  6. 請求項4又は5に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
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